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不正検知サービスおすすめ17選を比較|EC・会員サイト・カード会社別に料金と検知方式で選ぶ

不正検知サービス おすすめ17選のサムネイル画像

注文情報を1件ずつ目で確認し、怪しい注文だけを止める。ECサイトの不正対策は多くの現場でこの作業から始まりますが、注文数が増えるほど確認は追いつかなくなり、見逃した1件がチャージバックとして返ってきます。売上は取り消され、発送済みの商品も送料も戻りません。

この目視の限界を埋めるのが不正検知サービスです。注文情報や端末情報を機械が審査し、出荷やサービス提供の前に不正の疑いがある注文を止めます。ただ、一口に不正検知サービスといっても、守る対象はECの注文なのか会員アカウントなのか、判定はルールで行うのかAIで行うのか、決済代行につなぐだけで使えるのか自社で実装が要るのかによって、選ぶべきサービスは変わります。

本記事では、不正検知サービス17製品を守る対象別に分類し、検知方式・参照するデータ・つなぎ込み方式・料金・チャージバック保証の有無を比較します。公開されている料金を横並びにし、導入後の運用や誤検知への向き合い方まで整理しました。自社に合うサービスを絞り込むための材料としてご活用ください。

また、自社の状況に合うサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」もご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

不正検知サービスとは

不正検知サービスとは、注文や会員登録、ログイン、決済といった申込内容を機械が審査し、商品の出荷やサービスの提供に進む前に不正の疑いがある取引を止める仕組みです。他人のクレジットカード情報を使ったなりすまし注文や、転売を目的とした大量注文を、被害が確定する前に食い止めることを目的としています。

ファイアウォールやWAF(Webアプリケーションファイアウォール)が「入口で通信をふるいにかける」役割を担うのに対して、不正検知サービスが見るのは正規の入口を通ってきた申込そのものです。決済自体は成立していても、その注文が本人のものかどうかを判定するところに違いがあります。

一方、止めたいのが注文や会員アカウントではなく、社内ネットワークやサーバー・業務端末への侵入である場合は、EDRやNDRなど別の仕組みが対象になります。そちらの製品を比較したい方は、以下の記事で検知するレイヤー別に整理しています。

注文が判定され出荷が止まるまでの流れ

ここからは、実際の業務のどこに審査が挟まるのかを見ていきます。基本の流れは、注文の受付から出荷判断までの間に判定を1回入れる形です。

注文の受付から出荷判断までの流れを示した図解。注文情報が不正検知サービスへ送られ、数百ミリ秒から数秒で審査され、問題なし(そのまま出荷)・不正の疑いが高い(出荷を保留するか自動でキャンセル)・どちらとも言えない(保留して追加で確認)の3段階の判定が返る

まず、購入者が注文を確定すると、注文情報がカートや決済システムから不正検知サービスへ送られます。サービス側は受け取った情報を数百ミリ秒から数秒で審査し、結果を返します。この間、購入者側の画面はそのまま進むため、購入体験は基本的に変わりません。

返ってくる判定は、多くのサービスで問題なし・不正の疑いが高い・どちらとも言えないの3段階です。問題なしと判定された注文はそのまま出荷へ進み、疑いが高い注文は出荷を保留するか自動でキャンセルします。判断がつかない注文は保留にして、担当者が追加で確認するか、購入者に本人認証を求めるといった対応に回します。

この3段階目の扱いが運用の負荷を左右します。どこまでを自動で処理し、どこから人が見るのかは設定次第で変わるため、導入時に決めておく必要があります。

不正検知サービスがチェックできる項目

審査で使われるのは、注文フォームに入力された情報と、購入者の端末やアクセスから取得できる情報です。代表的な項目は次のとおりです。

  • 配送先の情報:過去に不正注文で使われた住所か、集合住宅の空室や転送業者の住所ではないか
  • 端末の情報:ブラウザやOSの構成から端末を識別し、同一端末から別人名義の注文が繰り返されていないか
  • IPアドレス・接続元:配送先と接続元の国や地域が大きく離れていないか、匿名化の経路を使っていないか
  • メールアドレス・電話番号:使い捨てのドメインではないか、数字の並びが不自然でないか
  • 購入の頻度と金額:短時間に同一商品を大量に購入していないか、普段と大きく異なる高額注文でないか
  • 過去の不正データとの照合:自社に蓄積した情報、またはサービスが事業者横断で保有する不正情報と一致しないか

このうち、最後の照合をどこまで広く行えるかがサービスによって大きく異なります。自社の注文履歴だけを見るのか、他の事業者で観測された不正情報まで照合できるのかで、初めて自社に来た不正注文を止められるかどうかが変わるためです。この違いは選び方の章で改めて扱います。

3Dセキュア・セキュリティコードなど他の対策との違いと併用

クレジットカードの不正利用対策としては、不正検知サービスのほかにも本人認証や券面認証といった手段があります。それぞれ止められる場面が違うため、どれか一つを入れれば足りるというものではありません。

クレジット取引セキュリティ対策協議会が定める「クレジットカード・セキュリティガイドライン」は、EC加盟店の対策を取引の流れに沿って配置する考え方を示しています。

このため、EC 加盟店の Web サイトの利用を開始する場面から商品の受け渡しが完了する場面までの「カード決済前」「カード決済時」「カード決済後」の取引の流れを「線」として捉え、その線上の各タイミングにおいて適切な対策を講じることが必要であり、これを「線の考え方」に基づく対策の導入という。

出典:クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】|クレジット取引セキュリティ対策協議会

この整理でいうと、本人認証(EMV 3-Dセキュア)は「カード決済時」に置かれる対策です。カード会社が会員のデバイス情報などから不正のリスクを判断し、必要に応じてパスワード入力などを求めます。判断を行うのはカード会社側であり、加盟店が判定基準を持つわけではありません。

券面認証(セキュリティコード)は、カード券面に印字された数桁の番号を入力させることで、番号だけを盗んだ第三者の利用を弾く仕組みです。導入負担は軽いものの、券面情報ごと流出したケースには効きません。

これらに対して不正検知サービス(ガイドラインでは「属性・行動分析」と呼ばれています)は、認証の可否ではなく取引そのものの不自然さを見ます。同ガイドラインの附属文書は、この手法が決済前・決済時・決済後のいずれのタイミングでも有効だとしています。カード決済以外の後払いや代金引換にも適用でき、転売目的の大量注文やポイント狙いの重複登録といった、カード不正以外の動機にも対応できる点も違いです。

出典・参考資料(1件)
クレジットカード・セキュリティガイドラインの「線の考え方」を示した図解。カード決済前・カード決済時・カード決済後の流れのうち、本人認証(EMV 3-Dセキュア)はカード決済時に置かれ、不正検知サービス(属性・行動分析)はいずれのタイミングでも有効とされることを示す

両者は競合しません。ガイドラインは、本人認証は原則として決済の都度行うものとしたうえで、次のように運用の幅を認めています。

EC 加盟店は、EMV 3-D セキュアを導入した上で、原則としては決済の都度、EMV 3-D セキュアによる認証を行うことが求められるが、加盟店が EMV 3-D セキュア以外に講じる不正利用対策の内容や抑止効果に応じて、カード番号の登録時に EMV 3-D セキュアによる認証を行う運用や加盟店のリスク判断により EMV 3-D セキュアによる認証を行う運用も認められる。

出典:クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】|クレジット取引セキュリティ対策協議会

このように、不正検知サービスを厚くするほど、すべての購入者に追加認証を求めなくても済む運用の余地が広がります。認証による離脱を抑えたい事業者にとっては、この点が併用の実際的な意味になります。

不正検知サービスのタイプ(何の不正を止めるかで分かれる)

不正検知サービスは、守る対象によって設計が大きく異なります。ここでは、自社が守りたいものはどこかという観点で3つのタイプに分けて整理します。加盟店として自社の注文やアカウントを守るなら前の2つ、カードの発行や決済処理を担う立場なら3つ目のタイプが対象です。

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特徴主な導入者止められる被害詳細
ECサイトの不正注文を出荷前に止めるタイプ注文情報を審査し、出荷やサービス提供の前に不正を判定する。判定はルール・AI・両者の併用で分かれる自社ECを運営する通販・小売・D2C事業者チャージバック、転売目的の買い占め、後払いの未払い比較表を見る
会員サイト・金融サービスのなりすましログインを検知するタイプログインや会員登録の場面で端末情報と操作の挙動を分析し、本人以外のアクセスを検知する会員制サービス・金融機関・ポイント運営事業者アカウント乗っ取り、リスト型攻撃、ポイントの不正利用比較表を見る
カード会社・決済事業者が取引をスコアリングするタイプ加盟店をまたいだカード利用データを学習し、オーソリの段階で不正取引をスコア判定するカード発行会社・決済代行会社・コード決済事業者自社が発行・処理するカードの不正利用比較表を見る

ECサイトの不正注文を出荷前に止めるタイプ

自社ECで受けた注文を1件ずつ審査し、出荷や役務提供の前に不正の疑いを判定するタイプです。配送先・端末・メールアドレス・購入履歴といった注文情報を組み合わせて判定するため、カード決済に限らず、後払いや代金引換の注文にも適用できます。

判定の作りは、あらかじめ決めた条件に当てはめるルールベース、蓄積したデータから学習したモデルで判定するAIベース、そして両者を組み合わせるものに分かれます。ルールベースは自社の商材に合わせた条件を足しやすく、AIベースは新しい手口への追随が期待できるという違いがあります。

換金性の高い商材を扱う事業者や、チャージバックが実際に発生している事業者は、まずこのタイプが候補になります。

会員サイト・金融サービスのなりすましログインを検知するタイプ

守る対象を注文ではなくアカウントに置いたタイプです。ログインや会員登録、登録情報の変更といった場面で、接続してきた端末の特徴や画面上の操作の挙動を分析し、本人ではない可能性が高いアクセスを判別します。

転売対策を目的にしている場合は、人手による買い占めなら1つ目のタイプ、プログラムによる自動購入ならこのタイプが対応します。

どこかで流出したIDとパスワードの組み合わせを大量に試すリスト型攻撃や、乗っ取ったアカウントに登録済みのカード・ポイントを使う被害は、決済の段階では正規利用と区別がつきません。アカウント側で先に止める必要があるのはこのためです。

会員にポイントや残高を持たせているサービス、金融サービス、そして転売目的の自動購入が問題になっている事業者に向いています。

カード会社・決済事業者が取引をスコアリングするタイプ

加盟店ではなく、カードを発行する側・決済を処理する側が導入するタイプです。自社が処理する取引を、オーソリの応答を返すまでの間にスコア化し、不正の可能性が高い取引を止めます。

特徴は、参照するデータの範囲が加盟店をまたぐ点にあります。1つの加盟店では珍しくない使われ方でも、複数の加盟店を横断して見ると不自然な連続利用が見えることがあり、これを検知の材料にします。事業者ごとの学習データが足りない場合に備えて、複数社のモデルを共通で使える形をとるサービスもあります。

カードの発行やプリペイド・コード決済の提供を行う事業者が対象で、自社ECの注文審査を目的とする場合は前の2タイプが候補になります。

不正検知サービスの費用相場と料金体系

不正検知サービスの料金は公開されていないものが多く、比較の段階で費用感がつかみにくい領域です。ここでは、公開情報として確認できる範囲で費用の水準を整理します。

費用が決まる変数

料金は主に4つの要素で組み立てられています。それぞれがどう効くのかを押さえておくと、見積もりを取ったときに比較しやすくなります。

1つ目は初期費用です。公開されているものでは10万円から50万円程度までの幅があり、決済代行やカートの標準機能として提供される場合に低く、直接契約で自社向けにルールを組む場合に高くなる傾向があります。

2つ目は月額の基本料金です。公開されている水準は幅が大きく、ECの注文審査では月額3,000円台から18万円台、会員のログイン監視では月額5万円台から10万円台が確認できます。多くの場合、この基本料金に一定の審査件数が含まれます。

