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中小企業向け経費精算システム22選を比較|契約できる下限人数と1人あたり月額で選ぶ

中小企業向け 経費精算システムのサムネイル画像

月末になると、従業員が書いた経費精算書と領収書がまとめて経理に回ってきます。金額と領収書を突き合わせ、勘定科目を判断し、差し戻し、会計ソフトに入力していきます。経理を担当しているのが1人か2人で、しかも総務や労務を兼務しているという会社では、この数日のために月次のスケジュール全体が押されることも珍しくありません。

経費精算システムを検討し始めたとき、少人数の会社が最初につまずくのは機能の比較ではありません。「そもそも、うちの人数で契約できるのか」という点です。製品によっては契約が50ユーザーからと決まっていて、10名の会社は候補にすら入れません。10名単位でしか契約できず、12名なら20名分を払う設計の製品もあります。月額の下限だけを見比べても、自社が実際に負担する金額は見えてきません。

この記事では、経費精算システム22製品を、契約できる下限人数・初期費用・1人あたり月額・会計ソフトとの連携・電子帳簿保存法とインボイス制度への対応・サポート形態という軸で比較します。従業員5名・10名・30名という3つの条件をそろえて、毎月いくらになるかを公式の料金表から算出した金額も並べました。

候補の見当をつけたい場合は、記事内の診断ツールもご利用ください。人数や使っている会計ソフトなど、いくつかの質問に答えるだけで条件に近い製品を絞り込めます。

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この記事が対象とする中小企業の範囲と経理体制

同じ中小企業でも、従業員が15名の会社と250名の会社では候補に挙がる製品が変わります。ここでは、この記事がどの範囲を想定しているかを先に示します。

中小企業の範囲は業種によって変わる

中小企業の範囲は、中小企業庁が業種別に資本金と従業員数で示しています。資本金と従業員数のどちらかを満たせば中小企業者に当たります。

製造業その他 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人
卸売業 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
小売業 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人
サービス業 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

出典:中小企業・小規模企業者の定義|中小企業庁

同じページは「法律や制度によって『中小企業』として扱われている範囲が異なることがあります」とも注記しています。実際、記事の後半で触れる補助金では、補助の対象になる事業者の範囲が公募要領で別に定められています。

出典・参考資料(1件)

この記事が前提とする経理体制

この記事が想定するのは、上の範囲のなかでも経費精算に関わる従業員が10名から100名程度で、経理を担当するのが1人から数人という体制の会社です。経理専任者が複数いて債権・債務・原価で担当が分かれている規模ではなく、経理担当者が総務や労務を兼務していたり、社長が最終承認をしていたりする状態を前提にしています。

従業員規模で公的に線が引かれているのは、中小企業者の範囲のほかには小規模企業者(製造業その他は従業員20人以下、商業・サービス業は5人以下)だけです。「何名から経費精算システムを入れるべきか」という基準は定められていません。そのため規模から候補を絞るときは、公的な区分ではなく各社が公式に示している契約条件と自社の人数を突き合わせるのが確実です。

ここで数えるのは、経費を申請する従業員だけではありません。承認する管理職や、経理として処理を行う担当者もアカウントを持ちます。「経理は2人だから少人数で足りる」と考えていたところ、申請者と承認者を加えて全社分のアカウントが必要になり、想定より月額が膨らむという行き違いは起こりやすい部分です。実際にログインする人数を役割ごとに数えたうえで、次の料金の見方に進んでください。

人数の条件で絞り込まずに、機能・料金・使いやすさ・導入方法まで含めて経費精算システム全体を見比べたい場合は、次の記事が出発点になります。

中小企業が見るべき料金の4つの条件

ここからは、比較表と後述の実額を読み解くための前提として、経費精算システムの料金が何で決まるのかを4つに分けて整理します。人数が少ないほど、この4つの効き方が大きくなります。

何名から契約できるか

最初に確認したいのが契約の下限です。経費精算システムには、1名から契約できる製品がある一方で、公式に「最低契約数は50ユーザー」と定めている製品や、料金表そのものが50ライセンスから始まっている製品があります。この条件を満たさない会社は、機能や価格を比べる前に候補から外れます。

下限には、契約単位という形をとるものもあります。10ID単位でしか契約できない製品では、5名の会社でも10名分を払います。10名単位の製品なら、12名の会社は20名分です。人数が枠の途中にあるほど、1人あたりの実質単価は公式の表示より高くなります。

比較表で「公式に記載なし」となっている製品は、下限を設けていないのか、単に公表していないのかまでは判断できません。少人数で契約したい場合は、この欄が空いている製品こそ最初に問い合わせて確かめる対象になります。

下限人数が高い製品でも、機能が過剰というわけではありません。拠点や承認ルートが増えた会社にとっては妥当な設計です。自社が数年内にその規模へ届くのかどうかで、いま候補に入れるかを判断してください。

初期費用がかかるか、かからないか

初期費用は製品によって大きく分かれます。無料と公式に明記している製品がある一方で、10万円台や30万円台を提示している製品、「初回のご契約時に発生します」とだけ書かれていて金額が公開されていない製品もあります。

初期費用は初年度の負担にだけ効くため、月額だけを見て比べると判断を誤ります。初期費用10万円で月額4,000円の製品と、初期費用なしで月額8,000円の製品では、初年度の総額はほぼ変わらず、2年目以降で逆転します。稟議に出す金額は、初年度と次年度以降を分けて示しておくと社内での説明がぶれません。

金額が公開されていない製品については、比較の段階で問い合わせておくのが確実です。「要お問い合わせ」のまま総額を見積もると、契約直前に前提が崩れます。

1人あたり月額と、誰が課金の対象になるか

1人あたり月額は公表している製品が多く、200円台から700円程度に分布します。ただし同じ「1人あたり300円」でも、誰を数えるかが製品によって違います。ここが少人数の会社の見積もりで最もずれる部分です。

経費精算システムの課金対象を4つに分けた図。在籍している従業員全員が対象、その月に使った人だけが対象、契約した枠の分だけ、人数で変わらない、の4型を並べている
  • 在籍している従業員全員が対象:従業員マスタに登録されている人数で課金され、その月に経費精算を使わなかった人の分も発生します
  • その月に使った人だけが対象:当月に申請または承認した人だけが数えられます。外回りの有無で申請者が月ごとに変わる会社では、負担が実態に沿います
  • 契約した枠の分だけ:10ID単位・50ユーザー単位など、枠で契約します。人数が増えても枠内なら月額は変わらず、枠を1人超えた時点で次の枠に上がります
  • 人数で変わらない:アカウント数に上限を設けず、処理する領収書の件数などで料金が決まる設計です

基本料金と1人あたり単価の組み合わせも製品ごとに違います。基本料金があり、そこに人数分が乗る形もあれば、基本料金がなく人数分だけの形もあります。最低利用料金を設けていて、人数分の合計がそこに届かない場合はその金額で請求される製品もあります。少人数の会社では、この最低利用料金が実質的な下限になります。

あわせて押さえておきたいのが、公式が単価として示している金額と、月額の総額を人数で割った金額は意味が違います。後者は目安にはなりますが、その単価で契約できるという意味ではありません。

無料プラン・無料トライアルはどこまで使えるか

無料で使い始められる製品もありますが、「無料でできないこと」を先に確認してください。機能制限つきの無料プランでは、登録できる申請フォームの数が限られる、領収書ファイルを添付できない、データの保持期間が30日、乗換案内の連携が使えない、チャットサポートの対象外といった条件が公式に明示されていることがあります。

電子帳簿保存法への対応やAI-OCRでの読み取りが無料の範囲に含まれるかも、製品によって分かれます。紙をやめることが目的なら、この2つが無料枠の外にあると導入しても課題が残ります。

無料トライアルは1か月程度から最長2か月まで幅があります。試す期間としては、月末の締めを1回通せる長さがあるかどうかが目安になります。申請から承認、仕訳の書き出しまでを1サイクル回さないと、実際の運用に耐えるかは判断できません。

ここまでが料金を構成する4つの条件です。では、これらを自社の人数に当てはめると毎月いくらになるのかを次に見ていきます。

従業員5名・10名・30名だと毎月いくらになるか

ここからは、条件をそろえた3つのケースで月額がいくらになるかを、各社の公式料金表から算出して並べます。金額の意味を比べられるよう、税抜・税別・税込の別は各社の公式表記のまま記載しました。初期費用は月額に含めず別に示しています。

3つのケースの条件は次のとおりです。いずれも、対象人数の全員が経費を申請する前提で計算しています。

  • 5名:電子帳簿保存法への対応は行わない
  • 10名:電子帳簿保存法への対応を行う(標準で対応していない製品はオプション費用を加算)
  • 30名:AI-OCRでの領収書読み取りと電子帳簿保存法への対応を行う

5名のケースの「対応を行わない」は、紙の領収書を紙のまま保管する運用を選ぶという意味です。紙をデータで保存するスキャナ保存は希望者向けの制度なので、法令上の義務を満たさない状態を指すものではありません(制度の区分は後述の選び方で整理します)。

自社の人数が3つのケースの間にある場合は、近いほうのケースの計算式を読み替えてください。1人あたり単価で決まる製品は人数を掛け直せば済みますが、10ID単位・10名単位・50ユーザー単位で契約する製品は枠を1人でも超えると次の枠まで切り上がります。たとえば35名なら、10名単位の製品は40名分、50ユーザー単位の製品は50名分の料金になります。

金額が「非公開」となっている製品は、料金が高いという意味ではなく、公式に公開されていないという意味です。まず自力で総額を試算できる製品だけを比べたい場合は、金額が入っている行から先に見てください。

出典・参考資料(1件)
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製品マネーフォワード クラウド経費freee支出管理 経費精算Plusinvox経費精算ジョブカン経費精算rakumo ケイヒ経費の獅子MOT経費精算弥生経費 Nextジンジャー経費経費BANK楽楽精算BIZUTTO経費SpendiaBill One経費TOKIUM経費精算バクラク経費精算ビズバンスJTB経費精算Traveler’sWANConcur Expenseハーモス経費MAJOR FLOW Z KEIHITeamSpirit経費
契約できる下限人数1名公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし(1ユーザー単位の従量課金)制限なし公式に記載なし1名公式に記載なし10ID公式に記載なし10名
(10名単位)
非公開非公開記載なし
(アカウント数無制限)
非公開公式に記載なし50ライセンス
(下回る契約可否は公式に記載なし)
50ユーザー50名
(下回る契約可否は公式に記載なし)
50ユーザー記載なし
(最低月額に50ユーザー分を含む)
5名6,480円10,750円3,480円5,500円
(税込・最低利用料金)
1,500円1,500円3,980円
(税抜・20IDまで定額)
7,000円
(税抜)
1,500円〜3,000円
(税抜・10ID分)
非公開4,000円
(税抜・10名分)
非公開非公開10,000円〜+従量分30,000円〜35,000円〜料金表は50ライセンスから
(下回る契約の可否は公式に記載なし・要問い合わせ)
契約不可
(下限50ユーザー)
料金表は50名から
(下回る契約の可否は公式に記載なし・要問い合わせ)
契約不可
(下限50ユーザー)
18,000円〜
(税抜)
10名8,980円+法対応分14,000円4,980円5,500〜6,600円
(税込)
4,000円3,000円3,980円+文書管理分
(税抜)
9,000円+証憑保存分
(税抜)
3,000円〜3,000円
(税抜)
非公開5,750円
(税抜)
非公開非公開10,000円〜+従量分30,000円〜35,000円〜料金表は50ライセンスから
(下回る契約の可否は公式に記載なし・要問い合わせ)
契約不可
(下限50ユーザー)
料金表は50名から
(下回る契約の可否は公式に記載なし・要問い合わせ)
契約不可
(下限50ユーザー)
18,000円〜
(税抜)
30名18,980円+法対応分27,000円10,980円15,000〜18,000円
(税抜)
12,000円9,000円+AI-OCR分非公開
(21ID以上の料金は未公開)
17,000円+証憑保存分
(税抜)
9,000円〜11,000円
(税抜)
非公開17,250円
(税抜)
非公開非公開10,000円〜+従量分30,000円〜35,000円〜+OCR分料金表は50ライセンスから
(下回る契約の可否は公式に記載なし・要問い合わせ)
契約不可
(下限50ユーザー)
料金表は50名から
(下回る契約の可否は公式に記載なし・要問い合わせ)
契約不可
(下限50ユーザー)
18,000円〜
(税抜)
補足年払いの月あたり金額。ビジネスプラン6,480円(5名まで)+6名目以降1人500円。初期費用0円。電帳法対応がプラン標準か追加申込かは公式に明記なし税抜。基本料金7,500円(年払いの月あたり)+当月に申請または承認した1人650円。電帳法・インボイス対応とAI-OCRは標準。初期費用は公式に記載なしミニマムプランの基本料1,980円+アクティブユーザー1人300円(税込は3,828円/5,478円/12,078円)。初期費用0円。AI-OCRはアクティブユーザー数の30倍の件数まで0円1人400円(税抜)で最低利用料金は月5,500円(税込)。初期費用0円。タイムスタンプとAI-OCRは各1人100円(税抜)のオプションで、電帳法対応に必要かは公式に明記がないため幅で示した税別。1人300円+電帳法オプション1人100円。初期費用0円で契約は12ヶ月単位。別途Google Workspace 有料版の費用が必要1人300円(勤労の獅子の利用者は200円。税区分は公式に記載なし)で在籍者全員が課金対象。電帳法はJIIMA認証を製品単体で保有。AI-OCRの提供有無は公式で確認できず。初期費用は設定代行などを依頼する場合に別途発生(金額非公開)20IDまで月額3,980円(税抜)。初期費用は公式に記載がなく要問い合わせ。電帳法対応は「MOT文書管理」との組み合わせが前提で、その費用は公開されていない弥生会計 Next ベーシックプラス(年84,000円・税抜〜)の月額換算で、経費精算5名分を含む。6名目以降は1人400円(税抜)。証憑の電子保存は別サービス「弥生証憑 Next」が担い、その費用は含まない。単体のエキスパートプランは30ユーザーで月21,000円(税抜)1人月300円(税別)からの試算。初期費用・最低利用ID数は公式に非公開。電帳法対応は標準機能10ID単位で月3,000円(税抜)。初期費用0円。電帳法対応の証憑電子保存は追加料金なしで標準。30名は領収書AI-OCR(年間1,200枚)の月2,000円〜を加算初期費用100,000円(税抜)・月額30,000円(税抜)から。段階別の金額・1IDあたり単価・最低利用ID数はいずれも非公開で、詳しい料金表は請求制1人400円(税抜)+電帳法オプション1人175円(税抜)。初期費用100,000円(税抜)。領収書のAI-OCRは標準機能クイック導入版は1ユーザー月600円から(公式プレスリリース)。契約下限人数と初期費用は非公開。電帳法対応はオプションで料金も非公開初期費用と、経費精算の件数に応じて個別に設定される年額費用で構成され、いずれも非公開。利用にはBill One本体の契約が必要税抜。基本利用料は月10,000円からでアカウント数は無制限のため、人数が増えても金額は変わらない。領収書件数の従量単価と初期費用は非公開。原本回収を使う場合は回収用ポスト代が月3,000円初期費用は無料で月額30,000円から。1IDあたり単価・最低利用ID数・人数が増えたときの加算額はいずれも非公開税抜。初期導入費300,000円から・月額利用料35,000円から。ID単価と最低利用ID数は非公開で、正式な料金は個別見積。領収書・請求書のOCRは有償オプションSaaS型は50ライセンスで月10,000円(1ライセンス200円)。オンプレミス型は50ライセンスの初期費用が400,000円から公式に確認できるのは2020年7月の改定発表で、中堅中小企業向けStandardが50ユーザーで月29,000円から。現行額と初期費用は非公開税別。公式の料金シミュレーションは50名で月29,000円、100名で月41,000円。初期費用は公式に記載なし50ユーザーまで月10,000円(税抜)、以降は50ユーザーごとに10,000円が加算。初期費用は初回利用月のみ別途必要で金額は非公開。電帳法対応は別製品「MAJOR FLOW 証憑保管」との組み合わせが前提経費単体のライセンス費用(基本サポート費用込み)。50名以下でも最低月額利用料は変動しないため、5名でも30名でも下限は同じ。初期費用は初回契約時に発生し金額は非公開
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5名:月1,500円から10,750円。効いてくるのは契約単位

