電車代やタクシー代、自動販売機での購入など、領収書が出ない現金の支払いをどう経費として記録すればよいか迷った経験はないでしょうか。こうした支払いを社内で記録するために使うのが「出金伝票」です。市販の伝票やダウンロードしたテンプレートを前にして、どの欄に何を書けばよいか手が止まってしまうことも少なくありません。
さらにインボイス制度が始まってからは、「出金伝票は適格請求書の代わりになるのか」「消費税は控除できるのか」といった疑問も加わりました。書き方そのものだけでなく、税務上の扱いまで正しく押さえておきたいところです。
本記事では、出金伝票の記載項目と記入例、領収書がない現金支出の処理方法、他の伝票との違い、インボイス制度・消費税との関係、保管期間までを解説します。テンプレートの入手・作成方法や、現金精算・伝票起票の手間そのものを減らす方法も紹介します。
目次
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出金伝票とは?いつ使う書類か
ここでは、出金伝票がどのような書類で、どんな場面で使うのかを整理します。
出金伝票の役割
出金伝票は、現金での支払い(出金)が発生したときに、その事実を記録するための伝票です。日付・支払先・勘定科目・摘要・金額などを記載し、帳簿へ記帳する際の根拠となります。特に、領収書が発行されない支払いや、領収書を受け取れなかった支払いについて、支払いがあったことを社内で証明する役割を担います。
会計処理は、取引の相手方から受け取った領収書などの証憑を保存することが原則です。出金伝票は、その原則を補うための社内書類という位置づけになります。この関係を理解しておくと、後述する「領収書がない場合の処理」や「保管期間」の考え方がつかみやすくなります。
出金伝票を使う具体的なシーン
出金伝票が活躍するのは、主に領収書が手元に残らない現金支出です。代表的な場面には次のようなものがあります。
- 電車・バスなど、券売機で切符を買い領収書が出ない交通費を精算するとき
- 自動販売機や無人店舗など、領収書が発行されない場所で購入したとき
- 取引先との会食を割り勘にして、自社負担分の領収書を受け取れなかったとき
- 慶弔費(香典・祝儀)など、性質上領収書が出ない支払いを現金で行ったとき
- 領収書をもらったものの、紛失してしまったとき
いずれも「現金で支払った事実はあるが、それを裏づける書類が手元にない」という共通点があります。こうした支出を経費に計上するために、出金伝票へ記録を残します。
出金伝票の書き方|記載項目と記入例
ここからは、出金伝票の各欄に何を書くのか、そして勘定科目をどう選ぶのかを、記入例とあわせて解説します。
記載項目(日付・支払先・勘定科目・摘要・金額・起票者)
市販の出金伝票やテンプレートの様式には多少の違いがありますが、記載する項目はおおむね共通しています。それぞれの欄に何を書くかは次のとおりです。
| 記載項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 日付 | 実際に支払いを行った年月日 |
| 支払先 | 支払った相手の名称(店舗名・交通機関名・個人名など) |
| 勘定科目 | 支出の内容に応じた科目(旅費交通費・接待交際費など) |
| 摘要 | 支払いの目的・内容がわかる具体的な説明 |
| 金額 | 支払った金額(税込) |
| 起票者 | 伝票を作成した担当者の氏名・押印 |
特に摘要欄は、後から見返したときに支出の正当性を説明できるよう、目的や相手を具体的に書くことが大切です。「交通費」だけでなく「営業訪問のため東京→横浜間の往復」のように記録しておくと、税務調査の際にも支出の内容を示しやすくなります。
出金伝票は現金の支払いを記録する伝票のため、簿記の仕訳では貸方が常に「現金」になり、借方に支出の内容に応じた勘定科目(旅費交通費・消耗品費など)が入る形に対応します。上の各欄は、この「借方の勘定科目・金額・摘要」をそのまま書き表したものと考えると、帳簿への転記もつかみやすくなります。
勘定科目の選び方
勘定科目は、支出の内容に合わせて選びます。出金伝票でよく使う科目と、その代表的な支出例は次のとおりです。
| 支出の例 | 主な勘定科目 |
|---|---|
| 電車・バス・タクシー代、高速道路・ETC利用料、駐車料金 | 旅費交通費 |
| 取引先との会食・手土産・慶弔費 | 接待交際費 |
| 事務用品・USBメモリなど少額の備品 | 消耗品費 |
| 切手・はがき・宅配便 | 通信費 |
| 従業員向けの慶弔金・軽食 | 福利厚生費 |