3つ目は審査件数に応じた従量課金です。含まれる件数を超えた分に、1件あたり数円から、100件あたり数千円といった単位で加算されます。月間の注文件数が読めれば、この部分で実際の負担額を試算できます。

4つ目は、機能の使い方に応じた課金の有無です。判定ルールの設定数やAPIの呼び出し回数で課金しない方針を明示しているサービスもあり、運用を作り込むほど費用が膨らむのかどうかを分ける要素になります。あわせて、チャージバック保証を付ける場合は別料金になるのが一般的です。

公開されている料金の水準

以下は、初期費用・月額・従量課金のいずれかで金額が公開されているサービスを並べたものです。同じサービスでも契約する経路によって金額が変わるため、経路が公開されているものは経路ごとに分けています。

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サービス名不正チェッカーO-PLUX
Payment Protection
ASUKA
(MakeShop経由)
GMOイプシロン「不正検知サービス」
(提供元: 株式会社アクル)
ASUKA
(Shopifyアプリ)
O-PLUX Account Protection
(旧O-MOTION)
LexisNexis ThreatMetrix
(富士ソフト経由)
F5 Distributed Cloud Bot DefenseAI不正検知サービス
(TISI株式会社)
Riskified
初期費用10万円30万円〜10万円(税別・大量アタック対策版)
50万円(税別・通常版)
非公開非公開非公開無料非公開非公開非公開
月額費用4,000円
(不正注文対策プラン・審査1,000件込み)
4,000円
(クレジットマスター対策プラン・審査4,000件込み)
3万円〜5万円(税別・大量アタック対策版)
18万円〜(税別・通常版)
3,000円
(税抜・審査100件まで)
1,320米ドル
(米ドル建て請求)
5万円〜/10万円〜
(案内により金額が分かれる)
非公開
(年間ライセンス制)
非公開非公開非公開
(成果報酬型)
従量課金の単位1,001件目から1件4円
(クレジットマスター対策プランは4,001件目から1件1円)
TAG連携は別途追加費用
審査件数に応じた変動費制
(単価は非公開)
非公開100件ごと2,000円(税抜)非公開非公開トランザクション量に応じて変動
(単価は非公開)
トランザクション数
(Standardは1日50万件、Advancedバンドルは1日100万件が上限)
ルール設定数による課金なし(設定数の上限あり)
スコアリング機能もオプション費用なし
承認した注文にのみ課金
(料率は非公開)

以下は初期費用・月額・課金の単位のいずれも公開されていません:Sardine、Sift、ACI ReD Shield、Forter、不正対策.com、CAFIS Brain、FraudAlert、ACEPlus/IFINDS、CARDSavior。いずれも問い合わせによる個別見積もりになります。

※「非公開」は、公式サイトで金額が公開されていないことを示します。不正チェッカーとO-PLUX Payment Protectionは提供元の公式料金ページ、ASUKAの各経路とThreatMetrixは連携先・代理店の公式ページに掲載された金額です。

※O-PLUX Account Protectionの月額は、ecforce連携の案内で5万円〜、低価格プランの案内で10万円〜と公表値が分かれています。2026年8月時点の情報で、契約形態や連携経路によって適用される料金が異なる場合があります。

公開されている水準を見ると、決済代行のオプションとして使う場合は月額数千円台から始められる一方、カート経由や直接契約では月額数万円台からになります。審査件数が増えるほど従量部分も効いてきます。含まれる件数と超過単価の両方に自社の月間注文件数を当てはめると、実際の負担額を試算できます。

たとえば月間3,000件の注文を審査する場合、審査1,000件込みで月額4,000円・超過1件4円のプランなら、超過2,000件分の8,000円が加算されて月額12,000円になります。100件まで月額3,000円・超過100件ごとに2,000円という決済代行経由のプランでは、超過2,900件分が58,000円で月額61,000円です。同じ注文数でも、含まれる件数の設計で負担は約5倍変わります。

※2026年8月時点で公開されている料金に基づく試算です。実際の適用条件は各社にご確認ください。

30秒で終わる選定診断ツール

ここまでで費用の水準は見えましたが、自社に合うのがどのサービスかは、守りたい対象や注文件数、つなぎ込みの条件によって変わります。選び方を読む前に候補を絞り込みたい場合は、以下の診断をご利用ください。

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不正検知サービスの選び方(6つの比較軸)

ここからは、候補を絞り込むための比較軸を6つ挙げます。後半の比較表もこの軸に沿って並べているため、自社にとって外せない軸から見ていくと判断が早くなります。

検知の対象範囲

最初に決めるのは、注文の審査・ログインの監視・決済オーソリの判定のうち、どこを守りたいのかです。自社ECのチャージバックを減らしたいのであれば注文審査、会員のポイントや残高を守りたいのであればログイン監視が中心になります。

両方に課題がある場合は、1つのサービスで会員登録からログイン、決済までを通して見られるものを選ぶか、対象ごとに別のサービスを組み合わせるかの判断になります。前者は運用の窓口が一つにまとまり、後者は各領域で機能の深いものを選べます。

検知方式と自社に必要な精度

判定の作りは、ルールベース・AIベース・両者の併用に分かれます。どれが優れているかではなく、自社の不正の出方と運用体制に合うかどうかが判断の基準になります。

ルールベースは、判定の根拠が条件として見えるため、なぜ止まったのかを説明しやすいのが利点です。自社の商材や販売方法に特有の手口には、条件を足すことで直接対応できます。一方で、想定していない手口には反応せず、条件を増やしすぎると運用が煩雑になります。

AIベースは、蓄積したデータからパターンを学習するため、条件として書き出せていない不自然さも拾えます。ただし判定の理由が数値のスコアとして返るため、個別の注文について「なぜ止まったか」を説明しづらい場面があります。学習に使うデータ量が精度を左右するため、事業者横断でデータを持つサービスかどうかも合わせて確認します。

両者を併用する構成は、AIのスコアで大枠を判定しつつ、自社固有の条件はルールで補うという使い分けができます。運用の自由度は高くなりますが、どちらの設定が効いているかを把握しておく必要があります。

参照するデータの範囲

審査で照合するデータが自社の注文履歴だけなのか、他の事業者で観測された不正情報まで含むのかは、実際の検知力に直結します。

自社データのみで判定する場合、過去に同じ手口で被害を受けた注文は止められますが、初めて自社に来た不正注文は素通りしやすくなります。これに対して事業者横断のデータを持つサービスは、他社ですでに不正と判定された配送先や端末を、自社での初回注文の時点で照合できます。

確認したいのは、そのデータがどの範囲から集まっているかです。国内EC事業者から集めたものか、グローバルの取引から集めたものか、あるいはカード会社間で共有されるものかによって、自社の商材に当たる可能性は変わります。

つなぎ込み方式と導入負担

同じサービスでも、どの経路でつなぐかによって開発の要否と稼働までの時間、契約先が変わります。導入の負担を左右する部分なので、候補を絞る前に、自社の環境で使える経路を確認しておくことが重要です。

不正検知サービスのつなぎ込み方式3経路を比較した図解。決済代行のオプション(開発はほぼ不要・数日〜数週間)、カート・EC基盤の連携機能(タグの設置のみ・数日〜数週間)、APIを自社で実装(開発体制が必要・1か月以上)を並べている

決済代行のゲートウェイに標準連携済みのケース

利用中の決済代行が不正検知をオプションとして提供している場合、申し込みと設定だけで使い始められることがあります。決済フローの中に審査が組み込まれているため、自社での開発はほとんど発生しません。

契約先が決済代行になるため、請求も既存の決済手数料と同じ窓口にまとまります。一方で、選べるサービスはその決済代行が扱っているものに限られ、機能も簡易版に絞られている場合があります。将来的に決済代行を切り替えると不正対策も組み直しになる点は、あらかじめ想定しておく必要があります。

この経路を前提にするなら、決済代行そのものの見直しと合わせて考えるほうが手戻りが少なくなります。各社の決済手数料や入金サイクル、EMV 3-Dセキュアへの対応状況は以下の記事で比較しています。

カート・EC基盤のアプリや標準機能として入れるケース

ASPカートやECプラットフォームが連携機能を用意している場合は、管理画面からの申し込みとタグの設置で導入できます。カート側が注文情報の受け渡しを担うため、自社で実装するのはタグの埋め込み程度です。

この経路では、カート側が用意した料金プランが適用されることが多く、直接契約とは金額が異なります。判定結果を受けた後の処理(自動キャンセルの可否など)もカートの仕様に依存するため、運用の自由度は確認しておきたい点です。

APIを自社で実装するケース

自社開発のECや基幹システムに組み込む場合は、サービスが提供するAPIやSDKを使って実装します。どの項目を送り、返ってきた判定をどの処理に反映するかを自社で設計できるため、審査を挟む位置や判定後の分岐を業務に合わせて作り込めます。

その分、開発工数と稼働までの期間は最も長くなります。判定結果を受けた後の在庫引当や出荷指示の制御まで含めて設計が必要になるため、開発体制を確保できるかが判断の分かれ目です。

誤検知が起きたときの調整のしやすさ

導入後に必ず向き合うのが、正規の注文を止めてしまう誤検知です。ここで見るのは、誤検知が起きたときに誰がどう直せるのかというサービス側の作りです。

判定ルールを自社の管理画面から編集できるサービスであれば、特定の商材や既存顧客を対象から外すといった調整を自分たちで即座に行えます。反対に、調整をサービス提供側に依頼する形であれば、社内に運用の担当を置かずに済む代わりに、反映までに時間がかかります。

専任のアナリストがルールの見直しを代行するメニューを持つサービスもあります。運用要員を確保できない場合は、こうした支援の有無が実質的な選定条件になります。

検知しきれなかった被害は誰が負担するか

どのサービスを使っても不正を100%止めることはできません。そこで確認しておきたいのが、すり抜けた不正で発生したチャージバックを誰が負担するのかです。

検知のみを提供するサービスでは、損失は加盟店の負担のままです。これに対して、審査で承認した注文について発生したチャージバックを提供側が補償する仕組みを持つサービスもあります。補償を前提とするサービスでは、承認した取引にのみ課金する成果報酬型の料金体系をとっている場合もあります。

確認すべきは、補償の上限額と対象外の条件です。第三者による不正利用以外の理由(商品未着やクレームに起因するもの)は対象外とされるのが一般的で、扱う商材によっては提供対象から外れることもあります。保証を別オプションとして提供しているサービスもあるため、料金と合わせて確認しておきたい点です。

導入の進め方と運用の注意点

比較の段階では見えにくいものの、導入を決めた後に効いてくるのが稼働までの段取りと日々の運用です。ここでは、申し込みから運用に乗るまでに押さえておきたい点を整理します。

申し込みから稼働までの流れとトライアルの扱い

多くのサービスでは、問い合わせと審査を経て契約し、テスト環境での接続確認を行ってから本番に切り替えるという流れをとります。決済代行やカート経由であれば数日から数週間、APIを自社実装する場合は1か月以上を見込むのが現実的です。

稼働の初期は、判定を出しても実際には止めない「監視のみ」の期間を設けるのが一般的です。この期間に、自社の注文がどれくらい不正と判定されるのかを確認し、しきい値を調整してから実際の遮断に切り替えます。

トライアルを用意しているサービスもあります。期間と審査件数に上限を設けた有償のトライアルや、一定期間を無償とするものがあり、条件はサービスごとに異なります。自社の注文で実際の検知結果を見られるかどうかは、導入判断の材料として大きいため、候補を絞った段階で確認しておくとよいでしょう。

誤検知で正規の注文を止めないための考え方

検知を厳しくすれば不正は減りますが、同時に正規の注文も止まります。逆に緩めれば取りこぼしが増えます。このバランスをどこに置くかは、商材の単価と在庫の性質によって変わります。

単価が高く、1件のチャージバックによる損失が大きい商材では、判定を厳しめに置き、保留になった注文を人が確認する運用が合います。単価が低く注文件数が多い商材では、保留が増えるほど確認の負荷が大きくなるため、明らかな不正だけを自動で止め、残りは通す設定にする方が全体の損失は小さくなります。

