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個人事業主向け給与計算ソフトおすすめ14選を比較|無料・低コストで選ぶ人数別の選び方

個人事業主向け 給与計算ソフトのサムネイル画像

従業員を雇ったり、家族に給与を支払ったりするようになった個人事業主にとって、毎月の給与計算と源泉徴収、年に一度の年末調整は避けて通れない作業です。Excelや手計算で対応していると、税額の計算ミスや法改正への対応漏れが不安になりがちで、本業の時間も削られてしまいます。

とはいえ、給与計算ソフトの多くは中小企業や中堅企業を想定した料金・機能で作られており、従業員が数名の個人事業主にとっては「そこまで必要か」「コストに見合うか」を判断しづらいのが実情です。無料で使えるものから、確定申告で使っている会計ソフトと連携できるものまで選択肢は幅広く、自分の規模に合う製品を見極める必要があります。

本記事では、個人事業主が使いやすい給与計算ソフト14サービスを、利用目的別の4タイプに分けて比較・解説します。無料枠の条件・1名あたりの料金・買い切り価格・会計ソフト連携を個人事業主の規模を前提に整理し、自分に給与計算ソフトが必要かの見極めから、税務上の注意点までをまとめました。従業員や家族に給与を支払う個人事業主が、自分に合う製品を判断するための材料としてご活用ください。

また、従業員数や使っている会計ソフト、予算に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、30秒で終わる選定診断ツールをご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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本記事の対象範囲

本記事は、従業員や家族専従者に給与を支払っている(またはこれから支払う予定の)個人事業主が、自分で給与計算を行うためのソフトを選ぶことを想定しています。従業員数はおおむね数名から十数名の規模を目安に、無料枠・低コスト・買い切り・会計ソフト連携のいずれかで導入しやすい製品を中心に取り上げます。

従業員規模を問わず給与計算ソフト全般を比較したい場合は、以下の記事で機能や選び方を詳しく解説しています。

個人事業主に給与計算ソフトは必要か

ここでは、個人事業主が給与計算ソフトを導入すべきかどうかを、給与を支払う相手の有無から整理します。使わなくても回るケースも含めて確認しておくと、判断を誤らずに済みます。

給与を支払う相手による給与計算ソフトの要否の分岐図。従業員や家族専従者に給与を支払う場合は源泉徴収と年末調整の義務が発生するため必要性が高く、事業主本人のみ・外注のみの場合は本人給与が税務上存在せず業務委託費も対象外のため基本的に不要と示す。

そもそも給与計算ソフトとは(個人事業主にとって何ができるか)

給与計算ソフトは、従業員ごとの勤怠や基本給をもとに、所得税・住民税・社会保険料・雇用保険料を差し引いた手取り額を自動で計算し、給与明細を発行するためのツールです。多くの製品は、月々の給与計算だけでなく、年末調整・源泉徴収票の作成・賃金台帳などの帳簿出力にも対応しています。

個人事業主にとっての利点は、税率や保険料率が変わっても計算式を自分で直す必要がなく、法令に沿った控除額が自動で反映される点にあります。確定申告で会計ソフトを使っている場合は、給与や社会保険料のデータを会計側に連携できる製品を選ぶと、経費計上の入力も一度で済みます。

従業員・家族専従者を雇用している場合

アルバイトを含む従業員を雇っている場合や、配偶者・親族に専従者給与を支払っている場合は、給与計算ソフトの必要性が高まります。人を雇って給与を支払う個人事業主には、給与から所得税を差し引いて国に納める源泉徴収の義務があり、年末には1年分の税額を精算する年末調整も必要になるためです。

これらの作業は毎月・毎年くり返し発生し、保険料率や税制の改定もあります。人数が数名であっても、手計算では負担と誤りのリスクが積み上がるため、ソフトで自動化する意味が大きい領域です。

本人のみ・外注のみで人を雇っていない場合

従業員も専従者もおらず、事業主本人だけで事業を回している場合は、給与計算ソフトは基本的に不要です。事業の利益がそのまま事業主の所得になり、事業主自身へ「給与」を支払うという処理は税務上存在しないためです(この仕組みは後述します)。外注先への業務委託費も給与ではないため、給与計算の対象にはなりません。

ただし、士業などへの報酬を支払う際に源泉徴収が必要になる場合はあります。自分で計算しきれない部分だけを税理士や社会保険労務士に依頼する選択肢もあり、給与を支払う相手が増えてきた段階でソフト導入を検討するのが現実的です。

給与計算ソフトを使うメリット

給与計算ソフトを使う主なメリットは、計算の正確さと作業時間の短縮です。所得税や社会保険料の控除額が自動計算されるため、税率改定のたびに計算式を見直す手間がなく、明細の記載漏れや税額の取り違えも起きにくくなります。

給与明細の発行や年末調整、源泉徴収票の作成までを一連の流れで処理できる製品なら、担当が事業主本人ひとりでも運用できます。勤怠や会計ソフトと連携すれば、勤務時間の集計から仕訳までの二重入力もなくせます。

