FAX・電話・メール・Excelで届く注文を、毎日手作業で基幹システムや表計算ソフトに打ち込んでいませんか。受発注業務の自動化に関心はあっても、「そもそも何を使えば、どこを人手なしにできるのか」がつかめないまま検討が止まりがちです。
受発注を自動化する手段は一つではありません。マクロ・VBA、RPA、AI-OCR、受発注システム・BtoB EC、EDI・iPaaS連携、在庫連動の自動補充と、それぞれ自動化できる業務工程も、向く受発注のかたちも、費用感も異なります。自社に合う手段を選ぶには、まず選択肢の全体像を一望することが近道です。
本記事では、受発注を自動化する主な手段を工程別に比較し、それぞれのメリット・デメリット・向き不向き・費用感の目安を整理します。導入効果の実数や進め方、記録の保存義務まで含めて解説し、最後に受発注のWeb化・自動化に役立つサービスを紹介します。自社の受発注業務のどこから手を付けるかを判断する材料としてご活用ください。
目次
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受発注を自動化する手段の全体像
受発注業務の自動化とは、注文の受け取りから内容確認・転記、在庫の引き当て、発注書の作成・送付、請求までの一連の工程を、人手を介さずに処理できる状態へ近づける取り組みを指します。手段によって自動化できる工程と、必要な準備が変わります。
まず、代表的な6つの手段を横並びで整理します。自社の受発注が「紙やFAXの入力に追われている」のか「発注側として在庫補充を効率化したい」のかによって、適した手段は変わります。
| マクロ・VBA | RPA | AI-OCR・受注データ変換 | 受発注システム・BtoB EC | EDI・iPaaS連携 | 在庫連動の自動補充 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 自動化できる主な工程 | Excel上の転記・集計・帳票作成 | 画面操作をまたぐ転記・システム間の入力 | 紙・FAX・PDFの注文書の読み取りとデータ化 | 受注受付から在庫・出荷・請求までの一元管理 | 取引先・基幹システム間のデータの自動送受信 | 在庫の減少検知から発注の自動実行 |
| 向く受発注のかたち | 注文データがすでにExcelやCSVで手元にある | 複数システムへ同じ内容を繰り返し入力している | 取引先ごとに書式の違う注文書をFAX・メールで受けている | 取引先にWebで注文してもらい業務全体を作り替えたい | 大量の定型取引を継続する取引先とデータ連携したい | 発注側として、消耗品・部材の補充発注を減らしたい |
| 取引先の協力 | 不要(自社完結) | 不要(自社完結) | 不要(自社完結) | 必要(取引先がWebで発注)/代理入力の運用も可 | 必要(双方がデータ形式を合わせる) | 不要(自社側の在庫監視が起点) |
| メリット・デメリットの要点 | 既存のExcelを活かせて追加費用が小さい 作成者に依存しやすく保守が属人化しがち | 既存システムを変えずに定型作業を代行できる 画面変更でシナリオが止まり、保守運用の体制が要る | 取引先の運用を変えずに紙の受注をデータ化できる 読み取り精度は100%ではなく確認・修正の工程が残る | 受注から請求まで一気通貫でデータ化できる 取引先の乗り換えと初期構築に手間がかかる | 大量取引を人手なしで自動連携できる 取引先ごとの調整・データ設計に専門知識が要る | 実在庫を起点に発注忘れ・欠品・過剰を抑えられる 対象は在庫補充型の発注に限られる |
| 費用感の目安 | 自社内製なら追加費用なし〜外注で数万円〜 | 月額数万円〜(ツール・実行数により変動) | 月額数万円〜/個別見積もりが中心 | 月額9,800円〜/初期構築型は数十万〜数百万円 | 月額数万円〜/連携先数・方式により変動 | 要問い合わせ(台数・構成により個別見積もり) |
※上記は各手段の一般的な傾向です。実際の対応範囲や費用は導入するツール・サービスにより異なります(2026年9月時点)。
受発注業務のどの工程を自動化できるか