判断がつかない注文をどう扱うかも、あらかじめ決めておく必要があります。一律に保留するのではなく、追加の本人認証を求めて通過したものだけ出荷する、電話で確認が取れたものだけ出荷するといった段階を設けると、機会損失を抑えられます。

この追加確認をどの手段で行うかは、担当者からの電話連絡のほかに、電話番号あてのコード認証を自動で挟む方法もあります。手段ごとの違いや費用を確認したい場合は、以下の記事で発信(IVR)と着信の仕組みの違い、SMS認証との使い分けを整理しています。

審査結果を誰がどう処理するかの運用設計

導入すれば目視がゼロになるわけではありません。判定結果を受けて、実際に注文をキャンセルしたり顧客に連絡したりする作業は残ります。ここを誰が担うかを決めておかないと、導入後に運用が回らなくなります。

不正の疑いが高い注文については、自動でキャンセルまで行うか、担当者が最終確認してから止めるかという選択になります。自動化すれば工数は最小になりますが、誤検知だったときに顧客へ与える影響が大きくなります。

判断がつかない注文の確認担当も決めておく必要があります。カスタマーサポートが日次でまとめて確認するのか、受注担当が随時見るのかによって、確認までの滞留時間と出荷リードタイムへの影響が変わります。あわせて、確認結果をルールに反映する担当も決めておくと、同じ判断を繰り返さずに済みます。

不正を100%は防げない前提での費用対効果の見方

費用対効果を見るときは、防げた被害額だけで判断しないことが大切です。実際には、削減できるチャージバック額、目視審査にかけていた工数、そして誤検知で失う売上の3つを合わせて見ます。

チャージバックの損失は、取り消される売上に加えて、発送済みの商品原価と送料、決済手数料までが積み上がります。1件あたりの損失を実額で押さえておくと、月額費用との比較がしやすくなります。

また、導入によって過度な自社ルール(高額注文を一律で保留する、特定地域からの注文を断るなど)を緩められる場合、それまで失っていた正規の売上が戻る効果もあります。守りの投資として見るだけでなく、機会損失の回復まで含めて評価すると実態に近づきます。

【比較表】不正検知サービスを一覧で比較

ここからは、主要な不正検知サービス17製品を、前章で挙げた比較軸に沿ってタイプ別に並べます。想定する事業者・検知の対象範囲・検知方式・参照するデータ・つなぎ込み方式・ルールの調整・料金・チャージバック保証の有無を横並びで確認できます。

ECサイトの不正注文を出荷前に止めるタイプの比較

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サービス名SardineO-PLUX
Payment Protection
ASUKASiftACI ReD ShieldRiskifiedForter不正チェッカー不正対策.comCAFIS Brain
想定する事業者決済代行を切り替えても不正対策を引き継ぎたいEC事業者
注文だけでなく会員登録・ログイン・出金まで同じ仕組みで見たい事業者
API実装の開発体制が前提
初期30万円・月額3万円の水準を負担でき、注文審査を自社の商材に合わせて作り込みたいEC事業者
標準連携するカートを使っていれば開発は不要
利用中のカート・決済代行にASUKAの取り扱いがあるEC事業者
チャージバック保証を別建てで付けたい場合の選択肢
注文の審査とアカウント乗っ取り対策を1つの基盤にまとめたい事業者
自社のリスク判定に外部のスコアだけを足したい事業者
GMOペイメントゲートウェイなど取り扱いのある決済代行を利用している加盟店
社内に運用の担当者を置きにくい事業者
チャージバックの損失を自社で抱えたくない事業者
追加認証による離脱を減らしたい事業者
GMOペイメントゲートウェイの決済を使い、EMV 3-Dセキュアを導入済みの加盟店月間の注文が1,000件前後までで、費用を先に確定させたい小規模EC
補償なしでも被害を自社で抱えられる範囲の事業者
初回限定価格や定期購入の特典を繰り返し狙われている通販事業者
公開事例は健康食品・化粧品・サプリメントに集中
約3〜4か月の導入期間を前提にでき、700種類のルールを自社で運用したい事業者
加盟店が使う経路は決済代行会社経由の共同利用
検知対象会員登録・ログイン・注文・決済・出金注文・決済カード・各種Pay決済の第三者不正利用/クレジットマスター/なりすましログイン不正取引・アカウント乗っ取り・投稿の監視・異議申し立て管理(4製品)非対面のカード決済
ACCEPT・CHALLENGE・DENYの3段階に分類
EC注文(承認/拒否の判定)EC注文(Fraud Management)
ほかにアカウント乗っ取り・決済最適化・返品やプロモーションの悪用対策
決済段階のカード不正利用・悪質転売・クレジットマスター攻撃なりすまし注文・商品搾取・いたずら注文・ポイント目的の不正・転売目的の重複購入カード会社・決済代行会社・加盟店の取引(属性・行動分析)
検知方式AIモデルとルールエンジンの併用ネガティブデータ照合+名寄せ+デバイスフィンガープリント独自のアルゴリズムによるスコアリング
リスクを低・中・高の3段階で判定
機械学習
0〜100のリスクスコアをリアルタイムに返却
ルールベースのエンジンが中核
グローバル版の資料では機械学習モデルの併用も説明
機械学習の特徴量+教師なしAIによる異常検知本人性・行動・端末・決済のシグナルをAIがリアルタイムに分析し承認と拒否を自動で返却ネガティブデータ照合+住所データ+行動分析+端末情報による審査個体識別番号の照合と、端末・IPアドレスの差異を見るルールベース
AI・機械学習という説明は公式になし
700種類以上の判定ルールとスコアリングの組み合わせ
機械学習という語での説明は公式になし
参照するデータ端末情報と画面上の操作の挙動(行動バイオメトリクス)
事業者を横断して集めたデータとの照合を共通機能で搭載
累計12万サイト以上で共有する決済時のネガティブデータ
端末の同一性判定(特許第6860156号)
非公開(公式の説明は「独自のアルゴリズム」にとどまる)34,000以上のサイト・アプリ、700以上のブランドから集まる年間1兆件超のイベントカード番号・メールアドレス・住所・IPアドレス・電話番号などの取引情報
グローバル版は加盟店横断のコンソーシアムデータ(国内での適用範囲は非公開)
10億件を超える過去の取引を横断し同一のユーザー・端末のつながりを割り出すSmart Linking25万以上の加盟店から集めた20億件超の識別情報を持つ自社ネットワークO-PLUXと共通の12万サイトを超える規模のネガティブデータ初回申込時に割り当てた個体識別番号と端末・IPの情報
自社で持つブラックリストの取り込みにも対応
導入企業の間で共有する共同ネガティブデータベース・ポジティブデータベース
疑わしい取引をまとめて却下登録できるリンク分析
つなぎ込み方式API連携によるリアルタイム判定API/CSV/タグ埋め込み
21社以上のECシステムと標準連携、Shopifyはアプリ
カート(MakeShop・ebisumart・スマレジEC/リピート)/決済代行(GMO-PG・GMOイプシロン・SBペイメントサービス)/ShopifyアプリJavaScriptタグとAPI
自社の既存モデルにスコアだけを足す使い方も可
決済代行経由が中心
GMOペイメントゲートウェイのPGマルチペイメントサービスに2015年11月からオプションとして搭載
Shopifyアプリ/Magento拡張機能/汎用API
国内はSBペイメントサービス・ペイジェント経由の取次も
JavaScriptタグ/API/モバイルアプリ向けSDK
国内はGMOペイメントゲートウェイのPGマルチペイメントサービスのオプション(2025年10月14日〜)
API/CSV/JavaScript
主要ECカートと標準連携、最短2週間で導入
サイトへのタグ設置
開始までは営業日で約1か月
決済代行会社経由で環境を共同利用する方式(2016年11月発表・2017年1月提供開始)
導入期間は約3〜4か月
ルールの調整提供側のアナリストチームが不正トレンドの分析とモデルの調整を担当
利用企業にチューニングの負担をかけない体制を訴求
専任コンサルタントと機械学習が検知ロジックを継続的に調整専任コンサルタントが運用を支援
自社の管理画面で調整できるかは公開情報なし
AI主導のルールエンジンとケース管理機能を搭載し、利用企業側で運用
国内事例では導入2か月目にAIの学習とチューニング期間を設定
国内代理店のアナリストがルールの追加・修正・削除を代行公開情報なし
判定はRiskified側が承認・拒否・レビューとして返す
AIが承認と拒否を自動で返す方式
国内事例ではルール設定と目視確認が不要になったとされる
公開情報なし
審査でNGとなった理由は運用担当者が確認できる
企業ごとに検知ルールをカスタマイズできる仕組みを用意
自社のブラックリストの取り込みにも対応
導入企業側でルールのカスタマイズ・チューニングが可能
料金非公開初期30万円〜・月額3万円〜
2週間または審査1万件までのトライアル1万円
経路ごとに異なる
MakeShop経由: 初期10万円・月額5万円(税別、大量アタック対策版)/初期50万円・月額18万円〜(税別、通常版)
Shopifyアプリ経由: 月額1,320米ドル
直接契約は非公開
非公開(個別見積もり)非公開(決済代行経由の契約)非公開
成果報酬型で承認した注文にのみ課金(料率は非公開)
非公開(個別見積もり)初期10万円・月額4,000円(審査1,000件込み)
1,001件目から1件4円
非公開非公開
チャージバック保証非公開非公開
ブランド再編後の名称と補償条件は未公表
別サービスとして提供
上限額は要確認
なし
提供するのは異議申し立ての管理機能
なし
決済代行側が独自に用意する場合あり
補填あり(成果報酬型)
承認した注文のチャージバックを金銭で補填(Chargeback Guarantee)
保証プランを選択可
承認率とチャージバック率を契約上保証(保証なしのプランもあり)
なしなしなし
導入実績国内はアソビューの事例を公開
(導入社数は非公開)
累計12万サイト超
有償の不正検知サービスの導入サイト件数で7年連続シェアNo.1(東京商工リサーチ調査、2026年3月末日時点)
45,000サイト以上
(2026年8月時点)
国内は綿半パートナーズの事例を公開
(導入4か月で不正利用95%以上減、目視は月90時間から約30分)
国内提供は2011年開始
導入社数・企業名は非公開
DMM.com、ギフティ、ラコステジャパン、アンドエスティ
ラコステジャパンは3か月以内にカード承認率が約70%から90%へ
国内はアトモスの事例を公開
(導入後の承認率98%以上)
このサービス単体では非公開
(12万サイトはO-PLUXとの合算値)
導入社数は非公開
業種別の損失回避額を公開(健康食品で月間約305万円、化粧品で約242万円)
導入社数は非公開
現行の公式ページの個社事例はDGフィナンシャルテクノロジーの1件
詳細情報公式資料を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は各社が公開している情報に基づく2026年8月時点の内容です。実際の機能・料金の適用範囲については各社にご確認ください。

