ランサムウェアや標的型攻撃の被害が後を絶たず、IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向けの脅威の1位が「ランサム攻撃による被害」となり、11年連続11回目の選出となりました。取引先を踏み台にするサプライチェーン攻撃も2位に挙がり、規模を問わずどの企業も標的になり得る状況です。
出典・参考資料(1件)
一方で、専任のセキュリティ担当者を置けず、「自社だけでは守りきれない」「いざ事故が起きたとき誰に連絡すればいいのか分からない」と感じている企業は少なくありません。こうした不安を解消する現実的な選択肢が、サイバー攻撃対策を外部の専門家・専門会社に頼むことです。
とはいえ、ひとくちに「専門家」といっても、弱点を洗い出す診断を得意とする会社もあれば、事故後の調査や全社の体制づくりを担う会社もあり、何をどこに頼めばよいのかは見えづらいものです。
本記事では、サイバー攻撃対策を頼める専門家・専門会社を「何を頼みたいか」という目的別のタイプに分けて整理し、探し方・選び方・頼むタイミング・費用相場までを解説します。自社に合う依頼先を見つける材料としてご活用ください。
サイバー攻撃対策を頼める相手には、サイバーディフェンス研究所やGMOサイバーセキュリティ byイエラエのような専門会社から、専任の担当者がいない企業でも頼みやすいサービスまで、幅広い選択肢があります。
頼む相手は会社だけではありません。常勤の責任者の役割を代行するCISO代行や、公的機関の無料の相談窓口など、「人に頼る」選択肢もあります。自社の状況に合う頼み方を見つける手がかりにしてください。
また、自社の課題に合う依頼先のタイプを手早く絞り込めるよう、「かんたん依頼先タイプ診断」をご用意しています。あわせてご活用ください。
目次
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サイバー攻撃対策を外部の専門家に頼む理由・頼める範囲
ここからは、なぜ外部の専門家に頼る企業が増えているのか、そして専門家に何を頼めるのかを整理します。
サイバー攻撃対策の専門家とは、脆弱性診断やインシデント対応、セキュリティコンサルティングなどを通じて、企業のサイバー攻撃への備えと事故対応を支援する会社や人材を指します。攻撃手法が高度化・自動化する一方で、守る側に求められる知識は、ネットワーク・端末・クラウド・法規制まで多岐にわたります。これらを自社の人員だけでカバーし続けるのは、専任の担当者がいる企業でも容易ではありません。
外部に頼る動きが広がる背景には、主に2つの事情があります。1つは、平時に「どこに弱点があるのか」「何から対策すべきか」を自社だけでは判断しづらいこと。もう1つは、有事に「誰に連絡し、どう初動を取るか」を事前に決められていないことです。攻撃を受けてから慌てて相談先を探すのでは、被害の拡大を止めきれません。
専門家に頼める支援は、おおまかに次の5つに分かれます。これらを組み合わせることで、平時の備えから有事の対応までを外部の力で補えます。
- 弱点の可視化:脆弱性診断・ペネトレーションテスト(疑似攻撃による侵入テスト)で、Webアプリやネットワーク・端末に潜む弱点を洗い出す
- 事故への備えと対応:インシデント対応(事故発生時の初動支援)・フォレンジック(侵害の痕跡を解析するデジタル鑑識)で、被害の封じ込めから原因究明・再発防止まで担う
- 全社の体制づくり:セキュリティコンサルティング・アセスメント(現状評価)で、ルールや組織体制、経営目線のリスク整理まで伴走する
- 従業員の教育:標的型メール訓練やeラーニングで、現場の意識と対応力を底上げする
- 継続的な監視・運用:SOC(セキュリティ監視を担う専門組織)やMSS(マネージドセキュリティサービス)で、24時間365日の監視と運用を代行する
自社に専任の担当者がいなくても、これらのうち必要な部分だけを外部に切り出して頼めます。まずは「自社は何を頼みたいのか」を整理すると、依頼先を絞り込みやすくなります。
依頼先のタイプ(目的別)
ここからは、専門家・専門会社を「何を頼みたいか(依頼の目的)」で4つのタイプに分けて解説します。先に挙げた5つの支援のうち、継続的な監視・運用(SOC/MSS)は、事故対応と地続きの運用なので、2つ目のタイプ「事故対応・監視をまとめて任せたい」に含めて扱います。
自社の課題がどのタイプに当てはまるかを手がかりに読み進めてください。紹介する会社は代表例で、同じ支援を提供する会社はほかにも多数あります。

