営業担当者ごとに案件の進み方がばらばらで、受注の見込みが立てにくい。日報や商談履歴が個人のメモや表計算ソフトに散らばり、上司が状況を把握できたときには手遅れになっている。こうした営業の属人化や案件の見えにくさに課題を感じ、SFA(営業支援システム)の導入や乗り換えを検討する企業が増えています。
ただ、SFAと一口に言っても、案件管理に強い製品、顧客管理やCRMとの連携を軸にした製品、外回り営業の現場に特化した製品など、得意領域は大きく異なります。自社の営業スタイルや解決したい課題に合わないツールを選ぶと、現場に定着せず入力されないまま形骸化してしまいます。では、どのような観点で比較し、自社に合う製品を選べばよいのでしょうか。
本記事では、主要なSFA(営業支援システム)17サービスを4つのタイプ別に比較・解説します。各製品の料金・主な機能・無料トライアルの有無を実際のプランにもとづいて横並びで整理し、自社の営業課題に合うタイプの見極め方、費用対効果や現場定着まで含めた選び方まで踏み込みました。自社に合うSFAを判断するための材料としてご活用ください。
また、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
タイプ別に見るSFA(営業支援システム)
SFAは製品によって得意とする領域が異なり、自社の営業課題に合うタイプを見極めることが選定の出発点になります。ここでは、解決したい営業課題と現場の営業スタイルという買い手目線の軸で、SFAを4つのタイプに整理します。まずは自社の営業がどのタイプに近いかを掴んでください。
案件・商談管理に強いタイプ
案件化から受注までの進捗、受注確度、日々の営業活動を可視化して管理することに軸足を置いたタイプです。案件ボードで商談の状況を一覧したり、受注見込み(予実)を集計したりする機能が中心で、パイプライン管理を強化して受注率を高めたい営業組織に向いています。属人化した案件情報をチームで共有し、上司が早い段階でフォローに入れる状態をつくれる点が特徴です。
顧客管理・CRM連携に強いタイプ
顧客情報・名刺・商談履歴の一元管理を起点に、顧客との接点を営業に活かすタイプです。名刺管理やCRM機能を内蔵する製品が多く、既存顧客への深耕やリピート提案を重視する企業に適しています。名刺のデータ化を入口に、SFAやMA(マーケティングオートメーション)まで統合して扱える製品もあり、顧客データの蓄積から営業・マーケティングまでを一つの基盤でつなぎたい場合の選択肢になります。
営業活動全体を支援するタイプ
顧客管理・案件管理に加え、スケジュール・タスク・情報共有・分析まで幅広く支援するタイプです。グループウェアと一体で使える製品や、CRM・カスタマーサービスまで含めた統合基盤として展開する製品が含まれます。営業部門だけでなく他部門とも情報を横断的に共有したい企業や、カスタマイズして自社の業務に合わせ込みたい企業に向いています。
外回り・フィールド営業に強いタイプ
スマートフォンやタブレットからの入力、位置情報の活用に強く、訪問中心のルート営業や保守・巡回など、外出先での報告業務が多い現場に向くタイプです。移動の合間に地図から訪問先を確認したり、その場で報告を済ませたりできるため、事務所に戻って日報を書く負担を減らせます。内勤中心の営業よりも、現場を動き回る営業組織で効果を発揮します。
4つのタイプの特徴と、それぞれに該当する主なサービスを整理すると次のとおりです。CRMやMAの機能まで統合した製品は複数のタイプの機能をあわせ持つため、ここでは各製品が最も強みを置く領域を基準にタイプを示しています。自社の当てはまりに迷う場合は、この後の診断ツールもあわせてご活用ください。
| 案件・商談管理に強いタイプ | 顧客管理・CRM連携に強いタイプ | 営業活動全体を支援するタイプ | 外回り・フィールド営業に強いタイプ | |
|---|---|---|---|---|
| 主な特徴 | 案件の進捗・受注確度・営業活動を可視化。パイプライン管理と予実集計が中心。 | 顧客情報・名刺・商談履歴の一元管理が起点。CRM・MA機能を統合する製品も。 | 顧客・案件管理に加えスケジュール・タスク・情報共有・分析まで幅広く支援。 | スマホ・タブレット入力や位置情報活用に強く、外出先での報告業務を効率化。 |
| 向いている企業 | 新規案件の受注率を高めたい・商談の停滞を早く察知したい営業組織 | 既存顧客の深耕・名刺やCRMを起点に営業したい企業 | 部門横断で営業情報を共有したい・自社業務に合わせ込みたい企業 | 訪問中心のルート営業・保守巡回など現場を動く営業組織 |
| 該当する主なサービス | Mazrica Sales / GENIEE SFA/CRM / ネクストSFA / JUST.SFA / 戦略箱ADVANCED | ホットプロファイル / Sansan / Zoho CRM | Salesforce Sales Cloud / eセールスマネージャー / Sales Force Assistant / Knowledge Suite / kintone / Dynamics 365 Sales / HubSpot Sales Hub | UPWARD / cyzen |
※上記は各タイプの一般的な傾向です。個別のサービスの機能や提供形態は各社情報をご確認ください。
ここまでで大まかなタイプの当たりはついたものの、自社がどのタイプに当てはまるか判断が難しい場合もあります。そのようなときでも、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
【比較表】主要SFA(営業支援システム)の料金・機能を一覧比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせて客観的に比較・選定できるよう、主要なSFA17サービスの料金・提供形態・主な機能・無料トライアルの有無・向いている企業を一覧で比較します。各社が公開している実際のプランをもとに、横並びで整理しました。
