BtoC消費者債権の督促業務を効率化するには、SMS・オートコール(IVR)・RCSを活用した自動化が不可欠です。人手による架電や郵送では、月数千〜数万件に及ぶ未入金者への対応が追いつかず、現場の負担が増加し続けています。
本記事では、督促を自動化するサービス9社を「SMS型」「オートコール型」「RCS型」の3タイプに分けて比較・解説します。料金体系や機能、段階督促の組み立て方、関連法令のポイントも整理しました。自社のオペレーションに最適なサービス選びにご活用ください。
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目次
本記事で取り上げる9サービスに共通する条件
本記事で比較する9サービスは、いずれも以下の条件を満たします。SMS・オートコール・RCSを問わず、BtoC消費者債権の回収業務に活用できる通知・督促機能を持つサービスに絞っています。汎用的なマーケティング用途のみを想定した配信ツールや、コールセンター向けのアウトバウンドダイヤラー専用製品は含みません。
- SMS・オートコール(IVR)・RCSのいずれかの送信機能を提供
- BtoC消費者債権(家賃・通販・公共料金など)での導入実績や用途訴求がある
- 日本市場で提供中
- クラウド型で提供(オンプレミス不要)
- API連携または管理画面からの一括配信機能を提供
SMS送信サービス全般(督促用途以外を含む)を幅広く比較したい場合は、以下の記事をご参照ください。
BtoC消費者債権の督促自動化サービスとは?
督促自動化サービスは、手作業での架電・郵送をシステム経由の一斉配信に置き換え、オペレーターをより付加価値の高い業務へ集中させるためのクラウドサービスです。
自動化が求められる背景
BtoCの督促業務は「少額かつ大量」という特性上、1日200件程度が限界とされる人手での架電では費用対効果が合いません。
また、クレーム対応等による心理的負担も大きいため、初期・中期の督促を自動化し、最終段階のみ有人で対応する運用設計が急務となっています。
段階督促の組み立て方
経過日数に応じて督促チャネルを強める「段階督促」の設計が、回収率改善の鍵を握ります。

早期(〜2週間)はSMS等の低コストなリマインドで「うっかり滞納」を回収し、中期(〜1か月)はオートコールで再アプローチ。最終段階(1か月以上)でのみ有人架電や法的措置へ移行することで、稼働を最小化しつつ効果を最大化できます。
BtoC督促自動化サービスの3つのチャネルタイプ
各チャネルは到達率やコストが異なるため、自社の対象債権や段階督促の組み立てに応じて選び分ける必要があります。