会員サイト・金融サービスのなりすましログインを検知するタイプの比較

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サービス名FraudAlertO-PLUX Account Protection
(旧O-MOTION)
F5 Distributed Cloud Bot DefenseLexisNexis ThreatMetrix
想定する事業者銀行・証券会社のように、ログインの先に入出金や送金がある事業者
口座開設・ログイン・入出金から必要な検知だけを選べる
会員のログインを守りたい一方で、全ユーザーに追加認証を課したくない事業者
ログイン画面を作り替えずにタグ設置で対策を足したい事業者
限定品の買い占めや大量のログイン試行など、自動化されたアクセスの遮断を優先したい事業者
CDNやAdobe Commerceなど既存の配信経路に後付けしたい事業者
自社に蓄積した会員データだけでは追えない、国や業界をまたいだなりすましを想定する事業者
社内に分析の担当者を置きにくい事業者
検知対象口座開設時・ログイン時・入出金時
Webとスマートフォンアプリの両方
会員登録時・ログイン認証時・登録情報の変更時Web・API・モバイルアプリへの自動化攻撃
アカウント乗っ取り、漏えいした認証情報の総当たり投入、転売目的の自動購入、ギフトカードのクラッキング、不正なアカウント作成
新規口座開設・ログインや登録情報の変更・決済
検知方式端末情報を常時モニタリングして本人らしさをデータベース化し、その変化と不審な振る舞いを組み合わせて判定デバイスフィンガープリント(特許第6860156号)+キー入力などの操作情報の分析+IPアドレステレメトリ(挙動の情報)を機械学習で分析し、リクエストがアプリに届く前に人間か自動化プログラムかを判別
CAPTCHAを使わない
デバイス・位置情報・IPアドレス・行動パターンを評価するデバイスインテリジェンス+機械学習によるリスク判断エンジン
参照するデータ複数の事業者間で共有する不正利用者のブラックリスト自社サイトへのアクセスから取得する端末・操作・IPの情報多数の利用企業を横断したシグナルの分析複数の企業が匿名化したデータを持ち寄るLexisNexis Digital Identity Network
200以上の国・地域、30億以上のデジタルアイデンティティ
つなぎ込み方式API連携/JavaScriptタグ/アプリ向けSDKJavaScriptタグの埋め込みで完結
ecforceとはタグの埋め込みだけで検知からリアルタイムブロックまで連携
WebはJavaScript、モバイルアプリはSDK
BIG-IP・CDN(Amazon CloudFront、Cloudflare)・Adobe Commerce経由でも組み込み可
Web・モバイル・バックエンド向けのAPIとSDK
国内は富士ソフト・NTTデータ先端技術が代理店
ルールの調整300を超えるパラメーターでシナリオを作成
提供元がアクセス傾向の分析と検知精度のチューニングを支援
管理画面でホワイトリスト・ブラックリストを管理F5の専門チームが新しい自動化パターンを分析してルールセットを更新
利用企業側での調整方法は公開情報なし
富士ソフト経由の場合は同社の専任アナリストが設定から稼働後の監視・チューニングまで担当
料金非公開月額5万円〜(ecforce連携の案内)/10万円〜(低価格プランの案内)
公表値が分かれるため要確認
非公開
課金の単位はトランザクション数
初期費用無料(富士ソフト経由)
月額は非公開(年間ライセンス制、トランザクション量に応じて変動)
導入実績金融機関を中心に40社以上
(本サービス単体の社数かは公式に明示なし)
福岡銀行のオンライン融資サービス「フィンディ」に導入(2023年5月)
導入社数は非公開
国内の導入事例は非公表
(公開されている事例は海外が中心)
三菱UFJニコスの事例を公開
(追加データの活用で不正検知率が最大20%向上)
詳細情報詳細を見る詳細を見る詳細を見る公式サイト

※上記は各社が公開している情報に基づく2026年8月時点の内容です。実際の機能・料金の適用範囲については各社にご確認ください。

カード会社・決済事業者が取引をスコアリングするタイプの比較

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サービス名ACEPlus/IFINDSCARDSaviorAI不正検知サービス
(TISI株式会社)
想定する事業者自社ブランドのカードを発行し、オーソリの段階で取引を止める仕組みを自前で持ちたい事業者
設備を保有するならACEPlus、初期投資を抑えるならIFINDS
カードの発行会社
検知の条件を自社で作り、継続的に見直す担当を置ける体制が前提
カードの発行会社と、プリペイド・コード決済を自社で運営する決済事業者
自社の不正データが少ない段階から検知を始めたい事業者
検知対象カードのオーソリ(与信照会)
利用するのはカードを発行するイシュア側
カード会社が処理する取引
自社カード会員における不正カード・偽造カードの使用被害の抑止
イシュアが扱うクレジットカード・デビットカード・プリペイド決済・コード決済・一部のハウス決済
検知方式イシュアが登録したルールとの照合+AIスコアリング
スコアリングモデルは個社型とイシュアー共同型の2種類
取引チャネルごとのスコアリングモデルとルールエンジンの併用AIが取引や加盟店のリスクを点数化するスコアリング機能と、イシュアが作る評価ルールの2本立て
参照するデータ自社の取引データ(個社型)
カード会社の間で不正データを共有するFARIS共同スコアリングサービス
自社が処理する取引データ
Featurespaceの「ARIC Risk Hub」と連携させた強化プランも用意
各イシュアが学習したスコアリングモデルを共有するマルチテナント型
他社で起きた不正利用の情報を自社の判定に反映
つなぎ込み方式オンプレミス型(ACEPlus)/ASP型(IFINDS)クラウドかオンプレミスかは非公開クラウド基盤にAPIまたはファイル連携で取引情報を受け渡し
ルールの調整イシュアがルールを登録して判定に反映
AIスコアリングは個社型と共同型から選択
利用企業がルールを作成し、シミュレーションで検証してから適用イシュアがルールを登録・変更
AIが算出したスコアに対する評価ルールも自社で作成
料金非公開非公開非公開
ルール設定数による課金は発生せず(設定数の上限あり)、スコアリング機能もオプション費用なしの標準搭載
導入実績ACEPlusとIFINDSの合計で20社以上
(2023年9月時点)
導入社数は非公開
アプラスへの提供開始(2011年11月)、三菱UFJニコスでのAI技術追加が本稼働(2023年2月)
大手プリペイド決済事業者1社への提供が決定(2026年4月)
2027年度までに4社への導入を目標
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は各社が公開している情報に基づく2026年8月時点の内容です。実際の機能・料金の適用範囲については各社にご確認ください。

不正検知サービスおすすめ17選

ここからは、17製品それぞれの検知対象・検知方式・参照するデータ・つなぎ込み方式・料金・保証の有無を、タイプ別に紹介します。

ECサイトの不正注文を出荷前に止めるサービス

自社ECの注文を出荷前に審査したい事業者向けのサービスです。チャージバックや転売目的の大量注文に悩んでいる場合は、このグループが候補になります。

1. Sardine(株式会社DGビジネステクノロジー)

Sardineの公式サイト

会員登録やログイン、注文、決済、出金といった場面の操作を対象に、端末の情報とサイト内での行動から不正を判定するプラットフォームです。開発は米Sardine AI Corp.で、日本国内では株式会社DGビジネステクノロジーが正規代理店として販売・導入・サポートを担っています。

判定はAIモデルとルールエンジンの併用で行います。タイピングやマウスの動き、スワイプといった画面上の挙動(行動バイオメトリクス)と、OS・ブラウザ・画面解像度・タイムゾーンなどの端末情報を組み合わせ、事業者を横断して集めたデータとの照合も共通機能として備えます。

つなぎ込みはAPI連携によるリアルタイム判定が基本です。レジャー予約のアソビュー株式会社は、決済代行を切り替えるたびに不正対策がリセットされる状態を課題として導入し、平均0.2秒台・秒間数百リクエストでの処理が、国内提供元のDGビジネステクノロジーの導入事例として公表されています。初期費用・月額料金・チャージバック保証の有無はいずれも公開されておらず、条件は問い合わせで確認する形になります。

決済代行を切り替えても不正対策の設定やデータを引き継ぎたい事業者、注文だけでなく会員登録・ログイン・出金までを同じ仕組みで見たい事業者が使う想定です。つなぎ込みはAPI実装が前提のため、開発リソースを確保できるかどうかを先に見ておく必要があります。

2. O-PLUX Payment Protection(かっこ株式会社)

O-PLUXの公式サイト

かっこ株式会社の不正検知は、注文を審査するO-PLUX Payment Protection、ログインを監視するO-PLUX Account Protection、決済段階だけに絞った低価格版の不正チェッカーに分かれます。ここで扱うのは、2025年4月のブランド再編で現在の名称になったPayment Protectionです。

検知の中核は、累計12万サイト以上の間で共有する決済時のネガティブデータ(過去に不正注文で使われた住所・電話番号・メールアドレスなどの記録)との照合です。これに、表記が揺れていても同じ人物の情報として結び付ける名寄せ技術と、端末の同一性を判定するデバイスフィンガープリントを組み合わせます(特許第6860156号)。ルールの調整は専任コンサルタントと機械学習が担います。

料金は初期費用30万円〜・月額3万円〜で、2週間または審査1万件までのトライアルを1万円で利用できます。つなぎ込みはAPI・CSV・タグ埋め込みの3方式に対応し、futureshopやカラーミーショップなど21社以上のECシステムと標準連携するほか、Shopify向けにはアプリが用意されています。

かっこ株式会社は公式サイトで、累計導入サイト数が12万を超えたことと、東京商工リサーチの「日本国内のECサイトにおける有償の不正検知サービス導入サイト件数調査」で2019年から7年連続シェアNo.1を獲得したこと(2026年3月末日時点)を公表しています。

出典・参考資料(1件)

チャージバックの補償を組み合わせるプランは過去に提供されてきましたが、ブランド再編後の名称と補償条件は公開されていません。

初期30万円・月額3万円という水準を負担でき、注文審査を自社の商材に合わせて作り込みたい事業者に向きます。標準連携するECシステムが広いため開発を伴わずに始めることもでき、1万円のトライアルで審査結果の傾向を先に確認できます。

3. ASUKA(株式会社アクル)

ASUKAの公式サイト

株式会社アクルが2019年6月に提供を始めた不正検知サービスです。クレジットカードや各種Pay決済での第三者による不正利用、カードの有効性を確かめる大量アタック(クレジットマスター)、会員アカウントへのなりすましログインを検知対象とし、決済時やカード登録時のスコアリングでリスクを低・中・高の3段階に判定します。

MakeShop・ebisumart・スマレジEC/リピートといったカート、GMOペイメントゲートウェイ・GMOイプシロン・SBペイメントサービスといった決済代行、Shopifyアプリのいずれの経路からでも導入できます。検知アルゴリズムの詳細は「独自のアルゴリズム」という説明にとどまりますが、本人認証側の製品ASUKA-3DSと組み合わせた運用も可能です。

適用される料金は経路ごとに異なります。MakeShop経由は大量アタック対策版が初期10万円・月額5万円、通常版が初期50万円・月額18万円〜(いずれも税別)、Shopifyアプリ版は月額1,320米ドルです。直接契約の料金は公開されていません。

チャージバック保証は不正検知とは別建てのサービスとして提供されます。第三者による利用以外の理由やクレーム、商品未着に起因するチャージバックは対象外で、補償の上限額は公式内でも表記に幅があるため確認が必要です。公式サイトが掲げる導入実績は45,000サイト以上です(2026年8月時点)。

利用中のカートや決済代行にASUKAの取り扱いがあるかが、まず判断材料になります。カート経由で導入する場合の費用は月額5万円(税別)からで、チャージバック保証まで付ける場合は、ブランド品・貴金属・パソコンなど換金性の高い商材が対象外になることがあります。

4. Sift(Sift, Inc.)

Siftの公式サイト

34,000以上のサイト・アプリ、700以上のブランドから集まる年間1兆件超のイベントを学習に使う、機械学習型の不正検知プラットフォームです。開発元は2011年設立の米Sift, Inc.で、日本では株式会社DGビジネステクノロジーが2022年10月から提供とサポートを担当しています。

判定は0〜100のリスクスコアでリアルタイムに返り、承認・レビュー・ブロックの振り分けに使えます。製品は不正取引を扱うPayment Protection、アカウント乗っ取りに対応するAccount Defense、投稿を監視するContent Integrity、チャージバックの異議申し立てを管理するDispute Managementの4つに分かれています。

組み込みはJavaScriptタグとAPIの2要素で行い、自社で構築済みのモデルにスコアだけを足す使い方もできます。料金は個別見積もりで公開されていません。承認した注文のチャージバックを金銭で保証する仕組みは持たず、Dispute Managementが担うのは異議申し立ての管理です。

国内の事例としては、日本での提供元が2024年9月に公開した綿半パートナーズ株式会社のものがあります。グループ8サイト共通のEC基盤に導入し、導入から4か月で不正利用が95%以上減り、目視チェックの工数は月90時間から約30分、カード決済の承認率は1.3倍になったと記載されています。