5名の場合、公式の料金表だけで月額が確定するのは22製品のうち10製品でした。金額の幅は月1,500円から10,750円までで、この段階では初期費用の有無のほうが総額に効きます。

この人数で効いてくるのが、前の項で挙げた契約単位です。10ID単位・10名単位の製品では5名でも10名分が請求されるため、公式の1人あたり単価が安くても実質単価は倍になります。逆に、最低利用料金を設けている製品では、人数分の合計が下限に届かず下限額での請求になります。

契約の下限が50ユーザーと公式に定められている2製品は、このケースでは契約できません。料金表が50名から始まる2製品も、下回る人数で契約できるかは公式に記載がないため確認が必要です。

一方、最低月額に50ユーザー分のライセンスを含む形で、5名でも契約自体はできる製品もあります。この場合は人数が少なくても月額が下がらないため、「月額1万円台から」という表示だけを見て安いと判断しないよう注意してください。

10名:法対応まで含めて月3,000円台から。標準搭載か追加かで順位が変わる

10名で電子帳簿保存法への対応まで含めた月額が確定するのは6製品で、月3,000円から14,000円までの幅に収まります。基本料金は出せても法対応の費用が確定しない製品が5つ、料金そのものが非公開の製品が7つ、契約の下限が50ユーザー前後で人数が届かない製品が4つという内訳です。

差が出るのは、法対応が標準に含まれるかどうかです。追加料金なしで証憑の電子保存まで標準搭載している製品がある一方、1ユーザーあたり月100円や175円のオプションとして提供している製品、金額を公開していない製品があります。加算すると、基本料金の順位が入れ替わることもあります。

より注意が必要なのは、経費精算システム単体では法対応が完結せず、同じベンダーの証憑保管サービスや文書管理サービスとの組み合わせが前提になっている製品です。この場合、組み合わせる側の料金を含めないと総額になりません。公式サイトに「電子帳簿保存法に対応」と書かれていても、それが経費精算の製品そのものの対応なのか、シリーズの別製品の対応なのかは分けて確認してください。

30名:月1万円台から2万円台後半。AI-OCRの料金体系で差がつく

30名でAI-OCRによる領収書の読み取りと電子帳簿保存法への対応まで含めた月額が確定するのは5製品で、月10,980円から27,000円までの幅になります。人数が増えるほど1人あたり単価の差が総額に直結します。契約や料金表が50ユーザー前後から始まる4製品は、この人数でも候補になりません。

この規模では、AI-OCRの料金体系にも目を向けてください。標準機能として追加料金がかからない製品、月あたりの読み取り枚数に上限を設けたオプションとして提供する製品、アクティブユーザー数に応じた枚数までは無料で超過分から課金する製品があります。従業員30名で月に何百枚の領収書が発生するかを見積もっておかないと、オプションの設定を1段上げる必要が出てきます。

この人数帯で金額を出せない製品もあります。少人数の枠までは料金を公開していても、その枠を超えると「要問い合わせ」となる設計があるためです。表で空欄になっている製品は、金額が高いという意味ではなく、公式に公開されていないという意味です。

※金額は2026年8月時点の各社公式情報によります。表示のない項目は公式に金額が公開されていないものです。

中小企業向け経費精算システムの6つのタイプ

ここからは、22製品を費用の払い方と「何をラクにしたいか」で6つのタイプに分けて説明します。自社がどのタイプを中心に見ればよいかが決まると、候補を3社前後まで絞り込めます。

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タイプ数名から契約でき、使う人数のぶんだけ払えるタイプ初期費用をかけず低価格で始められるタイプいま使っている会計ソフト・勤怠システムにそのままつなげるタイプ導入設定から社内定着まで人のサポートを受けられるタイプ領収書の入力・チェックそのものを任せて、経理の手を空けるタイプ50名を超え、拠点や承認ルートが増えてきた企業に対応できるタイプ
特徴契約の下限人数が小さく、料金がその月に使った人数に連動する。人が増えても減っても払う額が実態から離れにくい月額が低い価格帯に収まり、初期費用も無料か公表されていない範囲にとどまる。まず紙とExcelをやめることが目的の会社が最初の1本にしやすい同じベンダーのシリーズで揃えられるか、連携先の会計ソフトを製品名で公開している。会計側を乗り換えずに経費だけを足せる初期設定の代行や専任担当の伴走を公式に用意している。IT担当がいない会社でも、止まらずに運用開始まで到達しやすい(窓口の形や有償無償は製品ごとに要確認)領収書の読み取りや点検、立替払いそのものを製品側の仕組みで引き受ける。経理が1〜2名でも月末に人手が要らない状態を目指せる契約が50ユーザー前後からで、部門別の承認ルートや規程違反のチェックに対応する。中小企業の中でも上限に近い規模が対象になる
該当する主なサービスマネーフォワード クラウド経費、freee支出管理 経費精算Plus、invox経費精算ジョブカン経費精算、rakumo ケイヒ、経費の獅子、MOT経費精算弥生経費 Next、ジンジャー経費、経費BANK楽楽精算、BIZUTTO経費、SpendiaBill One経費、TOKIUM経費精算、バクラク経費精算ビズバンスJTB経費精算、Traveler’sWAN、Concur Expense、ハーモス経費、MAJOR FLOW Z KEIHI、TeamSpirit経費
詳細紹介を見る紹介を見る紹介を見る紹介を見る紹介を見る紹介を見る

※上記は各タイプにおける一般的な傾向です。個別のサービスにおける実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。

数名から契約でき、使う人数のぶんだけ払えるタイプ

1名から契約でき、料金がその月に申請または承認した人の数で決まるタイプです。基本料金に数名分が含まれ、それを超えた分だけ1人あたりの単価が乗る設計が中心になります。外回りの担当者だけが経費を申請し、内勤者はほとんど使わないという会社では、在籍人数で課金される製品より負担が軽くなります。

向いているのは、従業員が5〜30名程度で経費を申請する人が月によって変わる会社です。人員の増減が見込まれていて契約人数を固定したくない場合や、まず少人数で始めて使えると分かってから対象者を広げたい場合にも合います。

契約前に確認しておくこと。「使った人だけ課金」の定義は製品ごとに違います。申請した人だけを数えるのか、承認した管理職も含むのか、下書きのまま提出しなかった場合はどうなるのかまで公式の説明を確かめてください。管理者や承認者は利用の有無にかかわらず常に課金対象という条件が付く場合もあります。

初期費用をかけず低価格で始められるタイプ

月額が1人あたり200〜400円台に収まるタイプです。機能を絞る代わりに価格を抑えた製品と、グループウェアや勤怠管理の一部として提供され経費精算だけを低価格で足せる製品が含まれます。無料プランを用意している製品もこのタイプにあります。

初期費用は0円と明記している製品と、金額を公開していない製品が混在します。月額が安くても初期費用で差がつくことがあるため、候補を絞る段階で問い合わせて確定させてください。

向いているのは、月額固定費を増やすこと自体に社内の抵抗があり、まず小さく始めて実績を作りたい会社です。困っているのが紙とExcelの手作業そのもので、高度な内部統制まではまだ必要ないという段階にも合います。

契約前に確認しておくこと。安さの理由がどこにあるかを見てください。電子帳簿保存法への対応が別オプションになっていて加算すると価格帯が変わる、AI-OCRでの読み取りが上位プランのみ、グループウェアや勤怠管理の契約が前提になっていてその費用が別にかかる、といった条件が付くことがあります。

いま使っている会計ソフト・勤怠システムにそのままつなげるタイプ

会計ソフトや勤怠管理と同じベンダーのシリーズで揃えられるか、連携先の会計ソフトを製品名で公開しているタイプです。同じシリーズで揃えた場合は、仕訳データの受け渡しや従業員マスタの同期が設定済みの状態で使えます。

向いているのは、会計ソフトを変えるつもりがなく経費精算だけを足したい会社です。勤怠管理や給与計算でも同じベンダーを使っていて、従業員情報を二重に持ちたくない場合にも合います。

契約前に確認しておくこと。「会計ソフト連携」と書かれていても、中身は仕訳データをCSVで書き出せるという意味にとどまる製品があります。自社が使っている会計ソフトの製品名が公式サイトに挙がっているか、連携が標準機能か有償オプションかまで確認してください。連携が年額数万円のオプションになっている製品もあります。

導入設定から社内定着まで人のサポートを受けられるタイプ

初期設定の代行、専任担当による伴走、電話窓口といった人のサポートが手厚いタイプです。承認ルートや経費科目の設定を自社だけで組み立てなくてよく、運用開始までの期間が読みやすくなります。初期費用や月額はほかのタイプより高くなる傾向があります。

向いているのは、情報システムの担当者がおらず、設定を任せられる人が社内にいない会社です。過去にツールを導入したものの設定が固まらないまま使われなくなった経験がある場合や、承認ルートが部門や金額で分かれていて設計から相談したい場合にも合います。

契約前に確認しておくこと。サポートが無償の範囲と有償の範囲を分けて確認してください。導入時の設定支援は無償でも、運用開始後のルール変更や追加設定は別料金という区分がよくあります。電話窓口の受付時間、問い合わせから回答までの目安も、実際に困る場面を想定して聞いておくと差が見えます。

領収書の入力・チェックそのものを任せて、経理の手を空けるタイプ

領収書の読み取りやデータ化、内容の点検を製品側の仕組みで引き受けるタイプです。従業員が撮影した領収書のデータ化を代行する形、専用のカードで立替払いそのものをなくす形などがあります。経理が1人しかいない会社で、月末の作業量を根本から減らしたい場合の選択肢になります。

向いているのは、従業員数のわりに領収書の枚数が多い会社です。経理担当者が退職や異動で交代する可能性があり処理を人に依存させたくない場合や、立替と精算のやり取り自体を減らしたい場合にも合います。

契約前に確認しておくこと。料金が人数ではなく処理件数で決まる製品では、月あたりの領収書枚数を先に数えておかないと総額が読めません。専用カードを使う仕組みでは、同じベンダーの別サービスの契約が前提になっている場合があります。料金が公開されていない製品も多いため、比較の初期段階で見積もりを取っておくと検討が止まりません。

50名を超え、拠点や承認ルートが増えてきた企業に対応できるタイプ

契約が50ユーザー前後から始まるタイプです。部門ごとの承認ルート、権限の細かい設定、社内規程に反する申請の自動チェック、出張手配との連携といった機能を備えます。処理する件数が増えても回る設計で、中小企業の中でも上限に近い規模、あるいは数年内にそこへ届く見込みの会社が対象になります。