個人事業主向け給与計算ソフトの4つのタイプ

個人事業主が使える給与計算ソフトは、料金の考え方や連携先によって大きく4つのタイプに分けられます。自分の使い方に近いタイプから見ていくと、候補を絞り込みやすくなります。

個人事業主向け給与計算ソフトの4つのタイプと向いている人を並べた図。無料・低コスト特化型(フリーウェイ給与計算・円簿給与・PayBook・ジョブカン給与計算)、会計・確定申告連携型(弥生給与 Next・freee人事労務・マネーフォワード クラウド給与・給与奉行クラウド・PCAサブスク 給与)、勤怠・労務拡張型(KING OF TIME 給与・レコル・スマレジ・タイムカード)、買い切り型(給料王・給料らくだ)の4分類を、それぞれ向いている人と主なサービスとともに示す。

無料・低コストで始める給与計算特化型

給与計算の機能に絞り、無料枠や低い月額で使えるタイプです。従業員が数名までなら無料、それを超えると定額または少額の従量課金に移る料金体系が中心で、開業して間もない事業者や、まず給与計算だけをデジタル化したい個人事業主に向いています。

該当する主なサービス:フリーウェイ給与計算、円簿給与、PayBook、ジョブカン給与計算。

会計・確定申告と一体で使うクラウド型

同じ提供元の会計ソフト・確定申告ソフトと連携できるタイプです。給与や社会保険料のデータを会計側へそのまま渡せるため、確定申告で使っている会計ソフトに合わせて選ぶと、経費計上の二重入力を避けられます。すでに会計ソフトを使っている個人事業主と相性のよいタイプです。

該当する主なサービス:弥生給与 Next、freee人事労務、マネーフォワード クラウド給与、給与奉行クラウド、PCAサブスク 給与。

勤怠・労務まで広げられるクラウド型

勤怠管理や入退社の労務手続きと連携し、勤務時間の集計から給与計算までを1つのサービスで完結できるタイプです。パート・アルバイトの勤怠が多い店舗型の事業や、今後従業員を増やす予定があり、勤怠と給与をまとめて管理したい個人事業主に適しています。

該当する主なサービス:KING OF TIME 給与、レコル、スマレジ・タイムカード。

買い切り(インストール)型

ソフトを一度購入してパソコンにインストールし、月額を払わずに使い続けるタイプです。毎月の利用料をかけたくない、手元のパソコンで完結させたい個人事業主向けです。税制改正に対応する更新版は、年ごとに買い直すか、有償の保守サービスで受け取る形が一般的です。

該当する主なサービス:給料王、給料らくだ。

しかし、自分がどのタイプに適しているか、といった判断が難しいケースも存在します。そのような場合でも、ご自身の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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【比較表】個人事業主向け給与計算ソフト

ここからは、個人事業主が実際に負担する費用感で比べられるよう、無料枠の条件・初期費用・1名あたりの月額の目安・買い切り価格・会計ソフト連携・年末調整や源泉徴収への対応を横並びで整理します。各サービスの詳細は、比較表の下のサービス個別紹介で解説します。

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サービス名フリーウェイ給与計算円簿給与PayBookジョブカン給与計算弥生給与 Nextfreee人事労務マネーフォワード クラウド給与給与奉行クラウドPCAサブスク 給与KING OF TIME 給与レコルスマレジ・タイムカード給料王給料らくだ
無料枠の条件従業員5名まで無期限無料(登録1社)従業員5名まで無期限無料管理者含め10名まで永年無料従業員5名まで無期限無料無料体験のみ(最大2か月)無料体験のみ(1か月)無料体験のみ(1か月)無料体験のみ(30日間)無料体験のみ(2か月)なし無料体験のみ(30日間)勤怠管理のみ30名まで無料無料体験版あり記載なし
初期費用0円記載なし0円記載なし0円0円0円0円(iEプラン)記載なし0円0円0円—(買い切り)—(買い切り)
月額の目安(少人数・総額)1,980円(税抜・6名以上は一律/人数無制限)月換算約1,650円(税抜・年19,800円/60名まで)1,100円(税込・11名以上は一律/人数無制限)1名400円(税抜・最低2,000円〜)1,700円〜(税抜・年契約の月換算/エントリープラン)2,000円〜(税抜・年払い・5名分/6名目以降は1名400円)4,480円〜(税抜・年払い・3名まで/スモールビジネス)5,500円(税抜・20名まで/iEプラン)3,900円〜(税抜・サブスク版)1名330円(税込・勤怠管理の契約が前提)1名300円(税抜・給与計算込み・最低3,000円〜)2,420円(税込・10名まで/プレミアムプラン)—(買い切り)—(買い切り)
買い切り価格初年度82,500円(税込・保守料込み)21,780円(税込・プロ26定価/更新版は別売)
会計ソフト連携弥生会計 Nextfreee会計マネーフォワード クラウド会計奉行シリーズ内PCA会計
年末調整・源泉徴収対応無料でも対応無料でも対応年末調整データ出力は有料プラン年末調整は有料プランベーシックライト以上でフル対応管理者入力は全プラン対応給与オプションで対応プレミアムプラン以上
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式資料を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※料金・無料枠・対応可否は2026年9月時点の各社公式サイトの公表情報に基づきます。金額は特記なき場合、少人数(数名〜十数名)で契約する代表プランの月額を総額で示し、税区分を添えています(「1名○円」は1名あたりの従量課金、「月換算」は年額を12で割った目安です)。「—」は該当するプラン・機能がない項目、「記載なし」は公式サイトで金額を確認できなかった項目です。買い切り型はソフト本体の購入価格を記載しています。最新の料金・仕様は変更される場合があるため、契約前に各社公式サイトでご確認ください。

