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ライブネス検知とは?仕組みと種類、eKYCの不正検知・認証精度の見方を解説

ライブネス検知とは?仕組みと不正検知の精度の見方のサムネイル画像

オンラインの口座開設や本人確認の画面で「ライブネス検知」という言葉を見かけて、これが何を指す技術なのか気になった方は多いのではないでしょうか。まず結論からお伝えすると、ライブネス検知とは、カメラの前にいるのが写真や動画、マスクなどの偽装ではなく、その場にいる生きた本人だと確認する技術です。

近年は生成AIによる顔画像の合成やディープフェイクが精巧になり、他人になりすまして口座を開設する不正が現実的なリスクになっています。こうしたなりすましを入り口で防ぐ仕組みとして、eKYC(オンライン本人確認)にライブネス検知が組み込まれるようになりました。

本記事では、ライブネス検知の意味と仕組み、能動型・受動型の違い、なりすましの手口とその見分け方を整理します。そのうえで、サービス選定で見落とされがちな認証精度の指標(本人拒否率・他人受入率・自動承認率・離脱率)の読み方を解説します。

あわせて、不正検知を強めるほど正規の利用者が弾かれるトレードオフや、ライブネス検知に強いサービスの選び方までを整理しました。自社のeKYC導入・見直しの判断材料としてご活用ください。

口座開設やアプリ登録などで顔認証(本人確認)がうまく通らずにお困りの方は、先に「顔認証が通らない主な原因と対処」で対処法を確認できます。

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ライブネス検知とは?なりすましを防ぐための本人確認技術

ライブネス検知(liveness detection)とは、カメラに写っているのが写真・動画・マスクなどの偽装物ではなく、その場にいる生きた本人であることを判定する技術です。「ライブネス」は「生きていること」を意味し、顔認証やeKYCと組み合わせて、本人になりすます不正を入り口で防ぐ役割を担います。

なぜこの技術が必要なのかというと、顔写真の照合だけでは「本物の人間かどうか」までは判断できないからです。他人の顔写真をスマートフォンにかざす、録画した動画を再生する、精巧なマスクを着ける、といった手口で照合をすり抜けようとする攻撃を、ライブネス検知が弾きます。こうした攻撃は提示型攻撃(Presentation Attack)と呼ばれます。

判定の手がかりになるのは、写真や録画では再現しにくい要素です。利用者にまばたきや顔の向きの変更を指示してその動作を確認する方法や、肌の質感・光の反射・手ブレといった撮影時の微細な特徴から静止画でないことを見分ける方法があります。日本電気(NEC)は自社の技報で、この仕組みを次のように説明しています。

これはランダムに顔の動作指示を行い、指定時間内に該当動作を実施したのかを検証するもので、写真やビデオではなく、スマートフォンのカメラの前に生身の人物がいなければクリアすることができないため、他人のなりすましを困難にします。

出典:NEC技報 Vol.71 No.2「ユーザーが使いたい金融サービスを即時利用可能にする『本人確認サービス』の提供」|日本電気株式会社

ライブネス検知の種類となりすましの見分け方

ここからは、ライブネス検知がどのように本人と偽装を見分けるのかを、方式の種類と対応する手口の両面から整理します。

能動型(アクティブ)と受動型(パッシブ)の違い

ライブネス検知は、利用者に動作を求めるかどうかで、能動型(アクティブ)と受動型(パッシブ)の2つに大きく分かれます。

能動型は、利用者に「まばたき」「顔を左右に向ける」「口を開ける」などの動作を指示し、指定時間内に正しく実行できるかを確認する方式です。写真や録画された動画ではその場の指示に反応できないため、なりすましを見分けやすいのが強みです。一方で、利用者に操作の手間がかかり、指示をうまく実行できないと確認に手間取ることがあります。

