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法人カードおすすめ比較|年会費・還元率・会計連携で選ぶ中小企業・個人事業主向けガイド

法人カードおすすめ比較 年会費・還元率・会計連携で選ぶのサムネイル画像

事業用の支払いを個人名義のカードや現金で処理していて、経費と私費の切り分けや経理処理に手間を感じていませんか。法人カード(ビジネスカード)を1枚導入するだけで、事業決済の一元管理・経費精算の効率化・キャッシュフローの平準化まで一度に進められます。

一方で、年会費無料の実用的なカードから、空港ラウンジやコンシェルジュが付く高ステータスカードまで選択肢は幅広く、自社にどれが合うのか見極めづらいのも実情です。

年会費・ポイント還元率・利用限度額・追加カードの発行枚数・会計ソフト連携・付帯特典といった観点を、どう比べれば自社に最適な1枚にたどり着けるのでしょうか。

本記事では、主要な法人カード14枚を利用目的・強み別(年会費無料/ポイント・マイル還元/経費精算・会計連携/ステータス・付帯特典/スタートアップ・高額決済/海外・外貨決済)に横断比較します。各カードの年会費や還元率、限度額、会計ソフト連携の可否を一覧できる比較表と、自社の使い方に合うカードを絞り込む診断ツールもご用意しました。

気になったカードは、資料請求や公式サイトの確認へそのまま進める形で整理しています。

取り上げるのは、比較検討で名前が挙がる主要な法人カード14枚です。年会費無料のカードから、経費精算に強いカード、ステータス系のカードまで、利用目的の異なるカードを幅広く含めています。

また、自社の利用目的に合うカードを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる法人カード診断もご用意しています。どのタイプが合うか迷ったら、こちらから始めてみてください。

法人カードの関連サービス資料
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法人カード(ビジネスカード)とは?個人カードとの違い

法人カードは、法人や個人事業主が事業上の支払い(経費・仕入・出張費・広告費・納税など)に使うことを前提に発行されるクレジットカードです。個人向けカードと役割が近いようでいて、審査の対象・利用限度額・引き落とし口座・経理面の使い勝手が事業向けに設計されている点が異なります。まずは選び分けの前提として、押さえておきたい違いを整理します。

個人向けクレジットカードとの違い

最大の違いは、支払いを事業の名義・口座で完結できることです。法人口座からの引き落としに対応し、利用明細が事業支出として整理されるため、経費と私費が混ざりません。利用限度額も個人向けカードより高めに設定される傾向があり、仕入や広告費などまとまった決済に耐えられます。

審査の見られ方も異なります。個人向けカードが申込者個人の信用情報を中心に見るのに対し、法人カードは事業の実態(法人であれば事業年数・財務、個人事業主であれば本人確認)も踏まえて判断されます。ただし後述するとおり、決算書や登記簿謄本が不要で、本人確認書類だけで申し込めるカードも増えており、設立直後や個人事業主でも作りやすくなっています。

ビジネスカードとコーポレートカードの違い(発行対象の規模)

法人カードは、発行対象の企業規模で「ビジネスカード」と「コーポレートカード」に大きく分かれます。本記事の読者である中小企業・個人事業主が対象になるのは、主にビジネスカードのほうです。

  • ビジネスカード:個人事業主・中小企業向け。代表者個人の名義で発行され、申込書類が比較的少なく、審査のハードルも抑えめです。本記事で比較するカードの多くがこちらに該当します。
  • コーポレートカード:中堅・大企業向け。決算書などの提出書類が多く、従業員へ多数のカードを配布して部門単位で管理する運用に向きます。

「自社は中小企業だからコーポレートカードは対象外」と考える必要はありません。従業員へのカード配布や部門別の利用管理が必要になれば、ビジネスカードの追加カード機能や、スペンドマネジメント(支出管理)型のカードで十分にカバーできます。

利用目的・強み別|法人カードのタイプと向いている企業

法人カード選びでつまずきやすいのは、年会費や還元率といった単独のスペックだけを見比べてしまうことです。まず「自社は何を重視するのか」という利用目的から入ると、候補は一気に絞り込めます。ここでは主要な法人カードを6つのタイプに整理し、それぞれどんな企業に向くかを示します。

本記事の全体の流れは、次の4ステップです。

法人カードの選び方を示す4ステップのフロー図。STEP1 利用目的を決める(年会費・還元・経費連携・ステータスなど何を重視するかから入る)、STEP2 タイプの当たりを付ける(目的に合う6タイプへ候補を絞り込む)、STEP3 8つの軸で比べる(年会費・限度額・還元率・会計連携・発行スピードなど具体スペックで精査)、STEP4 比較表・診断で確認(気になる1枚の資料請求・公式確認へ進む)を矢印でつないでいる。

年会費無料でコストを抑えたい

固定費を増やさず法人カードを持ちたい企業に向くタイプです。年会費が永年無料でも実用に足るカードがあり、決算書不要で発行しやすいものが多いため、法人カードの1枚目に適します。特典は控えめになりやすい点は割り切って考えます。

ポイント・マイルの還元でお得に使いたい

事業決済の額が大きく、支払いのたびに還元を積み上げたい企業に向くタイプです。対象の支払いで還元率が高まる設計のカードもあります。ポイントの「付与率」ではなく、実際に使えるときの「還元率」で比べるのがコツです。マイルを貯めたい場合は、ステータス系カードの移行プログラムも選択肢になります。

経費精算・会計ソフト連携で業務を効率化したい

経理担当の負担を減らしたい企業に向くタイプです。利用明細が会計ソフトや経費精算システムに自動で取り込まれ、仕訳や承認フローまで一気通貫で処理できるカードが該当します。カード発行枚数の柔軟さや、利用先・上限の制限機能を備えるものもあり、経費管理そのものを仕組み化したい企業に適します。

