取引先とのデータ交換を支えてきたEDIは、固定電話網のIP網移行(いわゆる2024年問題)やレガシーEDIの保守期限到来を機に、刷新や乗り換えを迫られる場面が増えています。FAX・電話・メールでの受発注を残す企業でも、脱FAXとあわせてEDIの導入・見直しを検討する動きが広がっています。
その際に「どのEDIパッケージ・EDIサービスが多く使われているのか」を手がかりにしたい担当者は少なくありません。社内で導入を判断するときも「実績のある、広く使われた製品か」を問われるためです。しかし製品やサービスの数が多いうえ、各社が示す「シェア」や「導入社数」は調査や母集団がまちまちで、そのまま比べるのは簡単ではありません。では、シェアや実績をどう捉え、何を軸に選べばよいのでしょうか。
本記事では、国内のBtoB向けEDIパッケージ・EDIサービスを対象に、市場シェアの捉え方と、公的な統計が乏しいなかで実績を読み解くための客観指標(導入社数・接続サイト数・継続率)、対応プロトコル、提供形態、費用を整理して比較します。シェアだけに頼らず、自社の商流に合う製品を見極めるための判断材料としてご活用ください。
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目次
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EDIパッケージの「シェア」はどう見ればいい?公的な市場シェア統計の現状
ここからは、EDIパッケージ・EDIサービスの「シェア」をどう捉えればよいかを整理します。結論から言えば、国内EDI市場には公的で統一された製品別シェア統計が存在せず、公開情報の範囲で入手できるのは調査会社の市場データやベンダー公式の実績値に限られます。まずはこの前提を押さえておくと、各社が示す数字を適切な距離感で読めます。
「トップシェア」「シェアNo.1」表記をどう読むか
EDI製品の紹介では「トップシェア」「シェアNo.1」といった表記を目にします。これらを比べるときは、どの調査をもとにした数字か、対象としている母集団は何か、国内かグローバルかを確認することが欠かせません。同じ「シェア」でも、集計の範囲が違えば単純には並べられないためです。
たとえば、EDIミドルウェアを手がけるデータ・アプリケーションは、自社をEDIミドルウェア市場で国内シェアNo.1と位置づけています(同社の中期経営計画)。この順位はEDIミドルウェアという特定の製品区分に限ったもので、EDIパッケージ・EDIサービス全体の順位ではない点に注意が必要です。
また市場調査会社のITRが提供する「ファイル転送/EDI市場」の調査では、ベンダー別のシェアは有料レポートの中で示され、無料では確認できません。つまり、無料で手に入る情報だけで製品別シェアを横並びにするのは難しいのが実情です。
個別の規模としては、EDIプラットフォームサービス(TISI)が、契約社数400社以上・接続9万ID以上を持つ国内最大規模のEDI事業者と公式に位置づけています。これはEDI事業の規模を母集団とした訴求で、データ・アプリケーションの「EDIミドルウェア市場で国内シェアNo.1」とは対象とする製品区分が異なります。
いずれも調査名・年度・母集団が添えられている点では読み取りやすい数字ですが、母集団が違うため、両者を同じ順位表として並べることはできません。
このように、「どれが一番売れているか」を単一の公的ランキングで答えることはできません。確かめられるのは、各社が公表する導入社数・接続サイト数・継続率と、母集団を添えた個別のシェア表記です。これらを出所とともに見ていくことで、広く使われている製品のあたりを付けられます。
調査・接続実績でみる主要なEDIパッケージ・EDIサービス
公的なシェア統計が乏しいなかで、「よく使われている」ことの代替指標になるのが、各ベンダーが公式サイトやプレスリリースで公表する接続社数・接続サイト数・稼働実績・継続率です。これらは発表主体と時点がはっきりしており、読者が公式情報で裏を取りやすいという利点があります。
公開情報の範囲では、たとえばBiware EDI Station 2が製品群全体で60,000社以上、NI+C EDIシリーズが14,000サイト以上、EDIプラットフォームサービス(TISI)が契約400社以上・接続9万ID以上といった規模を公表しています。
これらは「社数」「サイト数」「ID数」「移行支援数」と数え方の単位が異なり、そのまま大小を比べられるものではありません。自社に近い業種・規模の実績かという観点で読むのが現実的です。
各社が公表する指標の種類はそろっておらず、実績値を公開していない製品もあります。製品ごとの具体的な数値は後段の比較表に出所とともにまとめており、非公表の製品は「公表なし」と記しています。
国内EDIの市場規模・市場動向
製品を選ぶ背景として、市場全体の規模感と方向性も押さえておくと、社内で導入を検討する際の説明材料になります。グローバルのEDIソフトウェア市場について、Fortune Business Insightsは2025年の23.1億米ドルから2034年に64.9億米ドルへ拡大し、2026年から2034年の年平均成長率を12.30%と見込んでいます。
ただしこれは世界市場の規模で、国内の製品別シェアを示すものではありません。
国内に目を向けると、ITRの「ファイル転送/EDI市場」の調査はファイル転送とEDIを含む市場を扱っており、提供形態別ではクラウド型(SaaS)の伸びとパッケージ型の縮小という傾向が示されています。EDIも他の業務システムと同様に、オンプレミスからクラウドへ移行する流れの中にあると捉えておくとよいでしょう。
出典・参考資料(2件)
EDIパッケージ・EDIサービスとは(提供形態と対応プロトコルの基礎)
シェアや実績を比べる前に、EDIパッケージ・EDIサービスの基本を押さえておきます。EDI(電子データ交換)とは、受発注・出荷・請求などの商取引データを、あらかじめ定めた形式と通信手順で企業間でやり取りする仕組みのことです。紙やFAX、メールでの受発注をシステム化し、転記ミスや処理の遅れを減らす目的で導入されます。
クラウド型・オンプレ型・VAN/アウトソース型の違い
EDIの提供形態は大きく分けて3つあります。自社サーバーに導入するオンプレミス型は、要件に合わせて柔軟に作り込める一方、構築・運用の負担が自社に残ります。クラウド型(SaaS)は、ベンダーの基盤上で利用するため導入が早く、運用の手間を抑えられます。VAN(付加価値通信網)やアウトソース型は、通信網の提供やデータ変換・運用の代行までをベンダーに任せる形で、取引先ごとの個別対応が多い企業に向きます。
近年はクラウド型が増えていますが、既存の基幹システムとの連携や、取引先から指定される通信手順への対応といった事情で、オンプレミス型やVAN型が選ばれる場面も残ります。どの形態が合うかは、自社の商流と社内体制によって変わります。
EDIの主な機能(データ送受信・フォーマット変換・自動処理)
EDI製品に共通する中心的な機能は、取引データの送受信、フォーマット変換、処理の自動化です。送受信は、取引先と合意した通信プロトコルでデータを安全にやり取りする機能を指します。フォーマット変換は、自社の基幹システムが扱う形式と、取引先や業界標準の形式との間でデータを相互に変換する機能です。
これに加えて、受信データの基幹システムへの取り込み、送信データの自動生成、エラー検知や再送といった運用を自動化する機能を備えた製品が多く、取引件数が多い企業ほど効果が出やすくなります。
対応プロトコル(全銀TCP/IP・JX手順・AS2・流通BMS)の対応範囲
EDI製品を選ぶうえで特に重要なのが、どの通信プロトコルに対応しているかです。取引先が使う手順に自社の製品が対応していなければ、そもそもデータ交換が成立しないためです。代表的なものに、全国銀行協会が定める全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順)、インターネット経由のJX手順やAS2、消費財流通業界の標準である流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)があります。
全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)は、全国銀行協会が2017年にインターネット回線(広域IP網)に対応する形で制定したものです。流通BMSは、流通システム標準普及推進協議会(運営はGS1 Japan)が、消費財流通業界の企業間取引で用いる標準仕様として整備しています。
どのプロトコルが必要かは取引先の指定で決まるため、現在やり取りしている相手がどの手順を使っているかを棚卸しし、候補製品の対応範囲と突き合わせることが出発点になります。
出典・参考資料(2件)
2024年問題(INSネット終了)とレガシーEDI刷新の背景
EDIの刷新が各社で進む大きな要因が、いわゆる2024年問題です。NTT東日本・NTT西日本は、固定電話網を順次IP網へ移行し、これに伴いINSネット(ディジタル通信モード)の提供を終了しました。移行は2024年1月(地域ごとに2024年1月2日から1月31日にかけて)に実施されています。
従来、電話回線を使った通信手順(全銀TCP/IP手順以前の手順など)でEDIを運用していた企業は、この移行により従来方式が使えなくなるため、対応を迫られました。
NTT東西は移行後の経過措置として「切替後のINSネット上のデータ通信」を2027年頃までを目途に提供するとしていますが、これはあくまで一時的な補完策です。そのため、インターネット回線に対応したプロトコルへの切り替えや、クラウド型EDIへの移行を、この機会に検討する企業が増えています。
EDIパッケージ・EDIサービスを選ぶ際は、こうした刷新の背景も踏まえて、移行後も長く使える方式かを確認しておくと安心です。