向いているのは、従業員が50名を超えていて承認者が複数の階層に分かれている会社です。拠点が複数あって運用が拠点ごとに違っている場合や、出張が多く旅費の手配と精算をまとめて扱いたい場合にも合います。

契約前に確認しておくこと。人数が下限に届かない場合、50ユーザー分の料金を払えば契約できるのか、そもそも契約自体ができないのかは製品によって分かれます。前者であれば10名でも導入できますが、1人あたりの負担は大きくなります。加えて、電子帳簿保存法への対応を同じベンダーの別製品が担っている構成もあるため、必要な機能が1つの契約で揃うかを確認してください。

複数の型に当てはまることもあります。その場合は、条件として動かせないものから優先してください。会計ソフトを変えない、社内に設定できる人がいない、という制約は後から変えにくいので先に効きます。予算は交渉の余地が残るぶん、優先度としては後ろに置けます。

たとえば「会計ソフトは変えない・IT担当なし・予算は抑えたい」なら、会計ソフトの連携先を製品名で確認できる型から候補を出し、そのなかでサポートの手厚い製品を残す、という順序になります。

どの型に当てはまるか決めきれない場合は、以下の診断もご利用ください。人数・使っている会計ソフト・設定の進め方・電子帳簿保存法への対応の要否という4つの質問に答えると、条件に近い製品が絞り込まれます。

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経理が1〜2名の会社が見るべき選び方

人数と料金の条件はここまでで整理しました。ここからは、それ以外で候補を絞るための4つの判断軸を見ていきます。いずれも、経理が兼任1〜2名という体制で効いてくるものです。

いま使っている会計ソフトにそのままつながるか

経費精算システムを入れても、最後に会計ソフトへ仕訳を入力し直しているなら、経理の作業はほとんど減りません。確認したいのは、自社が使っている会計ソフトの製品名が連携先として公式に挙がっているかどうかです。

連携には段階があります。同じベンダーのシリーズ製品どうしで、仕訳が自動で送られる形がもっとも手間が少なく、次に相手先を製品名で指定した専用の連携、最後に汎用のCSVファイルを書き出して会計ソフト側で取り込む形が続きます。CSVでの受け渡しでも紙よりは大きく改善しますが、月次のたびにファイルの書き出しと取り込みが発生します。

判断が分かれるのは、公式サイトに「主要な会計ソフトと連携」とだけ書かれている場合です。製品名が挙がっていなければ、実体はCSVでの受け渡しであることが多いと考えて、問い合わせで確認してください。連携が有償オプションで、年額数万円かかる製品もあります。

会計ソフトをこれから決める、あるいは見直そうとしている段階なら、先に会計ソフト側を固めてから経費精算システムを選ぶほうが、連携で迷わずに済みます。次の記事では、経理が1〜数名の会社を前提に、年額や税理士との連携のしやすさで会計ソフトを比較しています。

電子帳簿保存法・インボイス制度への対応がプランに含まれるか

「電子帳簿保存法に対応」という表示は、どの制度のどの範囲に対応しているのかまで見ないと比較になりません。まず前提として、電子帳簿等保存制度は3つに分かれており、法人が対応しなければならないのは電子取引データ保存だけです。

税法上保存等が必要な「帳簿」や「領収書・請求書・決算書など(国税関係書類)」を、紙ではなく電子データで保存することに関する制度を電子帳簿等保存制度といい、①電子帳簿等保存【希望者のみ】②スキャナ保存【希望者のみ】③電子取引データ保存【法人・個人事業者は対応が必要】の3つの制度に区分されています。

出典:電子帳簿等保存制度を活用して、デジタル化をさらに進めてみませんか?(令和8年6月)|国税庁
電子帳簿等保存制度の3区分を示した図。①電子帳簿等保存と②スキャナ保存は希望者のみ、③電子取引データ保存は法人・個人事業者は対応が必要で、経費精算で重くなるのは③であることを示している

経費精算で重くなるのは、この③です。従業員が店やアプリでデータのまま受け取った領収書は、会社としての電子取引にあたります。国税庁の一問一答は、この場面を名指しで扱っています。

従業員が支払先から電子データにより領収書を受領する行為についても、その行為が会社の行為として行われる場合には、会社としての電子取引に該当します。そのため、この電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、従業員から集約し、会社として取りまとめて保存し、管理することが望ましいですが、集約するまでの一定の間、従業員のパソコンやスマートフォン等に電子データ自体は保存しておきつつ、検索機能を損なうことがないよう会社としても日付、金額、取引先の検索条件に紐づく形でそうした保存状況にあることを情報として管理しておくことも認められます。

出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和8年7月)問12|国税庁

従業員のスマホに残ったままの領収書データを、会社として日付・金額・取引先で探せる状態にしておく必要がある、ということです。経費精算システムを入れる理由のひとつがここにあります。

あわせて注意したいのは、同じ一問一答が、受け取ったデータの取引情報だけを自分でサーバなどに入力することをもって保存とすることは認められないと示している点です。金額と日付をシステムに手入力するだけでは足りず、データそのものを保存する必要があります。

紙で受け取った領収書をデータで保存するスキャナ保存は希望者向けの制度ですが、紙の保管をやめたいなら、対応の可否を確認しておくと安心です。

国税庁の一問一答は、従業員が立て替えた経費の領収書を精算書とともに提出させて帳簿代用書類として使っている場合も、スキャナ保存の対象にできると示しています。ただしこの書類は一般書類から除かれるため、入力期限のない適時入力方式は使えません。締め日から所定の期間内に読み取りまで終わる運用にできるかが、実質的な確認点になります。

出典・参考資料(2件)

製品側の対応を測る目安のひとつが、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の認証です。認証には区分があり、経費精算システムに関係するのはスキャナ保存ソフト認証と電子取引ソフト認証で、会計ソフト向けの電子帳簿ソフト認証とは対象が違います。どの区分の認証なのかを見ずに「JIIMA認証取得」だけで判断しないでください。

また、認証があれば自社の対応が完了するわけでもありません。国税庁は「電子帳簿保存法の保存等の要件には、事務手続関係書類の備付けに関する事項等、機能に関する事項以外の要件もあり、それらを含め全ての要件を満たす必要があります」と注意を示しています。認証は製品の機能面についてのもので、社内の規程や運用は自社に残ります。

出典・参考資料(1件)

インボイス制度については、経費精算に固有の特例に対応できるかが確認点になります。仕入税額控除にはインボイスの保存が必要ですが、3万円未満の公共交通機関による運送は、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で控除が認められます。出張旅費や日当も、その旅行に通常必要と認められる部分については同じ扱いです。

適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(消法30⑦、消令49①一イ、70の9②一)。
一方、3万円以上の公共交通機関を利用した場合には、その利用に係る適格請求書の保存が仕入税額控除の要件となりますので、ご留意ください。

出典:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問105(令和5年10月改訂)|国税庁

ここで重要なのは、特例が「何もしなくてよい」という意味ではないことです。帳簿には通常の記載事項に加えて、その特例に該当する旨(たとえば「3万円未満の鉄道料金」)を書く必要があります。したがって製品側では、交通費や出張旅費に特例の区分を持たせられるか、その区分が会計ソフトへの連携時に引き継がれるかが確認点になります。

免税事業者などからの仕入れに係る経過措置も同様で、控除できる割合の区分を持てるかが確認点になります。この経過措置の割合は2026年10月1日以後の課税仕入れから80%が70%に下がるため、区分を切り替えられるかもあわせて確認してください。

出典・参考資料(3件)

導入設定と問い合わせのサポートをどこまで受けられるか

経理が1〜2名の会社では、設定でつまずいたときに社内で解決できる人がいません。サポートの手厚さは、導入が止まるか進むかを分ける条件になります。

見るべきは3点です。1つ目は初期設定の代行があるか。承認ルート、経費科目、従業員マスタの登録までを代行してもらえるかで、立ち上げにかかる自社の工数が変わります。2つ目は運用開始後の窓口の形で、電話がつながるのか、メールやチャットのみか、受付時間はいつかが分かれ目になります。3つ目は無償と有償の境目です。導入時の支援は無償でも、運用開始後のルール変更や追加設定は有償という区分は珍しくありません。

低価格帯の製品ではサポートがチャットや問い合わせフォームに限られることがあり、無料プランではサポートの対象外と明示されている製品もあります。価格差の一部はここに表れます。比較表のサポート形態の欄は、この観点で読んでください。

少人数でも回る最低限の機能がそろっているか

機能の数を比べても選定は進みません。経理が1〜2名の体制で、紙とExcelをやめるために欠かせないのは次の4つです。

  • 申請と承認のワークフロー:申請から承認までの状態が一覧で見え、誰のところで止まっているかが分かること。差し戻しの理由が記録に残ると、同じ指摘の繰り返しが減ります
  • 領収書の電子保存:受け取ったデータをそのまま保存でき、日付・金額・取引先で検索できること。手入力での置き換えは保存として認められません
  • 会計ソフトへの仕訳連携:承認済みの申請から仕訳を作り、会計ソフトへ渡せること。ここが切れていると経理の入力作業が残ります
  • スマホからの申請と承認:外出先で領収書を撮影して申請でき、承認者も移動中に処理できること。月末に申請が集中する原因の多くは、申請と承認が席に戻らないとできないことにあります

業種によっては、これに1つ加える必要があります。社用車での移動が多い会社なら走行距離に単価を掛けて精算できるか、工事や案件ごとに原価を出している会社なら現場・プロジェクト単位で経費を集計できるかです。電車での移動が中心という前提で選ぶと、導入後に集計を手作業でやり直すことになります。

この4つが揃っていれば、少人数の会社が抱える月末の集中はおおむね解消できます。交通系ICカードの読み取り、規程違反の自動チェック、多通貨対応といった機能は、必要になった時点で上位プランや別製品を検討すれば足ります。最初から機能の多さで選ぶと、使わない機能の分まで払い続けることになります。

ただし、精算の大半が交通費という会社では前提が変わります。交通系ICカードの読み取りや定期区間の自動控除は、あとから足す機能ではなく最初から必要な条件になります。その観点で製品を絞り込みたい場合は、交通費の精算に的を絞って比較した次の記事をご覧ください。

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【比較表】中小企業向け経費精算システム22選を比較

ここからは、22製品を横並びで比較します。ここまで見てきた契約できる下限人数・初期費用・1人あたり月額に加えて、会計ソフト連携・電子帳簿保存法とインボイス制度への対応・サポート形態を並べました。タイプは前の章で分けた6つで、自社に合う型から順に見ていくと候補を絞りやすくなります。