| 少額で他の科目に当てはまらない支出 | 雑費 |
同じ「食事代」でも、取引先が相手なら接待交際費、従業員の残業食事なら福利厚生費というように、目的によって科目が変わります。判断に迷う場合は、自社の勘定科目の使い方(社内ルール)に合わせて統一しておくと、後の集計や申告がしやすくなります。
記入例(1件通し)
領収書の出ない電車代を精算する場合を例に、実際の記入内容を通して見てみましょう。
| 記載項目 | 記入例 |
|---|---|
| 日付 | 2026年9月1日 |
| 支払先 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
| 勘定科目 | 旅費交通費 |
| 摘要 | 営業訪問のため 東京→横浜 往復(3万円未満の鉄道料金) |
| 金額 | 940円 |
| 起票者 | 営業部 田中(押印) |
この記入例を実際の伝票様式にあてはめると、各欄は次のように記入します。

摘要に「3万円未満の鉄道料金」と添えているのは、後述するインボイス制度上の帳簿特例を使う場合に、その旨の記載が求められるためです。日常的な交通費であっても、こうした一言を添えておくと消費税の処理まで一貫して整います。
領収書が出ないケースは交通費だけではありません。香典などの慶弔費や、領収書を紛失した支出でも、摘要に事情がわかる情報を残すのがポイントです。
| ケース | 勘定科目 | 摘要の記入例 |
|---|---|---|
| 取引先との会食を割り勘にし自社負担分の領収書がない | 接待交際費 | 〇〇株式会社との会食 4名 割り勘の自社負担分(店名・参加者名) |
| 取引先の葬儀に香典を現金で持参 | 接待交際費 | 〇〇株式会社 △△様 ご葬儀 香典(会葬礼状あり) |
| 従業員の結婚祝いを現金で支給 | 福利厚生費 | 営業部 □□ 結婚祝金(慶弔見舞金規程による) |
| タクシー代の領収書を紛失 | 旅費交通費 | 取引先訪問のタクシー代(領収書紛失・利用明細で確認) |
慶弔費は相手先や事由が確認できるよう会葬礼状や社内規程を添え、領収書を紛失した場合はクレジットカードの利用明細やICカードの履歴など、金額と日付を裏づけられる資料を残しておくと、支出の正当性を説明しやすくなります。
領収書がない現金支出を出金伝票で処理する方法と注意点
ここでは、領収書がない支出を出金伝票で経費計上する際の考え方と、気をつけたい点を整理します。
電車代や自動販売機での購入、慶弔費など、領収書が発行されない支出は、出金伝票に日付・支払先・金額・摘要を記録することで経費として計上できます。ただし、帳簿書類の保存義務は、本来「相手方から受け取った領収書などの書類」を保存することを原則としています。
取引に関して、相手方から受け取つた注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類及び自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものはその写し
出典:法人税法施行規則 第59条第1項第3号|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/340M50000040012)
つまり、領収書を受け取れる支払いは領収書を保存するのが原則で、出金伝票はあくまで領収書が出ない・もらえない・紛失した支出を補うための社内記録です。この位置づけから、実務上は次の点に注意しておくと安心です。
- 出金伝票の多用は避ける:領収書を受け取れる支出まで出金伝票で済ませると、支出の裏づけが弱くなります。領収書がもらえるものは受け取って保存します。
- 補強できる証憑を添える:購入店のレシート控え、招待状、案内メール、支払先のメモなど、支出を裏づけられる資料があれば出金伝票と一緒に残しておきます。
- 摘要を具体的に書く:誰と・何のために支払ったかを明確にし、支出の事業関連性を説明できるようにします。
なお、「出金伝票だけでは税務調査で必ず否認される」といった明確な法令上の規定があるわけではありません。ただし証憑が乏しい支出は事業との関連性を問われやすいため、上記のような運用で裏づけを補っておくことが実務上の備えになります。
出典・参考資料(2件)
出金伝票と他の伝票・書類との違い
出金伝票と混同しやすい書類に、入金伝票・振替伝票・領収書があります。それぞれの役割を整理すると、次のように区別できます。
| 書類 | 記録・証明する内容 | 作成するのは誰か |
|---|---|---|