弱点を洗い出したい(脆弱性診断・ペネトレーションテスト)
「どこに穴があるのか分からない」段階で最初に頼みたいのが、弱点を可視化する診断です。脆弱性診断はWebアプリケーションやネットワーク機器・サーバーの設定不備や既知の欠陥を洗い出し、ペネトレーションテストは攻撃者と同じ手口で実際に侵入を試み、突破経路を検証します。診断後は、見つかった弱点の危険度と優先順位、改善策までレポートで示されるのが一般的です。
このタイプには、Webアプリ診断やソースコード診断を得意とするCoWorker 脆弱性診断サービス、月次の内部診断と対策支援をパッケージ化したKATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージのほか、GMOサイバーセキュリティ byイエラエ、サイバーディフェンス研究所、GSX、Flatt Security、三井物産セキュアディレクション(MBSD)といった診断専業の会社が挙げられます。
自社のWebサービスやシステムをリリースするたびにスポットでWeb診断を頼む使い方もあれば、年1回の定期診断として契約する使い方もあります。
診断を頼めるサービスそのものをもっと広く比べたい場合は、診断方法のちがいや費用相場・選び方を横断的に整理した記事もあわせてご覧ください。
事故対応・監視をまとめて任せたい(インシデント対応・フォレンジック・SOC/MSS)
「すでに感染したかもしれない」「事故が起きたときに備えておきたい」という課題に応えるのが、インシデント対応とフォレンジック、そして継続的な監視を担うタイプです。インシデント対応は、マルウェア感染や不正アクセスが疑われる際の初動を支援し、フォレンジックは端末やサーバーのログを解析して、何が起きたのか・情報が漏れていないかを突き止めます。
事故後の調査では、退職者の端末や侵害が疑われるPCを解析するCoWorker 端末侵害診断サービスのような診断型のサービスが役立ちます。平時から監視を任せたい場合は、24時間365日のSOC監視を提供するNEC ActSecureや、監視運用と事故対応をまとめて引き受けるセコムのサイバー攻撃対策ソリューションなどが選択肢になります。
GMOサイバーセキュリティ byイエラエやサイバーディフェンス研究所は、緊急の初動対応を24時間受け付ける窓口を設けており、有事の相談先になります。
情報漏えいが絡む場合は、調査の報告書が訴訟や取引先への説明で証拠として通用するか(証拠能力)も、依頼先を選ぶうえでの観点になります。
事故後の調査を任せる会社を具体的に見比べたい場合は、デジタルフォレンジック調査会社を費用・対応範囲・証拠能力の観点で比較した記事が参考になります。
全社の体制づくりを相談したい(セキュリティコンサル・アセスメント・CISO代行)
「個別の対策ではなく、会社全体のセキュリティをどう固めるか相談したい」という段階では、コンサルティングやアセスメントを頼みます。アセスメントは現状のセキュリティ対策を評価基準に照らして点検し、優先順位をつけて改善の道筋を示すものです。
評価だけで終わる現状診断型から、体制づくりや運用まで継続して伴走する型、常勤の責任者を置けない企業に代わってCISO(最高情報セキュリティ責任者)の役割を担うCISO代行まで、関わり方には幅があります。
現状を一度しっかり評価してほしいなら、NIST CSF(米国立標準技術研究所が示すサイバーセキュリティ対策の枠組み)やISMSなどの基準で網羅的に点検するセキュリティアセスメント支援サービス(ユービーセキュア)やセキュリティアセスメントサービス(TISI・パーソルクロステクノロジー)、JSOLのSecurity Assessment Servicesが候補になります。
中小企業が始めやすい対策状況の診断としては、ヒアリングと実機確認で現状を可視化するセキュリティリスクレポート(ドコモソリューションズ)やサイバーセキュリティ経営支援サービス(都築電気)があります。経営目線でのリスク整理や継続的な伴走を求めるなら、CISO アズ・ア・サービスのようなCISO代行や、PwC・EYといった大手ファームのコンサルティングも視野に入ります。
この型は候補が多いため、目的で絞り込むのが近道です。費用を抑えてまず現状を把握したいならドコモソリューションズ、報告書で経営層にリスクを説明したいなら都築電気やTISI、評価から実装・運用まで一社でまかないたいならパーソルクロステクノロジーやJSOL、常勤の責任者の機能ごと委ねたいならCISO代行、といった分け方ができます。
コンサルティング会社に絞って、依頼できる業務や費用相場、目的別の選び方を詳しく知りたい場合は、次の記事で掘り下げています。
従業員の意識・運用を鍛えたい(教育・標的型メール訓練)
攻撃の多くはメールや人の油断を入り口にするため、従業員教育は技術的な対策と並ぶ重要な備えです。実際に偽の攻撃メールを送って開封率を測る標的型メール訓練や、全従業員が受講するeラーニングで、現場の対応力を底上げします。
実地の訓練なら、トラップメール訓練とeラーニングを組み合わせられるGSXの情報セキュリティ教育サービスが代表的です。教材として整えたいなら、全テーマをまとめて導入できるDNPの情報セキュリティeラーニングや、短時間の動画を継続配信するラーニングハブ for セキュリティのように、運用スタイルに合わせた選び方ができます。
標的型メール訓練のサービスを、より多くの選択肢から教育コンテンツや料金・開封率で比べたい場合は、専用の比較記事もあわせてご覧ください。
専門家の探し方(民間サービス+公的窓口)
依頼先のタイプが見えてきたら、次は具体的にどこで探すかです。探し方は、民間のサービスを比べる方法と、公的な窓口・制度を入口にする方法の2つがあります。
民間のサービスは、比較表やMCB FinTechカタログのような比較プラットフォームで、対応範囲や実績・費用を横断的に見比べるのが近道です。資料を一括で取り寄せて、自社の課題に合うかを比較できます。
「いきなり民間に相談するのはハードルが高い」「まず無料で相談したい」という場合は、IPAが運営する公的な窓口や制度が入口になります。主なものは次のとおりです。
- セキュリティ・プレゼンター制度:IPAが、中小企業などの依頼に応じて情報セキュリティの専門家を紹介・派遣する制度。全国で約2,000名が登録しており、IPAのサイトで一覧を確認できます
- サイバーセキュリティお助け隊サービス:中小企業向けに、見守り・駆け付け・保険などをワンパッケージで提供するサービス。IPAが制度を運営し、実際のサービスは民間事業者が提供します(有料ですが、公的な補助金の対象になる場合があります)
- 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン・自己診断:IPAが公開する無償の資料で、「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」を使えば、相談の前に自社の状況をおおまかに把握できます
- 企業・組織向けサイバーセキュリティ相談窓口:IPAが、インシデント発生時の初動対応に関する相談を受け付け、対応を行う専門業者の一覧を紹介する窓口。有事の連絡先が決まっていないときの入口になります
「公的窓口なら無料」と一括りにはできない点に注意が必要です。ガイドラインや自己診断などの資料は無償で利用でき、相談の受付自体も公的窓口が担いますが、専門家の派遣やお助け隊サービスは、窓口や事業者によって費用が異なります。まずは無償の資料と相談窓口で現状と方向性を把握し、具体的な依頼は民間サービスの費用を比べて決めるのが現実的です。
出典・参考資料(4件)
依頼先の選び方の判断基準
依頼先の候補が挙がったら、次の観点で自社に合うかを見極めます。すべてを満たす必要はなく、自社が重視する点から確認してください。
得意領域が自社の課題に合っているか
同じ「セキュリティ会社」でも、Web診断に強い会社、フォレンジックに強い会社、体制コンサルに強い会社と得意領域は分かれます。自社の課題が「ECサイトの脆弱性を確かめたい」のか「漏えいの疑いを調べたい」のかによって、適した依頼先は変わります。各社の公式サイトのサービスメニューや実績で、自社の課題に対応した経験があるかが判断材料になります。
実績や資格で信頼性を裏づけられるか
診断や調査の品質は外から見えにくいため、客観的な裏づけが判断材料になります。経済産業省の基準を満たすサービスを掲載した「情報セキュリティサービス基準適合サービスリスト」への登録や、担当者が持つ情報処理安全確保支援士・CISSPなどの資格、類似業種での導入実績が目安です。
ただし、このリストはサービスが基準の項目を満たしていることを示すもので、IPAが品質を保証するものではないとされている点には留意が必要です。
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対応範囲はどこまでか
「診断して終わり」なのか、「見つかった弱点の改善や、その後の運用まで伴走してくれる」のかで、頼れる範囲は違います。自社に対策を実行できる人員がいない場合は、診断後の改善支援や継続的な監視・運用まで任せられる依頼先を選ぶと、レポートが宙に浮かずに済みます。逆に実行は自社でできるなら、診断に特化した会社をスポットで頼むほうが費用を抑えられます。
費用が透明で、中小企業でも頼めるか
費用を公式サイトに明示している会社は、予算の見当をつけやすく、稟議も通しやすくなります。一方で「要見積り」の会社も多いため、その場合は依頼内容を具体的に伝えて早めに見積りを取るとよいでしょう。
専任担当者がいない中小企業では、スモールスタートできるか(単発のスポット診断や、無料の公的相談から始められるか)も重要な分岐点です。小さく始めて必要に応じて範囲を広げられる依頼先なら、無理なく対策を進められます。
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いつ頼むべきか(平時の備え/有事の初動)
専門家に頼むタイミングは、「平時の備え」と「有事の初動」で分けて考えると整理しやすくなります。

