取引先や投資家、金融機関から温室効果ガス(GHG)排出量の開示を求められ、Excelでの集計に限界を感じていませんか。拠点や部門が増えるほど係数の更新漏れや担当者への属人化が進み、Scope3(サプライチェーン全体の間接排出)まで対象を広げるとデータ収集そのものが立ち行かなくなります。
プライム市場上場企業への開示基準の適用や、取引先からの一次データ要請が段階的に広がるなか、排出量の算定・可視化を専用ソフト(SaaS)に切り替える企業が増えています。ただし製品ごとに対応するScopeの範囲、算定基準への準拠、データ収集の自動化の仕組み、開示レポートの出力範囲、料金体系は大きく異なります。
本記事では、GHG排出量の算定・可視化を担うソフト(SaaS)17サービスを、利用目的と企業規模別の3タイプに分けて比較・解説します。対応Scope(特にScope3の15カテゴリ)・算定基準への準拠・データ収集の自動化・サプライヤー一次データの収集・開示対応・料金・国内導入実績・伴走支援まで、自社に合う一本を選ぶための判断材料を整理しました。
また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
GHG排出量算定・可視化ソフトとは?
GHG排出量算定・可視化ソフトは、企業が自社とサプライチェーン全体の温室効果ガス(GHG)排出量を、GHGプロトコルなどの算定基準に沿ってScope1・2・3で算出し、ダッシュボードで可視化・管理するためのクラウドソフト(SaaS)です。ここからは、算定の前提となる用語と、ソフトが担う機能を整理します。
GHG排出量とScope1・2・3、GHGプロトコル
GHGは二酸化炭素(CO2)やメタンなどの温室効果ガスの総称です。企業の排出量は、国際的な算定基準であるGHGプロトコルにより、排出源の範囲で3つのScopeに分けて整理されます。Scope1は自社が直接排出する分(燃料の燃焼など)、Scope2は購入した電気・熱の使用に伴う間接排出、Scope3はそれ以外のサプライチェーン全体の間接排出です。
Scope 1 emissions: Emissions from operations that are owned or controlled by the reporting company.
Scope 2 emissions: Emissions from the generation of purchased or acquired electricity, steam, heating or cooling consumed by the reporting company.
Scope 3 emissions: All indirect emissions (not included in scope 2) that occur in the value chain of the reporting company, including both upstream and downstream emissions.
出典:Corporate Value Chain (Scope 3) Accounting and Reporting Standard|GHG Protocol(WRI・WBCSD)
このうち算定が最も難しいのがScope3で、GHGプロトコルは上流8種・下流7種の合計15カテゴリに分類しています。上流には購入した製品・サービス(原文:Purchased goods and services)や資本財、輸送、出張、通勤などが、下流には販売した製品の使用や廃棄、投資(原文:Investments)などが含まれます。
多くの企業では自社の排出(Scope1・2)よりもScope3が排出量全体の大部分を占めるため、どのカテゴリまで算定するかが対応範囲を大きく左右します。