受動型は、利用者に特別な動作を求めず、撮影された一枚の映像から肌の質感・奥行き・光の反射などを解析して本物かどうかを判定する方式です。操作の手間が少なく手続きがスムーズに進む一方、判定はアルゴリズムの精度に依存します。実際のサービスでは、両方を組み合わせて精度と使いやすさを両立させる構成も多く見られます。

能動型(アクティブ)と受動型(パッシブ)のライブネス検知を対比した図解。能動型はまばたきや顔の向きの変更などの動作を指示して確認する方式で、写真・録画のなりすましを見分けやすい反面、利用者に操作の手間がかかる。受動型は特別な動作を求めず、肌の質感・奥行き・光の反射などから一枚の映像を解析して判定する方式で、手続きがスムーズな一方、判定はアルゴリズムの精度に依存する。実際のサービスでは両方を組み合わせる構成も多い。

能動型で利用者に求める動作の一例として、NECは技報で次のように記しています。

図7 ライブネス動作例 笑顔、顔の向き、顔の傾き、瞬き・ウインクなどからランダムに選択 動作回数はパラメータで選択、同じ指示は連続して出ない

出典:NEC技報 Vol.71 No.2|日本電気株式会社

なりすましの手口と検知の観点

ライブネス検知が想定する主ななりすましの手口と、それをどう見分けるかを整理すると、次のようになります。手口ごとに検知の着眼点が異なるため、想定される攻撃に対応できるかが選定の観点になります。

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なりすましの手口他人の顔写真をかざす(印刷物・スマホ画面表示)録画した動画を再生する(動画リプレイ)2D・3Dのマスクを着ける生成AIによる合成顔・ディープフェイク
検知の観点静止画に特有の平面性、まばたき・動作の欠如、画面の反射や縁を手がかりに判定するその場の動作指示に反応できるか、指示の順序や内容がランダムに変わる点で見分ける肌の質感や奥行き、光の反射の不自然さを解析するAIによる真贋判定で合成特有の痕跡を検出する(後述のとおり攻撃側も高度化しており、限界もある)

NECは技報で、写真やビデオによるなりすましへの対策として顔ライブネス機能を提供していると説明しています。加えて、次期バージョンでの3Dマスク対策についても言及しています。

スマートフォンの前で他人の写真やビデオをかざすことで本人になりすまして不正な口座開設を行い、マネーロンダリングやテロ資金供与に利用されるリスクを防止するため、「顔ライブネス機能」を提供します(中略)更に次期バージョンでは、ディープラーニングを活用した可視光チェックにより3Dマスクによるなりすましも検知する予定です。

出典:NEC技報 Vol.71 No.2|日本電気株式会社

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認証精度の指標の読み方(本人拒否率・他人受入率・自動承認率・離脱率)

サービス比較では「認証精度が高い」という訴求が並びますが、何を見れば自社にとっての精度を判断できるのかは分かりにくいものです。ここでは、精度をあらわす代表的な指標の意味と、それらをどう読むかを整理します。

本人拒否率・他人受入率・自動承認率・離脱率の意味

顔認証やライブネス検知の精度は、主に2つの誤りの割合であらわされます。1つは本人拒否率(FRR:False Rejection Rate)、もう1つは他人受入率(FAR:False Acceptance Rate)です。それぞれの定義は次のとおりです。

  • 本人拒否率(FRR):本人が認証を試みているのに、本人だと認識できず拒否してしまう割合
  • 他人受入率(FAR):他人が認証を試みたときに、本人だと誤認して受け入れてしまう割合

加えて、eKYCの運用でよく用いられるのが自動承認率と離脱率です。自動承認率は、オペレーターの目視確認を挟まずに自動判定だけで手続きを完了できた割合を指します。離脱率は、本人確認の途中で利用者が手続きをやめてしまう割合です。自動承認率が高いほど審査の運用コストは下がり、離脱率が低いほど正規の利用者を取りこぼしにくくなります。

ただし、自動承認率は高ければよいという指標ではありません。目視を減らして自動で通す範囲を広げようと判定を緩めれば、その分だけ他人受入率(なりすましの見逃し)が上がりやすくなります。自動承認率は、運用コストの軽さと、なりすましを見逃さない厳しさのバランスの中で、自社がどこを許容ラインにするかで読む指標です。