ここでは、受発注業務を工程に分けて、それぞれの工程にどの手段が効くのかを整理します。自社の業務のうち、どこに時間とミスが集中しているかを起点に手段を選ぶと、効果を実感しやすくなります。

受発注業務は、注文の受け取りから始まり、内容の確認・転記、在庫の引き当て、発注書の作成・送付、請求・入金の消込まで続きます。注文の受け取りと転記の工程は、紙やFAXで届く注文をデータ化するAI-OCR・受注データ変換や、取引先にWebで発注してもらう受発注システム・BtoB ECが担います。
取引先を巻き込まずに自社側だけで進めたい場合はAI-OCR、取引先の発注そのものをWeb化できる場合は受発注システムが向きます。
システム間の転記・入力の工程は、受注データを販売管理や会計へ繰り返し打ち込む作業が対象です。決まった画面操作の繰り返しはRPA、Excel上での転記・集計はマクロ・VBAで代行できます。取引先との間で大量の定型データをやり取りしているなら、EDI・iPaaS連携でシステム同士を直接つなぐ方法もあります。
一方、発注側の在庫補充の工程は、在庫が一定量を下回ったら発注する作業が対象です。実在庫の変化を検知して発注を自動実行する在庫連動の自動補充が、この工程に特化した手段となります。
注文を受けた後の請求・入金の消込まで含めて自動化したい場合は、受注から請求までを1つのシステムで扱う受発注システム・BtoB ECが対象になります。工程ごとに個別の手段を組み合わせるか、一元管理できる手段でまとめるかが、選択の分かれ目です。
手段別の詳しい解説(仕組み・向き不向き)
一覧で当たりを付けたら、ここからは各手段の仕組みと向き不向きを詳しく見ていきます。取引先の協力が要るかどうかも、選定を分ける重要な観点です。
マクロ・VBA(自社完結)
マクロ・VBAは、Excelに組み込まれたプログラム機能を使って、転記・集計・帳票作成といった定型作業を自動化する手段です。すでに注文データがExcelやCSVの形で手元にある場合に、追加のツールを導入せずに始められます。
取引先の協力は不要で、自社内だけで完結します。費用も抑えやすい一方、作成した担当者しか中身を把握していない状態に陥りやすく、担当者の異動や書式変更で動かなくなる保守の属人化が課題になりがちです。小規模な自動化から試したい場合の入り口として位置づけると無理がありません。
RPA(自社完結)
RPA(Robotic Process Automation)は、人がパソコン上で行う画面操作を記録・再現し、システムをまたぐ入力や転記を代行するソフトウェアです。受注メールの内容を販売管理システムへ入力する、複数システムに同じデータを登録するといった、決まった手順の繰り返し作業に適しています。
既存のシステムを作り替えずに導入できる点が利点ですが、対象システムの画面が変わるとシナリオが止まるため、動かなくなったときに直せる運用体制が欠かせません。定型で件数の多い入力作業を抱えている場合に効果が出やすい手段です。
RPAは受発注に限らない汎用のツールのため、製品は受発注で使う対象システムとの相性や、社内で扱える運用体制があるかを基準に選ぶことになります。
AI-OCR・受注データ変換(自社完結・FAX受注向き)
AI-OCRは、紙・FAX・PDFの注文書をAIが読み取り、Excel・CSVなどのデータに変換する手段です。取引先ごとに書式がバラバラな注文書でも、読み取ってマスタと照合し、統一されたフォーマットへ変換する仕組みが特徴で、手作業でのベタ打ち入力を大きく減らせます。
最大の利点は、取引先にシステム導入をお願いせず、これまで通りFAXやメールで注文を受けたまま自社側だけでデータ化できる点です。「取引先にFAXをやめてもらえない」という制約があっても進められます。
ただし読み取り精度は100%ではありません。活字であれば99%以上、手書きは80%程度を目安として公表している製品もあり、AIが読み取った結果を人が確認・修正する工程は残ります。FAX・紙の受注が多く残っている受注業務に向いた手段です。