算定・可視化が求められる背景(開示要請・制度)
算定・可視化のニーズが高まっている背景には、投資家・取引先・金融機関からの排出量開示要請の広がりがあります。プライム市場上場企業には気候関連情報の開示が求められ、取引先からはScope3算定のために自社(サプライヤー)の排出量データの提供を依頼されるケースが増えています。
国内では、一定規模以上の事業者に排出量の算定・報告を義務づける温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)の算定・報告・公表制度(SHK制度)が2006年から運用されています。すべての企業に一律の開示が義務づけられているわけではありませんが、開示を求められる企業の裾野は制度と取引の両面から広がっています。
こうした要請に、Excelの手集計だけで応え続けるのは容易ではありません。年度ごとの排出係数の更新、拠点・部門の増加に伴う集計範囲の拡大、Scope3のサプライヤーデータ収集などが重なると、計算ミスや更新漏れ、担当者交代時の引き継ぎリスクが避けられなくなります。専用ソフトは、この繰り返しの運用を再現可能な形に置き換える役割を担います。
主な機能(できること)
GHG排出量算定・可視化ソフトは製品によって得意領域が異なりますが、一般的に次の機能を備えています。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 排出量の算定 | 活動量(電力使用量・燃料・調達データなど)の入力・取り込みに排出係数を掛け合わせ、Scope1・2・3の排出量を自動計算します。GHGプロトコルや環境省の排出係数に基づく算定ロジックを内蔵します。 |
| 可視化ダッシュボード | 拠点別・Scope別・期間別に排出量をグラフや一覧で表示し、推移や構成比を把握できます。 |
| データ収集の自動化 | 請求書のAI-OCR読み取り、会計・ERP・スマートメーターとの連携により、活動量データの入力工数を削減します。 |
| サプライヤーデータ収集 | 取引先に一次データの入力を依頼し、Scope3(購入した製品・サービスなど)の算定に取り込む機能を持つ製品があります。 |
| 削減・目標管理 | 削減施策のシミュレーションや、SBTiなどの削減目標に対する進捗管理を支援します。 |
| 開示レポート出力 | CDP・温対法・省エネ法・SSBJなどの様式に沿ったレポートや報告データを出力します。第三者検証・保証に対応する製品もあります。 |
GHG排出量算定・可視化ソフトを導入するメリット
ここからは、ソフトを導入することで実務がどう変わるかを整理します。
第一に、算定作業の属人化からの脱却です。排出係数や算定ロジックがソフト側で管理され、担当者が交代しても同じ手順で算定を再現できます。年度ごとの係数更新もベンダー側が反映するため、更新漏れによる数値の食い違いを防げます。
第二に、開示要請への数値回答が速くなる点です。拠点別・Scope別のデータが一元管理されるため、取引先や投資家から排出量を尋ねられたときに、根拠となる活動量までさかのぼって提示できます。CDPや温対法などの様式に沿ったレポート出力に対応する製品では、開示のたびに集計をやり直す手間も抑えられます。
第三に、算定から削減・目標管理へ運用をつなげられることです。排出量の構成比が可視化されると、どの活動が排出の多くを占めるかが分かり、削減施策の優先順位づけや進捗管理に活用できます。算定して終わりにせず、削減や開示まで一連の運用として回せる点が、Excel集計との大きな違いです。
選び方・比較のポイント
ここからは、自社の要件で製品を絞り込むための9つの判断軸を解説します。どの軸を重視するかは、自社の規模と目的(算定だけか、削減・開示まで担うか)によって変わります。
対応するScopeはどこまでか(特にScope3の15カテゴリ)
最初に確認すべきは、対応するScopeの範囲です。Scope1・2はほぼすべての製品が対応しますが、差が出るのはScope3で、15カテゴリのうちどこまで算定できるかは製品ごとに異なります。
自社にとって重要なカテゴリを先に見極めることが判断の起点になります。製造業や商社では購入した製品・サービス(カテゴリ1)の比重が大きく、金融機関では投融資先の排出量(カテゴリ15)が焦点になります。
自社の排出構造で比重の大きいカテゴリに、その製品が標準機能で対応しているかを確認しておくとよいでしょう。取引先要請でScope3全体を早期に整える必要がある場合は、15カテゴリを網羅できる製品が候補になります。
算定基準に準拠しているか(GHGプロトコル・ISO 14064-1・ISO 14067)
算定結果を対外的に使うなら、拠り所とする算定基準への準拠が欠かせません。組織単位のGHG算定・報告の国際基準はGHGプロトコルとISO 14064-1で、製品単位のカーボンフットプリント(CFP)を扱うならISO 14067が該当します。
準拠する基準は、算定結果が開示・取引でどこまで通用するかを左右します。組織全体の排出量を開示に使うならGHGプロトコル準拠が前提となり、製品ごとの排出量を取引先に提示するならISO 14067準拠の算定が必要です。自社が算定した数値の用途(開示・取引先提出・製品訴求)に合う基準に、その製品が対応しているかを確認することが重要です。
各基準の位置づけや対象範囲は、発行機関の情報で確認できます。
出典・参考資料(3件)
データ収集を自動化できるか(AI-OCR・ERP・請求書連携)
算定の負担は、計算そのものより活動量データの収集・入力に偏りがちです。ここを自動化できるかで、毎月・毎四半期の運用工数が大きく変わります。
自社のデータの持ち方に合う連携方式があるかを確認しておくとよいでしょう。電気・ガスの請求書を紙やPDFで扱っているならAI-OCRでの読み取りが向きます。会計システムや基幹システム(ERP)に活動量データが集まっているならAPI・データ連携、電力使用量を細かく追うならスマートメーター連携が効きます。手入力が前提の製品と、既存システムから自動で取り込める製品では、算定を継続する際の負担が分かれます。
サプライヤーの一次データを収集・管理できるか
Scope3のカテゴリ1(購入した製品・サービス)は、業界平均の排出係数を使う推計から、取引先の実測値(一次データ)に置き換えるほど精度が上がります。一次データの収集・管理を製品側で支援できるかは、算定の質に直結します。
取引先にデータ入力を依頼するワークフローや、サプライヤーの算定結果を自社のScope3へ取り込む仕組みがあるかを確認しておくとよいでしょう。取引先数が多い企業ほど、依頼・回収・突合を手作業で回すのは難しくなるため、この機能の有無が対応可能な規模を分けます。自社が発注側として一次データを集めたいのか、受注側として取引先へ提出したいのかでも、必要な機能は変わります。
削減・目標管理まで対応できるか
算定した排出量を削減につなげたいなら、削減施策のシミュレーションや目標に対する進捗管理まで担える製品かを確認することが重要です。算定に特化した製品と、削減・カーボンオフセットまで一連で扱える製品では、導入後にできることの範囲が異なります。
SBTi(科学的根拠に基づく削減目標)の設定・進捗管理や、再生可能エネルギー調達・カーボンクレジットによるオフセットまで視野に入れるかで必要な機能が分かれます。まず現状把握を優先する段階なら算定・可視化に絞り、削減・目標管理は将来の拡張余地として押さえる、という判断もできます。
開示基準・第三者保証に対応できるか
算定結果の出口である開示に、どの様式で対応できるかは重要な確認ポイントです。国内ではCDP・温対法・省エネ法の報告様式、上場企業ではSSBJ基準に沿った開示への対応が焦点になります。TCFDの提言は現在ISSB(IFRS S2)や国内のSSBJ基準に引き継がれており、「TCFD対応」は実質的にこれらの様式での開示支援を指すことが多くなっています。
開示に加えて、算定結果の信頼性を第三者検証・保証で裏づける必要があるかも判断軸になります。GHGに関する主張の妥当性確認・検証の国際基準はISO 14064-3で、保証取得を見据えるなら、この検証に対応した証跡管理ができる製品が向きます。自社が求められている開示・保証の水準に、対応様式が合っているかを確認しておくとよいでしょう。
出典・参考資料(3件)
料金は自社規模に見合うか
料金体系は製品や対象規模によって幅があり、料金プランを公開せず個別見積もりとするベンダーも少なくありません。具体的な価格帯は後述の「料金相場の目安」で整理します。
表示価格だけでなく、課金の単位(拠点数・ユーザー数・法人単位)と、算定範囲を広げたときの費用の伸び方を確認しておくとよいでしょう。中小規模で数拠点なら定額プランで収まっても、多拠点・サプライヤー連携まで広げると費用が段階的に上がる製品があります。初期費用・オプション・伴走支援まで含めた数年分の総額で、自社の現在の規模と数年後の算定範囲の見通しの両方に照らして見積もると、判断を誤りにくくなります。
国内での導入実績は十分か
導入実績は、自社と近い規模・業種での運用が成り立つかを推し量る手がかりになります。導入社数だけでなく、自社と同じ業種や上場区分での実績があるかを見ると、算定範囲や開示要件の近さを判断しやすくなります。
外資系の製品を検討する場合は、日本語対応・日本法人・国内の導入事例・国内代理店といった、日本市場での提供実態も併せて確認しておくとよいでしょう。海外で有力でも、国内でのサポート体制や導入支援が整っていないと、運用で必要な支援を受けにくいことがあります。
伴走・コンサル支援を受けられるか
社内に算定の専門知識を持つ人材がいない場合は、ソフトの提供にとどまらず、算定方法のチェックや開示対応まで専門家が伴走する支援の有無が導入の成否を分けます。
製品には、ツールを渡して自社で運用する前提のものと、算定方法の確認・SBTiやCDP対応・第三者保証の取得まで人が支援するものがあります。専任人材を置きにくい企業や、初年度に算定体制を固めたい企業は、伴走支援を標準で受けられるか、追加費用でどこまで依頼できるかを確認しておくと、導入後につまずきにくくなります。
GHG排出量算定・可視化ソフトのタイプ(利用目的・支援範囲別)
GHG排出量算定・可視化ソフトは、製品に求める役割(算定を素早く始めたいのか、削減・開示まで一連で担いたいのか、大企業の基幹システムと連携したいのか)で3つのタイプに整理できます。自社がどのタイプを必要とするかを最初に見極めると、候補を効率よく絞り込めます。
| タイプ | 特徴 | 主なサービス |
|---|---|---|
| 算定・可視化に特化したタイプ | 請求書のAI-OCR読み取りや会計データ連携で、算定・可視化を効率化できる。まず現状把握を素早く始めたい段階に適し、規模を問わず選べる。 | e-dash、invox炭素会計、タンソチェック、EcoNiPass、ミエルカーボン、Ond |
| 算定から削減・オフセット・開示まで幅広く担う総合タイプ | Scope1〜3の算定に加え、削減施策・カーボンオフセット・開示レポートまで同一サービス群で担う。サプライヤー連携や第三者検証にも対応する製品が多い。 | ASUENE、Zeroboard、booost Sustainability、C-Turtle、CARBONIX、Susport |
| グローバル開示・大企業の基幹システム連携に強いタイプ | 国際的な開示基準への対応や、ERP・CRMなど大企業の基幹システムとの連携に強い。多拠点・複雑な組織や、投融資先排出量(Scope3カテゴリ15)まで扱う企業に向く。 | Persefoni、Salesforce Net Zero Cloud、EcoAssist-Enterprise(日立)、SAP Sustainability Footprint Management、Terrascope |
自社がどの型に当てはまるか迷う場合は、下の選定診断で条件を選ぶと候補を絞り込めます。
診断や3タイプの整理で自社に近い方向性が見えたら、次は候補を対応Scopeや料金といった具体的な条件で見比べる段階です。気になったサービスは、詳細を並べて確認しておくと選定を進めやすくなります。