平時にあたるのが、攻撃を受ける前の備えです。脆弱性診断で弱点を洗い出し、アセスメントで体制を点検し、従業員教育で現場の意識を高める——これらは余裕のあるうちに計画的に進める対策です。特に新しいシステムを公開する前の診断や、年1回の定期的な点検は、事故を未然に防ぐ投資として効果が高いものです。
有事にあたるのが、感染や不正アクセスが疑われたときの初動です。ここで頼るのがインシデント対応とフォレンジックで、被害の封じ込めと原因究明を急ぎます。重要なのは、有事の連絡先を平時のうちに決めておくことです。
IPAの企業・組織向けサイバーセキュリティ相談窓口では、初動対応の相談に加えて対応を行う専門業者の一覧も紹介されるため、「どこに連絡すればいいか分からない」状態を避ける手がかりになります。緊急時の初動を24時間受け付ける会社をあらかじめ把握しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
頼むタイミングに迷ったら、次のような場面が一つの目安です。
- 新しいシステムやサービスを公開する前(事前の脆弱性診断)
- マルウェア感染や不正アクセスが疑われたとき(事故の初動・フォレンジック)
- 取引先や監査からセキュリティ体制の説明を求められたとき(アセスメント)
- 大きなインシデントが報道され、自社の状況を確認したくなったとき(現状診断・相談)
費用相場・契約形態
費用は依頼する内容と範囲によって大きく変わります。ここでは、各社が公開している料金をもとに、依頼内容別のおおまかな目安を示します(いずれも2026年11月時点の公開情報で、実際の金額は診断対象の規模や範囲によって変動します)。
- 弱点診断(スポット):CoWorker 脆弱性診断サービスは静的診断が15万円から、Webペネトレーションテストが60万円から。対策状況の診断では、ドコモソリューションズのセキュリティリスクレポートが30万円からと公開しています
- アセスメント・コンサル:網羅的な評価では、ユービーセキュアやTISIのアセスメントが100万円から、都築電気のサイバーセキュリティ経営支援サービスが90万円からと公開しています。対象範囲が広がるほど金額も上がります
- 従業員教育:DNPの情報セキュリティeラーニングは、全テーマをまとめた買い切りで150万円。訓練や配信型のサービスは、利用人数や期間に応じた料金体系が中心です
契約形態は、単発で依頼する「スポット型」と、継続的に関わってもらう「顧問・継続型」に大別されます。弱点診断やアセスメントは、必要なときに単発で頼むスポット型が一般的です。一方、監視・運用(MSS)やCISO代行、顧問契約は、月額や年額で継続的に支援を受ける形になります。費用を公開していない会社も多いため、その場合は依頼範囲を具体的に伝えて見積りを取り、複数社を比べて判断するとよいでしょう。
依頼先タイプ別の比較
ここまで紹介した依頼先を、頼める支援・対応範囲・実績や資格・費用の目安・中小企業での頼みやすさといった観点で横断的に比較します。自社の課題と照らし合わせ、資料請求や相談の候補を絞り込む材料としてご活用ください。
| サービス名 | CoWorker 脆弱性診断サービス | KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージ | CoWorker 端末侵害診断サービス | NEC ActSecure χ(カイ) | セコムのサイバー攻撃対策ソリューション | CISO アズ・ア・サービス | セキュリティアセスメント支援サービス(ユービーセキュア) | セキュリティリスクレポート(ドコモソリューションズ) | セキュリティリスクアセスメントサービス(日立ソリューションズ) | サイバーセキュリティ経営支援サービス(都築電気) | セキュリティアセスメントサービス(TISI) | セキュリティアセスメントサービス(パーソルクロステクノロジー) | Security Assessment Services(JSOL) | GSX 情報セキュリティ教育・人材育成サービス | DNP 情報セキュリティ eラーニング教材 | ラーニングハブ for セキュリティ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 頼める支援 | 脆弱性診断・ペネトレーションテスト | 脆弱性診断(予防・復旧・補償の統合パッケージ) | フォレンジック(端末侵害診断) | 監視・運用(SOC/MSS) | 監視・運用(MSS)+インシデント対応・フォレンジック | セキュリティコンサル・CISO代行 | コンサル・アセスメント | アセスメント(対策状況診断) | アセスメント(製品ログ分析・運用支援) | コンサル・アセスメント(経営支援) | コンサル・アセスメント | コンサル・アセスメント | コンサル・アセスメント | 教育・標的型メール訓練 | 教育(eラーニング教材) | 教育(eラーニング) |
| 対応範囲 | ソースコード・Webアプリ・APIの診断〜ペネトレーションテスト(弱点の洗い出し中心・AI+専門家) | ネットワーク内部の月次診断と改善の伴走(対策実装は標準範囲外・別料金) | 端末ログの事後調査〜報告会まで(退職者PC・定期点検・AI活用環境) | 24時間365日の継続監視・通知(OT/IoT環境も一括監視) | 平時の監視運用から有事の駆けつけ・原因調査・復旧まで | 戦略立案〜取締役会報告〜現場レビューまで継続伴走(CISO機能の代行) | 現状評価〜対策立案・ロードマップ(評価のみ・立案のみも可) | 対策状況の診断・可視化から、必要に応じ対策・運用まで(自社SOC) | 導入済みセキュリティ製品のログ分析・設定見直し提案・報告会 | 20項目の評価〜改善計画の支援(脆弱性診断は含まない) | 約80〜100項目の評価〜報告書での優先順位・進め方の提案 | 成熟度の網羅評価〜対策実装・運用まで(実装は別サービス) | 現状分析〜グランドデザイン・ロードマップ策定(標準版/簡易版) | 標的型メール訓練+eラーニング(必要に応じ訓練後研修まで) | 全11テーマの教材を提供(買い切り・LMSは別途) | 約3分の短尺動画を継続配信(標的型メール訓練はオプション) |
| 実績・資格 | —(公開情報なし) | セキュアIoT認定(Gold) | —(公開情報なし) | —(公開情報なし) | 警視庁とサイバー犯罪共同対処協定を締結 | 大手企業でのCISO・セキュリティ部門責任者の支援経験(公式) | ISMS(ISO/IEC 27001)認証取得 | —(公開情報なし) | —(公開情報なし) | —(公開情報なし) | —(公開情報なし) | 情報セキュリティサービス基準に登録(022-0004-10) | —(公開情報なし) | —(公開情報なし) | —(公開情報なし) | ISO 9001/ISO/IEC 27001 認証 |
| 費用の目安 | ソースコードAI診断15万円〜/Webペネトレ60万円〜 | 1台 月額1,250円〜 | 1台20万円〜(税別・台数で逓減) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 評価実施支援100万円〜/一式250万円〜(税抜) | 30万円〜 | 要問い合わせ | 90万円〜 | 100万円〜(税別) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 150万円(税抜)買い切り | 要問い合わせ |
| 中小企業でも頼めるか | ●スポット診断(15万円〜)から依頼可能 | ●月額制・最短2週間で中小も導入しやすい | ●1台から・専任担当がいなくても依頼可能 | △監視対象の機器構成に応じた個別見積り | △必要な構成を選んで個別見積り | △頻度を絞った支援は可能(要問い合わせ) | △評価のみの依頼は可だが100万円〜 | ●30万円〜・現状把握の第一歩に向く | △対象製品(Netskope・Zscaler・Okta等)の導入が前提 | △各種プランあり(90万円〜) | △100万円〜・評価範囲で変動 | △規模・要望に応じカスタマイズ(要問い合わせ) | △簡易版(約1.5か月)あり・費用は要問い合わせ | ●訓練から小さく始められる | △1社150万円の買い切り(人数無制限) | ●受講人数で変動・無料トライアルあり |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
依頼先サービスの個別紹介
ここからは、タイプ別に主な依頼先サービスを個別に紹介します。それぞれの得意領域や対象を確認し、自社の課題に合うかを見極めてください。
弱点を洗い出したい(脆弱性診断・ペネトレーションテスト)
システムやWebサービスの弱点を可視化し、優先順位をつけて対策につなげたい企業に適しています。
1. CoWorker 脆弱性診断サービス(CoWorker株式会社)