ステータス・付帯特典・出張サポートを重視したい

出張や接待が多く、付帯特典まで含めて価値を取りたい企業に向くタイプです。空港ラウンジ・旅行保険・コンシェルジュといった特典と、厚い与信枠を備えるカードが中心です。年会費は高めですが、出張支援やマイル移行の価値が年会費を上回る使い方であれば十分に元が取れます。

スタートアップ・高額決済で高い利用限度額が必要

広告費やクラウド利用料など、月々の決済額が大きい企業に向くタイプです。独自の与信モデルで大きな限度額に対応するカードや、一律の利用上限を設けないカードが該当します。設立直後で決算実績が乏しくても、事業の将来性を踏まえて発行できるものがあります。

海外取引・外貨決済に強いカード/アカウントがほしい

海外の仕入先やSaaSへの支払い、外貨での入出金がある企業に向くタイプです。実質的な為替コストを抑えられるかどうかは、海外取引のある事業にとって年会費以上に効いてきます。口座残高から都度引き落とす多通貨アカウントとデビットカードを一体で使えるサービスは、外貨決済のコストを可視化しやすい選択肢です。

各タイプに該当する主なカードは、次の一覧のとおりです。それぞれの詳しいスペックは、後半の比較表とカード紹介で確認できます。

利用目的タイプ向いている企業該当する主なカード
年会費無料でコストを抑えたい固定費を抑えたい・1枚目を作る三井住友カード ビジネスオーナーズ(一般)/JCB Biz ONE/セゾンコバルト・ビジネス・アメックス/ライフカードビジネスライトプラス
ポイント・マイルの還元でお得に使いたい事業決済の額が大きい三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールド/楽天ビジネスカード
経費精算・会計ソフト連携で効率化したい経理の負担を減らしたいマネーフォワード ビジネスカード/UPSIDER/バクラクビジネスカード
ステータス・付帯特典・出張サポート重視出張・接待が多いアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド/セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス/アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ/ダイナースクラブ ビジネスカード
スタートアップ・高額決済で高い限度額が必要決済額が大きい・設立直後UPSIDER/アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ
海外取引・外貨決済に強い海外取引・外貨の入出金があるWise Business

自社がどのタイプに当てはまるか迷う場合は、次の診断ツールで利用目的をいくつか選ぶと、候補カードを絞り込めます。

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法人カードの選び方|比較すべき8つの軸

タイプの当たりが付いたら、次は具体的なスペックで候補を絞り込みます。ここでは、後述の比較表と各カードの紹介を自社の要件で読み解くための8つの軸を、判断の分かれ目とあわせて解説します。会計ソフト連携や海外・外貨決済のように比較表だけでは伝わりにくい軸は、各カードの個別紹介もあわせて確認しておくと判断しやすくなります。

年会費は無料と有料のどちらを選ぶべきか

年会費は「無料か有料か」で優劣が決まるものではなく、得られる価値と釣り合うかで判断します。決済額が小さく、経費と私費を分ける目的が中心の段階なら、永年無料のカードで十分です。一方、出張が多くラウンジや旅行保険を使う、あるいは高い還元率やマイル移行で年会費以上のメリットが出る使い方なら、有料カードのほうが結果的に得になります。

年会費が経費として計上できる点も、有料カードの実質負担を下げる要素です。判断の目安は、付帯特典と還元で年会費を回収できる決済額に自社が届くかどうかです。

利用限度額は自社の決済規模に足りるか

広告費・仕入・クラウド利用料など、月間でまとまった決済がある場合は、限度額が業務の上限を決めてしまいます。一般的なビジネスカードは数十万〜数百万円の範囲で設定されますが、独自の与信モデルで大きな枠を出すカードや、一律の上限を設けず利用状況に応じて枠を調整するカードもあります。月間の最大決済額に対して余裕があるか、また繁忙期の一時的な増加に耐えられるかを確認しておくことが重要です。

追加カードの発行枚数と従業員カードのガバナンスは十分か

従業員に決済を任せる場合、追加カードの発行枚数と、1枚ごとに利用可能額を設定できるかが重要になります。枚数の上限だけでなく、2枚目以降の発行手数料や年会費も運用コストとして見ておくと安心です。

あわせて、カードごとの利用上限設定・利用先の制限・不正利用時の補償(プロテクション)といったガバナンス機能があると、部門や担当者に配布しても支出をコントロールできます。スペンドマネジメント型のカードは、この管理機能を主目的に設計されています。

会計ソフト連携・経費精算機能に対応しているか

経理の手間を減らしたいなら、利用明細が会計ソフトや経費精算システムへ自動で取り込まれるかを確認しておきましょう。freee・マネーフォワード クラウド・弥生といった主要ソフトへの連携可否は製品ごとに差があり、明細のCSV出力だけの製品もあれば、仕訳の自動生成や承認フローまで完結する製品もあります。

自社が使っている(あるいは導入予定の)会計・経費精算の仕組みと地続きで運用できるかが、実務での効率を左右します。

連携先となる会計ソフトをまだ決めていない、あるいは乗り換えも視野に入れているなら、カードと同時に会計ソフト側の対応範囲や料金も見比べておくと、経理まわりを無駄なくそろえられます。主要なクラウド会計ソフトの機能・料金の比較は次の記事で確認できます。

ポイント・マイル還元率は付与率でなく還元率で見ているか

還元の比較でつまずきやすいのが、「ポイント付与率」と「実際に使うときの還元率」の混同です。付与率が高く見えても、1ポイントの交換価値が低ければ実質の還元率は下がります。事業決済で貯めたポイントを何に交換できるか(キャッシュバック・請求充当・マイル移行など)まで確認し、自社の使い道で計算した還元率で比べるのがコツです。

特定の支払い先で還元率が上がるカードは、その支払いが自社の決済に占める割合が大きいほど有利です。

発行スピード・審査・必要書類は自社の状況に合うか

すぐにカードが必要な場合や、設立直後・個人事業主の場合は、審査で見られる書類と発行までの日数を確認しておく必要があります。近年は決算書や登記簿謄本が不要で、本人確認書類だけで申し込めるビジネスカードが増え、設立1年未満や個人事業主でも作りやすくなっています。最短即日〜数営業日で発行できるカードもあるため、開業直後にカードを整えたい場合は発行スピードも選定軸に加えるとよいでしょう。