精度を示す数値を読むときのポイントは、本人拒否率と他人受入率は必ずセットで見ることです。片方だけを取り出しても精度の実像はつかめません。たとえばNECは技報で、自社の顔認証エンジンの精度を「他人受入率を固定した条件下での本人拒否率」という形で示しています。

サーバサイドと同様の高い認証精度(他人受入率(FAR)=0.001%のときの本人拒否率(FRR)=0.25%)があり、本人なりすまし対策を行っています。

出典:NEC技報 Vol.71 No.2(NeoFace-G Lite の精度)|日本電気株式会社

このように「他人受入率を◯%に固定したときの本人拒否率」という示し方が、精度を比較するうえでの基本形です。一方の条件をそろえないまま数値だけを並べても、公平な比較にはなりません。サービスの精度値を確認するときは、どの指標を、どんな条件で測ったものかまで見ることが大切です。

不正検知を厳しくすると本人拒否が増えるトレードオフと要件の据え方

精度の指標を読むうえで欠かせないのが、本人拒否率と他人受入率がトレードオフの関係にあることです。判定を厳しくして他人受入率(なりすましの見逃し)を下げると、その分だけ本人拒否率が上がり、正規の利用者まで弾かれやすくなります。逆に判定を緩めれば本人は通りやすくなりますが、なりすましを見逃すリスクが高まります。

ここで効いてくるのが離脱率です。判定を厳しくしすぎると、正規の利用者が「何度やっても通らない」と感じて手続きをやめてしまい、離脱率が上がります。不正を防ぐことと、正規の利用者に手続きを完了してもらうことは、どちらも事業上の重要な目標であり、一方に振り切れば片方が犠牲になります。

本人拒否率(FRR)と他人受入率(FAR)のトレードオフを示した図解。判定を厳しくすると、他人受入率(なりすましの見逃し)は下がる一方、本人拒否率(正規の利用者を弾く割合)と離脱率は上がる。判定を緩めると、本人拒否率は下がる一方、他人受入率(なりすましの見逃し)は上がる。本人拒否率と他人受入率はセットで測定条件をそろえて読み、要件は自社の不正リスクと申込ボリュームに合わせて据える。

そのため、精度の要件は「とにかく厳しく」ではなく、自社の事業に合わせて据えるものです。扱う取引の不正リスクが高いほど他人受入率を低く抑える必要があり、申込のボリュームが大きく離脱が売上に直結する事業では、本人拒否率と離脱率を抑える設計が重要になります。

判定を自動で完結させる範囲と、目視審査に回す範囲をどう分けるかも、精度と運用コストのバランスを左右します。サービスを選ぶときは、公表されている精度値そのものだけでなく、自社の許容ラインに合わせて判定の強さを調整できるか、目視審査を組み合わせられるかまで確認することをおすすめします。

ライブネス検知の限界と、顔認証が通らないときの対処

ライブネス検知は万能ではありません。ここでは技術としての限界と第三者評価の枠組み、そして利用者側で顔認証が通らないときの対処を分けて整理します。

「絶対」はない — 生成AI偽造の進化と第三者評価

ライブネス検知を導入しても、なりすましを100%防げるわけではありません。生成AIによる顔画像の合成やディープフェイクは年々精巧になっており、検知する側とすり抜けようとする側の技術は追いかけ合いの関係にあります。「絶対に見破れる」と断定するサービスがあれば、むしろ慎重に見るべきです。

そこで、検知性能を客観的に評価する枠組みとして、国際規格と第三者試験が用意されています。国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)は、提示型攻撃の検知(PAD:Presentation Attack Detection)の試験方法と報告のしかたを定めた規格を発行しています。

ISO/IEC 30107-3:2023 – Information technology — Biometric presentation attack detection — Part 3: Testing and reporting