| タイプ | 特徴 | 該当する主なサービス | 詳細 |
|---|---|---|---|
| SMS型 | 電話番号宛てに短文メッセージを一斉配信。1通あたり数円〜十数円、開封率が高くスモールスタートしやすい | オーロラSMS by メディアSMS、Cuenote SMS、空電プッシュ、SMSLINK | 比較表を見る |
| オートコール(IVR)型 | 自動音声で一斉架電し、プッシュ番号入力で支払意思や支払方法案内を行う。固定電話宛て・高齢者層への到達に強い | DHKクラウドオートコール、CallCall IVR、SimpleConnect | 比較表を見る |
| RCS型 | 画像・動画・リッチカードを送信できるSMS次世代規格。RCS非対応端末にはSMSへ自動フォールバック | 絶対リーチ!RCS、KDDI Message Cast | 比較表を見る |
1. SMS型
SMS型は、開封率の高さと手軽さが強みであり、「うっかり滞納者」への初期リマインドに最適です。1通数円から利用でき、固定費ゼロのサービスも多いためスモールスタートに向きます。支払リンクを含めることで、オペレーターを介さず支払行動へ直結させることが可能です。
2. オートコール(IVR)型
オートコール型は、SMSが届きにくい高齢者層や固定電話へのアプローチに強みを発揮します。自動音声で一斉架電し、プッシュ入力で支払意思確認をその場で完結できるため、自治体や公共料金の督促で広く採用されています。SMS機能を併せ持つサービスも多く、チャネルの使い分けが容易です。
3. RCS型
RCS型は、画像や支払いボタンなど視覚的なリッチメッセージを用いた高い誘導率が特徴です。非対応端末にはSMSへ自動で切り替わるため、リーチを落とすリスクもありません。複数通に分けていた長文案内を1通に集約できるため、複雑な説明必要とされる督促にも適しています。
BtoC督促自動化サービスの選び方
サービス選定時は、以下の5つのポイントを順に確認することで、自社に最適なチャネルとツールを絞り込めます。
- 対象債権と件数に合うチャネルか
- 若年層・カード債権ならSMS/RCS。高齢者・公共料金ならオートコール。件数に応じて月額固定か従量課金かを選択します。
- 段階督促に組み込めるか
- 初期(SMS)〜中期(オートコール)のシナリオに合わせて、統合型サービスか特化型サービスを組み合わせるかを検討します。
- 既存システムと連携できるか
- 月数千件規模ならAPI連携やCRM連動が必須です。配信結果の自動消込が可能かどうかが工数削減の鍵になります。
- 料金体系が規模に合っているか
- 数百件なら「成功課金型」、数千〜数万件なら「月額固定+超過分従量型」、それ以上ならボリュームディスカウントを狙います。
- コンプライアンス要件を満たしているか
- ISMSやPマークの取得、深夜・早朝の配信制御、他人接続判定など、法令遵守とセキュリティ対策が充実しているか確認します。
自社に合うタイプがわからない場合は診断ツールをご活用ください
BtoC督促自動化サービス9選の比較
【タイプ別比較表】SMS型
| サービス名 | オーロラSMS by メディアSMS | Cuenote SMS | 空電プッシュ | SMSLINK |
|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社メディア4u | ユミルリンク株式会社 | NTTドコモビジネスX株式会社 | 株式会社ネクスウェイ |
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 要問合せ | 0円 |
| 月額基本料 | 0円 | 0円〜 | 要問合せ | 0円(最低利用1,000円/月) |
| 配信単価 | 完全成功課金(要問合せ) | 1通6円〜(ボリュームディスカウントあり) | 要問合せ | 1通6円〜 |
| 督促業務向け実績 | ○n(家賃・通販・カード・保険料など幅広く対応) | ○n(自治体・金融・EC事業者で督促導入事例) | ◎n(家賃管理・自治体・債権回収業界で導入事例多数) | ○n(不動産・弁護士事務所・脱毛サロンなど督促事例公開) |
| 認証・セキュリティ | Pマーク/ISO27001/ISO27017 | Pマーク/ISO27001/ISO27017/ASP・SaaS安全・信頼性情報開示認定 | 公式に明示なし(要問合せ) | Pマーク取得 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
1. オーロラSMS by メディアSMS(株式会社メディア4u)

初期費用・月額基本料0円で、配信成功分のみ課金される完全成功課金型の国内法人向けSMS配信サービスです。配信失敗分には課金されないためコストの予測が立てやすく、家賃・通販・カード・保険料などの未収金督促に幅広く利用されています。国内全キャリア対応、双方向SMSやAPI連携を備え、プライバシーマークやISO/IEC 27017などの主要なセキュリティ認証も完備しています。
2. Cuenote SMS(ユミルリンク株式会社)

Cuenoteシリーズ全体で契約2,800社以上を擁する大規模インフラを背景に、自治体・金融機関・ECでの督促実績が豊富なサービスです。1通6円からの従量課金(初期0円)で、最大660文字の長文SMSや、誤配信を防ぐ他人接続判定機能を備えています。木更津市の自治体事例では、税金収納額が前年同期比で約31%増加、督促状発送件数が約2,000件削減されたと公表されています。
3. 空電プッシュ(NTTドコモビジネスX株式会社)

SMS送信サービスにおいて10年連続シェア上位を誇り、BtoC督促領域で圧倒的な導入実績を公開しています。東急住宅リースや債権回収業のイントラストなどの事例に加え、複数の自治体で住民税や公共料金の徴収に活用され、紙媒体督促コストの大幅削減が実証されています。標準版のほか、RCS対応版や自治体向けLGWAN環境対応プランなどの派生プランも選択可能です。
4. SMSLINK(株式会社ネクスウェイ)

