見積書がExcelと個人フォルダに散らばり、どれが最新版なのか分からなくなっていませんか。値引き幅の判断も担当者ごとにばらつき、上長が不在だと承認が止まって提出が遅れる——見積の件数が増えるほど、こうした確認と差し戻しの手間は膨らんでいきます。
見積の作成から承認、保管、そして受注・請求への引き継ぎまでを1つの仕組みに載せ替えるには、どのようなシステムを選べばよいのでしょうか。
本記事では、見積管理システム32サービスをタイプ別に比較します。主な機能や費用相場に加えて、製品ごとに差が出やすい承認ワークフローの作り込みと、SFA/CRM(営業支援・顧客管理システム)・販売管理・会計システムとの連携先を整理しました。自社の見積フローに合うシステムを見極める材料としてご活用ください。
また、記事の途中には、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、タイプ分類の直後に「30秒で終わる選定診断ツール」を用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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見積管理システムとは
見積管理システムとは、見積書の作成・発行から承認、保管、そのデータの分析までを一元的に扱うためのシステムです。表計算ソフトや紙で個別に処理していた見積業務を1つの仕組みに集約し、誰がいつどの条件で出した見積なのかを組織として追える状態にします。
見積は受注の起点であり、そこで提示した単価や値引き幅がそのまま粗利を左右します。案件ごとに散らばった見積を集約すると、失注した案件の条件を後から振り返ったり、受注率や利益率を切り口に営業活動を見直したりすることも可能になります。
見積管理システムでできること(主な機能)
ここからは、見積管理システムが備える主な機能を6つに分けて整理します。製品によって守備範囲は変わりますが、おおむね次の枠組みで捉えると自社に必要な範囲を絞り込みやすくなります。
- 見積書の作成・発行:テンプレートに沿って明細を入力し、単価と数量から金額を自動計算します。PDF出力やメール送付、印刷に対応する製品が一般的で、納品書・請求書といった後続の帳票へ変換できるものもあります。
- 承認フロー:作成した見積を上長へ申請し、承認されてから正式に発行する流れをシステム上で扱います。承認前の書類は発行できないよう制限する仕組みを備える製品もあり、値引きの独断を防ぐ統制として働きます。
- 案件・顧客管理:見積を取引先や案件に紐づけて管理し、商談の進捗(提出済み・受注・失注など)をステータスで追えるようにします。同じ案件で条件を変えた複数の見積を並べて管理できる製品もあります。
- マスタ管理:取引先・商品・単価をマスタとして登録し、見積作成時に呼び出して入力します。担当者が個別に単価を打ち込む運用をやめられるため、金額のばらつきと転記ミスの両方を抑えられます。
- 保管・検索・分析:発行した見積を一箇所に蓄積し、取引先名や期間、金額などで検索できるようにします。蓄積したデータから受注率や利益率を集計し、値付けの妥当性を見直す用途にも使われます。
- 外部システム連携:SFA/CRM・販売管理・会計といった周辺システムとデータをやり取りします。案件情報を見積へ引き継いだり、受注した見積を売上・請求データへ流したりすることで、同じ内容を二度入力する手間をなくします。
同じ案件の複数見積と「最新版」をどう管理するか
冒頭で挙げた「どれが最新版か分からない」は、見積管理システムの中でも扱いが分かれる部分です。ファイルを複製して条件を変えていく運用をやめるには、次の2つを区別して確認する必要があります。
1つ目は同じ案件に複数の見積をぶら下げられるかです。取引条件を変えたA案・B案を並行して提示する場面は珍しくありません。案件を軸にした管理ができる製品なら、条件違いの見積を1つの案件配下にまとめ、どれを提出したかをステータスで追えます。
2つ目は改訂した見積の履歴が残るかです。同じ見積を修正して出し直したとき、前の版を後から参照できるかどうかは製品によって違い、標準機能として持つもの、有料アドオンとして提供するもの、公式に言及がないものが混在します。過去の版を残す必要がある場合は、資料請求時に「改訂履歴」「版管理」という言葉で確認しておくと行き違いが起きません。
電子でやり取りした見積書は、法令上も一定期間の保存が必要になります。この点は記事後半で扱います。
見積書作成ソフト・販売管理システムとの違い
見積まわりのシステムは呼び名が近く、守備範囲を取り違えたまま導入すると「思っていた業務が載らない」という結果になりがちです。3つの違いは、扱う対象が帳票なのか、案件なのか、販売業務全体なのかにあります。
見積書作成ソフトは、体裁の整った見積書という帳票を早く作ることを目的としたツールです。テンプレートと自動計算は備えますが、承認フローや案件単位の管理までは持たないものが多く、担当者1人で完結する運用に向きます。
見積管理システムは、作った見積書を案件として管理するところまでを担います。誰が承認したか、どの版が最新か、失注した案件はどんな条件だったかを組織として追える点が、帳票作成ツールとの分かれ目です。
販売管理システムは、見積を販売業務全体の入口として扱います。受注・売上・仕入・在庫・請求までを同じデータでつなぐため、見積だけを効率化したい場合には機能が過剰になることもあります。どこまでを1つの仕組みに載せたいかを先に決めておくと、選択を誤りにくくなります。
見積だけでなく、受注・売上・仕入・在庫・請求まで含めて業務全体を見直したい場合は、販売管理システムそのものを比べたほうが近道です。以下の記事で、販売管理システムのタイプ別の選び方と料金・機能を整理しています。
【タイプ別】見積管理システムの種類
見積管理システムは、その仕組みがどこまでの業務をカバーするかで3つのタイプに分かれます。まず自社がどのタイプを必要としているかを決めると、そのあとの製品選びを3タイプのいずれかに絞り込めます。
| 特徴 | 向いている企業 | 該当製品の比較表 | |
|---|---|---|---|
| 見積作成・管理に特化したタイプ | 見積書の作成・改訂・承認・保管に機能を絞る。導入が軽く、既存の販売管理や会計とは連携でつなぐ | 見積の作成と承認を先に整えたい企業。販売管理や会計は既存のものを使い続けたい場合 | 比較表を見る |
| 見積から受注・請求まで一気通貫のタイプ | 販売管理システム・ERP・SFAの一機能として見積を持ち、受注・売上・請求まで同じデータで流す | 見積から受注・請求までの転記や突合をなくしたい企業。基幹システムの刷新を同時に検討している場合 | 比較表を見る |
| 業種特有の見積に対応するタイプ | 建設業の積算、製造業の原価積み上げなど、業種固有の見積ロジックや帳票を標準で備える | 階層構造の内訳書や部品単位の原価積み上げが必要な企業。汎用製品では項目が足りない場合 | 比較表を見る |
見積作成・管理に特化したタイプ
見積書の作成と、その後の承認・保管・検索に機能を絞ったタイプです。設定項目が少なく、アカウントを作ればその日から使い始められる製品も珍しくありません。
このタイプには、見積業務そのものを厚く作り込んだ製品と、請求書発行を主軸にしながら見積書も作れる製品の両方が含まれます。前者は承認ルートの条件設定や利益率の可視化まで踏み込み、後者は無料プランから始められる代わりに承認フローを持たないことがあります。どちらも「見積作成・管理に特化」という点では同じでも、統制の強さは大きく違うため、承認の要否を先に決めておくことが重要です。
販売管理や会計は既存のものを使い続けたい場合にも、このタイプが選択肢になります。周辺システムとはCSVやAPIでつなぐ前提になるため、連携の方式と運用負荷は事前に確認しておきましょう。
見積から受注・請求まで一気通貫のタイプ
販売管理システム・ERP・SFAの一機能として見積を持ち、受注・売上・請求まで同じデータで流すタイプです。見積が成約したらワンクリックで受注伝票に変換するといった動きができるため、部署をまたぐ転記と突合がなくなります。
案件ごとの原価や粗利をリアルタイムに把握できる製品もあり、値引きの判断を勘に頼らずに済む点が特徴です。一方で、扱う業務が広いぶん初期費用・月額とも高くなりやすく、導入時に決めるべき設定も増えます。見積だけを早く改善したい場合には、負荷が見合わないこともあります。
基幹システムの刷新時期が近い、あるいは受注後の請求業務にも同じくらい課題がある——そうした状況であれば、このタイプを軸に検討する価値があります。
業種特有の見積に対応するタイプ
建設業や製造業のように、見積そのものの作り方が業種固有のルールに縛られる領域に向けたタイプです。汎用製品では項目や計算方法が足りず、結局は表計算ソフトに戻ってしまうケースを避けられます。
建設業では、工事全体を大分類・中分類・細目へと分けていく階層構造の内訳書が標準になります。他の物件で使った単価を呼び出して流用する機能、下請から集めた見積を並べて査定する機能、法定福利費を自動で算出する機能などが求められ、実行予算や原価管理と連動できるかも判断材料になります。
製造業では、材料費・加工時間・外注費を積み上げて原価を出し、そこに利益を乗せて価格を決める流れが中心です。部品マスタから拾って積算する機能、過去の類似案件や図面から近い見積を探す機能、仕入原価を登録して赤字受注を防ぐ機能などが該当します。仕様の組み合わせによって価格が変わる受注生産品では、選べる構成の可否と価格を制御する仕組みを備えた製品もあります。
これらは汎用製品の項目追加やカスタマイズで代替しようとすると、費用も運用負荷も膨らみがちです。自社の見積書に業種固有の内訳や計算が含まれているなら、最初からこのタイプを候補に入れておくほうが確実といえます。
しかし、自社がどのタイプに適しているか、といった判断が難しいケースも存在します。そのような場合でも貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
見積管理システムの選び方|6つの判断軸
カバーしたい業務範囲は前節のタイプ分類と診断でおおよそ定まったはずです。ここからは、同じタイプの中で製品を絞り込むときに見るべき軸を整理します。
判断軸は、承認ワークフロー・外部システムとの連携・費用・提供形態・現場での使い勝手・導入支援とサポートの6つです。このうち製品ごとの差が最も出やすく、かつ後から変えにくいのが承認ワークフローと外部連携で、費用も課金単位によって、10名規模なら月額で数万円の差が出ます。この3つは続く3つのセクションで個別に掘り下げます(上のリンクから飛べます)。
本セクションでは、残りの提供形態・使い勝手・サポートを扱います。このうち提供形態は比較表で横並びに確認でき、使い勝手とサポートは資料請求やトライアルで確かめる項目になります。

クラウド型とインストール型のどちらを選ぶか
見積管理システムには、ブラウザから利用するクラウド型と、自社のPCやサーバーに導入するインストール型(オンプレミス型)があります。判断の分かれ目は、社外で見積を扱う頻度と、自社仕様への作り込みをどこまで求めるかです。
クラウド型は初期費用を抑えやすく、外出先や現場からでも見積の作成・承認ができます。承認者が席にいないと止まる、という詰まりを解消したい場合は、実質的にクラウド型が前提になります。反面、帳票レイアウトや計算ロジックのカスタマイズには制限があることが多く、既存の見積書とまったく同じ体裁を再現できないケースもあります。
インストール型は、買い切りのライセンスを購入して長く使う形が中心で、帳票や計算の自由度が高いのが利点です。社内ネットワークからの利用が基本になるため、リモートワークや現場からの利用を想定している場合は、事前に運用が成り立つかを確認しておく必要があります。業種特化タイプには、積算の作り込みを優先してインストール型を採る製品が今も残っています。
もう一つ、買い切りかクラウドかで差が出るのが制度改正への追随です。買い切り型では、帳票の記載要件や税率の扱いが変わるたびにバージョンアップの要否と費用が発生します。この負担がクラウド化の動機になったと、インストール型の基幹業務ソフトを長く提供してきた企業が振り返っています。

1994年には他社に先駆けてWindows対応の「PCA会計」を発売しました。その後、「法改正のたびにソフトを買い替える負担をなくしたい」という思いから、まだクラウドという言葉が一般的でなかった2008年に、業界に先んじてPCAクラウドの提供を開始しています。
現場が使い続けられるか
見積管理システムの導入が失敗する典型は、機能ではなく定着です。営業担当者が「表計算ソフトのほうが速い」と感じた瞬間に、入力されない見積が生まれ、データの一元管理は成立しなくなります。
確認したいのは、日常的に発生する操作が何クリックで終わるかです。過去の見積を複製して条件だけ変える、マスタから商品を検索して明細に落とす、表計算ソフトの操作感で行の追加・入れ替えを行う——こうした動きが軽いかどうかで、現場の受け止め方は変わります。スマートフォンやタブレットからの参照・承認に対応しているかも、外回りの多い組織では効いてきます。
この見極めは資料だけでは難しいため、無料トライアルやデモの機会に自社で実際に発行している見積書を再現してみるのが確実です。よく使う商品を10件ほどマスタに登録し、直近の案件を1件そのまま入力してみると、明細の階層や単価の持ち方が自社の実務と合うかがはっきりします。試すのは営業担当者本人が望ましく、選定担当者だけが触って決めると、導入後に評価が食い違いがちです。
導入支援・サポート体制
見積管理システムは、マスタの登録と帳票レイアウトの調整が終わるまでが本当の導入です。ここをベンダー側がどこまで支援するかで、稼働までの期間と社内の負担が変わります。
見ておきたいのは、初期設定の代行やマスタ移行の支援が標準に含まれるのか有償オプションなのか、帳票レイアウトの調整をどこまで頼めるのか、稼働後の問い合わせ窓口が電話・メール・チャットのどれで、対応時間はいつまでかの4点です。販売管理・ERP一体タイプでは導入支援が月額に含まれる形をとる製品もあれば、初期費用として別に見積もられる製品もあります。
社内に情報システム部門がない場合は、支援の範囲がそのまま稼働の可否を左右します。料金だけで比べず、支援に何が含まれるかまで含めて総額で見比べてください。
見積の承認ワークフローで確認すべきこと
製品資料に「承認ワークフロー対応」と書かれていても、その中身は製品ごとにかなり違います。自社の決裁規程をそのまま組めるのか、それとも運用側を規程に合わせて曲げることになるのかは、次の観点で確かめられます。