出典:ISO/IEC 30107-3:2023|ISO(国際標準化機構)公式カタログ

この規格にもとづく試験を提供する第三者機関の一つに、iBeta Quality Assurance があります。同機関の試験はレベル1(印刷写真などの低コストな偽装を対象)とレベル2(高精度な3Dマスクや合成・動画といったより高度な攻撃を含む)に分かれています。サービスがこうした第三者試験を通過しているかは、検知性能を判断する客観的な手がかりになります。

ただし注意したいのは、第三者試験の通過は「その試験で確認された範囲での適合」を示すものであり、製品そのものの万能性を保証するものではない点です。iBeta 自身も、試験結果はベンダー製品の認証(certification)を意味するものではないと明記しています。第三者評価はあくまで判断材料の一つとして、自社の想定する攻撃に対応できるかという観点で見ることが大切です。

顔認証が通らない主な原因と対処

本人確認の顔認証(撮影)がなかなか通らない場合、その多くは撮影環境や写り方に原因があります。各サービスのサポート案内に共通する主な原因と対処は、次のとおりです。

  • 暗い場所や光が反射する場所を避け、明るく均一な照明の下で撮影する
  • 背景は白い壁など無地の場所を選ぶ
  • 眼鏡の反射で目が隠れないようにし、必要に応じて外す。本人確認書類の写真と見た目を合わせる
  • 前髪で目や顔の輪郭が隠れないように整える
  • 顔の角度やカメラとの距離を変えて、枠内に顔全体が収まるようにする

これらを試しても自動判定が通らない場合は、アプリの再起動や再インストール、通信環境の見直しで改善することがあります。それでも完了できないときは、画像を手動でアップロードする方法や、本人確認書類の原本を郵送する方法など、別の本人確認手段が用意されていることが多いため、利用中のサービスのサポート窓口にお問い合わせください。

ライブネス検知はどこで使われるか(eKYCと犯収法の本人確認)

ライブネス検知が最もよく使われるのが、オンラインで本人確認を完結させるeKYCです。銀行の口座開設、証券・暗号資産の口座開設、キャッシュレス決済やマッチングサービスの登録など、本人確認が必要な場面で、顔写真の照合とセットで用いられています。

そもそもeKYCにはどのような方式があり、それぞれの仕組みや安全性はどう違うのか——本人確認の全体像から押さえておきたい方は、以下の記事で4つの方式の種類と注意点を解説しています。

その背景には、犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)による本人確認義務があります。同法は、特定事業者が特定取引を行う際に、顧客の本人特定事項などの確認を行うことを求めています。

この本人確認をオンラインで完結させる方法の一つが、いわゆる「ホ方式」です。顧客が事業者の提供するソフトウェアで撮影した「容貌の画像」と「写真付き本人確認書類の画像」を送信する方式で、金融庁は概要を次のように示しています。

「写真付き本人確認書類の画像」+「容貌の画像」を用いた方法[犯収法規則6条1項1号ホ](中略)「画像」は、静止画に限らず動画も含まれる。

出典:金融庁「犯罪収益移転防止法におけるオンラインで完結可能な本人確認方法の概要」

ここで押さえておきたいのは、法律が直接求めているのは本人確認そのものであり、「ライブネス検知」という特定の技術の利用を義務づけているわけではないという点です。ライブネス検知は、この「容貌の画像」を用いる方式で、他人へのなりすましを防ぐために事業者が付加する対策として実務で使われています。

この本人確認の方式は、公布済みの改正で見直されることが決まっています。警察庁の改正Q&Aによると、なりすまし等のリスクが高い方法として、容貌の画像を送信する「ホ方式」は廃止され、ICチップ情報の読み取りを用いる方式へ移行します。改正後の新しい規則は2027年(令和9年)4月1日に施行され、以降の取引時確認は新規則にもとづく方法で行う必要があります。