国際ブランドは利用シーンに合っているか

国際ブランド(Visa・Mastercard・JCB・American Express・Diners Club)は、加盟店での使いやすさと付帯サービスの傾向に関わります。国内利用が中心ならJCBも使いやすく、海外出張や海外のサービス決済が多いならVisa・Mastercardの加盟店網が安心です。2枚目を持つ場合は、1枚目と異なるブランドにしておくと、決済できない場面のリスクを分散できます。

海外・外貨決済のコストを抑えられるか

海外の仕入先やSaaSへ外貨で支払う機会があるなら、事務手数料や為替レートに上乗せされるコストを確認しておきたいところです。一般的なクレジットカードは海外利用時に所定の事務手数料が加算されますが、多通貨アカウントと一体のデビットカードのように、実勢に近いレートで両替して支払える仕組みなら、外貨決済のコストを抑えやすくなります。海外取引の頻度が高い企業ほど、この差は年間で無視できない金額になります。

【比較表】主要な法人カード14枚を横断比較

ここまでの選び方の軸を踏まえ、本記事で取り上げる14枚を横並びで比較します。年会費・発行対象・利用限度額の目安・ポイント還元率・追加カード・ETCカード・会計ソフト連携・国際ブランド・発行スピードを一覧できます。カード名をタップすると、各カードの詳しい紹介に移動できます。

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サービス名三井住友カード ビジネスオーナーズ(一般)JCB Biz ONE(一般)セゾンコバルト・ビジネス・アメックスライフカードビジネスライトプラス三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールド楽天ビジネスカードマネーフォワード ビジネスカードUPSIDERバクラクビジネスカードアメックス・ビジネス・ゴールドセゾンプラチナ・ビジネス・アメックスアメックス・ビジネス・プラチナダイナースクラブ ビジネスカードWise Business
年会費(税込)永年無料永年無料永年無料永年無料5,500円
(年間100万円利用で翌年以降永年無料)
2,200円
(別途 楽天プレミアムカード11,000円が必要)
無料
(未利用時のみ翌年1,000円+税)
無料無料49,500円初年度無料
(2年目以降33,000円)
165,000円33,000円
(2026年改定後)
無料
発行対象法人代表者・個人事業主法人代表者・個人事業主法人代表者・個人事業主法人代表者・個人事業主法人代表者・個人事業主法人代表者・個人事業主
(楽天プレミアムカード保有が前提)
法人代表者・個人事業主法人のみ法人のみ法人代表者・個人事業主法人代表者・個人事業主法人代表者・個人事業主法人代表者・個人事業主法人代表者・個人事業主
利用限度額の目安最大500万円審査により個別設定最大500万円最大500万円最大500万円楽天プレミアムカードと合算最大10億円最大10億円柔軟に対応(5億円以上の実績)一律の上限なし審査により個別設定一律の上限なし一律の上限なし残高の範囲内(与信枠なし)
ポイント・マイル還元率0.5%〜1.5%約1.0%(常時2倍)0.5%〜2.0%
(特定加盟店で2%)
要問い合わせ0.5%〜2.5%
(対象4分野・条件達成時)
1.0%〜3.0%
(楽天市場で3.0%)
1.0%
(MFクラウド利用で3.0%)
1.0%〜1.0%(キャッシュバック)
(2026年10月以降0.8%)
実質約1.0%〜
(100円=1ポイント/ANA・JAL等へマイル移行)
最大1.125%
(JALマイル移行時)
実質約1.0%〜
(100円=1ポイント/ANA・JAL等へマイル移行)
実質約0.8%〜
(100円=1ポイント/ANA・JAL等6社へマイル移行)
なし
追加カード最大18枚(無料)本人利用向け最大9枚(無料)最大3枚(無料)最大18枚(無料)発行不可(本人1枚)何枚でも
(バーチャル無料/リアル2枚目以降990円)
枚数上限なし(無料)複数発行可
(バーチャル無料/リアル1,540円)
最大99枚最大9枚(3,300円/枚)最大99枚
(特典あり4枚無料)
最大4枚従業員分を発行可
ETCカード無料(前年未利用で翌年550円)あり無料(最大5枚)無料無料(前年未利用で翌年550円)1枚目無料(2枚目以降550円)無料(発行手数料900円+税)無料(発行手数料550円)無料(発行手数料は要確認)無料(最大20枚)無料(最大5枚)無料無料なし
会計ソフト連携経費精算システムfreee・MFクラウド××経費精算システム×MFクラウド自動連携freee・MF・弥生ほかAI自動仕訳弥生・freee×弥生・freeefreee会計海外会計ソフト中心
国際ブランドVisa / MastercardJCBAmerican ExpressVisa / Mastercard / JCBVisa / MastercardVisaVisaVisaVisaAmerican ExpressAmerican ExpressAmerican ExpressDiners ClubMastercard
発行スピード最短3営業日最短5分(モバ即)最短3営業日最短3営業日最短3営業日2週間〜1カ月程度要問い合わせ最短即日(バーチャル)最短即日(バーチャル)要問い合わせ最短3営業日約1〜3週間要問い合わせ10営業日以内(本人確認)
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイトミーティングを予約公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイトサービス詳細を見る

※各社公式情報に基づく、2026年9月時点の内容です。年会費・還元率・利用限度額などは変更される場合があるため、最新の詳細は各サービスの公式情報・資料でご確認ください。「会計ソフト連携」列の記号は、◎=会計連携を主目的に設計(複数の会計ソフト自動連携・AI仕訳等)、●=利用明細を会計ソフトへ自動連携、△=経費精算システム連携など限定的、×=会計ソフト連携の案内なし、を表します。

