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eラーニング作成ツールおすすめ11選|PowerPoint・動画・PC操作の素材別に比較

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社内の集合研修をオンラインに置き換えたいものの、既存の PowerPoint 資料や講義動画をそのまま教材にできる道具が分からず、内製で本当に回せるのか、AI で工数を減らせるのか——そう感じている教育・人事・情シス担当の方は少なくありません。教材そのものを組み上げる道具(オーサリングツール)は、配信・受講管理を担う LMS とは別のカテゴリで、比べるべき軸も違います。

社内に眠る素材は、PowerPoint 資料・撮影動画・PC 操作の手順書と、種類が入り混じっています。素材ごとに向いているツールが異なるため、まず自社が扱いたい素材から候補を絞り込むと、稟議に載せる 3〜5 社まで自然と絞れます。SCORM・xAPI 対応や AI 作問といった技術要件は、その後の一次スクリーニングで確認する順序が扱いやすくなります。

本記事では、教材制作機能を持つ11 サービスを「PowerPoint/PC 操作/動画/マニュアル/AI」の素材別 5 型に分けて比較します。素材別のタイプ分類・比較表・診断ウィジェットで候補を短時間で絞り込み、SCORM/xAPI や AI 対応、料金相場、内製する場合の実務手順・著作権の注意点まで、稟議材料として使える粒度で整理しました。

また、貴社の素材と制作リソースに合わせて最短で候補を絞り込めるよう、「約 1 分で終わる選定診断ツールをご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

配信・受講管理(LMS)側から候補を検討したい場合は、以下の LMS 比較記事も併せてご覧ください。教材制作と配信の両機能をまとめて 1 サービスで賄うオールインワン型を検討する場合の起点にもなります。

eラーニング作成ツールのタイプ|素材別 5 型で自社に合うツールを見極める

教材そのものを組み上げる道具は、扱いたい素材と制作リソースで 5 つの型に分かれます。まずは自社にある素材と、1〜2 名の内製で回るかを確認すると、候補を短時間で絞り込めます。以下の表で、素材別 5 型の全体像を把握してください。

← 横にスクロールできます →
タイプPowerPoint 型PC 操作型動画型マニュアル型AI 型
(作問AI/
音声合成/
不正監視AI)
向いている担当者教育・人事担当
(教材制作の入り口)
情シス・DX 推進担当集合研修運営・現場教育担当多店舗・現場 SOP 担当内製 1〜2 名の教材制作担当/
必須受講の証跡管理担当
何の素材から何ができるか既存 PPT スライドを取り込み、
テスト・ナレーション・アニメーション
を付加して SCORM/xAPI で書き出し
PC 上での操作をキャプチャして
画面と解説文を自動生成、
手順書・シミュレーション教材を書き出し
撮影した講義動画・現場動画に
字幕・章立て・テストを載せて教材化
写真・動画のステップ型で
業務マニュアルを作成し、
そのままトレーニングコース化
資料からの設問自動生成・自動採点・
多言語音声合成で制作工数を圧縮。
テスト特化系では受講中の不正監視 AI
を持つ製品もある
該当する主なサービスiSpring Suite
learningBOX
Cloud Campus
iTutor
Dojo
AirCourse
Cloud Campus
ClipLine
Teachme Biz
ClipLine
ContentsPRO
manebi eラーニング
SAKU-SAKU Testing
(不正監視特化)

PowerPoint 資料をそのまま教材化できるツール

社内に PowerPoint の研修資料が蓄積されていて、それをそのまま活用したい担当者に向いた型です。既存スライドを取り込み、テスト・ナレーション・アニメーションを付加して、SCORM・xAPI などの規格で書き出せます。教材制作の経験が浅い 1 人内製でも扱いやすく、教育担当が最初に触りやすい入り口となります。

出力形式は SCORM 1.2 / SCORM 2004 / xAPI / cmi5 / AICC の 5 規格に対応する製品もあり、自社の既存 LMS に載せ替える前提でも選択肢が広がります。PowerPoint のアドインとして動作するタイプと、ブラウザ側で PPT ファイルをアップロードして教材化するタイプの両方があり、既存の PowerPoint 運用に手を加えたくない場合は前者が扱いやすくなります。

PC 操作の手順書・シミュレーション教材を作れるツール

基幹システムや業務アプリの操作手順を教材化したい情シス・DX 推進担当に向いた型です。PC 上で操作を実行するだけで、画面キャプチャと解説文を自動で生成し、練習用のシミュレーション教材まで書き出せます。操作の記録から動画・マニュアル・eラーニングの 3 形式を同時に得られる製品もあり、業務システム刷新の教育負荷を減らせます。

Word・Excel・PowerPoint・動画・HTML5・シミュレーションと出力形式が広いため、既存の社内文書資産と組み合わせて配信する運用にも向きます。買い切りライセンスと年間サブスクの両方式があり、初期投資を平準化したい情シス予算にも合わせやすい型です。

撮影した動画を教材化できるツール

講義動画や現場作業の撮影動画を教材に仕立てたい担当者に向いた型です。動画に字幕・章立て・確認テストを載せて、視聴だけで終わらない教材に組み上げられます。集合研修を録画して展開するケースや、店舗・工場の実演を教育コンテンツ化するケースで力を発揮します。

動画のアップロード容量や字幕の自動生成範囲は製品ごとに異なるため、素材の分量と多言語対応の要否で選び分けます。動画型は他タイプ(PowerPoint 型・マニュアル型)と補完関係にあり、動画教材と PPT 教材を 1 つの LMS 上で組み合わせて配信できる構成もあります。

業務マニュアルを兼ねる教材を作れるツール

現場 SOP や店舗マニュアルを、教材と現場マニュアルの両方に流用したい多店舗・現場運用の担当者に向いた型です。写真・動画・テキストのステップ型でマニュアルを作り、そのままトレーニングコースとして配信できます。マニュアルと教材の二重管理を解消し、更新はマニュアル側で 1 度だけ行えばよい運用が組めます。

多言語対応(26 言語超の自動翻訳)や、動画音声からの自動字幕・生成 AI による翻訳を備える製品もあり、外国人スタッフを含む現場でも教育コンテンツを均質に配信できます。多店舗フランチャイズや飲食・小売の現場教育で採用が広がっています。

AI で作問・音声合成・不正監視を支援するツール

1〜2 名の内製体制で制作工数を圧縮したい担当者に向いた型です。PowerPoint・Word・PDF から AI が問題文と選択肢を自動生成し、自由記述問題も 24 時間 365 日 AI が自動採点する製品や、資料からコース構成そのものを AI が下書きする製品まで登場しています。

音声合成・字幕生成・翻訳を組み合わせると、動画教材の多言語展開が数日規模から数時間規模に短縮できるケースもあります。AI の適用範囲は製品ごとに「作問特化」「教材下書き特化」「音声・翻訳特化」「不正監視特化」に分かれるため、自社が圧縮したい工程に合わせて選びます。不正監視特化系は作問 AI や音声合成を持たない代わりに、Web カメラでの本人確認・離席検知・なりすまし検知など、資格試験レベルの受講管理を AI で補強します。制作工数の圧縮を求める担当者と、必須受講の証跡管理を求める担当者では、同じ「AI 型」でも選ぶ製品が変わります。

【診断】自社に合う作成ツールを絞り込む診断ツール

以下の診断ツールでは、自社の素材(PowerPoint/動画/PC 操作)と制作リソース、AI 支援の要否から、合うタイプと具体サービスを数件まで絞り込めます。3 問に答えるだけで、本記事の比較表・サービス個別紹介の該当箇所へすぐ移動できるので、まずはここから自社適合タイプを確認してみてください。

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本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。
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【比較表】eラーニング作成ツールおすすめ比較 11 選

対応素材・SCORM/xAPI 出力・作問 AI・音声合成・料金レンジを製品横断で並べています。手元にある素材と「対応素材」列を先に照合し、続けて SCORM/xAPI と AI の対応で技術要件を確認する順で見ると、候補を短時間で絞り込めます。列の詳しい読み方は選び方の章にまとめました。