いずれもこの1社の数値で、対象となった注文の件数や商材、判定の設定条件までは公開されていません。

注文の審査とアカウント乗っ取り対策を1つの基盤にまとめたい事業者や、自社のリスク判定に外部のスコアだけを足したい事業者が想定されます。料金は個別見積もりのため、月間のイベント数を伝えて条件を確認する流れになります。

5. ACI ReD Shield(ACI Worldwide, Inc.)

ACI ReD Shieldの公式サイト

英Retail Decisions(ReD)社が開発し、2014年に同社を買収したACI Worldwide, Inc.のラインアップに統合された、非対面のカード決済向けの不正検知サービスです。日本国内では株式会社DGビジネステクノロジーが販売とサポートを担当しています。

決済処理の前にカード番号・メールアドレス・住所・IPアドレス・電話番号などを評価し、取引をACCEPT(正常)・CHALLENGE(要確認)・DENY(拒否)の3段階に分類します。判定の中核はルールベースのエンジンで、国内代理店は自社が扱うAI型のサービスとの対比でこの点を明示しています。グローバル版の資料では機械学習モデルの併用も説明されています。

つなぎ込みは決済代行経由が中心で、GMOペイメントゲートウェイの「PGマルチペイメントサービス」には2015年11月からオプションとして組み込まれています。ルールの追加・修正・削除は国内代理店のアナリストが代行する運用のため、社内に運用の担当者を置きにくい場合の候補になります。

料金は決済代行経由の契約となるため公開されていません。チャージバックの補償についても、サービス自体に付帯するものは確認できず、決済代行側が独自に用意する場合があります(GMOペイメントゲートウェイの団体保険など)。国内での提供は2011年に始まっていますが、導入社数と企業名は公開されていません。

導入の入口が決済代行になるため、GMOペイメントゲートウェイなど取り扱いのある決済代行を利用していることが実質的な前提です。料金も契約する経路ごとに決まります。

6. Riskified(Riskified Ltd.)

Riskifiedの公式サイト

承認した注文で発生したチャージバックを金銭で補填する「Chargeback Guarantee」を中核に据えたプラットフォームです。運営はニューヨーク証券取引所に上場するRiskified Ltd.で、日本ではRiskified Japan株式会社が窓口となっています。

料金は成果報酬型で、承認した注文にのみ課金し、不正と判定して拒否した注文には課金しません。料率は公開されておらず、保証の対象範囲や補填のタイミングも公式ページでは明示されていないため、契約前に条件を確認する必要があります。

判定には、機械学習の特徴量に加えて、既知の不正例に頼らず普段と違う動きを拾う教師なしAIや、10億件を超える過去の取引を横断して同一のユーザー・端末のつながりを割り出すSmart Linkingを使います。つなぎ込みはShopifyアプリ、Magento拡張機能、汎用APIのほか、国内ではSBペイメントサービスと株式会社ペイジェント経由の取次もあります。

国内の導入企業としては、DMM.com、ギフティ、ラコステジャパン、アンドエスティが公表されています。このうちラコステジャパンについては、2025年5月に導入して約1か月半で稼働し、3か月以内にEC決済のカード承認率が約70%から90%へ上がったと、Riskifiedが2026年1月の発表で示しています。

公表されているのは1社の事例で、注文の規模や商材、3Dセキュアの運用条件までは示されていません。

チャージバックの損失を自社で抱えたくない事業者や、追加認証による離脱を減らしたい事業者に向けた設計です。承認した注文に課金される仕組みのため、現在の注文件数とチャージバック額を整理してから料率を確認すると比較しやすくなります。

7. Forter(Forter Ltd.)

Forterの公式サイト

Forterは複数の製品で構成されるプラットフォームで、EC事業者の不正注文対策とチャージバック削減を担うのは、そのうちの「Fraud Management」です。ほかに、アカウント乗っ取り対策・決済最適化・異議申し立て対応・返品やプロモーションの悪用対策のモジュールが並びます。

判定は、本人性・行動・端末・決済のシグナルをAIがリアルタイムに分析し、承認と拒否を自動で返す方式です。照合には、25万以上の加盟店から集めた20億件超の識別情報を持つ自社のネットワークを使います。

チャージバック保証は承認率とチャージバック率の両方を契約上保証するプランと、保証なしのプランから選べます。加えて、既存の対策とチャージバック率・承認率を比べて上回れなければ90日分の料金を請求しないという「90日間パフォーマンス保証」も掲げています。比較を行う期間の起点や判定の条件は公式に示されておらず、料金も個別見積もりです。

つなぎ込みはJavaScriptタグ・API・モバイルアプリ向けSDKに対応しています。国内ではGMOペイメントゲートウェイの「PGマルチペイメントサービス」のオプションとして、2025年10月14日から提供されています。

EMV 3-Dセキュア導入済みの加盟店であれば、タグの設置と最小限のマッピングで実装できるとされています。Forterが2022年6月に公表したスニーカー販売のアトモスの事例では、導入後の承認率98%以上と、ルール設定・目視確認が不要になったことが示されています。

ただしチャージバックがどれだけ減ったかは同じ発表に含まれておらず、対象となった注文の規模も示されていません。

GMOペイメントゲートウェイの決済を使っていてEMV 3-Dセキュアを導入済みであれば、タグ設置中心の短い工程で始められます。料金が一切公開されていないため、保証あり・なしのどちらを選ぶかも含め、見積もりありきで進めることになります。

8. 不正チェッカー(かっこ株式会社)

不正チェッカーの公式サイト

かっこ株式会社の3製品のうち、決済段階だけに機能を絞った低価格版がこの不正チェッカーです。検知の対象はクレジットカードの不正利用、悪質転売、クレジットマスター攻撃で、会員登録やログインの監視はO-PLUX Account Protectionの担当範囲になります。

照合に使うデータはO-PLUX Payment Protectionと共通で、12万サイトを超える規模で集められたネガティブデータに、住所データ・行動分析・端末情報を組み合わせて審査します。審査でNGとなった理由を運用担当者が確認できる機能も備えます。

料金は金額まで公開されています。不正注文対策プランは初期費用10万円、月額4,000円に審査1,000件が含まれ、1,001件目からは1件4円という体系です。クレジットマスター対策プランは同じ月額4,000円で審査4,000件が含まれ、超過分は1件1円になります。タグを埋め込んで連携する場合は、別途追加費用がかかります。

つなぎ込みはAPI・CSV・JavaScriptに対応し、主要なECカートとは標準連携済みで、最短2週間で導入できるとしています。事業の拡大に応じてO-PLUX Payment Protectionへ切り替えられる点も案内されています。チャージバックを補償するメニューの案内はなく、導入社数もこのサービス単体では公開されていません(12万サイトはO-PLUXとの合算値です)。

月間の注文が1,000件前後までなら月額4,000円台に収まる計算で、費用を先に確定させたい小規模なECから検討できます。補償は付かないため、すり抜けた被害を自社で抱えられる範囲かどうかが判断の分かれ目です。

9. 不正対策.com(インフォニア株式会社)

不正対策.comの公式サイト

初回の購入・申込時に利用者へ個体識別番号を割り当て、2回目以降の申込を同じ番号で照合する仕組みを中核に置いた不正注文検知サービスです。提供元はインフォニア株式会社で、2010年8月から続いています。

AIや機械学習という説明は公式には見当たらず、識別番号の照合と、端末やIPアドレスの差異からなりすましを見抜くルールベースの作りです。対象は、なりすまし注文・商品搾取・いたずら注文・ポイント目的の不正・転売目的の重複購入で、カード不正以外の動機による注文も扱えます

導入はサイトへのタグ設置で行い、開始までは営業日で約1か月とされています。企業ごとに検知ルールを組む仕組みや、自社で持っているブラックリストの取り込みにも対応します。料金は初期費用・月額とも公開されておらず、チャージバックを補償する仕組みの案内もありません。

公式サイトの導入実績ページには、健康食品で月間約305万円、化粧品で約242万円の損失を回避したという数字が、業種名だけの事例として掲載されています。月間15,000件の申込のうち500件の不正を検知し、出荷を止めて255万円の損害を防いだという記載も同じ公式サイト上のもので、企業名と時点は示されていません。

一方で公式のFAQには、手の込んだ手口は防ぎきれないという但し書きもあります。

掲載されている事例は健康食品・化粧品・サプリメントに集中しており、初回限定価格や定期購入の特典を繰り返し狙われている通販事業者と課題が重なります。カード不正よりも重複購入やいたずら注文に困っている場合の候補です。

10. CAFIS Brain(株式会社NTTデータ)

CAFIS Brainの公式サイト

株式会社NTTデータの決済プラットフォーム「CAFIS」のラインアップの一つで、2014年5月に提供が始まりました。公式に示された対象は「クレジットカード会社、決済代行会社や加盟店、システムベンダー」で、EC加盟店も想定に含まれます。

検知は「属性・行動分析」と呼ぶ方式で、利用者の端末情報に取引の内容・頻度・地理情報を組み合わせてスコアリングします。判定に使えるルールは700種類以上で、導入企業側でのカスタマイズやチューニングもできます。機械学習という語での説明は公式にはなく、ルールとスコアリングの組み合わせとして示されています。

導入企業の間で共有する共同ネガティブデータベース・ポジティブデータベースを持ち、疑わしい取引をまとめて却下登録できるリンク分析機能も備えます。加盟店が使う経路としては、決済代行会社経由でCAFIS Brainの環境を共同利用する方式が2016年11月に発表され、加盟店への提供は2017年1月から始まっています。

料金は初期費用・月額とも公開されておらず、チャージバックを補償する仕組みの案内もありません。導入期間は約3〜4か月とされ、導入社数は公表されていません。現行の公式ページに載る個社の事例は、3-Dセキュアの本人認証にリスクベース認証の機能を組み込んだ株式会社DGフィナンシャルテクノロジーの1件です。

数か月単位の導入期間と非公開の料金を前提に検討でき、700種類のルールを自社で運用したい事業者が対象になります。加盟店として使う経路は決済代行会社経由の共同利用が公表されているため、利用中の決済代行に取り扱いがあるかを先に確認することになります。

会員サイト・金融サービスのなりすましログインを検知するサービス

会員アカウントの乗っ取りやリスト型攻撃、ボットによる自動購入を止めたい事業者向けのサービスです。ポイントや残高を扱うサービスでは、決済の前段にあたるログインの防御が損失に直結します。

11. FraudAlert(株式会社カウリス)

FraudAlertの公式サイト

東証グロース市場に上場する株式会社カウリスのクラウド型不正アクセス検知サービスです。口座開設時・ログイン時・入出金時の3つの場面を、Webとスマートフォンアプリの両方で監視します。銀行・証券会社・暗号資産交換業者・貸金業者などの金融機関を主な導入先としています。

検知は、端末情報を常時モニタリングして「本人らしさ」をデータベース化し、その変化と不審な振る舞いを組み合わせて判定する方式で、300を超えるパラメーターを使ったシナリオ作成に対応します。加えて、複数の事業者間で不正利用者の情報をブラックリストとして共有する仕組みを備えており、他社で確認された不正者の情報を自社の判定に使えます。

つなぎ込みは、判定結果をリアルタイムに受け取るAPI連携、軽微なシステム改修で導入できるJavaScriptタグ、スマートフォンアプリ向けのSDKの3方式です。料金は初期費用・月額とも公開されておらず、問い合わせでの確認になります。導入は金融機関を中心に40社以上と公式サイトに記載がありますが、本サービス単体の社数かどうかは明示されていません。

銀行や証券会社のように、ログインの先に入出金や送金がある事業者が主な使い手です。口座開設・ログイン・入出金の3種類から必要なものだけを選んで導入した例が公表されており、金融庁が2024年8月に出した預貯金口座の不正利用防止の要請への対応手段としても案内されています。