タイプ別に見るEDIパッケージ・EDIサービス
ここからは、EDIパッケージ・EDIサービスを対応範囲の観点で3つのタイプに分けて整理します。シェアや接続実績の上位には、多様な業界・取引先に幅広く対応する汎用型が多く並びます。一方で、特定の業種・業務に最適化したタイプや、中小企業が脱FAX・レガシー刷新を小さく始められるタイプもあり、自社の商流によってはこれらの方が合う場合があります。
「どれが多く使われているか」だけでなく、「自社はどのタイプに当てはまるか」を確かめる手がかりとしてご覧ください。
| タイプ | 幅広い業界・取引先に対応する汎用EDI型 | 特定業種・業務に強いEDI型 | 中小・共通EDI/受発注連携でスモールスタートする型 |
|---|---|---|---|
| 主な特徴 | 多様な業界標準・通信プロトコルに対応し、クラウド/オンプレ/アウトソースから提供形態を選べる。取引先が多く、複数の手順を使い分ける企業に向く。シェアや接続実績の上位に多い層 | 小売・卸・製造など、業界固有の商慣行や流通BMS・業界VANに最適化。該当業界の取引が中心の企業に向く | 中小企業共通EDIや受発注システム・BtoB-ECと連携し、脱FAXやレガシー刷新を小規模から始められる。まず一部の取引先からEDI化したい企業に向く |
| 該当する主なサービス | EDI-Master Cloud、スマクラBDX、ACMS B2B、JSOL EDIサービス ほか | EOS名人.NET、EdiGate/POST、クラウドEDI-Platform ほか | EXtelligence EDIFAS、EcoChange、DX BtoB Web受発注システム ほか |
※上記は各タイプの一般的な傾向です。個別のサービスの対応範囲や提供形態については各社情報をご確認ください。
自社がどのタイプに適しているかの判断が難しいケースもあります。そのような場合でも自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
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シェア・実績だけで選ばないEDIパッケージの選び方
ここからは、シェアや接続実績を起点にしつつ、自社の商流に合うかを確かめるための選定ポイントを整理します。広く使われている製品は社内での説明がしやすい一方、シェアだけで選ぶと自社の業界標準や取引先の手順に合わないことがあります。次の観点を自社の状況に当てはめて確認してください。
接続実績・継続率の見方(シェアの代替指標をどう使うか)
公的なシェア統計がないため、各社が公表する接続社数・接続サイト数・継続率が、実績を測る手がかりになります。確認したいのは、その数字が自社に近い条件のものかという点です。たとえば接続サイト数が多くても、それが自社と異なる業界中心の実績であれば、自社の取引先とつながる保証にはなりません。数値の大きさだけでなく、公表されている導入業種や規模が自社と重なるかを合わせて見ます。
実績値を公開していない製品は、それだけで候補から外す必要はなく、問い合わせ時に自社に近い事例を確認するとよいでしょう。
対応プロトコル・業界標準(流通BMS・業界VAN)との適合を確認する
最も優先度が高いのが、取引先の通信手順・データ形式に対応できるかです。取引先から流通BMSや特定の業界VANを指定されている場合、その標準に対応した製品でなければ運用できません。現在やり取りしている取引先ごとに、使っているプロトコルとデータ形式を棚卸しし、候補製品の対応範囲と突き合わせます。
将来増やす予定の取引先がある場合は、その手順も見込んで対応範囲に余裕のある製品を選ぶと、後の乗り換えを避けられます。
取引先ごとに通信手順やデータ形式が異なり、その違いをどう吸収するかで迷う場合は、対応プロトコル・データ形式の観点からEDIシステムを比較した以下の記事が参考になります。取引先ごとにバラバラな手順・フォーマットを製品側で吸収するための選び方を、製品比較とあわせて整理しています。
EDIシステム比較21選|対応プロトコル・データ形式と取引先ごとの違いを吸収する選び方
取引先ごとに受発注の受け口がバラバラになっていませんか。大手の取引先とはEDIでつながっているのに、別の取引先からはWeb-EDIの画面にログインして手作業でダウンロードし、小口の取引先からはFAXやメールで注文が届く。結局どこかで人が転記…
提供形態(クラウド/オンプレ/VAN/アウトソース)で選ぶ
運用体制に合う提供形態を選ぶことも重要です。自社に運用担当を置きにくい場合は、構築や日々の運用をベンダーに任せられるクラウド型やアウトソース型が向きます。基幹システムと密に連携させたい、独自の処理を作り込みたい場合はオンプレミス型が選択肢になります。取引先対応やデータ変換まで含めて任せたい場合はVAN型が候補です。運用にかけられる人員と、求める作り込みの度合いのバランスで判断します。
費用の見方(初期・月額と提供形態による差)
費用は提供形態によって構造が変わります。クラウド型は初期費用を抑えて月額で利用する形が多く、オンプレミス型は初期の構築費用が大きくなる傾向があります。多くのEDI製品は取引件数・接続先数・必要な手順によって料金が変わるため、公式サイトに定価が示されず「要お問い合わせ」となっている製品も少なくありません。
費用を比べるときは、初期費用と月額だけでなく、取引先の追加やプロトコル追加にかかる費用、運用サポートの範囲まで含めて見積もると、導入後の総額を見誤りにくくなります。また、EDIで交換した取引データは電子帳簿保存法の電子取引に該当し、保存の対象となるため、保存要件に対応できるかもあわせて確認しておきます。
クラウド型EDI(Web-EDI)の初期費用・月額・従量課金の相場をより具体的に知りたい場合は、主要サービスの料金を一覧で整理した以下の記事もご覧ください。
シェア上位=汎用EDI型に寄る点と自社の業界標準・プロトコル適合の確認
シェアや接続実績の上位には、多様な業界に幅広く対応する汎用型が多く並びます。これは多くの取引先とつながれる汎用型が広く採用されやすいためで、裏を返せば「上位=自社に最適」とは限りません。特定の業界に特化した製品の方が、自社の商慣行や帳票に合致して運用がスムーズになる場合があります。中小企業で取引先が限られるなら、共通EDIや受発注システムとの連携で小さく始める選択肢もあります。
シェアは候補を絞る入口として使い、最終的には自社の業界・取引先・規模への適合で選ぶのが失敗を避けるコツです。
【比較表】主要EDIパッケージ・EDIサービスの実績比較
ここからは、国内のBtoB向けEDIパッケージ・EDIサービスを、タイプ・提供形態・対応プロトコル・導入実績・費用・業界適合・電子帳簿保存法/2024年問題への対応といった軸で横並びに比較します。対応プロトコルと提供形態は各製品とも比較できますが、導入実績と費用は公表していない製品が多く、実額や実績値が載っている製品は限られます。
公表されていない項目は各社の方針により「公表なし」「要お問い合わせ」としています。自社の取引先や商流に照らして、候補を絞り込む材料としてご活用ください。
| サービス名 | スマクラBDX (SCSK) | ACMS B2B (データ・アプリケーション) | EDI-Master Cloud (キヤノンITS) | NEC EDIサービス (NEC) | JSOL EDIサービス (JSOL) | OpenText B2B Integration Enterprise (オープンテキスト) | REDISuite (日立システムズ) | EDIプラットフォームサービス (TISI) | Biware EDI Station 2 (インターコム) | JFT/SaaS (TOKAIコミュニケーションズ) | eCubenet (オージス総研) | NI+C EDIシリーズ (日本情報通信) | トラコ(TRACO) (デジタルトランスコミュニケーションズ) | BL.TRUST (東計電算) | EOS名人.NET (ユーザックシステム) | EdiGate/POST (DAIKO XTECH) | クラウドEDI-Platform (サイバーリンクス) | Skymart-EDI (東計電算) | Hi-PerBT 購買管理 (日立ソリューションズ西日本) | PROCURESUITE (DAIKO XTECH) | MONQX EDI (株式会社YEデジタル Kyushu) | Guide (横山システム経営研究所) | DX BtoB Web受発注システム (マルウェブ) | アラジンEC (アイル) | EXtelligence EDIFAS (エクス) | EcoChange (グローバルワイズ) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タイプ | 汎用EDI | 汎用EDI | 汎用EDI | 汎用EDI | 汎用EDI | 汎用EDI | 汎用EDI | 汎用EDI | 汎用EDI | 汎用EDI | 汎用EDI | 汎用EDI | 汎用EDI | 汎用EDI | 業種特化 | 業種特化 | 業種特化 | 業種特化 | 業種特化 | 業種特化 | 業種特化 | 業種特化 | スモールスタート | スモールスタート | スモールスタート | スモールスタート |
| 提供形態 | クラウド(Web-EDI) | オンプレ(パッケージ) | クラウド | クラウド | クラウド+BPO(VAN/中継) | クラウド(フルマネージド) | クラウド(EDIセンター型) | クラウド(アウトソース可) | オンプレ(買い切り) | クラウド | クラウド(フルアウトソース) | クラウド/オンプレ/VAN(5ブランド) | クラウド(ASP) | クラウド(SaaS/ASP) | パッケージ(オンプレ) | クラウド(Web-EDI) | クラウド | クラウド(Web-EDI) | オンプレ/AWS | クラウド/オンプレ | クラウド | クラウド/パッケージ | パッケージ(自社サーバー展開) | クラウド(カスタマイズ型パッケージ) | クラウド | クラウド |