FAX受注そのものをどう楽にするかを深掘りしたい場合は、クラウドFAX・AI-OCR・受発注システムといった打ち手を、費用や取引先の協力の要否、進め方まで比較した以下の記事が参考になります。
受発注システム・BtoB EC(自社/取引先の両パターン)
受発注システム・BtoB ECは、取引先がWebブラウザやアプリから注文を入力し、受注から在庫引き当て・出荷・請求までを一元管理する手段です。注文が最初からデータで入るため、転記そのものが発生せず、受発注業務全体をデジタル化できます。取引先ごとの掛率・単価・締日といったBtoB特有の取引条件に対応できる製品が多いのも特徴です。
効果が大きい反面、取引先にWeb発注へ切り替えてもらう協力が前提になります。取引先の発注方法を変えられない場合でも、受注担当者がWeb画面上で代理入力する運用や、AI-OCRと組み合わせる方法で段階的に移行できます。月額9,800円から始められるBtoB ECカート型から、自社の商流に合わせて構築するパッケージ型まで幅があり、受発注業務を抜本的に作り替えたい場合の中心的な手段です。
EDI・iPaaS連携(取引先の協力が必要)
EDI(電子データ交換)は、取引先と自社のシステム同士を接続し、発注・受注のデータを自動でやり取りする仕組みです。iPaaSは、こうしたシステム間の連携を構築・運用するためのクラウド基盤を指します。大量の定型取引を継続的に行う取引先との間で、注文データを人手を介さずに送受信できます。
取引が多い相手ほど自動化の効果は大きい一方、双方でデータ形式を合わせる必要があり、取引先ごとの調整やデータ設計に専門的な知識が求められます。取引先の数が限られ、かつ取引量が多い関係で特に効果を発揮する手段です。
EDIが自社に合いそうなら、対応できる通信手順(プロトコル)やデータ形式は製品ごとに異なるため、取引先ごとの違いをどの製品なら吸収できるかの見極めが要ります。EDIシステムをタイプ別に比較した以下の記事で、候補を絞り込めます。
在庫連動の自動補充(発注側・在庫起点)
在庫連動の自動補充は、実在庫の変化を検知し、あらかじめ設定した発注点を下回ったら自動で発注する手段です。IoTの重量計に物品を載せ、重量の変化から在庫数を計測して発注のきっかけを自動生成する仕組みなどがあり、部材・消耗品・原材料の補充発注に向いています。
これは注文を「受ける」側ではなく、自社が「発注する」側の自動化です。取引先のシステムと受発注データをやり取りするものではなく、自社の在庫監視から発注トリガーを自動で作る点が、受発注システムやEDIとは異なります。発注忘れによる欠品や、担当者ごとにばらつく発注量を抑えたい発注業務に適しています。
自動化でどれだけ変わるか(導入効果の実数と事例)
手段の見当がついたら、実際にどれだけ業務が変わるのかを具体的な数字で確認しておきましょう。受発注業務がアナログな手作業に依存している実態は、公的な調査でも示されています。
経済産業省の委託を受けて帝国データバンクが実施した中小企業向けの調査では、受発注の方法について次のように報告されています。
現在行っている受発注方法を確認したところ、受発注ともに FAX が最多、次いで電子メール、電話という結果となった。EDI/Web EDI はいずれも 10%台にとどまった。従業員規模別でみると、従業員数が多くなるにつれ、EDI/Web EDI の利用割合が増加していることがうかがえる。
出典:「経営診断ツールの認知・活用状況及び、決済・資金調達の実態に関する調査」調査報告書(2019年2月)Q38|経済産業省 委託調査・株式会社帝国データバンク
FAX・電話・メールに依存した受発注が中小企業で今なお主流であり、この手作業の部分こそ自動化の余地が大きいことがわかります。実際に手段を導入した企業では、以下のような作業時間の削減が公表されています。
- 総合卸売業の国分グループ本社では、仕入明細のデータ化にかかっていた外部委託2日がかりの作業を、AI-OCRによる受注データ変換で5〜10分に短縮したと公表しています。
- 鋼材販売・製造業の入船鋼材では、AI-OCRの導入で月間約160時間の工数を削減したとしています。