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サービス名マネーフォワード クラウド経費freee支出管理 経費精算Plusinvox経費精算ジョブカン経費精算rakumo ケイヒ経費の獅子MOT経費精算弥生経費 Nextジンジャー経費経費BANK楽楽精算BIZUTTO経費SpendiaBill One経費TOKIUM経費精算バクラク経費精算ビズバンスJTB経費精算Traveler’sWANConcur Expenseハーモス経費MAJOR FLOW Z KEIHITeamSpirit経費
タイプ数名から契約でき、使う人数のぶんだけ払えるタイプ数名から契約でき、使う人数のぶんだけ払えるタイプ数名から契約でき、使う人数のぶんだけ払えるタイプ初期費用をかけず低価格で始められるタイプ初期費用をかけず低価格で始められるタイプ初期費用をかけず低価格で始められるタイプ初期費用をかけず低価格で始められるタイプいま使っている会計ソフト・勤怠システムにそのままつなげるタイプいま使っている会計ソフト・勤怠システムにそのままつなげるタイプいま使っている会計ソフト・勤怠システムにそのままつなげるタイプ導入設定から社内定着まで人のサポートを受けられるタイプ導入設定から社内定着まで人のサポートを受けられるタイプ導入設定から社内定着まで人のサポートを受けられるタイプ領収書の入力・チェックそのものを任せて、経理の手を空けるタイプ領収書の入力・チェックそのものを任せて、経理の手を空けるタイプ領収書の入力・チェックそのものを任せて、経理の手を空けるタイプ50名を超え、拠点や承認ルートが増えてきた企業に対応できるタイプ50名を超え、拠点や承認ルートが増えてきた企業に対応できるタイプ50名を超え、拠点や承認ルートが増えてきた企業に対応できるタイプ50名を超え、拠点や承認ルートが増えてきた企業に対応できるタイプ50名を超え、拠点や承認ルートが増えてきた企業に対応できるタイプ50名を超え、拠点や承認ルートが増えてきた企業に対応できるタイプ
契約できる下限人数1名公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし
(最低利用料金5,500円・税込)
公式に記載なし
(1ユーザー単位の従量課金・契約は12ヶ月単位)
制限なし
(公式FAQ)
公式に記載なし
(20IDまで定額)
1名
(単体のエキスパートプランは30ユーザー標準付与)
公式に記載なし10ID
(10ID単位で契約)
公式に記載なし10名
(10名単位で契約。12名なら20名分)
非公開(要問い合わせ)非公開記載なし
(アカウント数は無制限)
非公開公式に記載なし50ライセンス
(下回る契約可否は公式に記載なし)
50ユーザー50名
(下回る契約可否は公式に記載なし)
50ユーザー記載なし
(最低月額に50ユーザー分のライセンスを含む)
初期費用0円公式に記載なし0円0円0円設定代行などを依頼する場合に別途発生(金額は非公開)公式に記載なし(要問い合わせ)セット版は0円
(エキスパートプランは公式に記載なし)
公式サイト上の表記が確定できず(要問い合わせ)0円100,000円(税抜)100,000円(税抜)非公開(要問い合わせ)非公開
(利用にはBill One本体の契約が必要)
公式料金ページに明示なし無料300,000円(税抜)〜SaaS型は記載なし
(オンプレミス型は50ライセンスで400,000円〜)
公式に記載なし公式に記載なし初回利用月のみ別途必要(金額は公式に記載なし)初回契約時に発生(金額は非公開)
1人あたり月額500円
(6名目以降。1〜5名はプラン定額で2,480〜6,480円)
650円
(税抜。当月に申請または承認した人のみ。別途基本料金が月7,500円〜)
300円
(税込330円。アクティブユーザーのみ。別途基本料金が月1,980円〜)
400円
(税抜。他のジョブカンサービス併用時は385円・税込)
300円
(税別。別途Google Workspace 有料版の契約が必要)
300円
(勤労の獅子の利用者は200円。在籍者全員が課金対象)
199円〜
(20IDで月3,980円・税抜を使い切った場合。21ID以上は非公開)
400円
(税抜。セット版はベーシック3名・ベーシックプラス5名まで追加費用なし。エキスパートプランの追加は700円)
300円〜
(税別。利用する製品数×利用人数で決まる)
300円
(税抜。10IDで月3,000円)
非公開
(月額30,000円・税抜から。段階別の金額・ID単価とも非公開)
400円
(税抜。電帳法オプションは別に1人175円)
600円〜
(クイック導入版の公式価格)
非公開
(初期費用と、経費精算の件数に応じた年額費用で構成)
人数では課金されない
(基本利用料が月10,000円・税抜〜+領収書件数の従量。単価は非公開)
非公開
(月額30,000円から。ID単価・加算額とも非公開)
非公開
(月額利用料35,000円・税抜から。ID単価は記載なし)
200円
(SaaS型。50ライセンスで月10,000円)
580円
(50ユーザーで月29,000円からの試算。2020年7月発表時点で現行額は要問い合わせ)
580円
(税別。50名で月29,000円からの試算。100名は月41,000円で1人410円)
200円
(50ユーザーで月10,000円・税抜からの試算。以降は50ユーザーごとに10,000円加算)
360円
(50ユーザー分を含む月18,000円・税抜からの試算。50名以下でも最低月額は変わらない)
会計ソフト連携マネーフォワード クラウド会計・クラウド会計PlusとAPI連携。勘定奉行・弥生会計・PCA会計などとはCSVまたはAPIfreee会計とはCSVの書き出しなしで連携。他社会計ソフトの個別の連携先は非公開マネーフォワード クラウド会計・弥生・勘定奉行・PCAクラウド・SMILE V・SAPなどジョブカン会計とAPI連携。他社会計ソフトへの連携方式は公式サイトで確認できず費目・勘定科目を設定したCSV/TSVの仕訳データ出力まで。会計ソフト名を挙げた連携は非公開CSV取込が可能な会計ソフトと連携可(対応ソフト名は公式に挙げていない)勘定奉行弥生会計 Next へ仕訳を自動連携(同期は1分間隔)。エキスパートプランは他社会計ソフトとCSV連携(ソフト名は非公開)仕訳データ・FBデータの出力。連携できる会計ソフトの製品名は公式に記載なし勘定奉行・弥生会計・PCA・SAP・会計王・TKC FX4・JDL IBEX・OBIC7など20製品前後をCSVまたはAPIで連携できる会計ソフトの製品名は公式ページで確認できず勘定奉行クラウド(奉行連携コネクタ for BIZUTTO経費)。それ以外は仕訳データの出力勘定奉行クラウド・債務奉行クラウド(各年60,000円のオプション)とSAP・Oracle・SuperStream・GLOVIA。弥生・マネーフォワード クラウド・freeeとの連携は公式で確認できず仕訳情報をCSVまたはOpenAPIでエクスポート。連携先の製品名は非公開会計システム・ERPと36種類以上の連携実績。製品名の一覧は非公開freee会計との連携を公式に明示。ほかは主要会計ソフトという表記にとどまるSuperStream-NX(キヤノンITソリューションズ)SuperStream-NX統合会計とCSV連携仕訳データを会計システムへ連携。国内会計ソフトの製品名は公式に記載なしCSVなどで仕訳データを取り込めるものであれば連携可。連携実績100種類以上だが製品名は非公開勘定奉行クラウド(奉行APIコネクトサービス経由で年36,000円の連携オプションが必要)、SuperStream-NXとCSV連携CSVまたはAPIで連携。経費側で連携できる会計ソフトの製品名は非公開
電帳法・インボイス対応スキャナ保存・電子取引に対応しJIIMA認証を取得。インボイスは登録番号の読み取りと特例区分の設定。プラン標準か追加申込かは公式に明記なしいずれも対応。登録番号の読み取りと税区分の自動判定を備えるスキャナ保存・電子取引に対応(JIIMA認証はシリーズ別製品のinvox電子帳簿保存が保有)。インボイスは登録番号を国税庁のWeb-APIで照合いずれも対応をうたう。タイムスタンプとAI-OCRは各1人月100円(税抜)のオプション電帳法は1人月100円(税別)の別オプションで、JIIMA認証は取得していない。インボイスは対応スキャナ保存(011900-00)と電子取引(619700-00)のJIIMA認証を製品単体で保有。適格請求書関連の個別機能は公式に記載なしインボイスはOCR読み取りと登録番号の自動照合。電帳法はMOT文書管理との組み合わせが前提アップロード時に電帳法対応形式かを自動チェック。証憑の電子保存は別サービスの弥生証憑 Next が担う。インボイス対応の仕様は公式に記載なし電帳法に対応したペーパーレス運用が可能。インボイス対応の記載は公式で確認できず証憑の電子保存を追加料金なしで標準搭載。インボイスは登録番号の自動チェックと対応した仕訳データ作成スキャナ保存・電子取引の両方でJIIMA認証を取得。インボイスにも対応スキャナ保存(007100-00)と電子取引(604700-00)のJIIMA認証を保有。ただし電帳法対応は1人175円(税抜)のオプション。インボイスは登録番号照合・複数税率・交際費の1人あたり金額の自動判定電帳法対応はオプション(JIIMA認証はグループ会社の別製品 快速サーチャーGX が保有)。インボイスは国税庁の公表システムとAPI連携電帳法に対応。適格請求書・適格簡易請求書の要件を満たすかを自動判定電帳法はタイムスタンプの標準実装とJIIMA認証で対応。インボイスの受領・処理は別製品のTOKIUMインボイスが担うタイムスタンプ・検索要件・改ざん検知で電帳法に対応。インボイスは登録番号を読み取って照合し自動判定いずれも対応し、自動仕訳データを会計システムへ連携電帳法に対応し法的要件を満たした電子保存が可能。インボイスの現行の対応範囲は公式の機能一覧で確認できずJIIMAの電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証を2019年7月に製品として取得。インボイスは登録番号のチェック機能基本プランに電帳法(電子取引)対応を含む。インボイスは登録番号をAI-OCRで読み取り国税庁のデータベースに照合経費精算/支払依頼の公式ページには記載なし。JIIMA認証は同シリーズの別製品 MAJOR FLOW 証憑保管 が掲げており、法対応は組み合わせた運用が前提いずれも対応。JIIMAの電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証は2022年7月にTeamSpiritというプラットフォーム全体として取得
サポートチャット・メール(利用料に含む)。受付時間は公式に記載なし手段・受付時間ともこのプラン単独では非公開。無料トライアルは30日間チャット・メール・オンライン会議。3か月の導入サポートパック付き。受付時間は公式に記載なしチャット(無料プランは対象外)サポートサイトと操作マニュアル。導入支援サービスは150,000円(税別)からサポート専用窓口。運用ルール変更時も原則無料。対応手段・時間帯は公式に記載なし電話(平日9:00〜17:30)有人チャット(平日9:30〜12:00・13:00〜17:30)、メールは24時間365日受付で翌営業日を目途に回答電話(平日10:00〜18:00)。メール・チャットの可否は公式で確認できず導入時は営業担当がヒアリング、導入後はサポート窓口。手段・時間帯は公式に記載なし専任サポートによる導入支援。手段・時間帯・有償か無償かは公式に記載なし電話(平日9:30〜12:00・13:00〜17:30)、メール。内容に応じてWeb会議電話(平日9:00〜12:00・13:00〜17:00)・Webフォーム。クイック導入版はオンラインの導入支援と研修付き専任担当者が導入・運用を支援(費用は初期費用に含む)。窓口の手段・受付時間は公式に記載なし導入支援メニューあり。対応時間帯や有償・無償の区別は公開情報から確認できず電話番号を公式に案内。受付時間や導入支援の有無は公式で確認できず導入時は専任SEが運用設計と初期設定を支援。導入後は電話・メール・専用サポートサイト・Web会議。時間帯は公式に記載なし公式サイトに記載なし日本法人による日本語サポート。対応手段と時間帯は公式で確認できず基本プランに専任サポートを含む問い合わせフォーム。電話・メールの受付時間は公式に記載なし全契約に含むベーシックサポートのほか、有償のプレミアサポートとスポットサポート。時間帯は公式に記載なし
詳細情報公式資料を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式資料を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式資料を見る公式サイト公式サイト公式資料を見る公式資料を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は2026年8月時点の各社公式情報によります。実際の機能搭載の有無や提供形態については各社情報をご確認ください。

中小企業向け経費精算システム22選

ここからは、22製品をタイプごとに紹介します。契約できる下限人数と料金、会計ソフトの連携先、電子帳簿保存法とインボイス制度への対応、サポート形態を製品ごとに具体的に示します。

数名から契約でき、使う人数のぶんだけ払えるタイプ

1名から契約でき、その月に使った人数で料金が決まる3製品です。人員の増減が見込まれる会社や、経費を申請する人が月によって変わる会社に向きます。

1. マネーフォワード クラウド経費(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド経費の公式サイト

株式会社マネーフォワードの経費精算システムで、1名向けの「ひとり法人」プランから契約できます。年払いの月あたり金額は、ひとり法人(1名)が2,480円、スモールビジネス(3名まで)が4,480円、ビジネス(5名まで)が6,480円。6名目以降は1名あたり500円が加算されるため、10名では8,980円になります。初期費用は0円です。

従量分の課金対象は、その月に経費登録・申請を行ったユーザーです。会計側はマネーフォワード クラウド会計・クラウド会計PlusとAPIで連携し、勘定奉行・弥生会計・PCA会計などとはCSVまたはAPIで接続します。無料トライアルは1か月で、ビジネスプラン相当の機能を試せます。

電子帳簿保存法はスキャナ保存と電子取引に対応し、JIIMA認証をスキャナ保存で2017年2月、電子取引で2021年9月に取得しています。ただし、この対応がプラン標準に含まれるのか追加の申し込みが要るのかは公式に明記がないため、契約前の確認が必要です。インボイス制度では、適格請求書発行事業者の登録番号の読み取りと特例区分の設定に対応します。

サポートについては、チャットとメールでの問い合わせを利用料に含む形ですべての契約者に提供していると同社は説明しています。受付時間は製品ページに記載がありません。

2. freee支出管理 経費精算Plus(フリー株式会社)

freee経費精算の公式サイト

経費精算だけを切り出して契約できる、フリー株式会社の有料プランです。公式サイトのFAQには「ご利用中の会計ソフトを変更することなく、ご利用いただけます」と記載があり、会計ソフトを乗り換えずに経費精算を足す使い方が想定されています。

料金は基本料金とID従量の2階建てです。基本料金は年払いで月あたり7,500円、月払いで月10,000円(いずれも税抜)。従量分は1IDあたり月650円(税抜)で、5名が使う月の合計は10,750円になります。初期費用と最低ID数は公式サイトに記載がありません。

課金対象の定義は、公式ヘルプセンターに細かく示されています。当月に申請または承認を行ったユーザーだけが650円の対象で、下書きの保存、却下・差し戻し、コメントや申請共有だけの操作は数えられません。代理申請の場合は、代理を頼んだ側(申請者)が対象になります。同じ人が月内に何回申請しても金額は変わりません。

freee会計と組み合わせると、承認済みの経費データをCSVの書き出しなしで会計登録へ反映できます。他社会計ソフトの個別の連携先は公式に公開されていません。電子帳簿保存法とインボイス制度には対応し、登録番号の読み取りと税区分の自動判定を備えます。無料トライアルは30日間で、サポートの手段と受付時間はこのプラン単独では公開されていません。

3. invox経費精算(株式会社invox)

invox経費精算の公式サイト

invoxシリーズの経費精算サービスとして、株式会社invoxが2024年8月に提供を開始しました。初期費用は0円、契約は月単位です。入り口となるミニマムプランは月額基本料金1,980円(税込2,178円)で、ここに実際に経費精算を行ったアクティブユーザー1人あたり月300円(税込330円)が加算されます。5名が使う月は3,480円(税込3,828円)です。

上位はベーシックが9,800円(税込10,780円)、プロフェッショナルが29,800円(税込32,780円)で、アクティブユーザー単価はどのプランでも300円のまま変わりません。領収書のAI-OCR読み取りはアクティブユーザー数×30件/月まで0円、超過分は30件ごとに1アクティブユーザーとして数えます。最低利用ID数は公式サイトに記載がありません。