目的別の法人カード紹介

ここからは、利用目的タイプごとに各カードの公式スペックと特徴を紹介します。年会費・還元率・限度額・付帯サービスは各カードの公式情報にもとづいて整理しています。気になるカードは、紹介の末尾から資料請求や公式サイトの確認に進めます。

年会費無料でコストを抑えたい企業向けのカード

まずは、固定費を抑えつつ実用性を確保できる年会費無料のカードから紹介します。

1. 三井住友カード ビジネスオーナーズ(一般)(三井住友カード株式会社)

三井住友カード ビジネスオーナーズの公式サイト。カード券面画像と年会費永年無料・最大1.5%還元などの基本情報、申し込みボタンが並ぶ紹介ページ。

登記簿謄本や決算書を提出せず、本人確認書類だけで申し込めるナンバーレスの法人カードです。三井住友カード株式会社が発行し、国際ブランドはVisaとMastercardから選べます。満18歳以上の法人代表者・個人事業主が対象で、副業やフリーランスの方も申し込めます。

年会費は本会員・追加カードとも永年無料で、追加カード(パートナーカード)は最大18枚まで発行できます。ETCカードも無料(前年度未利用の場合は翌年度550円・税込)のため、従業員や部署単位でのカード配布に対応しやすい構成です。

ショッピング利用枠は最大500万円、ポイントは通常200円につき1ポイント(0.5%相当)で、対象特約店での利用は最大1.5%まで上がります。年間100万円以上の利用実績があると、翌年以降の年会費が永年無料になる上位カード「ビジネスオーナーズ ゴールド」への切替案内の対象になります。海外旅行傷害保険(最高2,000万円)も付帯します。

2. JCB Biz ONE(株式会社ジェーシービー)

JCB Biz ONEの公式サイト

JCBが個人事業主・フリーランス向けに発行する法人カードです。一般カードは年会費永年無料で、法人の本人確認書類が不要なため、開業直後でも申し込みやすい設計です。国際ブランドはJCBのみとなります。

ポイントはどこで使っても常時2倍(200円ごとにJ-POINT 2ポイント、約1.0%相当)で貯まります。freeeやマネーフォワード クラウドといった主要な会計ソフトとカード利用明細が自動連携し、記帳作業を効率化できます。

即時入会(モバ即)を使えば最短5分でカード番号が発行され、オンライン決済にすぐ利用できます(通常入会はカード到着まで約1週間)。従業員へのカード配布よりも、代表者本人の利用を想定した設計です。一般カードの利用限度額は、審査結果に応じて個別に設定されます。

3. セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード(株式会社クレディセゾン)

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードの公式サイト

2022年1月に年会費が永年無料へ改定された、個人与信型のビジネスカードです。株式会社クレディセゾンが発行し、国際ブランドはAmerican Express。決算書や登記簿謄本がなくても個人与信で審査でき、開業直後の個人事業主や設立間もない法人代表者も対象です。

本会員・追加カード・ETCカードのすべてが年会費無料で、追加カードは最大9枚、ETCカードは最大5枚まで発行できます。申込はWebで完結し、最短3営業日で発行されます。

貯まるのは有効期限のない永久不滅ポイントで、通常は1,000円につき1ポイント(最大5円相当)です。AWS・マネーフォワード・お名前.com・さくらインターネットなど特定の10加盟店では、ポイントが4倍(2%相当)になります。一方で、海外・国内の旅行傷害保険は付帯しません。

4. ライフカードビジネスライトプラス(スタンダード)(ライフカード株式会社)

ライフカードビジネスライトプラスの公式サイト

年会費永年無料のスタンダードと、2,200円(税込・初年度無料)のゴールドの2タイプがある、事業費決済専用のクレジットカードです。ライフカード株式会社が発行し、決算資料等の提出なしに、本人確認書類の提示だけで申し込めます。発行は最短3営業日です。

国際ブランドはMastercard・VISA・JCBの3種類から選べます。スタンダードは従業員カードを最大3枚まで、ETCカードとあわせて無料で発行でき、利用可能枠は最大500万円です。

弁護士無料相談サービスや、福利厚生の優待を利用できるベネフィット・ステーションなど、バックオフィスを補完する付帯サービスは年会費無料のスタンダードでも使えます。空港ラウンジと海外旅行傷害保険はゴールドで付帯します。ポイントは「LIFEサンクスプレゼント」で貯まります。

ポイント・マイルの還元でお得に使いたい企業向けのカード

続いて、事業決済で還元を積み上げたい企業に向くカードです。

5. 三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールド(三井住友カード株式会社)

三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールドの公式サイト。カード券面画像と年間100万円利用で翌年以降年会費永年無料・最大2.5%還元などの基本情報、申し込みボタンが並ぶ紹介ページ。

三井住友カード株式会社の法人向けゴールドカードで、年会費永年無料の「ビジネスオーナーズ」一般カードの上位版にあたります。法人代表者・個人事業主が対象で、登記簿謄本や決算書は不要、本人確認書類のみで申し込め、申し込みから最短3営業日で発行できます。

年会費は5,500円(税込)ですが、年間100万円(税込)の利用で翌年以降の年会費が永年無料になります。あわせて年間100万円以上の利用で毎年Vポイント10,000ポイントが還元されるため、決済額がこの水準に届く企業ほど負担を抑えてゴールドの特典を維持できます。

通常の還元率は200円(税込)につき1ポイント(0.5%相当)です。Amazon・ETC・ANA/JALの航空券という4分野に限っては、対象の個人向け三井住友カードとの2枚持ちや支払口座の三井住友銀行設定といった条件を満たすと、最大2.5%まで上がります。パートナーカードは発行手数料・年会費とも無料で18枚まで発行でき、海外・国内旅行傷害保険や国内主要空港のラウンジも付帯します。

6. 楽天ビジネスカード(楽天カード株式会社)