【比較表】GHG排出量算定・可視化ソフト比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、主要なGHG排出量算定・可視化ソフト17サービスを3つのタイプ別に分類してご紹介します。対応Scope・主な準拠/開示基準・データ収集の自動化・サプライヤー一次データ収集・削減/オフセット支援・料金・主な国内導入実績を横断で確認できます。
料金欄に「要問い合わせ」が多いのは、算定範囲・拠点数・サプライヤー連携の有無に応じた個別見積もりを基本とし、公式に料率・プランを公開していないサービスが多いためです。
算定・可視化に特化したタイプの比較
| サービス名 | e-dash | invox炭素会計 | タンソチェック | EcoNiPass | ミエルカーボン | Ond |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応Scope | Scope1・2・3 (Scope3は15カテゴリ対応) | Scope1・2・3 (Scope3はベーシックプラン以上) | Scope1・2・3 | Scope1・2・3 (15カテゴリ個別対応は公式に明記なし) | Scope1・2 (Scope3は公式に記載なし) | Scope1・2・3 (CFP対応) |
| 主な準拠・開示基準 | GHGプロトコル準拠 CDP・TCFD・SBT・SSBJ対応支援 監査法人のAUP検証実績 | 環境省公表係数を採用 SBT目標チェック対応 | GHGプロトコル準拠 環境省係数・AIST-IDEA対応 TCFD準拠レポート出力 | GHGプロトコルベース 省エネ法オプション TCFD・CDP・SBTi向け下書きをAI生成 | 環境省ガイドライン・係数に準拠 CFP算定に対応 | GHGプロトコル・ISO準拠(ISO番号は非公表) TCFD・CDP・SBT対応はコンサルで支援 |
| データ収集の自動化 | 請求書画像アップロードで自動算定 Bill One連携で取込を自動化 | 姉妹サービス「invox受取請求書」の請求データを活用 排出係数をAIが推定 | CSVインポート 電力データの自動連携 | Excel専用フォーム Web API連携(電力・ガス明細) 請求書・領収書のAI読み取り | アンケート回答機能 API連携・AI-OCR | ERPデータ連携で活動量を自動収集・自動算定 |
| サプライヤー一次データ収集 | △(別サービスe-dash Surveyで対応) | × | ●(招待制の自動連携・特許出願済み) | ●(企業間データ連携) | ×(Scope1・2に特化) | ×(公式に記載なし) |
| 削減・オフセット支援 | ●(別サービスでオフセット) | △(目標設定・オフセット支援) | △(削減目標管理。オフセットは記載なし) | △(施策ロードマップ・SBTi支援はオプション) | ●(別サービスOFFSELで対応) | △(コンサルで支援) |
| 料金 | 要問い合わせ | 初期費用0円/月額1,980円〜(税込2,178円〜) Scope3は月額9,800円〜(税込10,780円〜) | 要問い合わせ | 月額5,000円〜(Liteプラン)/初期費用0円〜30万円 | 月額10,000円〜(拠点・ユーザー追加無制限、追加料金なし) | 要問い合わせ |
| 主な国内導入実績 | 提携金融機関200行庫超(2024年7月) | 単独の導入社数は非公表(2025年5月提供開始) | 全国1,000拠点以上(2025年7月) | 累計3,000拠点突破(時点非公表) | 非公表(上場〜中小まで実績) | 東証プライム上場企業中心(社数非開示) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
算定から削減・オフセット・開示まで幅広く担う総合タイプの比較
| サービス名 | ASUENE | Zeroboard | booost Sustainability | C-Turtle | CARBONIX | Susport |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応Scope | Scope1・2・3 (Scope3は15カテゴリ全対応・第三者検証済み) | Scope1・2・3 (Scope3は15カテゴリ全対応・一次データ算定可) | Scope1・2・3 (Scope3はカテゴリ1〜15) | Scope1・2・3 (Scope3は全15カテゴリ) | Scope1・2(マーケット基準)・3 | Scope1・2・3 (出張・宿泊・イベント排出も含む) |
| 主な準拠・開示基準 | GHGプロトコル・ISO14064-3・ISO14067・PCAF CDP・SBT・TCFD/TNFD・CSRD・SSBJ・GRI対応 | GHGプロトコル・ISO/IEC 14064-3検証 省エネ法・温対法様式出力 SSBJ等は姉妹サービスが担当 | GHGプロトコル準拠・ISO14064-3のSGS認証実績 CSRD/ESRS・IFRS/ISSB・SSBJ対応 | GHGプロトコル準拠 TCFD・CDP・省エネ法/温対法(EEGS)出力 金融向けC-Turtle FEはPCAF準拠 | GHGプロトコル準拠・ISO14064-3妥当性保証(算定ロジック) PCAF・CFP対応を掲げる | GHGプロトコル(Scope3基準)・環境省ガイドライン準拠 開示レポート・第三者検証は公式明記なし |
| データ収集の自動化 | 特許取得済みAI-OCR ASUENE CONNECTOR(50以上のSaaSとAPI連携) | Scope2 AUTO(スマートメーター自動連携) AIST-IDEA係数パッケージを標準搭載 | CSV一括取り込み・拠点別入力・承認ワークフロー AI-OCR・AI自動仕訳(特許取得済み) | AI-OCR(電力請求書) 国内外46カ国の排出係数を保持 | 表計算スタイルの入力 請求書アップロードで自動算定 | 活動量入力で算定(排出係数の検証・更新を自動処理) |
| サプライヤー一次データ収集 | △(別サービスで対応) | ●(アンケート機能で非ユーザーからも収集) | ●(booost Supplierで対応) | ●(開示データを按分活用する総排出量配分方式) | ●(非ユーザーのサプライヤーも連携可・オプション) | ×(公式に記載なし) |
| 削減・オフセット支援 | ●(再エネ・クレジット調達支援) | △(削減施策検討・SBT支援) | ●(再エネ・非化石証書調達) | ×(公式に記載なし) | △(削減目標管理。オフセットは記載なし) | ●(複数クレジットでオフセット・証明書即時発行) |
| 料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ(公式非公開) | 要問い合わせ(5プラン制) | 要問い合わせ | 要問い合わせ(法人単位、拠点追加課金なし) | 要問い合わせ |
| 主な国内導入実績 | 累計導入企業数56,000社突破(2026年5月末、プライム上場約600社) | グループ含め15,000社(2026年4月末、自社調べ) 大阪・関西万博の公式算定ツール | 約6,500社・197,000拠点以上(2025年12月) サステナ情報管理ツール市場シェア1位(ITR、2024年度予測) | 東証プライム上場企業150社超・金融機関50行超(2026年8月) | 社数非公表(両備HD・ベルーナ等の事例) | 社数非公表(西鉄旅行等の事例) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
グローバル開示・大企業の基幹システム連携に強いタイプの比較
| サービス名 | Persefoni | Salesforce Net Zero Cloud | EcoAssist-Enterprise | SAP Sustainability Footprint Management | Terrascope |
|---|---|---|---|---|---|
| 対応Scope | Scope1・2・3 (Scope3は15カテゴリ対応・PCAF準拠の投融資先排出量) | Scope1・2・3 (Scope3は出張・輸送・支出額推計の2階層) | Scope1・2・3 (15カテゴリ個別対応・GHGプロトコル準拠は公式に明記なし) | Scope1・2・3 (企業・製品レベルで算定) | Scope1・2・3 (Scope3の15カテゴリ個別対応は公式に明記なし) |
| 主な準拠・開示基準 | GHGプロトコル・TCFD・CSRD・SASB・SBT 米SEC・カリフォルニア州開示規制対応 | GHGプロトコル CSRD・GRI・SASB・カリフォルニア州開示法のレポートビルダー | CDP・SBT・SSBJ・CSRD対応 省エネ法・温対法報告 | GHGプロトコル・PACT・Catena-X・TfS・CSRD整合 開示はControl Tower/Green Ledgerと連携 | GHGプロトコル準拠 IFRS S2ベースで日本のSSBJ対応 |
| データ収集の自動化 | 購買データを排出係数に自動マッピング(NLP) 調達システムとのAPI連携 | MuleSoft・Field Service・Data Cloud連携 導入・管理はSalesforce管理者権限が前提 | Excel帳票・Web画面入力(自動取込は明記なし) | SAP S/4HANA直接統合・公開API・ファイルアップロード 45,000件超の標準排出係数 | AI補助データ取り込み FLAG(森林・土地・農業)分野の係数マッチングにAI活用 |
| サプライヤー一次データ収集 | ●(無償版でサプライヤー・投資先とデータ共有) | △(アドオンで対応) | △(収集の仕組みは明記なし) | ●(SDXでPACT/Catena-X準拠の実測値を取込) | ●(業界別テンプレートで一次データを依頼) |
| 削減・オフセット支援 | △(脱炭素シミュレーション・Advanced版) | ●(炭素クレジット管理・What-If分析) | △(CO2削減目標設定支援) | △(低排出サプライヤー選定・代替材料検討支援) | △(What-if分析で削減施策のROI検証) |
| 料金 | Pro版は無料/Advanced版は要問い合わせ | 年48,000ドル〜(Starter)/年210,000ドル〜(Growth) 日本円建て最新料金は要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ(記録数のブロック単位課金・S/4HANA Cloudライセンス必須) | 要問い合わせ |
| 主な国内導入実績 | 国内は金融機関中心(SCSK・日立システムズが代理店) | 国内導入社数は非公表(船場等の事例) | 社数非公表(製造・流通・電力等で採用) | 国内はマツモトプレシジョン等(社数非公表) | JT・三菱食品・ポッカサッポロ等(社数非公表) 三菱商事・みずほ銀行と提携 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
3タイプの比較で気になるサービスが見つかったら、このあとの個別紹介で各サービスの機能・料金・国内導入実績をより詳しく確認できます。複数サービスの仕様を横並びで見比べたいときは、資料をまとめて取り寄せておくと検討を進めやすくなります。
サービス個別紹介
ここからは、各タイプに該当する主要サービスを、機能・対応Scope・料金・国内導入実績・伴走支援の観点で個別に紹介します。自社の規模と目的に照らして、候補を具体的に検討してください。
算定・可視化に特化したタイプ
算定・可視化を低コストで手早く始めたい企業に向くサービス群です。請求書の読み取りや会計データ連携で、初期の現状把握を素早く進められます。
1. e-dash(e-dash株式会社)