- 在庫連動の自動補充を導入した株式会社シンデンでは、発注作業が70分から5分へ、棚卸作業が4時間から30分へ短縮したと公表されています。
- 東京ガスネットワークでは、在庫連動の自動補充により、入庫・発注業務を中心に月30時間の作業時間を削減しています。
- 家具・寝装品などの製造卸であるフランスベッドでは、FAXで受けていた注文を受発注システム・BtoB ECでWeb化しました。子会社からの注文の約80%(月1,200〜1,600件)の受注処理を自動化し、月間約45時間の業務時間を削減したと公表しています。
これらはいずれも各社が公表している実測値です。受発注システム・BtoB ECのように取引先の発注そのものをWeb化する手段では、上記フランスベッドの例のように削減時間として表れるほか、注文が最初からデータで入ることで「転記・確認の工程そのものがなくなる」形でも効果が表れます。
効果の大きさは対象業務や導入範囲によって変わるため、自社の受発注のどの工程に時間がかかっているかと照らし合わせて見積もることが大切です。
出典・参考資料(4件)
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手段別の費用感(初期・月額の目安)
費用は手段によって幅が大きく、同じ「受発注システム」でも構築方法によって桁が変わります。ここでは公表されている料金をもとに、費用感の目安を整理します。実額は各サービスの最新の公式情報でご確認ください(2026年9月時点)。
費用の桁を分けるのは、既存の道具を自社で使いこなすのか、出来合いのサービスを月額で借りるのか、自社の商流に合わせて作り込むのか、という提供のされ方の違いです。
自社で作るマクロ・VBAはほぼ追加費用なしで始められます。月額で借りるRPA・AI-OCR・EDI連携は数万円台からが目安で、処理量や連携先の数で変動します。在庫連動の自動補充は、導入する機器の台数や構成に応じた個別見積もりが基本です。
最も幅が広いのが受発注システム・BtoB ECです。出来合いのカート型は月額9,800円からのように低価格で始められる一方、自社の商流に合わせて作り込むパッケージ型は初期費用が数十万〜数百万円規模になります。
たとえば取引先ごとの複雑な取引条件に対応するパッケージ型では、標準パッケージ300万円(税抜)に、環境展開や初期設定を行う導入サポート・基本パック150万円(税抜)からが加わる料金体系を公表している製品もあります。
この開きは、取引先ごとの価格や納品条件をどこまで作り込むかの違いによるものです。標準的な機能で足りるならカート型、既存の基幹システムや複雑な商流に合わせ込む必要があるならパッケージ型、という見当の付け方ができます。
規模感としては、自社側だけで小さく始めるなら月数万円規模、受発注業務全体を作り替えるなら初期数十万円以上を見込むのが目安です。低価格で始めやすい手段から着手し、効果を確かめながら投資範囲を広げると、費用対効果を見極めやすくなります。
何から始める?受発注自動化の進め方と進めるときの注意点
最後に、実際に自動化を進めるときの段取りと、押さえておきたい記録の保存義務について整理します。いきなり全工程を自動化しようとせず、段階を踏むことが定着の近道です。
段階的な進め方(現状の可視化から抜本策へ)
受発注自動化は、次の順で段階的に進めると無理がありません。
- 現状の可視化:どの取引先から、どの方法(FAX・電話・メール・Excel)で、月に何件の注文が来ているかを洗い出します。どの工程に時間とミスが集中しているかを特定することが、手段選びの出発点です。
- 手作業のデータ化:取引先の運用を変えずに始められるAI-OCR・受注データ変換や、社内の転記を代行するマクロ・VBA・RPAで、まず入力・転記の負荷を減らします。自社側だけで完結するため着手のハードルが低く、AI-OCRは帳票の設計・構築を含めて1〜2ヶ月程度が目安です。
- 受発注そのもののWeb化:協力を得やすい取引先から順に、受発注システム・BtoB ECへの切り替えを進めます。取引量の多い取引先とはEDI・iPaaS連携で直接つなぐ選択肢もあります。取引先の準備期間を見込むため数ヶ月単位の計画になりますが、ここまで進むと転記作業そのものが不要になります。