| 出金伝票 | 現金の支払い(出金) | 支払った側(自社) |
| 入金伝票 | 現金の受け取り(入金) | 受け取った側(自社) |
| 振替伝票 | 現金が動かない取引(掛取引・振込・振替など) | 自社 |
| 領収書 | 支払いを受けた事実の証明 | 受け取った側(相手方が発行) |
ポイントは、伝票(出金・入金・振替)が自社で作成する社内記録であるのに対し、領収書は相手方が発行して自社が受け取る証憑だという点です。現金の支払いは出金伝票、現金の受け取りは入金伝票、現金が動かない取引は振替伝票、と現金の動きで使い分けると迷いにくくなります。
出金伝票とインボイス制度・消費税の扱い
インボイス制度が始まり、出金伝票と消費税の関係に不安を感じる方も増えました。ここでは、出金伝票がインボイスになるのか、消費税の仕入税額控除(課税仕入れにかかった消費税を差し引く仕組み)はどうなるのかを解説します。
出金伝票は適格請求書(インボイス)として発行できない
結論として、出金伝票を適格請求書(インボイス)の代わりに使うことはできません。適格請求書を交付できるのは、登録を受けた適格請求書発行事業者、つまり商品やサービスを提供した「売り手」に限られるためです。
国税庁の資料では、適格請求書の交付義務について次のように示されています。
適格請求書発行事業者には、国内において課税資産の譲渡等(注1、2)を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)からの求めに応じて適格請求書を交付する義務が課されています(消法57の4①)。
出典:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問22|国税庁(PDF)
出金伝票は、支払った側(買い手)が自分で作成する社内書類です。売り手が交付する適格請求書ではないため、これを仕入税額控除の根拠となる請求書等として扱うことはできません。
3万円未満の公共交通機関・自動販売機などの帳簿特例
一方で、一定の取引については、適格請求書がなくても帳簿の保存だけで仕入税額控除が認められます。国税庁のQ&Aでは、次のように示されています。
適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(消法30⑦、消令49①一イ、70の9②一)。
出典:適格請求書等保存方式に関するQ&A 問104|国税庁(PDF)
3万円未満の公共交通機関の運賃や、自動販売機・自動サービス機での購入などがこれに当たります。これらは領収書や適格請求書がなくても、出金伝票などで帳簿に記録しておけば仕入税額控除の対象にできます。その際は摘要に「3万円未満の鉄道料金」「自販機」など、帳簿特例に該当する旨を記載します。この特例はインボイス制度開始後も維持されている恒久的な措置で、事業者の規模を問わず適用されます。
これとは別に、「少額特例」という時限的な制度もあります。こちらは対象や期間が異なるため、混同しないよう注意が必要です。
少額(税込1万円未満)の課税仕入れについて、インボイスの保存がなくとも一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除ができます。(中略)基準期間における課税売上高が1億円以下又は特定期間における課税売上高が5千万円以下の事業者が、適用対象者となります。
出典:少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置)の概要|国税庁(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/202304/02.htm)
少額特例は、基準期間の課税売上高が1億円以下などの要件を満たす事業者が、2023年(令和5年)10月1日から2029年(令和11年)9月30日までの間に行う税込1万円未満の課税仕入れについて、帳簿の保存だけで控除できる制度です。
3万円未満の帳簿特例が交通費・自販機など特定の取引に限られる恒久措置であるのに対し、少額特例は対象が1万円未満の課税仕入れ全般に広がる一方、事業者の規模と適用期間に制限がある点が異なります。
なお、消費税の計算に、一定の要件(基準期間の課税売上高5,000万円以下など)を満たして簡易課税制度を選択している事業者は、売上にかかる消費税額にみなし仕入率を掛けて仕入税額を計算するため、仕入側で適格請求書(インボイス)を保存しなくても仕入税額控除が受けられます。