「会計ソフト連携」欄の「—」は、確定申告で使う会計ソフトと同じ提供元でそろえて仕訳まで自動で取り込める組み合わせが用意されていないことを示します。勤怠・労務まで広げられるクラウド型や買い切り(インストール)型が該当します。

これらもCSV出力などで会計ソフトへ取り込める場合はありますが、提供元をそろえた自動連携までは前提としていません。会計・確定申告と一体で仕訳まで楽にしたい個人事業主は、連携先を明記した会計・確定申告と一体で使うクラウド型から選ぶと、連携の相性で迷いにくくなります(連携先は上の比較表「会計ソフト連携」欄で確認できます)。

逆に、年末調整まで無料で完結させたい場合は、無料枠では年末調整が有料になる製品があるため割り切りが必要です(無料枠での対応可否は比較表「年末調整・源泉徴収対応」欄で確認できます)。

勤怠・労務まで広げられるクラウド型は勤怠管理の契約を前提とする製品が多く、給与計算だけを単体で導入したい場合には向きにくい面があります。買い切り(インストール)型は月々の固定費を抑えられる反面、会計事務所や社労士とクラウドで画面を共有したい用途には向かないため、その場合はクラウド型を検討してください。

個人事業主向け給与計算ソフトのサービス個別紹介

ここからは、先ほどの4タイプごとに各サービスの特徴・料金・会計や勤怠との連携を紹介します。自分の使い方に近いタイプから読み進めてください。

無料・低コストで始める給与計算特化型

まず、無料枠や低い月額で給与計算を始められるサービスを紹介します。

1. フリーウェイ給与計算(株式会社フリーウェイジャパン)

フリーウェイ給与計算の公式サイト

フリーウェイ給与計算は、株式会社フリーウェイジャパンが「フリーウェイシリーズ」として展開するクラウド型給与計算ソフトの一つです。ブラウザで操作でき、従業員5人までなら期間無制限・登録会社1社で無料利用でき、クレジットカードの登録も不要です。

無料版と有料版で異なるのは従業員数の上限・登録会社数・サポート体制のみで、給与・賞与計算や年末調整、源泉徴収票・支払調書の作成、全銀データ出力といった機能は無料でも同じように使えます。従業員や専従者が数名の個人事業主なら、無料の範囲で年末調整まで完結できます。

従業員が6人以上になると、月額1,980円(税抜、年間23,760円)の有料プランへ切り替わり、従業員数・登録会社数が無制限になります。無料版のサポートはマニュアル・FAQ・AIチャットに限られ、電話・メールや画面共有によるサポートは有料版で利用できます。

2. 円簿給与(株式会社円簿インターネットサービス)

円簿給与のサービス紹介ページ

円簿給与は、株式会社円簿インターネットサービスが運営する「クラウド円簿」シリーズのクラウド型給与計算ソフトです。Yahoo! JAPAN IDや楽天IDでログインでき、WindowsとMacのどちらでも、スマホやタブレットからの打刻にも対応します。

無料の一般プランは期間無制限で従業員5名まで使え、年末調整の集計や源泉徴収票・給与支払報告書の出力、算定基礎届の作成、社会保険料率の改定対応まで無料の範囲で行えます。給与計算だけでなく、年末調整や社会保険手続きの主要機能まで無料で対応します。

ただし、広告を非表示にする「広告CUT」は有料プラン向けの機能で、無料版では広告が表示されます。従業員が増える場合は、60名まで対応する年額19,800円(税抜)のベーシック、150名まで対応する年額39,800円(税抜)のスタンダードが選べます。

3. PayBook(合同会社Pay-book.jp)

PayBook(ペイブック)の公式サイト

PayBook(ペイブック)は、税理士が代表を務める合同会社Pay-book.jpが提供するクラウド給与計算ソフトです。所得税・住民税・社会保険料の自動計算に対応し、給与明細のPDF出力やメール送信、全銀フォーマットの出力まで行えます。

フリープランは管理者を含め10名まで永年無料で使え、登録から3ヶ月間はクレジットカード登録なしでスタンダードプランの全機能を試せます。トライアル終了後も、従業員が10名以下ならフリープランとして無料のまま使い続けられます。

ただしフリープランでは、賃金台帳の出力や年末調整ソフト向けのデータ出力、アプリ内からの問い合わせが利用できません。年末調整用のデータ出力や賃金台帳が必要な場合は、月額1,100円(税込、年額11,000円)のスタンダードプラン以上が必要になります。

4. ジョブカン給与計算(株式会社DONUTS)