e-dashは、三井物産からスピンアウトしたe-dash株式会社が提供するクラウドサービスです。電気・ガスなどの請求書画像をアップロードするだけでScope1・2の排出量を自動算定し、Scope3はカテゴリ1〜15すべてに対応します。GHGプロトコルに沿って算定し、結果はワンクリックでレポート化できます。
Sansanのクラウド請求書受領サービス「Bill One」とのAPI連携により、請求書のアップロード作業なしでデータを取り込めます。2022年6月には、大手監査法人による合意された手続業務(AUP)方式で、算定式が経済産業省・環境省のガイドラインに適合することの検証を国内で初めて受けたと公式に発表しています。
地方銀行・信用金庫など提携金融機関200行庫超(2024年7月時点、公式発表)を通じた導入経路を持ちます。サプライヤーの一次データ収集を担う「e-dash Survey」や、製品単位のカーボンフットプリントを算定する「e-dash CFP」も同社が展開しています。料金は初期費用・月額費用とも公開されておらず、要お問い合わせです。
2. invox炭素会計(株式会社invox)

invox炭素会計は、請求書管理や経費精算のクラウドを手がける株式会社invoxが「invoxシリーズ」の1つとして2025年5月にリリースしたサービスです。Scope1・2・3に対応し、Scope3は15カテゴリに分類して算定します。
最大の特徴は、姉妹サービス「invox受取請求書」に蓄積された請求データを算定の入力に活用し、データ入力の手間を抑えられる点です。排出係数は環境省が公表する係数を採用し、年次更新に追従しています。SBT目標のチェック機能も備えます。
初期費用は0円、月額は1,980円(税込2,178円)からの低価格帯で、まずScope1・2の算定から始められます。Scope3の算定は月額9,800円(税込10,780円)のベーシックプラン以上が対象です。導入時は3カ月間伴走する導入サポートパックを利用できます。
3. タンソチェック(株式会社タンソーマンGX)

タンソチェックは、株式会社タンソーマンGXが提供するCO2排出量の見える化SaaSです。Scope1・2・3を自動集計し、GHGプロトコルに準拠して、環境省が公表する排出係数と排出原単位データベース「AIST-IDEA」に対応します。
サプライチェーン取引先からの一次データを、招待メールの送信・承認・自動連携の3ステップで収集できる機能を備えます(特許出願済み、2024年5月の発表時点で1日最大1,000社との連携が可能)。製品・サービス単位のCFP算定やTCFD準拠レポートの出力にも対応します。
全国1,000拠点以上のCO2排出量の見える化を支援しています(2025年7月時点、公式発表)。東京都・神奈川県をはじめとする自治体との連携実績もあります。料金は公式サイトに金額の記載がなく、要お問い合わせです。
4. EcoNiPass(エコニパス)(EmMatch株式会社)

EcoNiPass(エコニパス)は、2022年にウイングアーク1st株式会社と鈴与商事株式会社が共同開発し、2026年2月にEmMatch株式会社へ事業承継されたサプライチェーンCO2可視化クラウドです。GHGプロトコルをベースに、Scope1〜3を合算して可視化します。
サプライヤーが活動量を入力すると、そのScope1・2が発注企業のScope3へ自動連携される企業間データ連携が特徴です。請求書・領収書のAI読み取りや、電力・ガスのWeb明細を取り込むAPI連携オプションも用意しています。
TCFD・CDP・SBTi等の開示様式に合わせた下書きを、AIエージェント(MCP連携)が自動生成する機能を訴求しています。料金は現行の公式サイトで月額5,000円からのLiteプランが最安で、初期費用0円から始められます(上位プランは初期費用が発生します)。
5. ミエルカーボン(エレビスタ株式会社)