| 対応プロトコル | Web-EDI/EDI(ECALGA認証) | 全銀協手順・JCA手順 AS2・JX手順・ebXML MS | 全銀TCP/IP・JX手順・AS2 流通JCA/BMS・ebXML MS・CII | JX・AS2・全銀協(TCP/IP広域IP網) ebMS3.0・流通BMS | 流通BMS(ebMS/JX/AS2) 全銀手順・EOS・FB | EDI・AS2・API・FTP | 全銀系・AS2・JX手順 RosettaNet・流通BMS・ebXML MS | 全銀手順・全銀TCP/IP 流通JCA/JCA-H・CII・ebXML MS | 全銀手順・全銀TCP/IP 流通JCA/JCA-H・CII・ebXML MS | 全銀TCP/IP・全銀TLS JX・AS2・ebXML MS・WebEDI | 全銀TCP/IP・AS2・流通BMS JX手順・Peppol・HULFT | 流通BMS(AS2/ebXML/JX) 全銀TCP/IP・RosettaNet・SFTP | 全銀TLS・AS2・ebXML・JX手順 流通BMS・百貨店BMS・HULFT | 全銀TCP/IP・流通BMS(JX/ebXML/AS2) JX手順(ZEDI)・HULFT・BACREX | 流通BMS(基本形V1.3 JX手順)適合 | 全銀手順・全銀TCP/IP 流通JCA/JCA-H・CII・ebXML MS | 流通BMS・全銀/JCA手順 全銀TCP/IP・AS2・JX・ebMS・Web-EDI | 全銀手順・全銀TCP/IP 流通JCA/JCA-H・CII・ebXML MS | Web-EDI(見積・発注) | Web-EDI(見積・カタログ購買) | 全銀手順・全銀TCP/IP 流通JCA/JCA-H・CII・ebXML MS | 全銀手順・全銀TCP/IP 流通JCA/JCA-H・CII・ebXML MS EDI非参加先へ自動FAX | 標準はCSV連携 EDI連携は個別対応 | Web受発注 基幹連携(CSV等) | 中小企業共通EDI(CEFACT準拠) API・Agent連携 | 中小企業共通EDI Ver.4.2 XML-EDI・ZEDI(オプション) |
| 導入実績 | EDI・調達領域で3万社規模の利用実績 (単体導入社数は公表なし) | 導入1,300社以上 (累計出荷4,800本以上) | 公表なし | 公表なし | Web-EDI契約継続率96% (1983年からEDI提供) | グローバル接続100万社超 (国内個社の実績ではない) | 公表なし | 契約400社以上・接続9万ID以上 (EDI提供40年以上) | 導入60,000社以上 (Biware製品群全体) | 公表なし (接続実績10年以上) | 公表なし | 14,000サイト以上 (EDI提供40年以上) | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 顧客100社超 (20年以上提供) | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 公表なし (アイルのBtoB実績6,000社超) | 公表なし | 公表なし |
| 費用の目安 | 初期500万円〜/月額20万円〜 (公式FAQ参考費用) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ (データ量に応じた従量) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ (ID数による階段式) | 買い切り92万円〜 (Standard、保守1年込) | 初期18万円〜/月額3万円〜 (税別) | 要お問い合わせ | 月額参考3万円〜 (初期費用は要お問い合わせ) | 要お問い合わせ (参考例 月額8万円〜) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ (サーバー単位ライセンス) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 初期450万円〜(税抜) (標準300万+導入150万〜)+保守 | 初期400万円〜/月額7万円〜 (モデルケース、要見積もり) | 初期0円〜/月額3,000円〜 (1〜5社、税別。無料プランあり) | 初期15万円〜/月額700円〜 (Flex、税抜) |
| 業界適合 | 製造業(調達・購買) | 業界横断(汎用) | 全業種(従業員50名以上) | 業界横断(汎用) | 流通・金融に強み | グローバル/業界横断 | 製造・流通・金融・医療 | 全業種(大〜中堅) | 流通・製造・金融 | 業界横断(汎用) | 業界横断(汎用) | 業界横断(汎用) | 業界横断(汎用) | 製造・小売ほか企業間取引 | 小売取引のメーカー・卸 | 製造業(図面配布)ほか | 流通(卸・小売・食品) | 食品卸 | 製造業(購買) | 業界横断(購買・調達) | 製造業 | 製造業(調達)ほか | 業界横断(BtoB受発注) | 業界横断(BtoB受発注) | 製造業ほか(中小) | 製造・卸売・食品(中小) |
| 電帳法・2024年問題対応 | 電帳法: 対応 2024年問題: クラウドWeb-EDIで刷新 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: AS2・JX・ebXML等でレガシー刷新 | 電帳法: 対応(オプション) 2024年問題: 全銀TCP/IP・AS2等に対応 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: 全銀協(IP網)・AS2・JX等に対応 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: ebMS・JX・AS2等に対応 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: AS2・API等に対応 | 電帳法: 対応(オプション) 2024年問題: 全銀系・AS2・JX等に対応 | 電帳法: 対応(オプション) 2024年問題: 全銀TCP/IP・ebXML MS等に対応 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: 全銀TCP/IP・ebXML MS等に対応 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: 全銀TCP/IP・AS2・JX等に対応 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: 全銀TCP/IP・AS2等に対応 | 電帳法: 対応(オンラインEDIストレージ) 2024年問題: 全銀TCP/IP・AS2・JX等に対応 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: 全銀TLS・AS2・JX等に対応 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: 全銀TCP/IP・JX(ZEDI)等に対応 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: 流通BMS(JX手順)に対応 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: 全銀TCP/IP等に対応 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: 全銀TCP/IP・AS2・JX等に対応 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: 全銀TCP/IP等に対応 | 電帳法: 対応(JIIMA認証) 2024年問題: Web-EDIで見積・発注 | 電帳法: 対応(JIIMA認証) 2024年問題: —(Web購買管理) | 電帳法: 公表なし 2024年問題: 全銀TCP/IP等に対応 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: 全銀TCP/IP等に対応 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: 既存EDI保守期限の移行受け皿 | 電帳法: 公表なし 2024年問題: FAX・既存EDIからWeb移行 | 電帳法: 対応 2024年問題: 脱FAX・刷新をスモールスタート | 電帳法: 対応 2024年問題: 脱FAX・ZEDI対応(オプション) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト |
※各社公式情報をもとに作成しています。対応プロトコルや費用の詳細、最新の提供状況は各社情報をご確認ください。
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主要EDIパッケージ・EDIサービスの個別紹介
ここからは、比較表で取り上げた主要なEDIパッケージ・EDIサービスを、タイプ別に個別に紹介します。それぞれの提供形態・対応範囲・実績の特徴を確認し、自社に合う候補を見極めてください。
幅広い業界・取引先に対応する汎用EDI型
多様な業界標準・通信プロトコルに対応し、取引先の多い企業でも幅広くデータ交換を担えるタイプです。シェアや接続実績の上位に並ぶことが多い層でもあります。
1. スマクラBDX 調達購買Web(SCSK株式会社)