ジョブカン給与計算の公式サイト

ジョブカン給与計算は、勤怠管理などで知られるジョブカンシリーズを展開する株式会社DONUTSのクラウド給与計算ソフトです。月例給与・賞与の自動計算やWeb給与明細・源泉徴収票の配布、社会保険・労働保険の書類作成に対応します。

従業員5名以下なら無料プランを期間の制限なく使い続けられ、申込から30日間は従業員数無制限で全機能を試せるお試しプランも用意されています。有料プランは1ユーザーあたり月額400円(税抜)で、最低利用料金は月2,000円(税抜)です。

ただし無料プランでは年末調整が原則利用できず、ジョブカンシリーズとのAPI連携や一斉メール送信、チャットサポートも対象外です。年末調整まで自動化したい場合や勤怠データと連携したい場合は、有料プランが前提になります。なおWeb給与明細の公開と従業員のマイページ閲覧自体は、無料プランでも利用できます。

会計・確定申告と一体で使うクラウド型

続いて、会計ソフト・確定申告ソフトと連携できるサービスを紹介します。会計ソフトを同じ提供元でそろえたい個人事業主に向いたタイプで、給与奉行クラウドやPCAサブスク 給与は数名から使える少人数プランがあり、勘定奉行・PCA会計をすでに使っている場合の選択肢になります。

5. 弥生給与 Next(弥生株式会社)

弥生給与 Nextの公式サイト

弥生株式会社が提供するクラウド型の給与計算ソフトで、給与・賞与計算からWeb給与明細の配信、年末調整、法定調書の作成までを1つの画面で扱えます。同社の「弥生会計 Next」と連携でき、給与・賞与支払に伴う仕訳データをワンクリックで会計側に取り込めるため、確定申告で弥生の会計ソフトを使っている個人事業主なら、給与の経費計上を二重入力せずに済みます。

料金は年契約の月あたり換算で、給与計算と勤怠管理を自社で行うエントリープランが1,700円、年末調整まで自社で完結するベーシックライトプランが3,000円からです(いずれも税抜)。初回申込に限り最大2か月間、上位のベーシックプラス相当の全機能を無料で試せるため、自分の規模に合うかを確かめてから契約できます。

年末調整は、年税額の自動計算や源泉徴収票のWeb配信まで行うならベーシックライト以上が必要で、エントリープランは年末調整を税理士などに委託する前提の設計です。公式には300名未満の中小企業向けと案内されており、専従者や数名の従業員に給与を支払う個人事業主が、会計・年末調整まで一体で整えたい場合の選択肢になります。

6. freee人事労務(フリー株式会社)

freee人事労務の公式サイト

会計ソフト「freee会計」を提供するフリー株式会社の労務ソフトで、勤怠管理・給与計算・年末調整・社会保険手続きをまとめて扱えます。freee会計への給与仕訳の連携に対応するため、確定申告をfreee会計で行っている個人事業主なら、給与データを会計側へそのまま引き継げます。

料金は5名分を最低単位とし、6名目以降を1名ずつ追加する従量制です。最も安いミニマムプランは年払いで月額2,000円(5名分・税抜)で、6名目以降は1名あたり400円が加わります。従業員が数名の個人事業主なら、基本料金の範囲に収まりやすい設計です。

年末調整は、管理者がまとめて入力する方式なら全プランで対応し、従業員がスマホから自分で申告情報を入力する電子化はスタータープラン以上が必要です。勤怠打刻の機能はスタンダード・アドバンスの上位プランに内蔵されるため、給与計算に絞るなら下位プラン、勤怠まで一体化したいなら上位プランと、必要な範囲でプランを選べます。無料で使えるのは、はじめの1ヶ月間のお試しに限られます。

7. マネーフォワード クラウド給与(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド給与の公式サイト

マネーフォワード クラウドシリーズの一つとして提供される給与計算ソフトです。従業員情報の管理から給与・賞与計算、Web給与明細の発行、年末調整までをカバーし、同シリーズの会計ソフトとデータ連携する前提で作られています。確定申告や記帳をマネーフォワードで行っている個人事業主なら、給与から会計までの転記を減らせます。

料金は事業規模別に分かれ、経営者1名向けのひとり法人プランが年払いで月額2,480円、利用者3名以下のスモールビジネスプランが月額4,480円、4名以上向けのビジネスプランが月額6,480円です(いずれも税抜)。ビジネスプランは6名目以降が1名あたり月額300円の追加となり、専従者や数名の従業員を抱える個人事業主でも規模に合わせて選べます。

給与計算では、支給・控除項目を前月と自動で比較して差分を表示する機能があり、毎月のチェック作業の負担を抑えられます。勤怠管理は同社の「マネーフォワード クラウド勤怠」のほか、API・CSVを合わせて20種類以上の外部の勤怠システムと連携できるため、すでに使っている勤怠の仕組みを変えずに給与計算だけを移せます。

8. 給与奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

給与奉行クラウドの公式サイト

従業員規模に応じた5段階のプランを用意する、株式会社オービックビジネスコンサルタントのクラウド型給与計算システムです。勘定奉行クラウドなどの会計製品を含む「奉行シリーズ」の給与製品にあたり、残業手当や通勤手当、遅刻・早退・欠勤の減額といった手当計算の自動化、給与明細・源泉徴収票の電子配付、社会保険関連書類の電子申請に対応します。