| サービス名 | Mazrica Sales | GENIEE SFA/CRM | ネクストSFA | JUST.SFA | 戦略箱ADVANCED | ホットプロファイル | Sansan | Zoho CRM | Salesforce Sales Cloud | eセールスマネージャー Remix Cloud | Sales Force Assistant | Knowledge Suite | kintone | Dynamics 365 Sales | HubSpot Sales Hub | UPWARD | cyzen |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タイプ | 案件・商談管理 | 案件・商談管理 | 案件・商談管理 | 案件・商談管理 | 案件・商談管理 | 顧客管理・CRM | 顧客管理・CRM | 顧客管理・CRM | 営業活動全体支援 | 営業活動全体支援 | 営業活動全体支援 | 営業活動全体支援 | 営業活動全体支援 | 営業活動全体支援 | 営業活動全体支援 | 外回り営業 | 外回り営業 |
| 主な特徴・強み | 案件ボードとAI案件予測を標準搭載。240万社以上の企業データベースを内蔵 | 「入力しないSFA」。商談音声をAIが自動入力。主要SFAでは低価格帯 | SFA/CRM/MAを一体提供。継続率98.8%、電話〜Web会議まで無料サポート | ノーコードで営業画面・プロセスを自社構築。基幹・MAとも柔軟に連携 | 顧客軸のデータ構造をとる国産SFA/CRM。クラウド・オンプレミス両対応 | 名刺管理を起点にSFA・MAを統合。企業DB490万件・反社チェックを標準搭載 | 名刺・接点データを起点にした営業DX。名刺管理市場でシェアNo.1 | CRM/SFAを統合。低価格で段階的に拡張でき、AI機能「Zia」も搭載 | 大規模導入に対応するSFA/CRM。AIエージェント「Agentforce」を搭載 | 1999年から続く国産CRM/SFA。導入から定着まで専任担当が伴走 | AI秘書「SAI」が営業を支援。営業スタイル別に7種のラインアップ | グループウェア一体型のSFA/CRM。全プランでユーザー数無制限 | ノーコードで営業アプリを自作。SFA以外の業務も同じ基盤で運用 | Microsoft 365・Teams連携が前提。生成AI「Copilot」を搭載 | 無料CRMを土台にした営業支援。マーケ・サポートとデータ基盤を共有 | 位置情報×AIで外回り営業の記録を自動化。Salesforce/Dynamics連携 | GPS・地図・スマホ報告で現場業務を見える化。交通費の自動精算も対応 |
| 初期費用 | 無料 | 無料 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 無料 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 無料 | 要問い合わせ | 無料 (Pro以上は導入支援費別途) | 100,000円 | 100,000円 |
| 月額(最小) | 6,500円〜/ID (最低10ID) | 3,450円〜/ID (最低10ID) | 月30,000円〜 (5ユーザー分含む) | 要問い合わせ | 4,000円〜/ID (最低10ID) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 1,760円〜/ID (無料プランあり) | 3,000円〜/ID (無料プランあり) | 3,500円〜/ID (最低5ID) | 3,500円〜/ID | 55,000円〜 (ID数無制限) | 1,000円〜/ID (最低10ID) | 9,745円〜/ID | 840円〜/ID (無料プランあり) | 7,600円〜/ID (最低25ID) | 2,400円〜/ID (無料プランあり) |
| 無料トライアル | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 要問い合わせ | ●(15日間) | ●(30日間) | ●(30日間) | ●(30日間) | △無料デモのみ | ●(30日間) | ●(30日間) | ●(14日間) | △無料デモのみ | ● |
| 向いている企業 | 案件管理と現場の入力負担軽減を両立したい営業組織 | 低コストで入力工数を抑えたい中小〜大企業 | 営業からマーケティングまで一体運用したい企業 | 自社の営業プロセスに合わせて画面を作り込みたい企業 | 業種特化やオンプレミスの選択肢も欲しい企業 | 名刺を起点に営業を強化したい企業 | 名刺・接点データを全社で活用したい企業 | 低コストで始めて段階的に機能を広げたい企業 | 大規模で高度な営業管理・拡張性を求める企業 | 導入定着まで手厚い伴走支援を受けたい企業 | 営業スタイルに合わせて最適な機能を選びたい企業 | 利用人数が多く1人あたりコストを抑えたい企業 | 営業以外の業務も一つの基盤で運用したい企業 | Microsoft 365を全社で活用している企業 | 無料から始めてマーケティングと連携したい企業 | 訪問営業の報告業務を自動化したい企業 | 現場・外回り業務の見える化を進めたい企業 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | オンライン相談を予約 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※料金・無料トライアル等は2026年9月時点の各社公開情報にもとづく最小構成の目安です。税区分・最新の料金・条件は各サービスの公式情報および各社の個別紹介をご確認ください。
タイプ別のおすすめSFA(営業支援システム)
ここからは、先ほどの4タイプごとに主要なSFAを個別に紹介します。各サービスの提供元・特徴・向いている企業を確認し、比較表と合わせて候補を絞り込む材料にしてください。
案件・商談管理に強いSFA
案件の進捗や受注確度の可視化を軸に、パイプライン管理で受注率を高めたい営業組織に向く製品です。
1. Mazrica Sales(株式会社マツリカ)