ミエルカーボンは、Scope1・2の算定に対象を絞ったCO2排出量算定クラウドです。運営はエレビスタ株式会社で、算定方法・排出係数とも環境省が公開するガイドライン・係数に準拠します。
アンケート回答機能やAPI連携でデータ収集の工数を抑える設計です。排出係数のデータベースは各社が独自に設定でき、一次データも利用できます。製品単位のCFP算定にも対応します(詳細は非公開)。
Scope1・2の算定は月額10,000円からで、拠点・ユーザーの追加は無制限、追加料金はかかりません。同社は環境価値の調達を代行する別サービス「OFFSEL」も提供しており、算定後のオフセットまで同一グループで対応できます。
6. Ond(オンド株式会社)

Ondは、オンド株式会社が提供するGHG排出量の自動算定ソフトウェアです。Scope1・2・3(サプライチェーン排出量)と製品単位のカーボンフットプリント(CFP)の算定に対応し、GHGプロトコル・ISOに準拠した算定を行います(ISO規格の具体番号は非公表)。
顧客のERPデータとソフトウェアを連携し、活動量データの収集から算定、ダッシュボードでの可視化までを自動化する仕組みを備えます。基幹システムにデータが集まる企業では、手入力を前提とせずに算定を進められます。
ソフトウェアの提供に加え、TCFD・TNFD対応やCDP回答支援、SBT申請支援などの気候変動リスク関連コンサルティングを自社で一貫して提供します。東証プライム上場企業を中心とする導入実績があり(社数は非開示)、料金は初期費用・月額費用とも要お問い合わせです。
算定から削減・オフセット・開示まで幅広く担う総合タイプ
Scope1〜3の算定に加え、削減施策・カーボンオフセット・開示まで一連で担いたい企業に向くサービス群です。サプライヤー連携や第三者検証に対応する製品も含まれます。
7. ASUENE(アスエネ株式会社)

アスエネ株式会社が提供するAIサステナビリティ統合プラットフォームです。Scope1・2・3の排出量をGHGプロトコルに基づいて算定・可視化し、削減目標の設定から、CDP・SBT・TCFD/TNFD・CSRD・SSBJ・GRIといった各種イニシアチブへの報告支援までを一つのサービス群で担います。
Scope3は15カテゴリ全体に対応し、その算定方法はISO14064-3に準拠した第三者検証(2022年8月、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン)の対象となっています。請求書やエネルギー明細を読み取る特許取得済みのAI-OCRと、人事・会計など50以上のSaaSとAPI連携する「ASUENE CONNECTOR」(2025年9月提供開始)で、活動量データの収集を自動化できます。
金融機関の投融資先排出量を算定するPCAFスタンダード(2024年1月対応)や、ISO14067に準拠した製品カーボンフットプリント算定「ASUENE LCA」も備えます。導入実績は東京商工リサーチ調査で累計導入企業数56,000社を突破(2026年5月末時点、うちプライム上場企業約600社)。2026年9月には、TBMのCO2排出量可視化サービス「ScopeX」の顧客基盤を承継しています。
8. Zeroboard(株式会社ゼロボード)

Scope1〜3の算定・可視化を担う、株式会社ゼロボードの中核サービスです。ESGデータを扱う「Zeroboard Sustainability Platform」の一部として提供され、GHGプロトコルに準拠した算定結果を、省エネ法・温対法の国内法定報告様式へ出力できます。
Scope3は15カテゴリすべてに対応し、一次データ(実績値)を用いた算定も可能です。産業技術総合研究所のIDEAデータベースから約400項目を厳選した排出係数パッケージを標準搭載するほか、スマートメーターの電力データを自動連携する「Scope2 AUTO」を備えます。
ソコテック社によるISO/IEC 14064-3準拠のシステム妥当性検証を取得し、2025年大阪・関西万博の排出量算定における公式ツールにも採用されています。導入実績はグループ企業を含め15,000社(2026年4月末時点、自社調べ)。金融機関の投融資先排出量向け「Zeroboard for the PCAF Standard」など、用途別の派生製品も展開します。
9. booost Sustainability(Booost株式会社)

GHG排出量を算定・可視化する中核モジュール「booost GX」を軸に、サプライヤーデータ収集やESG情報開示などのモジュールを組み合わせて使う「サステナビリティERP」です。必要なモジュールを追加しながら、算定から開示まで運用範囲を広げられます。
booost GXはScope1・2・3(Scope3はカテゴリ1〜15)をGHGプロトコル準拠で算定し、CSVの一括取り込み・拠点別入力・承認ワークフローを備えます。サプライヤー向けアンケートの「booost Supplier」で会社・製品単位のデータを収集でき、製品カーボンフットプリントの「booost PCF」はIDEA・ecoinvent・IEAの排出係数データベースに対応します。
開示対応の「booost Disclosure」はCSRD/ESRS・IFRS/ISSB・SSBJに対応します。ITRの調査では、年商5,000億円以上を対象とするサステナビリティ情報管理ツール市場で、ベンダー別売上金額シェア1位(22.4%、2024年度予測)と発表されています。導入実績は約6,500社・197,000拠点以上・95カ国以上(2025年12月時点)で、25言語に対応します。
10. C-Turtle(株式会社NTTデータ)

2022年10月に提供が始まった、株式会社NTTデータのGHG排出量可視化クラウドサービスです。Scope1・2・3(Scope3は全15カテゴリ)をGHGプロトコルに準拠して算定できます。
特徴は、Scope3の算定に「総排出量配分方式(企業別排出原単位方式)」を採用している点です。取引先がCDP等で開示した一次データを按分してサプライチェーン排出量に反映するため、サプライヤーへの詳細なアンケート回答依頼に依存しない設計になっています。
金融機関向けには、PCAF基準に準拠して投融資先排出量を算定する別製品「C-Turtle FE」があります。2026年8月28日時点で東証プライム市場上場企業150社超・金融機関50行超へ導入が拡大しており、導入企業の取引先中小企業や投融資先へ無償提供する施策も複数展開しています。
11. CARBONIX(株式会社Sustech)

請求書などの活動量データをアップロードするだけでGHG排出量を自動算定・可視化する、株式会社Sustech提供のクラウド型脱炭素化支援プラットフォームです。削減目標の設定・進捗管理までを担います。
Scope1・2(マーケット基準)・3に対応し、算定ロジックはソコテック・サーティフィケーション・ジャパンによるISO14064-3の妥当性保証を取得しています(2024年7月、CARBONIX Ver.1.260が対象)。製品単位のGHG算定(CFP)にも、積み上げ方式・案分方式の両方で対応します。
CARBONIXを利用していないサプライヤーの活動量データも取り込める1次データ連携機能(2024年2月提供のオプション)で、Scope3排出量を精緻化できます。料金は拠点数が増えても追加課金が発生しない法人単位の設定とされ、金額は要問い合わせです。
12. Susport(Sustineri株式会社)