← 横にスクロールできます →
サービス名iSpring SuitelearningBOXCloud CampusiTutorDojoAirCourseTeachme BizABILI ClipContentsPROmanebi eラーニングSAKU-SAKU Testing
対応素材PowerPoint
(Windows版
アドイン限定)
PowerPoint
テスト・暗記カード
PowerPoint
動画・録画・HTML
PC操作
Word/Excel/PPT/
PDF/動画/HTML5
PC操作
Word/Excel/PPT/
動画/HTML5/
シミュレーション
動画・スライド
テスト・アンケート
写真・動画
ステップ型
マニュアル
動画マニュアル
写真
PPT/PDF/Excel/
動画/VR/360度
自社教材
アップロード
(最大100GB)
テスト・ドリル
教材アップロード
SCORM・xAPI 出力SCORM 1.2/2004
xAPI/cmi5/AICC
仕様書未公表・要問合せ仕様書未公表・要問合せSCORM
(xAPIは仕様書
未公表・要問合せ)
SCORM/xAPI仕様書未公表・要問合せ仕様書未公表・要問合せ仕様書未公表・要問合せ仕様書未公表・要問合せ仕様書未公表・要問合せ仕様書未公表・要問合せ
作問AIAI Assistantスタンダード以上仕様書未公表・要問合せ仕様書未公表・要問合せ仕様書未公表・要問合せ仕様書未公表・要問合せTeachme AI仕様書未公表・要問合せ作問・コース・採点オリジナル教材
作成AI
作問AIなし
(不正監視AI
AIMONITOR搭載)
音声合成53言語仕様書未公表・要問合せ仕様書未公表・要問合せ多言語4話者仕様書未公表・要問合せ仕様書未公表・要問合せ仕様書未公表・要問合せ仕様書未公表・要問合せ仕様書未公表・要問合せ仕様書未公表・要問合せ
多言語対応70言語仕様書未公表・要問合せ2言語
(日/英字幕)
27言語3言語
(日/英/中)
仕様書未公表・要問合せ26言語対応あり
(日→英字幕AI)
仕様書未公表・要問合せ対応あり仕様書未公表・要問合せ
料金レンジ$970〜/著者・年
(税込18万円〜)
年3.3万〜19.8万円
(100ID・税込)
フリープランあり
年84万〜432万円
(本体)
38万〜90万円
(買い切り・税抜)
買い切り
要問い合わせ
月300円〜/ID
(初期0円・年契約)
要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ初期10万円
月19,800円〜
(39ID)
月429〜748円/ID

各eラーニング作成ツールの詳細解説

ここからは、5 つの型ごとに代表的なサービスを詳しく見ていきます。前節の比較表で気になった製品を、素材別の特徴と料金・実績と併せて掘り下げていく順序で並べています。

PowerPoint 資料をそのまま教材化できるツール

PowerPoint 型は既存スライドをそのまま活用したい教育担当に向く、本記事でもっとも母数の大きい型です。世界的な代表格から、日本発の低価格プラットフォーム型まで 3 製品を、対応規格と料金体系の違いに触れながら紹介します。

1. iSpring Suite(iSpring Solutions, Inc.)

iSpring SuiteのPowerPointアドイン型オーサリングツール公式サイト

米国 iSpring Solutions が開発する PowerPoint アドイン型のオーサリングツールで、日本国内はエクセルソフト株式会社が正規販売代理店として日本円建て価格と日本語サポート窓口を担います。Windows 版 PowerPoint 上でアドインとして動作し、既存スライドを取り込んでクイズ・ロールプレイ・トレーニング動画のインタラクティブ要素を追加できます。

出力規格は SCORM 1.2 / SCORM 2004 / xAPI / cmi5 / AICC の 5 規格をカバーし、これらに対応する任意の LMS へ配信できます。公式サイトでは「173カ国 61,000社以上」「フォーチュン500企業198社が利用」との導入実績が掲載されています(2026 年 8 月時点、iSpring 公式 company ページ)。

  • Windows 版 PowerPoint のアドインとして動作し、既存スライドをそのままコース化。Mac 単体で使う場合は Windows 環境が別途必要になる
  • 14 種類の問題形式(マッチング/多肢選択/真偽/短答式ほか)に対応。AI Assistant がコース本文からクイズ問題を自動生成
  • AI 音声合成によるナレーション生成は 53 言語に対応(公式機能ページ、2026 年 8 月時点)。多言語ナレーションを声優の録音なしで載せられる
  • SCORM 1.2 / SCORM 2004 / xAPI / cmi5 / AICC の 5 規格に対応。既存 LMS への載せ替え互換性を確保
  • ドラッグ&ドロップ型エディタでキャラクター・場所・感情・スコアリングを組み合わせた対話シミュレーションを構築可能

料金は著者ライセンス単位の年額サブスク制で、グローバル価格は iSpring Suite が 970 米ドル/著者・年、上位版 iSpring Suite AI が 1,290 米ドル/著者・年(公式 pricing ページ、2026 年 8 月時点)。エクセルソフト経由の日本円価格は iSpring Suite 11+Cloud が税込 181,390 円/年、iSpring Suite AI が税込 241,230 円/年。無料トライアルは 14 日間、クレジットカード登録不要で利用できます。

2. learningBOX(learningBOX 株式会社)

learningBOXの公式サイト

兵庫県たつの市に本社を置く learningBOX 株式会社(旧: 株式会社龍野情報システム、2022 年 7 月 1 日社名変更)が提供するクラウド型 LMS で、教材作成・問題/テスト作成・採点・成績管理といった eラーニング運用の基本機能を 1 プラットフォーム上に備えています。プラットフォーム型のため、PowerPoint ファイルをブラウザ側にアップロードして教材化する運用に向きます。

10 アカウントまで無期限で無料のフリープランがあり、有料プランも 100 アカウント単位・年額 33,000 円(税込、スタータープラン)からと少人数から段階的に拡張できる料金体系が特徴です。総契約アカウント数 50 万超、有料利用企業 1,200 社突破の導入実績が公表されています(2023 年 11 月末時点、2023 年 12 月 26 日プレスリリース)。

  • 教材作成・問題/テスト作成(QuizGenerator 由来の出題機能)・暗記カード(CardGenerator)・採点・成績管理・学習進捗管理を LMS 本体に内包
  • フリープランは 10 アカウント・容量 1GB・1 教材アップロード上限 30MB で無期限 0 円。スモールスタートや事前検証に利用できる
  • スタンダードプラン以上で AI アシスト・受験時の不正対策機能を搭載(下位プランは限定対応)
  • 付加サービス「learningBOX ON」で、コンプライアンス・ハラスメント・情報セキュリティ等の弁護士監修コンテンツを追加可能

料金は 100 アカウント単位の従量課金制で、スターター 33,000 円/スターターPlus 49,500 円/スタンダード 99,000 円/スタンダードPlus 148,500 円/プレミアム 198,000 円(すべて年額・税込、2026 年 8 月時点)。上位プランほどサーバ総容量(10GB〜200GB)と 1 教材あたりのアップロード上限(30MB〜5GB)が拡張されます。初期費用は要お問い合わせです。

3. Cloud Campus コンテンツパック(サイバー大学(ソフトバンクグループ))

Cloud Campus コンテンツパックの公式サイト

ソフトバンクグループの株式会社サイバー大学が自社開発した eラーニングプラットフォーム「Cloud Campus」上で、スライドと動画を組み合わせたビデオスライド、録画作成、テスト、字幕(日本語・英語)などのコンテンツを内製できるサービスです。PowerPoint 資料や録画教材を持ち込み、字幕・テスト・進捗管理まで 1 つの LMS 上で組み上げる用途に向きます。

プラットフォームの中核訴求は受講者数(ユーザー数)無制限の定額制で、全社員へ均質に配信しても本体料金が受講登録者数の増減で変動しません。加えて、追加オプション/単体利用として「コンテンツパック100」を組み合わせると、30 カテゴリ・100 本以上の既製動画教材を 1ID あたり年額 999 円(税抜)で見放題にできます(公式専用ページ、2026 年 8 月時点)。フルオンライン大学「サイバー大学」の運営で培った教材制作ノウハウを背景としています。

  • ビデオスライド・録画作成・HTML コンテンツ埋め込み・ダウンロード資料設定・字幕(日本語/英語)による内製コンテンツ制作
  • 単一選択/複数選択/ショートアンサーの自動採点テスト、レポート課題、ディベート課題、アンケートに対応
  • ユーザ軸・コース軸の履歴検索、完了率・テスト得点の CSV 出力、正答率・度数分布グラフ、条件絞り込みでのメール一斉配信
  • SSO(ADFS 2.0 以降、Azure AD)・AD 統合認証、API/CSV 一括登録、カオナビとのタレントマネジメント連携
  • 導入実績は Cloud Campus 全体で 240 社・160 万人以上(公式トップページ、2026 年 8 月時点。時点表記は非公開)

料金は Cloud Campus 本体が 3 プラン制で、Entry 年額 84 万円(初期 10 万円)/Standard 年額 240 万円(初期 20 万円)/Pro 年額 432 万円(初期 50 万円)。プランごとにコンテンツ制作者数とデータ容量が異なり、契約は最短 1 年・年間費用を初月に一括払いします(公式 plan ページ、2026 年 8 月時点)。コンテンツパック100 は 1ID あたり年額 999 円(税抜)・最小 100ID から利用でき、Cloud Campus 併用時は本体料金に加算されます。

PC 操作の手順書・シミュレーション教材を作れるツール

PC 操作型は情シス・DX 推進担当の業務システム教育で強みを発揮します。実操作の自動キャプチャと多形式出力を軸とする代表 2 製品を、ライセンス形態と AI 実装範囲の違いとあわせて紹介します。