ここで気になるのが「では今、顔認証を使うeKYCに投資してよいのか」という点です。改正はあくまで書類の画像送信という方式のなりすましリスクへの対応であり、申込者が本人かどうかを確かめる生体確認や、なりすまし・偽造を見抜く不正検知そのものの必要性がなくなるわけではありません。

方式が変わっても、ライブネス検知が担う「その場にいる生きた本人か」の確認の価値は続くと考えられます。本人確認の方式が変わる転換点として、動向は押さえておきましょう。

2025年・2027年の犯収法改正で本人確認の方法が具体的にどう変わるのか、ホ方式の廃止やICチップ読み取り(JPKI)方式への移行を詳しく知りたい方は、以下の記事で改正のポイントと準備すべきことを整理しています。

ライブネス検知・不正検知に強いサービスの選び方

ここからは、ライブネス検知や不正検知の観点でeKYCサービスを選ぶときに確認したい点を整理します。認証精度と不正対策は、次の観点で見ていくと自社に合うサービスを見極めやすくなります。

1つ目は、不正検知の強さと対応する手口の範囲です。写真・動画リプレイ・マスクに加え、生成AIによる合成顔やディープフェイクまで検知の対象にしているか、書類の真贋判定まで含むかを見ておきたい点です。2つ目は、認証精度の指標を、条件とともに開示しているかです。

本人拒否率と他人受入率をセットで、測定条件つきで示しているサービスは、精度の実像を判断しやすくなります。第三者試験(ISO/IEC 30107-3 にもとづくiBeta PADなど)の通過を公表しているかも客観的な手がかりです。

3つ目は、判定の強さを自社の許容ラインに合わせて調整でき、AIの自動判定とオペレーターの目視審査を組み合わせられるかです。不正を厳しく弾く運用と、離脱を抑える運用のバランスを取れる柔軟性は、実運用で効いてきます。

4つ目は、提供形態です。eKYC一体型のサービスとして本人確認の一連の流れを任せられるものと、既存の本人確認の仕組みに組み込む要素技術として提供されるものがあり、自社の開発体制や既存システムとの兼ね合いで選び方が変わります。

以下では、ライブネス検知・生体検知・AIによる真贋判定や、有人審査によるなりすまし対策に強みを持つeKYCサービスを紹介します。まず主要なサービスを一覧で比較し、続いて各サービスの特徴を個別に見ていきます。

ここで先ほどの「精度は条件つきでセットで読む」という観点が効いてきます。各社が開示する精度指標は種類も測定条件もそろっておらず、数値をそのまま横並びで優劣比較することはできません。表は、精度を「どの指標で・どんな条件まで開示しているか」という開示の姿勢と、対応する不正検知・審査体制に注目して見るのがおすすめです。

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サービス名LIQUID eKYCDeep Percept for eKYCQuick TrustPolarify eKYCKPASクラウド 本人確認クイックTRUSTDOCKネクスウェイの本人確認(eKYC)ソリューション
ライブネス・生体検知容貌真贋判定(提示型攻撃検知)ランダム指示撮影によるライブネスアクティブ生体検知(能動型)ライブネスチェック(Daon生体認証)顔のポーズ判定公式に方式の明示なし公式に方式の明示なし
不正検知の対応範囲ディープフェイク・写真/ディスプレイ攻撃
カメラインジェクション・顔の使い回し検知
書類の真贋判定+ランダム指示撮影
(なりすまし・偽造の抑止)
生成AI・ディープフェイク検知
アクティブ生体検知
ライブネスチェック+顔の使い回し検知
運転免許証の真贋判定(オプション)
ICチップ読取+容貌照合による偽造耐性
顔のポーズ判定
AI照合+24時間365日の有人目視で
書類・なりすましを確認
顔認証+書類審査・目視確認(BPO)
認証精度の開示顔認証精度 約99.6%
(FAR 1/10万以下、公式公表)
公表なしAI判定精度99.2%
(公式訴求・算出根拠は未開示)
本人拒否率1%
他人受入率0.0002%(公式公表)
NIST FRVT 1:1で高評価
(顔認証技術、公式訴求)
公表なし公表なし
AI自動判定+目視審査AI自動判定が中心AI自動判定が中心AI×目視のハイブリッドBPO審査はオプションAI自動判定が中心24時間365日の有人審査顔認証+目視・BPO
料金(初期/月額)初期50,000円〜
月額30,000円〜
要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ初期50,000円〜
月額25,000円〜
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式資料を見る