各段階で、担当者・想定工数・切り替え時期を具体的に決めておくと、現場の混乱を避けられます。特に取引先を巻き込む段階は、相手の準備期間を見込んだスケジュールが欠かせません。
進めるときの注意:帳票・電子取引データの保存義務
受発注の自動化はペーパーレス化を伴うため、電子データで受け取った注文書などの保存義務を押さえておく必要があります。電子帳簿保存法では、電子取引の取引情報について次のように定めています。
第七条 所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。
出典:電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(電子帳簿保存法)第7条|e-Gov 法令検索
ここでいう「電子取引」は、同法第2条第五号で「取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいう。)の授受を電磁的方式により行う取引」と定義されています。注文書や見積書はまさに受発注帳票であり、これらをWeb受発注やメールなど電子でやり取りすれば電子取引に該当し、そのデータを電磁的記録のまま保存する義務が生じます。
保存すべき期間は、法人税法施行規則第59条により、注文書・契約書・見積書などの帳簿書類を「起算日から七年間」保存することが原則とされています(青色申告法人の場合)。自動化・ペーパーレス化を進める際は、この保存要件を満たせるサービス・運用を選ぶことが前提になります。
出典・参考資料(2件)
受発注の自動化に役立つサービス
ここからは、受発注の自動化に役立つ主なサービスを、手段のタイプ別に紹介します。自社の受発注のかたちに合う手段が絞れてきたら、具体的なサービスの機能と料金を比べてみてください。
受発注システム・BtoB ECは、取引先ごとの取引条件を細かく作り込むパッケージ型と、標準機能を月額で利用するカート型とで適した企業が変わります。商流ごと抜本的に作り替えたい企業は前者、まず小さく始めたい企業は後者が検討しやすい選択肢です。
以下はご紹介するサービスの比較表です。
| サービス名 | DX BtoB Web受発注システム | CO-NECT | Bカート | BtoBプラットフォーム 受発注 | 受発注バスターズ | スマートマットクラウド |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 自動化の型 | 受発注システム・BtoB EC (パッケージ型) | 受発注システム・BtoB EC (クラウド型) | 受発注システム・BtoB EC (ECカート型) | 受発注システム・BtoB EC (飲食・宿泊業界特化型) | AI-OCR・受注データ変換 (自社完結型) | 在庫連動の自動補充 (IoT×SaaS) |
| 主な機能・強み | 取引先別の条件別価格設定 受注担当者による代理入力 見積〜請求まで一元管理 | FAX・電話・LINE・メール・アプリの注文を一元管理 iOS/Androidアプリ 発注側は無料で招待 | 得意先別の単価・掛率・与信 掛け払い・カード決済 CSV・API連携 | スマホ最適化の発注画面 本部・店舗の発注を一元管理 飲食・宿泊業83,000店舗以上の導入実績 | 書式の異なる注文書をAIが読み取りデータ化 活字の読み取り精度99%以上 ISO/IEC 27001認証 | IoT重量計で在庫を自動計測 発注点を下回ると自動発注 CSV・API連携 |
| 初期費用 | 標準パッケージ300万円(税抜)+導入サポート・基本パック150万円(税抜)〜 | 0円 | 80,000円(税別) ※エンタープライズプランは除く | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 月額費用 | システム保守:標準価格の15%÷12ヶ月 サーバー保守:月額4万円〜 | 無料プランあり(月間受注件数10回・取引先数1件) 有料プランは要問い合わせ | 9,800円(税別)/月〜 | 要問い合わせ 受注側向けの受発注ライトあり | 要問い合わせ(個別見積もり) | 要問い合わせ(台数・構成に応じた個別見積もり) |