12. O-PLUX Account Protection(かっこ株式会社)

O-PLUX Account Protectionの製品紹介ページ

2025年から2026年にかけて「O-MOTION」から名称が変わった、かっこ株式会社の不正ログイン検知サービスです。同社が注文審査を担うO-PLUX Payment Protectionと対になるラインで、こちらは会員サイト・金融サイトのログイン側を受け持ちます。金融機関では、福岡銀行の事業者向けオンライン融資サービス「フィンディ」への導入例があります(2023年5月)。

検知の対象は、会員登録時・ログイン認証時・登録情報の変更時の3場面です。正しいIDとパスワードで入ってきたアクセスを、端末の特徴から同じ端末かどうかを見分ける技術(デバイスフィンガープリント、特許第6860156号)とキー入力などの操作情報、IPアドレスを組み合わせて判別し、不正が疑われるアクセスにだけ二要素認証などの追加認証を求める運用につなげられます。

導入はWebサイトへのJavaScriptタグの埋め込みで完結し、ECプラットフォーム「ecforce」とは、タグの埋め込みだけで検知からリアルタイムのブロックまでつなげられる連携も用意されています。

月額料金は、同じサービスについて2つの案内が公表されています。アクセス数に上限を設けたプランの発表(2021年)では月額10万円から、ecforceとの連携開始の発表(2025年)では月額5万円からで、両者の適用条件がどう違うのかは公表されていないため、問い合わせでの確認が必要です。

候補になるのは、会員のログインを守りたい一方で、全ユーザーにSMS認証や画像認証を課して正規の利用者の手間を増やしたくない事業者です。既存サイトへのタグ設置で始められるため、ログイン画面そのものを作り替えずに対策を足したい場合にも合います。

13. F5 Distributed Cloud Bot Defense(F5ネットワークスジャパン合同会社)

F5 Distributed Cloud Bot Defenseの公式サイト

転売目的の買い占めやアカウントの乗っ取りなど、プログラムによる自動化されたアクセスを止めるためのボット対策サービスです。米国F5社の製品を、日本法人のF5ネットワークスジャパン合同会社が提供しています。守る対象はWebアプリケーション・API・モバイルアプリです。

公式が防御対象として挙げているのは、在庫の買い占めを狙った自動購入、ギフトカードのクラッキング(番号や残高を機械的に探り当てる行為)、不正なアカウント作成、そして漏えいした認証情報を総当たりで試すアカウント乗っ取りです。人手による1件ずつの不正注文ではなく、機械的に繰り返されるアクセスが対象になります。

判定にCAPTCHAを使わない点が特徴です。WebサイトにはJavaScript、モバイルアプリにはSDKを組み込んでテレメトリ(端末やブラウザの挙動を示す情報)を収集し、リクエストがアプリに届く前に機械学習で人間か自動化プログラムかを見分けます。攻撃側が検知を避けるためにツールを作り変えても、多数の利用企業を横断したシグナルの分析と専門チームによるルール更新で追随する設計です。

既存構成への組み込みは、ロードバランサーのBIG-IPのほか、Amazon CloudFrontやCloudflareといったCDN、Adobe Commerceなどのプラットフォーム経由で行えます。

料金は非公開で、課金の単位はトランザクション数です(Standardは1日50万件、Advancedバンドルは1日100万件が上限)。公開されている事例は海外が中心で、国内の導入事例は公表されていません。

注文内容の審査よりも、限定品の買い占めや大量のログイン試行といった自動化されたアクセスを遮断することを優先したい事業者に向きます。Adobe CommerceやCDNなど既存の配信経路に後付けできるため、サイトの作りを変えずに対策を足したい場合の候補になります。

14. LexisNexis ThreatMetrix(LexisNexis Risk Solutions)

国内では富士ソフト株式会社(2016年〜)と株式会社NTTデータ先端技術(2020年〜)が代理店として扱う、LexisNexis Risk Solutionsの不正検知サービスです。新規口座開設、ログインや登録情報の変更、決済という3つのタイミングを対象とし、アカウントの一連の流れを通してリスクを評価します。

判定には、デバイス・位置情報・IPアドレス・行動パターンなどを評価するデバイスインテリジェンスと、機械学習によるリスク判断エンジンを使います。あわせて、複数の企業が匿名化したデータを持ち寄るLexisNexis Digital Identity Networkとの照合を行う点が特徴で、製品ページには200以上の国・地域、30億以上のデジタルアイデンティティを対象とする旨が記載されています。

つなぎ込みは、Web・モバイル・バックエンドの各環境に対応したAPIとSDKで行います。料金は年間ライセンス制でトランザクション量に応じて変動し、金額は非公開です(富士ソフト経由では初期費用が無料、契約から稼働までの目安は約1か月と案内されています)。

効果の数値としては、三菱UFJニコスの事例で、デバイスや位置情報などの追加データを判定に加えたことにより不正検知率が最大20%向上したという記載が、提供元のLexisNexis Risk Solutionsが自社サイトで公開するケーススタディにあります。

自社に蓄積した会員データだけでは追えない、国や業界をまたいだなりすましを想定する事業者向けです。富士ソフトは導入前の分析やPoCから稼働後の監視・チューニングまで担うと案内しており、社内に分析の担当者を置きにくい場合の受け皿になります。

カード会社・決済事業者が取引をスコアリングするサービス

カードの発行や決済処理を担う立場で、自社が扱う取引そのものを判定したい事業者向けのサービスです。加盟店をまたいだ利用データを学習に使う点が、加盟店向けのサービスとの違いになります。

15. ACEPlus/IFINDS(株式会社インテリジェント ウェイブ)

ACEPlus/IFINDSの製品紹介ページ

株式会社インテリジェント ウェイブが提供する、カードのオーソリ(与信照会)をリアルタイムに判定する不正検知システムです。1999年に開発されたACEPlusはオンプレミス型、2017年のIFINDSは「ACEPlusのすべての機能をASP型で提供するサービス」と説明されており、自社設備で運用するかクラウドで利用するかを選べます。

利用するのはカードを発行するイシュア側で、EC加盟店が自社の注文を審査するために契約する製品ではありません。判定は、イシュアが登録したルールとの照合とAIスコアリングを組み合わせて行います。スコアリングのモデルには、自社のデータで学習する個社型と、イシュアー共同型の2種類が用意されています。

カード会社の間で不正データを共有する仕組みとしては、株式会社PKSHA Technologyと共同開発した「FARIS 共同スコアリングサービス」があります。導入実績は、同社が2023年9月の発表で示したACEPlusとIFINDSの合計値で20社以上です。料金は公式サイトに記載がなく、要問い合わせとなります(2026年8月時点)。

対象は、自社ブランドのカードを発行し、オーソリの段階で取引を止める仕組みを自前で持ちたい事業者です。設備を自社で保有して運用したい場合はACEPlus、初期投資を抑えてクラウドで始めたい場合はIFINDSと、同じ機能を提供形態で選び分ける形になります。

16. CARDSavior(SCSK株式会社)

CARDSaviorの公式サイト

SCSK株式会社がクレジットカード業界向けに展開する不正検知システムです。公式サイトが用途として挙げているのは自社カード会員における不正カード・偽造カードの使用被害の抑止で、判定の対象になるのはカード会社が処理する取引になります。加盟店が自社の注文を審査するために導入する製品ではありません。

検知方式は、取引チャネルごとに用意するスコアリングモデルとルールエンジンの併用です。ルールは作成後にシミュレーションで試せるため、運用しながら条件を調整できます。あわせてSCSKは、英国のFeaturespace社の不正検知システム「ARIC Risk Hub」の国内販売代理店として、CARDSaviorと連携させた強化プランも用意しています。

導入社数は公開されていません。

公表されている事例は、株式会社アプラスへの提供開始(2011年11月)と、三菱UFJニコス株式会社が運用するCARDSaviorに株式会社PKSHA TechnologyのAI技術を追加した2023年2月の本稼働の2件で、後者は標準搭載ではなく個別の導入事例として案内されています。提供形態がクラウドかオンプレミスかは公式ページに記載がなく、料金とあわせて問い合わせが必要です。

導入を検討する主体はカードの発行会社に絞られます。検知の条件を自社で作り、シミュレーションで試しながら調整する運用が前提になるため、ルールを継続的に見直す担当を置ける体制があるかが判断の分かれ目です。

17. AI不正検知サービス(TISI株式会社)

TISIのAI不正検知サービスの公式サイト

2026年1月に提供が始まった、カード決済向けの不正検知サービスです。AIのルールエンジンをカード決済領域に合わせて作り込んだセカンドサイトアナリティカ株式会社と、運用基盤の構築と販売を担うTISI株式会社(2026年7月にTIS株式会社と株式会社インテックが合併し商号変更)の共同提供にあたります。

想定する利用主体はカードを発行するイシュアで、クレジットカードやデビットカードのほか、プリペイド決済やコード決済、一部のハウス決済にも対応します。検知はルール機能とスコアリング機能の2本立てで、AIが取引や加盟店のリスクを点数化し、そのスコアに対する評価ルールをイシュア側が作って取引に制限をかける流れです。基盤はクラウド上にあり、APIやファイル連携で取引情報を受け取ります。

各イシュアが学習したスコアリングモデルを共有するマルチテナント型のため、他社で起きた不正利用の情報を自社の取引判定にも反映できるとしています。金額は公開されていませんが、ルールの設定数による課金は発生せず(設定数の上限はあり)、スコアリング機能もオプション費用なしの標準搭載であることが明示されています。

導入は、2026年4月に大手プリペイド決済事業者1社への提供が決まった段階です。2027年度までに4社という数字は同社が発表した目標で、公表されているのはこの1社の決定にとどまります。

プリペイドやコード決済を自社で運営する決済事業者も、カードの発行会社と並んで想定に含まれます。自社に蓄積した不正データが少なくても他社の学習結果を共有できる設計のため、不正の事例が十分に溜まっていない段階から検知を始めたい場合の選択肢になります。

不正注文の手口と被害の実態

ここからは、導入を判断する材料として、実際にどのような手口があり、被害がどの程度の規模で起きているのかを整理します。

EC事業者が受ける不正注文の主な手口

不正注文は、動機によっていくつかの型に分かれます。それぞれ止め方が違うため、自社で起きているのがどれなのかを把握しておくと、必要な検知の範囲が見えてきます。

なりすまし注文は、他人のクレジットカード情報を使って本人になりすます手口です。フィッシングや情報漏えいで流出した番号が使われるため、決済自体は正常に承認されます。後日カード名義人からの申し出でチャージバックとなり、加盟店に損失が残ります。

転売目的の大量注文は、限定品や品薄の商品を買い占めて転売する手口です。決済は正規のものであることも多く、カード不正としては検知できません。同一の端末や配送先からの連続注文を見て止める必要があります。

取り込み詐欺・受け取り拒否は、代金引換や後払いを利用して商品だけを受け取り、支払わない手口です。後払い決済を提供している事業者では、未払いのリスクがそのまま損失になります。

いたずら注文・ポイント狙いの重複登録は、実在しない購入者による注文や、初回特典を繰り返し取得するための複数アカウント作成です。金額としては小さくても、出荷・キャンセル処理の工数と在庫の拘束が積み上がります。

受け取りの段階でも、注文者と受取人を切り離す方法が確認されています。集合住宅の空室やレンタルオフィスを配送先に指定する、海外転送サービスを経由する、荷受けを代行するアルバイトを介するといった方法で、注文者と受取人を切り離すケースがあります。配送先の情報を蓄積して照合する仕組みが必要になるのはこのためです。

狙われやすい商材の特徴

不正注文の対象になりやすいのは、換金しやすく、受け取ってすぐ現金化できる商材です。クレジットカード・セキュリティガイドラインは、業界調査に基づいて具体的な5つの類型を挙げています。

日本クレジット協会のインフラ整備部会調査によると、「相対的にリスクが高い商材」は、不正利用の発生リスクが高いことから、追加導入する対策や既に導入している対策の設定項目の追加・変更、不正判定レベルのチューニングにおいて、リスクを認識した上での対応が必要である。