4. iTutor(株式会社BluePort)

iTutorのPC操作自動キャプチャ型オーサリングツール公式サイト

PC 上で実行した操作を、画面キャプチャと解説文つきで自動記録できるオーサリングツールです。株式会社BluePort(旧・株式会社ブルーポート、2022 年に社名変更)が開発・販売しており、Word・PowerPoint・PDF・Excel・動画・HTML5 の各形式で書き出せます。業務システムの操作マニュアル、RPA 導入前後の業務可視化、社内研修教材の制作で用いられています。

HTML5 出力時はデモ・チュートリアル・練習・テストの 4 モード学習を組み合わせられ、○×・択一・多肢・記述など 11 種類以上の問題形式に対応します。SCORM 形式での書き出しに対応するため既存 LMS への載せ替えも可能で、IT・製造・金融/保険・医療/福祉・官公庁など 10 業種で導入事例が公式サイトに掲載されています。

  • PC 上で操作を実行するだけで、画面キャプチャと解説文(コメント)が自動挿入される
  • Word・PowerPoint・PDF・Excel・動画(MP4/AVI/WMV/WebM/MKV)・HTML5 の 6 系統の出力形式に対応
  • HTML5 出力ではデモ・チュートリアル・練習・テストの 4 モード学習と 11 種類以上の問題形式を活用可能
  • SCORM 形式で書き出して既存 LMS に取り込み可能(xAPI 対応は公式サイトに記載がなく、必要時は個別確認)
  • Ver.10 で文章改善・画像生成・文字起こし・OCR・多言語音声合成・自動翻訳(27 ヶ国語以上)の 6 つの AI 機能を実装し、保守サポート契約者・サブスク版契約者は追加費用なしで利用可能
  • Windows 版・Mac 版の両方を提供。ライセンス認証はオンライン/プライベート/クローズドネットワーク/アカウント認証(月額サブスク、12 ヶ月〜)の 4 方式から選べる

料金は税抜のライセンス目安価格で、Windows 版が Document/Video 38 万円〜、Standard 70 万円〜、Pro 90 万円〜、Mac 版がそれぞれ 41.8 万円〜、77 万円〜、99 万円〜(2026 年 8 月時点)。買い切りに加えアカウント認証(月額サブスク、12 ヶ月〜)も選択でき、次年度以降の保守サポート費用や AI 機能の詳細条件は要問い合わせ。無料トライアルの申込導線が公式サイトに用意されています。

5. Dojo(株式会社テンダ)

DojoのPC操作マニュアル自動作成ツール公式サイト

2008 年から株式会社テンダ(東証スタンダード上場、証券コード 4198)が提供する PC 操作マニュアル自動作成ツール「Dojo シリーズ」の中核製品です。キーボード入力とマウスクリックを実施するだけで画面を自動キャプチャし、操作の種類・内容を判定して説明文をテキスト生成します。累計導入企業は 2022 年 6 月末時点で 3,000 社以上と公表されており、以降の展示会告知でも同水準の表記が使われています。

出力形式は Word・Excel・PowerPoint 文書、ブラウザで視聴可能な動画マニュアル、HTML5、PC 操作を疑似体験できるシミュレーション教材と幅広く、e ラーニングコンテンツ・テスト機能も備えます。編集画面は PowerPoint 感覚で扱えるため、記録後のコンテンツを直感的に組み替えられます。作成したコンテンツの閲覧側は Dojo 本体のライセンスが不要で、Word 等の標準アプリだけで視聴できる点も社内展開のしやすさにつながります。

  • PC 操作(クリック・キー入力)を実施するだけで、画面キャプチャと操作説明文を自動生成
  • Word/Excel/PowerPoint 文書、動画マニュアル、HTML5、シミュレーション教材の 4 系統で出力できる多形式対応
  • 自動音声合成は 2024 年 4 月のバージョンアップで男性 2 名・女性 2 名の合計 4 話者に拡張
  • 生成 AI による「AI マニュアル診断」でマニュアル各ステップを評価・改善案を提示(保守契約ユーザー限定、1 ライセンスあたり月 30 回まで
  • SCORM/xAPI 規格への対応を公式ページで案内(対応バージョン・連携範囲の詳細は個別確認が必要)
  • Dojo 本体は日本語・英語・中国語で起動可能。閲覧側はライセンス不要のため受講者側の追加コストが発生しない

料金は買い切り 2 形態(フローティング版=ネットワーク経由でライセンス共有/スタンドアローン版=USB 経由)が公式料金ページで案内されています(2026 年 8 月時点)。価格は「利用規模やセキュリティ要件に応じた個別見積もり」として非公開で、別途年間保守・サポート費用も発生します。月額利用の場合はサブスク方式の別サービス「TEんDo(テンドー)」を確認できます。無料トライアルの申込導線も公式サイトにあります。

撮影した動画を教材化できるツール

動画型は撮影した講義・現場動画を教材に組み上げる用途に向きます。動画・スライド・テストを 1 つの LMS 上で組み合わせられる代表製品を、内製コース作成の運用感とあわせて紹介します。

6. AirCourse(KIYOラーニング株式会社)

AirCourseの公式サイト

2017 年 7 月に KIYOラーニング株式会社が提供を開始したクラウド型 LMS で、動画・スライド・テスト・アンケートを組み合わせた自社オリジナルコース制作と、動画研修が受け放題の標準コンテンツライブラリを同一プラットフォームで扱えます。公式サイトでは「1,300 コース、8,000 本以上!動画研修が受け放題」と訴求されており、撮影動画を素材化して章立て・確認テストまで束ねる用途と、コンプライアンス・IT・ビジネススキル領域の標準コース配信を、同じ道具で切り替えられます。

制作した動画教材は学習パスで複数コースをプログラム化でき、受講管理・進捗レポート・組織階層管理・ディスカッションまで一貫して備わっているため、内製動画の配信・受講管理を単一サービスに集約できます。運営元の KIYOラーニング株式会社は東京証券取引所グロース市場(証券コード 7353)に上場し、ISO/IEC 27001(JQA-IM1595、初回登録 2019 年 3 月 8 日)を本体で取得、SSO・IP 制限・マルチデバイスにも対応します。

  • 動画・スライド・テスト・アンケートを組み合わせた自社オリジナルコース作成と、複数コースを束ねる学習パス機能
  • 公式トップで「1,300 コース、8,000 本以上」と訴求される動画研修受け放題型の標準コンテンツライブラリ(コンプライアンス・IT スキル・ビジネススキル)
  • 受講管理・進捗レポート、組織階層管理、グループ単位の管理、合格基準を設定したテストと復習テスト
  • ディスカッション・コラボレーション機能によるソーシャルラーニング
  • SSO・IP 制限・マルチデバイス対応、ISO/IEC 27001(JQA-IM1595)を KIYOラーニング株式会社本体で取得

料金は初期費用 0 円で、年間契約一括払い時にベーシックは月額 300 円/ライセンス、コンテンツプラスは月額 500 円/ライセンス(いずれも 1〜99 ライセンス帯)から始まり、100〜2,999 の各帯で段階割引が設定されます(3,000 ライセンス以上は見積もり)。月間契約はベーシック 360 円/ライセンスから。支払方法は 99 ライセンス以下がクレジットカード、100 ライセンス以上が銀行振込。フリープランは無期限で試用でき、標準コース一部・ストレージ 2GB・動画 2 時間・履歴 30 日の制限があります(2026 年 8 月時点)。

業務マニュアルを兼ねる教材を作れるツール

マニュアル型は多店舗・現場 SOP の教育で採用が広がっています。写真+動画のステップ型と、短尺動画+実演報告型の 2 軸で、代表 2 製品を役割の違いにも触れながら紹介します。

7. Teachme Biz(株式会社スタディスト)

Teachme Bizの写真・動画マニュアル型オーサリングツール公式サイト

株式会社スタディストが提供するクラウドサービスで、写真・動画を使った 4 ステップのマニュアル作成と、作成したマニュアルをそのままトレーニングコース化して理解度テスト自動生成・上長承認による認定管理まで運用する機能を、1 つの製品でカバーします。

有償導入企業数は 1,000 社を突破したと公式発表されており(時点は非明示)、動画専用ツールでは扱えない静止画中心の手順書も同じ画面で作成でき、動画内テキストを含む全文検索にも対応します。マニュアルと研修教材を二重管理せず、更新はマニュアル側で 1 度行えばよい運用が組めます。