会計ソフトは、マネーフォワード クラウド会計・弥生・勘定奉行・PCAクラウド・SMILE V・SAPなどへの連携を公式に挙げています。電子帳簿保存法はスキャナ保存と電子取引に対応しますが、JIIMA認証を取得しているのはシリーズの別製品「invox電子帳簿保存」であり、経費精算の製品単体で取得したものではありません。

インボイス制度では、読み取った適格請求書発行事業者の登録番号を国税庁のWeb-API機能で照合し、無効な場合は警告メッセージを付けて返します。サポートはチャット・メール・オンライン会議で、3か月間の導入サポートパックが付きます。受付時間の記載は公式にありません。無料トライアルは申し込み当日から使えます。

初期費用をかけず低価格で始められるタイプ

初期費用が0円か、公表されていない範囲にとどまり、月額も低い価格帯に収まる4製品です。月額固定費を増やすことに社内の抵抗があり、まず小さく始めたい会社に向きます。

4. ジョブカン経費精算(株式会社DONUTS)

ジョブカン経費精算のウェブサイト

バックオフィス向けクラウド「ジョブカン」シリーズの一製品で、経費精算と社内稟議のワークフローが一体で提供されます。提供元は株式会社DONUTS。申請・承認から仕訳データとFB(振込)データの作成までを扱い、交通費では乗換案内との連携とICカードの読み取りに対応します。

初期費用は0円で、料金は1ユーザーあたり月額400円(税抜)です。契約できる下限人数の定めは公式にありませんが、月額の最低利用料金が5,500円(税込)に設定されているため、5名で使った場合も請求は月5,500円になります。勤怠管理など他のジョブカンサービスを併用している場合は1ユーザー385円(税込)に下がります。

機能制限つきの無料プランがあり、登録できる申請フォームは3件まで、ファイルの添付は不可、データの保持は30日間、乗換案内の利用とチャットサポートも対象外です。領収書の画像を添付できないため、無料プランのままで紙の領収書をやめる運用には移れません。

電子帳簿保存法とインボイス制度への対応をうたっており、タイムスタンプとAI-OCRはそれぞれ1ユーザー月額100円(税抜)のオプションです。会計側はジョブカン会計とのAPI連携が公式に案内されている一方、他社の会計ソフトへの連携方式は公式サイトでは確認できませんでした。問い合わせ窓口はチャットサポートで、無料プランは対象外です。

5. rakumo ケイヒ(rakumo株式会社)

rakumo ケイヒのウェブサイト

利用の前提としてGoogle Workspace(有料版)の契約が別途必要な経費精算システムです。rakumo株式会社が提供し、Google Workspaceのユーザー管理と認証をそのまま使います。同社のカレンダーに外出予定を登録すると、NAVITIME連携で経路と運賃を計算し、定期区間を控除した交通費が経費精算書に入ります。

初期費用は0円、単体の料金は1ユーザーあたり月額300円(税別)、年額では3,600円です。契約できる下限人数は公式に記載がありませんが、1ユーザー単位の従量課金で、契約は12ヶ月単位、30日間の無料お試しがあります。10名なら月3,000円(税別)で、これはGoogle Workspaceの費用を含まない金額です。

電子帳簿保存法への対応は標準プランに含まれず、1ユーザーあたり月額100円(年額1,200円、税別)の別オプションです。利用にはケイヒと同数のライセンス契約とrakumo ワークフローとの連携が前提になります。10名で法対応まで含めると月4,000円(税別)です。JIIMA認証は、JIIMA公式の認証製品一覧に記載がなく取得していません。

インボイス制度には対応と公式に回答があります。会計ソフトとの連携は、費目や勘定科目を自社ルールで設定してCSV/TSV形式の仕訳データを出力する形までが公式に確認できる範囲で、特定の会計ソフト名を挙げた連携は公開されていません。初期設定を任せたい場合の導入支援サービスは150,000円(税別)からで、月額とは別に見込む必要があります。

6. 経費の獅子(エス・エー・エス株式会社)

経費の獅子のウェブサイト

契約できる人数に下限がありません。公式FAQは「利用人数に制限はありますか?」という問いに「制限はございません」と答えています。エス・エー・エス株式会社が提供し、交通費・出張旅費・接待交際費の申請から承認、仕訳データとFBデータの作成までを扱います。

料金は1人あたり月額300円で、同社の勤怠管理「勤労の獅子」を使っている場合は200円です(税抜・税込の区分は公式に記載がありません)。注意したいのは課金の対象で、その月に経費精算を使わなかった人も含め、従業員マスタに登録されている在籍者全員が数えられます。10名なら月3,000円です。

初期費用は、自社で設定する場合については公式FAQに言及がなく、設定代行プランや個別のレクチャーを依頼する場合に別途発生するとされています。金額は非公開のため、代行を使うかどうかを含めて問い合わせが必要です。トライアル環境は最長2ヶ月間用意されており、月末の締めを2回通してから判断できます。

電子帳簿保存法では、スキャナ保存ソフト(認証番号011900-00、有効期限2029年3月3日)と電子取引ソフト(619700-00、2027年5月27日)のJIIMA認証を製品単体で取得しています。適格請求書に関する個別機能の記載は公式にありません。会計ソフトへはCSVでの仕訳連携で、公式は「CSV取込が可能であればほとんどの会計ソフトと連携が可能」とし、対応ソフト名は挙げていません。

7. MOT経費精算(株式会社バルテック)

MOT経費精算のウェブサイト

クラウドPBX「MOT/TEL」などを手がける株式会社バルテックの経費精算システムで、料金は20IDまで月額3,980円(税抜)の定額です。公式は1アカウントあたり199円〜としており、これは20IDを使い切ったときの単価にあたります。10名で使う場合の月額も3,980円です。

契約できる下限人数の定めは公式になく、20IDまでが定額なので少人数でも月額は変わりません。初期費用は公式サイトに記載がなく、要問い合わせです。見積もりの段階で確定させてください。21ID以上の料金も公式には公開されていません。問い合わせ窓口は電話で、受付は平日9:00〜17:30です。

交通費では「駅すぱあと」との連携で経路と運賃を自動入力し、定期区間を自動控除します。Suica・PASMOなど交通系ICカードの利用履歴を明細として取り込むこともできます。このほか出張申請・精算、交際費、支払依頼、日当計算に対応します。

インボイス制度にはOCRでの読み取りと国税庁の登録番号リストとの自動照合で対応します。ただし電子帳簿保存法への対応は同社の「MOT文書管理」との組み合わせが前提とされているため、経費精算だけを契約したときの扱いは確認が必要です。会計ソフトは公式に「勘定奉行」との連携が挙げられています。

いま使っている会計ソフト・勤怠システムにそのままつなげるタイプ

会計ソフトや勤怠管理と同じシリーズで提供されるか、連携先を製品名で公開している3製品です。会計側を乗り換えずに経費精算だけを足したい会社に向きます。

8. 弥生経費 Next(弥生株式会社)

弥生経費 Nextのウェブサイト

導入の入り口が2つあります。弥生会計 Next の契約に含まれる経費精算機能として使う形と、経費精算だけを単体で契約するエキスパートプランです。いずれもスマートフォンで領収書を撮影するとAIが取引先名と勘定科目の候補を提案し、交通系ICカードの読み取りによる交通費申請にも対応します。

セット版は1名から使え、初期費用は0円です。ベーシックプランなら3名まで、ベーシックプラスプランなら5名まで経費精算機能を追加費用なしで使えます。それを超える人数は1名あたり月400円(税抜)です。

単体のエキスパートプランは年額252,000円(税抜)からで、30ユーザー分を含みます。月額に換算すると21,000円で、追加は1名あたり月700円(税抜)です。エキスパートプランの初期費用は公式サイトに記載がなく、要お問い合わせとなります。

承認済みの経費データは弥生会計 Next へ仕訳として自動連携され、同期は1分間隔です。エキスパートプランでは他社の会計ソフトともCSVで連携できますが、対応するソフト名は公式サイトに記載がありません。無料で試せる期間は弥生会計 Next 全体で最大2か月です。

領収書のアップロード時には、電子帳簿保存法に対応した形式かどうかを自動でチェックします。ただし証憑の電子保存そのものは別サービス「弥生証憑 Next」が担う構成で、インボイス制度への対応仕様は公式サイトに記載がありません。サポートは有人チャットが平日9:30〜12:00と13:00〜17:30、メールが24時間365日受付で翌営業日を目途に回答します。

9. ジンジャー経費(jinjer株式会社)

ジンジャー経費のウェブサイト

勤怠・給与・人事労務と共通の従業員台帳を使う統合型人事システム「ジンジャー」の、経費精算モジュールです。入社・異動・退職にともなう従業員情報の更新が各モジュールへ自動で反映されるため、勤怠や給与を同じシリーズで使っている会社は、経費側で従業員マスタを別に持たずに済みます。

料金は「利用する製品数 × 利用人数」で決まり、1人あたり月額300円(税別)からです。初期費用は公式サイト上の表記が確定できず、資料請求または問い合わせでの確認が必要になります。1IDあたりの単価や最低利用ID数も、公式の料金ページには記載がありません。無料トライアルは1か月です。

機能面は、領収書のOCR読み取り、クレジットカード利用明細の取り込み、交通費・交際費・出張・支払依頼の申請ワークフロー、計上仕訳と支払仕訳の自動作成までを備え、電子帳簿保存法に対応したペーパーレス運用ができます。会計側へは仕訳データやFBデータを出力する形で、連携できる会計ソフトの製品名は公式サイトに記載がありません。

問い合わせ窓口としては、平日10:00〜18:00の電話が公式に案内されています。メールやチャットでの対応可否は公式サイトで確認できないため、導入後の連絡手段を重視する場合は事前に確かめておくと安心です。

10. 経費BANK(SBIビジネス・ソリューションズ株式会社)

経費BANKのウェブサイト

連携できる会計ソフトを、公式サイトが製品名で並べている経費精算システムです。勘定奉行シリーズ・弥生会計・PCAシリーズ・SAP・会計王・TKC FX4・JDL IBEX・OBIC7 など20製品前後を「主な連携実績」として列挙しており、CSVとAPIのどちらでも取り込めます。仕訳データのレイアウトは会計ソフトに合わせて調整できます。

初期費用は0円で、契約は10ID単位、5名の会社でも10ID分の月額3,000円(税抜)からとなります。年額では36,000円〜で、添付ファイルの保存容量10GB分を含みます。領収書のAI-OCR(年間1,200枚)は月2,000円〜、交通系ICカードとモバイル連携は10ID単位で月1,000円といった形で、オプションは別建てです。

電子帳簿保存法に対応した証憑の電子保存は、オプションではなく追加料金なしで標準に含まれます。インボイス制度についても、適格請求書発行事業者の登録番号を自動でチェックし、対応した仕訳データを作成します。累計の導入社数は1,500社を突破しています(2024年4月時点)。

導入時は営業担当がヒアリングを行い、導入後はサポート窓口が対応します。ただし電話・メール・チャットのどの手段で受け付けるか、対応時間帯がいつかは公式サイトに記載がありません。無料トライアルの条件・期間も公式に示されていないため、デモの依頼から確認することになります。

導入設定から社内定着まで人のサポートを受けられるタイプ

初期設定の代行や専任担当の伴走が用意されている3製品です。情報システムの担当者がいない会社が、運用開始まで止まらずに到達したい場合の選択肢になります。

11. 楽楽精算(株式会社ラクス)

楽楽精算のウェブサイト

累計導入社数20,000社以上(2025年9月時点)を公表している、株式会社ラクスの経費精算システムです。経費精算に加えて請求書の支払処理やFBデータの作成、経費以外の申請を扱う汎用ワークフローまで同じシステムに載せられるため、紙で回っている申請書がほかにもある会社は業務をまとめられます。

料金は初期費用100,000円(税抜)と月額30,000円(税抜)からで、月額は利用従業員数とオプションの内容に応じて変わります。ただし段階別の金額、1IDあたりの単価、最低利用ID数はいずれも公式に非公開で、詳しい料金表はフォームからの請求制です。公表値どおりなら導入初月は130,000円(税抜)以上となり、少ない人数で使うほど1人あたりの負担は重くなります。

領収書はスマートフォンのAI-OCRで読み取り、交通費はジョルダンの「乗換案内」を内蔵した経路検索で運賃まで自動計算します。社員ごとに定期区間を登録しておけば、その区間分は常に自動で控除されます。交通系ICカードはスマホアプリでの読み取りに対応するため、専用のカードリーダーは要りません。

電子帳簿保存法はスキャナ保存ソフト・電子取引ソフトの両方でJIIMA認証を取得しており、インボイス制度にも対応しています。一方、専任サポートによる導入支援は訴求されているものの、電話・メール・チャットのどれで受け付けるのか、対応時間帯はいつか、支援が有償か無償かは公式サイトに記載がありません。

無料トライアルの期間や、連携できる会計ソフトの製品名も公式ページでは確認できません。サポートの内容、トライアルの期間、連携できる会計ソフト名の3点は、問い合わせの段階で確かめる項目になります。

12. BIZUTTO経費(アルプス システム インテグレーション株式会社)

BIZUTTO経費のウェブサイト

アルプスアルパイングループのシステム会社、アルプス システム インテグレーション株式会社(ALSI)が提供するクラウド型の経費精算システムです。交通費精算・出張精算・経費精算・事前申請・支払申請をひとつのシステムで扱い、資本比率50%以上の関連法人であれば、契約ユーザー数の範囲内で1契約のまま複数法人で使えます。