楽天ビジネスカードの公式サイト。カード券面画像と年会費2,200円などの基本情報が並ぶ紹介ページ。

楽天カード株式会社が発行する法人向けカードですが、単独では発行できず、個人向けの楽天プレミアムカード(または楽天ブラックカード)を保有していることが発行の前提になります。楽天プレミアムカードを持っていない場合は、先にそちらへ入会し審査を通す必要があります。

年会費は楽天ビジネスカードが2,200円(税込)ですが、前提となる楽天プレミアムカードの年会費11,000円(税込)が別途かかります。新規に両方へ入会する場合の年間負担は合計13,200円(税込)となり、すでに楽天プレミアムカードを保有していれば追加分の2,200円のみで発行できます。

還元率は通常の利用で1.0%、楽天市場での利用では3.0%となり、楽天グループでの決済が多い事業者ほどポイントが貯まります。一方で発行できるのは本人1枚のみで、ETCカードを除く従業員用の追加カードは発行できません。利用枠も楽天プレミアムカードの個人利用分と合算で管理されるため、複数人で経費精算を一元化したい企業には不向きです。

経費精算・会計ソフト連携で業務を効率化したい企業向けのカード

経理の手間を減らし、経費管理そのものを仕組み化したい企業に向くカードです。

これらのカードを、立替経費の申請・承認まで含めて仕組み化したい場合は、経費精算システムと組み合わせる選択肢もあります。対応する申請フローや機能、料金で経費精算システム自体を選び分けたいときは、次の比較もあわせてご覧ください。

7. マネーフォワード ビジネスカード(マネーフォワードケッサイ株式会社)

マネーフォワード ビジネスカードの公式サイト

マネーフォワード クラウド会計・確定申告とリアルタイムで連携する、法人・個人事業主向けのVisaクレジットカードです。マネーフォワードケッサイ株式会社(株式会社マネーフォワードの100%子会社)が提供し、カードの利用明細がそのまま仕訳候補として会計側に自動で取り込まれます。証憑(領収書)画像の添付やインボイス登録番号の自動判定にも対応します。

入会費・年会費は無料です(1年間にウォレット単位の利用が一度もない場合のみ、2年目以降に1,000円+税が発生します)。バーチャルカードは無料で追加発行でき、リアルカードの2枚目以降は1枚990円(税込)です。後払い型は決算書・登記事項証明書の提出が不要な独自与信で審査するため、設立間もない企業でも申し込めます。

ポイント還元率は通常利用で1%、マネーフォワード クラウドなど関連サービスへの支払いで3%、税金・通信費・保険料・公共料金で0.5%です。与信限度額は最大10億円で、カードごとに利用上限や支払先を制限できます。2025年秋にはETCカードの取り扱いも始まり、高速道路料金もクラウド会計へ一元化できます。

8. UPSIDER(株式会社UPSIDER)

UPSIDERの公式サイト

スタートアップ・成長企業を主な対象とする、法人専用のクレジットカードです。株式会社UPSIDERが提供し、法人口座の預金残高やキャッシュフローをもとにした独自与信モデルで、最大10億円の利用限度額を設定できます。個人事業主・フリーランスは対象外で、申込には独自ドメインのメールアドレスが必要です。

年会費・発行手数料は無料で、リアルカード・バーチャルカードともに発行枚数の上限を設けていません。260以上のサービスへ利用先を限定する機能や、日次・月次・取引単位の上限設定、決済の前後に承認を挟む利用申請機能を備え、部署や従業員へカードを配布しても支出を統制できます。

freee会計・マネーフォワード クラウド会計・勘定奉行クラウド・弥生会計クラウドなど主要な会計ソフトに幅広く連携し、証憑の自動回収や不正利用時の補償(最大2,000万円)にも対応します。法人カード「UPSIDER」単体の累計決済額は8,500億円(2025年11月発表)です。なお、導入企業数10万社はグループ全6サービスの合算値です。

9. バクラクビジネスカード(株式会社LayerX)

バクラクビジネスカードの公式サイト

経費精算や請求書受領などを手がけるバックオフィスSaaS「バクラク」シリーズの一つで、株式会社LayerXが提供する法人向けのクラウド型ビジネスカード(Visa)です。2022年8月に提供を開始しました。法人のみが対象で、審査時に連携する銀行口座情報をもとにした独自与信で発行します。

領収書をアップロードするとAIがカード利用明細と自動で突き合わせて仕訳データを作成し、同シリーズの「バクラク経費精算」と組み合わせれば、立替経費とカード利用を1つの申請フォームで扱えます。マネーフォワード クラウド会計・freee会計への自動連携や、決済先・利用上限・利用期間・通貨の4種類の制限機能も備えます。

初期費用・年会費は無料で、決済額のキャッシュバックは2026年9月時点で1.0%です(公式サイトに2026年10月以降は0.8%になる旨の記載があります)。利用可能枠は柔軟に設定され、5億円以上の実績も公表されています。リアルカード・ETCカードの発行手数料は変更の可能性があるため、最新の料金は公式サイトで確認してください。

ステータス・付帯特典・出張サポートを重視したい企業向けのカード

出張・接待が多く、付帯特典まで含めて価値を取りたい企業に向くカードです。高い利用限度額で高額決済に対応したい場合は、本グループのアメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナに加え、経費精算グループで紹介するUPSIDERも候補になります。

10. アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード(アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド)

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードの公式サイト。カード券面画像と年会費49,500円(税込)などの基本情報、申し込みボタンが並ぶ紹介ページ。

アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッドが発行する法人ゴールドカードで、2025年3月のリニューアルで追加カードの発行枚数や会計ソフト連携を拡充しました。決算書などの事業実績書類が不要で、申込者個人の与信をもとに審査するため、起業直後や個人事業主でも申込対象になります。

本会員の年会費は49,500円(税込)で、追加カードは付帯特典なしなら年会費無料(判定期間内に利用がある場合)、最大99枚まで発行できます。利用可能枠に一律の上限を設けず、利用状況に応じて個別に設定されるため、まとまった決済を1枚に集約したい企業に向きます。