この場合、出金伝票やインボイスの有無は控除の可否に影響しません(消費税額の計算とは別に、帳簿の保存は必要です)。自社が簡易課税か本則課税かによって、インボイス保存の要否そのものが変わる点は押さえておきましょう。

出典・参考資料(4件)
消費税の区分記載(軽減税率8%・10%)
飲食料品など軽減税率(8%)の対象を現金で購入した場合は、出金伝票にも税率の区分がわかるように記録します。仕入税額控除の要件となる帳簿には、軽減税率対象の課税仕入れについて「軽減対象である旨」を記載することが求められているためです。
消費税法では、帳簿の記載事項として次のように定められています。
課税仕入れに係る資産又は役務の内容(当該課税仕入れが他の者から受けた軽減対象課税資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象課税資産の譲渡等に係るものである旨)
出典:消費税法 第30条第8項第1号ハ|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108)
実務では、10%対象と8%対象が混在するときに、摘要へ「軽減8%対象」などと明記し、金額を税率ごとに分けて記録しておくと、集計や申告の際に区分が明確になります。
出金伝票の保管期間(法人・個人事業主)
出金伝票は帳簿書類の一部として、一定期間の保存が義務づけられています。保存年数は、法人か個人事業主か、また申告の種類によって異なります。
法人の場合
法人税法では、帳簿書類を原則7年間保存することが定められています。ただし、欠損金の繰越控除の適用を受ける事業年度については、その帳簿書類を10年間保存する必要があります。
さらに、株式会社には会社法上の別の保存義務もあります。
株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。
出典:会社法 第432条第2項|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086)
税法上は7年ですが、株式会社は会社法により会計帳簿を10年間保存する義務があるため、実務上は10年を目安に保管しておくと確実です。
個人事業主の場合
個人事業主は、青色申告か白色申告かによって扱いが分かれますが、出金伝票のように現金の支払いに際して作成する書類は、いずれの場合も原則7年間の保存が必要です。
- 青色申告:帳簿と、現金の収受・払い出しに際して作成した書類(現金預金取引等関係書類)は7年間、その他の請求書・見積書などの書類は5年間。
- 白色申告:法定帳簿は7年間、任意で作成した帳簿やその他の書類は5年間。
「白色申告は一律5年」と説明されることもありますが、法定帳簿は7年保存が必要です。出金伝票は現金の払い出しに際して作成する書類にあたるため、青色・白色いずれの場合も7年間を目安に保管しておくと安心です。
出典・参考資料(3件)
出金伝票のテンプレートと作成方法(Excel・PDF)
出金伝票は市販の伝票を使うほか、テンプレートや会計ソフトでも作成できます。自社の運用に合わせて選ぶとよいでしょう。
3つの作成方法
- 手書き(市販伝票):文具店などで販売されている出金伝票用紙に手書きします。導入コストが低く、少量ならすぐに始められます。
- テンプレート(Excel・PDF):表計算ソフトやPDFのテンプレートに入力します。金額の集計や複製がしやすく、フォーマットを社内で統一できます。
- 会計ソフト・経費精算システム:入力したデータがそのまま帳簿や仕訳に連携され、転記の手間やミスを減らせます。件数が多い場合に向いています。
テンプレートを自作する場合は、本記事で挙げた記載項目(日付・支払先・勘定科目・摘要・金額・起票者)をそのまま列に並べれば、ExcelやスプレッドシートでA4用紙に印刷できる出金伝票を作れます。ゼロから作らなくても、文具店で販売されている市販の出金伝票用紙のほか、会計ソフト各社やPDF編集ツールが無料のExcel・PDFテンプレートを配布しているので、それらを利用する方法もあります。
件数が多く手入力の負担が大きい場合は、次章で紹介するように経費精算システムを使うと、テンプレートへの記入や帳簿への転記そのものを大きく減らせます。
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現金精算・伝票起票の手間を減らすには(経費精算システムという選択肢)
ここまで見てきたように、出金伝票は領収書のない現金支出を記録する便利な書類ですが、1件ずつ手書きや手入力で起票し、勘定科目を選び、帳簿へ転記する作業は、件数が増えるほど負担になります。現金の立替精算や紙の伝票管理は、記入漏れや計算ミス、不正の温床にもなりやすい部分です。