製造業の調達・購買向けに、Web-EDIとサプライヤーポータルを統合したのが、SCSK株式会社のクラウド型受発注プラットフォーム「スマクラBDX 調達購買Web」です。見積依頼から発注・納期回答・出荷・検収・請求・支払までを電子化します。
図面・仕様書を取引データに添付してPLM/PDMや基幹システム(ERP/SAP)と連携でき、JEITAのWeb-EDIガイドラインに準拠したECALGA認証の取得と電子帳簿保存法への対応を備えます。既存のFAX・Web-EDIと併用しながら、サプライヤー単位で段階的に移行できます。
公式サイトのFAQでは、初期費用500万円〜・月額費用20万円〜が参考費用として示されており、対象範囲や機能構成、サプライヤー数に応じて変動します(2026年10月時点)。
2. ACMS B2B(株式会社データ・アプリケーション)

ACMS B2Bは、株式会社データ・アプリケーションが提供する統合EDIサーバー型の製品です。全銀協手順・JCA手順などのレガシー手順から、AS2・JX手順・ebXML MSといったインターネットEDIまで複数の通信手順に対応します。
CII・UN/EDIFACT・ANSI X.12・XMLなど多様なデータ形式の変換を1製品で行え、業界や取引先をまたいだ接続に使えます。日立製作所のCosminexus連携プロダクトとしても提供され、販売パートナーの製品ページでは1,300社以上の導入実績(累計出荷4,800本以上)が示されています。
提供元のデータ・アプリケーションは、自社をEDIミドルウェア市場で国内シェアNo.1と位置づけています(同社の中期経営計画)。これはEDIミドルウェアという製品区分での訴求で、EDIパッケージ・EDIサービス全体の順位ではありません。料金は要問い合わせです。
3. EDI-Master Cloud(キヤノンITソリューションズ株式会社)