①デジタルコンテンツ(オンラインゲームを含む)、②家電、③電子マネー、④チケット、⑤宿泊予約サービス

出典:クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】|クレジット取引セキュリティ対策協議会

自社の主力商材がこの5類型に当てはまる場合、検知の設定を通常より厳しく置くことが求められます。デジタルコンテンツのように提供が即時に完了するものは、出荷を保留して確認する余地がないため、判定の精度がそのまま損失に直結します。

チャージバックで加盟店が負う負担

不正注文が発覚すると、カード名義人からの申し出を受けて売上が取り消されます。この負担を誰が負うかについて、経済産業省は加盟店契約のガイドラインで次のように説明しています。

なお、現状、国際ブランドのチャージバックルールでは、非対面取引で不正利用が生じた場合には原則としてアクワイアラーに対するチャージバックを認めつつ、アクワイアラー側がいわゆる 3Dセキュアにより本人確認を行っている場合に限りチャージバックを認めないこととしている。

乙案第1項ただし書きによると、非対面で不正利用被害が生じた場合、第F条において加盟店に求められる対応とは別途に合意した措置(具体的には 3Dセキュアが求められることが多いと思われる。)を講じていない限り、加盟店は不正利用被害による損失を負担することとなる。

出典:クレジットカード加盟店契約に関するガイドライン(2017年7月3日)|経済産業省

これは2017年時点の説明であり、国際ブランドのルール自体はブランド側が定めるものですが、非対面取引の不正利用による損失は原則として加盟店側に回るという枠組みは、実務でも前提になっています。

失うのは代金だけではありません。不正利用で購入された商品は、不正利用者が指定した住所へ配送されるため、代金の回収も商品の回収もできない状態になります。そこに送料と決済手数料、そして対応にかかる工数が加わります。1件あたりの実損を把握しておくと、月額費用と比較したときの判断がしやすくなります。

クレジットカード不正利用被害額の推移

被害の規模は、日本クレジット協会が四半期ごとに集計・公表しています。直近6年の推移は次のとおりです。

集計期間(暦年)不正利用被害額うち番号盗用被害額(構成比)
2020年1月〜12月253.0億円223.6億円(88.4%)
2021年1月〜12月330.1億円311.7億円(94.4%)
2022年1月〜12月436.7億円411.7億円(94.3%)
2023年1月〜12月540.9億円504.7億円(93.3%)
2024年1月〜12月555.0億円513.5億円(92.5%)
2025年1月〜12月510.5億円475.4億円(93.1%)

※対象会社は40社。キャッシングを含み、海外発行カード分は含みません。

出典・参考資料(1件)

2025年の被害額は510.5億円で、前年から減少しました。市場規模に対する被害の割合も、あわせて公表されています。

これを受け、2025年のクレジットカードショッピング市場規模(信用供与額)に占める不正利用被害額の割合を算出した「不正利用発生率」は、0.038%となり、前年(2024年)から0.009ポイントの減少となりました。

出典:クレジットカード不正利用被害 不正利用発生率について(2026年3月31日)|一般社団法人日本クレジット協会

額も率も下がってはいますが、これをもって自社の対策が要らなくなったとは読めません。押さえておきたい前提が2つあるためです。

1つは、この調査がカードを発行する会社を対象としたものであり、EC事業者が負担した金額を集計したものではないことです。もう1つは、原資料に「取引形態(対面、非対面)の内訳はない」と明記されており、番号盗用の被害額をそのままECでの被害額と読み替えることはできないことです。

この数字は業界全体の平均的な規模を示すもので、自社が受けている被害の量を代弁するものではありません。判断の材料になるのは、自社で実際に発生しているチャージバックの件数と金額です。

そのうえで、番号を盗用された被害が9割を超えて推移している事実は、券面の偽造ではなく番号だけを使える取引、つまり非対面での不正が中心であることを示しています。自社の被害額を把握し、そこから対策の必要性を判断するという順序は変わりません。

不正検知サービスを導入するメリット

ここまで見てきた被害に対して、不正検知サービスを入れると何がどう変わるのかを整理します。

出荷前に不正注文を止められる

最も直接的な効果は、商品が手元を離れる前に不正注文を止められることです。発送してしまえば商品の回収はほぼ不可能ですが、出荷前に止められれば損失は発生しません。

デジタルコンテンツやチケットのように提供が即時に完了するものでは、提供前の判定が実質的に最後の機会になります。審査を挟む余地がどこにあるかを設計しておくことが、そのまま被害の抑止につながります。

チャージバックによる損失を防げる

不正注文を出荷前に止められれば、その注文から発生するはずだったチャージバックも起きません。売上の取り消しと商品・送料の損失を、まとめて回避できます。

ただし、すり抜けた不正までは防げません。検知だけでは残るこの部分をどう扱うかが、チャージバック保証の有無を確認する理由になります。補償の付いたサービスであれば、承認した取引に限って損失を提供側が負担する形になります。

目視審査の工数を減らし出荷を早められる

目視で全件を確認している場合、注文数の増加はそのまま人員の増加につながります。機械が明らかに問題のない注文を通すようになれば、人が見るのは判断のつかない一部だけで済みます。

確認待ちの注文が減れば、出荷までの時間も短くなります。当日出荷や翌日配送を訴求している事業者にとっては、審査による滞留を減らすこと自体が顧客体験の改善にもなります。

過度な自社ルールによるカゴ落ち・機会損失を抑えられる

不正対策として、高額注文を一律で保留する、特定の配送先を断る、全員に追加認証を求めるといったルールを敷いている事業者は少なくありません。これらは不正を減らす一方で、正規の顧客まで遠ざけます。

注文ごとにリスクを判定できるようになれば、一律のルールを個別の判定に置き換えられます。疑わしい注文にだけ追加の確認を求める形にすることで、それまで機会損失として消えていた売上を取り戻せる可能性があります。

関連法令・ガイドラインへの対応

不正利用対策は、事業者の任意の取り組みではなく、法令上の義務として位置づけられています。ここでは、加盟店に何が求められているのか、そのなかで不正検知サービスがどこに当たるのかを整理します。

割賦販売法が加盟店に求めている措置

クレジットカード決済を受け付ける販売事業者には、割賦販売法(昭和36年法律第159号)で不正利用を防ぐ措置が義務づけられています。

クレジットカード等購入あつせん関係販売業者又はクレジットカード等購入あつせん関係役務提供事業者は、経済産業省令で定める基準に従い、利用者によるクレジットカード番号等の不正な利用を防止するために必要な措置を講じなければならない。

出典:割賦販売法 第35条の17の15(クレジットカード番号等の不正な利用の防止)|e-Gov法令検索

ここでいう「クレジットカード等購入あつせん関係販売業者」が、カード決済を受け付ける加盟店にあたります。経済産業省のFAQでも、不正利用防止措置の対象事業者は加盟店であると示されています。条文が委ねている「経済産業省令で定める基準」は、施行規則に2つの号として置かれています。

出典・参考資料(1件)

法第三十五条の十七の十五の経済産業省令で定める基準は、次のとおりとする。

一 クレジットカード番号等の通知を受けたとき、当該通知がクレジットカード等購入あつせん業者から当該クレジットカード番号等の交付又は付与を受けた利用者によるものであるかの適切な確認その他の不正利用を防止するために必要かつ適切な措置を講ずること。

二 加盟店において不正利用されたときは、その発生状況を踏まえ、類似の不正利用を防止するために必要な措置を講ずること。

出典:割賦販売法施行規則 第133条の14(クレジットカード番号等の不正な利用の防止)|e-Gov法令検索

第1号が購入者の本人確認を、第2号が不正が起きた後に類似の被害を防ぐ追加の対策を求めています。不正検知サービスが実務上位置づけられるのは、主に第2号のほうです。

ただし、法令は具体的な手段を指定していません。経済産業省の監督の基本方針は、その建て付けを次のように説明しています。

クレジットカード番号等の漏えい等の事故の防止措置及び不正利用の防止措置に関しては、法令においてはセキュリティ確保に不可欠な機能のみを定め、その実現手段及び方法については、各事業者の創意工夫に基づく多様な手法に対してオープンなものとする「性能規定」の考えの下、加盟店に対して必要かつ適切な措置を講ずることを求めている。この「必要かつ適切な措置」については、最新の技術動向等を踏まえて毎年見直しが行われるガイドラインに掲げられる措置が実務上の指針となるものであり、ガイドラインに掲げる措置又はそれと同等以上の措置を講じている場合には「必要かつ適切な措置」が講じられているものと認められる。

なお、上記の「必要かつ適切な措置」のうち、加盟店が講ずる不正利用を防止するための措置については、当該加盟店の不正利用発生額及び不正利用発生率などに留意し、リスクに応じた措置を講ずることが求められる。

出典:割賦販売法(後払分野)に基づく監督の基本方針(令和7年9月25日改正・施行)|経済産業省

したがって、特定の製品を入れることが義務づけられているわけではなく、自社の被害の発生状況に見合った措置を選ぶことが求められています。不正検知サービスは、その選択肢の一つという位置づけになります。

加えて、加盟店契約を結ぶ側にも調査の義務があります。同法第35条の17の8は、契約締結事業者が加盟店の講じる措置を調査し、基準に適合しないおそれがあると認めるときは契約を締結してはならないと定めています。加盟店にとっては、契約時や契約後の調査で自社の対策が確認される立場にあるということです。

あわせて押さえておきたいのが、同法第35条の16です。こちらはカード番号等の適切な管理(漏えいの防止)を求めるものです。番号を守る話と、不正な注文を止める話は別の義務として整理されています。

番号を守る側では、自社ECサイトそのものに攻撃の糸口が残っていないかを点検する脆弱性診断が対策の中心になります。どの診断で何を見るのか、費用はいくらかを確認したい場合は以下の記事で整理しています。

クレジットカード・セキュリティガイドラインが求める対策

実務上の指針とされているのが、クレジット取引セキュリティ対策協議会の「クレジットカード・セキュリティガイドライン」です。2026年3月改訂の6.1版が現行版にあたります。

同ガイドラインは、EC加盟店が実施すべき対策を次のように示しています。

不正利用防止策として、オーソリゼーション処理の体制整備、加盟店契約上の善良なる管理者の注意義務の履行、EMV 3-D セキュアの導入及び適切な不正ログイン対策を実施する。

上記に加え、不正顕在化加盟店は、類似の不正利用の発生を防止するために、不正利用の発生状況等に応じて、本ガイドラインが掲げる不正利用対策から適切な対策を追加導入する。

出典:クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】|クレジット取引セキュリティ対策協議会

不正検知サービスにあたる「属性・行動分析」は、この2つの経路で登場します。1つは不正ログイン対策の選択肢としてで、会員登録時・会員ログイン時・属性情報変更時の3場面すべてに有効な対策として挙げられ、優先的に導入することが望ましい対策の一つに位置づけられています。もう1つが、被害が続いている加盟店が追加で導入する対策としてです。

後者については、対象となる加盟店の基準が具体的な数字で示されています。

カード会社(アクワイアラー)各社が把握する不正利用金額が、「3 ヵ月連続 50 万円超」に該当する加盟店を「不正顕在化加盟店」とする。不正顕在化加盟店は、カード会社(アクワイアラー)や PSP のサポートを受け、類似の不正利用の発生を防止するために、不正利用の発生状況や取扱商品(※)、スキーム等によって異なる不正利用の手口に応じて「適切な対策の追加導入」、若しくは既に導入している対策の設定項目の追加・変更や不正判定レベルのチューニングによる「対策の強化」を行う。この「適切な対策の追加導入」は、「属性・行動分析」や「配送先情報のチェック」、「配送停止・配送保留」等の「セキュリティ対策導入ガイド【附属文書 20】」に記載の不正利用対策から適切な対策を追加導入することとする。

出典:クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】|クレジット取引セキュリティ対策協議会

3か月連続で50万円を超える不正利用が把握されている加盟店は、この定義に該当します。自社が該当するかどうかは、カード会社や決済代行に確認すれば分かります。該当する場合、不正検知サービスの導入は選択肢の一つではなく、求められる対応の具体例として名前が挙がっている対策になります。