| 取引先の協力 | 必要(取引先がWeb発注) 代理入力の運用も可 | 必要(取引先がWeb・アプリ発注) 無料招待で巻き込みやすい | 必要(取引先がWeb発注) 招待制で利用可 | 必要(本部→店舗展開) 既存の取引卸ネットワークに接続 | 不要(自社完結) FAX・メールのまま受注できる | 不要(自社の在庫監視が起点) 発注側の在庫補充を自動化 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※費用は各社の公式情報に基づく目安です(2026年9月時点)。公式で非公開の料金は「要問い合わせ」と記載しています。実際の料金・機能は各サービスの最新の公式情報でご確認ください。
DX BtoB Web受発注システム(株式会社マルウェブ)

DX BtoB Web受発注システムは、株式会社マルウェブが提供するパッケージ型のBtoB Web受発注システムです。取引先ごとに異なる価格・見積条件・注文条件など、自社の複雑な商流に合わせて作り込める点を強みとし、FAX・電話・メール中心の受注業務のWeb化を主目的としています。
クイックオーダーやCSVでのカート投入、取引先別の条件別価格設定などを備え、受注担当者が顧客に成り代わって代理入力できる機能もあるため、Web発注への切り替えが難しい取引先の注文にも対応しやすい設計です。既存EDIからの移行やAI-OCRの組み合わせは個別対応となるため、自社の受発注フローに沿って相談しながら導入できます。
料金は標準パッケージ300万円(税抜)に、環境展開や初期設定を行う導入サポート・基本パック150万円(税抜)からが加わる体系で、取引条件の作り込みが必要な企業による抜本的な刷新に向きます。標準機能で小さく始めたい場合は、月額制のカート型サービスのほうが検討しやすくなります。
CO-NECT(CO-NECT株式会社)

発注側が無料で使えるフリーミアムモデルを軸にしたクラウド型の受発注システムが、CO-NECT株式会社のCO-NECTです。FAX・電話・LINE・メール・専用アプリからの注文を1画面で一元管理でき、取引先には無料アカウントで招待できるため、発注側のリテラシーが高くない相手でも巻き込みやすい構造になっています。
ブラウザに加えてiOS・Android向けのアプリも提供し、商品検索や発注履歴からの再発注をスマートフォンで完結できます。受注側はどのプランでも初期費用0円で、月間受注件数10回・取引先数1件までの無料プランから始められ、取引量に応じた有料プランへ移行できます。卸・製造・小売・飲食など業種を問わず、スモールスタートで受発注をデジタル化したい企業に向いています。
Bカート(株式会社Dai)

月額9,800円から本格的なBtoB ECを立ち上げられる点を強みとするのが、株式会社DaiのBカートです。比較的低価格で始められるため、中小企業でもクローズドサイト型のBtoB ECを導入しやすい価格帯を実現しています。
得意先ごとの単価・掛率・与信、締日といったBtoB特有の取引条件に標準で対応し、商品マスタのCSV一括登録や掛け払い・カードなどの決済にも対応します。累計2,500社以上の受注側企業に導入されており、販売管理や在庫システムとCSV・APIで連携できるため、自社の基幹業務と組み合わせて運用しやすいサービスです。
BtoBプラットフォーム 受発注(株式会社インフォマート)

BtoBプラットフォーム 受発注は、株式会社インフォマートが提供する、飲食・宿泊業界を中心とした受発注システムです。外食・給食・ホテル業界の本部と取引先卸をつなぐネットワークとして、飲食・宿泊業83,000店舗以上、全国50,000社以上に導入されています。
スマートフォン・タブレットに最適化した発注画面や、発注マスタ管理・棚卸発注・運用分析など、現場担当者の使い勝手を重視した機能が特徴です。本部・店舗の発注状況をリアルタイムに把握でき、伝票処理もオンライン化できます。卸・商社・メーカーなど受注側向けには、受注・請求をデジタル化する「受発注ライト」も提供されています。