料金は従業員規模別の5プランで、20名までのiEシステムが月額5,500円(年額66,000円・初期費用0円)、50名までのiAシステムが月額9,000円です(税抜)。数名規模の個人事業主が対象になるのは最小のiEシステムで、他社の無料枠や低価格プランと比べると月額はやや高めになります。

導入前に30日間の無料トライアルで試せます。将来的に人を増やしても、上位プランへ切り替えれば同じ操作性のまま使い続けられるため、事業拡大を見込む事業者にも向きます。東証プライムに上場するOBCが提供し、勘定奉行クラウドなどを含む奉行シリーズ全体では累計82万を超える導入実績があります(2025年8月末時点)。

9. PCAサブスク 給与(ピー・シー・エー株式会社)

PCAサブスク 給与の公式サイト

「PCA給与DX」の名前で知られてきた、ピー・シー・エー株式会社の給与計算ソフトです。買い切りパッケージ版の「PCA給与DX」は2024年3月末で新規販売を終了しており、現在はクラウド型の「PCAクラウド 給与」と、買い切りソフトを月額で使う「PCAサブスク 給与」が後継として提供されています。

月額を抑えて使いたい場合の入口となるのが「PCAサブスク 給与」で、月額3,900円(税抜)から利用できます。常時オンラインで使うクラウド型の「PCAクラウド 給与」は標準版で月額16,200円(税抜)からで、PCA会計シリーズとの会計連動に対応するため、PCAの会計ソフトで記帳している個人事業主なら給与から会計まで揃えられます。

勤怠20・支給50・控除30という給与項目を扱え、多様な手当や給与体系に対応できるほか、社会保険のe-Gov直接連動による電子申請、算定基礎届・月額変更届の作成、年末調整までをカバーします。契約前に2か月間の無料体験で操作感を確かめられます。

勤怠・労務まで広げられるクラウド型

次に、勤怠管理と連携して給与計算まで完結できるサービスを紹介します。

10. KING OF TIME 給与(株式会社ヒューマンテクノロジーズ)

KING OF TIME 給与の公式サイト

株式会社ヒューマンテクノロジーズが提供するクラウド勤怠管理サービス「KING OF TIME」の給与計算機能です。勤怠管理・人事労務・給与計算がWebAPIで自動連携し、勤務時間の集計から給与計算・賞与計算・年末調整までを同じシリーズ内で扱えます。

利用にはKING OF TIME 勤怠管理への登録が前提で、給与計算だけを単体で契約することはできません。料金は1人あたり月額300円(税込330円)のワンプライスで、勤怠管理・人事労務・給与計算の全機能を含みます。KING OF TIME 勤怠管理を契約していれば、給与計算機能は追加料金なしで使えます。初期費用は0円で、1名から利用できます。

ワンクリックでの給与・賞与計算、年末調整、算定基礎届などの帳票出力に対応します。パート・アルバイトの勤怠管理を主目的に導入し、そのまま給与計算まで広げたい個人事業主に向く構成です。

11. レコル(中央システム株式会社)

レコル(RecoRu)の公式サイト

1人あたり月額100円という低価格でクラウド勤怠管理を利用できるサービスです。中央システム株式会社が運営し、ICカード・顔認証・スマホのGPSなど複数の打刻方法に対応します。

給与計算は、2025年2月に追加された「レコル給与」というオプション機能です。勤怠管理プランに給与計算を加えると月額は1人あたり300円になり(給与計算分は+200円/人、最低利用料金3,000円)、レコルで打刻した勤怠データがそのまま給与計算へ連携されます。

給与・賞与の自動計算、所得税・社会保険料の計算、Web給与明細の発行、年末調整(源泉徴収票の出力)、賃金台帳や算定基礎届などの帳票出力、全銀データの作成まで対応します。他社の勤怠データをCSVで取り込み、レコルの勤怠管理を使わずに給与計算だけを利用することもできます。

12. スマレジ・タイムカード(株式会社スマレジ)

スマレジ・タイムカードの公式サイト

POSレジ「スマレジ」を主力とする株式会社スマレジが提供するクラウド勤怠管理システムです。PC・スマートフォン・タブレットのほか笑顔認証での打刻に対応し、勤怠管理を軸にシフト作成や休暇管理まで扱えます。

給与計算と年末調整は、勤怠管理のみのスタンダードプランには含まれず、上位のプレミアムプラン(税込2,420円/10名まで、11名以上は1人あたり385円加算)以上で利用できます。給与計算では健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険の社会保険・労働保険料の計算に対応します。

スタンダードプランは30名まで0円で勤怠管理を使え、まず勤怠だけを無料で始めることもできます。30日間の無料トライアルでは全機能を試せ、期間終了後にアップグレードしなければ自動で無料のスタンダードプランに切り替わるため、自動課金は発生しません。

買い切り(インストール)型

最後に、月額をかけずに使える買い切りタイプのサービスを紹介します。

13. 給料王(ソリマチ株式会社)