多段承認と金額による分岐
多くの企業の決裁規程は「30万円未満は課長、100万円未満は部長、それ以上は役員」といった金額の閾値で承認者が変わる構造になっています。この構造をシステム側で再現できるかが最初の分かれ目です。
確認したいのは3点あります。1つ目は承認を何段まで積めるかで、単純な1段承認しか持たない製品では、課長と部長の二重承認が必要な組織では使えません。2つ目はルートを条件で自動的に分岐できるかです。金額のほかに、値引き率や利益率、部署、取引先といった項目を条件に使える製品もあり、条件の幅が広いほど規程を忠実に写せます。
3つ目は承認前の書類をどこまで制限できるかです。承認が下りるまでPDF出力や共有URLの発行、印刷をロックする製品であれば、「先に出してしまってから事後承認」という運用の穴を構造的に塞げます。逆にこの制限がないと、ワークフロー自体は動いていても、実態としては統制が効きません。
ほかに、承認機能をオプションとして別契約にしている製品や、グループウェア側のワークフロー製品と組み合わせて実現する製品もあります。その場合は追加費用と、承認機能を持つ側の製品仕様まで含めて確認が必要です。
代理承認・差し戻し・モバイル承認
ワークフローを厳密に組むほど、承認者が不在のときに提出が止まるリスクが高まります。統制と速度を両立させるのが、この3つの機能です。
代理承認は、出張や休暇で承認者が対応できない期間に、あらかじめ指定した別の担当者が代わりに承認できる仕組みです。この機能がないと、規程どおりのルートを守るために提出が数日遅れる、という事態が起こり得ます。導入前に、繁忙期の承認者不在をどう吸収するかを決めておくとよいでしょう。
差し戻しは、承認者が内容の修正を求めて申請者に戻す動きです。単に「否認」だけを持つ製品では、なぜ戻されたのかが記録に残らず、申請者が別途口頭やメールで確認することになります。差し戻しの際にコメントを添えられるか、やり取りが履歴として残るかまで見ておくと、後から経緯をたどれます。
モバイル承認は、スマートフォンやタブレットから承認操作ができるかどうかです。閲覧だけスマートフォンに対応し、承認操作はPCが必要という製品もあるため、「モバイル対応」の表記だけで判断せず、承認そのものが行えるかを確かめてください。
単価マスタと承認基準をセットで設計する
承認ワークフローだけを厳しくしても、値引き幅のばらつきは止まりません。承認者に届く時点で単価の根拠がばらばらであれば、承認は形式的な確認に終わってしまうためです。
効くのは、単価マスタと承認基準を組み合わせて設計することです。標準単価をマスタで固定し、そこから何%下げたら承認が必要になるかを条件に設定すれば、標準どおりの見積は素早く通り、例外だけが承認者の目に留まります。利益率を条件に使える製品であれば、原価が案件ごとに動く業種でも同じ考え方が使えます。
この設計を成立させるには、システム側に取引先別・数量別の単価を持てるか、原価を登録して粗利を自動計算できるかが必要です。原価を持てる製品なら、赤字になる見積を作成時点で検知して警告する動きも組めます。導入時の設定作業は増えますが、値引き判断の属人化という課題に対しては、ここが最も効く打ち手になります。
ここまでの観点を製品ごとに突き合わせられるよう、比較表のうち見積特化タイプと一気通貫タイプの2表(24製品)に「承認ワークフロー」と「単価マスタ・原価/粗利」の列を設けています。
この24製品のうち、多段承認と条件分岐の両方を公式に確認できたのは6製品、承認前の発行ロックに触れているのは見積Rich・SmartDeal・Zoho CRMの3製品です。ただしZoho CRMは申請中のレコードを編集できなくする仕組みで、書類の発行そのものを止める前の2製品とは性質が異なります。
業種特有タイプでは、プロワンが承認前の書類のメール送信・印刷・ダウンロードを制限できると公表しています。承認の統制が導入の主目的なら、候補はこの段階でかなり絞られると考えておいてください。
SFA/CRM・販売管理・会計システムとの連携
「連携できます」という説明は、実際には何が自動化されるのかまで踏み込まないと判断材料になりません。ここでは、データがどちらの方向に流れるのか、どの方式でつながるのかを整理します。
案件管理から見積へ、見積から受注・請求へ
見積を挟むデータの流れは、大きく前後の2方向に分かれます。二重入力が残るのは、このどちらかが切れている箇所です。
前工程(案件管理から見積へ)は、SFA/CRMで管理している商談・取引先・担当者の情報を、見積作成時に引き継ぐ流れです。ここがつながっていないと、営業担当者はSFAに商談を登録したうえで、見積管理システムにも同じ取引先情報を打ち直すことになります。SFA/CRM側が見積機能を内蔵している場合は、この転記自体がそもそも発生しません。
後工程(見積から受注・請求へ)は、成約した見積を受注伝票・売上伝票・請求書へ引き継ぐ流れです。販売管理システムやERPの一機能として見積を持つ製品では、同じデータをそのまま次の伝票に変換できるため、ここでの転記は発生しません。見積特化タイプの製品では、請求書までは同じ画面で作れても、売上計上や会計仕訳は別システムに渡す形が一般的です。
後工程が切れているときに残るのは、転記の手間だけではありません。営業側のシステムと請求業務がデータでつながっていない場合に現場で何が起きるかを、受注後の請求書発行を担うシステムの提供企業は次のように説明しています。