  • 写真・動画両対応のステップ型作成(4 ステップの直感操作、専門スキル不要)と、トリミング・字幕付加・図形やテキストによる要点強調を備えた動画編集
  • 作成済みマニュアルをコース化して新人教育・研修に転用、受講状況と学習進捗のリアルタイム可視化、理解度テスト自動生成、上長承認による認定管理
  • Teachme AI:動画・PDF・テキストなどの素材からマニュアルを半自動生成、チャット指示で編集を支援する「おまかせ編集アシスタント」、コース内マニュアルを解析した理解度テストの問題・選択肢の自動生成
  • 26 言語以上の自動翻訳(辞書機能で固有名詞の誤翻訳を抑制)。2025 年 6 月 30 日の機能拡張で、社内マニュアルに加えて一般公開マニュアルにも自動翻訳オプションを適用可能に
  • テンプレート機能、共同編集、バージョン管理、全文検索、PDF 出力、QR コード共有、外部公開リリースといった配信・運用機能

料金体系はアカウント数に応じた段階制プランで提供されており(50/200/600/601 以上のアカウント帯)、月額料金の具体額は公表情報が第三者媒体経由で表記に幅があるため、最新の正式料金は要お問い合わせです(2026 年 8 月時点)。2025 年 6 月 30 日発表の機能拡張により、外部公開マニュアルの月間閲覧上限は対象プランで月 100 万回まで追加料金なしに緩和されています。

8. ABILI Clip(旧 ClipLine)(ClipLine株式会社)

ABILI Clip(旧ClipLine)の動画マネジメントシステム公式サイト

ClipLine株式会社が提供する動画型のマネジメントシステムで、2023 年 9 月にサービス名称を「ClipLine」から「ABILI」へ切り替え、動画教育・実行管理の中核機能を「ABILI Clip」として提供しています。多店舗展開する飲食・小売・フィットネスなどのサービス業を主対象とし、短尺動画マニュアルを本部から現場へ配信し、現場スタッフの実演を動画・写真で本部へ報告する「実践トレーニング」型の運用ループを組める点が特徴です。

ABILI ブランド全体で 17,000 拠点・50 万人以上が利用しており(公式サイト記載)、株式会社吉野家では全国約 1,000 事業所への導入、日本 KFC ホールディングス、髙島屋などの導入例が公式で公開されています。動画マニュアル閲覧のみで完結する一般的な動画マニュアルツールとは、双方向フィードバックを前提とした運用モデルの点で棲み分けられます。

  • 動画マニュアルの作成・配信、視聴後の理解度テスト、ToDo によるカリキュラム化と学習進捗管理、OJT・集合研修の標準化
  • 業務連絡・ToDo による一斉/個別タスク配信と、動画・写真による実行報告機能、本部⇔現場の双方向フィードバック
  • 生成 AI による動画音声からの自動字幕生成と、クリック 1 つで日本語音声を英語字幕へ翻訳する機能(公式ページに「AI による自動生成のため内容が必ずしも正確とは限らない」旨の注記あり)
  • AI エージェント「ABILI Pal」がチャット形式で社内ナレッジ・過去のレポートを検索・提示
  • スマートフォン・タブレット向け専用アプリで現場からの利用が可能。動画制作・施策実行の伴走支援は ABILI ブランド内の別サービス「ABILI Partner」として提供

初期費用・月額費用ともに要お問い合わせで、店舗数・アカウント数・利用機能に応じた個別見積もり制のため、料金レンジの公表はありません(2026 年 8 月時点)。無料デモの申し込みは公式サイトから可能です。

AI で作問・音声合成・不正監視を支援するツール

AI 型は 1〜2 名の内製体制で制作工数を圧縮したい担当者と、必須受講の証跡管理を強化したい担当者の両方に向きます。作問・教材下書き・字幕生成の制作工程を AI で担う 2 製品と、テスト特化で受講中の不正監視 AI を装備する 1 製品を、AI の適用範囲の違いとあわせて紹介します。

9. ContentsPRO / かんたんeラーニング(株式会社ネットラーニング)

ContentsPRO/かんたんeラーニングの生成AI搭載オーサリングツール公式サイト

1998 年の創業以来自社開発を続ける株式会社ネットラーニングが、教材内製化(インソーシング)を支援する目的で提供する 2 ツール構成のサービスです。「かんたんeラーニング」は PowerPoint・PDF・Excel・動画をアップロードするだけでコース化できるクラウド型、「ContentsPRO」はテキスト・画像・音声・動画・VR 動画・360 度コンテンツまで扱えるノーコード型で、素材の種類と作り込みの度合いで使い分けられます。

ContentsPRO は 2025 年 4 月に生成 AI による作問補助、2026 年 4 月に eラーニングコース自動生成機能と AI 採点添削機能を追加しています。自由記述式の回答に対して AI が 24 時間 365 日で採点・添削を返す点が実務上の特徴で、伊藤忠商事の事例では 3 言語対応のビジネスメール詐欺対策講座をグループ企業約 150 社・国内外約 2 万人規模で展開しています。

  • かんたんeラーニング:PowerPoint・PDF・Excel・動画などの既存資料をそのままアップロードし、プログラミング知識なしでコース化(PowerPoint のアニメーション効果も再現)
  • ContentsPRO:テキスト・画像・音声・動画・VR 動画・360 度コンテンツ・外部クラウドサービス(動画プラットフォーム、Office365 等)の埋め込みリンクを扱えるノーコード教材制作
  • AI 作問補助機能(2025 年 4 月〜):レッスンや教材情報を指定すると、生成 AI が設問・選択肢・正解・解説をセットで自動生成
  • eラーニング AI 生成機能(2026 年 4 月〜):資料をアップロードすると、イントロダクション・レッスン・テストまでを含むコースを AI が下書き
  • AI 採点添削機能(2026 年 4 月〜):自由記述式回答を AI が採点・添削し、24 時間 365 日フィードバックを返却

料金体系は両サービスとも公式サイトに具体的な料金表が掲載されておらず、かんたんeラーニングは初期費用不要・月額は要問い合わせ、ContentsPRO は初期費用・月額とも要問い合わせとなります(2026 年 8 月時点)。無料トライアルの明示はなく、問い合わせフォームからの個別相談が窓口です。

10. manebi eラーニング(株式会社manebi)

manebi eラーニングの公式サイト

約 8,000 教材(オプション動画含む)を月額定額で見放題にできる、AI 搭載 LMS 型の eラーニングサービスです。株式会社 manebi が提供しており、旧称の「playse.(プレース)ラーニング」から 2024 年 5 月 30 日にサービス名を変更しました。階層別・職種別研修からコンプライアンス・ハラスメント・情報セキュリティ・ビジネススキル・プログラミングまで、1 サービスで幅広い領域をカバーします。

AI 機能として、社内の教育計画に沿ってプログラムを組む「AI コースマップ提案」、動画音声からの外国語字幕生成 AI、多言語翻訳、オリジナル教材作成 AI を備えます。自社教材は最大 100GB までアップロード可能で、既存研修コンテンツと見放題ライブラリを組み合わせて運用でき、累計導入社数は 6,900 社です。

  • 約 8,000 教材(オプション動画含む)の月額定額見放題(コンプライアンス・ハラスメント・情報セキュリティ・階層別・職種別・ビジネススキル・プログラミング等)
  • AI コースマップ提案・オリジナル教材作成 AI・外国語字幕生成 AI・多言語翻訳などの AI 機能
  • 自社オリジナル教材のアップロード(最大 100GB の大容量ストレージ)に対応
  • ドラマ教材・ドリル教材・スライド教材など複数の教材形式に対応
  • ISMS(ISO/IEC 27001)・プライバシーマーク取得(株式会社 manebi 本体)

初期費用は 100,000 円、月額は LITE プラン 19,800 円/STANDARD プラン 39,800 円で、いずれも 39ID まで定額・使い放題です(2026 年 8 月時点、公式 std_02h ページ)。40ID 以上は STANDARD で 1,000 円/ID〜の段階単価が販売代理店経由で公表されています。無料デモの申し込み窓口が公式サイトに用意されています。

11. SAKU-SAKU Testing(株式会社イー・コミュニケーションズ)

SAKU-SAKU Testingの公式サイト

CBT(Computer Based Testing)技術を 2000 年の創業以来手掛けてきた株式会社イー・コミュニケーションズが提供する、テスト・出題を軸に据えたクラウド型 LMS です。ドリル(一問一答の反復学習)・テスト(合格基準・制限時間設定)・アンケート・レポート課題・修了証発行までを 1 つのプラットフォームで完結できます。

不正受講対策として AI モニタリングオプション「サクテス AIMONITOR」を提供し、Web カメラでの本人確認・離席検知・なりすまし検知・複数人受講検知に対応します。既製コンテンツパッケージ「サクテス学びホーダイ」(動画 100 本超・ビジネス問題 3,000 問以上)と自社教材アップロードの組み合わせが可能で、累計導入社数 1,500 社以上・利用継続率 97% を公式サイトで公表しています(時点表記なし)。