給料王の公式サイト

会計ソフト「会計王」などを手がけるソリマチ株式会社の給与計算ソフトです。給与・賞与計算から年末調整、マイナンバー管理、社会保険・労働保険の書類作成までを1本で処理でき、購入後3か月間は電話によるフリーサポートが付きます。

買い切りのパッケージ版は初年度82,500円(ソフト代金と保守料金込み)で、2年目以降は保守サービス「バリューサポート」年額38,500円(税込)を契約すると法改正に対応した更新版を受け取れます。月々の固定費をかけずに、税制改正への対応だけを年額で確保できる形です。

2026年4月1日には、月額・年額で課金するクラウド版も加わりました。クラウド版はライトが月額3,278円からで、給与担当者が本人1名ならパッケージ版、会計事務所や社労士と共有して使いたい場合はクラウド版が向きます。

14. 給料らくだ(株式会社BSLシステム研究所)

給料らくだの公式サイト

給料らくだは、株式会社BSLシステム研究所が販売するインストール型の給与計算ソフトです。パソコンに導入して使う買い切りパッケージで、法改正に対応するため毎年新版が出る年次更新型をとっており、現行版は2025年10月23日発売の「プロ26」です。

月給・日給・時給の給与計算に加え、残業や休日出勤、有給休暇残数の計算、社会保険料の算定、年末調整・源泉徴収票の作成までを1本でカバーします。登録できる社員数に上限はなく、提供元は100名程度までの規模での利用を想定しています。

現行版のプロ26は定価21,780円(税込)で、認定販売店では税込19,602円で販売されています。年次更新型のため、法改正に対応するには毎年発売される新版を買い替える形になります。外部の勤怠管理システムとは、CSVファイルの列を対応づける設定を行ったうえで勤怠データを取り込めます。

個人事業主向けの選び方

ここからは、個人事業主が自分に合う製品を絞り込むための観点を、必要な機能・費用・連携・将来の拡張の順に整理します。

個人事業主に必要な機能を満たしているか

まず確認したいのは、所得税・住民税・社会保険料・雇用保険料の自動計算と、給与明細の発行に対応しているかです。ここは給与計算ソフトの基本機能で、無料枠のあるサービスでも備わっているのが一般的です。

従業員や専従者を雇っている個人事業主は、年末調整・源泉徴収票・賃金台帳などの帳票出力まで対応しているかも見ておきます。無料枠では年末調整の一部機能や帳票出力が制限される製品もあるため、自分に必要な帳票が無料の範囲で作れるかを事前に確かめておくと、後から有料プランへ切り替える判断がしやすくなります。会計ソフトを使っているなら、給与・社会保険料データの会計連携に対応しているかも機能面の要件に含めます。

費用の目安(無料枠・月額・買い切り価格)で見るか

個人事業主の場合、費用は無料枠の条件・月額・買い切り価格の3つの軸で比べると判断しやすくなります。無料で始めたいなら、無料になる従業員数の上限と、無料枠で使える機能の範囲を確認しておくとよいでしょう。従業員5名程度までを無料とする製品が複数あり、その範囲で年末調整まで対応するかは製品によって差があります。

月額制は「1名あたり数百円+最低料金」という形が多く、人数が少ないほど1人あたりの単価は割高になりやすい点に注意します。月々の固定費を避けたい場合は、一度の購入で使い続けられる買い切り型が候補になりますが、税制改正に対応する更新版の費用も含めて総額で比べることが大切です。具体的な料金は比較表とサービス個別紹介で整理しています。

人数帯で見ると、従業員がおおむね5名までなら、無料枠のある給与計算特化型の製品がまず候補になります。無料枠を超える6〜十数名では、人数が増えても定額で使える製品を選ぶと1人あたりの負担を抑えやすく、製品ごとの無料人数や月額は比較表で確認できます。

確定申告で使う会計ソフトに合わせたいなら、同じ提供元のクラウド型を人数にかかわらず候補にすると連携で迷いません。勘定奉行やPCA会計など会計事務所でよく使われる会計ソフトを使っている場合も、同じ提供元の会計連携型クラウドに少人数向けのプランがあり、同じ観点で選べます。

人数・買い切りかクラウドか・会計ソフト連携で選ぶか

タイプの見分け方はシンプルです。月額をかけたくなければ買い切り型、確定申告で使っている会計ソフトと揃えたいなら同じ提供元のクラウド型、勤怠管理も一緒に整えたいなら勤怠連携型が基準になります。

特に会計ソフト連携は、個人事業主にとって効果が大きい観点です。確定申告で使っている会計ソフトと同じ提供元の給与計算ソフトを選べば、給与・社会保険料の仕訳を自動で会計側に取り込め、確定申告の準備が楽になります。すでに会計ソフトが決まっている場合は、その提供元の給与計算ソフトから検討すると、連携の相性で迷わずに済みます。

確定申告で使う会計ソフトをまだ決めていない場合は、先に会計ソフト側を選んでおくと、連携できる給与計算ソフトも絞り込みやすくなります。個人事業主向けの会計ソフトは、料金・青色申告65万円控除・e-Tax対応を軸に次の記事で比較しています。