受発注バスターズ(受発注バスターズ株式会社)

取引先ごとに書式の異なる注文書・発注書をAIが読み取り、統一フォーマットのデータへ変換する、受注業務のデータ化に特化したサービスが、受発注バスターズ株式会社の受発注バスターズです。手作業でのベタ打ち入力を減らすことに主眼を置いています。
最大の特徴は、取引先にシステム導入を求めない自社完結型である点です。これまで通りFAX・PDF・メールで届く注文をそのまま受け付け、自社側でデータ化できるため、取引先の運用変更が発生しません。活字の読み取り精度は99%以上とされ、読み取り結果を人が確認・修正する画面も用意されています。
情報セキュリティマネジメントの国際規格ISO/IEC 27001(JIS Q 27001)認証を取得しており、FAX・紙の受注が多く残る卸売・製造・物流などの業種で導入事例が公表されています。
スマートマットクラウド(株式会社エスマット)

IoT重量計「スマートマット」に物品を載せておくと、重量の変化から在庫数を自動で計測し、発注点を下回ると自動で発注する——在庫連動の自動補充を実現するのが、株式会社エスマットのスマートマットクラウドです。IoT×SaaS型で、発注のきっかけそのものを自動でつくります。
バーコードの貼付やハンディ端末でのスキャンを前提とせず、ネジ・部材・副資材・粉体・液体原料といった「バーコードが貼りにくい在庫」の補充発注に向いています。CSV出力やAPIで販売管理・基幹システムと連携でき、大手製造業を中心に1,400社以上への導入が公表されています。受注側ではなく発注側の在庫補充を自動化したい場合に適した手段です。
ここで紹介したのは、自動化の手段別に選んだ代表的なサービスです。受発注システム・BtoB ECを中心に、より多くの製品を費用・機能・取引先の使いやすさで横並びに比較して自社に合う一本を選びたい場合は、以下の記事で24製品を整理しています。
まとめ
受発注の自動化には、マクロ・VBA、RPA、AI-OCR・受注データ変換、受発注システム・BtoB EC、EDI・iPaaS連携、在庫連動の自動補充という複数の手段があり、自動化できる工程も、取引先の協力の要否も、費用感も異なります。
FAX・紙の受注が多いなら取引先の運用を変えずに済むAI-OCR、受発注業務そのものを作り替えたいなら受発注システム・BtoB EC、発注側の在庫補充なら在庫連動の自動補充、というように、自社の受発注のかたちから手段を選ぶことが出発点です。
まずは現状を可視化し、自社側だけで始められる手段から着手して効果を確かめ、段階的に範囲を広げていくと無理がありません。電子データで受け取った注文書などの保存義務も踏まえ、自社の課題に合ったサービスを比較検討してみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 受発注の自動化とは何ですか?
A. 受発注の自動化とは、注文の受け取りから内容確認・転記、在庫の引き当て、発注書の作成・送付、請求までの一連の工程を、人手を介さずに処理できる状態へ近づける取り組みです。手段はマクロ・VBA、RPA、AI-OCR・受注データ変換、受発注システム・BtoB EC、EDI・iPaaS連携、在庫連動の自動補充など複数あります。
手段ごとに自動化できる工程や必要な準備が異なるため、自社の受発注のどの工程に時間とミスが集中しているかを起点に手段を選ぶのが基本です。
Q. 受発注の自動化にはどのくらいの費用がかかりますか?
A. 受発注の自動化の費用は、手段によって「追加費用なし〜数万円程度」から「初期数百万円規模」まで大きく幅があります。自社でマクロを組む場合は追加費用がほぼかからず、RPA・AI-OCR・EDI連携は月額数万円台から、BtoB ECカート型は月額9,800円からといった製品もあります。
一方、自社の商流に合わせて構築するパッケージ型の受発注システムは初期費用が数十万〜数百万円規模になります。低価格で始めやすい手段から着手し、効果を確かめながら投資範囲を広げると、費用対効果を見極めやすくなります。