GHG排出量の算定・可視化から、カーボンクレジット購入によるオフセットまでを一つのプロダクトで完結できる、Sustineri株式会社のクラウドサービスです。GHGプロトコルおよび環境省の基本ガイドラインに基づき、Scope1・2・3の排出量を算定します。
算定対象はサプライチェーン排出に加え、出張・宿泊やイベント開催に伴う排出も含みます。排出係数の検証・更新を自動処理するため、利用者は活動量を入力するだけで算定できる設計とされています。
特徴は、J-クレジット・Gold Standard・VCS・グリーン電力証書と複数のカーボンクレジットを扱い、オフセット実行後に証明書を即時発行できる点です。API連携により、自社のECサイトなどの購入フローにカーボンオフセットの選択肢を組み込むこともできます。
グローバル開示・大企業の基幹システム連携に強いタイプ
国際的な開示基準への対応や、大企業の基幹システムとの連携を重視する企業に向くサービス群です。多拠点・複雑な組織や、投融資先排出量まで扱うケースで検討されます。
13. Persefoni(Persefoni AI, Inc.)

米国のPersefoni AI, Inc.が開発する、GHG排出量の算定・可視化・開示を担うプラットフォーム「CMAP(Climate Management & Accounting Platform)」です。日本では2022年設立のPersefoni Japan合同会社が情報発信を担い、SCSK株式会社・株式会社日立システムズが国内代理店として導入・運用支援を提供しています。
GHGプロトコルに基づくScope1・2・3の算定に対応し、Scope3は15カテゴリを網羅します。金融機関向けには、PCAF(金融向けGHG算定基準)に準拠した投融資先排出量(Scope3カテゴリ15)の算定ができ、法人向け融資・上場株式・プロジェクトファイナンスなどの資産クラス別に対応します。
日本語版の無償クラウドサービス「パーセフォニPro」を2024年7月に提供しており、専門知識がない担当者でもScope1・2の算定を無償で始められます。米国SEC気候開示規則やEUのCSRDなど複数の法域の開示規制に対応する専用機能を備え、有償のAdvanced版は複数ユーザーや高度分析に対応します(料金は要お問い合わせ)。
14. Salesforce Net Zero Cloud(Salesforce, Inc.)

Salesforce, Inc.が提供する、Salesforce Platform上で稼働するサステナビリティ管理アプリケーションです。単体のGHG算定専用ツールではなく、Salesforce CRMやData Cloudを含むプラットフォームの一部として権限セットライセンスを付与して有効化します。
導入・管理にはSalesforceのシステム管理者権限が前提となります。日本では2022年3月に「Net Zero Cloud 2.0」として提供が始まりました。
GHGプロトコルに基づくScope1・2の算定に加え、Scope3は出張・貨物輸送を扱うScope3 Lightと、調達データの支出額から推計するScope3 Hub(Growthプラン)の2階層で対応します。
CRM・Field Service・Data Cloud・MuleSoftといった既存のSalesforce資産とデータ連携できるため、すでにSalesforceを導入している企業は追加導入の負担を抑えられます。
2025年以降はAIエージェント機能を組み込んだ「Agentforce Net Zero」として、自然言語でのデータ照会や開示レポートの自動作成に対応します。料金は年間契約が前提で、グローバル版はStarterが年48,000ドル、Growthが年210,000ドルからと公開されており、日本円建ての最新料金は要お問い合わせです。
15. EcoAssist-Enterprise(株式会社日立製作所)

株式会社日立製作所が提供する、組織単位のESGデータ管理ソリューションです。GHG排出量の算定・集約・分析に加え、大気・水・廃棄物など環境データ全般を一元管理します。ツール単体の提供にとどまらず、コンサルティング・システム導入・カスタマイズを含むSI(システムインテグレーション)型のサービスとして提供されます。
2021年に追加された「CO2算定支援サービス」では、Scope1・2・3のデータ収集・集計からサプライチェーン排出量の算定、CDP回答書の作成、SBT取得支援までをワンストップで提供します。開示面では、CDP・SBT・SSBJ・CSRDへの対応を掲げています。
データ入力はExcel帳票とWeb画面の両方に対応し、複数拠点からの分散入力を想定した設計です。複雑な組織構造や多拠点の環境データを一元管理したい大企業に向く一方、料金や個別の対応範囲は導入内容によって変わるため、要お問い合わせとなります。
16. SAP Sustainability Footprint Management(SAP SE)

ドイツのSAP SEが提供する、SAP Business Technology Platform上に構築されたカーボンフットプリント算定製品です。購買・生産・物流の実績業務データを起点に、企業レベル・製品レベルの両方で排出量を自動算定します。有効なSAP S/4HANA Cloudライセンスが前提条件で、単体では契約できません。日本ではSAPジャパン株式会社が窓口を担います。
GHGプロトコルに基づくScope1・2・3の算定に対応し、45,000件超の標準搭載排出係数をAIでビジネスデータにマッピングします。サプライヤーの一次データは、PACT・Catena-X標準に準拠したSAP Sustainability Data Exchangeと統合して取り込めます。
開示レポートは単体で完結させるより、ESG開示を担うSAP Sustainability Control Towerや、財務データと突合するSAP Green Ledgerと組み合わせて用いる設計です。料金は記録数のブロック単位(50,000レコード単位・最小3ブロックから)の従量課金型で、具体的な金額は要お問い合わせです。
17. Terrascope(Terrascope Pte. Ltd.)