この連携がない場合、経理の方が営業側のシステムに情報を拾いに行ったり、営業の方から経理に請求書の送信対応をお願いしたりと、人を介したやり取りが発生してしまいます。
選定時は、自社の見積前後の作業を書き出したうえで、どこが自動化されどこが手作業のまま残るのかを製品ごとに当てはめてみてください。連携の対象が「見積データ」なのか「受注データ」なのか「仕訳」なのかで、残る手間はまったく変わります。
標準連携・API・CSV連携の違いと運用負荷
同じ「連携」でも、実現方式によって運用の手間と初期の作り込みは大きく変わります。方式は次の3つに整理できます。
標準連携は、特定の製品との接続があらかじめ用意されているものです。設定画面で接続先を選ぶだけで動くため、開発は不要で運用の手間もかかりません。ただし、つながる相手はベンダーが対応を明記した製品に限られます。自社が使っている会計ソフトやSFAが対応リストにあるかを、製品名レベルで確認してください。
API連携は、システム同士をプログラムで接続する方式です。標準連携がない組み合わせでもつなげられ、リアルタイムでのデータ同期も可能になります。一方で、接続の開発と、双方のシステムがバージョンアップした際の改修を誰が担うかという課題が残ります。社内に開発リソースがない場合は、実装と保守の費用まで含めて見積もる必要があります。
CSV連携は、片方でデータを出力し、もう片方で取り込む方式です。追加の開発費用がかからず、対応している製品も多い反面、出力と取り込みという作業が毎回発生します。月次でまとめて処理する会計連携なら現実的ですが、日々発生する見積・受注のやり取りをCSVで回すと、結局は手作業が残ります。
方式の違いは、そのまま「どの頻度で発生する業務か」との相性に置き換えて考えると判断しやすくなります。毎日動くデータは標準連携かAPI、月次でまとまるデータはCSVでも支障が出にくい、という切り分けです。
製品ごとの連携先は比較表の「外部連携」列に、公式サイトで製品名まで確認できたものだけを記載しています。連携先を製品名で公開している製品は限られるため、自社が使っているシステムが対応リストにあるかは、資料請求時に製品名を挙げて確認するのが確実です。
見積管理システムの費用相場
見積管理システムの費用は、カバーする業務範囲によって桁が変わります。社内で予算を通すために、まずタイプごとの水準感を押さえておきましょう。
タイプ別の費用相場と課金単位の見方
見積作成・管理に特化したタイプは、初期費用0円・月額数千円から始められる製品が中心です。本記事で料金を確認できた範囲では、数名規模なら恒久的な無料プランから月額1万円以内で収まる製品が多く、課金は人数枠ごとの定額が主流でした。人数枠が広がると月額3万〜5万円台の製品もあります。
1ユーザーごとに課金する製品は月額780〜1,300円程度です。買い切り型のインストール製品であれば、3万円前後の一括購入で使い始められるものもあります。
見積から受注・請求まで一気通貫のタイプは、月額数千円台から始まる小規模向けの製品と、初期費用20万円・月額7万円台といった中堅企業向けの製品に分かれます。同じタイプでも扱う業務範囲と想定規模が異なるため、レンジの幅はほかのタイプより広くなります。買い切り型の販売管理パッケージでは、5万円前後から購入できる製品もあります。
業種特有の見積に対応するタイプは、料金を公開せず個別見積とする製品が目立ちます。業種固有の要件に合わせた設定作業が前提になるため、導入支援の範囲によって金額が動くという事情があります。予算の目安を早く知りたい場合は、想定ユーザー数と必要な機能を整理したうえで、複数社に同じ条件で見積を依頼するのが近道です。
そして総額を左右するのが課金単位です。同じ月額でも、1ユーザーごとに課金される製品と、5名・15名・50名といった人数枠で定額の製品では、10名で使うときの支払額がまったく違います。加えて見落としやすいのが、承認者や閲覧だけの担当者にもライセンスが必要かどうかです。見積を作成するのは営業3名でも、承認する上長2名と経理1名の分を数える必要があるなら、想定ユーザー数は倍になります。
もう一点、月額に含まれない費用の有無も確認しておきましょう。承認ワークフローを別オプションとする製品、郵送代行を1通あたりの従量課金とする製品、データ容量の上限を超えると追加費用が発生する製品があります。比較の際は、自社の運用に必要な機能をすべて足したうえで年額に直して並べると、実態に近い金額で比べられます。
無料で使える見積管理システム
見積管理システムには、費用をかけずに使い始められる選択肢もあります。ただし「無料」には性質の違う2種類があるため、区別して捉える必要があります。
無料プランは、期限なく使い続けられる代わりに機能や利用量に制限が設けられているものです。見積書の作成自体は無制限でも、請求書の発行通数に上限がある、利用できるユーザーが1〜3名までに限られる、承認フロー・グループ管理は使えない、といった線引きが一般的です。担当者1名で見積を回している段階なら、無料プランで十分に成立します。
無料トライアルは、有料プランの全機能を一定期間だけ試せるものです。30日間や最大2か月といった期間設定が多く、承認フローや連携といった有料機能の使い勝手を確かめるのに向きます。前述のとおり、自社の実際の見積書を再現してみる場としても活用できます。
注意したいのは、無料プランでは承認ワークフローを使えない製品が多い点です。値引きの統制が導入の目的であれば、無料プランのままでは課題が解決しないことになります。無料で始めて、承認が必要になった時点で有料プランへ移る——という段取りを最初から想定しておくと、乗り換えの手戻りを避けられます。
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【比較表】見積管理システムをタイプ別に比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、主要な見積管理システム32製品を3つのタイプに分類してご紹介します。
見積特化タイプと一気通貫タイプの2表は同じ項目で構成しており、タイプをまたいで見比べられます。承認ワークフローの列には、本文で挙げた6つの観点(多段承認・金額などの条件による分岐・承認前の発行ロック・代理承認・差し戻し・モバイル承認)の対応状況を、この2表の全製品で同じ順序で記載しました。
表記は次のように使い分けています。「記載なし」は公式サイトで確認できなかったもの、「要問い合わせ」は公式が個別見積・非公開と明示しているものです。「記載なし」は機能が存在しないことを示すものではないため、要件として外せない場合は各社への確認をおすすめします。
業種特有の見積に対応するタイプの表だけは列が異なります。このタイプは承認・外部連携を公式に記載している製品が限られる一方、階層構造の内訳書や原価の積み上げ方といった見積の作り方そのものに差が出るため、対応業種・見積の作り方・原価粗利の扱いを列に立てています。
見積作成・管理に特化したタイプの比較
15製品のうちリーナー見積の1製品だけは、自社が出す見積を作るのではなく、複数のサプライヤーへ見積を依頼して集める側の業務を担います。データの向きが他の14製品と逆になるため、比較する際はこの違いを踏まえてご覧ください。
| サービス名 | freee請求書 | Misoca | MakeLeaps | Zoho Invoice | INVOY | invox発行請求書 | Sales Quote Assistant | 見積Rich | リーナー見積 | 見積デザイナー | ジョブカン見積/請求書 | SmartDeal | アイディックシステムの 見積管理システム | やよいの見積・納品・請求書 | みつも郎20 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド/オンプレミス | クラウド | クラウド | 記載なし | クラウド | クラウド | 記載なし | インストール型(Windows専用) | インストール型(Windows専用) |
| 承認ワークフロー | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし ※アドバンスの機能紹介に「承認ワークフロー」の項目あり(実装内容・対象プランは記載なし) | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし ※チーム機能は権限が対等な共同編集 | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし ※メンバー招待と権限管理のみ | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし | 多段承認: 対応(多段階の承認ルール) 条件分岐: 見積書・顧客情報・案件情報の項目ごとに条件設定 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし | 多段承認: 対応 条件分岐: 役職・金額・利益率など 承認前の発行ロック: 未承認の見積書は正式な書類として発行不可 代理承認: 記載なし 差し戻し: 対応(承認待ち一覧から処理) モバイル承認: 対応(社外・外出先から承認可) | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし ※社内承認フローの自動化・可視化を機能として記載 | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし ※承認ワークフローを標準搭載(申請・承認時にメール通知) | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 承認完了までPDF化・共有URL発行をロック 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし ※承認機能は初期設定オフ、承認操作は管理者・責任者権限のみ | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし |
| 見積の改訂・版管理 | 案件への複数見積: 記載なし 改訂履歴: 記載なし | 案件への複数見積: 記載なし 改訂履歴: 記載なし(発行・受注ステータスの管理には対応) | 案件への複数見積: 記載なし 改訂履歴: 記載なし | 案件への複数見積: 記載なし 改訂履歴: 記載なし | 案件への複数見積: 記載なし 改訂履歴: 記載なし(帳票間のワンクリック複製・変換には対応) | 案件への複数見積: 記載なし 改訂履歴: 記載なし | 案件への複数見積: 記載なし 改訂履歴: 記載なし(過去見積の流用・コピーには対応) | 案件への複数見積: 記載なし(案件一覧からの見積履歴の検索・複数案件の関連付けに対応) 改訂履歴: 記載なし | 案件への複数見積: 記載なし(過去の見積・交渉履歴は自動で蓄積) 改訂履歴: 記載なし | 案件への複数見積: 記載なし(テンプレート・過去の類似見積のコピーに対応) 改訂履歴: 「履歴管理」を機能として記載(改訂番号の付与・差分表示などの仕様は記載なし) | 案件への複数見積: 記載なし(帳票を案件単位で紐づけて管理) 改訂履歴: 記載なし | 案件への複数見積: 同一取引先の見積書を最大5枚まで「複数見積」としてまとめて送信可 改訂履歴: 「過去の見積書の記録が自動で残る」と記載(版数・差分表示の仕様は記載なし) | 案件への複数見積: 記載なし(類似見積のセット登録・過去見積の転記・伝票複写に対応) 改訂履歴: 過去の見積・入力内容の履歴照会に対応(版数管理の仕様は記載なし) | 案件への複数見積: 記載なし 改訂履歴: 記載なし | 案件への複数見積: 記載なし 改訂履歴: 記載なし |
| 単価マスタ・原価/粗利 | 単価マスタ: 記載なし 原価・粗利: 記載なし | 単価マスタ: 取引先マスタ・品目マスタあり 原価・粗利: 記載なし | 単価マスタ: 記載なし 原価・粗利: 記載なし | 単価マスタ: 記載なし(Zoho CRMと顧客・商品情報を同期) 原価・粗利: 記載なし | 単価マスタ: 取引先マスタ・品目マスタあり 原価・粗利: 記載なし | 単価マスタ: 記載なし 原価・粗利: 記載なし | 単価マスタ: 商品マスタ・顧客マスタから自動転記(取引先別・数量別単価は記載なし) 原価・粗利: 原価計算書の出力に対応(原価登録・粗利の自動計算は記載なし) | 単価マスタ: 顧客ランク別の一括設定・直接売価入力に対応 原価・粗利: 売価見積と原価見積を分離して管理し、利益率で利益を確保(承認条件にも利益率を使用可) | 単価マスタ: 記載なし 原価・粗利: 記載なし | 単価マスタ: 商材の原価情報・商品情報をマスタで一元管理 原価・粗利: 蓄積した見積データを利益率・成約率で検索・比較・出力 | 単価マスタ: 記載なし 原価・粗利: 粗利率を入力すると販売単価を自動算出(プロフェッショナルプラン限定、2026年2月追加) | 単価マスタ: 記載なし 原価・粗利: 記載なし | 単価マスタ: 記載なし 原価・粗利: 原価計算による粗利の確認に対応 | 単価マスタ: 得意先・商品を台帳で管理(帳票入力時に自動登録) 原価・粗利: 記載なし | 単価マスタ: 記載なし 原価・粗利: 単価自動チェックで原価割れを検知し、粗利率を確認 |
| 外部連携 | SFA/CRM: 記載なし 販売管理: 記載なし 会計: 製品名の記載なし(仕訳データをCSV・APIで連携) | SFA/CRM: 記載なし 販売管理: 記載なし 会計: 弥生会計・やよいの青色申告・freee会計・マネーフォワード クラウド会計/確定申告 | SFA/CRM: Salesforce・kintone 販売管理: SMILE V 販売・商奉行・PCA商魂DX・販売大臣 会計: 弥生(YAYOI SMART CONNECT)・勘定奉行・PCA会計DX(後者2つは有料オプション) | SFA/CRM: Zoho CRM 販売管理: 記載なし 会計: 記載なし(国内会計ソフトとの連携は記載なし) | SFA/CRM: 記載なし 販売管理: 記載なし 会計: freee・マネーフォワード・弥生会計 | SFA/CRM: 記載なし 販売管理: 記載なし 会計: 製品名の記載なし(API連携はプロフェッショナルのみ) | SFA/CRM: Sales Force Assistant・NI Collabo 360 販売管理: 商奉行・販売大臣・PCA商魂・SMILE(データ出力テンプレート) 会計: 記載なし | SFA/CRM: 製品名の記載なし(クラウドプロプランのみ個別カスタマイズで対応) 販売管理: 記載なし 会計: 記載なし | 記載なし | 記載なし(基幹システムとCSV・XML等でファイル連携。製品名の記載なし) | 記載なし(OAuth 2.0によるAPI連携基盤を公開。連携先の製品名の記載なし) | SFA/CRM: 記載なし 販売管理: 記載なし 会計: freee(請求書の複製、一方向) | 記載なし | SFA/CRM: 記載なし 販売管理: 記載なし 会計: 弥生会計 | SFA/CRM: 記載なし 販売管理: 販売みつも郎19(別売30,000円+税) 会計: 記載なし |
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 記載なし | 0円 | 0円 | 記載なし | 50,000円(クラウド版・税別) | 0円(1ユーザー・複数ユーザープラン) 200,000円(クラウドプロプラン・税別、カスタマイズ費用は個別見積) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 記載なし | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 記載なし(買い切り型) | 30,000円+税(買い切り) 追加ライセンスは1台15,000円+税 |
| 月額費用 | 0円(無料プラン) 1,980円(スタンダード) 10,000円(アドバンス) | 0円(無料プラン) 年8,800円=月額換算733円(プラン15・2名まで) 年33,500円=月額換算2,791円(プラン100・5名まで) 年114,000円=月額換算9,500円(プラン1000・30名まで) いずれも税抜 | 1,000円/ユーザー(個人プラン) 1,300円/ユーザー(法人プラン、取引先11社目以降は1社110円〜の従量課金) 33,000円/社(エンタープライズプラン) | 0円(全機能を無料で利用可) | 0円(無料プラン) 980円(Standard・税込) | 0円(フリー) 1,980円(ミニマム) 9,800円(ベーシック) 29,800円(プロフェッショナル) いずれも税抜・従量課金は別途 | 780円/名(クラウド版・税別) パッケージ版は5ユーザー150,000円〜のライセンス制 | 0円(1ユーザープラン) 5,000円〜47,000円(複数ユーザープラン・5〜50ユーザー・税別) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 記載なし | 要問い合わせ | 要問い合わせ | なし(買い切り型) | なし(買い切り型) |
| 無料プラン・無料トライアル | 無料プラン: あり(個別帳票の作成・発行) 無料トライアル: 記載なし | 無料プラン: あり(見積書は無制限、請求書は月10通まで) 無料トライアル: 記載なし | 無料プラン: あり(取引先3社・1ユーザー) 無料トライアル: 30日間 | 無料プラン: あり(全機能を無料で利用可) 無料トライアル: なし(有料プランの設定がないため) | 無料プラン: あり(5種類の帳票作成、永続無料) 無料トライアル: なし(無料プランが永続無料のため) | 無料プラン: あり(請求書の発行・メール送付が各月15件まで) 無料トライアル: 記載なし | 無料プラン: なし 無料トライアル: 30日間 | 無料プラン: あり(1ユーザー・月50件まで、承認フローは利用不可) 無料トライアル: 最大2ヶ月 | 無料プラン: 記載なし 無料トライアル: 記載なし | 無料プラン: 記載なし 無料トライアル: 記載なし | 無料プラン: 記載なし 無料トライアル: 30日間 | 無料プラン: 記載なし 無料トライアル: 記載なし | 無料プラン: 記載なし 無料トライアル: 記載なし | 無料プラン: なし(買い切り型) 無料トライアル: 記載なし | 無料プラン: なし(買い切り型) 無料トライアル: 記載なし |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※上記は2026年8月時点の各社公式情報に基づきます。実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。
見積から受注・請求まで一気通貫のタイプの比較
| サービス名 | board | SmileWorks | クラウドERP ZAC | 楽楽販売 | アラジンオフィス | freee販売 | 商蔵奉行クラウド | 弥生販売 | Zoho CRM |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド/オンプレミス | クラウド | クラウド | インストール型 | クラウド |
| 承認ワークフロー | 多段承認: 最大4段階 条件分岐: 対象書類の金額で分岐 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 対応(否認時はどの段階からでも申請者へ) モバイル承認: 記載なし | 多段承認: 対応(承認オプション) 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし ※承認は多段階に対応するオプションとして提供 | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし ※見積・受注申請・売上計上申請にそれぞれ承認フロー。操作ログの自動保存で承認の証跡を記録 | 多段承認: 対応 条件分岐: 見積金額・値引き率・所属部署など 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 対応(通知メール・履歴あり) モバイル承認: 対応 | 多段承認: 対応(伝票の種類ごとにルート設定) 条件分岐: 金額で最終承認者を分岐 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 対応 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 対応 ※承認はオプション製品「アラジンワークフロー」で提供 | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 見積・納品・請求・発注の発行申請・承認機能あり(承認前の発行制限の仕様は記載なし) 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし ※承認は登録申請と発行申請の2種類。登録申請の承認はスタンダードプラン限定 | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし | 多段承認: 記載なし 条件分岐: 記載なし 承認前の発行ロック: 記載なし 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし | 多段承認: 2人以上の承認者を設定可 条件分岐: 見積額が一定額を超えた場合に適用 承認前の発行ロック: 申請中のデータロックに対応 代理承認: 記載なし 差し戻し: 記載なし モバイル承認: 記載なし ※承認プロセスの利用はエンタープライズプラン以上。承認期限・リマインド通知にも対応 |
| 見積の改訂・版管理 | 案件への複数見積: 1案件内で複数パターンの管理に対応 改訂履歴: 有料アドオン(月額500円・税抜、見積書のみ対象)で変更履歴の保存・差分表示・過去バージョンへの復元・ブランチ管理 | 案件への複数見積: 記載なし 改訂履歴: 記載なし | 案件への複数見積: 記載なし(過去見積・テンプレートの引用コピーに対応) 改訂履歴: 記載なし | 案件への複数見積: 記載なし 改訂履歴: 記載なし(公式の機能ページに独立した記載なし) | 案件への複数見積: 記載なし(過去見積・類似見積の複写に対応) 改訂履歴: 記載なし | 案件への複数見積: 1つの案件に複数パターンの見積を紐づけて管理 改訂履歴: 記載なし(「バージョン管理」「改訂履歴」という表現での記載なし) | 案件への複数見積: 記載なし(得意先・商品から過去見積をワンクリックで検索・複写) 改訂履歴: 記載なし(案件中・成約済・失注のステータス管理のみ) | 案件への複数見積: 記載なし 改訂履歴: 記載なし | 案件への複数見積: 記載なし(商談・取引先の画面から見積書を作成) 改訂履歴: 記載なし |
| 単価マスタ・原価/粗利 | 単価マスタ: 記載なし 原価・粗利: 案件単位で書類と損益を一元管理(見積〜請求〜入金を案件に紐付け) | 単価マスタ: 記載なし 原価・粗利: プロジェクト別収支管理(売上・仕入・経費・社内工数をプロジェクト単位で集計) | 単価マスタ: 記載なし 原価・粗利: 売上に外注費・仕入費・労務費・経費を紐付け、案件別の利益をリアルタイムに可視化。個別原価計算の配賦も自動化 | 単価マスタ: 顧客情報・単価表・過去の見積を見積書へ自動転記 原価・粗利: 複数原価の紐づけによる収支管理、工数・人件費管理 | 単価マスタ: 「単価・見積管理機能」を提供(取引先別・数量別単価の仕様は記載なし) 原価・粗利: 記載なし | 単価マスタ: 商品マスタを活用した見積作成 原価・粗利: 案件別粗利管理は両プラン、案件別原価推移レポートはスタンダードプラン限定 | 単価マスタ: 商品マスタあり(セット契約時は商奉行・蔵奉行で共用) 原価・粗利: 記載なし | 単価マスタ: 記載なし 原価・粗利: 記載なし | 単価マスタ: 価格ルール(CPQ)で価格設定を自動適用(プロフェッショナルプラン以上。同プランは商品設定10件・価格ルール10件などの上限あり) 原価・粗利: 記載なし |
| 外部連携 | SFA/CRM: HubSpot 販売管理: 記載なし 会計: freee会計・マネーフォワード クラウド会計・弥生会計・勘定奉行など(board から会計側への一方向) | SFA/CRM: 記載なし 販売管理: 記載なし 会計: 自社の財務会計モジュールへ部門別・補助科目付きで自動仕訳。他社会計ソフトへの連携出力にも対応(製品名の記載なし) | SFA/CRM: 記載なし 販売管理: 記載なし 会計: 勘定奉行クラウド(API自動連携)ほか、仕訳インポート機能を持つ会計システム | SFA/CRM: Salesforce・kintone 販売管理: 記載なし 会計: freee会計・マネーフォワード クラウド会計Plus・勘定奉行11・弥生会計・PCA会計など(CSV取込・定型メール取込・WEB-API) | SFA/CRM: CROSS POINT 販売管理: 記載なし 会計: 勘定奉行・マネーフォワード クラウド会計・弥生会計・PCA会計など | SFA/CRM: 製品名の記載なし 販売管理: 記載なし 会計: freee会計(仕訳連携には有料プラン契約が必要) | SFA/CRM: 記載なし 販売管理: 記載なし(自社の蔵奉行iクラウドと在庫連動) 会計: 勘定奉行iクラウド・債権奉行iクラウド・債務奉行iクラウド | SFA/CRM: 記載なし 販売管理: 記載なし(本製品が販売管理) 会計: 弥生会計(売上・仕入・入金・出金の仕訳を自動取込) | SFA/CRM: 記載なし(本製品がSFA/CRM) 販売管理: 記載なし 会計: Zoho Books・Zoho Invoice(商品情報を双方向に同期) |
| 初期費用 | 0円 | 0円(販売ERPプラン) 30,000円(標準プラン) 300,000円〜(カスタムプラン) | 100,000円〜(初期設定費用。導入支援は別途見積もり) | 200,000円(税抜) | 要問い合わせ | 0円 | 0円〜70,000円(プランによる) | 50,000円〜(スタンダード) 88,000円〜(プロフェッショナル) いずれも税別・あんしん保守サポート1年分を含む初年度優待価格 | 0円 |
| 月額費用 | 1,200円(Personal・1名) 2,400円(Basic・3名まで) 4,900円(Standard・15名まで) 7,900円(Premium・50名まで) いずれも税抜 | 5,000円〜(販売ERPプラン) 10,000円〜(標準プラン) 120,000円〜(カスタムプラン) いずれも利用する機能ごとの費用が加算 | 保守費用60,000円〜 利用料はモジュール×ライセンス数で非公開(要問い合わせ) | 70,000円〜(税抜) | 要問い合わせ | 約5,000円(スタータープラン・3名利用の目安) 約40,000円(スタンダードプラン・10名利用の目安) いずれも年払い・税抜 | 7,340円〜(商奉行iクラウド単体・小規模企業向け) 13,000円〜(商蔵奉行iクラウド セット・小規模企業向け) 27,500円〜(商蔵奉行iクラウド セット・中小〜中堅企業向け) いずれも税別・法人単位の年間契約 | なし(買い切り型) | 0円(無料プラン・3ユーザーまで、見積書機能は対象外) 1,760円/ユーザー(スタンダード) 3,260円/ユーザー(プロフェッショナル、見積書機能はここから) 5,660円/ユーザー(エンタープライズ、承認プロセスはここから) 7,360円/ユーザー(アルティメット) いずれも年間契約・税抜 |
| 無料プラン・無料トライアル | 無料プラン: なし 無料トライアル: 30日間 | 無料プラン: なし 無料トライアル: 最大2ヶ月 | 無料プラン: 記載なし 無料トライアル: 記載なし | 無料プラン: なし 無料トライアル: あり(期間の記載なし) | 無料プラン: 記載なし 無料トライアル: 記載なし | 無料プラン: なし 無料トライアル: あり(期間の記載なし) | 無料プラン: なし 無料トライアル: 30日間 | 無料プラン: なし(買い切り型) 無料トライアル: 30日間 | 無料プラン: あり(3ユーザーまで、見積書機能は対象外) 無料トライアル: 15日間 |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※上記は2026年8月時点の各社公式情報に基づきます。実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。
業種特有の見積に対応するタイプの比較
| サービス名 | アイピア | KYOEI COMPASS 2.0 | SMILE V POWER見積 | ANDPAD | プロワン | ESTman | 匠フォース | Order CPQ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応業種 | 建築・リフォーム・工務店 | 建築・建設業 | 建設・設備業 | 注文住宅・分譲住宅・リフォーム・設備工事・ゼネコンなどの建設業 | 設備工事・リフォーム・ビルメンテナンス・ガス/エネルギー工事・賃貸管理の原状回復工事など、現場に赴く事業者 | オーダーメイド型の工業製品を扱う中小製造業 | 製造業の部品メーカー(公式事例は切削加工・板金加工) | 製造業(公式事例は横河電機・旭製作所・美和ロック) |
| 見積の作り方(階層・積算方式) | 最大5階層の内訳に対応 縦型・横型など複数フォーマットのテンプレート 過去見積をキーワード・案件名で検索して流用 単価テンプレートで社内標準の単価を登録 | 最大16階層の多階層構造・明細の無制限入力 他物件のデータから同一明細を検索して単価を自動セット 単価マスターの作成・市販単価データの取込 下請見積を最大10社まで並べて比較 法定福利費・現場管理費の自動計算 建築積算システムFKSから数量データを取り込み工種別に自動展開 | 階層構造の建設見積をExcel感覚で作成(鑑・明細形式から多品目の複雑な形式まで) 法定福利費の自動算出 SMILE V 販売の商品マスターを見積内訳から検索してコード・名称・単価を反映(オンプレミス版限定) | 見積作成とテンプレート登録による型化 Excelで作成済みの見積明細をそのまま取り込み(ANDPAD受発注) 階層構造の内訳・積算方式についての記載はなし | テンプレートと価格マスタから作成 過去の見積・案件からの複製 複数プランを並べて提示する見積比較表 タブレット・スマートフォンからの作成 階層構造の内訳・積算方式についての記載はなし | 案件種別ごとに見積明細をテンプレート化し、登録済みの部品を自動入力 数万点規模の部材から検索して明細に指定 過去の見積から類似案件を検索して流用 労務費からの法定福利費の自動算出 | 図面をAI-OCRで読み取り図番・品名・材質を認識 形状の類似度で過去の図面・見積を検索(差分表示あり) 顧客ごとに見積計算式・帳票テンプレートを登録 階層構造の内訳についての記載はなし | 対話型の画面で仕様を選定し、製造できない組み合わせは選択不可 セット価格・期間限定価格の定義、複数製品購入時の自動値引き 代理店ごとの表示価格の切り替え、多言語・多通貨の帳票出力 確定した仕様をE-BOMとして自動生成 |
| 原価・粗利の扱い | 見積から発注までワンクリックで連動し、リアルタイムに粗利を把握して原価割れを防止 | 利益率を確認できる計算パターン機能(原価の登録方法は記載なし) | 予算と見積金額を入力すると部材明細単位の粗利率を計算 見積段階で実行予算・概算利益を確認して受注可否を判断 | 引合から契約までの粗利情報を一元管理 見積データや外部サービスの積算結果を実行予算に取り込み(ANDPAD引合粗利管理) | 商品・作業ごとの単価と粗利率を一元管理 発注・日報の入力が原価管理に自動反映 | 部材の仕入原価・営業原価をマスタに登録し、原価を確認しながら金額を積み上げ(赤字見積の抑制) | 各社の積算ルールに基づく原価の積み上げ計算(粗利の自動計算は記載なし) | 販売価格・原価をマスタで一元管理(粗利の計算についての記載はなし) |
| 提供形態 | クラウド | インストール型/クラウド | クラウド(SMILE V Air)/オンプレミス | クラウド(建設業向け施工管理プラットフォームの一部。見積単体で導入できるかは記載なし) | クラウド | クラウド | 記載なし(初期費用+月額のサブスクリプション型と記載) | サーバーライセンス型(ユーザー数の上限なし) |
| 費用 | 初期費用120,000円(ライトプラン・税抜)、ベーシック・プロフェッショナルは要問い合わせ 月額10,000円(ライト)/20,000円(ベーシック)/30,000円(プロフェッショナル) いずれも税抜・5ユーザーまで、6名目以降は1名2,000円 | 初期費用は記載なし 1ライセンス年額122,100円=月額換算10,175円(2026年9月1日以降) 2026年8月31日までの申し込みは1ライセンス年額92,400円=月額換算7,700円 | 初期費用・月額とも要問い合わせ | 初期費用・月額とも要問い合わせ | 初期費用・月額とも要問い合わせ(4プラン、契約は1年単位) | 初期費用100,000円・月額10,000円/ユーザー(最小5ユーザー・税抜) いずれも2023年3月時点の公表値で、現行の公式サイトには記載なし | 初期費用・月額とも要問い合わせ | 初期費用・月額とも要問い合わせ |
| 無料トライアル | 記載なし(無料デモ体験の申込あり) | あり(期間・条件の記載なし) | 30日間(クラウド版) | 記載なし | なし(公式FAQに明記) | あり(期間・条件は問い合わせ制) | 記載なし | 記載なし |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
この8製品は承認ワークフローと外部連携について公式の記載が限られるため、要件に含む場合は各社への確認が必要です。
※上記は2026年8月時点の各社公式情報に基づきます。実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。
見積管理システム32選をタイプ別に紹介
ここからは、比較表に挙げた32サービスをタイプ別に紹介します。各社の承認ワークフローの作り込みと、連携できる周辺システムの具体名を中心に整理しました。
見積作成・管理に特化したタイプの15サービス
見積書の作成と管理に機能を絞った15サービスです。導入の軽さを重視する企業から、承認ルートを細かく作り込みたい企業まで、必要な統制の強さに応じて選択肢が分かれます。
このタイプは、無料プランから始められる帳票発行寄りの製品と、承認ルートの条件設定まで作り込んだ見積業務専用の製品が混在しています。承認の統制が導入の目的であれば、候補は後者に絞られます。
1. freee請求書(フリー株式会社)