EDI-Master Cloudは、キヤノンITソリューションズ株式会社が長年提供してきたEDI製品「EDI-Master」のクラウド版です。AWS上で稼働するクラウドネイティブ型で、自社サーバーを持たずに利用できます。
全銀TCP/IP・JX手順・AS2といった通信手順やデータ変換、ジョブフロー、運用管理をクラウド上で一元的に扱えます。OpenAPIによる基幹システム連携に加え、EDI業務の監視・保守を代行する「EDI業務運用サービス」も別途用意されています。対象は従業員50名以上の全業種とされています。
2026年6月には、医薬品・医療機器分野向けの「当局報告オプション」が追加されました。料金は要問い合わせで、年間契約・月額請求の形態です。
4. NEC EDIサービス(日本電気株式会社)

日本電気株式会社(NEC)のEDIサービスは、クラウド型(SaaS)で提供される企業間データ交換サービスです。配下にはクラウド型データ集配信サービス「B2B-EXCHANGE」があり、複数の取引先とのデータ送受信をファイル転送型でまとめて扱えます。
B2B-EXCHANGEは、JX・AS2・全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)・ebMS3.0・流通BMSに対応します。送信側と受信側で通信手順が異なる場合も、サービスが間に入って変換・中継する仕組みです。
料金は要問い合わせで、従量制に加え、利用量の多い企業向けに利用量に依存しない固定費用の体系も用意されています。
5. JSOL EDIサービス(株式会社JSOL)

株式会社JSOLのEDIサービスは、通信手順やデータ形式の違いを吸収して相手先へ届ける中継型のサービスで、1983年からEDIを提供してきた実績があります。ファイル交換型EDIとWebブラウザ型のWeb-EDIの2タイプを、運用代行(BPO)と組み合わせた「SaaS+BPO型」として提供します。
流通系・金融系の接続に強みがあり、流通BMS(ebMS/JX/AS2)、全銀手順、発注データ(EOS)、ファームバンキング(FB)に対応します。24時間365日の運用に加え、想定時間に注文データが届かない場合にアラームを出す「0件アラート確認」など運用面の機能を備えます。
サービスLPではWeb-EDI利用顧客の契約継続率96%(集計時点・母数の記載はなし)と示されています。料金はデータ量に応じた従量課金で、実額は要問い合わせです。
6. REDISuite(株式会社日立システムズ)

取引先ごとに異なる仕様を1つのインターフェースに集約できるのが、株式会社日立システムズの汎用EDIサービス「REDISuite」です。メッセージ変換によって、多様な取引先との接続を束ねられます。
全銀系手順・AS2・JX手順・RosettaNet・流通BMSなど幅広い通信プロトコルに対応し、Webブラウザ・FAX・電子メール経由の取引も扱えます。Web画面で取引先ごとの送受信状況やエラーをリアルタイムに確認できます。
オプションで、東日本・西日本の2拠点センターによる災害時の接続切り替えや、電子帳簿保存法に対応した7年間のデータ保存にも対応します。移行支援や取引先からの問い合わせ代行を含め、24時間365日の稼働・ヘルプデスクを備えます。料金は要問い合わせです。
7. EDIプラットフォームサービス(TISI株式会社)

40年以上のEDI提供実績と約300名のEDI専従者による運用体制を持つのが、TISI株式会社のEDIプラットフォームサービスです。TISI株式会社は、2026年7月にTIS株式会社が完全子会社の株式会社インテックを吸収合併し、社名変更して発足した会社です。EDIにかかる設備の導入から運用までをアウトソースできます。
全銀手順・全銀TCP/IP・流通JCA/JCA-H・製造業向けCII標準・ebXML MSに対応します。並列・分散・遠隔で稼働する設計により、災害時のデータ復旧時点を災害直前に近づけます。製造業向け調達Web-EDIやAnserDATAPORT接続、電子帳簿保存法対応などのオプションも用意されています。
公式には、契約社数400社以上・接続9万ID以上を持つ国内最大規模のEDI事業者と位置づけています。料金は接続先登録数(ID数)による階段式で、要問い合わせです。
8. Biware EDI Station 2(株式会社インターコム)

クラウドの月額型とは提供形態が異なり、買い切りパッケージ型で導入するのが、株式会社インターコムの「Biware EDI Station 2」です。IaaSや仮想化環境でも利用できるB2Bインテグレーションサーバーです。
インターネットEDI・レガシーEDI・FAX受注を1つのサーバーで扱い、基幹システム向けにデータ形式を変換します。プログラミングをせずに、ドラッグ&ドロップやウィザードで受注処理のワークフローを組める点が特徴です。全銀手順・全銀TCP/IP・流通JCA/JCA-H・製造業向けCII標準・ebXML MSに対応します。
ライセンスはStandardで920,000円〜(インターネットEDI3接続・レガシーEDI4回線、保守1年込み)で、90日間の無料トライアルが用意されています。
9. JFT/SaaS(株式会社TOKAIコミュニケーションズ)

JFT/SaaSは、株式会社TOKAIコミュニケーションズが自社回線・自社データセンター・自社開発のEDIパッケージを組み合わせて提供するクラウド型EDIサービスです。自社サーバーに導入するオンプレミス版のJFT/Serverも用意され、クラウドとオンプレミスのどちらかを選べます。サービス開始から10年以上の接続実績があるとしています。
全銀TCP/IP・全銀TLS・JX手順・AS2・ebXML MSなど、主要な通信手順を広くカバーします。フォーマット変換やコード変換、ファイルの分割・マージに対応し、AnserDATAPORT接続や専用回線引込のオプションも選べます。EDI専任のエンジニアによる24時間365日のサポートを備えます。
費用は初期18万円〜・月額3万円〜(いずれも税別、要件に応じて見積もり)と、実額が公開されています。
10. eCubenet(株式会社オージス総研)