シンガポールのTerrascope Pte. Ltd.が提供する企業向けカーボン管理SaaSです。アグリフード大手Olam International社内で開発されたシステムを2022年に外販化した経緯を持ち、森林・土地・農業(FLAG)分野の排出量算定に厚みがあります。日本ではTerrascope Japan株式会社が拠点を構え、日本語サイトを運営しています。
2024年6月に日本市場へ本格参入し、三菱商事株式会社・株式会社みずほ銀行・日本テトラパック株式会社との提携を発表しました。国内では日本たばこ産業や三菱食品などの導入事例が公開されており、外資系ツールのなかでは日本法人・日本語対応の実在が明確な部類に入ります。
Scope1・2・3に対応し、気候報告機能はIFRS S2をベースに日本のSSBJ基準への対応を挙げています。監査人向けの専用アクセス権・監査ログ・検証ワークフローを備え、第三者保証を見据えた運用を想定した設計です。料金は公開されておらず、要お問い合わせとなります。
料金相場の目安
ここからは、公開されている料金をもとに、導入費用の全体感を整理します。
クラウド型(SaaS)の料金は、中小企業向けのスモールスタートで月額数千円前後から、算定範囲やサプライヤー連携まで含む中堅・大企業向けで月額数万円〜数十万円規模まで広がります。ただし多くのベンダーは料金プランを公開せず、比較表でも「要お問い合わせ」となる製品が少なくありません。
公開されている例では、invox炭素会計が月額1,980円(税込2,178円)から、EcoNiPassが月額5,000円から始められます。ミエルカーボンは月額10,000円から、外資系のSalesforce Net Zero Cloudはグローバル版で年48,000ドルからと、対象規模によって開きがあります。
無料で使える公的ツールで足りる場合もあります。有料SaaSとの使い分けは次のセクションで整理します。
無料の算定ツール(環境省・日商)との使い分け
有料SaaSを検討する前に、無料で使える公的ツールで足りるかを確認しておくと、投資判断を誤りにくくなります。国内には環境省の算定ツールや、日本商工会議所のCO2チェックシートといった無料ツールが用意されています。
これらの無料ツールは、環境省の算定・報告・公表制度の排出係数を用いる点で公的な裏づけがあります。日本商工会議所のCO2チェックシートは、費用と利用条件を次のように示しています。
ご利用にあたって、費用はかかりません。
出典:CO2チェックシート|商工会議所エネルギー・環境ナビ(日本商工会議所)
環境省の「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度」における排出係数を利用
無料ツールは、電気・ガス・燃料の使用に伴うScope1・2を中心とした単年の簡易算定に向いています。拠点や部門が少なく、まず自社の排出量の全体像を把握したい段階であれば、これらで十分なケースがあります。
一方で、Scope3のサプライチェーン算定、月次・四半期での継続的な運用、取引先や投資家への開示対応が必要になると、Excelベースの無料ツールでは対応が難しくなります。
拠点・グループ会社が増えた、Scope3を複数カテゴリまで広げる、第三者保証や開示まで見据える、といった段階に進んだときが、有料SaaSへ移行する目安です。自社が今どの段階にいるかを確認し、必要な範囲に合わせて選ぶと失敗を避けやすくなります。
導入・運用の注意点とよくある失敗(回避策つき)
ここからは、導入後につまずきやすいポイントと、その回避策を整理します。
よくある失敗と回避策
1つ目は、月額の表示額だけで比べて、導入後に想定を超える費用が発生する失敗です。課金単位や算定範囲拡大時の費用の伸びを含めた数年分の総額で見積もることが回避策で、価格帯の全体感は前掲の「料金相場の目安」で整理しています。
2つ目は、機能は豊富でも社内で使いこなせず、算定が滞る失敗です。専任人材を置きにくい企業は、伴走支援を標準で受けられるか、算定方法のチェックまで依頼できるかを事前に確認しておくとよいでしょう。無料トライアルやデモの場で、自社の実データを使って入力から算定・レポート出力までを一度試すと、運用イメージのずれを早く発見できます。
3つ目は、市場の再編を踏まえずに古い比較情報だけで選ぶ失敗です。GHG算定・可視化の分野ではサービスの統合・事業承継・提供終了が相次いでおり、数年前の比較記事に載っていた製品が現在は単独で選べないこともあります。検討時点で各サービスの提供状況を公式情報で確かめることが、選定の前提になります。
導入前チェックリスト(最小要件と本格要件)
導入前に、自社の要件を最小要件と本格要件に分けて整理しておくと、製品比較の軸がぶれにくくなります。
- 最小要件:算定したいScopeの範囲(Scope1・2のみか、Scope3のどのカテゴリまでか)を決めます
- 最小要件:現在の拠点数・部門数・グループ会社数と、活動量データの持ち方(請求書・会計・ERP)を洗い出します
- 最小要件:準拠すべき算定基準(GHGプロトコル・ISO 14064-1・ISO 14067)と、算定結果の用途(開示・取引先提出)を確認します
- 本格要件:サプライヤー一次データの収集、削減・目標管理、開示レポート出力(CDP・温対法・SSBJ)の要否を決めます
- 本格要件:第三者検証・保証(ISO 14064-3)の取得予定と、必要な証跡管理の水準を確認します
- 本格要件:数年後の算定範囲の見通しに対する、料金の伸び方と伴走支援の範囲を見積もります
関連制度・開示基準への対応
ここからは、GHG算定・可視化に関わる主な制度・開示基準を、どの制度がどの企業に効くかという観点で整理します。制度への対応がそのままソフトの選定要件になるため、自社が対象となる制度を押さえておくことが重要です。