見積書・請求書・納品書・発注書・領収書を同じ画面体系で作成できる、フリー株式会社のクラウド帳票サービスです。無料プランでも個別の帳票発行とインボイス対応の請求書作成ができ、テンプレートは40種類以上から選べます。
料金は無料プランのほか、スタンダードが月額1,980円、アドバンスが月額10,000円の3段階です。一括発行・メール送付・郵送代行(1通187円・税込)はスタンダード以上、自動入金消込と自動仕訳はアドバンスのみが対象になります。
アドバンスプランの機能紹介ページには承認ワークフローという項目が記載されていますが、多段承認や条件分岐といった実装内容と、どのプランで使えるかは公式に公開されていません。会計システムへは仕訳データをCSVまたはAPIで連携でき、連携先の具体名は問い合わせでの確認が必要です。
2. Misoca(弥生株式会社)

弥生株式会社が提供するクラウド帳票サービスで、通数の上限が設けられているのは請求書だけです。見積書・納品書・領収書は無料プランを含む全プランで作成枚数が無制限で、見積書から請求書・納品書への変換、注文書・注文請書の発行にも対応します。
有料プランは請求書の月間通数と同時利用人数で分かれ、プラン15が年額8,800円(税抜・2名まで)、プラン100が年額33,500円(税抜・5名まで)、プラン1000が年額114,000円(税抜・30名まで)です。郵送代行は1通210円(税抜)で、有料プランのみ利用できます。
チーム機能はメンバー間の権限が対等な共同編集で、承認・差し戻し・代理承認に相当する機能は公式の機能一覧にありません。会計面では弥生会計・やよいの青色申告に加え、freee会計、マネーフォワード クラウド会計・確定申告への仕訳連携に対応します。
3. MakeLeaps(メイクリープス株式会社)