初期費用0円・月額基本料0円(最低利用1,000円/月)、1通6円からの従量課金で、月数百件規模のスモールスタートに適したサービスです。不動産や弁護士事務所、サロンなどの督促事例を公開しており、弁護士事務所の事例では回収率が約50%向上したと訴求されています。Web版とAPI版の2形態を提供し、他社フォールバックやURLクリック追跡、Pマーク取得など実務に必要な要件を網羅しています。
【タイプ別比較表】オートコール(IVR)型
| サービス名 | DHKクラウドオートコール | CallCall IVR | SimpleConnect |
|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社電話放送局 | ルーシッド株式会社 | Cloopen株式会社 |
| 初期費用 | 50,000円〜(自治体向け200,000円〜) | 要問合せ | 1,980円 |
| 月額基本料 | 50,000円〜(月1,000件応答含む) | 要問合せ | 1ID 1,980円〜(1チャネル800円・電話番号200円) |
| 配信単価 | 固定電話21円/件、携帯32円/件(超過分) | 要問合せ | 音声通話は別途従量 |
| 督促業務向け実績 | ◎n(家賃・公共料金・保険料・通販代金・自治体に強い) | ○n(後払い決済代行業で自動処理率60%・回収率約6%向上の事例) | ○n(公式に支払い督促自動化シナリオを公開) |
| 認証・セキュリティ | ISO27001/Pマーク/PCI DSS/ETOC認証 | Pマーク取得 | ISO27001/ISO27017 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式サイト | 公式サイト |
5. DHKクラウドオートコール(株式会社電話放送局)

自動音声案内(IVR)とSMS送信を組み合わせ、固定電話宛ては音声案内、携帯宛ては文字メッセージへ自動で切り替える設計が特徴です。料金は初期50,000円〜・月額50,000円〜(1,000件応答含む)で、家賃・公共料金・自治体(住民税徴収など)のBtoC消費者債権に特化しています。音声専業として信頼性が高く、PCI DSSやETOC認証など最高峰のセキュリティ体制を構築しています。
6. CallCall IVR(ルーシッド株式会社)

通話録音、音声認識、SMS連携などを標準搭載し、SalesforceやkintoneなどのSaaSとも柔軟に連携できるクラウド型IVRサービスです。後払い決済代行業のキャッチボール社(後払い.com)の事例では、IVR自動処理率60%、回収率約6%向上、貸倒損失数千万円の削減見込みという高い導入効果を公表しています。24時間無人対応できる設計により、夜間・休日の支払意思確認や請求書再発行受付を無人化できます。
7. SimpleConnect(Cloopen株式会社)

初期費用1,980円、1ID月額1,980円からという圧倒的な低価格で、小〜中規模のコールセンターや督促業務の自動化をスモールスタートできる統合プラットフォームです。IVR応答、プレディクティブコール、SMS、LINE、CRM連携を1つに集約。公式サイトでは「支払い督促自動化シナリオ」のテンプレートを公開しており、導入後すぐに実務へ組み込める設計になっています。
【タイプ別比較表】RCS型
| サービス名 | 絶対リーチ!RCS | KDDI Message Cast |
|---|---|---|
| 提供会社 | AI CROSS株式会社 | KDDI株式会社 |
| 初期費用 | 要問合せ | 0円 |
| 月額基本料 | 要問合せ | 0円 |
| 配信単価 | 従量課金(要問合せ) | 1通9.35円〜(税込・完全従量課金) |
| 督促業務向け実績 | ○n(家賃・公共料金・通販・カード・保険料の督促に対応) | ○n(自治体・auフィナンシャル等で督促事例あり) |
| 認証・セキュリティ | ISO27001/Pマーク | 公式に明示なし(要問合せ) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式サイト |
8. 絶対リーチ!RCS(AI CROSS株式会社)

1通の課金内で2,730文字+画像+最大5枚のカルーセルリッチカードを送信でき、情報量の多い督促案内を1通に集約できるプラットフォームです。ノーコードのチャットボット構築、PDFファイル添付、パスワード設定など、確実な支払行動へ誘導するための機能が充実。シリーズ累計8,000社以上の導入実績を持ち、RCS非対応端末にはSMSへ自動フォールバックする高い到達率設計を備えています。
9. KDDI Message Cast(KDDI株式会社)