メンバーシップ・リワードで貯めたポイントはANA・JALを含む航空会社のマイルへ移行でき、海外旅行傷害保険は最高1億円を補償します。空港ラウンジ(プライオリティ・パス、センチュリオン・ラウンジ)や、全国約200店舗でコース料理1名分が無料になる接待特典など、出張・接待向けの付帯サービスも利用できます。

さらに「ビジネス・フリー・ステイ・ギフト」として、東急のサブスク型宿泊サービス「TsugiTsugi」対象施設450ヶ所以上のホテルに1泊2名まで無料で泊まれる宿泊券が毎年付与されます。無料になる泊数は年間利用額に応じて決まり、300万円以上で1泊分、500万円以上で最大2泊分です。

11. セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード(株式会社クレディセゾン)

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードの公式サイト

初年度の年会費無料でプラチナカードの特典を使い始められる、個人与信型のビジネスカードです。発行元は株式会社クレディセゾンで、国際ブランドにはAmerican Expressを採用しています。決算書・登記簿謄本の提出が不要で、独立直後の個人事業主や設立間もない法人代表者も申込対象になり、発行は最短3営業日に対応します。

年会費は初年度無料、2年目以降は33,000円(税込)です(2025年8月4日改定)。追加カードは1枚あたり3,300円(税込)で最大9枚まで発行できます。初年度からプライオリティ・パスやコンシェルジュといったプラチナカードの特典を使える点が、コストを抑えたい経営者に向きます。

永久不滅ポイントは1,000円ごとに1ポイント貯まり、SAISON MILE CLUB(年会費5,500円・税込)に登録するとJALマイルへ自動移行でき、最大還元率は1.125%です。海外旅行傷害保険は最高1億円、国内旅行傷害保険は最高5,000万円を補償し、2025年6月のリニューアルでサイバー攻撃に備える保険が加わりました。

12. アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード(アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド)

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カードの公式サイト。カード券面画像と年会費165,000円(税込)などの基本情報、申し込みボタンが並ぶ紹介ページ。

出張や渡航の多い経営層に向けて、空港ラウンジやホテル上級会員資格などの特典を厚くした最上位のビジネスカードです。発行元はアメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッドで、本会員の年会費は165,000円(税込)です。

利用可能枠に一律の上限を設けず、利用状況に応じて個別に設定されるため、設備投資や仕入れなど大口の決済を1枚に集約しやすい設計です。付帯特典ありの追加カードは4人まで無料で、弥生の会計ソフトやfreee会計とAPI連携して利用明細を経理に取り込めます。

空港ラウンジは直営のセンチュリオン・ラウンジ(羽田は同伴者1名まで無料)とプライオリティ・パスに対応し、ヒルトン・オナーズ ゴールドやMarriott Bonvoy ゴールドエリートなどのホテル上級会員資格が年会費内で自動付帯します。海外出張時のトラブルに24時間日本語で対応するサポートも利用できます。

13. ダイナースクラブ ビジネスカード(三井住友トラストクラブ株式会社)

ダイナースクラブ ビジネスカードの公式サイト。カード券面画像と年会費や付帯サービスなどの基本情報、料金表が並ぶ紹介ページ。

三井住友トラストクラブ株式会社が発行する、ダイナースクラブのプロパー(自社発行)法人カードです。決算書・登記事項証明書の提出が不要で、申込者個人の与信をもとに審査するため、設立間もない企業や個人事業主も申込対象になります。年会費は2026年の改定後で33,000円(税込)です。

出典・参考資料(1件)

利用可能枠に一律の上限を設けず、利用実績に応じて個別に設定されるため、大口決済に対応しやすい設計です。国内外1,300ヶ所以上の空港ラウンジや、対象レストランで2名以上のコース料理利用時に1名分が無料になる「エグゼクティブ ダイニング」など、接待・出張向けの特典が揃います。

ポイントは100円ごとに1ポイント貯まって有効期限がなく、ダイナースグローバルマイレージ(年間参加料6,600円・税込)を通じてANA・JALを含む6社のマイルへ移行できます。年会費無料でMastercardブランドの「ビジネス コンパニオンカード」も持てるため、ダイナースクラブ非対応の加盟店ではこのカードで決済し、ポイントを本会員カードに合算できます。

海外取引・外貨決済に強いカード/アカウント

最後に、海外取引や外貨決済のコストを抑えたい企業に向く選択肢を紹介します。

14. Wise Business(ワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社)

Wise Businessの公式サイトのスクリーンショット

ワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社が発行するWise法人デビットカードは、与信枠に基づくクレジットカードではなく、Wiseの多通貨アカウントの保有残高から都度引き落とすデビット(プリペイド)型のカードです。締め日から翌月に一括で後払いする与信枠は設けず、口座に入金した残高の範囲で決済します。

発行は与信審査ではなく、法人口座開設時の本人確認(KYC)を経て行われ、個人事業主やフリーランサーも法人アカウントと同じ条件で申し込めます。カードの年会費はかからず、物理カードとデジタルカードの両方に対応します。従業員ごとの追加カード発行や利用上限の設定、カードの一時凍結もできます。

1つのアカウントで40種類以上の通貨を手数料無料で保有でき、両替にはミッドマーケットレート(仲値)を上乗せなしで適用します。カードの利用可能地域は、カード紹介ページの表記で160か国以上です(送金・口座機能を含むサービス全体では231か国・地域とされています)。外貨の口座情報を取得するには、1回限りの設定手数料3,000円がかかります。

外貨決済のコストは、決済に使うカードだけでなく、海外送金サービスの選び方によっても大きく変わります。海外の仕入先や取引先への送金がある場合は、銀行・ネット銀行・専門サービスを手数料や為替コストで横並びに比べておくと、外貨まわりのコストを総額で抑えやすくなります。