見積書・発注書・注文請書・納品書・請求書・検収書・領収書・作業報告書・支払通知書と、9種類前後の帳票を1つのサービスで扱える請求管理クラウドです。開発・提供するのは、株式会社リコーの100%子会社であるメイクリープス株式会社です。
料金は個人プランが1ユーザー月額1,000円、法人プランが1ユーザー月額1,300円に取引先数の従量料金(法人プランのみ。11社目以降は1社110円〜)を加えた形で、社単位のエンタープライズプランは月額33,000円です。取引先3社・ユーザー1名までの無料プランと、30日間すべての機能を試せる無料トライアルも用意されています。
連携先が製品名で公開されている点も判断材料になります。
販売管理はSMILE V 販売シリーズ・商奉行・PCA商魂DX・販売大臣シリーズ、CRM・業務基盤はSalesforce(専用製品のMakeLeaps for Salesforce)とkintoneに対応します。会計は弥生製品(YAYOI SMART CONNECT)が無料連携で、OBC勘定奉行とPCA会計DXは各月額5,000円の有料オプションです。
4. Zoho Invoice(ゾーホージャパン株式会社)

Zoho Corporationの日本法人であるゾーホージャパン株式会社が提供する、クラウド型の請求書・見積書作成ソフトです。多言語・多通貨に対応しており、海外取引のある事業者でも同じ画面で帳票を扱えます。工数管理・プロジェクト管理・経費管理の機能も併せ持ちます。
公式の料金ページには月額0円で全機能を利用できると記載されており、クレジットカードの登録も不要です(2026年6月時点)。ユーザー数や請求書の発行枚数の上限は同ページに明記がないため、人数の多い運用を想定する場合は事前に確認しておきたい点です。
電子帳簿保存法への対応や国内会計ソフトとの連携可否は公式に記載がなく、確認できる連携先はZoho CRMです。商談を登録した際に見積書を自動作成するといった使い方ができ、インボイス制度には登録番号のカスタム項目と税区分表示で対応します。
5. INVOY(FINUX株式会社)

累計登録者数10万ユーザー突破と公式サイトに掲げるクラウド請求管理サービスで、OLTA株式会社の子会社であるFINUX株式会社が運営しています。見積書・発注書・納品書・請求書・領収書の間をワンクリックで複製・変換でき、帳票をまたいだ二重入力を減らせます。
無料プランは永続無料で、5種類の帳票作成、請求書の自動作成予約、メール共有、受取請求書の自動データ化まで利用できます。有料のStandardは月払い980円(税込)または年払い9,800円(税込)で、口座の自動連携と資金繰り表の作成が加わります。
会計ソフトはfreee・マネーフォワード・弥生会計との連携が公式に明記されています。ただし公式サイトで案内されているのはメンバー招待と権限管理までで、承認・差し戻しを伴うワークフロー機能の記載はありません。決裁を経てから見積を発行する運用を組みたい場合は、この点を確かめておく必要があります。
6. invox発行請求書(株式会社invox)

請求データを取り込んで送信方法を指定すると、紙・電子を問わず請求書を発行できる仕組みで、株式会社invoxが提供しています。請求書のほか見積書・納品書・支払通知書も自由なレイアウトで発行でき、売上計上・入金消込・督促までを同じ流れで扱えます。
月額基本料金はフリー0円、ミニマム1,980円、ベーシック9,800円、プロフェッショナル29,800円(いずれも税抜)の4段階で、これに発行1件50円(税込55円)などの従量料金が加わります。送付経路はメール・郵送代行(白黒172円〜)・FAX(15円)・SMS(15円〜)と幅があり、取引先ごとに届け方を変えられます。
電子帳簿保存法については令和3年改正法令基準のJIIMA認証(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会が法的要件への適合を認証する制度)を、情報管理についてはISO/IEC 27001の認証を取得しています。API連携が使えるのはプロフェッショナルプランのみです。
7. Sales Quote Assistant(株式会社NIコンサルティング)

株式会社NIコンサルティングが「可視化経営システム」群の一角として提供する見積管理システムです。同社のSFA「Sales Force Assistant」やグループウェア「NI Collabo 360」と組み合わせて使う設計で、クラウド版と自社サーバーへ導入するパッケージ版を選べます。
承認ワークフローについては、多段階の承認ルールを構築できると公式の機能ページに明記されています。見積書の項目や顧客情報・案件情報の項目ごとに承認ルールの条件を設定でき、NI Collabo 360と連携すれば申請と同時に見積書の承認が行われます。代理承認とスマートフォンからの承認操作については、公式ページに記載がありません。
販売管理システムとは、商奉行・販売大臣・PCA商魂・SMILEの4製品それぞれの受入形式に合わせて見積データを出力するテンプレートで連携します。料金はクラウド版が初期設定費用50,000円と月額780円/名(税別、2026年7月1日版の公式価格表)、パッケージ版が5ユーザー150,000円からのライセンス制で、30日間の無料トライアルがあります。
8. 見積Rich(株式会社コネクティボ)

愛知県名古屋市の株式会社コネクティボが手がけるクラウドサービスで、見積書の作成・承認から注文書・納品書・請求書・領収書の発行までをブラウザ上で完結できます。累計契約数は2,500社超と公式サイトに記載されています。
承認機能は、承認ルートを役職・金額・利益率などの条件で設定できる多段階承認に対応します。承認待ち一覧から承認と差し戻しができ、インターネット環境があれば社外や外出先からの承認も可能です。未承認の見積書は正式な書類として発行できない仕組みで、事後承認の抜け道を塞げます。代理承認の可否は公式に記載がありません。
料金は、見積作成担当者が1名の企業向けの1ユーザープランが無料(月50件まで、承認フローは利用不可)、複数ユーザープランが5ユーザー月額5,000円から50ユーザー47,000円まで(税別)です。30ユーザー以上向けのクラウドプロプランでは、SFAとの連携や、社内の認証基盤とログインを共通化するSAML/LDAP認証に個別カスタマイズで対応します。最大2ヶ月の無料トライアルがあります。
9. リーナー見積(株式会社Leaner Technologies)

自社が出す見積を作る製品ではなく、複数のサプライヤーへ見積を依頼して集める側(調達・購買部門)の業務を担うのが、株式会社Leaner Technologiesのリーナー見積です。品目をCSVで一括登録して複数社へ同時に依頼し、受領した見積を横並びの比較表に自動でまとめられます。
サプライヤーとのやり取りはメール・電話・FAXに代えてシステム上のチャットで行い、案件ごとに履歴が蓄積されます。過去の見積依頼と交渉のやり取りはシステムに蓄積されるため、経験の浅い担当者でも前回の条件を参照しながら依頼を出せます。
社内承認フローの自動化・可視化も機能として挙げられていますが、多段承認や金額などの条件による分岐、代理承認、差し戻しといった実装内容は公式に公開されていません。料金も初期費用・月額とも公表されておらず、課題・導入期間・サポート内容を聞いたうえでの個別提案となります。
10. 見積デザイナー(株式会社ユニオンシンク)

見積作成から履歴管理・原価管理・受注/失注の分析、基幹システム連携までを一元化する見積管理システムです。株式会社ユニオンシンクの「デザイナーシリーズ」の一つで、標準機能をベースに顧客ごとの業務要件へ合わせてカスタマイズする前提で提供されています。
受注確度で色分けした見積管理により案件の状況を一覧で把握でき、蓄積した見積データベースからは利益率・成約率といった観点で検索・比較・出力ができます。商材の原価情報・商品情報をマスタとして一元管理し、最新の情報を共有することで見積の精度を保つ設計です。
承認の段数や条件分岐、代理承認、モバイル承認の仕様を説明した記載は公式の製品ページにありません。基幹システムとはCSVやXMLなど相手側の取込形式に合わせたファイル連携でつなぎます(連携先の具体的な製品名は非公表)。料金は初期費用・月額とも非公開で、要件を伝えたうえでの個別提示となります。
11. ジョブカン見積/請求書(株式会社DONUTS)

株式会社DONUTSの「ジョブカン」シリーズのうち、見積書・発注書・納品書・請求書・合計請求書・領収書をクラウドで扱うサービスです。帳票は案件単位で紐づき、作成済・送付済・受注済といったステータスで進捗を追えます。無料トライアルは30日間です。
承認ワークフローは標準で搭載され、上長・関係者の承認をクラウド上で完結でき、申請と承認のタイミングでメール通知が届きます。ただし承認の段数や金額などによる条件分岐、代理承認、差し戻しの挙動は公式サイトで確認できず、決裁規程が細かい場合は個別の確認が必要です。
OAuth 2.0によるAPI連携基盤も公開されていますが、つなげる会計・SFA製品の具体名は明示されていません。2026年2月のアップデートでは、粗利率を入力すると販売単価を自動算出する機能と、複数の発注書を集約して1つの見積書を作る発注書統合機能が、プロフェッショナルプラン向けに追加されました。
12. SmartDeal(株式会社テクノデジタル)

商談の記録・提案内容・進行状況を起点に、見積書・請求書・発注書・申込書へ1クリックで変換できる、法人営業向けの受注プロセス管理クラウドです。提供元は株式会社テクノデジタルで、書類は共有URLで提示し、電子署名による契約締結までオンラインで完結できます。
承認機能は初期設定ではオフになっており、有効にすると帳票の共有URL発行とPDF化が承認完了までロックされます。承認操作ができるのは管理者・責任者権限のユーザーのみで、多段承認・金額などによる分岐・代理承認・差し戻し・モバイル承認の可否は公式マニュアルに記載がありません。
外部連携は、請求書をfreeeの事業所へ複製するfreee連携と、Sansanの名刺データを取引先情報として取り込むSansan連携が公式マニュアルで確認できます。いずれも一方向の連携です。料金は初期費用・月額とも公表されておらず、請求書の送付リンク数でプランが分かれるという説明にとどまります。
13. アイディックシステムの見積管理システム

兵庫県姫路市のアイディックシステム株式会社が自社開発・販売する見積管理システムです。よく作る類似見積をセットとして登録して呼び出す機能、過去の見積内容を新規見積へ転記する機能、伝票の複写など、入力の手間を減らす仕組みで構成されています。
見積のステータスは成約・請求・失注として一元管理でき、原価計算による粗利の確認、内訳見積の作成、印影の出力、縦横それぞれの見積書レイアウトにも対応します。見積から請求書を発行するところまで、同じシステムで完結する構成です。
一方で、多段承認や条件分岐といった承認ワークフロー、SFA/CRM・販売管理・会計システムとの連携については、公式の製品ページに記載がありません。料金も非公開で、資料請求や導入相談からの問い合わせが前提になります。問い合わせ窓口は電話(平日9時〜18時)が案内されています。
14. やよいの見積・納品・請求書(弥生株式会社)

Windows PCへインストールして使う、個人事業主・小規模事業者向けの帳票作成ソフトです。弥生株式会社が提供し、見積書・納品書・請求書の作成、得意先・商品情報の台帳管理、PDF出力によるメール送付までを1本で行えます。現行バージョンは2025年11月に提供が始まった「26」です。
帳票の入力時に得意先・商品の情報が台帳へ自動登録されるため、同じ内容を繰り返し打ち込む手間が減ります。インボイス制度と軽減税率8%に対応し、明細ごとの課税区分の選択と、税率ごとの消費税額の自動集計を行います。弥生会計へは作成した帳票データを連携できます。
受注・仕入・在庫管理の機能は持たず、帳票の作成・管理に絞った製品です。承認ワークフローは公式の機能紹介・サポートページのいずれにも記載がなく、単一ユーザーでの利用を前提とした設計になっています。あんしん保守サポートに加入していても電話サポートの対象外となる点も、あわせて確認しておきたいところです。
15. みつも郎20(コベック株式会社)

Windows専用のインストール型見積書作成ソフトで、コベック株式会社が販売しています。本体価格は30,000円+消費税の買い切りで、月額の継続課金は発生しません。同一事業所内での追加ライセンスは1台15,000円+消費税、ネットワーク共有版のLAN Expressは3ライセンス126,000円+消費税です。
帳票まわりの作り込みが細かく、0.1mm単位での印刷位置指定や、用紙サイズ・方向に合わせたレイアウトの自動調整に対応します。出荷時に約200種の書式が付属し、うち30種がインボイス対応書式です。原価割れを検知する単価自動チェック機能も備えます。
外部連携は別売の「販売みつも郎19」(30,000円+消費税)へ見積データを受注・納品伝票の明細として取り込む形に限られ、承認ワークフローについての記載も公式ページにはありません。加えて消費税は単一税率のみの対応で、複数税率が混在する場合は書類を2件に分けるといった対応が必要と公式サイトが明記しており、軽減税率の対象品目を扱う場合は運用の確認が要ります。
見積から受注・請求まで一気通貫のタイプの9サービス
見積を販売業務全体の入口として扱う9サービスです。受注・売上・請求までを同じデータで流したい企業や、基幹システムの刷新をあわせて検討している企業に向きます。
16. board(ヴェルク株式会社)

ヴェルク株式会社が運営する、見積書から発注書・納品書・請求書までを案件単位で管理するクラウドサービスです。在庫管理機能を持たず、在庫を扱わない受託・サービス業に機能を絞っています。料金は初期費用0円、月額1,200円(Personal・1名・税抜)から、50名まで使えるPremiumの7,900円(税抜)までの4段階です。
承認は申請フロー機能で最大4段階まで設定でき、対象書類の金額を指定して異なるフローを適用できます。否認された場合はどの段階からでも申請者へ差し戻される仕様です。代理承認とスマートフォンからの承認については、公式ヘルプに記載がありません。
会計ソフトとの連携はboardから会計側へデータを渡す一方向で、freee会計・マネーフォワード クラウド会計・弥生会計・勘定奉行などが対象です。SFA/CRMはHubSpotと連携します。なお見積書のバージョン管理は月額500円(税抜)の有料アドオンで、対象は見積書のみです。
17. SmileWorks(株式会社スマイルワークス)