  • CBT 技術を土台にした「テスト・出題」中心の学習設計(ドリル・テスト・レポート課題・修了証発行を統合、選択式・穴埋め・並び替え・記述式など多様な出題形式)
  • AI モニタリング「サクテス AIMONITOR」オプション(本人確認・離席検知・なりすまし検知・複数人受講検知)
  • 既製コンテンツパッケージ「サクテス学びホーダイ」(動画 100 本超・ビジネス問題 3,000 問以上)と自社教材アップロードの併用
  • SSO・二段階認証・IP アドレス制限・パスワードポリシー設定・アクセス権限管理を本体機能として搭載
  • 最短 5 営業日で提供開始可能、電話サポート窓口を平日 9:30〜18:30 で提供(03-3560-3901)

ID 課金制の 2 段階設定で、300ID 未満は月額 748 円〜/ID(最低 20ID〜)、300ID 以上は月額 429 円〜/ID(最低 300ID〜)です(2026 年 8 月時点、公式サービスページ)。初期費用は契約 ID 数に応じて発生し、金額は要問い合わせ。原則 1 年契約で、無料トライアルも提供されています(日数など詳細条件は公式に明示なし)。

eラーニング作成ツール(オーサリングツール)とは?LMS との違い

「作成ツール」「オーサリング」「LMS」など複数の呼び方が入り混じるカテゴリのため、まず用語のもつれをほどきます。教材を組み上げる道具と、教材を配信・管理する道具は担当領域が異なる、という点が本カテゴリの理解の起点になります。

eラーニング作成ツール(オーサリングツール)とは

eラーニング作成ツールは、動画・スライド・テストなどを組み合わせて学習教材そのものを組み上げるためのソフトウェアの総称です。「オーサリングツール」と呼ばれることもあり、両者は同じカテゴリを指しています。素材(PowerPoint・動画・PC 操作画面)を取り込み、テスト・ナレーション・字幕を付加して、SCORM・xAPI などの規格に沿った教材ファイルとして書き出すのが基本の使い方です。

書き出した教材は、自社の LMS や受け放題型サービスにアップロードして配信されます。教材制作を担当する部門(人事・教育・情シス)で使う道具で、教材の配信・受講管理そのものは LMS 側の役割になります。

LMS(学習管理システム)との違いと組み合わせ方

LMS(Learning Management System、学習管理システム)は、教材を配信し、受講者ごとの進捗・成績・履歴を管理する仕組みです。教材そのものを組み上げるのが作成ツール、配信・管理を担うのが LMS——役割はこのように分かれています。両方の機能を 1 製品にまとめたオールインワン型と、作成ツール単体・LMS 単体の製品があるため、自社が両方の機能を必要とするかで選び方が変わります。

既存の LMS を運用中で教材だけを内製したい場合は、SCORM・xAPI で書き出せる作成ツールを選び、書き出したファイルを LMS 側にアップロードする構成が一般的です。逆に、これから配信基盤も含めて導入する場合はオールインワン型の方が運用は簡潔になります。LMS 側の比較を包括的に見たい場合は、あわせて配信・受講管理側の比較記事も参照してください。

配信・受講管理側(LMS)の全体比較は、以下の記事で機能・料金・セキュリティ・SCORM/xAPI 対応まで横断して整理しています。オールインワン型を検討する場合や、作成ツールとは別に LMS を選定する場合の候補選びにご活用ください。

eラーニング作成ツールの主な機能

比較表に並べた列が具体的に何を指すのか、実務語彙で押さえます。素材の取り込み・作問・音声合成・SCORM/xAPI 出力の 4 グループに整理しました。

素材の取り込み・変換(PowerPoint/動画/PC 操作キャプチャ)

既存の PowerPoint スライド・動画ファイル・PDF を取り込み、教材形式に変換する機能です。PowerPoint アドインとして動作するタイプは、PowerPoint 上で編集した内容をそのまま教材化できるため、既存資産の再利用効率が高くなります。動画は MP4 などでアップロードし、章立て・字幕・確認テストを載せる形式が主流です。

PC 操作キャプチャは、業務システムでの操作を実行するだけで画面と解説文を自動生成する仕組みです。RPA 導入前後の業務可視化や、基幹システム刷新の教育に使われており、操作を実行するだけで動画・マニュアル・eラーニングの 3 形式が同時に得られる製品もあります。

作問・テスト・学習効果測定

選択式・穴埋め・並び替え・記述式などの問題を作成し、自動採点・修了証発行まで一貫して行う機能です。テストの得点や視聴履歴を蓄積し、部門別・階層別に受講進捗を可視化できます。近年は、資料をアップロードすると AI が設問と選択肢を自動生成する機能を持つ製品も増えており、作問工数を大幅に圧縮できます。

自由記述問題を AI が 24 時間 365 日自動採点する製品も登場しており、受講者数が多い全社研修でも運用負荷を抑えて実施できるようになっています。テスト結果を部門別・階層別にダッシュボードで見比べると、理解度の低い領域や部門を素早く特定できます。

音声合成・字幕・多言語対応

テキスト原稿から AI が合成音声のナレーションを生成する機能や、動画音声から字幕を自動生成する機能を指します。ナレーターの録音費用を抑えつつ、動画教材にも音声を載せられる形になります。多言語対応が進んでおり、53 言語以上の音声合成や 26 言語超の自動翻訳を備える製品もあります。

外国人スタッフを含む現場や、海外拠点への教材配信では、翻訳と字幕生成の自動化で展開時間を数日規模から数時間規模に短縮できるケースがあります。ナレーションの差し替えを声優の再収録なしで行えるため、教材の改訂サイクルも短くしやすくなります。

SCORM/xAPI 出力(既存 LMS への載せ替え)

SCORM(Sharable Content Object Reference Model)は、米国国防総省の ADL(Advanced Distributed Learning Initiative)が策定したeラーニング教材の相互運用規格です。SCORM 1.2(2001 年)と SCORM 2004(2004〜2009 年)が広く使われており、作成ツールで作った教材を SCORM に対応する LMS に載せ替える際の互換性を保証します。

xAPI(Experience API、旧称 Tin Can API)は、ADL が策定した学習経験の記録・交換のための技術仕様で、SCORM に続く後継規格として位置づけられています。xAPI Specification 1.0.3 では、その目的が次のように定義されています。

The Experience API (xAPI) is a technical specification that aims to facilitate the documentation and communication of learning experiences. It specifies a structure to describe learning experiences and defines how these descriptions can be exchanged electronically.

出典:xAPI Specification 1.0.3|Advanced Distributed Learning Initiative

さらに、xAPI をベースに LMS と学習コンテンツ間の起動・実行時通信を規格化したものが cmi5 で、AICC が策定し 2014 年に ADL に移管されました。仕様書本文は cmi5 Specification(AICC)を参照してください。

実務で確認したいポイントは 3 点です。まず作成ツール側の対応バージョン(SCORM 1.2 / SCORM 2004 / xAPI / cmi5)、次に自社 LMS 側の受け入れ可能バージョン、最後に契約前 PoC で SCORM パッケージを書き出して受講記録(完了フラグ・得点・視聴時間)が LMS に渡るかの検証です。SCORM 1.2 のみ対応の LMS では xAPI 教材の詳細履歴が取れないなど、下位互換だけでは代替できない差が出るため、対応バージョンの一致と書き出し検証を必ず契約前に済ませてください。SCORM の詳細は ADL 公式サイト(adlnet.gov)を参照。

eラーニング作成ツールを導入するメリット

内製で回すことでどんな効果が得られるかを、稟議材料として整理します。以下の 4 点が代表的な導入効果です。

既存の PowerPoint・動画・PDF をそのまま再利用できる

社内に散在する PowerPoint 資料や、過去の講義動画・研修配布資料といった素材を、そのまま教材にできます。ゼロから教材を作り直す必要がないため、初期の制作コストと期間を圧縮できます。

素材を持ち込んでテスト・ナレーションを追加するだけで教材の骨格ができるため、教育担当が独力で数日〜数週間規模で立ち上げられるケースも多くなります。集合研修の資産が使い回せる状態になり、投資の回収が早まります。

教材の更新・改訂を内製で機動的に回せる

制度改正・規程変更・システム改修に合わせて、教材を素早く差し替えられます。外注の場合は修正依頼から反映まで数週間かかるところを、内製なら当日〜数日で更新できます。

法令改正の多いコンプライアンス研修や、業務システム改修の多い操作マニュアル研修では、更新の機動力が投資対効果に直結します。改訂履歴を製品側で管理できるため、監査対応の観点でも運用が組みやすくなります。

集合研修の資産(講義動画・配布資料)をデジタル化できる

過去に実施した集合研修の講義動画・配布資料は、そのままでは新入社員や中途入社者に届きません。作成ツールに取り込んで章立て・字幕・確認テストを載せると、いつでも受講できるオンデマンド教材に生まれ変わります。

拠点分散やシフト制で集合できない企業でも、同じ内容を全社員に均質に届けられます。海外拠点向けには、自動翻訳と字幕生成で多言語版を短時間で用意でき、全社研修の同時展開が組みやすくなります。