CoWorker 脆弱性診断サービスは、CoWorker株式会社が自社開発したAI「Red Agent」による自動解析と、社内のセキュリティ専門家による最終確認を組み合わせた診断サービスです。ソースコードAI診断、稼働中のWebアプリ・APIを対象とする動的脆弱性診断、攻撃を模した実践攻撃シミュレーション診断(ペネトレーションテスト)までをメニューに揃えています。
ソースコードAI診断はソースコードや設計書をAIが解析するもので、本番環境に影響を与えずに弱点を洗い出せます。料金はソースコードAI診断が15万円から、Webペネトレーションテストが60万円からで、診断開始から最短3営業日での報告書納品を掲げています。
AIを使うことで短時間で診断できるため、新しいサービスのリリースごとに頼むスポット診断から、四半期や月次で繰り返す定期診断まで、頻度に合わせて使い分けられます。
こうした定期診断が必要とされる背景について、同社の一ノ瀬氏は攻撃側の変化を挙げています。

一方で、攻撃者側もAIを活用するようになり、新しく、しかもスピード感の早い攻撃が増えてきています。これまでは年に1回、あるいはサービスをリリースした直後にだけ脆弱性診断を行うという企業が多かったのですが、AIの発達によって攻撃側のスピードが上がっている以上、定期的に診断をしないと危険だという状況になってきました。
2. KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージ(株式会社SYNCHRO)