こうした手作業を減らす選択肢が、経費精算システムです。領収書のスマホ撮影による自動入力、交通系ICカードの読み取りによる交通費精算、電子帳簿保存法やインボイス制度に対応した電子保存など、出金伝票で手作業していた記録・保管・仕訳をシステム上で完結できます。ここでは、出金伝票が関わる現金・交通費の精算に強い代表的なサービスを紹介します。
出金伝票が関わる経費精算に役立つサービスの比較
現金・交通費の精算や電子保存の観点から、2つのサービスを比較します。
| 比較項目 | 弥生経費 Next | マネーフォワード クラウド経費 |
|---|---|---|
| 特徴 | 会計ソフト大手・弥生の クラウド経費精算ソフト | OCR・IC・カード連携を 一気通貫で自動化 |
| 交通費・現金精算のしやすさ | ●交通系IC9種をNFC読み取り+NAVITIME経路検索 | ●交通系IC11種をNFC読み取り+経路検索・IC連携 |
| 電子帳簿保存法・インボイス対応 | 電帳法:対応(アップロード時に形式を自動チェック) インボイス:単体での対応可否は要確認 | 電帳法:スキャナ保存・電子取引に対応 インボイス:適格請求書番号の読み取りに対応 |
| 料金の目安 | 弥生会計 Next セット版:年50,400円(税抜)〜 エキスパートプラン:年252,000円(税抜)〜 | 月2,480円(ひとり法人・年払い)〜 初期費用0円 |
| 無料お試し | 最大2か月 | 1か月 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 |
1. 弥生経費 Next(弥生株式会社)

会計ソフトで長年の実績を持つ弥生が提供する、クラウド経費精算ソフトです。経費の申請・承認・精算をスマートフォン1台で完結でき、領収書をスマホで撮影するとAIが勘定科目の候補を提案します。
出金伝票で手書きしていた交通費は、交通系ICカード(Suica・PASMOなど9種類、モバイルSuicaにも対応)の読み取りやNAVITIME連携の経路検索で入力できます。券売機で切符を買ったときの記録もアプリ上で残せるほか、領収書のアップロード時には、電子帳簿保存法に対応した形式かを自動でチェックする機能も備えます。
弥生会計 Next と組み合わせて仕訳まで自動連携できるほか、経費精算機能を単体で使うエキスパートプランも用意されています。料金は弥生会計 Next セット版が年額50,400円(税抜)から、単体利用のエキスパートプランが年額252,000円(税抜)からです。弥生会計 Next には最大2か月の無料お試し期間があります(2026年8月時点)。
2. マネーフォワード クラウド経費(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド経費は、領収書のスマホ撮影によるOCR入力や、交通系ICカードの読み取り・経路検索、コーポレートカード連携に対応するクラウド経費精算システムです。多段階の承認ワークフローから会計ソフトへの仕訳連携までを一気通貫で扱え、出金伝票で処理していた現金の立替精算をアプリ上の申請に置き換えて、承認から仕訳までをつなげられます。
電子帳簿保存法(スキャナ保存・電子取引)とインボイス制度に対応し、適格請求書発行事業者の登録番号の読み取りや特例区分の設定にも対応します。マネーフォワード クラウド会計のほか、弥生会計・勘定奉行・PCA会計など他社の会計ソフトともCSV・API連携で接続できます。
料金はひとり法人向けプランが月額2,480円(年払い)からで、初期費用は無料、1か月の無料お試しが用意されています(2026年8月時点)。導入相談はオンラインのミーティング予約から申し込めます。
紙の伝票起票や現金精算を電子化すると、経理や現場の作業量は実際にどれだけ変わるのでしょうか。同サービスを提供する株式会社マネーフォワードは、MCB FinTechカタログの独自インタビューで、導入現場での変化を次のように語っています。

紙ベースの煩雑な経費精算フローが店舗と本社双方の業務時間を圧迫していて、毎月60店舗中50店舗で申請の差し戻しが発生している企業がいらっしゃいました。しかし、クラウドの導入後は、月初の作業時間が最大60時間から約6時間へ削減されたとのお声をいただいています。電子帳簿保存法への対応とセットで導入していただくことで、紙でのレシート・領収書管理自体が店舗で不要になり、現場と経理担当者の双方で迅速な効果を感じていただいています。