1〜2 名の内製体制でも回るコスト構造にできる

教育・研修部門の人員は限られていることが多く、外注比率が高くなると更新のたびに費用が積み上がります。作成ツールを内製で回すと、ライセンス費用(買い切り数十万〜数百万円、年間サブスク数十万円〜)を初期投資として、ランニングコストを教育担当の人件費に収める形にできます。

AI 作問や音声合成を活用すれば、教材 1 本あたりの制作時間をさらに圧縮できます。制作担当が 1〜2 名でも、年間数十本規模の教材更新を安定して回す運用が可能です。

eラーニング作成ツールの料金相場

教材作成ツールの料金は、3 類型に分かれます。稟議に載せる際は、各類型の目安と、無料版でどこまで到達できるかを押さえておくと、初期投資と年間ランニングを試算しやすくなります。

買い切り・月額サブスク・従量課金の目安

買い切りライセンス型は、初年度に数十万円〜数百万円のライセンス料を支払い、以降は年間保守費用のみで使い続ける形式です。PC 操作型で採用が多く、代表製品では 38 万円〜90 万円台(税抜、単一ライセンス)の目安が公開されています。買い切り制のため月額表記はなく、別途年間保守・サポート費用が発生する製品もあり、金額は要お問い合わせ扱いになるケースが多くなります。

月額サブスク型は、著者ライセンス 1 本あたり年間十数万円〜数十万円が中心の相場です。海外製の代表製品では 970〜1,290 米ドル/著者・年(税別)が公開されており、日本代理店経由では税込 18 万〜24 万円台/年間ライセンスが目安。国内発のプラットフォーム型では、100 アカウント単位で年額 33,000 円〜198,000 円(税込)の段階制も見られます。大企業向けの受講者数無制限プラットフォーム型は 3 プラン制で年額 84 万〜432 万円(別途初期 10 万〜50 万円)と、上限は数百万円規模の年額まで広がります。

従量課金型は、受講者・作成者・アカウント数の増加に応じて料金が上がる方式で、月額 300 円/ライセンス(1〜99 ライセンス・年間契約)〜、100〜299 ライセンスで 240 円/ライセンスといった段階割引が典型です。少人数から始めて段階的に拡張する運用に向きます。マニュアル型は本記事調査時点で料金非公表・要問い合わせが多いため、店舗数・アカウント数・利用機能を伝えたうえで個別見積もりを取ってください。

初期費用の有無、年間契約と月間契約の単価差、外部公開回数の上限といった条件で総額が変わるため、必ず自社の実利用条件で見積もりを取ってください。掲載した金額は 2026 年 8 月時点の公表値であり、料金改定や新プラン追加により変動する可能性があります。

無料版・無料トライアルの範囲と有料移行の目安

無料版・フリープランを提供する製品では、アカウント数(10 アカウント程度)・ストレージ(1〜2GB 程度)・受講履歴保存期間・アップロード容量に制限を設けていることが多く、部門単位のスモールスタートや試用に向きます。全社展開に耐える受講管理・レポート機能は、有料プランで解放されるのが一般的です。

有料移行の目安になるのは、アカウント数が無料枠を超えるとき、高度なレポート・分析が必要になったとき、外部公開回数や動画容量が上限に達したとき、そしてセキュリティ要件(監査ログ・SSO 連携)を満たす必要が出たときです。契約前に無料版で操作性を検証し、実運用シナリオでの上限を確認したうえで有料プランに移行する流れが安全です。

eラーニング作成ツールの選び方

比較表の各列を「自社にとってどう読むか」の指針を以下にまとめました。手元にある素材から始めて、技術要件・AI・内製体制・料金の順に見ていくと、迷いなく候補を絞り込めます。

手元にある素材(PowerPoint/動画/PC 操作画面)に合うか

最初に確認したいのは、社内に蓄積している素材とツールの得意領域が合っているかです。PowerPoint 資料が中心なら PowerPoint 型、業務システムの手順書化が中心なら PC 操作型、講義動画中心なら動画型、というように、自社の素材構成と型の得意領域を照らすと選びやすくなります。

素材の種類が混在している場合は、複数タイプに対応するオールインワン型(マルチ素材対応)を選ぶか、素材ごとに別ツールを組み合わせて使い分けるかで運用工数が変わります。年間の教材更新本数と担当人数から、道具の数と種類を決めていきます。単一ツールで足りるかを判断する際は、無料トライアルで実際の素材を持ち込んで書き出しまで一通り試すのが確実です。

SCORM/xAPI で自社 LMS に載せられるか

既存 LMS を運用している企業や、将来 LMS を切り替える可能性がある企業では、作成ツールの出力形式が既存 LMS の受け入れ形式と一致するかの確認が欠かせません。SCORM 1.2 は広く普及していますが、SCORM 2004・xAPI・cmi5 まで対応するかは製品ごとに異なります。

自社 LMS 側の対応バージョンをまず把握し、そのうえで作成ツール側の対応バージョン(1.2 / 2004 / xAPI / cmi5)と突き合わせます。将来的な LMS 移行を視野に入れる場合は、xAPI・cmi5 対応がある製品を選んでおくと、教材資産を持ち運びやすくなります。契約前の PoC 段階で、実際に SCORM パッケージを書き出し、自社 LMS 側で受講記録が正しく取れるかまで検証しておくと、稼働後のトラブルを避けられます。

AI 作問・音声合成で制作工数を圧縮できるか

1〜2 名の内製体制で年間数十本規模の教材を回す前提なら、AI 対応の有無が制作工数を左右します。AI 作問・自由記述の自動採点・資料からのコース自動生成・多言語音声合成のいずれが自社の作業ボトルネックに効くかで、選ぶ製品が変わります。

AI 機能は「作問特化」「教材下書き特化」「音声・字幕特化」で製品ごとに強みが異なるため、まず自社が圧縮したい工程を 1 つ特定してから、その工程に強い製品で比較するのが実務的です。AI 対応は年次で機能追加が速く進む領域のため、契約前に最新の機能一覧を公式資料で確認してください。

内製人員と改訂サイクルに乗るか(1〜2 名で回せるか・改訂のしやすさ)

教材制作を担当する人員の数と、既存業務の合間で回せるかの見積もりが必要です。教材数と更新頻度から、1 本あたりの制作時間の目安を算出し、道具側の学習コスト(教育担当が使えるようになるまでの時間)と合わせて評価するのが一般的です。学習コストが高い製品は、担当交代時の引き継ぎにも時間がかかります。

改訂のしやすさは、制作担当が変わったときの引き継ぎやすさにも直結します。テンプレート機能、共同編集、バージョン管理、テンプレートの社内標準化が可能な製品を選ぶと、担当交代のリスクを抑えられます。既存のワードプロセッサや PowerPoint に近い操作性の製品を選ぶと、内製担当の立ち上がりが早くなります。

料金体系と、無料版の到達点

最後に、買い切り・月額サブスク・従量課金のどの体系が自社の運用に合うかを確認し、続けて無料版・無料トライアルで検証できる範囲がどこまでかを押さえておくと選定の精度が上がります。全社員が受講する前提なら定額系(月額サブスクや受け放題)の方が総額を抑えられ、部門単位・特定研修のみなら従量課金や部門 ID 単位の契約が向きます。

公式サイトの「月額◯円〜」の最安値表記は年間契約や人数条件が付くことが多いため、必ず自社の実人数で年間総額を試算し、稟議書に載せる際は「初期+年間ランニング+オプション」まで揃った見積もりを取り寄せてください。3 年〜5 年の TCO(総所有コスト)で比較すると、買い切りとサブスクの実質負担の違いも見えやすくなります。

eラーニング教材の作成方法(内製・外注・購入)

eラーニング教材を用意する方法は、「内製する」「外注する」「既製コンテンツを購入する」の 3 通りに分かれます。自社の課題・予算・人員に応じて、どの方法を主軸にするかを決めていきます。

内製する(作成ツールを使って自社で作る)

作成ツールを使って自社内で教材を組み上げる方法です。既存の PowerPoint 資料や講義動画をそのまま素材にできるため、初期の制作コストは最も抑えやすくなります。教材の更新・改訂を素早く回せる点も内製の強みで、制度改正の多いコンプライアンス研修や、業務システム改修の多い操作マニュアルに向きます。

内製が向くのは、社内に一次情報(現場ノウハウ・業務手順)が集まっており、教材の更新頻度が高く、制作担当を 1〜2 名確保でき、カスタマイズ性の高い教材を作りたいケースです。反対に、標準的な内容の教材で足りるなら、既製コンテンツの購入の方が総投資は少なく済むケースもあります。

外注する(教材制作会社に依頼する)

専門の教材制作会社に企画・シナリオ設計から制作まで委託する方法です。動画演出・アニメーション・声優のナレーション・凝ったインタラクティブ演出など、内製では手に負えないクオリティの教材を作れます。撮影・編集・スタジオ収録が必要な講義動画も、外注の方が短時間で仕上がります。