販売・仕入・在庫から財務会計・給与計算・経費精算までを1つに束ねた、中小企業向けのクラウドERPです。見積は販売管理モジュール「販売ワークス」で扱い、登録から受注・売上・請求・入金消込までが同じデータでつながります。無料トライアルは最大2か月です。
売上・仕入・入金・支払のデータは、会計連動ボタンから部門別・補助科目付きの仕訳として自動作成されます。他社の会計ソフトへ連携出力する機能も2023年7月に追加されました。プロジェクト単位で売上・仕入・経費・社内工数を集計する収支管理を主軸に据えている点も、この製品の設計上の軸になっています。
承認は多段階に対応するオプションとして提供され、条件によるルート分岐・代理承認・モバイル承認の可否は公式サイトに記載がありません。料金は月額5,000円の販売ERPプラン(初期費用0円)から標準プラン月額10,000円(初期費用30,000円)、カスタムプラン月額120,000円(同300,000円)までで、いずれも利用する機能ごとの費用が加算されます。
18. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

案件・契約・プロジェクト単位で業務が進む業種に向けたクラウドERPで、提供元は東証プライム上場の株式会社オロです。販売管理ライセンスでは、引合・見込管理から見積・受注・売上・請求・債権管理までを一連の流れとして扱います。
見積は過去の見積やテンプレートを引用してコピーでき、見積・受注申請・売上計上申請のそれぞれに承認フローが用意されています。電子承認ワークフローと操作ログの自動保存により、誰がいつ承認したかの証跡を残せます。
会計システムとは仕訳データのインポート機能があれば連携でき、勘定奉行クラウドとのAPI自動連携は提供元のオービックビジネスコンサルタント側でも案内されています。料金は初期設定費用10万円と保守費用月額6万円からで、販売管理などモジュール別のライセンス単価は公開されておらず、製品資料での確認が必要です。
19. 楽楽販売(株式会社ラクス)

株式会社ラクスのクラウド型販売管理システムで、見積の内容がそのまま受注・売上・請求データへ引き継がれます。ノンプログラミングで管理画面・入力フォーム・ワークフローを組み立てられるため、自社の帳票や計上ルールに合わせた運用ができます。
承認ワークフローは多段階に設定でき、見積金額・値引き率・申請者の所属部署といった条件でルートを自動分岐させられます。差し戻しの際は通知メールが送られ、承認履歴とやり取りも記録として残ります。スマートフォンやタブレットからの申請内容の閲覧・承認にも対応しますが、代理承認は公式サイトに記載がありません。
連携先はSFA/CRMがSalesforceとkintone、会計がfreee会計・マネーフォワード クラウド会計Plus・勘定奉行11・弥生会計・PCA会計などで、方式はCSV取込・定型メール取込・WEB-APIの3種類です。料金は初期費用200,000円・月額70,000円(いずれも税抜)からで、利用ユーザー数などによって変動します。
20. アラジンオフィス(株式会社アイル)

販売・在庫・購買管理を1本にまとめたパッケージシステムで、オンプレミスと「アラジンクラウド」のどちらでも導入できます。アパレル・食品・鉄鋼・ねじ・工具など、業種ごとの商習慣に合わせた特化パッケージを用意している点も選定時の材料になります。
見積書は過去の見積や類似見積を複写して作成でき、見積決定分析問合せでは見積が受注に至ったかを一覧で確認できます。成約した見積は受注入力へ引き当てられます。会計側は勘定奉行・マネーフォワード クラウド会計・弥生会計・PCA会計などと連携しますが、SFA/CRMの区分に挙げられているのはCROSS POINTのみです。
承認機能はオプション製品「アラジンワークフロー」として提供され、伝票の種類ごとの承認ルート設定、金額による最終承認者の分岐(公式の例では20万円未満は課長、100万円未満は部長、100万円以上は社長)、代理承認、スマートフォンやタブレットからの承認に対応します。本体・オプションとも料金は公開されておらず、要問い合わせです。
21. freee販売(フリー株式会社)

フリー株式会社が2022年11月に提供を開始したクラウド型の販売管理システムです。見積・受注・売上・請求・入金・原価を案件単位で扱い、1つの案件に複数パターンの見積を紐づけて管理できます。料金は初期費用0円で、公式サイトが示す目安はスタータープランが3名利用で約5,000円/月、スタンダードプランが10名利用で約40,000円/月です(いずれも年払い・税抜)。
承認は、見積・発注・仕入の登録申請と、見積・納品・請求・発注の発行申請の2種類に分かれます。登録申請の承認はスタンダードプラン限定で、発行申請の承認はスタータープランでは条件付きの提供です。多段階承認の段数や金額による分岐、代理承認、差し戻し、モバイル承認については、公式サイトに記載がありません。
SFAとのデータ連携は機能として挙げられていますが、連携先の具体名は公式サイトに示されていません。会計側はfreee会計と取引先マスタや帳票テンプレートを共有し、売上・仕入などのデータを連携します。決済ステータス管理や会計仕訳連携にはfreee会計の有料プラン契約が必要で、freee会計を使わずに抽出データを既存の会計システムへ取り込む運用も案内されています。
22. 商蔵奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

奉行シリーズのうち、見積から請求までの販売管理を担う「商奉行iクラウド」と、発注・仕入・在庫を担う「蔵奉行iクラウド」を組み合わせたクラウドサービスです。それぞれ単体でも契約でき、セットで契約すると商品マスタの共用と在庫の連動ができます。
見積書は得意先や商品から過去の見積を検索して複写でき、外出先からの作成・送信にも対応します。見積情報は案件中・成約済・失注のステータスで管理し、成約した見積は受注伝票や売上伝票へ直接転記できます。一方で承認ワークフローに関する記載は公式サイトに見当たらず、多段承認や金額による分岐の可否は個別の確認が必要です。
連携は勘定奉行iクラウド・債権奉行iクラウド・債務奉行iクラウドという奉行シリーズ内が中心で、外部のSFA/CRMとの連携は公式に明記されていません。kintoneやWeb見積作成システムとはAPIで連携します。料金は法人単位の年間契約で、セット契約は小規模企業向けが月額13,000円(税別)から、中小〜中堅企業向けが月額27,500円(税別)からです。
23. 弥生販売(弥生株式会社)

パソコンにインストールして使う買い切り型の販売管理ソフトです。見積・受注・売上伝票の作成とPDF送信から、都度請求・締請求に対応した請求書発行、回収予定表・入金予定表の作成までを1本で行えます。
製品は事業規模に応じて3つのグレードに分かれ、仕入・在庫管理はプロフェッショナル以上で使えます。価格はあんしん保守サポート1年分を含む初年度優待価格で、スタンダードが50,000円、プロフェッショナルが88,000円(いずれも税別、ベーシックプラン適用時)からです。
弥生会計とは、売上・仕入・入金・出金の仕訳データを自動で取り込む形で連携し、請求書などの電子保存は「スマート証憑管理」と組み合わせて行います。承認ワークフローについては公式サイトに記載がありません。ブラウザから使いたい場合は、外部のホスティング事業者や販売パートナーがデスクトップ版をクラウド化するサービスを利用する形になります。
24. Zoho CRM(ゾーホージャパン株式会社)

ゾーホージャパン株式会社が国内で提供するSFA/CRMで、見積管理は営業プロセスの一部として組み込まれています。商談や取引先の画面から見積書(Quotes)を作成し、商談に登録した商品・数量・価格を引き継げるため、案件情報と見積が最初から紐づきます。請求まわりはZoho BooksやZoho Invoiceとの統合でも扱え、商品情報は双方向に同期されます。
見積書の作成はプロフェッショナルプラン(1ユーザーあたり月額3,260円、年間契約・税抜)以上で利用でき、3ユーザーまでの無料プランでは使えません。仕様の選択に応じて価格を自動算出するCPQも同プラン以上で、プロフェッショナルプランでは商品設定10件・価格ルール10件といった上限があります。
承認プロセスは2人以上の承認者を設定でき、見積額が一定額を超えた場合に限って特定の承認プロセスを適用する金額条件での分岐、承認期限とリマインド通知、申請中のデータロックに対応します。代理承認・差し戻し・モバイル承認は公式サイトに記載がなく、承認プロセスを使えるのはエンタープライズプラン(同5,660円)以上です。
業種特有の見積に対応するタイプの8サービス
建設業の積算や製造業の原価積み上げなど、業種固有の見積要件に対応する8サービスです。汎用製品では項目や計算方法が足りない場合の選択肢になります。
ただし、この8サービスには性格の異なる2種類が含まれます。階層構造の内訳書や部品単位の原価積み上げといった見積の作り方そのものを業種仕様で備える製品と、施工管理や現場管理といった業種の業務全体を扱い、その一部として見積を担う製品です。後者は見積単体で導入できるとは限らないため、必要な範囲がどちらなのかを踏まえて読み進めてください。
25. アイピア(株式会社アイピア)

建築・リフォーム・工務店を対象としたクラウド型の業務管理システムで、顧客管理から見積・積算、原価発注、請求・入金、工程管理までを1つの仕組みでつなぎます。見積書は最大5階層の内訳に対応し、過去の見積を案件名やキーワードで検索して流用できます。
単価テンプレートで社内標準の単価を登録できるため、担当者ごとの金額のばらつきを抑えられます。見積と発注はクラウド上で申請・承認でき、上長が外出先のスマートフォンから部下の見積を確認する運用も可能です。ただし多段承認・条件分岐・代理承認の具体的な仕様は公式サイトに記載がありません。
会計ソフトや外部のSFA/CRMとの連携は公式サイトに記載がなく、確認できる外部連携はGoogleドライブ・LINE WORKS・GMOサインです。料金はライトプランが初期費用120,000円・月額10,000円、ベーシックが月額20,000円、プロフェッショナルが月額30,000円(いずれも税抜、5ユーザーまで)で、6名目以降は1名につき月額2,000円(税抜)が加算されます。
26. KYOEI COMPASS 2.0(協栄産業株式会社)

1982年発売の「KYOEI COMPASS」シリーズの最新版にあたる、建築・建設業向けの見積書作成システムです。最大16階層の多階層構造と明細の無制限入力に対応し、法定福利費・現場管理費の自動計算も備えます。
値入の負担を減らす仕組みとして、他物件のデータから同一明細を検索して単価を自動セットする機能があります。下請から集めた見積は最大10社まで並べて比較でき、Excel形式の見積依頼書の出力・取込にも対応します。同社の建築積算システム「FKS」から数量データを受け取り、工種別に自動展開することもできます。
承認ワークフロー、および販売管理・会計・SFA/CRMとの連携は公式サイトに記載がありません。料金は1年単位のサブスクリプションで、2026年9月1日以降は1ライセンス年額122,100円(月額換算10,175円)への改定が告知されています。2026年8月31日までの申し込みは1ライセンス年額92,400円(月額換算7,700円)、3ライセンスは年額224,400円です。
27. SMILE V POWER見積(株式会社OSK)

中堅・中小企業向け統合業務パッケージ「SMILE V」の業種特化モジュールで、建設・設備業の見積を担当します。開発は株式会社OSK、販売は親会社の大塚商会が行い、オンプレミス版とクラウド版(SMILE V Air)から選べます。料金は要問い合わせで、クラウド版には30日間の無料トライアルがあります。
階層構造を持つ建設見積をExcel感覚で作成でき、予算と見積金額を入力すると部材明細単位の粗利率まで計算します。見積の段階で実行予算と概算利益を確認したうえで受注可否を判断でき、法定福利費の自動算出にも対応します。
承認は「SMILE V ワークフロー」または「eValue ワークフロー」との連携で実現する構成で、申請・承認・取り下げ・否決の電子化と、次の承認者への通知メール送信に対応します。見積データはコストマネージャーやSMILE 会計のプロジェクト原価管理業務オプションへ取り込めますが、SMILE V 販売との連携はオンプレミス版限定です。
28. ANDPAD(株式会社アンドパッド)

建設業の施工管理をまとめて扱うクラウドプラットフォームです。対象は注文住宅・リフォーム・設備工事・ゼネコンなど幅広く、見積に関わる機能は「ANDPAD引合粗利管理」「ANDPAD受発注」「ANDPAD資料承認」という複数のプロダクトに分かれており、見積単体で導入できるかは公式サイトで確認できません。料金は要問い合わせです。
引合粗利管理は、引合から契約までの粗利情報、見積作成、実行予算の作成・編集、入出金管理を扱います。受発注は見積書・発注書の作成とペーパーレス化に特化し、Excelで作成済みの見積明細をそのまま取り込めるほか、スマートフォンからの操作にも対応します。
資料承認では資料や所属部署ごとに承認フローを設定でき、承認者不在時の代理承認者も指定できます。ただし公式ページが例示する対象書類は施工計画書や工事完了報告書で、見積書が含まれるかは記載がありません。外部連携はアプリマーケット経由で、Salesforce・freee会計・マネーフォワード クラウド会計などが公開時(2021年11月)の第一弾に含まれます。
29. プロワン(株式会社ミツモア)