初期費用0円・月額基本料0円、1通9.35円(税込)からの完全従量課金で、SMS・+メッセージ・RCSの3チャネルを統合配信できるサービスです。公式事例として、出雲市上下水道局で督促状発送前に配信した結果、対象者の約40%が発送前に支払いを完了した事例や、大府市役所で電話督促工数を約6割削減した事例が公開されています。BOXIL調査(2025年3月)でSMS送信サービス市場のシェアNo.1を訴求しています。
BtoC消費者債権の督促に関連する法令・ガイドライン
督促自動化ツールの導入にあたっては、個人情報保護法や各種事業法に基づく「安全管理措置」と「配信運用ルール」の遵守が必須です。
- 個人情報保護法:
- サービス提供者を「業務委託先」として位置づけ、ISMSやPマーク取得などの安全管理措置を確認する必要があります。
- 電気通信事業法・特定電子メール法:
- 督促目的の連絡は同意取得義務の例外になりやすいですが、規約への同意条項明記と、深夜・早朝の配信制御を行うのが実務上の基本です。
- 貸金業法・割賦販売法:
- 一般BtoC事業者も社会通念上参照すべき基準です。システム側での配信時間帯制御や、自動オプトアウト機能の活用が有効です。
- 民法(時効関連):
- SMS等での督促単体では「時効の更新」になりません。時効管理と紐付けるため、長期ログ保存機能の有無を確認しておきましょう。
【例文付き】SMSによる督促の効果的な送り方とメールとの違いを解説|おすすめサービスも
支払い請求を督促する電話はつながらず、メールは埋もれてしまう。こうした課題を抱える企業は少なくありません。 この状況を打破するため、近年ではSMS送信サービスを活用した督促手法に注目が集まっています。 SMSでの督促は携帯電話への直接配信に…
まとめ
BtoC督促の自動化は、自社の運用設計(段階督促)に最も適したチャネルを選ぶことが成功の近道です。
手軽な文字リマインドなら「SMS型」、高齢者や固定電話への音声案内なら「オートコール型」、視覚的誘導なら「RCS型」を軸に検討しましょう。対象債権の性質や月間件数、既存システムとの連携可否、法令対応レベルを基準にすれば、自社にフィットするツールをスムーズに絞り込めます。

売掛金回収代行サービスおすすめ比較!未回収リスクを防ぐ5つの選び方も解説
売掛金の未回収に頭を抱えていませんか?「商品を納品したのに代金が振り込まれない」「督促しても先延ばしにされる」といった状況が続くと、資金繰りが不安になり、経営にも支障をきたしかねません。 実は2020年の倒産企業の約半数は黒字決算だったとの…
よくある質問(FAQ)
Q. SMS・オートコール・RCSはどう使い分ければよいですか?
A. 対象債権の属性層と督促段階に応じて使い分けるのが基本です。早期(支払期限から数日〜2週間)は単価が安く開封率が高いSMSが若年層向けに効果的です。
中期(2週間〜1か月)は固定電話層に強いオートコールによる音声案内が適し、RCSは画像や支払いボタンを用いた複雑な督促に向きます。複数チャネルを組み合わせることで、回収率と顧客関係の維持を両立できます。
Q. 督促業務の自動化で個人情報保護法・電気通信事業法に違反しないか心配です
A. サービス事業者を業務委託先として位置付け、安全管理措置と運用ルールを徹底すれば原則問題ありません。督促メッセージは特定電子メール法の同意取得義務の例外に該当することが多いですが、規約への同意条項明記と深夜・早朝の配信制御は必須です。
選定時はISMS・Pマーク・ISO27017の取得やオプトアウト機能の自動化を一通り確認してください。
Q. 既存の債権管理システムと連携できないサービスは導入できませんか?
A. 連携機能がなくてもCSVの手動アップロードで導入可能ですが、月数千件以上の規模では自動連携を強く推奨します。
REST APIやWebhook、Salesforce・kintoneなどのSaaS標準連携を備えたサービスを選べば、配信結果(送信成功・応答内容など)を自動で債権管理側に戻せるため、入金消込業務を含めた大幅なオペレーション工数の削減が実現します。
Q. 完全成功課金型と月額固定型はどちらが有利ですか?
A. 自社の配信規模と件数の安定性によって有利な料金体系が変わります。月間数百件や件数変動が大きい場合は、初期費用・月額基本料が0円の「完全成功課金・完全従量課金型」が適しています。
一方、月数千件以上で件数が安定している場合は、超過分のみ従量課金となる「月額固定型」の方が1件あたりの単価が下がる傾向にあります。数万件以上の場合はカスタムプラン(個別見積もり)での最適化が一般的です。
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