事業拡大時に勤怠・労務まで広げられるか

従業員を増やす見通しがあるなら、給与計算だけでなく勤怠管理や入退社手続きまで同じサービスで広げられるかも見ておくと、後々の乗り換えを避けられます。近年は給与計算単体の製品でも、勤怠や労務手続きを扱う上位プランやオプションを用意する例が増えています。

今は数名でも、パート・アルバイトの勤怠管理が増えそうなら、勤怠連携型やオプションで機能を足せるクラウド型を選んでおくと、人数が増えても同じ運用を続けられます。逆に当面は人数が変わらない見込みなら、拡張性より目先のコストと使いやすさを優先して問題ありません。

個人事業主が押さえたい税務の前提と製品選び

給与計算ソフトを選ぶ前に、個人事業主が給与に関して押さえておきたい税務の前提を整理します。本人・家族・従業員のいずれに支払うかで扱いが変わり、それがソフトに求める機能にも直結します。

本人への給与は経費にならない(事業主貸)

個人事業では、事業所得の金額は「総収入金額-必要経費」で計算され、利益がそのまま事業主の所得になります。つまり、事業主自身への「給与」という経費項目は制度上存在せず、事業主が生活費として事業のお金を引き出しても経費にはなりません。こうした引き出しは、会計上は「事業主貸」という科目で処理するのが一般的です。

そのため、事業主本人分について給与計算ソフトで処理する必要はありません。給与計算ソフトの対象になるのは、あくまで従業員や後述する家族の専従者への支払いです。

出典・参考資料(1件)

家族への専従者給与の要件と計算

生計を一にする配偶者や親族に支払う給与は、原則として必要経費になりません。ただし、青色申告をしている場合は、一定の要件を満たして届け出た「青色事業専従者給与」を必要経費に算入できます。国税庁は青色事業専従者の要件を次のように定めています。

  • イ 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
  • ロ その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
  • ハ その年を通じて6か月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。
出典:No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除|国税庁

あわせて、青色事業専従者給与を必要経費にするには、「青色事業専従者給与に関する届出書」を納税地の所轄税務署長に提出していることと、支払う給与の額が労務の対価として相当であると認められる金額であることも要件になります。

白色申告の場合は、青色事業専従者給与のように実額を必要経費にはできませんが、事業専従者控除として「配偶者は最高86万円、15歳以上のその他の親族は最高50万円」を差し引けます。ただしこの金額は上限で、実際には控除前の所得金額を専従者の数に1を加えた数で割った金額とのいずれか低い方になります。

いずれの場合も、専従者への給与は給与計算ソフトで管理する対象となり、青色事業専従者は年末調整の対象にもなります。

従業員を雇うと発生する義務とソフトでの自動化範囲

人を雇って給与を支払う個人事業主は、給与から所得税および復興特別所得税を差し引いて国に納める「源泉徴収義務者」になります。差し引いた税額は、原則として給与を支払った月の翌月10日までに納めます。

出典・参考資料(1件)

さらに年末には、毎月源泉徴収した所得税の合計額と、その人が1年間に納めるべき税額との差額を精算する年末調整を行います。年末調整の対象には、1年を通じて勤務している従業員のほか、青色事業専従者も含まれます。加えて、従業員へ源泉徴収票を交付し、税務署へ法定調書(法定調書合計表とともに)を、市区町村へ給与支払報告書を提出する義務も生じます。

出典・参考資料(2件)

これらの作業のうち、毎月の源泉徴収税額の計算・給与明細の発行・賃金台帳の作成は、給与計算ソフトの基本機能で自動化できます。年末調整や源泉徴収票・給与支払報告書の作成まで対応する製品を選べば、年に一度の負担も軽くなります。無料枠では年末調整や一部の帳票が制限される製品もあるため、自分に必要な義務対応が使える範囲に含まれているかを、費用とあわせて確認しておくと安心です。

導入・運用で個人事業主が注意すること

給与計算ソフトは導入すれば終わりではなく、初期設定と日々の運用に一定の手間がかかります。導入前に押さえておきたい注意点を整理します。

まず、最初の設定では、従業員情報・扶養家族・社会保険や雇用保険の加入状況・基本給や各種手当を正確に登録する必要があります。ここを誤ると毎月の計算に影響するため、初回だけは時間を確保して丁寧に進めることが大切です。設定に不安がある場合は、初期設定を支援するサポートの有無も製品選びの判断材料になります。

次に、税率や保険料率、年末調整の様式は毎年のように改定されます。クラウド型は提供元が自動で更新しますが、買い切り型は更新版の入手が別途必要になることがあるため、改正対応をどう受け取るかを確認しておきます。無料枠を使う場合も、機能制限の範囲や有料プランへ移る条件を把握しておくと、従業員が増えたときに慌てずに済みます。

まとめ

個人事業主の給与計算ソフト選びは、まず「従業員や家族専従者に給与を払っているか」で必要性を見極め、次に無料枠・低コスト特化、会計・確定申告との連携、勤怠・労務への拡張、買い切りの4タイプから自分の使い方に近いものを選ぶのが基本の流れです。確定申告で会計ソフトを使っているなら同じ提供元のクラウド型、月額を避けたいなら買い切り型、というように起点を決めると迷いにくくなります。

無料枠の条件・1名あたりの料金・買い切り価格・会計連携・年末調整への対応は製品ごとに差があります。比較表と診断ツールで自分の規模に合う候補を絞り込み、気になったサービスの資料をまとめて取り寄せて、機能と費用を具体的に確かめてみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 個人事業主に給与計算ソフトは必要ですか?