設備工事・リフォーム・ビルメンテナンス・賃貸管理の原状回復工事など、現場に赴く事業者を対象とした業務管理システムです。見積、発注、スケジュール、請求・入金、承認までを1つのシステムで扱います。料金は4プランとも要問い合わせで、契約は1年単位、無料トライアルの提供はありません。
見積はテンプレートと価格マスタから作成し、商品・作業ごとの単価と粗利率を一元管理します。過去の見積や案件からの複製、複数プランを並べて提示する見積比較表に加え、タブレット・スマートフォンからの作成にも対応します。2026年3月には、社内承認から取引先への電子署名依頼までをつなぐオプションの提供が始まりました。
承認ワークフローは「下書き」「進行中」「承認済み」「差し戻し」など7段階のステータスで管理し、承認が済むまでは書類のメール送信・印刷・ダウンロードを制限できます。多段承認や金額による条件分岐の仕様、会計ソフトの連携先製品名は公式サイトに記載がないものの、スマートフォンからの承認には対応します。
30. ESTman(株式会社アフォーダンス)

大量の部材を組み合わせるオーダーメイド型の工業製品を扱う中小製造業に向けて、株式会社アフォーダンスが2023年3月から提供するクラウド型の見積作成支援システムです。案件種別ごとに見積明細をテンプレート化して登録済みの部品を自動入力でき、顧客ごとの見積件数・受注率・売上見込みをグラフで確認する機能も備えます。
数万点規模の部材から検索して明細に指定でき、過去の見積から類似案件を探して流用することもできます。部材の仕入原価・営業原価をマスタに登録し、原価を確認しながら金額を積み上げる設計で、赤字見積の抑制を狙います。労務費からの法定福利費の自動算出にも対応します。
販売管理・生産管理・在庫管理システムから受注状況のデータを取り込み、見積のステータスを一括更新できます。ただし連携先の製品名と承認ワークフローについては、公式サイトで記載を確認できません。料金は初期費用10万円・月額1万円(税抜、1ユーザーあたり、最小5ユーザー)が2023年3月の公表値で、現行の公式サイトには価格の記載がなく最新額は要問い合わせです。
31. 匠フォース(匠技研工業株式会社)

匠技研工業株式会社が提供する、製造業の部品メーカー向けのAI見積・図面管理システムです。図面をアップロードするとAI-OCR(画像から文字を読み取る技術)が図番・品名・材質を認識し、形状の類似度から過去の図面と見積を検索します。
見積計算式と帳票テンプレートは顧客ごとに登録でき、自社の積算ルールに沿って原価を積み上げられます。案件・図面・見積書を紐づけて管理し、閲覧・編集・削除の操作権限も個別に制御できます。公式noteの導入事例では、見積作成時間が3分の1に短縮した例と、見積を作成できる担当者が1名から5名に増えた例が、それぞれ別の記事で紹介されています。
外部連携で具体名を確認できるのは生産管理システム「TECHS-BK」(株式会社テクノア)で、見積データをCSV出力して受注データや作業指示書の作成用データとして一括登録します。連携はオプション扱いで60万円からとされ、会計・販売管理・SFA/CRMとの連携や承認ワークフローは公式情報で確認できません。料金は要問い合わせです。
32. Order CPQ(株式会社構造計画研究所)

仕様選定(Configure)・価格算出(Price)・見積作成(Quote)を担う製造業向けのCPQシステムで、仕様の組み合わせを制御するエンジンには米国Revalize社の製品を採用しています。対話型の画面で仕様を選ぶと、製造できない組み合わせはそもそも選択できないよう制御されます。
価格面では、セット価格や期間限定価格の定義、複数製品購入時の自動値引き、代理店ごとの表示価格の切り替え、多言語・多通貨での帳票出力に対応します。確定した仕様はE-BOM(設計部品表)として自動生成され、製造部門へ引き継げます。
承認ワークフローと連携先の具体名は公式サイトで確認できず、料金も要問い合わせです。ライセンスはサーバー単位でユーザー数の上限がなく、代理店や販社にも同じ条件で広げられます。錠前メーカーの美和ロック株式会社の事例では、新シリーズのマスター登録に1か月を要していた作業が導入後は1日で完了するようになったと公表されています。
見積管理システムを導入するメリット
見積管理システムの効果は、作業時間の短縮だけにとどまりません。社内で導入を提案する際の材料として、4つの観点で整理します。
- 見積のノウハウが組織に残る:受注につながった見積の構成や単価が全社で共有されるため、経験の浅い担当者でも過去の成功例を土台に見積を組み立てられます。特定の担当者しか適切な見積を出せない、という属人化の解消につながります。
- 転記ミス・計算ミスが減る:単価をマスタから呼び出し、金額を自動計算する仕組みにすることで、手入力に起因する誤りが構造的に減ります。誤った金額の見積を提出して後から訂正する、という信用に関わる事故を防げます。
- 提出までのリードタイムが縮まる:承認をシステム上で回せば、書類を印刷して回付する時間や、承認者の在席を待つ時間がなくなります。モバイル承認に対応していれば、外出中でも承認が進みます。見積の提出が早い会社が受注しやすいという営業の現実に、直接効く部分です。
- 蓄積したデータを値付けに活かせる:見積が一箇所にたまると、取引先別・商品別の受注率や利益率を集計できます。「この値引き幅は受注率にどれだけ効いているのか」を数字で確認できるようになり、値付けの見直しが感覚論から抜け出します。
Excel運用のままだと何が起きるか
表計算ソフトでの見積管理は、始めるコストがかからず操作にも慣れているぶん、限界が見えにくいという特徴があります。社内で導入を提案する際は、次の4点に絞って現状を言語化すると伝わりやすくなります。
1つ目は最新版の特定です。ファイルを複製して条件を変えていくうちに「見積_A社_最終_修正2」のような名前が並び、どれを提出したのかが分からなくなります。担当者が異動・退職すると、その案件の経緯を誰も追えません。
2つ目は同時編集です。共有フォルダに置いたファイルは同時に開けず、誰かが編集中なら閲覧しかできません。上長が内容を確認したいだけでも、担当者がファイルを閉じるのを待つことになります。
3つ目は承認の記録です。メールや口頭で承認をやり取りしていると、いつ誰が何を承認したのかがファイル自体には残りません。監査や取引先とのトラブルの際に、経緯を示す材料が手元にないという状態になります。
4つ目は単価の統一です。担当者ごとにテンプレートを持ち、そこに書かれた単価が更新されないまま使われると、同じ商品でも見積によって金額が違うという事態が起こります。値引き幅の妥当性も、上長が一件ずつ目視で確認するしかありません。
これらは、見積の件数と関わる人数が増えるほど深刻になります。逆にいえば、担当者1名・月数件の規模であれば表計算ソフトで十分に成立します。自社がどちらの段階にいるかを、上記4点に照らして確認してみてください。
見積管理システム導入の進め方と注意点
製品を決めたあとにつまずく箇所は、ある程度パターンが決まっています。契約前に押さえておきたい論点を2つに分けて整理します。
導入前に決めておくこと(対象業務・データ移行・テスト運用)
製品を決めたら、まず関係部署をいつ巻き込むかを決めておくと進めやすくなります。見積の承認には上長が、受注・請求まで載せるなら経理が関わります。稼働直前に「経理側の運用が決まっていない」と気づく手戻りは、この巻き込みが遅れたときに起きます。
次に必要になるのが、既存データのどこまでを移行するかの棚卸しです。移行対象になるのは主に、取引先マスタ・商品/単価マスタ・過去の見積データの3つです。マスタは新しい仕組みの土台になるため移行が前提になりますが、過去の見積は「直近1年分だけ移す」「参照用に元のファイルを残す」といった割り切りも選べます。
多くの製品はCSVでの取り込みに対応していますが、複雑な数式やマクロを組んだ表計算ファイルは、そのままの形では移せないと考えておくのが安全です。
そのうえでテスト運用で何を確かめるかを決めておきます。マスタを一部だけ登録して直近の案件を数件入力し、次の3点を実際の担当者に確かめてもらう形が確実です。
- 自社の見積書のレイアウトが再現できるか
- 決裁規程どおりの承認ルートが組めるか
- 承認から発行までが想定した時間で回るか
この3つが確認できていれば、本稼働後に運用を組み直すリスクはかなり下がります。
取引先の受け取り方法・セキュリティ・費用面で見落としやすい点
社内の準備が整っていても、社外との接点で想定外が起きることがあります。契約前に確認しておきたい3点を挙げます。
取引先の受け取り方法は最初に確認したい項目です。システムから直接メール送信する、PDFをダウンロードして自社のメールで送る、URLを共有して閲覧してもらう——製品によって標準の届け方は異なります。
取引先が押印のある紙の見積書を求める場合や、指定の様式での提出を求める場合もあるため、主要な取引先の要件を先に洗い出しておきましょう。郵送代行を使う場合は、1通あたりの費用も総額に加えて試算するのが一般的です。
セキュリティは、見積データが単価・原価・取引条件という機微な情報を含む点を踏まえた確認が必要です。閲覧できる範囲をユーザーや部署ごとに制御できるか、原価情報を営業担当者に見せない設定ができるか、操作の履歴が残るかといった点です。クラウド型では、提供事業者側の認証取得状況(ISO/IEC 27001など)も判断材料になります。
費用面で見落としやすいのは、月額に含まれない項目です。前述の課金単位に加えて、初期設定やマスタ移行の支援費用、帳票レイアウトのカスタマイズ費用、承認ワークフローのオプション料金、データ容量を超えた場合の追加費用が該当します。買い切り型を選ぶ場合は、年間の保守サポート料と、法改正時のバージョンアップが有償か無償かを確認してください。
見積書と電子帳簿保存法・インボイス制度の関係
見積管理システムの製品ページには「電子帳簿保存法対応」「インボイス制度対応」と並んでいることが多いものの、見積書という書類がそれぞれの制度でどう扱われるのかまでは書かれていません。
結論から言えば、製品選定で確認すべきは次の3点です。訂正・削除の履歴が残るか(あるいは訂正・削除ができない仕組みか)、見積年月日・見積金額・取引先名称で検索でき、範囲指定と組み合わせ検索ができるか、7年(欠損金が生じた事業年度は10年)の保存に耐えるデータ保管ができるか。インボイス制度については、確認対象は見積書ではなくその先で発行する請求書になります。
以下では、この3点がなぜ必要になるのかを、読者が抱きやすい2つの問いに沿って法令と国税庁の資料で切り分けます。急ぐ場合は上の3点だけ持って比較表に戻っていただいても構いません。