契約はユーザー数10名単位で、標準プランの初期費用は100,000円(税抜)、月額は1ユーザーあたり400円(税抜)です。10名なら初期費用100,000円と月額4,000円(税抜)、12名の会社でも20名分の契約になります。電子帳簿保存法オプション(1ユーザー月額175円)とスマート申請オプション(同200円)は標準プランに含まれず、電帳法まで含めると10名で月額5,750円という計算です。

その電子帳簿保存法については、スキャナ保存ソフト法的要件認証(認証番号007100-00、有効期限2028年5月29日)と電子取引ソフト法的要件認証(604700-00、同2028年6月22日)の2件をJIIMAから取得しています。インボイス制度では、適格請求書発行事業者の登録番号を国税庁の公表システムと照合し、複数税率の明細入力や交際費の1人あたり金額の自動判定にも対応します。

会計ソフトとの連携で公式に製品名が挙がっているのは勘定奉行クラウドで、OBCの「奉行連携コネクタ for BIZUTTO経費」を介して申請・承認の内容が仕訳データとして連携されます。それ以外は仕訳データや会計ソフト連携データを出力する形です。

サポートは電話が平日9:30〜12:00と13:00〜17:30、メールは内容に応じてWeb会議でも対応し、無料トライアル中は専任の担当者が質問を受けます(トライアルの期間と対象範囲は公式に記載がありません)。

13. Spendia(TISI株式会社)

Spendiaのウェブサイト

2026年7月にTIS株式会社と株式会社インテックが合併して発足した、TISI株式会社のサービスです。自社の規程や承認ルートに合わせて作り込む標準版は数千名から1万名規模の企業での導入事例が並ぶ製品で、従業員10〜100名の会社が検討対象にできるのは、基本機能に絞った「Spendiaクイック導入版」のほうです。

クイック導入版は2022年6月に提供が始まり、公式プレスリリースでは「現場社員が活発に活動する中小企業を主なターゲット」と説明されています。月額利用料は1ユーザーあたり600円からで、標準機能の範囲であれば最短2ヶ月で導入できるとしています。契約できる下限人数と初期費用は公式に記載がなく、要問い合わせです。この600円はクイック導入版の価格で、標準版の価格として公式に示された数値ではありません。

クイック導入版の標準機能は、交通費・出張費・交際費の申請と精算、経路検索との連携、定期区間の控除、距離精算、3段階の承認ワークフロー、領収書のOCR読み取りです。申請から精算までをスマートフォンアプリで完結でき、紙のやり取りや出社を前提にしない運用ができます。

電子帳簿保存法への対応はオプションで、訂正・削除ログの管理やタイムスタンプの切替、取引年月日・金額・取引先での検索に対応します。ただしJIIMA認証を持つのはSpendia本体ではなく、グループ会社の電子帳票システム「快速サーチャーGX」で、Spendiaはこれと連携してスキャナ保存の要件に対応する設計です。

会計側との連携で公式に確認できるのは、勘定奉行クラウドと債務奉行クラウド(奉行クラウドコネクタ for Spendia、年間利用料は各60,000円)、およびSAP・Oracle・SuperStream・GLOVIAといった基幹システムです。

中小企業でよく使われる弥生・マネーフォワード クラウド・freeeとの連携は公式サイトでは確認できません。問い合わせは平日9:00〜12:00と13:00〜17:00の電話とWebフォームで受け付け、クイック導入版にはオンラインでの導入支援と研修が付きます。無料トライアルの案内は公式に見当たりません。

領収書の入力・チェックそのものを任せて、経理の手を空けるタイプ

領収書の読み取りや点検、立替払いそのものを製品側の仕組みで引き受ける3製品です。従業員数のわりに領収書の枚数が多い会社に向きます。

14. Bill One経費(Sansan株式会社)

Bill One経費のウェブサイト

従業員が経費を立て替えるという前提そのものを外した製品です。Sansan株式会社が提供し、専用の「Bill Oneビジネスカード」を社員に配布して経費をこのカードで直接支払わせます。カードは年会費・発行手数料が無料で、発行枚数に上限がないため全社員に配れます。

料金は公開されていません。公式の料金ページは「初期費用と年額費用で構成される」と説明するのみで、初期費用の金額も、処理する経費精算の件数に応じて個別に設定される年額費用も示されていません。1人あたり単価・最低利用ID数の記載もなく、無料トライアルの案内もありません。加えて利用にはBill One本体の契約が必要で、カードだけを使うことはできないと公式FAQが回答しています。

領収書はスマートフォンで撮影して提出し、SansanのOCR・AI・入力オペレーターを組み合わせたデータ化技術で読み取られます(公式は同社が規定する条件を満たした場合の精度を99.9%としています)。読み取り結果はカードの利用明細と金額ベースで自動突合され、申請内容の自動チェックを経て仕訳入力まで進みます。領収書の保存可能件数に上限はありません。

電子帳簿保存法に対応し、適格請求書・適格簡易請求書の要件を満たしているかも自動で判定します。会計ソフトへは仕訳情報をCSVまたはOpenAPIでエクスポートする形までが公式に確認できる範囲で、連携先の製品名は挙げられていません。導入時は専任担当者が導入・運用を支援し、その費用は初期費用に含まれると公式が説明しています。窓口の手段と受付時間は公式サイトに記載がありません。

15. TOKIUM経費精算(株式会社TOKIUM)

TOKIUM経費精算のウェブサイト

領収書のデータ入力と原本の回収を、株式会社TOKIUMが利用企業に代わって引き受けます。従業員はスマートフォンで撮影して申請するだけで、画像はTOKIUMのオペレーターに渡り、1枚につき2名がダブルチェックして金額や日付を入力します。公式が示す精度は99%以上です。原本は回収用ポストに投函すれば提出が完了し、TOKIUM側で保管されます。

基本利用料は月額10,000円〜(税抜)で、アカウント数は無制限のため利用人数が増えても追加料金はかかりません。費用が動くのは領収書の件数に応じた従量課金の部分で、その単価は公式に記載がありません。初期費用も公式料金ページに明示がなく、原本の回収を使う場合は回収用ポスト代として月額3,000円が別途発生します。

電子帳簿保存法にはタイムスタンプ機能の標準実装とJIIMA認証で対応します。ただしインボイスの受領・処理は別製品「TOKIUMインボイス」が担う構成です。会計システム・ERPとは36種類以上の連携実績があると公式が訴求していますが、製品名の一覧は公開されていません。交通系ICカードの読み取りと定期区間の自動控除に対応し、交通系ICからの経費申請は何度使っても無料です。

公式は10名程度の企業から1万名を超えるグループ会社まで利用があると説明しており、最低利用ID数の記載もありません。一方で、導入支援メニューの案内はあるものの、対応時間帯や有償・無償の区別は公開情報からは確認できませんでした。公式トップには無料で始める導線がありますが、期間や条件の記載はありません。

16. バクラク経費精算(株式会社LayerX)

バクラク経費精算のウェブサイト

読み取りだけでなく、申請内容の点検までAIが担う設計です。株式会社LayerXが提供し、領収書を撮影するとAI-OCRが金額・日付・科目を読み取り、複数枚をまとめて撮影しても自動で分割します。規定に反する申請はAIが指摘し、重複申請も自動で検知します。勘定科目と税区分の自動仕訳、過去の内訳をもとにした推薦も備えます。

初期費用は無料で、月額は30,000円〜です。ただし公式の料金ページは料金表のダウンロード制で、ページ上に具体額の記載はありません。1IDあたりの単価も最低利用ID数も、人数が増えたときの加算額も公開されていないため、10名で使う場合の実額は料金表の取り寄せか問い合わせで確認することになります。無料トライアルの有無も公式サイトでは明記が見当たりません。

電子帳簿保存法にはタイムスタンプの付与・検索要件への対応・証憑の改ざん検知で対応し、インボイス制度では登録番号を読み取って照合し自動判定します。会計ソフトはfreee会計との連携が公式トップに明示されている一方、それ以外は「主要会計ソフト」という表記にとどまり製品名は公開されていません。法人カードの明細自動取得、Slack連携、REST APIによる外部連携にも対応します。

交通費は、アプリで交通系ICカードを読み取ると日付・区間・金額が自動入力されるほか、モバイルSuica・モバイルPASMOからダウンロードした乗車履歴PDFの一括取り込みにも対応します。出発地と到着地を入力すれば経路と運賃を自動計算し、通勤定期の区間を登録しておけばその分を控除します。

問い合わせ窓口は電話番号が公式に案内されていますが、受付時間や導入支援の有無は公式サイトでは確認できませんでした。

50名を超え、拠点や承認ルートが増えてきた企業に対応できるタイプ

契約や料金表が50ユーザー前後から始まる6製品です。承認者が複数の階層に分かれている会社、拠点が複数ある会社、出張の手配と精算をまとめて扱いたい会社に向きます。

17. ビズバンスJTB経費精算(株式会社JTBビジネストラベルソリューションズ)

ビズバンスJTB経費精算のウェブサイト

出張手配を本業とするJTBグループの株式会社JTBビジネストラベルソリューションズが提供する経費精算システムです。日常の近隣交通費や交際費の精算に加えて、国内・海外出張の申請から予約、精算、支払までを同じ仕組みの中で扱えます。

費用は初期導入費30万円〜、月額利用料3万5千円〜(いずれも税抜)です。ID単価と最低利用ID数は公式に記載がなく、正式な料金はユーザー数と利用する機能に応じた個別見積になります。領収書・請求書のOCR読み取りは有償オプションです。

電子帳簿保存法とインボイス制度に対応し、自動仕訳データを会計システムへ渡せます。会計側で公式に確認できる連携先はSuperStream-NX(キヤノンITソリューションズ)です。ただし出張の予約・実績データを自動で取り込むには、別途「ビズバンスJTB出張予約」の契約が必要になります。

導入時は専任のSEが運用設計と初期設定を支援し、導入後はサポート専門チームが電話・メール・専用サポートサイト・web会議で対応します。導入期間は3か月から6か月程度の企業が多いと公式FAQにあります。サポートの対応時間帯は公式サイトに記載がありません。

18. Traveler’sWAN(株式会社日立システムズ)

Traveler'sWANのウェブサイト

SaaS型・オンプレミス型・プライベートクラウド型の3つから提供形態を選べる総合経費管理システムです。株式会社日立システムズが提供し、国内・海外の出張手配から旅費精算、日々の近隣交通費精算までを1つのシステムで管理します。

SaaS型の月額は50ライセンスで10,000円、1ライセンスあたり200円です。公式の料金表は50ライセンスから始まっており、これを下回る人数で契約できるかは記載がありません。オンプレミス型は50ライセンスの初期費用が40万円〜となります。

日々の交通費は、ジョルダンの「乗換案内」と連携して検索結果を精算データに取り込み、定期区間の控除もできます(SaaS型・プライベートクラウド型は標準機能、オンプレミス型はオプション)。国内出張の日当は自動計算され、海外出張は外貨とレートに対応します。

電子帳簿保存法には対応し、領収書などを法的要件を満たした形で電子保存できます。一方、インボイス制度への現行の対応範囲は公式の機能一覧では確認できません。会計システムはSuperStream-NX統合会計とのCSV連携が公式に示されており、それ以外の連携先やサポートの手段・対応時間は記載がありません。

19. Concur Expense(株式会社コンカー)

Concur Expenseのウェブサイト

SAPグループの株式会社コンカーが国内で提供する経費精算システムです。出張手配のConcur Travel、請求書管理のConcur Invoiceと同じ基盤で提供され、経費・出張・請求をまとめて扱える構成になっています。

料金は公式サイトに現行の料金表がなく、確認できる公式情報は2020年7月の改定発表にとどまります。そこでは中堅中小企業向けのStandardが月額29,000円〜(50ユーザーの場合)、50ユーザーから契約可能とされています。発表から6年が経つため、現行額は問い合わせでの確認が必要です。初期費用の記載はありません。

領収書はスマートフォンで撮影するとOCRが日付・金額・店舗名などを自動判定します。交通費ではSuica・PASMO・nimocaの利用履歴を取り込み、駅すぱあとと連携した経路検索や定期区間の自動控除に対応します。承認済みの経費は仕訳データとして会計システムへ連携しますが、国内の会計ソフトの製品名は公式に記載がありません。

電子帳簿保存法については、JIIMAの電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証を2019年7月に製品として取得しています。インボイス制度では、適格請求書発行事業者の登録番号をチェックする機能を備えます。日本法人による日本語サポートがありますが、対応手段と時間帯は公式サイトで確認できません。

20. ハーモス経費(株式会社ビズリーチ)

ハーモス経費のウェブサイト

旧称「eKeihi」として20年以上提供されてきた経費精算・請求書管理システムです。2022年11月にハーモス経費へブランドを変更し、2025年8月からは株式会社ビズリーチが運営会社になっています。

公式の料金シミュレーションは50名刻みで、50名が月額29,000円、100名が月額41,000円(いずれも税別)です。表の最小値が50名で、これを下回る人数での契約可否は公式に記載がありません。初期費用も料金ページに記載がなく、問い合わせでの確認が必要です。

基本プランには経費精算・旅費交通費・請求書受取のほか、領収書のAI-OCR、ICカード読込、乗換検索、法人カード連携、電子帳簿保存法(電子取引)への対応、専任サポートが含まれます。インボイス制度では、登録番号をAI-OCRで読み取って国税庁のデータベースに照合します。