外注が向くのは、内製の人員を確保できないとき、教材の見栄え・演出にこだわりたいとき、1 回作り込んだ後は数年更新しない前提の教材、または外部講師の講義を教材化する場合です。1 本あたりの制作費用は数十万円〜数百万円が相場で、シリーズ化する場合は総額の見積もりを事前に取っておくと安全です。

既製コンテンツを購入する(受け放題サービスの活用と、作成ツールとの組み合わせ)

コンプライアンス・情報セキュリティ・階層別研修・ビジネス教養など、業界横断で内容が共通する教材は、受け放題型のサービスから購入する方が総投資は抑えられます。数千本規模のライブラリを定額で使えるため、教材のラインナップを短期間で揃えられます。

自社独自の業務手順や、社内ノウハウを扱う教材は既製コンテンツでカバーできないため、作成ツールで内製する部分と組み合わせて運用するのが実務的な選択肢です。既製教材で全社研修の骨格を作り、独自コンテンツを作成ツールで足していく組み合わせが、多くの企業で採られています。

eラーニング教材を自社で作る手順

内製で教材を作る場合、分析→設計→開発→運用の順で進めます。以下の 4 段階で押さえておくと、初回の教材から品質を安定させられます。

学習目標と対象者を分析する

最初に、教材で達成したい学習目標と対象受講者を明確にすることが求められます。「新入社員全員が入社 1 か月以内にビジネスマナーを理解する」「情シス部門が 3 か月以内に新業務システムを操作できるようになる」といった具合に、対象者と到達点を具体化しておくと後段の設計がぶれません。

対象者の前提知識・経験年数・受講可能時間を洗い出しておくと、後段の教材構成の粒度が決めやすくなります。受講時期・受講頻度も併せて設計し、単発研修なのか継続学習なのかも明らかにしておきます。

教材の構成を設計する(章立て・難易度配分・良い教材の条件)

学習目標から逆算して、教材の章立て・難易度配分・確認テストの位置づけを設計するのが基本です。1 章あたりの視聴時間を 10〜15 分程度に区切り、章の終わりに理解度テストを配置すると、集中力の低下を抑えつつ学習の定着を確認できます。

良い教材の条件は 5 点あります。学習目標との対応が明確なこと、難易度が受講者に合っていること、1 章の長さが集中力の続く範囲に収まっていること、受講後の行動につながる具体例が含まれていること、そして更新しやすい構造で作られていることです。この段階で章立てを固めておくと、後段の素材組み上げがスムーズになります。

素材を組み上げてeラーニング形式に書き出す

設計に従って、PowerPoint・動画・PDF などの素材を作成ツールに取り込み、ナレーション・字幕・テストを付加していきます。書き出し形式は、既存 LMS で配信する場合は SCORM または xAPI、単体サービス内で配信する場合は各サービスの独自形式を選ぶのが一般的です。

書き出した教材は、公開前に必ず配信環境で試験受講しておくと安全です。PC・スマートフォン・タブレットの各デバイスで表示・視聴・受験の動作を確認し、想定外の挙動を洗い出しておきます。SCORM 教材は LMS 側の対応バージョンとの互換性テストが特に重要です。

配信・受講管理と改訂サイクルを回す

書き出した教材を LMS に載せて配信し、受講率・修了率・平均理解度を継続的にモニタリングしていきます。受講率が想定を下回る部門があれば、リマインド・上長からの声がけ・受講インセンティブなどの運用施策を追加するのが実務の対応です。

教材の内容は、制度改正・業務変更・受講者からのフィードバックに応じて改訂サイクルを回していく必要があります。年 1〜2 回の定期見直しに加え、緊急の制度変更には即応する運用を組んでおくと、教材の陳腐化を防げます。配信・受講管理側の詳細な運用については、LMS の比較記事とあわせて参照してください。

eラーニング教材制作で押さえておきたい注意点

内製で失敗しないために、実務で詰まりやすい 3 つの観点を押さえます。集中力・双方向性の対応、著作権の整理、改訂バージョン管理の順で見ていきます。

集中力・双方向性の弱さをどう補うか(デメリットと対応策)

eラーニングは、対面研修と比べて集中力の維持と双方向性の弱さが弱点として指摘されます。動画を一方的に視聴する時間が長くなると、受講者の集中が途切れ、学習の定着が下がります。この弱点は、教材設計と運用の両面で補えます。

教材側では、1 章の視聴時間を 10〜15 分に区切り、章の終わりに確認テストを配置し、演習・ケーススタディを組み込み、受講者の環境を意識した具体例を入れる設計が効きます。運用側では、受講期限を明確にし、未受講者へのリマインドを自動化し、受講後にオンライン集合研修や 1on1 でフォローし、修了バッジや評価への反映で動機づけを与える仕組みで補います。

動画・スライド・音源の著作権と社内利用範囲

教材制作で最も詰まりやすいのが、動画・スライド・音源の著作権と社内利用範囲の整理です。日本の著作権法では、著作物の例示に「講演」(第 10 条第 1 項第 1 号)「音楽」「映画」「写真」「図形」が含まれており、講義撮影動画・スライド内図表・BGM のすべてが著作物として保護されます。

社内で作った教材の著作権の帰属は、著作権法第 15 条(職務著作)の要件で判断されます。

法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。

出典:著作権法 第十五条|e-Gov 法令検索

社内の従業員が業務時間内に作成した PowerPoint スライドや撮影動画は、法人等の発意・業務従事・法人名義公表・別段の定めなしの要件が揃えば、著作者は法人等となります(プログラムの著作物を除く)。ただし、外部講師の講義動画や、業務委託先が制作した動画は本条の適用外となり、契約書での権利帰属の取り決めが必要です。

外部の撮影事業者に委託して講義動画を制作する場合は、映画の著作物として著作権法第 29 条が適用され、映画製作者(発意と責任を有する者)に著作権が帰属します。

映画の著作物(第十五条第一項、次項又は第三項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権は、その著作者が映画製作者に対し当該映画の著作物の製作に参加することを約束しているときは、当該映画製作者に帰属する。

出典:著作権法 第二十九条|e-Gov 法令検索

社内制作分は第 15 条第 1 項の職務著作が優先適用され、本条の対象外になる点は条文かっこ書きで明示されています。外部委託分については、映画製作者としての契約関係を書面で明らかにしておく必要があります。

教材内で他社の書籍・図表・動画を引用する場合は、著作権法第 32 条(引用)の要件を満たす必要があります。

公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

出典:著作権法 第三十二条|e-Gov 法令検索

「公正な慣行」と「引用の目的上正当な範囲」の二要件を満たさない引用は違法となります。自社教材で他社資料を使う場合は、出所の明示、主従関係(自社の主張が主で引用が従)、引用部分と地の文の区別、の 3 点を必ず担保してください。

AI ツールで教材制作を進める場合の、AI 事業者側の学習利用の根拠は著作権法第 30 条の 4 です。

著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

出典:著作権法 第三十条の四|e-Gov 法令検索

「著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない」というただし書きが付いており、AI 利用者側の権利処理(生成物の類似性・依拠性、開発段階と生成・利用段階の区別)については、文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」(令和 6 年 3 月 15 日)と「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和 6 年 7 月 31 日)を参照して個別に判断します。

BGM に JASRAC 管理曲を使う場合の使用料や、社内配信での免除条件は公式ページに明示されていません。社内 LMS で従業員に配信する教材で JASRAC 管理曲を使う場合は、使用料規程に基づく手続が必要となり、社内配信の可否は JASRAC への個別確認が必要です。

受講者・講演者を映した撮影動画では、被写体の同意(肖像権への配慮)も必要です。肖像権は著作権法とは別に憲法第 13 条を根拠に判例で認められた人格権で、京都府学連事件(最高裁大法廷 昭和 44 年 12 月 24 日判決)で「何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有する」と判示されています。撮影前に同意書を取り、利用範囲(社内限定・拠点限定・期間)を明示しておくと後のトラブルを避けられます。

一度作った教材の改訂・バージョン管理

制度改正・業務変更・受講者からのフィードバックに応じて教材を改訂する際、旧バージョンとの差分・改訂日・改訂理由を記録できる仕組みを組んでおきます。改訂履歴が追えないと、受講者が旧バージョンで受講した記録と新バージョンの内容の整合性が取れなくなり、監査対応で困る場面が出てきます。

多くの作成ツールでは、教材ごとにバージョン管理機能が備わっており、旧バージョンへのロールバックや、改訂履歴の一覧表示ができます。契約前の検証段階で、差分の可視化・改訂日と改訂者の記録・旧バージョンの受講済み受講者への通知・受講履歴と教材バージョンの紐づけの 4 点が満たされるかを確認しておくと、運用開始後の混乱を防げます。