株式会社SYNCHROが提供するKATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージは、脆弱性診断の専業サービスではなく、予防・復旧・補償を一体で備えた国産の統合型サービスです。中核となる脆弱性診断「KATABAMI VDP」は、ネットワークの内部から月次(年12回)で弱点を検出し、A〜Eの5段階評価と改善策をレポートで示します。
外部からのスキャンでは見つけにくい、複合機やネットワーク機器など内部起点の弱点まで洗い出せる点が特徴で、検出後は対策方針の提示や月次の相談会で改善を支援します。ただしパッチ適用などの対策実装そのものは標準サービスの範囲外で、希望する場合は別料金での委託になります。
料金は1台あたり月額1,250円からで、最短2週間での利用開始を掲げるなど、専任のセキュリティ担当者を置きにくい中小企業でも導入しやすい設計です。あいおいニッセイ同和損害保険のサイバー保険が自動付帯する点も、診断に特化したサービスにはない特徴です。
内部診断で実際によく見つかる弱点として、同社の北口氏は複合機やコピー機の設定を挙げています。

工場出荷時の初期パスワードのまま使われているお客様がほとんどでして、大手メーカーの初期IDパスワードはインターネットで検索すればすぐ出てきてしまいます。そのままにしておくと、万が一ウイルスが内部に入り込んだ際に、簡単に遠隔操作で乗っ取られてしまうリスクがあります。
事故対応・監視をまとめて任せたい(インシデント対応・フォレンジック・SOC/MSS)
事故の疑いを調べたい、あるいは平時から監視を任せて有事に備えたい企業の選択肢になります。
3. CoWorker 端末侵害診断サービス(CoWorker株式会社)

この端末侵害診断サービスは、すでに侵害や情報の持ち出しが起きていないかを事後に調べるフォレンジック(侵害の痕跡を解析するデジタル鑑識)型の診断です。対象のPCから専用ツールでログを集め、CoWorker株式会社が自社開発したAI「Blue Agent」と専門家が解析し、マルウェア感染や認証情報の漏えい、クラウド・USB経由のデータ持ち出しの痕跡を洗い出します。
用途は、退職者のPCから顧客リストやソースコードの持ち出しを確認する調査、在籍社員の支給PCを定期的に点検する健康診断、ChatGPTなど生成AIツールの利用ログを調べる診断の3つに分かれます。Windows・Macに対応し、最大100台までまとめて診断できます。速報レポートは1週間以内、最終レポートと報告会は1か月以内に提供します。
料金は1台あたり20万円(税別)からで、台数が増えるほど1台あたりの単価が下がります。実行ファイルをダブルクリックするだけでデータ収集が完了し、解析は同社側で担うため、専任担当者がいなくても依頼できます。退職者PCの持ち出し調査や、脆弱性の公表時に侵害の有無を手早く確かめたい場面で頼りになります。
実際にどのような相談が寄せられているのか、同社の一ノ瀬氏は現場の依頼の傾向をこう語っています。

多いのは、退職された方のPCから情報の持ち出しがなかったかを確かめたいという、内部不正の調査のご相談です。最近では、Webサービスで広く使われているソフトウェアに深刻な脆弱性が公表されたことをきっかけに、「自社のサーバーや端末がすでに侵害されていないか、まずは手早く確かめたい」というご相談も増えています。調査の結果「重大な問題はなかった」と分かること自体が安心につながる、というお声をいただくこともあります。
4. NEC ActSecure χ(カイ)マネージドセキュリティサービス(日本電気株式会社)

NEC ActSecure χ(カイ)マネージドセキュリティサービスは、日本電気株式会社(NEC)が提供する、SOC(セキュリティ監視を担う専門組織)による遠隔監視型のマネージドセキュリティサービスです。ファイアウォールやIDS/IPSなど各種セキュリティ機器のログをアナリストが収集・分析し、24時間365日のリアルタイム監視でリスクを判定して通知します。
Web・メール経由で侵入したマルウェアや、マルウェアによる外部への不審な通信の検知に加え、2023年4月からは工場設備などのOT/IoT環境もICT機器と一括して監視できるようになりました。NEC公式によると、大企業から官公庁まで幅広い規模の組織が利用しているとされます。
料金は要お問い合わせで、監視対象の機器構成に応じて個別に見積もる形です。自社に監視・分析の担当者を置きにくい企業や、情報システムと工場・設備の両方の監視を1つの窓口にまとめたい企業の選択肢になります。
5. セコムのサイバー攻撃対策ソリューション(セコムトラストシステムズ株式会社)

セコムのサイバー攻撃対策ソリューションは、SECOM Cyber Control Center(SOC)による24時間365日の監視運用を背景に、複数のソリューションを組み合わせて提案するマネージドセキュリティサービスです。提供するセコムトラストシステムズ株式会社が、守る対象に応じてマネージドEDR・WAF・ファイアウォール・SASEなどを束ね、運用まで引き受けます。
インシデント発生時には、専門組織「サイバー消防団」が現地に駆けつけ、ログ解析(フォレンジック)による原因調査から復旧、再発防止の提案までを担います。この緊急対応は24時間365日受け付けており、セコムトラストシステムズのサービスを利用していない法人も相談できます(法人のみ)。
料金は単一パッケージではなく、構成するソリューションに応じた個別見積もりです。平時の監視と有事の事故対応を同じ事業者にまとめて任せたい企業や、エンドポイントからゲートウェイまで複数のレイヤーの運用を代行してほしい企業に向きます。
全社の体制づくりを相談したい(セキュリティコンサル・アセスメント・CISO代行)
個別の対策ではなく、会社全体のセキュリティ体制を評価し、優先順位をつけて整えたい企業に向いています。
6. CISO アズ・ア・サービス(フロンティア・アドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社)

常勤のCISO(最高情報セキュリティ責任者)を置けない企業に代わり、経験豊富な専門家がCISO機能を必要な期間・頻度で代行するのが、フロンティア・アドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社のCISO アズ・ア・サービスです。戦略立案から取締役会への報告、現場のセキュリティ施策のレビューまでを一人の専門家がつなぎます。
提供形態は、月1〜2回の定期訪問型、重要会議やインシデント時に動くオンデマンド型、両者を組み合わせるハイブリッド型、Web会議中心のリモート型から選べます。完璧さより現在の体制や予算に応じた現実的な改善策を提案する方針で、将来の内製化を見据えた社内人材の育成や権限委譲も並行して支援します。
料金は要問い合わせで、初期アセスメントと支援計画の策定を経て継続的な支援に入ります。経営目線のリスク整理と現場の施策を一つの依頼先でつなぎたい企業や、セキュリティ責任者の役割を担える人材が社内にいない企業の選択肢になります。
CISO機能を外部に頼むかを検討する際に比較されやすい代替手段について、同社の江成氏は3つを挙げています。