EDIの設計・導入から監視・障害対応・運用までをまとめて委託できるのが、株式会社オージス総研のフルアウトソーシング型EDIサービス「eCubenet」です。自社でEDI設備を持たずに利用できます。
全銀TCP/IP・AS2・流通BMS・JX手順・Peppolなどの手順に対応し、データ伝送・データ変換・Web-EDI・FAX/BPO・ネットワーク接続の機能を提供します。2026年には、ファイル共有型Web-EDIの「eCubenet パートナーハブ」の提供も始まりました。
ISO 9001、ISO/IEC 27001、JIS Q 15001、プライバシーマークを取得しています。料金は要問い合わせです。
11. NI+C EDIシリーズ(日本情報通信株式会社)

NI+C EDIシリーズは、5つのブランドで構成される日本情報通信株式会社(NI+C)のEDIソリューション群です。EDIPACK、EDIゲートウェイサービス、UTRAD、.com Exchange、NMS IE/EXからなり、クラウド・パッケージ・VAN型といった提供形態を要件に応じて選べます。
流通BMS(AS2/ebXML/JX)・全銀TCP/IP(広域IP網)・RosettaNet・SFTP・HULFTなど幅広い手順に対応し、固定長・CSV・XML・IDoc・CIIなど多様なフォーマットを変換できます。電子帳簿保存法に対応したオンラインストレージサービスも備えます。
14,000サイト以上の接続実績と40年以上のEDI提供実績を持ちます。2024年12月には、セコムトラストシステムズからEDIサービス事業を譲受しています。料金は月額参考30,000円〜で、詳細は要問い合わせです。
12. BL.TRUST(株式会社東計電算)

ファイル交換型の「MCS」とWebブラウザ型の「BL-C」を組み合わせて使えるのが、株式会社東計電算のトータルEDIサービス「BL.TRUST」です。どちらか一方のみの利用もできます。
全銀TCP/IP・流通BMS(JX/ebXML/AS2)・JX手順(ZEDI)・HULFT・BACREXなどの手順に対応します。仕入先単位の商品単価や商品コードの変換、送料・手数料・値引きへの対応など、商取引に固有の処理を標準で備えます。
自前のデータセンターによる24時間365日の監視・保守を行います。MCSMail、MCSFAX、MCSPrintなど7種類のサービスバリエーションも用意されており、料金は要問い合わせです。
特定業種・業務に強いEDI型
小売・卸・製造など、特定の業界の商慣行や流通BMS・業界VANに最適化したタイプです。該当業界の取引が中心の企業では、汎用型より運用がスムーズになる場合があります。なお、この区分には取引先の標準手順でのデータ中継よりも、発注側のWeb購買・発注業務の電子化を主眼とする製品も含まれます。
取引先が指定する全銀TCP/IPや流通BMSでの交換が目的であれば、その手順に対応するかを各製品で確認してください。
13. EOS名人.NET(ユーザックシステム株式会社)

小売チェーンと取引するメーカー・卸が、小売からの受注をオンラインで受け取るための受発注パッケージソフトです。流通BMS(基本形V1.3 JX手順クライアント)に適合宣言した製品で、小売EDIの標準的な手順で受発注データを交換できます。
受発注業務の自動化やRPAを手がけるユーザックシステムの製品群の一角で、受注データを基幹システムへ取り込む運用まで想定されています。小売チェーンからの受注(EOS)への対応に特化しているため、小売との取引が中心のメーカー・卸に向く製品です。
14. クラウドEDI-Platform(株式会社サイバーリンクス)

株式会社サイバーリンクスが提供する、受発注業務をクラウド上で電子化するEDIサービスです。受注側・発注側の両方に対応し、FAXや電話を中心とした取引からの移行を想定しています。卸売・小売・食品といった流通業界の商慣行への対応を主眼にした製品です。
流通BMSなどの業界標準に加え、全銀・JCA手順といった従来型EDIやインターネットEDI、Web-EDIを1つのサービスで扱える点が特徴です。24時間365日の運用監視を国内3拠点の分散体制で行い、自社でEDI基盤を保守せずに運用できます。
15. Skymart-EDI(株式会社東計電算)

食品卸業の受発注に向けて提供されるクラウド型のWeb受発注システム(Web-EDI)です。商取引データをインターネット経由でやり取りし、販売管理「Skymart-Sales」や店舗管理「Skymart-Retail」と組み合わせて業務を一体で運用できます。
発注漏れを防ぐアラート機能やタブレット端末向けの専用画面など、卸・小売の現場運用を想定した機能を備えます。食品卸業に特化した構成のため、同業界の商流が中心の企業に向きます。
16. Hi-PerBT 購買管理(株式会社日立ソリューションズ西日本)

自動車部品製造業で培ったノウハウをもとに、購買依頼から見積・発注・入荷検収・支払までを1つのシステムに統合した製造業向けの購買管理パッケージです。Web-EDIによるサプライヤーとの見積・発注のやり取りにも対応します。
一般購入品(間接材)に加えて生産材(直接材)・設備・消耗品まで購入手配の対象とし、2026年4月16日には工事業向けの発注・検収機能を追加した新版の提供を始めました。
料金はサーバー単位のライセンス体系で、利用ユーザー数が増えてもライセンス費用は変わらない仕組みです。電子取引データの保存要件に対応するJIIMA認証も取得しています。
17. PROCURESUITE(プロキュアスイート)(DAIKO XTECH株式会社)

2003年から提供されている購買・調達管理システムで、見積から検収までの一連の購買業務を扱います。都度見積購買・カタログ購買・支払請求処理の3つのプロセスに対応し、購入依頼から検収までを電子承認のワークフローで進められます。
提供形態はオンプレミスとクラウド(SaaS)から選べ、自社の要件に合わせて導入できます。電子帳簿保存法に対応し、JIIMA認証を取得しているほか、キヤノンITソリューションズのSuperStreamとの連携にも対応します。
18. MONQX EDI(株式会社YEデジタル Kyushu)

製造業のサプライチェーン間取引の電子化に向けたクラウド型のWeb-EDIサービスです。FAX・電話・メールで行っていた購買・調達や受発注の業務を電子データ交換に置き換え、発注から検収までを扱います。
発注する企業側だけでなく、受注するサプライヤー側の納期回答入力や受注残照会、出荷入力といった機能も備えます。生産・販売・原価管理システム「mcframe 7」との連携に対応し、製造業の基幹業務と受発注データを接続できます。
中小・共通EDI/受発注連携でスモールスタートする型
中小企業共通EDIや受発注システム・BtoB-ECと連携し、脱FAXやレガシー刷新を小さく始められるタイプです。まず一部の取引先からEDI化したい企業に向きます。
EDIパッケージの導入まで踏み込まず、まずFAX・電話の受発注をWeb化する受発注システムから小さく始めたい場合は、受発注システム全般を費用・機能・取引先の使いやすさで比較した以下の記事も参考になります。
19. DX BtoB Web受発注システム(株式会社マルウェブ)