※上記は各社の公式サイト等の公開情報にもとづいて作成した一般的な傾向であり、ライブネス検知の方式・不正検知の対応範囲・認証精度・料金は改定される場合があります。認証精度の数値は各社の公表値・訴求値で、測定条件や第三者評価の有無は各社により異なります。「AI自動判定+目視審査」欄の◎・●・△は審査体制の違いを示すもので、優劣ではありません(自社の要件により適した体制は異なります)。導入検討の際は、必ず各社の最新の公式情報・資料でご確認ください。

1. LIQUID eKYC(株式会社Liquid)

LIQUID eKYC の公式サイト

LIQUID eKYC は、株式会社Liquidが提供する、生体認証・画像処理技術を軸にしたオンライン本人確認サービスです。本人確認書類の撮影またはICチップ読み取りと、自撮りの顔写真の照合を組み合わせて、口座開設などの本人確認をオンラインで完結できます。

不正対策の面では、ディスプレイや写真を使った提示型攻撃の検知、カメラに直接映像を差し込むカメラインジェクション攻撃の判定、同じ顔を使い回す不正の検知、ディープフェイク対策などを訴求している点が特徴です。

顔認証の自動判定については高い精度を掲げており、手続き中の離脱率や不鮮明画像率の低減にも取り組んでいます。金融・通信・暗号資産・シェアリングエコノミーなど幅広い業種で導入されており、高精度な不正検知とスムーズな手続きを両立させたい場面で候補に挙がります。

2. Deep Percept for eKYC(シンプレクス株式会社)

Deep Percept for eKYC の公式サイト

ディープラーニングを活用したAI技術で本人確認を完結させるのが、シンプレクス株式会社の Deep Percept for eKYC です。専用アプリのインストールを必要とせず、Webブラウザ上で本人確認を進められる点を特徴として訴求しています。

本人確認書類の顔写真と本人の容貌画像の照合、AI-OCRによる書類の文字情報の読み取り、利用者が入力した情報との自動突合を行います。

AIによる偽造検知に軸足を置いており、書類の真贋判定と、ランダムな指示にもとづく撮影によるライブネスチェックを組み合わせて、なりすましと書類偽造の両方に備えられる構成です。金融機関での導入実績があり、アプリのインストールを避けつつAIによる偽造検知まで任せたい場合に向いています。

3. Quick Trust(アイザック株式会社)

Quick Trust の公式サイト

Quick Trust(クイックトラスト)は、アイザック株式会社が2026年4月に正式版の提供を開始したeKYCサービスです。アクティブ生体検知(Liveness Detection)を標準で搭載し、その場の動作から生きた本人であることを確認する仕組みを備えています。

生成AIによって作られた画像やディープフェイクを検知するモデルを前面に打ち出しており、精巧化するなりすましへの対応を重視している点が特徴です。提供開始から間もないサービスのため、公表されている導入実績はこれからですが、生成AI時代の不正検知に正面から取り組む新しい選択肢として検討に値します。

4. Polarify eKYC(株式会社ポラリファイ)

Polarify eKYC の公式サイト

株式会社ポラリファイが提供する Polarify eKYC は、改正犯収法に対応した本人確認と、生体認証(当人認証)を組み合わせて提供するサービスです。生体認証で実績のあるDaon社のアルゴリズムと自社開発のライブネスチェックを用いて、なりすまし対策と精度の両立を図っています。

認証精度を公表している点も特徴で、本人拒否率・他人受入率といった指標を開示しています。金融機関や官公庁での利用を想定した信頼性を訴求しており、精度を数値で確かめたうえで認証基盤として腰を据えて使いたい場合に検討しやすいサービスです。