法人カードを導入するメリットと注意点

カードを選ぶ前に、法人カードを導入することで何が得られ、どこに落とし穴があるかを整理しておきましょう。導入の是非を判断する材料として、価値と注意点を対で確認してください。

法人カードを導入するメリット

最大のメリットは、事業の支払いを1枚に集約することで、経費管理と資金繰りが同時に楽になることです。利用明細が事業支出として一元化されるため、経費と私費の切り分けや証憑の突合が減り、会計ソフト連携を使えば仕訳まで自動化できます。

  • 経費の一元管理と経理効率化:支払いがカードに集約され、明細の自動取込で入力・突合の手間が減ります。
  • キャッシュフローの平準化:利用から引き落としまでの猶予により、支払いのタイミングをそろえられます。
  • ポイント還元による経費削減:事業決済で貯まるポイントを請求充当やマイルに回せば、実質的なコストを下げられます。
  • 付帯サービスの活用:旅行保険・空港ラウンジ・福利厚生優待など、事業に役立つ特典を利用できます。

法人カード導入・利用の注意点

一方で、導入前に知っておきたい制約もあります。事前に押さえておけば、運用開始後の想定外を避けられます。

  • 支払いは1回払いが基本:分割・リボに対応しないカードもあり、資金繰りの計画は1回払い前提で立てる必要があります。
  • 年会費と還元のバランス:年会費無料カードは還元率や特典が控えめな場合があり、決済額によっては有料カードのほうが有利になります。
  • 審査に通らない場合がある:事業実態や代表者の信用状況によっては発行されないことがあります。決算書不要のカードから検討するのも一手です。
  • 従業員利用の管理:追加カードを配布する場合は、利用可能額の設定や不正利用対策を運用ルールとあわせて整えておきます。

なお、法人カードで納めた税金や年会費の会計処理は、税務上の扱いを確認したうえで進めると安心です。国税をカードで納める場合は「国税クレジットカードお支払サイト」から手続きでき、納付税額に応じた決済手数料(1万円ごとに99円・消費税込み)は納税者の負担となります。この手数料は国の収入になるものではありません。

出典・参考資料(1件)

まとめ|自社の利用目的に合う法人カードを選ぶ

法人カードは、年会費や還元率といった単独のスペックではなく、「自社は何のために使うのか」という利用目的から選ぶと、候補が明確になります。コストを抑えたいなら年会費無料、経理を効率化したいなら会計ソフト連携、出張が多いならステータス系、海外取引があるなら外貨決済に強いカードというように、目的とタイプを結び付けて絞り込むのが近道です。

候補が固まったら、比較表で年会費・限度額・還元率・会計連携を横並びで確認し、気になるカードの資料を取り寄せて詳細を突き合わせてみてください。自社の使い方に合う1枚が、経費管理と資金繰りを一段軽くしてくれます。

よくある質問(FAQ)

Q. 法人カードとは何ですか?

A. 法人カードとは、法人や個人事業主が事業上の支払い(経費・仕入・出張費・納税など)に使うことを前提に発行されるクレジットカードです。個人向けカードと違い、法人口座からの引き落としに対応し、利用限度額が高めに設定され、追加カードの発行や会計ソフト連携など事業の経理・管理に役立つ機能を備えます。発行対象の企業規模により「ビジネスカード」と「コーポレートカード」に分かれます。

Q. 法人カードのビジネスカードとコーポレートカードは何が違いますか?

A. 法人カードは発行対象の企業規模で分かれ、個人事業主・中小企業向けが「ビジネスカード」、中堅・大企業向けが「コーポレートカード」です。ビジネスカードは代表者個人の名義で発行され、申込書類が比較的少なく審査のハードルも抑えめです。

一方コーポレートカードは決算書などの提出書類が多く、従業員へ多数配布して部門単位で管理する運用に向きます。中小企業・個人事業主が対象になるのは、主にビジネスカードのほうです。

Q. 法人カードは個人事業主や設立直後(設立1年未満)でも作れますか?

A. 個人事業主や設立1年未満の法人でも、決算書や登記簿謄本が不要で本人確認書類だけで申し込める法人カードなら作れます。近年はこうしたビジネスカードが増え、開業直後でも発行しやすくなっています。審査に不安がある場合や一度通らなかった場合は、決算実績を問われにくい決算書不要のカードから検討するとよいでしょう。

Q. 法人カードの申し込みに必要な書類は何ですか?

A. 必要書類はカードによって異なり、本人確認書類だけで申し込めるものから、代表者と法人の本人確認書類に加えて決算書の提出を求めるものまであります。設立直後や個人事業主の場合は、決算書・登記簿謄本が不要で本人確認書類のみで完結するビジネスカードを選ぶと申し込みやすくなります。

Q. 法人カードは社長以外の従業員も使えますか?

A. 法人カードは追加カード(従業員カード)を発行すれば、代表者以外の従業員も使えます。ただしカードには利用する本人の個人名が記載され、名義人本人のみが利用できるのが原則です(法人名が併記される場合もありますが、名義人はあくまで個人です)。従業員に決済を任せたい場合は、追加カードの発行枚数と管理機能を確認しておくと安心です。

Q. 法人カードの従業員用追加カードは何枚まで発行でき、不正利用は防げますか?

A. 追加カードの発行可能枚数はカードごとに異なり、1枚ごとに利用可能額を設定できるカードなら不正利用のリスクを抑えられます。枚数の上限だけでなく、2枚目以降の発行手数料・年会費や、利用先の制限・紛失時の補償(プロテクション)といったガバナンス機能もあわせて確認しておくことが大切です。支出管理そのものを主目的にするなら、スペンドマネジメント型のカードが向きます。

Q. 法人カードは1社で複数枚持てますか?

A. 法人カードは、用途や国際ブランドを分けて複数枚を持つこともできます。決済できない場面に備えて2枚目を別の国際ブランドにする、部門や用途ごとにカードを分けるといった使い方が可能です。ただし枚数を増やすほど年会費や管理の手間も増えるため、目的に対して必要な枚数に絞るのが実務的です。