国内の制度(温対法・省エネ法・コーポレートガバナンス・コード)
国内でGHG排出量の算定・報告を直接求めるのは、温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)の算定・報告・公表制度(SHK制度)です。すべての企業が対象ではなく、次の特定排出者に該当する事業者が報告義務を負います。
【エネルギー起源CO2】全ての事業所のエネルギー使用量合計が原油換算1,500kl/年以上の事業者
出典:制度概要|温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度(環境省・経済産業省)
【その他の温室効果ガス】当該排出活動に伴う排出量の合計量が当該温室効果ガスの種類ごとにCO2換算で3,000トン以上/事業者全体で常時使用する従業員の数が21人以上(の両方を満たす事業者)
省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)でも、一定規模以上の特定事業者などにエネルギー使用状況の定期報告が義務づけられています。省エネ法はエネルギー使用の合理化が主目的で、GHG排出量そのものの開示制度ではありませんが、報告に必要なエネルギーデータは排出量算定と重なります。
上場企業では、東京証券取引所のコーポレートガバナンス・コードが、プライム市場上場会社に対し、TCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく気候関連開示の質と量の充実を求めています。これは特定の枠組みの単独義務ではなく、国際的に確立された枠組みに沿った開示を促すものです。
開示基準の国際的な標準化(TCFD・ISSB/SSBJ)
気候関連開示の枠組みは、近年ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)のIFRS S2へ集約されつつあります。TCFDは2023年にその役割を終え、提言はISSB基準に引き継がれました。IFRS S2は、TCFDの提言を統合・発展させたものと位置づけられています。
日本では、このISSB基準に対応する国内基準としてSSBJ基準が策定され、有価証券報告書での適用が段階的に義務づけられます。金融庁の資料は、対象企業と適用時期を次のように示しています。
グローバルな投資家との建設的な対話を志向するプライム市場上場企業を対象に、時価総額の大きな企業から順次、SSBJ基準に準拠して有価証券報告書を作成することを義務付ける。
出典:事務局説明資料(第9回 金融審議会 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ)|金融庁(2025年10月30日)
i. 時価総額3兆円以上の企業 : 2027年3月期
ii. 時価総額3兆円未満1兆円以上の企業 : 2028年3月期
iii. 時価総額1兆円未満5千億円以上の企業 : 2029年3月期
対象はプライム市場上場企業のうち時価総額の大きな企業から段階適用される仕組みで、全企業が一律に対象となるわけではありません。開示基準に対応する製品を選ぶ際は、自社が対象となる時期に間に合う形で、SSBJ基準に沿ったレポート出力に対応しているかを確認します。
サプライチェーン・金融・輸出に関わる枠組み(PCAF・CBAM・CSRD)
金融機関では、投融資先の排出量(Scope3のカテゴリ15)の算定が焦点になります。この算定の国際基準がPCAF(金融向けGHG算定基準)で、GHGプロトコルのScope3カテゴリ15に整合する形で定められています。
in conformance with the requirements of the GHG Protocol Corporate Value Chain (Scope 3) Accounting and Reporting Standard, for Category 15 investment activities
出典:The Global GHG Accounting and Reporting Standard for the Financial Industry|PCAF
EU向けに事業を展開する企業では、CBAM(EU炭素国境調整措置)とCSRD(EU企業持続可能性報告指令)が関わります。CBAMは2026年1月から確定期間が始まり、鉄鋼・アルミなどの対象品目をEUへ輸入する事業者に義務が課されます。日本企業に直接の申告義務が生じるわけではありませんが、EU向けに対象品目を輸出する企業は、製品ごとの炭素データの提供を求められます。
CSRDは、EUで事業を行う企業にサステナビリティ情報の報告を段階的に求める制度で、EUに子会社や一定の売上を持つ日本企業も対象になりえます。ただし対象範囲や適用時期は見直しが続いており、自社が対象となるかは最新の動向を確認する必要があります。EU圏まで開示・報告の射程が及ぶ企業は、これらの枠組みに対応できる製品かを確認します。
出典・参考資料(2件)
まとめ
本記事では、GHG排出量算定・可視化ソフトの機能・選び方・タイプ・料金相場・関連制度を整理し、主要17サービスを3タイプ別に比較しました。
選定でまず重要なのは、自社が対応すべきScopeの範囲(特にScope3のどのカテゴリまでか)と目的(算定だけか、削減・開示まで担うか)、そして企業規模を整理し、適したタイプを先に特定することです。
まず現状把握を素早く始めたい企業は算定・可視化に特化したタイプ、削減・オフセット・開示まで一連で担いたい企業は算定から削減・オフセット・開示まで幅広く担う総合タイプ、多拠点・グローバル開示や基幹システム連携が要る企業はグローバル開示・大企業の基幹システム連携に強いタイプが、それぞれ有力な選択肢になります。
その上で、算定基準への準拠・データ収集の自動化・料金の伸び方・伴走支援を比べ、数年後の運用まで見据えて選ぶと失敗しにくくなります。
MCB FinTechカタログでは、決済・金融・バックオフィスの法人向けサービスを課題別に比較・検討できます。対応Scopeや料金、開示対応の範囲を見比べながら、自社に合うサービスの比較検討を進めてください。
よくある質問(FAQ)
Q. GHG排出量算定・可視化ソフトとは何ですか?
A. GHG排出量算定・可視化ソフトは、企業が自社とサプライチェーン全体の温室効果ガス(GHG)排出量を、GHGプロトコルなどの算定基準に沿ってScope1・2・3で算出し、ダッシュボードで可視化・管理するためのクラウドソフト(SaaS)です。
請求書のAI-OCR読み取りや会計・ERP連携で活動量データの収集を自動化し、開示レポートの出力や削減・目標管理まで担う製品もあります。Excel集計で生じがちな属人化や排出係数の更新漏れを避け、算定を毎年同じ手順で再現できる点が特徴です。
Q. GHG排出量の算定・可視化はすべての企業に義務づけられていますか?
A. すべての企業に一律で義務づけられているわけではありません。ただし、温対法の算定・報告・公表制度(SHK制度)では、全事業所のエネルギー使用量が原油換算1,500kl/年以上といった特定排出者に報告義務があります。上場企業では、SSBJ基準に基づく開示が、プライム市場の時価総額の大きな企業(3兆円以上)から2027年3月期以降、段階的に義務づけられます。
制度の直接の対象でなくても、取引先や投資家、金融機関から排出量データの提供や開示を求められる企業は増えており、対応を迫られる裾野は制度と取引の両面から広がっています。
Q. GHG排出量の算定はExcelでは対応できないのですか?
A. Scope1・2の単年の簡易算定であればExcelでも可能ですが、継続的な運用には向きません。拠点・部門が増えるほど集計範囲が広がり、年度ごとの排出係数の更新漏れや、担当者交代時の引き継ぎリスクが避けられなくなるためです。
特に、Scope3のサプライチェーン算定や、月次・四半期での継続運用、取引先・投資家への開示対応まで必要になると、Excelでの管理は破綻しやすくなります。この段階に進んだときが、専用ソフトへ移行する目安になります。
Q. 無料で使えるGHG排出量算定ツールはありますか?
A. 環境省の算定ツールや日本商工会議所のCO2チェックシートなど、無料で使える公的ツールがあり、Scope1・2を中心とした単年の簡易算定に向いています。
一方で、Scope3のサプライチェーン算定や継続的な運用、開示対応が必要になった段階では機能が不足するため、有料SaaSへの移行を検討する進め方が自然です。
Q. GHG排出量算定・可視化ソフトはScope3の15カテゴリすべてに対応できますか?
A. Scope1・2はほぼすべての製品が対応しますが、Scope3の15カテゴリのうちどこまで算定できるかは製品ごとに異なります。15カテゴリを網羅する製品もあれば、一部カテゴリに絞られる製品もあります。
自社の排出構造で比重の大きいカテゴリを先に見極めることが、選定の起点になります。製造業や商社では購入した製品・サービス(カテゴリ1)、金融機関では投融資先の排出量(カテゴリ15)が焦点になります。取引先要請でScope3全体を早期に整える必要がある場合は、15カテゴリを網羅できる製品が候補になります。
Q. GHG排出量算定・可視化ソフトの料金相場はどれくらいですか?
A. 中小企業向けのスモールスタートで月額数千円前後から、算定範囲やサプライヤー連携まで含む中堅・大企業向けで月額数万円〜数十万円規模まで幅があります。料金プランを公開せず、個別見積もりとするベンダーも少なくありません。
比較の際は月額の表示額だけでなく、初期費用・オプション・伴走支援まで含めた数年分の総額で見積もると、導入後の追加費用を避けやすくなります。
Q. 取引先から排出量データを求められた中小企業も、ソフトを導入すべきですか?
A. 報告義務のない中小企業でも、取引先のScope3算定のために一次データの提供を求められるケースが増えており、導入を検討する価値があります。取引先の開示要請に数値で応えられないと、取引の継続や新規受注に影響する可能性があるためです。
この場合、まずScope1・2の算定から低コストで始められる中小・中堅向けの製品が現実的な選択肢になります。月額数千円のスモールスタートプランや無料の公的ツールで足りるかを見極め、取引先への提出や自社の削減まで必要になった段階で機能を広げるのが現実的です。
Q. ソフトで算定した数値は、そのまま開示や第三者保証に使えますか?
A. 開示や取引で通用させるには、算定結果が拠り所とする算定基準に準拠していることと、必要に応じて第三者検証・保証に対応できることが前提になります。組織全体の排出量開示にはGHGプロトコルやISO 14064-1準拠、製品単位の排出量にはISO 14067準拠が求められます。
保証の取得を見据えるなら、検証の国際基準であるISO 14064-3に対応した証跡管理ができる製品が向きます。上場企業では、SSBJ基準に沿ったレポート出力への対応も確認が必要です。自社が求められている開示・保証の水準に、その製品の対応様式が合っているかを確認してください。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。