株式会社マルウェブが開発・提供する、Magento(Adobe Commerce)を基盤としたパッケージ型のBtoB Web受発注システムです。SaaS型ではなく自社のサーバー環境へシステム一式を展開する形態をとり、FAX・電話・メールで続けてきた受注業務のWeb化と、取引先ごとに異なる価格・見積・注文条件の一元管理を主な目的としています。
公式ソリューションページでは、既存EDIの保守期限到来への対応を導入のきっかけの一つに挙げています。すべての取引先を一度に移行するのではなく、Web発注に切り替えやすい取引先・業務から段階的にWeb化を進める想定で、FAX注文が残る企業でも導入できます。FAXをすぐに廃止できない場合は、AI OCRなどの個別対応と組み合わせることも可能です。
料金は、標準パッケージが300万円(税抜)、パッケージ環境の展開や初期設定を含む導入サポート・基本パックが150万円(税抜)からで、両者を合算する構成です。基幹システム・ERP・EDIとの連携やAI OCRは標準機能ではなく、個別対応(別途見積り)となる点は、導入前に確認しておくとよいでしょう。
FAX・電話が中心の企業が、どの取引先から受発注のWeb化を始めればよいかについて、開発元である株式会社マルウェブの前山氏は、MCB FinTechカタログの取材に次のように述べています。
最初からすべての取引先をWebへ移行する必要はありません。まず現在の受注方法や取引先ごとの運用を整理し、Web発注へ移行しやすい取引先や業務から段階的に切り替えていきます。FAXや手書きの注文をすぐに廃止できない場合は、既存の運用を残しながらAI OCRなどを組み合わせることも可能です。大切なのはシステムを導入することそのものではなく、取引先や社内の担当者が無理なく移行できる形を設計することだと考えています。
20. アラジンEC(株式会社アイル)

FAX・電話で行っていた企業間の受注・発注をWeb化するBtoB専用のWeb受発注システムです。提供元は販売管理パッケージ「アラジンオフィス」などを手がける株式会社アイル(東証プライム上場)で、注文データを自社の「アラジンオフィス」をはじめとする基幹システムへ取り込み、得意先ごとに購入できる商品・単価・決済方法を制御できます。
掛け払い(後払い)や最低ロット・荷姿(ケース/バラ)の設定など、企業間取引特有の商習慣に標準で対応します。業界や取引形態に応じて個別にカスタマイズするパッケージ型で、料金はカスタマイズ規模別の3段階です。公式の料金ページにはモデルケースとして初期費用400万円〜・月額7万円〜(月額固定型、要見積もり)が示されています。
導入実績について、公式が示す「6,000社以上のBtoBノウハウ」はアイルのBtoB案件全体の実績で、アラジンEC単体の導入社数は公表されていません。導入事例では、FAX受注のデジタル化により業務負荷を約40%削減したテイクハートの例が公式に紹介されています。
21. EXtelligence EDIFAS(株式会社エクス)

生産管理システム「Factory-ONE 電脳工場」を手がける株式会社エクスが2016年から提供する、クラウド型のEDIサービスです。自社サーバーを用意せず、受発注・見積依頼・出荷・仕入検収・支払通知に加え、生産計画や支給といった製造業特有の取引も電子化できます。日本語・英語・中国語(簡体字)に対応し、海外の取引先とのやり取りも想定しています。
公式には中小企業共通EDIに準拠した共通EDIプロバイダとして位置づけられ、共通EDIプロバイダ同士の連携により、異なるプロバイダをまたいで取引データをやり取りできるとしています。標準でEDI連携機能を備えた業務アプリ(Factory-ONE 電脳工場、PCA商魂DX・商管DX、Dstar、EcoChange など)と組み合わせて利用でき、EDIFAS API・Agent 連携も用意されています。
料金はEDIの取引社数に応じた月額制で、1〜5社なら月額3,000円(税別)から、初期費用は0円から利用できます。一部機能を使える無料プランと最大2ヵ月の無料トライアルもあり、まず一部の取引先からEDIを始めたい企業の選択肢になります。
22. EcoChange(株式会社グローバルワイズ)