A. 個人事業主に給与計算ソフトが必要かは、給与を支払う相手がいるかどうかで決まります。従業員やアルバイト、家族の専従者に給与を支払っている(またはこれから支払う)個人事業主には必要性が高く、本人だけで事業を回している場合は基本的に不要です。

人を雇って給与を支払うと、給与から所得税を差し引いて納める源泉徴収や、年末にその税額を精算する年末調整の義務が生じ、これらを手計算で続けるのは負担と誤りのリスクが大きいためです。事業主本人への「給与」は税務上存在せず(事業主貸)、外注先への業務委託費も給与計算の対象外です。

Q. 個人事業主でも給与計算ソフトを無料で使えますか?

A. 個人事業主向けの給与計算ソフトには、従業員が5名程度までなら期間無制限で無料で使える製品が複数あります。無料・低コストで始める給与計算特化型に多く、無料になる従業員数の上限は製品によって異なります。どの製品が何名まで無料かは、本記事の比較表で確認できます。

ただし、無料枠では年末調整や賃金台帳の出力などの一部機能が制限される製品もあります。自分に必要な帳票が無料の範囲で作れるかを、比較表の「年末調整・源泉徴収対応」の欄で事前に確かめておくと安心です。

Q. 家族に支払う専従者給与も給与計算ソフトで計算できますか?

A. 家族への専従者給与も、給与計算ソフトで従業員と同じように計算・管理できます。青色申告で届け出た青色事業専従者への給与は必要経費に算入でき、給与計算ソフトの処理対象であるとともに、年末調整の対象にもなります。

青色事業専従者給与は、生計を一にする15歳以上の親族で、その年に6か月を超えて事業に専ら従事しているなどの要件を満たし、「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署へ提出していることが前提です。白色申告の場合は実額の給与を経費にはできず、事業専従者控除(配偶者は最高86万円、その他の親族は最高50万円が上限)で対応します。

Q. 確定申告で使っている会計ソフトと給与計算ソフトは連携できますか?

A. 確定申告で使っている会計ソフトと給与計算ソフトは、同じ提供元の製品でそろえれば連携でき、給与や社会保険料の仕訳を会計側へそのまま取り込めます。

会計・確定申告と一体で使うクラウド型は、同じ提供元の会計ソフトへ給与や社会保険料の仕訳を連携でき、経費計上を二重入力せずに済みます。すでに会計ソフトが決まっている個人事業主は、その提供元の給与計算ソフトから検討すると、連携の相性で迷いません。どの製品がどの会計ソフトと連携できるかは、比較表と診断ツールで確認できます。

Q. 従業員を雇ったら給与計算で何が必要になりますか?

A. 従業員を雇って給与を支払う個人事業主は「源泉徴収義務者」になります。毎月の給与から所得税および復興特別所得税を差し引いて原則翌月10日までに納め、年末には年末調整で税額を精算する必要があります。あわせて、従業員への源泉徴収票の交付、税務署への法定調書の提出、市区町村への給与支払報告書の提出も義務づけられています。

これらのうち毎月の源泉徴収税額の計算・給与明細の発行・賃金台帳の作成は給与計算ソフトの基本機能で自動化でき、年末調整や源泉徴収票・給与支払報告書の作成まで対応する製品を選べば、年に一度の負担も抑えられます。

Q. 個人事業主が給与計算ソフトを選ぶときのポイントは何ですか?

A. 個人事業主が給与計算ソフトを選ぶ基準は、必要な機能を満たすか・費用・会計ソフト連携・将来の拡張性の4点です。所得税や社会保険料の自動計算と給与明細の発行に加え、従業員や専従者がいるなら年末調整・源泉徴収票・賃金台帳まで対応するかを確認します。

費用は無料枠の条件・月額・買い切り価格の3軸で比べ、確定申告で使う会計ソフトとの連携、従業員を増やす見込みがあるなら勤怠・労務まで広げられるかも見ておくと、後々の乗り換えを避けられます。

Q. 買い切り型とクラウド型の給与計算ソフトはどちらが個人事業主に向いていますか?

A. 買い切り型とクラウド型のどちらが向くかは、費用の考え方と会計連携の必要性で分かれます。月々の固定費をかけたくなく手元のパソコンで完結させたいなら買い切り型、確定申告の会計ソフトと連携したい・法改正の更新を自動で受け取りたいならクラウド型が向いています。

買い切り型は一度購入すれば使い続けられますが、税制改正に対応する更新版を年ごとに買い替えるか有償保守で受け取る費用がかかるため、その総額も含めて比べることが大切です。クラウド型は月額がかかる代わりに、法改正対応が自動で反映され、会計ソフトとの連携も選びやすくなります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
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