1つ目は、フルタイムのCISOや専門人材の採用です。ただし、セキュリティのガバナンスやマネジメントに通じた人材は市場でも限られており、採用には時間とコストがかかります。2つ目は、社内の役員や情報システム部門長による兼務です。組織をよく知っている一方で、専門的な判断や外部動向の把握には限界が出やすくなります。3つ目は、コンサルティング会社によるプロジェクト単位の支援です。特定の課題には有効ですが、プロジェクトが終わると、継続的に相談できる相手がいなくなります。
7. セキュリティアセスメント支援サービス(株式会社ユービーセキュア)

株式会社ユービーセキュアのセキュリティアセスメント支援サービスは、NRIセキュアテクノロジーズのアセスメントツール「SecureSketCH」を使い、組織のセキュリティ対策状況の評価から対策立案までを専門コンサルタントが支援するサービスです。経済産業省の「情報セキュリティ監査基準」に則って対応するとしています。
コンサルタントがヒアリングを行い、設問への回答を支援(入力代行も可能)するため、ツールの操作に不慣れでも進められます。SecureSketCHの統計情報を使えば、業種・企業規模に応じた同業他社との比較ができ、評価結果をもとに優先度をつけた対策ロードマップまで示されます。
料金は、評価実施支援が約1か月で100万円から、対策計画立案支援が約1〜2か月で150万円から(いずれも税抜・1組織の参考価格)で、一式では約2〜3か月・250万円からが目安です。SecureSketCHのライセンス(BASICは1組織・1年間で45万円、税別)はコンサルティング費用に含まれません。評価だけ、対策立案だけという特定フェーズのみの依頼もできます。
8. セキュリティリスクレポート(NTTドコモソリューションズ株式会社)

NTTドコモソリューションズ株式会社が提供するセキュリティリスクレポートは、ヒアリングと業務端末の実機確認で、現在のセキュリティ対策状況を診断・可視化するサービスです。システムやWebアプリの技術的な脆弱性を検出する診断ではなく、対策が足りている部分と見直しが必要な部分を切り分けて報告する点が特徴です。
メール対策・ID管理・端末管理・クラウドサービス・セキュリティ運用など9つの観点で対策状況を確認し、IT環境構成図にリスク箇所を明記します。経営層向けと担当者向けのレポートで、実行可能な強化策を優先順位をつけて提案し、診断後は必要に応じて対策から運用まで同社のSOCが引き継げます。
料金は30万円から(診断内容に応じた見積もり)と公開されており、アセスメント系のサービスでは料金目安を示している数少ない例です。専任のセキュリティ担当者がいない中小企業が、現状把握の第一歩として始めやすい設計になっています。
9. セキュリティリスクアセスメントサービス(株式会社日立ソリューションズ)

株式会社日立ソリューションズのセキュリティリスクアセスメントサービスは、組織全体をチェックリストで網羅評価するタイプとは異なり、すでに導入済みのセキュリティ製品のログを専門家が分析して、潜在的なリスクの洗い出しと設定の見直しを提案します。公式が掲げるのは「エキスパートによるセキュリティ製品運用支援」で、ログを分析できる人材が社内にいないという課題が出発点です。
分析の対象となるのは、Netskope、Zscaler Internet Access、Okta Workforce Identityといった製品のログです。製品ダッシュボードだけでは把握しづらい運用状況を代行して分析し、報告会でエキスパートがレポートを解説して運用改善策を提案します。要望に応じた追加分析にも対応します。
料金は要お問い合わせです。すでにセキュリティ製品を導入しているものの、ログを読み解いて運用改善につなげる人手が足りない企業に適しています。
10. サイバーセキュリティ経営支援サービス(都築電気株式会社)

「自社のセキュリティ対策は他社と比べて何点か」——都築電気株式会社のサイバーセキュリティ経営支援サービスは、この問いに答えることを掲げ、ツールによる網羅的な評価と専門エンジニアによるコンサルティングを組み合わせて、対策状況の可視化と改善計画の支援を行います。
評価は「戦略」「組織」「技術」「有事対応」の4領域にわたる基本調査項目20項目で行い、評価ツールにはNRIセキュアテクノロジーズの「SecureSketCH」を用います。新たなソフトのインストールは不要で、専用Webサイトで設問に回答する方式です。取引先に自社の安全性を示す材料として、第三者による継続的な可視化を訴求しています。
料金は各種プランが用意され、90万円からとされています。標準の提供範囲はアセスメント(評価と改善提案)までで、システムの脆弱性診断は含まれません。経営層に報告できる形で全社の対策状況を点検したい企業に向きます。
11. セキュリティアセスメントサービス(TISI株式会社)

約80〜100項目の対策状況を業種・業界を考慮してヒアリングで確認し、「業界標準」と比較して現状と課題・リスクを可視化するのが、TISI株式会社(旧TIS株式会社)のセキュリティアセスメントサービスです。結果は優先順位と進め方の助言とともに「アセスメント報告書」にまとめられます。
過剰なセキュリティ投資の抑制や、子会社・委託先を含むサプライチェーン対策、DX計画へのセキュリティの組み込みまでを視野に、事業目標に沿った優先順位を提案します。TISインテックグループが提供し、標準的な所要期間は初回打ち合わせから最終報告まで約1〜2か月です。
料金は100万円から(税別)で、評価範囲やアセスメントの種類によって期間・費用は変動します。自社の対策が同業他社と比べてどの水準にあるかを客観的に把握したい企業の候補になります。
12. セキュリティアセスメントサービス(パーソルクロステクノロジー株式会社)