まとめ|素材別 5 型と診断・比較表で自社に合う作成ツールを絞り込む

eラーニング作成ツールは、扱いたい素材と制作リソースで 5 つの型に分かれます。PowerPoint 資料をそのまま活用する型、PC 操作を自動キャプチャする型、撮影動画を教材化する型、業務マニュアルを兼ねる型、AI で作問・要約・音声合成を支援する型のいずれかから、自社の素材と 1〜2 名内製体制に合う候補を先に絞ると、稟議に載せる 3〜5 社まで自然と絞れます。

選定にあたっては、まず素材との適合を確認し、続いて SCORM/xAPI で既存 LMS に載せられるか、AI で制作工数を圧縮できるか、内製人員と改訂サイクルに乗るか、料金体系と無料版の到達点、の順で見ていきます。内製で失敗しないために、著作権の整理と改訂バージョン管理も契約前に検討しておくと安全です。

診断ツールで自社に合うタイプを 1 分で絞り込み、比較表でスペック・料金を横断で見比べたうえで、気になる 2〜3 社の資料を一括で取り寄せて社内比較に入るのが実務の次の一手となります。

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eラーニング作成ツールに関するよくある質問(FAQ)

Q. eラーニング作成ツール(オーサリングツール)とは何ですか?

A. eラーニング作成ツール(オーサリングツール)とは、PowerPoint・動画・PDF・PC 操作画面などの素材を取り込み、テスト・ナレーション・字幕を付加して学習教材そのものを組み上げるソフトウェアの総称です。作成した教材は SCORM・xAPI などの規格で書き出し、自社の LMS や受け放題型サービスにアップロードして配信します。教材制作を担う部門(人事・教育・情シス)が使う道具で、教材の配信・受講進捗管理を担う LMS とは役割が分かれます。

Q. eラーニング作成ツールと LMS(eラーニングシステム)はどう使い分けますか?

A. eラーニング作成ツールは教材を組み上げる道具、LMS は組み上げた教材を配信して受講進捗・成績・履歴を管理する道具で、担う工程が異なります。既存の LMS をすでに運用していて教材だけを内製したい場合は、SCORM・xAPI で書き出せる作成ツールを選び、書き出した教材を LMS 側にアップロードする構成が一般的です。これから配信基盤も含めて導入する企業は、教材作成機能と LMS 機能を 1 製品にまとめたオールインワン型の方が運用は簡潔になります。

Q. eラーニング作成ツールを使えば、教材制作の費用はかからなくなりますか?

A. 完全にゼロにはなりませんが、作成ツールを内製で回せば教材 1 本あたりの外注費を圧縮できます。作成ツールのライセンス費用として買い切り型で数十万〜数百万円、月額サブスク型で年間十数万〜数十万円が発生し、加えて教材制作を担当する社員の人件費が乗ります。

社内に PowerPoint 資料や過去の講義動画が蓄積されている企業では、ゼロから外注するより総額を抑えられ、制度改正や業務変更に合わせた更新も内製で機動的に回せる点が投資対効果に効きます。無料版・無料トライアルで操作性を検証してから有料契約に進むと、初期の費用対効果を見誤りにくくなります。

Q. 内製と外注のハイブリッド運用は、具体的にどう役割分担すればよいですか?

A. 「更新頻度」と「演出クオリティの要求水準」の 2 軸で切り分けると、内製と外注の分担が決まります。制度改正や業務手順の変更で年数回更新が発生する教材(コンプライアンス・情報セキュリティ・業務システム操作マニュアル)は内製に、演出・ナレーション・撮影の完成度が学習効果に直結する教材(新任役員研修・トップメッセージ動画・シリーズ化する外部講師講義)は外注に、それぞれ寄せるのが実務の典型です。

ハイブリッド運用の具体パターンとしては、外注で作った骨格教材(章立て・演出済みの動画本編)に内製で確認テストや自社事例スライドを追加する形、外注のシナリオ設計・撮影後に内製で SCORM 書き出しと LMS 配信を担当する形、既製の受け放題教材で全社研修の骨格を組み自社独自コンテンツを内製で足して学習パスに束ねる形といった役割分担が組めます。作成ツールが SCORM/xAPI で書き出せるかは、外注成果物との組み合わせ運用でも要チェックです。

Q. eラーニング作成ツールで PowerPoint スライドをそのまま SCORM 教材として書き出せますか?

A. PowerPoint 対応型のオーサリングツールを使えば、既存 PPT スライドをそのまま SCORM 1.2 / SCORM 2004 / xAPI / cmi5 などの規格で書き出せます。PowerPoint アドイン型では編集内容にテスト・ナレーション・アニメーションを付加して直接教材化でき、社内蓄積のスライド資産をそのまま活用できます。書き出した SCORM パッケージは SCORM 対応の任意の LMS に取り込めるため、既存 LMS を変えずに教材だけを内製する運用にも向きます。契約前 PoC で自社 LMS 側に載せて受講記録が正しく取れるところまで検証しておくと安全です。

Q. eラーニング作成ツールの AI 作問機能はどの程度の精度が期待できますか?

A. AI 作問は「たたき台の自動生成」までを担い、公開前には教育担当による内容確認と修正が必要と考えるのが実務の前提です。PowerPoint・PDF などの資料をアップロードすると設問・選択肢・正解・解説をセットで自動生成でき、ゼロから作問するより工数を圧縮できます。

ただし専門用語の解釈違い、正解の妥当性、選択肢の紛らわしさなどは AI が完全に判断しきれないため、担当者のレビュー工程を必ず挟む運用にしてください。AI 採点添削型では、自由記述回答を 24 時間 365 日 AI が採点・添削する製品も登場しており、活用範囲は年次で広がっています。

Q. eラーニング作成ツールで作る動画教材の適切なファイル形式と長さは?

A. 動画は MP4(H.264)が事実上の標準で、1 章の視聴時間は 10〜15 分程度に区切るのが集中力維持の目安です。多くの作成ツールが MP4 に対応し、PC・スマートフォン・タブレットの再生互換性も高いのが理由です。1 本が長すぎると視聴途中での離脱が増えるため、章の終わりに理解度テストを配置して定着を測る設計が一般的。解像度は 720p〜1080p、ビットレートは配信帯域と受講環境に合わせて調整し、契約前 PoC で PC とモバイル双方の再生検証を済ませておくと運用開始後のトラブルを避けられます。

Q. 講義を撮影して eラーニング教材にする場合、著作権は誰に帰属しますか?

A. 社内従業員が業務時間内に講義した動画は職務著作(著作権法第 15 条)として法人に著作権が帰属しますが、外部講師の講義や外部委託の撮影動画は本条の適用外で、契約書での権利帰属の取り決めが必須です。外部の撮影事業者に委託して制作した動画は映画の著作物として著作権法第 29 条が適用され、映画製作者(発意と責任を有する者)に著作権が帰属します。

撮影前に、著作権の帰属・社内利用範囲(拠点限定/期間)・二次利用の可否を書面で明確にしておいてください。受講者・講演者を映す場合は肖像権への配慮も必要で、撮影同意書と教材での利用範囲を書面で取っておくと後のトラブルを避けられます。JASRAC 管理曲を BGM に使う場合は使用料規程に基づく手続が必要になるため、社内配信の可否も含めて JASRAC への個別確認が確実です。

Q. eラーニング教材の学習効果を高めるには、どのような設計上の工夫が必要ですか?

A. 1 章を 10〜15 分に区切る、章末に理解度テストを配置する、演習・ケーススタディで受講者の思考を挟む——この 3 点が、eラーニング特有の集中力低下と双方向性の弱さを教材設計で補う基本です。動画を一方的に視聴する時間が長いと集中が途切れて定着が下がるため、視聴時間の細分化と確認テストの組み合わせが効きます。

運用側では、受講期限の明確化、未受講者への自動リマインド、受講後のオンライン集合研修や 1on1 でのフォロー、修了バッジや人事評価への反映といった仕組みで動機づけを補強します。教材設計と運用施策の両輪で組み立てると、視聴だけで終わらない研修に近づけられます。

Q. 無料で使える eラーニング作成ツールはありますか?

A. 無料プランを持つツール(例として 10 アカウント・容量 1GB を無期限 0 円で使えるフリープランなど)や、多くの製品が用意する 14 日程度の無料トライアルで、まず作成体験を試せます。無料版はアカウント数・ストレージ・受講履歴保存期間・アップロード容量に制限があり、部門単位のスモールスタートや稟議前の検証には十分ですが、全社展開に耐える受講管理・レポート機能、AI 支援、不正受講対策などは有料プランで解放されるのが一般的です。

有料移行の目安になるのは、アカウント数が無料枠を超えたとき、高度なレポート・分析が必要になったとき、外部公開回数や動画容量が上限に達したとき、SSO・監査ログなどのセキュリティ要件を満たす必要が出たときです。無料版で操作性と実運用シナリオを検証してから有料プランに進むと、契約時のミスマッチを防げます。

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出典・参考資料(8件)
監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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