Q. 法人カードの引き落とし口座は自由に選べますか?

A. 法人カードの引き落としは、法人名義の口座を指定できるのが一般的です(個人事業主は事業用の個人口座を指定できるカードが多くあります)。対応する金融機関や口座の種類はカードによって異なるため、自社のメイン口座を引き落としに使えるかを申し込み前に確認しておくと安心です。

Q. 法人カードは年会費無料と有料のどちらを選ぶべきですか?

A. 決済額が小さく経費と私費の切り分けが主目的なら年会費無料、出張特典や高い還元・管理機能で年会費以上の価値が出るなら有料が向きます。判断の目安は、付帯特典と還元で年会費を回収できる決済額に自社が届くかどうかです。年会費が経費計上できる点も、有料カードの実質負担を下げる要素になります。

Q. 年会費無料の法人カードはありますか?無料になる条件は?

A. 年会費無料の法人カードはあり、大きく「永年無料」「初年度のみ無料」「条件付き無料」の3種類に分かれます。永年無料はコストをかけずに持てますが特典は控えめになりやすく、条件付き無料は「年間の利用額が一定以上」などの条件を満たすと翌年度以降も無料になります。無料の種類と条件を確認したうえで選びます。

Q. 法人カードの年会費は経費として計上できますか?

A. 事業のために使う法人カードの年会費は、支払手数料や諸会費などの勘定科目で経費に計上できるのが一般的です。これは事業に関連する費用は必要経費・損金に算入できるという一般原則にもとづく扱いで、私的利用分が混ざる場合は按分が必要です。具体的な勘定科目や処理は、税理士など専門家に確認すると確実です。

Q. 法人カードは会計ソフト(freee・マネーフォワード・弥生)と連携できますか?

A. 多くの法人カードが会計ソフトや経費精算システムとの連携に対応しており、利用明細を自動で取り込めます。ただし連携の深さは製品ごとに差があり、明細のCSV出力にとどまるものから、仕訳の自動生成や承認フローまで完結するものまであります。自社が使っている(または導入予定の)ソフトと地続きで運用できるかを、申し込み前に確認しておきましょう。

Q. 法人カードはポイント還元率や特典だけで選んでよいですか?

A. 還元率や特典だけで選ぶのは避け、利用限度額・追加カードの運用・会計ソフト連携・発行スピードもあわせて確認するのが安全です。還元率が高くても限度額が足りなければ事業決済に使えず、管理機能が弱ければ経理負担が残ります。自社の利用目的に照らして、複数の軸で総合的に判断します。

Q. 法人カードで貯めたポイントの会計処理はどうすればよいですか?

A. ポイントは付与された時点では会計処理は不要で、使用した時点で「値引処理」または「両建処理」のいずれかで計上します。国税庁は、事業者がポイントを使用した場合の経理処理について次のように整理しています。

事業者が備品等を購入する際にポイントを使用した場合の経理処理は、次のいずれかの方法が考えられます。
① 値引処理(ポイント使用後の支払金額を経費算入する処理)
② 両建処理(ポイント使用前の支払金額を経費算入するとともに、ポイント使用額を雑収入に計上する処理)

出典:企業発行ポイントの使用に係る経理処理|国税庁

なお、ポイント使用時の消費税(仕入税額控除)の扱いは、そのポイント使用が「商品本体価額の値引き」か「支払うべき価額の値引き」かによって、課税仕入れとして扱う金額が変わります。処理の判断に迷う場合は、税理士に確認すると確実です。

出典・参考資料(2件)

Q. 法人カードで貯めたポイントを個人で使ってよいですか?

A. 会社(法人)で貯めた法人カードのポイントは、原則として会社の経費に充てるのが望ましく、従業員が個人的に使うことはできません。個人事業主の場合は事業と個人の区別が緩やかなため個人利用も可能ですが、会計処理を明確にする観点からは事業用に使うのが無難です。

Q. 法人カードで税金(国税)を支払えますか?

A. 法人カードで国税を支払うことは可能で、「国税クレジットカードお支払サイト」から手続きします。ただし納付税額に応じた決済手数料(1万円ごとに99円・消費税込み)が納税者の負担となり、この手数料は国の収入になるものではありません。カード払いにするとポイント還元や支払い猶予のメリットがある一方で、手数料がそれらの利点を上回らないかを確認しておくと安心です。

出典・参考資料(1件)

Q. 個人用のクレジットカードを事業の支払いに使ってはいけませんか?

A. 個人用カードを事業の支払いに使うこと自体は可能ですが、経費と私費が混ざって帳簿が煩雑になるため、法人カードの利用が推奨されます。事業支出を法人カードに集約すれば、利用明細がそのまま経費として整理され、会計ソフト連携を使えば仕訳まで自動化できます。経理の手間と切り分けのミスを減らす意味でも、事業用は法人カードに分けるのが安全です。

Q. 法人カードは海外取引・外貨決済にも使えますか?コストを抑えるには?

A. 法人カードは海外取引・外貨決済にも使えますが、多くのクレジットカードは海外利用時におおむね2〜3%程度(カードによってはそれ以上)の事務手数料が為替レートに上乗せされます。この料率はカード会社・国際ブランドごとに異なるため、海外決済が多い企業は各カードの海外事務手数料率を比べておくと差が見えます。

多通貨アカウントと一体になったデビットカードは、保有残高から仲値に近いレートで支払えるため、上乗せコストを抑えやすい選択肢になります。

Q. 法人カードはどのくらいで発行されますか?

A. 法人カードの発行期間はカードによって幅があり、最短即日〜数営業日で発行できるものから、審査に1〜2週間程度かかるものまであります。決算書などの提出を求めるカードは審査に時間がかかる傾向があり、本人確認書類だけで申し込めるカードは早く手元に届く傾向があります。開業直後などすぐにカードが必要な場合は、発行スピードも選定軸に加えるとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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