ガイドラインは、導入済みの対策についても「不正判定レベルのチューニング」による強化を求めています。導入して終わりではなく、被害の出方に合わせて設定を調整し続けることが前提に置かれている点は、サービスを選ぶときの調整のしやすさが重要になる理由でもあります。

EMV 3-Dセキュアについては、2023年の4.0版で2025年3月末までの原則導入が求められ、2025年3月の6.0版で実施すべき対策として位置づけられました。現行の6.1版に導入期限の記述はありません。

まとめ

不正検知サービスは、守る対象によって設計も比較の軸も変わります。自社ECの注文を出荷前に止めたいのか、会員アカウントへのなりすましを防ぎたいのか、それとも自社が処理するカード取引を判定したいのか。まずここを決めることで、候補は大きく絞り込めます。

そのうえで見るのが、検知方式と参照するデータ、つなぎ込み方式、そして誤検知が起きたときに誰が調整できるかです。料金は公開されていないものが多い領域ですが、初期費用・月額の基本料・審査件数の従量という組み立ては共通しているため、自社の月間注文件数を当てはめれば見積もりの比較はできます。すり抜けた不正の損失を誰が負担するのかも、あわせて確認しておきたい点です。

タイプ別に絞り込むなら、次の順で確認すると迷いません。

  • ECの注文審査:月間の審査件数を出し、含まれる件数と超過単価で費用を試算します。あわせて、利用中のカート・決済代行で使えるサービスかを確認します
  • 会員のログイン監視:守りたい場面(会員登録・ログイン・属性変更)を決め、タグ設置で足せるか、既存の認証を作り替える必要があるかを確認します
  • カード取引のスコアリング:自社設備で持つかクラウドで始めるかを決め、ルールの見直しを継続できる体制があるかを確認します

比較表診断ツールでは、これらの軸で17製品を横並びに確認できます。候補が絞れたら資料を取り寄せて、自社の注文件数と体制に照らして検討してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 不正検知サービスとは何ですか?

A. 不正検知サービスとは、注文・会員登録・ログイン・決済といった申込内容を機械が審査し、商品の出荷やサービスの提供に進む前に不正の疑いがある取引を止める仕組みです。

クレジットカード・セキュリティガイドラインでは「属性・行動分析」と呼ばれています。同じ「不正検知システム」という言葉でも、カード会社がオーソリゼーションの情報から不正を検知する仕組みは「オーソリモニタリング」として呼び分けられており、加盟店が導入するサービスとは別のものを指します。

問い合わせや社内の検討で言葉が食い違いやすい部分なので、どちらの立場で使う仕組みの話をしているのかを先に揃えておくと確認が早くなります。

出典・参考資料(1件)

Q. 不正検知サービスの導入は法律で義務づけられていますか?

A. 不正検知サービスという特定の仕組みの導入が義務づけられているわけではありませんが、クレジットカード決済を受け付ける加盟店には、割賦販売法によって不正利用を防ぐために必要な措置を講じることが義務づけられています(第35条の17の15)。

経済産業省の監督の基本方針は、法令はセキュリティ確保に不可欠な機能のみを定め、実現手段は各事業者の創意工夫に委ねる「性能規定」の考え方をとると説明しています。そのうえで加盟店には、自社の不正利用発生額や発生率に留意したリスクに応じた措置が求められます。不正検知サービスは、この義務を果たすための手段の一つという位置づけです。

出典・参考資料(2件)

Q. 不正検知サービスの追加導入を求められる「不正顕在化加盟店」に自社が該当するかは、どう確認できますか?

A. 該当するかどうかは、加盟店契約を結んでいるカード会社(アクワイアラー)や決済代行に問い合わせて確認します。判定に使われるのはカード会社各社が把握している不正利用金額のため、自社の受注データやチャージバックの通知だけでは正確に把握できません。

該当した場合に求められるのは、カード会社やPSP(決済代行事業者)の支援を受けながら対策を追加導入するか、すでに入れている対策の設定を強化することです。

このとき、クレジットカード・セキュリティガイドラインが挙げる対策と同等以上の性能を満たす対策を選ぶことも認められていますが、その対策が同等以上であることの説明をカード会社やPSPから求められる場合があるとされています。

サービスを比較する段階で、判定の考え方や検知の実績を第三者に説明できる資料が提供側から出るかどうかも見ておくと、あとの説明で困りません。

出典・参考資料(1件)

Q. 3Dセキュアを導入していれば不正検知サービスは不要ですか?

A. 3Dセキュア(EMV 3-Dセキュア)と不正検知サービスは役割が異なるため、どちらか一方で足りるという関係ではありません。3Dセキュアはカード会社が決済時に本人かどうかを判断する本人認証で、判定を行うのはカード会社側です。

3Dセキュアで止まらないのは、後払いや代金引換のようにカード決済を伴わない注文と、本人名義のカードで行われる転売目的の大量注文や初回特典狙いの重複登録です。逆に、不正検知サービス側には決済の承認可否を左右する機能はありません。責任分界を含めた両者の関係は3Dセキュア・セキュリティコードなど他の対策との違いと併用で整理しています。

Q. 不正検知サービスはカード決済以外の後払いや代金引換にも使えますか?

A. 注文情報を審査するタイプの不正検知サービスは、カード決済に限らず、後払いや代金引換の注文にも適用できます。判定に使うのが配送先・端末・購入履歴といった注文そのものの情報であり、決済手段に依存しないためです。

後払いの未払いや、代金引換の受け取り拒否による取り込み詐欺も、同じ審査の対象にできます。ただし、対応する決済手段や商材はサービスごとに異なるため、自社が使っている決済手段を審査対象にできるかは個別に確認してください。

Q. 決済代行を乗り換えると、不正検知サービスはどうなりますか?

A. 決済代行のオプションとして契約している場合、乗り換えると同じ不正検知サービスは使えなくなるのが基本です。契約先が決済代行になっているためで、乗り換え先が同じサービスを扱っているかどうかで対応が変わります。カートの連携機能やサービス提供元との直接契約で導入していれば、決済代行を替えても継続して使えます。

将来の乗り換えが視野にあるなら、契約前に3点を確認しておくと手戻りを抑えられます。1つ目は、蓄積した不正情報や自社で作り込んだ判定ルールを引き継げるか。2つ目は、切り替えの前後で審査が効かない期間が生じないか。3つ目は、決済代行経由の料金と直接契約の料金にどれだけ差があるかです。

決済代行そのものの見直しを検討している段階であれば、不正検知を決済代行に寄せず、独立して契約できる構成にしておく選択肢もあります。

Q. 海外転送サービスや集合住宅の空室が配送先に指定された注文は、不正検知サービスで止めてしまってよいですか?

A. 一律に自動キャンセルするのではなく、保留にして確認する対象として扱うのが現実的です。海外転送サービスは海外在住の顧客が正規に利用することもあり、空室に見える住所も登録情報が古いままになっているだけの場合があるためです。

配送先を見て止めること自体は、クレジットカード・セキュリティガイドラインでも、被害が続いている加盟店が追加導入する対策の例として「配送先情報のチェック」「配送停止・配送保留」が挙げられています。

運用としては、該当する配送先の注文をいったん保留に回し、電話や追加の本人認証で確認が取れたものだけ出荷する形にすると、正規の顧客を取りこぼしません。

過去に不正で使われた配送先を蓄積・照合できるサービスであれば、同じ住所が繰り返し使われた時点で判定の確度が上がります。

出典・参考資料(1件)

Q. 不正検知サービスのトライアルでは何を確認しておくべきですか?

A. 確認したいのは、トライアルの条件(期間・審査できる件数の上限・有償か無償か)と、自社の注文で実際の判定結果を見られるかどうかの2点です。条件はサービスによって差があり、期間と件数に上限を設けた有償のものと、一定期間を無償とするものがあります。

あわせて聞いておきたいのが、過去の注文データを渡して遡って判定させられるか(すでに不正だと判明している注文を検知できるかを試せます)、トライアル中の判定は監視のみか実際に注文を止めるのか、終了後の料金と最低契約期間はどうなるか、の3点です。本番の注文に判定を効かせる形のトライアルでは、誤検知が実際の売上に影響するため、止まった注文を誰が確認するかも事前に決めておきます。

Q. 不正検知サービスは導入してからどのくらいで効果が出ますか?

A. 不正検知サービスは稼働した日から想定どおりの精度が出る仕組みではなく、自社の注文の傾向に合わせて設定を調整する期間が別に必要です。クレジット取引セキュリティ対策協議会のセキュリティ対策導入ガイドも、次のように明記しています。

ただし、導入して即座に効果を期待できる仕組みではなく、不審なトランザクションのモニタリングや不正取引情報のインプット、業種や不正利用の動向に応じた適切な設定、調整等を行う必要がある。

出典:EC加盟店におけるセキュリティ対策 導入ガイド【附属文書20】(2.1版・2026年3月)|クレジット取引セキュリティ対策協議会

調整にかかる時間を短くしたいのであれば、判定を出しても注文を止めない「監視のみ」で運用する初期の段階で、何を見て判断するかを先に決めておきます。止まった注文のうち実際に不正だったものの割合、確認にかかった時間、保留のまま滞留した件数の3つが揃えば、しきい値を上げ下げする根拠になります。調整を自社の管理画面で行えるのか、提供側への依頼になるのかによっても、1回の見直しに要する日数は変わります。

Q. 不正検知サービスにチャージバック保証を付ければ、すり抜けた被害は全額戻りますか?

A. 全額が戻るとは限りません。補償の範囲・上限・対象外の条件は契約ごとに決まるため、保証料の金額だけでなくこの3点を見積もりの段階で確認する必要があります

問い合わせておきたいのは、補償されるのが審査で承認された注文に限られるのか(保留になった注文を目視で通した場合はどう扱われるのか)、上限は1件あたりなのか一定期間の合計なのか、自社の商材や決済手段が対象から外れていないか、補償を申請する期限と必要書類は何か、そして保証の料金が月額に含まれるのか承認した注文への課金なのか、といった点です。

第三者による不正利用以外の理由(商品の未着やクレームに起因するもの)は対象外とされるのが一般的なため、どこまでが「不正利用」に当たるのかも契約書で確かめておきます。

Q. 不正検知サービスが不正と判定して止めた注文について、購入者に理由を説明してもよいですか?

A. 判定の根拠となるロジックや審査の基準を購入者に伝えてはいけません。注文を止められた側が問い合わせを装って基準を聞き出そうとする手口があるためです。セキュリティ対策導入ガイドも次のように明記しています。

なお、注文を止められた攻撃者がEC加盟店に電話し、審査基準を聞き出そうとする手口があるため、属性・行動分析のロジックを消費者に開示してはならない。

出典:EC加盟店におけるセキュリティ対策 導入ガイド【附属文書20】(2.1版・2026年3月)|クレジット取引セキュリティ対策協議会

実務では、キャンセルや保留を伝える文面をあらかじめ用意し、担当者によって説明が変わらないようにしておきます。誤検知だった顧客への謝罪と再注文の案内まで含めて文面を決めておくと、対応の質を保ちながら基準の露出も防げます。

Q. 不正検知サービスの審査のために、購入者の情報を外部の事業者へ渡して問題はありませんか?

A. 注文情報や端末情報をサービス提供事業者へ渡す構成は一般的ですが、個人情報の取り扱いを整理したうえで導入する必要があります。セキュリティ対策導入ガイドも、不正取引情報の収集・共有・保存にあたっては個人情報保護に留意しなければならないとしています。

実務で確認したいのは、自社のプライバシーポリシーに書いてある取得情報や第三者提供の記載が実際の連携内容と合っているか、データの保存先と保存期間はどうなっているか、そして事業者横断のデータベースに自社の不正情報を提供する仕組みであれば、その提供が契約上どう位置づけられているかです。海外の事業者が提供するサービスでは、データがどの国で処理されるかも合わせて確認しておきます。

出典・参考資料(1件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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