パーソルクロステクノロジー株式会社のセキュリティアセスメントサービスは、JIS Q 27001(ISO/IEC 27001)、NISTサイバーセキュリティフレームワーク、経済産業省の情報セキュリティ監査基準・管理基準、業界別ガイドラインといった基準を拠り所に、組織の対策を網羅的・客観的に評価し、成熟度を数値や段階で可視化します。
業種や規模、要望に応じて支援内容をカスタマイズする伴走型で、アセスメントの後はセキュリティ組織・体制の構築、規程類の整備、CSIRT・プライベートSOCの構築、セキュリティ教育まで(実装自体は別サービス)ワンストップで接続できます。経済産業省の「情報セキュリティサービス基準」に準拠・認定登録(登録番号022-0004-10、公式記載)しています。
料金は要お問い合わせで、期間の目安はヒアリング開始から報告までおよそ3カ月です。評価レポートはサンプルを見ながら説明を受けられます。評価だけでなく、その後の対策実装や運用までを一つの窓口で進めたい企業に向きます。
13. Security Assessment Services(株式会社JSOL)

現状分析からグランドデザイン、ロードマップの策定までを一続きで手がけるのが、株式会社JSOLのSecurity Assessment Servicesです。組織全体のセキュリティ対策の全体最適化を目的とし、個別対策を部分的に進めた結果の抜け漏れや、管理レベルのばらつきを整理したい場合を想定しています。
評価は、NISTサイバーセキュリティフレームワークやCISAゼロトラスト成熟度モデルなどの汎用ガイドライン・業界ガイドラインに準拠して行います。自力では約半年〜1年かかるとされるロードマップ案の策定を、専門家の支援で約3か月に短縮できる点を掲げています。
支援内容は、約3か月・約400時間・成果物約50ページの標準版と、約1.5か月・約160時間・約15ページの簡易版の2プランに分かれます。料金は要お問い合わせです。現状把握から実行計画までを短期間でまとめたい企業に向いています。
従業員の意識・運用を鍛えたい(教育・標的型メール訓練)
標的型メール訓練やeラーニングで、従業員の意識と対応力を底上げしたい企業の選択肢になります。
14. GSX 情報セキュリティ教育・人材育成サービス(グローバルセキュリティエキスパート株式会社)

標的型攻撃メールを模した訓練メール(トラップメール)を従業員に送り、開封後の対応を実地で学ばせる訓練を軸に、座学のeラーニングまで揃えるのが、グローバルセキュリティエキスパート株式会社(GSX)の情報セキュリティ教育・人材育成サービスです。訓練メールは自社の状況に合わせてカスタマイズでき、実施報告書で部署別の開封率などを確認できます。
SMS形式の詐欺メールを送る携帯端末向けの訓練や、コンサルタントが監修したeラーニング「Mina Secure」(経営層から一般社員まで対象、受講状況・理解度を管理可能)も用意し、一般社員・エンジニア・経営層・新入社員・工場従業員と役割別に講座を選べます。トラップメール訓練は、必要に応じて訓練後の研修までサポートします。
料金は公式サイトに記載がなく、問い合わせによる見積りとなります。擬似的な攻撃メールで現場を実地に試す訓練から始めたい企業に適しています。
15. DNP 情報セキュリティ eラーニング教材(大日本印刷株式会社)

全11テーマのeラーニング教材を1社あたりの買い切りで導入できるのが、大日本印刷株式会社(DNP)の情報セキュリティ eラーニング教材です。情報セキュリティの重要性や標的型攻撃メールの脅威、SNS・スマートフォン利用時の注意などを、一般従業員向けに1テーマ約10分で学べます。
各テーマには20問・3択の確認テストが付き、問題はExcel形式で納品されるため自社で編集できます。料金は従業員数に関係なく1社150万円(税抜)の買い切りで、公式サイトに価格を明示しています。ただしLMS(学習管理システム)の費用は別途必要で、SCORM形式の教材を既存のLMSに載せて配信します(LMSがない場合はDNPが製品を提案します)。
全教材を閲覧できる1か月の無料トライアルがあります。購入後の自社での編集や定期的な更新には対応していない(カスタマイズは有償の個別対応)点を踏まえ、人数無制限の定額で教材をまとめて揃えたい企業に向いています。
16. ラーニングハブ for セキュリティ(株式会社ライトワークス)