案件の進捗をドラッグ&ドロップで動かせる案件ボードを中心に据えた、クラウド型のSFA/CRMです。株式会社マツリカが提供し、顧客・案件・活動・名刺といった営業関連の情報を一元管理します。
進行中の案件を過去の受注案件と照らしてリスクを可視化する案件予測や、商談・電話・メールの内容を自動で要約するAIアシスタントを標準で備えます。240万社以上の企業データベースを搭載し、取引先の基本情報の自動登録や有価証券報告書・財務情報の確認にも対応します。
料金はStarter・Growth・Unlimitedの3プランで、いずれも年間契約の一括払いです。Starterは1ID月額6,500円(税抜)で、最低10ID・月額70,000円から利用でき、初期費用は無料です。無料トライアルはStarter・Growthプランで用意されています。
2. GENIEE SFA/CRM(株式会社ジーニー)

「ちきゅう」の名称で提供されていたSFA/CRMを、株式会社ジーニーが2018年に事業承継したクラウドサービスです。商談・案件情報や顧客データがExcelやツールに散在する状態を解消し、営業データを一元管理することを狙いとしています。
「入力しないSFA」を掲げ、ZoomやGoogle Meetでのオンライン商談の音声を自動で文字起こしし、予算・決裁権・必要性・導入時期といったBANT情報や次のアクションを抽出してSFA/CRMへ自動入力する機能を持ちます。SlackやChatwork、Google Workspace、Microsoft 365との連携にも対応します。
料金はスタンダード・プロ・エンタープライズ・プレミアムの4段階で、最小契約は10IDです。スタンダードは1ID月額3,450円からと、主要なSFAのなかでは低価格帯に位置します。累計導入企業数は6,300社以上と公表されています。
3. ネクストSFA(株式会社ジオコード)

顧客管理(CRM)・営業支援(SFA)・マーケティングオートメーション(MA)の機能を1つのプラットフォームに統合したクラウド型ツールです。東証スタンダード上場の株式会社ジオコードが提供し、2021年にMA機能を加えて以降、営業からマーケティングまでの一体運用を打ち出しています。
電話・メール・チャット・訪問・Web会議のすべてを無料で提供するサポート体制を採り、継続率は98.8%(2026年3月末時点)と公式に開示しています。MiiTelなどのCTIツール、Marketo Engage、LINE WORKS、Chatwork、Googleカレンダーやメールとの連携にも対応します。
料金はスタータープラン(5ユーザー分)が月額30,000円、ベーシックプラン(15ユーザー分)が月額75,000円で、いずれも税抜です。ベーシックプランでは16ユーザー目以降を1ユーザーあたり5,000円で追加できます。AI機能やMA機能はオプションとして追加する構成です。
4. JUST.SFA(株式会社ジャストシステム)

既製の画面をそのまま使うのではなく、自社の営業プロセスに合わせて入力画面や集計画面をノーコードで作り込める点を最大の特徴とするクラウド型SFAです。一太郎やATOKで知られる株式会社ジャストシステムが提供しています。
データ入力パネルや集計パネル、プロセス管理パネルといった部品をドラッグ&ドロップで組み合わせ、新規開拓・既存深耕・ルートセールスなど営業スタイルごとに管理項目や画面構成を変えられます。システム会社や情報システム部門に依存せず、営業現場自身で構築・改修できる設計思想が特徴です。基幹システムやMA、名刺管理ツールとはAPI・CSV・Webhookで連携します。
料金は公式サイトに具体的な金額の掲載がなく、要件に応じた個別見積もりで、問い合わせが必要です。導入事例では、三幸電子株式会社で「案件報告数は約3倍に」、ドリームベッド株式会社で「集計・分析に掛かっていた工数を3分の1に削減」といった変化が公表されています。
5. 戦略箱ADVANCED(株式会社インフォファーム)

株式会社インフォファームが開発する国産のクラウド型SFA/CRMです。顧客情報を軸にしたデータ構造を採用し、顧客に紐づく商談・活動・売上などの情報を1つの画面で確認できる点を特徴とします。
案件・商談管理を軸に、日報や出退勤、位置情報を使ったチェックイン/アウトなどの活動管理、KPI設定と実績集計による目標管理までを一体で提供します。製造業やガス・エネルギー、医療・介護、不動産など業種別のテンプレートを用意し、クラウド版とオンプレミス版の両方から提供形態を選べる点は、クラウド専業が多い他社との違いです。
料金はクラウド版が1ユーザー月額4,000円(税別)で、最低利用は10ユーザーからです。オンプレミス版は20ユーザー分を含む基本ライセンスが2,000,000円(税別)で、初期費用は導入規模に応じた個別見積もりとなります。電話サポートは平日9:00〜17:00で対応しています。
顧客管理・CRM連携に強いSFA
顧客情報や名刺、商談履歴の一元管理を起点に、既存顧客への深耕やCRM・MAとの連携を重視する企業に向く製品です。
6. ホットプロファイル(株式会社ハンモック)

名刺のデータ化を入口に、顧客情報の一元管理・案件管理(SFA)・見込み客の行動追跡(MA)までを1つのプラットフォームに統合したクラウド型サービスです。IT資産管理などを手がける株式会社ハンモック(東証グロース上場)が2014年から提供しています。
名刺データ化に加え、業種・規模・所在地で検索できる企業データベースを490万件以上(2026年4月下旬提供開始)主要プランに標準搭載し、ダウ・ジョーンズのデータを用いた反社チェックも標準機能として備えます。営業報告・案件管理などのSFA機能、HOT通知やメール配信といったMA機能まで、名刺を起点に取り込んだ顧客データを1つの基盤で扱える構成です。
料金は公式サイトで金額を公開しておらず、要件に応じて個別に提案する方式のため、問い合わせが必要です。プランはEntryとSalesが用意され、無料トライアルも利用できます。セキュリティ面では、二要素認証を全ユーザー向けに標準で無料提供しています(2023年12月開始)。
7. Sansan(Sansan株式会社)