Q. 受発注の自動化はどのくらいの期間で導入できますか?
A. 受発注の自動化に必要な期間は、手段の規模によって数日〜数週間から数ヶ月まで幅があります。マクロ・VBAや在庫連動の自動補充のように自社側で完結する手段は比較的短期間で始められ、AI-OCR・受注データ変換では帳票の設計・構築を含めて1〜2ヶ月程度が一つの目安です。
取引先を巻き込む受発注システム・BtoB ECやEDI連携は、取引先の準備期間を見込む必要があるため、相手の協力を得るスケジュールも含めて計画することが大切です。
Q. 小規模な会社でも受発注の自動化はできますか?
A. 小規模な会社でも受発注の自動化は可能で、取引先の運用を変えずに自社側だけで始められる手段や、無料プラン・月額数千円台から使えるサービスから着手できます。手元のExcelを活かすマクロ・VBA、FAX・メールのまま受注をデータ化するAI-OCR、無料プランや月額9,800円から始められるBtoB ECなど、初期投資を抑えて小さく始める選択肢があります。
まず件数の多い工程だけを自動化し、効果を見ながら範囲を広げるスモールスタートが向いています。
Q. Excelのマクロと受発注システムでは何が違いますか?
A. Excelのマクロは手元のデータの転記・集計を自社内で自動化する手段、受発注システムは受注の受け取りから請求までの業務全体をデータ化する手段という違いがあります。マクロは追加費用が小さく手軽に始められる一方、作成者に依存して保守が属人化しやすく、注文の受け取りそのものは自動化できません。
受発注システム・BtoB ECは取引先にWebで発注してもらうことで転記自体をなくせますが、取引先の協力と初期構築の手間がかかります。簡易な自動化ならマクロ、業務全体の作り替えなら受発注システムが向きます。
Q. AI-OCRの読み取り精度はどのくらいですか?
A. AI-OCRの読み取り精度は、活字であれば99%以上、手書きは80%程度を目安として公表している製品があります。精度は100%ではないため、AIが読み取った結果を人が確認・修正する工程は残りますが、取引先ごとに書式の異なる注文書をFAX・メールのまま受け取って自社側でデータ化できるため、手作業でのベタ打ち入力を大きく減らせます。FAX・紙の受注が多く残る受注業務に向いた手段です。
Q. 受発注の自動化とEDI連携は何が違いますか?
A. EDI連携は取引先と自社のシステム同士を直接つないで注文データを自動でやり取りする仕組みで、受発注システムやAI-OCRとは自動化の起点や取引先の関わり方が異なります。EDIは大量の定型取引を継続する取引先との間で人手を介さずデータを送受信できますが、双方でデータ形式を合わせる必要があり、取引先ごとの調整に専門知識が要ります。
取引先にWeb画面から注文してもらう受発注システムや、取引先の運用を変えずに自社側で紙をデータ化するAI-OCRと比べ、EDIは取引先の数が限られ取引量が多い関係で特に効果を発揮します。
Q. 受発注を自動化するには取引先の協力が必要ですか?
A. 取引先の協力が必要かどうかは手段によって分かれ、マクロ・VBA、RPA、AI-OCR、在庫連動の自動補充は自社側だけで進められ、受発注システム・BtoB ECやEDI連携は取引先の協力が前提になります。
「取引先にFAXや電話をやめてもらえない」という制約がある場合は、まず自社完結型のAI-OCRなどで受注のデータ化から始め、協力を得やすい取引先から順に受発注システムへ切り替えていく進め方が現実的です。
Q. 自動化して電子で受け取った注文書にも保存義務はありますか?
A. 電子データで受け取った注文書や見積書などは、電子帳簿保存法上の「電子取引」に該当し、その電磁的記録をデータのまま保存する義務があります。保存期間は、青色申告法人の場合、法人税法施行規則により原則として起算日から7年間とされています。受発注の自動化・ペーパーレス化を進める際は、この保存要件を満たせるサービスや運用を選ぶことが前提になります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