株式会社ライトワークスとIIJ(インターネットイニシアティブ)が共同開発した、情報セキュリティに特化したマイクロラーニング型のeラーニングです。約3分の短尺動画を隔週で配信し、年間で約40本のコースを提供します。
IPA「情報セキュリティ10大脅威」に基づくコンテンツを月1回追加するため、ランサムウェアやビジネスメール詐欺など最新の脅威に沿った内容を継続して学べます。受講者への自動通知・リマインドや学習履歴の一元管理に加え、定期レポートでセキュリティリスクの高い部署を把握でき、標的型攻撃メール訓練もオプションで組み合わせられます。
提供期間は基本1年で、料金は受講者数などで変わるため問い合わせが必要です。最大2か月の無料トライアルがあり、申し込みから最短5営業日で利用を開始できます。短尺動画の継続配信で現場の意識を保ち続けたい企業の選択肢になります。
まとめ
サイバー攻撃対策を外部の専門家に頼むときは、まず「自社は何を頼みたいのか」を整理することが出発点になります。弱点の可視化なら脆弱性診断・ペネトレーションテスト、事故への備えと対応ならインシデント対応・フォレンジックと監視、全社の体制づくりならコンサル・アセスメント・CISO代行、現場の底上げなら教育・訓練と、目的に応じて適した依頼先は変わります。
探し方は民間サービスと公的窓口の両面から、選び方は得意領域・実績や資格・対応範囲・費用の透明性・中小企業での頼みやすさで見極めます。有事に慌てないためにも、連絡先は平時のうちに決めておくことが肝心です。気になる依頼先が見つかったら、資料を取り寄せて具体的な対応範囲と費用を比べてみてください。
専門家に頼む前に、まず守る対象(端末・ネットワーク・ID・データなど)ごとにどんな製品・サービスがあるのかを俯瞰したい場合は、社内セキュリティソリューション全体を比較した次の記事もあわせてご覧ください。
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よくある質問(FAQ)
Q. サイバー攻撃対策の専門家とは何ですか?
A. サイバー攻撃対策の専門家とは、脆弱性診断・インシデント対応・セキュリティコンサルティング・従業員教育などを通じて、企業のサイバー攻撃への備えと事故対応を支援する会社や人材のことです。
攻撃手法が高度化し、守る側に求められる知識がネットワーク・端末・クラウド・法規制まで広がるなかで、自社の人員だけではカバーしきれない部分を外部から補う役割を担います。弱点の可視化を得意とする会社、事故後の調査に強い会社、全社の体制づくりに伴走する会社など、得意領域は会社によってさまざまです。
Q. サイバー攻撃対策の専門家には何を頼めますか?
A. サイバー攻撃対策の専門家に頼める支援は、弱点の可視化(脆弱性診断・ペネトレーションテスト)、事故への備えと対応(インシデント対応・フォレンジック)、全社の体制づくり(コンサル・アセスメント・CISO代行)、従業員教育(標的型メール訓練・eラーニング)、継続的な監視・運用(SOC/MSS)の5つに大きく分かれます。
これらをすべてまとめて頼む必要はなく、自社に足りない部分だけを切り出して依頼できます。まずは「自社は何を頼みたいのか」を整理すると、依頼先を絞り込みやすくなります。
Q. サイバー攻撃対策の専門家はどこで探せますか?
A. サイバー攻撃対策の専門家は、民間のサービスを比較プラットフォームなどで見比べる方法と、IPA(情報処理推進機構)の公的な窓口・制度を入口にする方法の2つで探せます。
民間のサービスは、比較表やMCB FinTechカタログのような比較プラットフォームで対応範囲・実績・費用を横断的に見比べ、資料を一括で取り寄せるのが近道です。「いきなり民間に相談するのはハードルが高い」という場合は、IPAのセキュリティ・プレゼンター制度(専門家の紹介・派遣)や、企業・組織向けサイバーセキュリティ相談窓口が入口になります。
Q. サイバー攻撃対策の公的な相談窓口は無料で利用できますか?
A. 公的な窓口でも「すべて無料」とは言えず、無料と明記されているのはIPAの個人向け「情報セキュリティ安心相談窓口」のみです(相談は無料ですが通話料は自己負担)。IPAが公開する中小企業向けの対策ガイドラインや「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」などの資料は無償で使えますが、企業・組織向けの相談窓口やセキュリティ・プレゼンターの派遣は料金が明示されておらず、利用前の確認が必要です。
中小企業向けの「サイバーセキュリティお助け隊サービス」も、IPAが制度を運営しつつ実際のサービスは民間事業者が提供する有料サービスで、補助金の対象になる場合があります。まずは無償の資料や相談窓口で現状と方向性を把握し、具体的な依頼は民間サービスの費用を比べて決めるのが現実的です。
Q. 社内にセキュリティの専任担当者がいなくても専門家に頼めますか?
A. 社内にセキュリティの専任担当者がいなくても、必要な支援だけを外部に切り出して頼めます。むしろ専任人材を置きにくい中小企業ほど、外部の専門家を活用する意義は大きいといえます。
1台から依頼できる端末侵害診断や、1台月額1,250円からの内部診断パッケージ、スポットで頼める脆弱性診断など、小さく始められる依頼先があります。まずはIPAの無償の自己診断ツールや相談窓口で現状を把握し、必要に応じて民間サービスへ範囲を広げていくと、無理なく対策を進められます。
Q. サイバー攻撃対策の専門家に頼む費用の目安はどのくらいですか?
A. 費用は依頼する内容と範囲で大きく変わり、スポットの弱点診断なら15万〜60万円程度から、網羅的なアセスメント・コンサルは90万〜100万円程度から、従業員教育は買い切りで150万円程度が一つの目安です(2026年11月時点の各社公開情報)。
たとえばソースコードのAI診断は15万円から、Webのペネトレーションテストは60万円から、対策状況の診断は30万円からといった公開例があります。監視・運用(MSS)やCISO代行は、月額・年額で継続的に支援を受ける契約が中心です。費用を公開していない会社も多いため、その場合は依頼範囲を具体的に伝えて見積りを取り、複数社を比べて判断するとよいでしょう。
Q. 顧問契約(継続型)とスポット依頼はどう使い分けますか?
A. スポット依頼は脆弱性診断やアセスメントのように「必要なときに1回だけ」頼む形で、費用が読みやすく、まず現状を把握したい段階に向きます。一方、顧問契約や継続型(監視・運用のMSS、CISO代行など)は、月額・年額で継続的に相談・監視・運用を受ける形です。
日々の監視や運用まで任せたい、あるいは体制づくりに継続して伴走してほしい場合は顧問・継続型が合います。まずはスポットで現状を把握し、自社では手に負えない部分だけを継続型に切り替える、という段階的な使い方もできます。
Q. サイバー攻撃対策の専門家はどう選べばよいですか?
A. サイバー攻撃対策の専門家は、得意領域が自社の課題に合うか、実績や資格で信頼性を裏づけられるか、対応範囲はどこまでか、費用が透明で中小企業でも頼めるかの4つの観点から見極めるのが基本です。同じセキュリティ会社でも、Web診断に強い会社、フォレンジックに強い会社、体制コンサルに強い会社と得意領域は分かれます。
信頼性の目安としては、経済産業省の基準を満たすサービスを掲載した「情報セキュリティサービス基準適合サービスリスト」への登録や、担当者が持つ情報処理安全確保支援士・CISSPなどの資格、同業種での導入実績が参考になります。すべてを満たす必要はなく、自社が重視する点から確認してください。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