名刺やメールの署名、Webフォームの入力内容など、顧客との接点から得られる情報をデータ化し、組織全体で共有・活用することを目的としたクラウドサービスです。Sansan株式会社が提供しています。
法人向け有料名刺管理サービス市場では、シード・プランニングの調査で売上シェア85.8%・13年連続シェアNo.1(2026年1月発表、契約件数は2025年7月時点で1万1000件超)と公表されています。名刺のデータ化に加え、100万件以上の企業情報データベースや、メール・電話・面会の接点を自動で可視化するスマート接点管理(2023年6月提供開始)などを備えます。
案件管理や新規顧客開拓の機能も持ちますが、蓄積した名刺データをSFA・CRM・MAといった外部システムへ連携して活用する設計を前面に打ち出しており、顧客接点情報の基盤として使う位置づけです。料金は公開しておらず、名刺の利用状況などをヒアリングしたうえで個別に見積もる方式です。
8. Zoho CRM(ゾーホージャパン株式会社)

顧客管理(CRM)と営業支援(SFA)を1つに統合したクラウド型サービスで、インドのZoho Corporationが開発し、日本ではゾーホージャパン株式会社が販売・サポートを担っています。
見込み客・連絡先・取引先・案件の管理を軸に、ワークフロー自動化、ダッシュボードによる分析、AI機能「Zia」(Enterprise以上)、マーケティングオートメーションまでを備えます。Zoho BooksやZoho Deskなど45以上の自社アプリと連携でき、公式サイトでは世界30万社以上の導入が示されています。
料金は、3ユーザーまで無期限で無料のFreeプランに加え、有料版がStandard(1ユーザー月額1,760円)・Professional(同3,260円)・Enterprise(同5,660円)・Ultimate(同7,360円)と続く5段階構成です(いずれも年間契約時の月額換算)。低コストで始めて機能や規模に応じて段階的に拡張できる設計で、無料トライアルは15日間です。
営業活動全体を支援するSFA
顧客・案件管理に加え、スケジュールやタスク、情報共有、分析まで幅広く支援する製品です。部門横断での情報共有やカスタマイズを重視する企業に向いています。
9. Salesforce Sales Cloud(株式会社セールスフォース・ジャパン)

大規模導入にも広く対応するSFA/CRMプラットフォームです。米国のSalesforce, Inc.が開発し、日本では株式会社セールスフォース・ジャパンが販売とサポートを担っています。リード・取引先・商談を一元管理し、売上予測やパイプラインの分析までを1つの基盤で扱えます。
商談状況の自動要約や次のアクション提案を行うAIエージェント機能「Agentforce」を搭載し、上位のエディションほど利用範囲が広がります。SlackやTableauといった同社の他製品との連携も、上位プランで強化される設計です。
料金は、最大2ユーザーまで無料のFree Suiteから、Starter Suite(1ユーザー月額3,000円)・Pro Suite(同12,000円)・Core(同23,400円)・Advanced(同47,400円)・Max(同66,000円)まで6段階です(いずれも税抜)。Pro Suite以上は年間契約が前提で、無料トライアルは30日間用意されています。
10. eセールスマネージャー Remix Cloud(ソフトブレーン株式会社)

ソフトブレーン株式会社が提供する国産のCRM/SFAです。1999年8月に国内初のCRM/SFAとして販売を開始し、2010年にクラウド版「Remix Cloud」を発表しました。累計6,000社以上への導入実績があります。
顧客管理・案件管理・日報管理・商談管理を核に、名刺OCR、予実管理、社内SNS「タイムライン」などを備えます。マーケティングオートメーション(MA)、ノーコード開発の「esm appli」、クラウド型コールシステム(CTI)などをオプションで追加し、同一の基盤で拡張できます。
料金は、Basic(1ユーザー月額3,500円、5〜30名向け)・Professional(同6,000円)・Enterprise(同12,500円)・Unlimited(同25,000円)の4プランです(いずれも税別、最低5名から)。導入から定着まで専任担当が伴走する支援体制を掲げ、「2.5カ月の短期導入」「3カ月での定着」を段階的に支援します。
11. Sales Force Assistant(株式会社NIコンサルティング)

「営業担当者を管理するのではなく支援する」という設計思想を掲げるSFAです。提供元は株式会社NIコンサルティングで、名称は似ていますが米国のSalesforce社とは資本・提携関係のない別製品です。AI秘書機能「SAI」が、担当者ごとに必要な情報を提示します。
案件型営業向けの「顧客創造」、ルート型営業向けの「顧客深耕」、両者を併用する「深耕創造」など、営業スタイル別に7種類のラインアップを用意している点が特徴です。訪問準備の通知、案件進捗漏れの通知、名刺のOCR取り込みなど、日々の営業活動を補助する機能を備えます。
料金はクラウド版で月額3,500円(顧客深耕、1ユーザー)からで、グループウェア「NI Collabo Smart」が基本料金に含まれます。無料トライアルは30日間です。導入実績は15,000社を超え、全国8拠点の常駐コンサルタントと約120社のパートナー企業が導入・運用を支援します。
12. Knowledge Suite(ブルーテック株式会社)

ブルーテック株式会社が提供する、営業支援(SFA)・顧客管理(CRM)・グループウェアを1つに統合したクラウドサービスです。中核となる「GRIDY SFA」が顧客・商談・案件・日報の管理を担い、名刺CRMやメール配信などのアプリも同じ基盤にまとまっています。
料金プランはいずれもユーザー(ID)数が無制限で、利用人数を増やしても追加のユーザー課金が発生しない設計です。プランの違いは、データ容量・登録できるレコード数・名刺データ化の枚数といった上限で分かれます。
料金は、SFAスタンダード(月額55,000円)・SFAプロフェッショナル(同85,000円)・SFAエンタープライズ(同155,000円)の3プランです(いずれも税別)。契約期間は12カ月単位の自動更新で、プライバシーマークとISMS(ISO/IEC 27001)を運営会社が取得しています。
13. kintone(サイボウズ株式会社)