見積書はインボイス制度の適格請求書に当たるのか
適格請求書(インボイス)は、消費税法第57条の4第1項が定める記載事項を備えた書類を指します。書類の名称は問われず、請求書・納品書といった名前でなくても記載事項を満たせば適格請求書として扱われます。では見積書はどうか——判断の鍵は、記載事項の1つである日付の定義にあります。
二 課税資産の譲渡等を行つた年月日(課税期間の範囲内で一定の期間内に行つた課税資産の譲渡等につきまとめて当該書類を作成する場合には、当該一定の期間)
出典:消費税法 第五十七条の四第一項第二号|e-Gov法令検索
記載すべきは「課税資産の譲渡等を行つた年月日」——商品の引き渡しやサービスの提供が済んだ日です。取引が成立する前に提示する見積書には、この日付が存在しません。交付義務についても、国税庁は「国内において課税資産の譲渡等(注略)を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)からの求めに応じて適格請求書を交付する義務が課されています」と説明しており、義務が生じるのは取引を行った後です。
買い手側から見ても同じ結論になります。仕入税額控除の要件として保存すべき「請求書等」の範囲は消費税法第30条第9項が定めていますが、そこに列挙されているのは適格請求書・適格簡易請求書とその電磁的記録、仕入明細書等、媒介者が作成した書類、輸入許可書等で、見積書は挙げられていません。見積書を保存していても仕入税額控除の要件は満たせないため、取引後に適格請求書等を別途受け取って保存する必要があります。
したがって、見積管理システムを選ぶ際に「インボイス対応」として確認すべきなのは、見積書そのものではなく、その先で発行する請求書が記載事項を満たすかどうかです。見積から請求まで同じ仕組みで発行する製品を選ぶ場合は、適格請求書を電磁的記録で提供したときに写しの保存義務が生じる点(消費税法第57条の4第6項)まで含めて、保存の仕組みを確認しておきましょう。
出典・参考資料(2件)
見積の先にある請求書の発行をこれから仕組み化するのであれば、以下の記事もあわせてご覧ください。請求書発行システムをタイプ別に比較し、適格請求書の記載事項や電子帳簿保存法への対応状況を整理しています。
電子で授受した見積書は電子取引データとして保存が必要か
こちらは解釈の余地がありません。電子帳簿保存法は「電子取引」の定義そのものに見積書を挙げています。
五 電子取引 取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいう。以下同じ。)の授受を電磁的方式により行う取引をいう。
出典:電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律 第二条第五号|e-Gov法令検索
そして同法第7条は、所得税(源泉徴収に係る所得税を除く)および法人税に係る保存義務者が電子取引を行った場合、その取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならないと定めています。
国税庁の取扱通達2-2は、電子取引の例としてEDI取引、インターネット等による取引、電子メールで取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含む)、サイトを通じた授受を挙げています。見積書をPDFにしてメールで送っている運用は、この定義にそのまま当てはまります。
かつては受け取ったデータを印刷して紙で保管する方法も認められていましたが、国税庁は「令和3年度の税制改正により電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、電磁的記録を出力した書面等を保存する措置は廃止され、その電磁的記録(データ)を保存しなければならないこととされました」と説明しています。メールで受け取った見積書を印刷してファイリングする、という運用は現在では成立しません。
一方で、やり取りした見積書をすべて残さなければならないわけでもありません。国税庁は保存が不要な見積書の例を具体的に示しています。
なお、「見積書」との名称の書類で相手に交付したものであっても、連絡ミスによる誤りや単純な書き損じ等があるもの、事業の検討段階で作成された、正式な見積書前の粗々なもの、取引を希望する会社から一方的に送られてくる見積書などは、保存の必要はないものと考えられます。
出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和8年7月)問2|国税庁
保存が必要な見積書データには、真実性と可視性の2つの要件が課されます。真実性の確保は、電子帳簿保存法施行規則第4条第1項が挙げる4つの措置のうちいずれか1つを行えば満たせます。
4つとは、授受の前後にタイムスタンプを付す、訂正・削除の事実と内容を確認できるシステムを使う、訂正・削除ができないシステムを使う、正当な理由がない訂正・削除の防止に関する事務処理規程を定めて運用する——です。タイムスタンプが必須というわけではありません。
可視性の確保は、ディスプレイ・プリンタ等を備えて速やかに出力できる状態にすることと、検索機能を確保することです。検索機能には次の3つの要件があります。
- 取引年月日その他の日付・取引金額・取引先を検索条件に設定できること
- 日付または金額は範囲を指定して条件設定できること
- 2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて条件設定できること
見積書の場合、国税庁は取扱通達4-30でスキャナ保存の記録項目を「見積年月日、見積金額及び取引先名称」と示しており、電子取引データの検索機能も同じ規定(施行規則第2条第6項第5号)を引いています。
見積書ならではの論点として、1回の見積に複数の金額が並ぶ場合の扱いも示されています。
一つの取引に関して、異なる取引条件等に応じた複数の見積金額が記録された見積書データを授受した場合、検索機能における記録項目である「取引金額」については、課税期間において自社で一貫して規則性を持っている限り、見積書データに記録されている見積金額のうちいずれの見積金額を用いても差し支えありません。
出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和8年7月)問56|国税庁
どの金額を使うかは自社で決めてよいものの、課税期間の途中でルールを変更すると適切に検索できなくなるため、期中の変更は避けるよう国税庁は注意を促しています。単価契約のように金額が定まらない見積書については、取引金額を空欄または0円と設定して差し支えないとされています(同 問58)。
ただし、判定期間に係る基準期間の売上高が5,000万円以下で、税務調査時のダウンロードの求めに応じられる場合は、検索機能の確保が不要になります。ただし不要になるのは検索機能だけで、データを保存する義務と真実性を確保する措置は残ります。
紙で受け取った見積書をスキャンして保存する場合は、扱いが軽くなります。国税庁は見積書を、資金や物の流れに直結・連動しない「一般書類」に区分しており、入力時期を「適時に入力」としています。請求書・領収書・契約書、および納品書(写しを除く)が重要書類に区分されるのとは対照的です。
一般書類では入力期間の制限と帳簿書類間の相互関連性の確保が外れる代わりに、電磁的記録の作成・保存に関する事務手続を明らかにした書類(事務の責任者を定めたもの)の備付けが必要になります(施行規則第2条第7項)。
保存期間も押さえておきましょう。法人税法施行規則第59条第1項第3号は、青色申告法人について、取引に関して相手方から受け取った見積書と、自社が作成した見積書の写しを保存対象として名指ししており、その期間は起算日から7年間です。
起算日は書類の作成・受領の日ではなく、その事業年度終了の日の翌日から2か月を経過した日を指します。欠損金が生じた事業年度については10年間の保存が必要です(同規則第26条の3第1項)。個人事業者(青色申告)の場合、見積書などの書類は5年間とされています。
冒頭に挙げた3点が、ここまでの要件を製品選定の言葉に置き換えたものです。
このうち訂正・削除の履歴については、見積特化タイプと一気通貫タイプの比較表にある「見積の改訂・版管理」列で製品ごとの記載状況を確認できます。検索要件と保存年数への対応は、公式サイトで明記している製品が限られるため、資料請求や問い合わせの際に上の3点をそのまま質問として使ってください。
出典・参考資料(6件)
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自社の見積フローに合う見積管理システムを選ぼう
見積管理システムの選定は、機能の多さを比べるところから始めると迷子になります。まず「どこまでの業務を1つの仕組みに載せるか」を決め、見積作成・管理に特化したタイプ、見積から受注・請求まで一気通貫のタイプ、業種特有の見積に対応するタイプのどれが自社に当たるかを確定させてください。
タイプが決まったら、製品ごとの差が出やすい2点を突き合わせます。1つは承認ワークフローで、自社の決裁規程どおりに多段承認と金額による分岐を組めるか、承認者不在でも止まらない仕組みがあるかを見ます。もう1つは外部システムとの連携で、SFA/CRM・販売管理・会計のどれと、どの方向に、どの方式でつながるのかを確認すると、二重入力が残る箇所が事前に分かります。
候補を2〜3製品に絞ったら、無料トライアルで自社の見積書を実際に再現してみることをおすすめします。レイアウトが再現できるか、承認ルートが規程どおりに組めるか、そして現場の担当者が抵抗なく使えるか——この3点が確認できれば、導入後の手戻りはかなり小さくできます。本記事の比較表と診断ツールを、候補を絞り込む出発点としてご活用ください。
MCB FinTechカタログでは、本記事で紹介した見積管理システムの資料を無料で請求できます。
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よくある質問(FAQ)
Q. 建設業や製造業でも、汎用の見積管理システムで足りることはありますか?
A. 見積管理システムを業種特化タイプにすべきかどうかは、業種の名前ではなく、いま自社が出している見積書に業種固有の内訳や計算が実際に入っているかで決まります。
直近の見積書を1枚広げて、次の3点を確かめてみてください。
- 明細が大分類・中分類・細目のような階層構造になっているか
- 単価が案件ごとの積算や部品単位の原価積み上げで決まるか
- 法定福利費や諸経費のように、他の行の金額から率で自動計算する行があるか
どれも当てはまらなければ、工事請負や受注生産を手がけていても汎用タイプで支障は出にくくなります。
迷うのは1つか2つだけ当てはまる中間のケースです。この場合は、候補にしている汎用タイプの製品が明細の階層を何段まで持てるか、行の計算式を自社で定義できるかを個別に確認してください。業種特化タイプは料金を個別見積とする製品が多く、業種要件に合わせた設定作業も伴います。必要な要件が1〜2点にとどまるなら、汎用タイプの設定で吸収できないかを先に当たったほうが、費用と導入負荷を抑えられます。
Q. 見積管理システムで、原価や粗利まで管理できますか?
A. 見積管理システムで扱えるのは、登録した原価をもとに見積の時点で計算する「見込みの粗利」までで、受注後に実際にかかった原価との差は別の仕組みで突き合わせることになります。
見積作成・管理に特化したタイプでも、商品や部材の仕入原価をマスタに登録して明細ごとの粗利率を表示したり、粗利率から販売単価を逆算したりできる製品はあります。値引きの妥当性をその場で判断する材料としては、この見込み粗利で足ります。
一方、実際の仕入額・外注費・作業工数が確定するのは受注した後です。そのデータは販売管理システムや会計システム、業種特化タイプであれば実行予算・原価管理の側にたまります。見積時の粗利と実績を並べて振り返りたい場合は、受注以降までカバーするタイプを選ぶか、実績原価を戻せる連携があるかを確認してください。見積側だけを導入すると、粗利の管理は「出す前の見込み」で止まります。
Q. 見積管理システムに改訂履歴が残らない製品では、見積の出し直しをどう運用すればよいですか?
A. 改訂履歴を持たない見積管理システムでも、修正版を上書きせず新しい見積として作成し、前の版はステータスで「差し替え済み」と分かるようにして残せば、どの版をいつ提出したかは追えます。
前提として確認したいのが、同じ案件に複数の見積をぶら下げられるかどうかです。案件を軸に管理できる製品なら、条件違いのA案・B案も改訂後の版も同じ案件の配下に並び、一覧で経緯をたどれます。案件という単位を持たず見積書を1件ずつ扱う製品では、書類番号に枝番を振るといった社内ルールで代替することになり、担当者が入れ替わると崩れやすくなります。
あわせて決めておきたいのが「どの版を正とするか」です。取引先へ送った版と社内で最新の版がずれると、受注時の条件確認で食い違いが起きます。提出済みの版に印を付けられるか、送付の履歴が残るかを製品側で確かめたうえで、社内では「提出したものだけが正式な版」といった線引きを明文化しておくと、担当者ごとの解釈のばらつきを防げます。
Q. 見積管理システムの費用は、見積を作らない承認者や閲覧だけの担当者にもかかりますか?
A. 見積管理システムの費用は、見積を作らない承認者や閲覧だけの担当者にもライセンスが必要になることが多く、一方で取引先が何社に増えても料金の基本は変わりません(課金の単位は利用する人数だからです)。
試算するときは、見積を作成する営業担当者に加えて、承認する上長と、内容を参照する経理・管理部門まで足した人数で数えてください。1ユーザーごとに課金する製品では、この差がそのまま月額の差になります。5名・15名といった人数枠で定額の製品では、枠を1名超えたところで次の枠の料金に上がるため、当面増える見込みまで含めて枠を選ぶと無駄が出にくくなります。
承認者や閲覧者の扱いは製品によって異なるので、見積を依頼する際は「承認だけを行う人にもライセンスが要るか」をそのまま質問に使うと確実です。
取引先の数そのものを料金に反映する製品は一般的ではないものの、取引の件数が増えると効いてくる費用はあります。請求書の発行通数に上限があるプラン、郵送代行の1通あたりの従量課金、保存データの容量上限を超えた場合の追加費用がこれに当たります。年間の見積件数と請求通数の見込みを立てたうえで年額に直すと、取引先が増えた後の負担まで含めて比べられます。
Q. 見積管理システムを解約したら、蓄積した見積データはどうなりますか?
A. 解約後のデータの扱いは製品によって異なりますが、見積書とその写しには原則7年間(欠損金が生じた事業年度は10年間)の保存義務があるため、契約前に取り出せる形式と期限を確認しておく必要があります。
確認したいのは3点です。契約が終了した後にデータをダウンロードできる期間、取り出せる形式(CSV・PDFなど)、そして取り出したデータを自社のどこに保管するか。明細をCSVで取り出せても、取引先へ実際に渡したPDFそのものが手元に残らなければ、電子でやり取りした見積書をデータのまま保存するという義務は満たせません。
同じ論点は、数年後に別の製品へ乗り換えるときにも出てきます。新しい製品へ移せるのは通常マスタと直近の見積データで、それ以前の分は元の形式のまま自社で保管する形になります。導入時に「データを入れる方法」だけでなく「出す方法」まで確かめておくと、後の選択肢を狭めずに済みます。
出典・参考資料(1件)
Q. 見積管理システムを導入すれば、電子帳簿保存法への対応は完了しますか?
A. 見積管理システムを導入しても電子帳簿保存法への対応は完了せず、製品側の機能で満たせるのは要件の一部で、残りは自社で決める運用ルールとして手元に残ります。
決めることの1つ目は、改ざん防止(真実性)をどの方法で満たすかです。訂正・削除の履歴が残る製品、または訂正・削除ができない製品であればシステム側で満たせますが、そうでない場合は「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程」を自社で定めて運用することになります(電子帳簿保存法施行規則第4条第1項)。
製品ページの「電帳法対応」という表記だけでは、自社がどちらの立場になるかは判断できません。
2つ目は、システムの外でやり取りした見積書をどう扱うかです。電子で授受した見積書は、担当者が個人のメールに添付して送ったものも保存の対象になります。見積の授受経路をシステムに寄せるのか、寄せられない分をどこに集めて残すのかを先に決めておかないと、システムを入れたことでかえって「どこかに保存されているはず」という思い込みが生まれ、保存漏れに気づけなくなります。
3つ目は、要件を満たしきれない場合の扱いです。相当の理由があると所轄税務署長が認め、データと出力書面の提示・提出の求めに応じられる場合には猶予措置が設けられています(同規則第4条第3項)。ただしこの場合も、データそのものの保存は必要です。紙に印刷して残せば足りるという整理にはなりません。
要件そのものの中身は見積書と電子帳簿保存法・インボイス制度の関係で条文とあわせて解説しています。製品を比べる段階では、そこで挙げた3点(訂正・削除の履歴が残るか/指定の項目で検索できるか/保存期間に耐えるデータ保管ができるか)を、資料請求時の質問としてそのまま使ってください。
出典・参考資料(2件)
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