5. KPASクラウド 本人確認クイック(パナソニック コネクト株式会社)

KPASクラウド 本人確認クイックの公式サイト

パナソニック コネクト株式会社の顔認証クラウド「KPASクラウド」のラインアップの一つが、本人確認クイックです。ディープラーニングを応用した顔認証技術を中核に、eKYCの本人確認を提供します。

顔のポーズ判定によるライブネス的な確認や、本人確認書類のICチップ読み取りと容貌の1対1照合に対応しています。顔認証技術の精度に強みを持ち、入退管理やチケッティングなど幅広い顔認証の実装で培った基盤の上にeKYC機能を提供している点が特徴です。顔認証そのものの精度と実装の実績を重く見るなら、有力な候補になります。

6. TRUSTDOCK(株式会社TRUSTDOCK)

TRUSTDOCK の公式サイト

本人確認に特化したデジタルIDサービスを展開しているのが、株式会社TRUSTDOCK です。犯収法をはじめとする幅広い法令の本人確認に対応し、eKYCの機能を自社開発で提供しています。

特徴は、AIによる照合と人の目による確認を組み合わせ、24時間365日体制で本人確認の審査を自社のオペレーターが担う点です。AIの自動判定だけに頼らず、目視審査でなりすましや書類の不備を確認する運用は、判定を厳しくしつつ離脱を抑えたい場面で有効です。

導入企業は300社以上(2024年12月時点、東京商工リサーチ調べ)にのぼります。自動判定だけでは不安が残る領域で、審査の品質と体制まで担保したい場合に強みを発揮します。

7. ネクスウェイの本人確認(eKYC)ソリューション(株式会社ネクスウェイ)

ネクスウェイの本人確認(eKYC)ソリューションの公式サイト

株式会社ネクスウェイが提供する本人確認(eKYC)ソリューションは、犯収法に準拠したクラウド型の本人確認を、幅広い手法でまとめて任せられるサービスです。オンライン本人確認に加え、公的個人認証(JPKI)、書類確認、法人確認、目視確認・後工程の業務委託(BPO)まで一括で対応します。

顔認証による本人確認と、オペレーターによる目視審査を組み合わせて、なりすまし対策と確認品質を確保できる点が特徴です。本人確認に必要な手法を一つのサービスにまとめているため、自社で複数の仕組みを個別に用意する負担を抑えられます。金融・不動産・リユースなど幅広い業種での導入実績があり、本人確認の運用そのものを外部に委ねたい企業に適しています。資料では、対応方式や運用体制の詳細を確認できます。

ここまではライブネス検知・不正検知の観点で選んだサービスを紹介しました。本人確認方式や導入費用、目視審査の要否まで含めて、eKYCサービス全体を見比べて選びたい方は、以下の記事で選び方を体系的に解説しています。

まとめ

ライブネス検知は、カメラの前にいるのが写真や動画、マスクなどの偽装ではなく、生きた本人であることを確認し、eKYCでのなりすましを入り口で防ぐ技術です。利用者に動作を求める能動型と、一枚の映像から判定する受動型があり、写真・動画リプレイ・マスク・ディープフェイクといった手口ごとに検知の観点が異なります。

サービスを選ぶうえで大切なのは、認証精度の指標を正しく読むことです。本人拒否率と他人受入率はトレードオフの関係にあり、不正検知を厳しくするほど正規の利用者が弾かれて離脱率が上がります。

自社の不正リスクと申込ボリュームに合わせて、精度の要件と判定の強さ、目視審査の組み合わせを設計することが、なりすまし対策と利用者体験の両立につながります。生成AIによる偽造が精巧化するなか、第三者試験の通過状況も客観的な判断材料として確認し、自社に合ったサービスを選んでください。

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よくある質問(FAQ)