業務アプリを自分たちで作れるノーコードのプラットフォームで、提供元はサイボウズ株式会社です。SFA専業のツールではなく、営業支援は数ある用途の1つという位置づけで、顧客・案件管理のアプリを自社の営業プロセスに合わせて構築します。
公式が用意する「SFA(営業支援)パック」は、顧客管理・担当者管理・案件管理・活動履歴の4アプリが連携済みのテンプレートで、ここを土台に項目や画面をノーコードで編集できます。案件の進捗や売上予測をグラフで可視化でき、日報やワークフローなど他業務も同じ基盤で運用できます。
料金は、ライトコース(1ユーザー月額1,000円)・スタンダードコース(同1,800円)・ワイドコース(同3,000円)の3段階です(いずれも税抜、初期費用無料)。外部システム連携やAPI連携はスタンダードコース以上が前提のため、営業支援として本格運用する際の実質的な下限はスタンダードコースになります。無料トライアルは30日間です。
14. Microsoft Dynamics 365 Sales(日本マイクロソフト株式会社)

日本マイクロソフト株式会社が提供する、Dynamics 365という業務アプリケーション群の中の営業支援(SFA)/CRMアプリです。OutlookやTeamsなどMicrosoft 365を日常的に使う企業が、見込み客・取引先・商談の管理や売上予測を、同じ環境の中で一体的に扱える設計になっています。
生成AI「Copilot」による商談要約・メール下書き・次のアクション提案に加え、営業案件や見込み評価を扱うAIエージェント機能を搭載します。上位プランでは、Power Platformを使った業務アプリのカスタム構築や、LinkedIn Sales Navigatorとの統合にも対応します。
料金は、Professional(1ユーザー月額9,745円)・Enterprise Edition(同15,742円)・Premium(同22,488円)の3プランで、いずれも税抜・年払いの価格です。LinkedIn Sales Navigatorを含む「Microsoft Relationship Sales」は最低10シートからの個別見積もりとなります。無料トライアルは30日間です。
15. HubSpot Sales Hub(HubSpot Japan株式会社)

無料のCRMを土台に、営業向けの機能を積み上げていく構成のSFA製品です。提供元はHubSpot Japan株式会社で、Marketing HubやService Hubと同じ顧客データベースを共有する点が設計上の特徴です。
無料CRMでも連絡先管理(最大1,000件)や案件パイプライン、メールの開封通知を利用でき、有料のSales Hubでシーケンスによる自動フォローアップ、売上予測、プレイブック(営業マニュアル)などが加わります。マーケティングで獲得したリードやサポート履歴を、営業担当者がそのまま参照できます。
料金は、無料プランに加え、Starter(1シート月額840円〜)・Professional(同10,800円〜)・Enterprise(同18,000円〜)の3段階です(いずれも税別・年払い時の単価)。ProfessionalとEnterpriseには、それぞれ18万円・42万円の導入支援費が別途必要です。無料トライアルは14日間です。
外回り・フィールド営業に強いSFA
スマートフォンからの入力や位置情報の活用に強く、訪問中心のルート営業や現場報告が多い組織に向く製品です。
16. UPWARD(UPWARD株式会社)

外回り・訪問営業の活動記録を、位置情報技術とAIで自動化することに特化したSFAです。GPSによる滞在検知や、商談内容からの訪問報告の自動生成、名刺・書類の撮影登録など、報告業務を手入力に頼らない仕組みを備えます。提供元はUPWARD株式会社で、公式の会社概要では約450社への導入が案内されています。
顧客を訪問優先度に応じて地図上に色分け表示し、位置情報をもとにAIスケジューラーが推奨訪問ルートを自動作成します。SalesforceやMicrosoft Dynamics 365と連携する構成が基本で、CRMを持たない企業向けにはCRM機能を含むプランも用意されています。ISO/IEC 27001・27017・27018をサービス提供主体が保有しています。
料金は、初期費用が全プラン共通で100,000円(税抜)、月額はESSENTIAL 7,600円〜、STANDARD 11,600円〜(いずれも税抜・1ユーザー)で、AI機能を含むAI EDITIONは要問い合わせです。ライセンスは最少25IDからの契約となり、無料トライアルの明記はなく、個別の無料デモを申し込めます。
17. cyzen(レッドフォックス株式会社)