会計ソフトはCSVなどで仕訳データを取り込めるものであれば連携でき、公式は連携実績100種類以上としていますが、個別の製品名は公開されていません。50名を下回る人数で契約できるかは公式に記載がなく、問い合わせでの確認が必要です。導入から運用開始までの期間は、公式が平均3か月程度としています。

21. MAJOR FLOW Z KEIHI(パナソニック デジタル株式会社)

MAJOR FLOW Z KEIHIのウェブサイト

立替経費の精算に加えて、請求書の支払依頼と振替伝票による仕訳の修正・入力を標準機能で持つWeb経費精算システムです。パナソニック デジタル株式会社が提供し、クラウド版とオンプレミス版のどちらでも導入できます。公式サイトに掲載されている導入事例は中堅・大企業が中心です。

契約は最低50ユーザーからで、50ユーザーまでが月額10,000円(税抜)、以降は50ユーザーごとに10,000円が加算されます。50名で契約した場合の1人あたりは200円という計算になりますが、これは公式が単価として示した数値ではありません。初期費用は初回利用月のみ別途必要とされ、金額は公式に記載がありません。

電子帳簿保存法とインボイス制度については、経費精算/支払依頼の公式ページに記載がありません。JIIMA認証は同じシリーズの別製品「MAJOR FLOW 証憑保管」が掲げているもので、法対応まで含めるなら証憑保管と組み合わせた運用が前提になります。

会計ソフトは勘定奉行クラウドと直接連携できますが、OBCの奉行APIコネクトサービス経由で年間36,000円の連携オプションが必要です。ほかにSuperStream-NXとのCSV連携があります。無料トライアルが用意されている一方、サポートは問い合わせフォームが窓口で、電話やメールの受付時間は公式に記載がありません。

22. TeamSpirit経費(株式会社チームスピリット)

TeamSpirit経費のウェブサイト

勤怠管理・工数管理・電子稟議と同じ基盤の上で動く経費精算モジュールで、経費だけを単体で契約することもできます。株式会社チームスピリットが提供し、勤怠と揃えたい場合はセットプランを選べます。

経費単体のライセンス費用は月額18,000円〜(税抜、基本サポート費用込み)で、この最低月額に50ユーザー分のライセンスが含まれます。公式FAQには50名以下でも最低月額利用料は変動しないとあり、10名で使っても月18,000円〜が下限になります。初期費用は初回契約時に発生しますが、金額は公開されていません。

勤怠と経費のセットは月額30,000円〜、勤怠・工数・経費のセットは月額40,000円〜です(いずれも税抜)。Salesforceのプラットフォーム上で動きますが、公式FAQは「Salesforce社とお客様との契約は不要で、追加費用などもございません」としています。

電子帳簿保存法とインボイス制度には対応しており、JIIMAの電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証は2022年7月にTeamSpiritというプラットフォーム全体として取得しています。会計システムへはCSVやAPIで連携しますが、経費側で連携できる会計ソフトの製品名は公開されていません。

サポートは全契約に含まれるベーシックサポートのほか、専任コンサルタントが導入から運用までを支援する有償のプレミアサポート、単発のスポットサポートの3種類があります。対応時間帯は公式サイトに記載がありません。

契約前に確認しておきたい注意点

候補が絞れてきたところで、契約書にサインする前に確かめておきたい点が2つあります。どちらも導入直後には表面化せず、1〜2年経ってから効いてくるものです。

人数が増えたときに乗り換えになるか

いま10名の会社が3年後に40名になったとき、同じ製品を使い続けられるかが確認点になります。見るべきは次の3点です。

1つ目は上限人数です。少人数向けのプランに人数の上限が設けられている場合、そこを超えると上位プランへの変更が必要になり、1人あたり単価も上がります。上限に達したときの移行がデータを引き継いだまま行えるのか、契約をやり直すのかまで聞いておくと安心です。

2つ目は承認ルートの設計です。10名の会社では申請者と社長の2階層で足りますが、人数が増えると部門長を挟む階層が必要になり、金額によって承認者を変える運用も出てきます。多段階の承認や条件分岐に対応しているかは、導入時点では使わなくても確認しておく価値があります。

3つ目はデータの持ち出しです。過去の申請データと領収書を、契約終了後に自社で保存できる形で書き出せるかを確認してください。国税関係書類には保存義務があるため、乗り換えの際にデータを取り出せないと運用が止まります。無料プランでデータの保持期間が短い製品では、この点が特に問題になります。

システムに任せられない業務は残る

経費精算システムを入れても、社内で決めておかなければならないことは残ります。

まず社内規程です。どこまでを経費として認めるか、上限金額はいくらか、領収書がない場合にどう扱うかといったルールは、システム側で自動的に決まるものではありません。むしろシステムを入れると、あいまいだったルールが申請フォームの設計として表に出てきます。導入を機に規程を整理することになるケースは多く、その作業は自社で行います。

次に現金精算の扱いです。小口現金をなくして給与への振込にまとめるのか、現金の手渡しを残すのかは運用の判断で、システムはどちらにも対応できます。ただし現金を残す限り、出納帳の管理と実査は続きます。

小口現金をやめる場合の進め方や、切手・収入印紙のように現金以外で残りやすいものの扱いは、次の記事にまとめています。

システムを入れても自社に残る作業という点では、電子帳簿保存法も同じです。製品が要件を満たす機能を備えていても、事務処理の手順を定めた書類の備付けなど、機能以外の要件は自社で満たす必要があります。

ただし、要件どおりに保存できなかったことに相当の理由があると税務署長が認めた場合の猶予措置はありますが、その場合でも電子データそのものの保存は必要で、紙に出力した書面だけの保存に戻すことは認められていません。

出典・参考資料(1件)

社内で導入を説明するための材料

候補が決まっても、月額固定費が増えることを社内で説明できなければ稟議は通りません。ここでは、現状・変化・タイミング・費用の見立てという順に、説明に使える材料を整理します。

経理が兼任1〜2名の会社で起きていること

紙とExcelで経費精算を回している会社では、作業が月末から翌月初に集中します。申請書の記入内容と領収書の突き合わせ、勘定科目の判断、記入漏れの差し戻し、そして会計ソフトへの入力が、締めの数日に一度に来る形です。差し戻しが1回発生するたびに、申請者・承認者・経理の3者が同じ書類をもう一度触ることになります。

属人化も進みやすい状況です。勘定科目の判断や過去の処理との整合は担当者の記憶に依存し、担当者が休んだ月は精算が止まります。異動や退職で引き継ぎが発生したときに、判断の基準が言語化されていないことに気づくケースも少なくありません。

領収書の保管も負担になります。紙は月ごとにまとめて保管しますが、データで受け取った領収書は従業員のスマホやメールに残ったままになりがちです。前述のとおり、これも会社としての電子取引にあたり、会社として日付・金額・取引先で探せる状態にしておく必要があります。紙とデータが混在している状態は、実務として最も扱いにくい形です。

こうした状況にある会社は少なくありません。2026年版中小企業白書(帝国データバンクによる調査、n=12,215)がデジタル化の取組段階を尋ねた結果では、「紙や口頭による業務が中心で、デジタル化が図られていない状態」が15.4%でした。

同じ調査で「アナログな状況からデジタルツールを利用した業務環境に移行している状態」と答えた企業は57.3%でした。企業全体の状況を尋ねたもので経費精算に限った数値ではありませんが、移行の途上にある会社が最も多いことは読み取れます。

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システム化で変わること

変化は3つの立場に分けて説明すると伝わります。

申請する従業員は、外出先で領収書を撮影してその場で申請できるようになります。交通費は経路検索から金額が入り、手書きの精算書に日付と区間を書き写す作業がなくなります。月末にまとめて思い出しながら書くという状態から離れられるのが、現場にとっての一番の変化です。

承認する管理職は、申請の内容と領収書を同じ画面で確認し、移動中でも処理できるようになります。誰のところで止まっているかが一覧で見えるため、催促のやり取りも減ります。

経理は、突き合わせと入力の作業が減ります。申請の時点で必須項目が埋まっているため差し戻しが減り、承認済みの申請から仕訳が作られて会計ソフトへ渡るため、転記そのものがなくなります。領収書のデータも申請に紐づいて保存されるため、保管と検索の手間が下がります。

導入を検討するタイミング

いま動く理由を示せると、稟議は通りやすくなります。中小企業で検討が具体化するのは、次の3つの場面です。

1つ目は人数が増えたときです。申請の件数は従業員数に比例して増えるため、経理の作業時間はある人数を境に急に苦しくなります。採用計画が決まっている段階で検討を始めると、増員後に慌てずに済みます。

2つ目は法対応が必要になったときです。データで受け取った領収書が増えてくると、紙とデータが混在した保管では検索できる状態を保てなくなります。インボイス制度でも、取引先の登録番号の確認や特例の区分といった作業が増えます。手作業で吸収するには限界がある領域です。

3つ目は担当者の異動や退職が見えたときです。処理が1人に依存している状態で引き継ぎが発生すると、判断の基準ごと失われます。システム上に申請と承認の履歴が残っていれば、後任は過去の処理を見ながら進められます。

月額費用の増加を社内で説明するための考え方

説明の組み立て方は、削減できる時間を金額に置き換え、月額と並べる形が分かりやすくなります。経理・申請者・承認者それぞれが経費精算に使っている時間を月あたりで数え、人件費の時間単価を掛ければ、現状の金額が出ます。そのうえで、導入後にどれだけ減る見込みかを幅で示すと説明しやすくなります。

ここで効果を大きく見積もりすぎないことが大切です。バックオフィスのクラウド化について、2018年版中小企業白書がクラウド会計を対象に調べた結果では、月次処理の人日削減割合の平均は2.6割でした。

同じ白書は「導入前後で変わらなかった(削減が0割)企業や、むしろ増加した(削減が0割未満)企業が17%程度存在する」とも報告しています。対象が会計ソフトであり、調査時点も古いため経費精算システムの効果としてそのまま使うことはできませんが、平均で3割弱、効果が出ない場合もあるという水準感は、見立てを置くときの参考になります。

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金額以外の効果も並べておくと説明が立体的になります。担当者が休んでも精算が止まらないこと、電子帳簿保存法とインボイス制度への対応が仕組みとして担保されること、差し戻しのやり取りが減って現場の負担も下がることは、時間の削減とは別の価値です。

費用の提示は、初年度と次年度以降を分けておくと判断されやすくなります。初期費用がかかる製品では初年度の総額が大きく見えるため、2年目以降の月額だけの負担も同時に示すと判断しやすくなります。導入費用の一部については、国が中小企業向けに設けている補助金の対象になる場合があります。

2026年度は「デジタル化・AI導入補助金2026」という名称で、経費精算は補助対象となる機能の例として公募要領に挙げられています。ただし対象は事務局に登録されたITツールに限られ、仕訳機能や会計ソフトへの連携機能がなく経費費目と金額を入力・表示するだけのものは対象外とされています。

通常枠の補助率は2分の1以内で、一定の賃金要件を満たす場合は3分の2以内です。補助額は1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下とされています。相談対応などのサポート費用やクラウドサービスの利用料も補助対象に含まれます。

補助率と補助額は年度と枠によって変わります。検討している製品が登録ITツールかどうかも含め、最新の条件は公式サイトで確認してください(2026年8月時点)。

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IT担当がいなくても導入・定着できるか

導入を決めたあとに残るのが、「入れたのに現場が使わず紙に戻る」という不安です。専任のIT担当がいない体制でも運用開始まで到達するために、契約後にやることを具体的に見ておきます。

契約から運用開始までに実際にやること

作業は大きく4つに分かれます。従業員と部門の登録、経費科目と申請フォームの設定、承認ルートの設定、会計ソフトとの連携設定です。従業員が10〜30名程度であれば、登録作業そのものは数時間から1日で終わります。時間がかかるのは設定の中身を決めるほうで、経費科目をどう分けるか、どの金額から誰の承認を要するかといった判断に社内での確認が必要になります。

この判断を先に固めておくと、設定作業は一気に進みます。逆に、現行の運用があいまいなまま設定に入ると、途中で止まって導入が長引きます。初期設定の代行が用意されている製品では、この決めごとの部分から相談できます。

本番に入る前に、無料トライアルで1サイクル回しておくことをおすすめします。申請から承認、仕訳の書き出しまでを実際の取引で通すと、設定の抜けが見つかります。トライアル期間が1か月以上ある製品を選べば、月末の締めを1回通した状態で判断できます。

切り替え時期は、期首や消費税の課税期間の区切りに合わせると会計処理がきれいに分かれます。ただし決算期の直前は経理の負荷が高いため、決算作業と重ならない時期を選んでください。

現場に使ってもらうための社内周知とルールの簡素化

定着しない原因の多くは、機能ではなく最初の説明にあります。従業員にとって経費精算は本業ではないため、操作の説明を細かく行っても覚えてもらえません。伝えるのは「領収書を撮る」「申請する」の2つに絞り、それ以外は実際に困ったときに聞いてもらう形にしたほうが浸透します。

あわせて、この機会に入力項目を減らしてください。紙の精算書にあった項目をそのままシステムに移すと、入力の手間が変わらず「前のほうが早かった」という声が出ます。領収書の画像から自動で入る項目、選択式にできる項目、そもそも不要な項目を分けて、従業員が手で入力する箇所を最小限にしてください。

現場に使ってもらえるかどうかを最優先に置くなら、従業員が触るスマートフォンの画面の作りから製品を絞る見方もあります。次の記事では、スマホだけで申請から承認まで完結できるかという観点で比較しています。

切り替えの初月は、紙での提出も受け付ける並行期間を設けるより、日を決めて一度に切り替えたほうが早く定着します。並行期間を長く取ると、経理が両方の処理を抱えることになり、負担が増えます。締め日の前に一度リマインドを出し、未提出者に個別に声をかける運用を1〜2か月続ければ、多くの場合はそこで習慣になります。

まとめ

経理が兼任1〜2名という体制で経費精算システムを選ぶとき、最初に効いてくるのは機能の差ではなく契約の条件です。何名から契約できるか、契約単位が何名刻みか、誰が課金の対象になるか。この3つを確かめるだけで、候補はかなり絞り込めます。

そのうえで、いま使っている会計ソフトに仕訳が渡せるか、電子帳簿保存法とインボイス制度への対応がプランに含まれるか、設定と定着を人に相談できるかを見ていきます。

少人数から使った人数分だけ払いたいのか、初期費用をかけずに低価格で始めたいのか、会計や勤怠と揃えたいのか、人のサポートを受けたいのか、領収書の処理そのものを任せたいのか。この記事で分けた6つのタイプのうち、自社の事情に近いものから見ていくと判断が早くなります。

候補が2〜3社に絞れたら、料金が公開されていない項目と、電子帳簿保存法への対応が標準かオプションかを問い合わせで確定させてください。この2点が埋まれば、初年度と次年度以降の総額を並べた稟議資料が作れます。まずは気になる製品の資料をまとめて取り寄せ、自社の人数と体制に照らして比べてみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 大企業向けの経費精算システムと何が違うのですか?