電話・FAX・メールでの受発注の手作業を減らすことを狙った、クラウド型のインターネットEDIサービスです。提供元は名古屋の株式会社グローバルワイズで、製造・卸売・食品などの業種を対象に、全取引先の受発注を一つの画面で管理できます。
公式にはITC協会の中小企業共通EDI標準 Ver.4.2 に準拠した共通EDIプロバイダと記載され、見積・注文・出荷・仕入・請求・支払など11の取引プロセスに対応します。
会計・販売管理など16製品や、EXtelligence EDIFASをはじめとする他の共通EDIプロバイダとも接続でき、オプション「EcoChange for ZEDI」では全銀EDIシステム(ZEDI)を用いた振込データ作成・入金照会・請求消込にも対応します。
料金は従量課金の「EcoChange Flex」と年額固定の「EcoChange Flat」の2プランがあり、Flexは月額700円(税抜)から、初期登録費用は150,000円(税抜)からです。取引件数に応じて小さく始め、量が増えたら年額固定へ切り替えるといった使い分けができます。
まとめ
国内のEDIパッケージ・EDIサービスには、公的で統一された製品別シェア統計がありません。そのため「どれが多く使われているか」は、各社が公表する導入社数・接続サイト数・継続率といった客観指標と、調査会社の市場データを出所とともに読み解くことで捉えるのが現実的です。各社の「トップシェア」表記は、調査名・母集団・対象範囲を確認したうえで参考にしましょう。
そのうえで、最終的な選定は、取引先が使う通信プロトコル・業界標準への適合、運用体制に合う提供形態、導入後の総額、そして2024年問題や電子帳簿保存法への対応を自社の商流に当てはめて判断することが欠かせません。シェアは候補を絞る入口として使い、自社に合うかどうかで選ぶことが、EDI刷新を成功させる近道です。比較表と選定診断ツールを使って、自社の条件に合う製品を見つけてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. EDI(電子データ交換)とは何ですか?
A. EDIとは、受発注・出荷・請求などの商取引データを、あらかじめ定めた形式と通信手順で企業間でやり取りする仕組みです。紙やFAX、電話、メールで行っていた受発注をシステム化し、転記ミスや処理の遅れを減らす目的で導入されます。EDIパッケージ・EDIサービスは、このデータ交換に必要な通信・フォーマット変換・自動処理の機能をまとめて提供する製品・サービスを指します。
Q. 国内のEDIパッケージ・EDIサービスに、公的で統一された製品別のシェア統計はありますか?
A. 国内のEDI市場には、公的で統一された製品別のシェア統計は存在しません。公開情報で手に入るのは、富士キメラ総研やITRといった民間調査会社の市場データや、各ベンダーが公表する導入実績に限られます。しかも調査会社のベンダー別シェアは有料レポートの中で示されることが多く、無料で製品別シェアを横並びにするのは難しいのが実情です。
そのため本記事では、順位づけに頼らず、各社が公式に公表する導入社数・接続サイト数・継続率といった、読者自身が確かめられる客観指標を手がかりに整理しています。
Q. EDI製品の「トップシェア」「シェアNo.1」という表記はどう読めばよいですか?
A. 「トップシェア」「No.1」は、どの調査をもとにした数字か、母集団は何か、国内かグローバルか、対象がEDIミドルウェアかパッケージ全体かを確認したうえで読む必要があります。集計の範囲が違えば、同じ「シェア」でも単純には並べられないためです。
たとえば「EDIミドルウェア市場で国内シェアNo.1」という訴求は、その特定の製品区分に限った順位であり、EDIパッケージ・EDIサービス全体の順位ではありません。
調査名と射程が明示されていない順位表示は、参考程度にとどめるのが安全です。
Q. EDIパッケージの導入実績(接続社数・接続サイト数)は、どう見ればよいですか?
A. 接続社数・接続サイト数・継続率は、数字の大きさだけでなく、その実績が自社に近い業種・規模のものかを合わせて見ることが大切です。接続サイト数が多くても、それが自社と異なる業界中心の実績であれば、自社の取引先とつながる保証にはなりません。
発表主体と時点が明示された公式情報で裏を取り、実績値が非公表の製品については、それだけで候補から外さず、問い合わせ時に自社に近い導入事例を確認するとよいでしょう。
Q. EDIのクラウド型・オンプレミス型・VAN/アウトソース型は何が違いますか?
A. 3つの違いは、運用をどこまで自社に持つかにあります。オンプレミス型は自社サーバーに導入して柔軟に作り込める反面、構築・運用の負担が自社に残ります。クラウド型(SaaS)はベンダー基盤を利用するため導入が早く、運用の手間を抑えられます。VAN/アウトソース型は、通信網の提供やデータ変換・運用の代行までベンダーに任せられます。
近年はクラウド型が増えていますが、基幹システムとの密な連携や、取引先から指定される通信手順への対応といった事情で、オンプレミス型やVAN型が選ばれる場面も残ります。
運用にかけられる人員と、求める作り込みの度合いのバランスで判断します。
Q. EDIとEOS、EDIとAPIは何が違いますか?
A. EOSはEDIの一種で、主に小売チェーンと取引先の間で受発注データを交換するオンライン受発注システムを指し、APIはシステム同士をリアルタイムに連携させる接続方式で、いずれもEDIとは対象や役割が異なります。EDIが受発注・出荷・請求など幅広い商取引データを対象にするのに対し、EOSは受発注に焦点を当てた呼び方です。
APIは即時のデータ連携に向く一方、取引先ごとに個別の取り決めが必要になりやすく、多数の取引先と標準手順でまとめてつなぐ場面では、従来のEDIの仕組みが使われることが多くなります。
Q. 全銀TCP/IP手順とINSネット終了(2024年問題)はどう関係しますか?
A. INSネット(ディジタル通信モード)の提供終了により、電話回線を使った従来の通信手順でEDIを運用していた企業は従来方式が使えなくなり、インターネット回線に対応した全銀TCP/IP手順(TCP/IP手順・広域IP網)などへの切り替えが必要になりました。NTT東日本・NTT西日本は固定電話網をIP網へ移行し、INSネット上のデータ通信は2024年1月に終了しています。
移行後の経過措置として一部のデータ通信が2027年頃までを目途に提供されますが、あくまで一時的な補完策です。EDIパッケージ・EDIサービスを選ぶ際は、移行後も長く使えるインターネット回線対応の方式かを確認しておくと安心です。
出典・参考資料(2件)
Q. EDIパッケージが流通BMSや業界VANに対応しているかは、どう確認すればよいですか?
A. 現在やり取りしている取引先ごとに、使っている通信プロトコルとデータ形式(流通BMSや業界VANの指定を含む)を棚卸しし、候補製品の対応範囲と突き合わせて確認します。取引先から流通BMSや特定の業界VANを指定されている場合、その標準に対応した製品でなければ運用できないためです。将来増やす予定の取引先がある場合は、その手順も見込んで対応範囲に余裕のある製品を選ぶと、後の乗り換えを避けられます。
Q. EDIでやり取りした取引データは、電子帳簿保存法の対象になりますか?
A. EDIで交換した注文書や請求書などの取引データは、電子帳簿保存法の「電子取引」に該当し、電子データのまま保存する対象になります。そのため、EDIパッケージ・EDIサービスを選ぶ際は、保存要件に対応できるか、あるいは要件に対応した保存の仕組みと連携できるかを確認しておくと安心です。製品によっては、電子帳簿保存法に対応したデータ保存機能やオプションを備えています。
Q. EDIの市場は今後も伸びるのでしょうか?
A. EDIソフトウェア市場は世界的に拡大が見込まれており、提供形態はクラウド型(SaaS)への移行が進む傾向にあります。Fortune Business Insightsは、グローバルのEDIソフトウェア市場が2025年の23.1億米ドルから2034年に64.9億米ドルへ拡大し、2026年から2034年の年平均成長率を12.30%と見込んでいます。
国内でもITRの「ファイル転送/EDI市場」の調査で、クラウド型の伸びとパッケージ型の縮小という提供形態の変化が示されています。EDIも他の業務システムと同様にクラウドへ移行する流れの中にあると捉え、社内で導入を検討する際の背景材料として押さえておくと役立ちます。
出典・参考資料(2件)
Q. 導入実績や費用を公表していないEDIパッケージは、候補から外した方がよいですか?
A. 公表していないという理由だけで候補から外す必要はありません。EDIの費用や導入実績は、取引件数・接続先数・必要な通信手順によって変わるため、定価や実績値を公開せず「要お問い合わせ」としている製品が多くあります。
公表の有無よりも、取引先が使う通信手順への対応や自社の業種・規模への適合を優先し、気になる製品は問い合わせの際に自社に近い導入事例と見積もりを確認するのが現実的です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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