スマートフォンからの報告書作成とGPS・地図表示を核に、外回りや現場業務の「見える化」を行うクラウドサービスです。案件のパイプライン管理よりも、訪問先の管理と現場からの報告に重心を置いた設計になっています。2026年2月には「cyzen pro」として業種別テンプレートやAI活用機能を加えて再構築されました。
顧客・訪問先を地図上にスポットとして登録し、訪問予定・訪問履歴・写真・報告書を紐付けて管理できます。GPS情報から移動経路と交通費を自動算出する機能や、音声入力・音声議事録をもとにした報告書作成(cyzen pro Premiumの機能)にも対応します。運営元はレッドフォックス株式会社で、公式サイトでは680社以上・累計2.5万人以上のユーザーによる利用が案内されています。
料金は、初期費用が100,000円、月額はcyzen pro Standardが2,400円〜/ID、AIを使った業務アシスト機能を含むPremiumが3,200円〜/ID(いずれも年間契約時の単価)です。基本機能を無料で使える「Entry Free」も用意されており、無料トライアルを経て段階的に導入できます。
失敗しないSFA(営業支援システム)の選び方・比較ポイント
SFAは導入して終わりではなく、現場で使われ続けて初めて成果につながります。ここでは、製品を比較する際に確認したい6つの観点を、それぞれ何を見て・どう判断するかまで掘り下げて解説します。
自社の営業プロセス・課題に合う機能があるか
まず確認したいのは、自社の営業のやり方と製品の得意領域が噛み合うかどうかです。新規開拓が中心で受注確度の管理を強化したいなら案件・商談管理に強い製品、既存顧客への深耕が中心なら顧客管理・CRM連携に強い製品、というように、解決したい課題からタイプを絞り込むとよいでしょう。多機能な製品ほど良いとは限らず、使わない機能が多いと現場が入力に迷う原因になります。
自社の営業プロセスを書き出し、そのどの工程を支援してほしいのかを明確にしたうえで、機能の過不足を照らし合わせることが出発点です。
現場が入力・操作しやすく定着するか
SFAが失敗する最大の原因は、現場に入力されず情報が溜まらないことです。営業担当者にとって入力が手間だと感じられると、次第に使われなくなります。スマートフォンから短時間で報告できるか、名刺やメールから自動で情報を取り込めるか、画面が直感的に操作できるかといった、日々の入力負担を左右する点を必ず確認しておきましょう。
判断が難しい場合は、実際に現場の担当者数名にトライアルで触ってもらい、「これなら毎日使えるか」を確かめてから全社展開すると、定着の失敗を避けやすくなります。
利用人数を踏まえた費用対効果が見合うか
SFAの多くは利用者1人あたりの月額課金です。そのため、営業部門の人数が増えるほど費用も比例して膨らみます。1IDあたりの月額が安く見えても、全社で導入すると相応の金額になるため、想定する利用人数で総額を試算して比較することが重要です。あわせて、初期費用の有無、最低契約人数や最低利用期間の条件も押さえておきます。
得られる効果(受注率の向上や事務工数の削減など)と総コストを見比べ、投資に見合うかを見極めましょう。無料プランや低価格帯の製品から小さく始め、効果を確かめてから拡張する進め方も有効です。
CRM・MA・名刺管理などと連携できるか
SFA単体では、営業のプロセス管理はできても、その前後にあるマーケティングや顧客サポートとの情報がつながりません。すでにCRMやMA、名刺管理ツール、会計・基幹システムを使っている場合は、それらと連携できるかを確認しておきましょう。標準連携が用意されているか、APIで外部システムとデータをやり取りできるかが判断材料です。
将来的に営業とマーケティングのデータを統合したい場合は、CRM・MAまで一体で提供する製品や、連携実績の豊富な製品を選ぶと、後から別ツールを追加する手間を減らせます。
サポート・導入定着支援が充実しているか
導入時の初期設定や運用ルールづくり、現場への教育は、SFAを定着させるうえで欠かせません。ベンダーがどこまで支援してくれるかは製品によって差があります。導入時の設定代行や運用設計を伴走してくれるか、導入後の問い合わせ窓口やオンラインの学習コンテンツが用意されているかを確かめます。
自社に専任の推進担当を置きにくい場合ほど、伴走型のサポートがある製品を選ぶと、運用が軌道に乗るまでの負担を抑えられます。無償の範囲と有償サポートの内容を切り分けて比較しておくと安心です。
AIで入力・分析を効率化できるか
近年は、商談内容の自動要約、次に取るべきアクションの提案、受注確度の予測といったAI機能を備えるSFAが増えています。こうした機能は、入力の手間を減らしたり、経験の浅い担当者の判断を補助したりする効果が期待できます。ただしAI機能は上位プランでのみ提供されたり、別料金だったりする場合があるため、どの機能がどのプランに含まれるかを確かめておきましょう。
まずは日々の入力負担を下げる用途から試し、自社の営業にとって効果が見込める範囲を見極めてから活用を広げるとよいでしょう。
SFA(営業支援システム)の料金相場(規模別の目安)
SFAの料金は、利用者1人あたりの月額課金が主流です。製品や必要な機能によって幅がありますが、公開されている各社のプランを見比べると、おおよそ次のような価格帯に分かれます。
- 低価格帯(1IDあたり月額およそ1,000〜2,000円台):顧客管理や基本的な案件管理から始められる製品や、業務アプリを自作して使うタイプ。無料プランを用意する製品もあり、小規模チームやまず試したい場合に向きます。
- 中価格帯(1IDあたり月額およそ3,000〜6,000円台):国産SFAの標準的なプランが多く含まれる価格帯。案件管理・活動管理・分析など、営業支援に必要な機能をひととおり備えます。
- 高機能・大企業向け(1IDあたり月額1万円前後〜、または個別見積もり):CRM・MAまで含む統合基盤や、カスタマイズ性の高い製品。上位エディションやAI機能を含めると単価が上がり、大規模導入では個別見積もりとなる製品もあります。
実際の費用は、利用人数・必要な機能・オプションの有無で変わります。1IDあたりの単価だけでなく、初期費用や最低契約人数を含めた総額で比較することが大切です。各社の具体的な料金は、上記の比較表および各サービスの個別紹介で確認してください。金額を公開していない製品は、資料請求や問い合わせで見積もりを取り寄せる必要があります。