A. 機能の考え方は同じで、違うのは契約の条件と、運用を支える仕組みのほうです

交通費や立替経費の申請・承認から領収書の保存、会計ソフトへの仕訳連携までを扱う点は共通です。少人数の会社が使ううえで効いてくるのは、数名から契約できること、初期費用が無料か低額に抑えられていること、設定の代行や問い合わせ窓口といった人のサポートが用意されていることです。逆に、部門をまたぐ多段階の承認や規程違反の自動チェックといった機能は、人数が増えてから必要になります。

Q. 従業員10名程度の会社でも導入する意味はありますか?

A. 中小企業向け経費精算システムは、従業員が10名程度でも、データで受け取る領収書が増えている会社や、月末に精算と会計ソフトへの入力が集中している会社では導入する価値があります。判断の基準は人数そのものではなく、毎月の申請件数と、領収書を保存・検索できる状態に保つ手間です。

特に効いてくるのが領収書の保存です。従業員がアプリやWebでデータのまま受け取った領収書は会社としての電子取引にあたり、国税庁は「従業員から集約し、会社として取りまとめて保存し、管理することが望ましい」としたうえで、集約までの間も日付・金額・取引先の検索条件に紐づく形で管理しておく必要があるとしています。10名規模でもこの状態を手作業で保つのは負担が大きく、システム化の理由になります。

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Q. 経費精算システムは何名から契約できますか?

A. 中小企業向け経費精算システムの契約下限は製品によって大きく分かれ、1名から契約できる製品がある一方で、公式に最低契約数を50ユーザーと定めている製品もあります

下限は人数だけでなく契約単位の形でも設定されています。10ID単位でしか契約できない製品では5名の会社も10名分を払うことになり、公式の1人あたり単価が安くても実質的な負担は倍になります。最低利用料金を設けていて、人数分の合計が下限に届かない場合はその金額で請求される製品もあります。人数で候補が外れることがあるため、機能や価格を比べる前に確認してください。

Q. 少人数の会社だと費用相場はいくらですか?

A. この記事で扱った22製品の公式料金から算出すると、従業員5名では月1,500円から10,750円、30名でAI-OCRと電子帳簿保存法への対応まで含めると月1万円台から3万円近くという幅になります(2026年8月時点、税抜・税別・税込は各社の表記に従っています)。

これに初期費用が別途かかります。無料と明記している製品から10万円台・30万円台を提示している製品まであり、少人数では初年度の総額に月額以上の差が出ます。稟議に出す金額は、初年度と次年度以降を分けて示しておくと社内での説明がぶれません。

Q. 無料で使える経費精算システムはありますか?

A. 無料プランを持つ製品はありますが、無料の範囲で電子帳簿保存法への対応やAI-OCRでの読み取りまで賄える製品は限られます

無料プランには、登録できる申請フォームの数が限られる、領収書ファイルを添付できない、データの保持期間が30日、チャットサポートの対象外といった条件が公式に明示されていることがあります。紙とExcelをやめることが目的なら、領収書の電子保存が無料枠の内か外かを先に確認してください。無料トライアルは1か月程度から最長2か月まであり、月末の締めを1回通せる長さがあるかを目安に選ぶと判断材料になります。

Q. IT担当者がいなくても運用できますか?

A. IT担当者がいなくても運用できますが、初期設定の代行と問い合わせ窓口がどこまで用意されているかで、立ち上げの難易度が変わります

従業員が10〜30名程度であれば、従業員と部門の登録、経費科目と申請フォームの設定、承認ルートの設定、会計ソフトとの連携設定という作業自体は数時間から1日で終わります。時間がかかるのは設定の中身を決めるほうで、経費科目の分け方やどの金額から誰の承認を要するかといった社内の決めごとです。

初期設定の代行がある製品では、この決めごとの部分から相談できます。低価格帯の製品や無料プランではサポートがチャットや問い合わせフォームに限られることがあるため、価格と併せて確認してください。

Q. 導入にはどれくらいの期間がかかりますか?

A. クラウド型であれば申し込みから数週間で設定を終えられ、社内のルール決めと従業員への周知まで含めると1〜2か月を見込むと現実的です

期間を左右するのは設定作業そのものではなく、経費科目や承認ルールを社内で決める時間です。現行の運用があいまいなまま設定に入ると途中で止まります。切り替え時期は期首や消費税の課税期間の区切りに合わせると会計処理がきれいに分かれますが、決算作業と重なる時期は避けてください。

Q. いま使っている会計ソフトを変えずに導入できますか?

A. 会計ソフトを変えずに経費精算システムだけを追加することはできますが、連携の深さが3段階に分かれる点を確認する必要があります

手間が最も少ないのは同じベンダーのシリーズ製品どうしで仕訳が自動で送られる形、次に相手先を製品名で指定した専用の連携、最後に汎用のCSVファイルを書き出して会計ソフト側で取り込む形です。

公式サイトに「主要な会計ソフトと連携」とだけ書かれていて製品名が挙がっていない場合は、実体がCSVでの受け渡しであることが多いため、自社の会計ソフト名で連携できるかを問い合わせで確かめてください。連携が有償オプションの製品もあります。

Q. 電子帳簿保存法への対応は、経費精算システムがないとできないのですか?

A. 経費精算システムがなくても電子帳簿保存法への対応は可能です。データで受け取った領収書の改ざん防止措置について、国税庁は4つの方法を示しており、そのうちの一つが「訂正削除の防止に関する事務処理規程を定め、備付け、運用する」という方法だからです。製品の価値は、この規程の運用と検索できる状態の維持を自社の手作業で回さずに済ませられる点にあります

ただし、システムの有無にかかわらず会社に残る義務はあります。電子取引データ保存は法人に対応が必要とされている制度で、受け取ったデータそのものを保存しなければなりません。

国税庁は、受領した領収書の日付・取引先・金額を確認して「改めてその取引情報のみをサーバ等に自ら入力することをもって電磁的記録の保存とすることは認められません」としています。金額と日付を手入力するだけの運用では要件を満たさない点に注意してください。

出典・参考資料(2件)

Q. 交通費や日当の精算にもインボイスの保存は必要ですか?

A. 3万円未満の公共交通機関による旅客の運送と、その旅行に通常必要と認められる出張旅費・宿泊費・日当については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(インボイスの保存は不要です)。出張旅費等は概算払だけでなく実費精算によるものも対象です。

範囲には注意が必要です。公共交通機関の特例は船舶・バス・鉄道が対象で、タクシーや航空機は含まれません。3万円以上の運送はインボイスの保存が仕入税額控除の要件になり、3万円未満かどうかは1回の取引の税込価額で判定します。出張旅費等の特例も「その旅行に通常必要であると認められる部分」=所得税が非課税となる範囲内に限られます。

また、特例を使う場合は帳簿に通常の記載事項に加えて「3万円未満の鉄道料金」のように該当する旨を記載する必要があります。経費精算システム側では、交通費や出張旅費に特例の区分を持たせられるか、その区分が会計ソフトへの連携時に引き継がれるかが確認点になります。

出典・参考資料(3件)

Q. 1万円未満の少額な経費もインボイスを保存しなければなりませんか?

A. 基準期間の課税売上高が1億円以下または特定期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者は、税込1万円未満の課税仕入れについて、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(少額特例)。

この特例は期限つきで、対象になるのは令和5年10月1日から令和11年9月30日までに行う課税仕入れです。令和11年10月1日以後は課税期間の途中であっても適用がなくなります。1万円未満かどうかは1商品ごとではなく一回の取引の税込金額で判定します。自社が要件を満たすかどうかで、少額の経費に対する運用の重さが変わるため、選定の前に確認しておくと判断がぶれません。

出典・参考資料(1件)

Q. 経費精算システムを導入すれば、紙の領収書は捨ててよいのですか?

A. スキャナ保存の要件に沿って読み取り、データの記録事項と書面の記載事項が同等であることを確認した後であれば、紙の原本は即時に廃棄して差し支えないと国税庁が示しています。ただし入力期間を過ぎた書類は、データと合わせて紙のまま保存する必要があります

入力期間は、自社の業務処理サイクルの期間とおおむね7営業日以内で、最長でも受領等から2か月とおおむね7営業日以内です。月末に精算が集中する会社では、締め日から読み取りまでが期間内に収まる運用にできるかが実質的な確認点になります。あわせて、紙の領収書をデータで保存するスキャナ保存は希望者向けの制度で、対応しないという選択もできます。

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Q. 従業員がスマホで撮影した領収書でも、電子帳簿保存法の要件を満たしますか?

A. 申請者本人がスマートフォンで撮影した領収書でもスキャナ保存の要件を満たせます。かつて必要とされた受領者による自署は、令和3年度改正で不要になりました

解像度は読み取った書類の大きさと画素数を基に判断され、国税庁はA4サイズの紙で約387万画素以上が必要としています。経費の領収書はA4より小さいものが多いため、実際に必要な画素数はこれより少なくなります。

撮影した画像の解像度が72dpiと表示されることがありますが、それが要件を満たさないことを示すわけではない点も同じ資料で説明されています。カラーでの読み取りや訂正削除の履歴が残る仕組みなど、他の要件は別途必要です。

出典・参考資料(1件)

Q. 人数が増えたら乗り換えることになりますか?

A. 上限人数のあるプランや契約単位の刻みによって上位プランへの変更が必要になることはありますが、同じ製品のまま人数を増やせる設計も多く、乗り換えが避けられないわけではありません

契約前に見ておきたいのは3点です。1つ目は少人数向けプランの上限人数と、上限に達したときにデータを引き継いだまま移行できるか。2つ目は多段階の承認や金額による条件分岐に対応しているかで、10名では使わなくても人数が増えると必要になります。

3つ目は契約終了後に過去の申請データと領収書を自社で保存できる形で書き出せるかです。国税関係書類には保存義務があるため、データを取り出せないと乗り換え自体が止まります。

Q. 導入に補助金は使えますか?

A. デジタル化・AI導入補助金2026(旧:IT導入補助金)の通常枠では、公募要領が補助対象の機能例として「経費精算」を挙げています。クラウドサービスの利用料も最大2年分が補助対象に含まれます。

ただし条件があります。対象となるのは事務局に登録されたITツールに限られ、公募要領は「仕訳機能や会計ソフトへの連携機能がなく、経費費目と金額を入力・表示するだけのものは対象外とする」としています。

申請には事務局に登録されたIT導入支援事業者とのパートナーシップが必要で、GビズIDプライムのアカウント取得(発行まで約2週間)とSECURITY ACTIONの宣言も交付申請の要件です。制度は年度ごとに条件が変わるため、検討中の製品が登録ITツールかどうかも含め、最新の情報は公式サイトで確認してください(2026年8月時点)。

出典・参考資料(3件)

Q. 導入すればすぐに効果が出ますか?

A. 効果が出るまでには一定の期間がかかり、導入したすべての会社で作業時間が減るわけでもありません。設定と社内周知が終わり、従業員が申請に慣れるまでの1〜2か月は、経理の負担がむしろ一時的に増えることもあります。

効果の見立てを置くときは、他社の削減率を借りるより自社の現状の処理時間から積み上げるほうが確実です。参考として、2018年版中小企業白書がクラウド会計について調べた結果では、月次処理の人日削減割合の平均は2.6割で、同時に「導入前後で変わらなかった(削減が0割)企業や、むしろ増加した(削減が0割未満)企業が17%程度存在する」とも報告されています。

対象が会計ソフトで調査時点も古いため経費精算システムの効果としてそのまま使うことはできませんが、効果が出ない場合もあるという前提で稟議の数字を置いておくと、導入後の説明がしやすくなります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
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