Q. ライブネス検知とは何ですか?

A. ライブネス検知とは、カメラに写っているのが写真・動画・マスクなどの偽装ではなく、その場にいる生きた本人であることを判定する技術です。「ライブネス」は「生きていること」を意味し、顔認証やeKYC(オンライン本人確認)と組み合わせて、他人になりすます不正を入り口で防ぐ役割を担います。

判定の手がかりには、利用者の動作を確認する方法や、肌の質感・光の反射といった撮影時の微細な特徴から静止画でないことを見分ける方法があります。

Q. ライブネス検知の能動型と受動型は、どちらを選べばよいですか?

A. ライブネス検知の能動型と受動型は、どちらが優れているというより、精度と使いやすさのバランスで選ぶか、両方を組み合わせるのが実務的です。能動型はまばたきや首振りなどの動作を指示するため写真・録画によるなりすましを見分けやすい反面、利用者に操作の手間がかかります。

受動型は一枚の映像から判定するため手続きがスムーズな一方、判定はアルゴリズムの精度に依存します。実際のサービスでは両方を組み合わせて両立させる構成も多く見られます。

Q. ライブネス検知でディープフェイクは防げますか?

A. ライブネス検知はディープフェイクの検知にも取り組んでいますが、なりすましを100%防げるわけではありません。生成AIによる顔画像の合成やディープフェイクは年々精巧になっており、検知する側とすり抜けようとする側は追いかけ合いの関係にあります。

そのため「絶対に見破れる」と断定するサービスはむしろ慎重に見るべきです。検知性能を客観的に判断する手がかりとして、国際規格ISO/IEC 30107-3にもとづく第三者試験(iBeta PADなど)の通過状況を確認するとよいでしょう。ただし試験の通過は「その試験で確認された範囲での適合」を示すもので、製品の万能性を保証するものではありません。

Q. ライブネス検知は犯収法で義務付けられていますか?

A. 犯罪収益移転防止法(犯収法)が義務付けているのは本人確認そのものであり、「ライブネス検知」という特定の技術の利用までは義務付けていません。ライブネス検知は、容貌の画像を用いるオンライン本人確認(いわゆる「ホ方式」)で、他人へのなりすましを防ぐために事業者が付加する対策として実務で使われています。

この本人確認の方式は公布済みの改正で見直されることが決まっており、なりすましリスクが高い方法として画像を送信する「ホ方式」は廃止され、ICチップ情報の読み取りを用いる方式へ移行します。改正後の新しい規則は2027年(令和9年)4月1日に施行されます。

Q. 本人確認の顔認証(ライブネス検知)が通らないときはどうすればよいですか?

A. 顔認証が通らない場合、その多くは撮影環境や写り方に原因があり、明るく均一な照明のもとで、無地の背景を選び、眼鏡の反射や前髪で目が隠れないように整えて撮り直すと改善します。カメラとの距離や角度を変えて枠内に顔全体を収めることも有効です。

これらを試しても通らないときは、アプリの再起動・再インストールや通信環境の見直しで改善することがあります。それでも完了できない場合は、画像を手動でアップロードする方法や本人確認書類の原本を郵送する方法など、別の手段が用意されていることが多いため、利用中のサービスのサポート窓口に確認するとよいでしょう。

Q. eKYCの認証精度は、自動承認率や離脱率をどう見ればよいですか?

A. eKYCの認証精度は、本人拒否率(FRR)と他人受入率(FAR)を測定条件つきでセットで確認し、自動承認率・離脱率とあわせて自社の許容ラインで判断します。FRRとFARはトレードオフの関係にあり、なりすましの見逃しを減らそうと判定を厳しくすると、正規の利用者まで弾かれて本人拒否率と離脱率が上がります。

自動承認率が高いほど目視審査の運用コストは下がり、離脱率が低いほど正規の利用者を取りこぼしにくくなります。片方の指標や測定条件をそろえないまま数値を並べても公平な比較にはならないため、どの指標をどんな条件で測ったものかまで見ることが大切です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
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