SFA(営業支援システム)を導入するメリット
SFAを導入すると、これまで個人に閉じていた営業情報を組織の資産に変えられます。主なメリットは次の4点です。
- 営業情報の一元管理:顧客・案件・商談履歴を一つの場所に集約し、担当者が変わっても引き継ぎがスムーズになります。
- 案件・進捗の可視化:受注見込みや停滞している商談が一覧でき、上司が早い段階でフォローに入れます。
- 入力・報告業務の効率化:日報や報告の手間が減り、営業担当者が顧客と向き合う時間を増やせます。
- データにもとづく営業改善:蓄積したデータから、成約につながりやすい活動パターンや課題を分析し、営業のやり方を継続的に見直せます。
SFA(営業支援システム)導入・運用の注意点
SFAは導入すれば自動的に成果が出るものではありません。よくある失敗を避けるために、次の点に注意します。
現場に入力が定着せず形骸化する
最も多い失敗が、現場に入力されず情報が溜まらないケースです。入力項目を欲張って増やしすぎると、営業担当者の負担になり敬遠されます。導入初期は必要最小限の入力項目に絞り、入力が営業自身のメリットにつながる形(上司からのフォローが早くなる、報告の重複がなくなるなど)を設計することが定着の鍵です。
導入目的があいまいなまま始めてしまう
「とりあえず営業を管理したい」という漠然とした目的で導入すると、何を入力し何を見るのかが定まらず、活用が進みません。受注率を上げる、報告工数を減らす、案件の停滞を早く発見するなど、解決したい課題を具体的に決めてから、それを測る指標と必要な機能を選ぶことが重要です。
運用ルールと推進体制を用意していない
ツールを導入しても、入力のタイミングやデータの見方といった運用ルールがなければ、使い方が人によってばらつきます。誰がいつ入力し、上司がどこを見てフォローするのかを決め、定着まで推進する担当者を置くことが望まれます。自社だけで進めにくい場合は、導入支援や運用設計を伴走してくれるベンダーの製品を選ぶと負担を抑えられます。
SFA(営業支援システム)の基礎知識
ここでは、SFAの基本的な意味と主な機能、混同しやすいCRM・MAとの違いを整理します。用語の理解を確かめたい場合に参照してください。
SFA(営業支援システム)とは
SFAは「Sales Force Automation」の略で、営業活動を支援・効率化するためのシステムです。顧客情報や案件・商談の進捗、営業担当者の活動状況などを一元的に管理し、これまで個人に依存していた営業のノウハウや情報を組織で共有できるようにします。日本語では「営業支援システム」と訳され、営業の属人化を解消し、チーム全体の生産性を高める目的で導入されます。
SFAの主な機能
SFAは製品によって得意領域が異なりますが、一般的に以下のような機能を備えています。
| 詳細 | |
|---|---|
| 顧客・取引先管理 | 取引先や担当者の情報、過去のやり取りを一元管理します。担当者が変わっても顧客情報を引き継げます。 |
| 案件・商談管理 | 商談ごとの進捗・金額・受注確度を管理し、パイプラインとして可視化します。受注見込み(予実)の集計にも使います。 |
| 営業活動管理(日報・行動管理) | 訪問・電話・メールなどの活動を記録し、日報として共有します。活動量と成果の関係を把握できます。 |
| 予実管理・レポート・分析 | 売上目標と実績の対比や、活動データの分析・レポート作成を行います。営業戦略の見直しに活用します。 |
| スケジュール・タスク管理 | 商談に紐づくタスクや訪問予定を管理し、対応漏れを防ぎます。 |
| モバイル対応・外部連携 | スマートフォンからの入力や、CRM・MA・名刺管理・会計システムなど外部ツールとの連携に対応します。 |
SFAとCRM・MAの違いと使い分け
SFAと混同されやすいものに、CRMとMAがあります。SFAは主に「営業活動」の管理・支援を対象とし、案件や商談のプロセスを可視化します。CRM(Customer Relationship Management=顧客関係管理)は「顧客」を軸に、顧客との関係を長期的に管理・維持することを目的とします。
MA(Marketing Automation=マーケティングオートメーション)は「見込み客」の獲得・育成を自動化する役割を担います。おおまかには、SFAは営業、CRMは顧客、MAは見込み客の育成を主な対象とすると整理できます。
実際の製品では、これらの機能は重なり合っており、明確に線引きできないことも多くあります。SFAにCRM機能が含まれていたり、SFA・CRM・MAを一つの基盤に統合した製品も存在します。自社が営業プロセスの管理を優先したいのか、顧客との関係全体を管理したいのか、見込み客の育成まで含めたいのかを整理したうえで、必要な機能を備えた製品を選ぶとよいでしょう。
統合型を選べば将来的な拡張はしやすくなりますが、その分だけ機能が多く運用の設計も必要になります。
まとめ
SFA(営業支援システム)選びで最初に決めるべきなのは、製品の多機能さではなく「自社の営業のどこが一番詰まっているか」です。課題からタイプを一つに絞るところから始めると、候補は自然と数製品まで狭まります。
案件の進捗と受注確度を見えるようにしたいなら案件・商談管理に強いタイプ、名刺や顧客情報を軸に営業とマーケティングをつなぎたいなら顧客管理・CRM連携タイプが向いています。営業プロセス全体を一つの基盤で回したいなら営業活動全体を支援するタイプ、外回り中心で移動中の入力負担を減らしたいならフィールド営業に強いタイプが候補になります。
そのうえで、比較表で料金と必要機能の過不足を突き合わせます。現場に定着するか(入力のしやすさ・モバイル対応)、利用人数に見合う費用対効果か、既存の顧客管理やメール・名刺管理と連携できるかまで確認すれば、最終候補を2〜3製品まで無理なく絞り込めます。
気になった製品は、資料請求や無料トライアルで自社の営業データを想定しながら操作感まで確かめてから決めるのが、導入後の形骸化を避ける近道です。各サービスの資料請求やオンライン相談は、下記から進められます。
SFA(営業支援システム)に関するよくある質問(FAQ)