ここで取り上げたのは現金・交通費の精算に強い2社ですが、経費精算システムは対応機能や料金体系がサービスごとに大きく異なります。次の記事では主要な経費精算システムを料金・機能・使いやすさ・導入方法の観点で比較し、選び方まで解説しているので、自社に合うサービスを幅広く検討したい方はこちらもご覧ください。
特に、電車・バス代など領収書の出ない交通費の精算が業務の中心になっている場合は、交通費に特化したシステムを選ぶ方法もあります。Suica・PASMOの読み取りや定期区間の自動控除に対応した交通費精算システムを比較した記事もあるので、交通費の記録を楽にしたい方はあわせてご覧ください。
まとめ
出金伝票は、領収書が出ない現金支出を記録し、経費として計上するための社内書類です。日付・支払先・勘定科目・摘要・金額・起票者を正確に記入し、支出の内容がわかるように摘要を具体的に残すことが基本になります。領収書を受け取れる支出は領収書の保存が原則で、出金伝票はそれを補う位置づけである点も押さえておきましょう。
インボイス制度では、出金伝票そのものは適格請求書になりませんが、3万円未満の公共交通機関や自動販売機などは帳簿の記録だけで仕入税額控除ができます。保管期間は法人で原則7年(株式会社は会社法上10年)、個人事業主は現金取引の書類が7年が目安です。件数が多く手作業の負担が大きい場合は、経費精算システムの導入で記録・保管・仕訳をまとめて効率化する方法もあります。
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出金伝票に関するよくある質問(FAQ)
Q. 領収書があるのに出金伝票で代用してもよいですか?
A. 避けたほうがよいでしょう。領収書を受け取れる支払いは、出金伝票ではなく領収書そのものを保存するのが原則です。帳簿書類の保存義務が、相手方から受け取った領収書などの書類の保存を基本としているためです。
領収書があるのに出金伝票で代用すると支出の裏づけが弱くなり、税務調査で事業との関連性を問われた際に説明しにくくなります。出金伝票は、電車代や自動販売機、慶弔費など領収書が出ない・もらえない・紛失した現金支出を補う社内記録と位置づけ、多用は避けるのが安全です。
出典・参考資料(1件)
Q. 出金伝票と振替伝票のどちらに書けばよいか迷ったときは?
A. 判断の基準は現金が動いたかどうかで、現金で支払ったなら出金伝票、現金が動かない取引なら振替伝票を使います。店頭で現金を支払った経費は出金伝票、銀行振込やクレジットカード払い・掛け取引など現金の出入りを伴わない取引は振替伝票で記録します。同じ支出でも決済手段によって使う伝票が変わる点に注意しましょう。
Q. 出金伝票に押印(起票者印)は必要ですか?
A. 出金伝票への押印は法律で義務づけられているわけではなく、社内の内部統制上のルールとして設けられることが多い項目です。誰が起票し誰が承認したかを明確にして不正やミスを防ぐため、起票者印や承認者印の欄を用意している様式が一般的です。自社の経理規程に押印ルールがあればそれに従い、なければ運用の実態に合わせて決めて問題ありません。
Q. 出金伝票を書き間違えたときはどう訂正すればよいですか?
A. 出金伝票の訂正は、修正液や消しゴムで消さず、間違えた箇所に二重線を引いて訂正印を押し、正しい内容を書き直します。あとから改ざんを疑われないよう、元の記載が読める形で残すのが原則です。訂正箇所が多くなる場合は、その伝票を破棄して新しく起票し直しても構いません。
Q. 出金伝票は手書き・Excel・会計ソフトのどれで作成するのがよいですか?
A. 作成方法は件数と運用体制で選ぶのがよく、少量なら市販伝票やExcelテンプレート、件数が多いなら会計ソフトや経費精算システムが向いています。手書きや表計算ソフトは低コストで始められますが、集計や帳簿への転記は手作業になります。件数が増えると、入力データがそのまま仕訳に連携されるシステムのほうが、転記の手間やミスを減らせます。
Q. 出金伝票はパソコンで作成して電子データのまま保存してもよいですか?
A. パソコンで作成した出金伝票は、電子データのまま保存することも、印刷して紙で保存することもできます。ただし電子データのまま保存する場合は、改ざん防止や検索性の確保といった電子帳簿保存法上の保存要件を満たす必要があります。件数が多い場合は、電子帳簿保存法に対応した経費精算システムを使うと、要件を満たした形での保存まで一括で行えます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