Q. SFA(営業支援システム)とは何ですか?
A. SFA(営業支援システム)とは、顧客情報や案件・商談の進捗、営業担当者の活動を一元管理し、営業の属人化を解消して組織全体の生産性を高めるシステムです。「Sales Force Automation」の略で、これまで個人のメモや表計算ソフトに散らばっていた営業情報を組織の共有資産に変え、案件の進捗や受注見込みを可視化する役割を担います。日本語では「営業支援システム」と訳されます。
Q. SFA(営業支援システム)とCRM・MAはどう違いますか?
A. SFA(営業支援システム)は「営業活動」の管理・支援を、CRMは「顧客」との関係管理を、MAは「見込み客」の獲得・育成の自動化を、それぞれ主な対象にする点で役割が異なります。SFAは案件や商談のプロセスを可視化し、CRM(顧客関係管理)は顧客との関係を長期的に維持し、MA(マーケティングオートメーション)は見込み客を育てて商談につなげます。
ただし実際の製品ではこれらの機能は重なり合っており、SFAにCRM機能が含まれていたり、SFA・CRM・MAを一つの基盤に統合した製品もあります。自社が営業プロセスの管理・顧客関係の維持・見込み客の育成のどこを優先したいかを整理して選ぶとよいでしょう。
Q. SFA(営業支援システム)の料金相場はどのくらいですか?
A. SFA(営業支援システム)の料金は利用者1人あたりの月額課金が主流で、低価格帯は1IDあたり月額およそ1,000〜2,000円台、国産SFAの標準的なプランが多い中価格帯は3,000〜6,000円台、CRM・MAまで含む高機能・大企業向けは1万円前後〜または個別見積もりが目安です。
実際の費用は利用人数・必要な機能・オプションの有無で変わるため、1IDあたりの単価だけでなく、初期費用や最低契約人数を含めた総額で比較することが大切です。各社の具体的な料金は本記事の比較表と個別紹介で確認してください。
Q. 無料のSFA(営業支援システム)でも十分に使えますか?
A. 無料プランを備えるSFA(営業支援システム)もありますが、多くは利用できる機能・ユーザー数・登録できる顧客数などに制限があり、営業部門全体での本格運用には向かないことが一般的です。小規模チームでまず試したい場合や、機能を絞って使う場合には有効ですが、全社で活用するなら必要な機能や将来の利用人数を踏まえ、有料プランも含めて比較するのが現実的です。
多くの製品が無料トライアルを用意しているため、まず現場の担当者数名で操作性を確かめてから導入範囲を広げると失敗を避けやすくなります。
Q. SFA(営業支援システム)を比較・選定するときのポイントは何ですか?
A. SFA(営業支援システム)は、自社の営業プロセスに合う機能があるか・現場が入力しやすく定着するか・利用人数を踏まえた費用対効果が見合うか・CRMやMA、名刺管理などと連携できるか・導入定着のサポートが充実しているかを総合的に見て比較します。多機能なほど良いとは限らず、解決したい課題からタイプを絞り込み、機能の過不足を照らし合わせることが出発点です。
近年はAIで入力や分析を効率化できるかも新たな判断軸になっています。判断が難しい場合は、本記事の選定診断ツールで自社に合うタイプを絞り込んでから比較すると効率的です。
Q. AI搭載のSFA(営業支援システム)では何ができますか?
A. AI搭載のSFA(営業支援システム)では、商談内容の自動要約や活動記録の自動入力、次に取るべきアクションの提案、受注確度の予測などが行えます。入力の手間を減らしたり、経験の浅い担当者の判断を補助したりする効果が期待できます。
ただし、対応する機能は製品によって異なり、AI機能は上位プランでのみ提供されたり別料金だったりする場合があるため、どの機能がどのプランに含まれるかを確認したうえで、まずは日々の入力負担を下げる用途から試すとよいでしょう。
Q. 中小企業がSFA(営業支援システム)を選ぶときの注意点は何ですか?
A. 中小企業がSFA(営業支援システム)を選ぶときは、多機能さよりも、必要な機能に絞って操作性・料金・導入支援を重視し、少人数から始めて事業拡大に応じて拡張できる製品を選ぶことが重要です。高機能でも使わない機能が多いと現場が入力に迷い、費用も無駄になります。
低価格帯や無料プランのある製品でまず小さく始め、効果を確かめてからユーザー数や機能を追加していく進め方が、失敗しにくく費用対効果も見極めやすくなります。
Q. SFA(営業支援システム)が現場に定着せず失敗する原因は何ですか?
A. SFA(営業支援システム)が定着しない主な原因は、導入目的があいまいなことと、現場への入力負荷が高いことの2点です。「とりあえず営業を管理したい」という漠然とした目的では何を入力し何を見るのかが定まらず、入力項目を欲張って増やすと営業担当者に敬遠されて情報が溜まりません。
解決したい課題を具体的に決めたうえで、導入初期は必要最小限の入力項目に絞り、入力が営業自身のメリット(上司のフォローが早くなる、報告の重複がなくなる等)につながる形を設計することが定着の鍵です。運用ルールと推進担当者を用意し、必要に応じて伴走型のサポートがある製品を選ぶと軌道に乗りやすくなります。
Q. Excelでの営業管理からSFA(営業支援システム)に移行するときの注意点はありますか?
A. ExcelからSFA(営業支援システム)へ移行するときは、これまでの管理項目をそのまますべて移そうとしないことが注意点です。Excelで惰性的に管理していた項目をそのまま持ち込むと、入力項目が多すぎて現場の負担になり、かえって定着を妨げます。
SFAの導入は管理体制そのものを見直す好機と捉え、本当に必要な項目に絞り込んだうえで移行すると、入力の負担を抑えながら営業情報を組織で活用できるようになります。
法人向けサービスを課題別に探すならMCB FinTechカタログ
MCB FinTechカタログでは、決済・金融・バックオフィス領域の法人向けサービスを課題別に探し、気になるサービスの資料をまとめて請求できます。SFA(営業支援システム)のほかの課題も、あわせてご確認ください。
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。












