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M&Aのデューデリジェンス費用はいくら?種類別・企業規模別の相場と損金・取得価額の税務処理を解説

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M&Aアドバイザリー・FA比較表(2026年版)

M&A(企業の合併・買収)で相手企業を調べるデューデリジェンス(買収監査、以下DD)は、財務・法務・税務・ビジネスなど複数の分野を外部の専門家に委ねるのが一般的です。基本合意まで進み、会計士や弁護士への依頼費用がいくらになるのか、見当がつかないまま見積もりを取ろうとする場面も少なくありません。費用の判断は経営者自身のことも、精査を任された担当者が準備することもあります。

この記事では、DDを外部に依頼したときの費用を、まず分野別・企業規模別の相場で示します。費用を左右する要因と抑え方、誰が負担するのかを整理したうえで、支払ったDD費用を税務上どう扱うか(損金に算入するのか、株式の取得価額に含めるのか)という、経理で必ず問題になる論点まで解説します。

相場の目安と税務処理の考え方を一度に把握できるので、専門家への相見積もりや社内での予算説明、顧問税理士への確認の前に、費用と税務リスクの見通しを立てられます。

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種類別の費用相場|財務・法務・税務・ビジネスDD

ここからは、DDを分野ごとに外部の専門家へ依頼したときの費用相場を見ていきます。DDは目的に応じて複数の分野に分かれ、担当する専門家も分野ごとに異なります。

下表は、売上規模がおおむね10億円以下の中小・中堅企業のM&Aで、各分野を単独で依頼した場合の、2026年10月時点の一般的な費用の目安です。主要な財務・法務・税務・ビジネスDDに加え、必要に応じて実施する労務DD・IT DDも含めています。

金額は専門家の標準的な時間単価と想定稼働、および各事務所が公開する料金例をもとにした目安です。実際の額は対象企業の規模・調査範囲・依頼先によって動くため、正式な金額は見積もりで確認してください。

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DDの分野 / 項目財務DD税務DD法務DDビジネスDD労務DDIT DD
担当する専門家公認会計士・FAS(財務アドバイザリー)税理士・税理士法人弁護士コンサルティングファーム社会保険労務士・弁護士ITコンサルタント
費用の目安(単独依頼)50万〜300万円50万〜150万円50万〜200万円100万円〜数百万円30万〜150万円数十万〜数百万円
主に調べること決算の実態、簿外債務、収益力の持続性申告の適正性、繰越欠損金、潜在的な追徴リスク契約・許認可、訴訟・紛争、コンプライアンス市場・競合、事業計画の妥当性、シナジー未払残業代、社会保険、労使紛争の有無システム資産、情報セキュリティ、統合の難易度

売上おおむね10億円以下での単独依頼の目安(2026年10月時点)。規模・調査範囲・依頼先により変動します。

中小企業のM&Aでは、財務DDと税務DDをまとめて依頼するケースが多く、案件の性質に応じて法務DD・ビジネスDDを加えていく形が一般的です。全分野を網羅的に実施するほど総額は上がり、調査範囲を絞れば抑えられます。

上表は分野ごとの単独依頼の目安です。自社の売上規模で複数の分野を実施したときの総額の着地は、次章の企業規模別の表で確認できます。

企業規模別のDD費用総額の目安

続いて、「自社の規模だと全部でいくらになるか」を総額の目安で示します。費用は対象企業の売上規模と、実施するDDの組み合わせでおおよそ決まります。

下表は、売上規模と「財務DDのみ/財務+法務+税務/全分野(フルDD)」の組み合わせごとの総額の目安です(2026年10月時点)。自社の売上規模の行で、実施したい範囲の列を見ると、着地レンジの見当がつきます。

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売上規模 / DDの範囲3億円未満3億〜10億円10億〜50億円50億円超
財務DDのみ50万〜150万円150万〜300万円300万〜500万円500万円〜
財務+法務+税務150万〜400万円300万〜600万円500万〜1,000万円1,000万円〜
全分野(フルDD)400万〜700万円600万〜1,000万円1,000万〜2,000万円2,000万円〜

総額は2026年10月時点の一般的な目安。調査範囲・依頼先・案件の複雑さにより変動します。

売上数億円規模の小規模なM&Aであれば、財務・税務を中心に数十万〜数百万円に収まることが多く、売上数十億円規模になると法務・ビジネスまで含めて1,000万円を超えることも珍しくありません。次の章で、この幅がどの要因で動くのかを見ていきます。

ここで示すのはDD(調査)そのものにかかる費用です。M&A仲介会社やアドバイザリーに支払う手数料・成功報酬(レーマン方式=取引金額に応じた料率など)はDD費用とは別に発生するため、総予算を組むときは両方を見込んでおくと見通しが立てやすくなります。

DD費用の内訳と、費用を左右する4つの要因

同じM&Aでも見積もりの金額に幅が出るのは、費用の大半を占める人件費が、案件の条件によって大きく変わるためです。まず費用の内訳を押さえ、その上で総額を左右する4つの要因を分解します。

M&Aデューデリジェンス費用の内訳と総額を左右する要因を示した図解。費用の大半は専門家(公認会計士・弁護士・税理士など)の時間単価×稼働時間からなる人件費で、資料準備費・データルーム利用料・交通費などの諸経費は人件費より小さい。人件費を押し上げる4つの要因として、会社の規模・事業の複雑さ、調査範囲(DDの種類数)、依頼先の種類、調査期間を挙げている。

費用の内訳(人件費・資料準備・データルーム・諸経費)

DD費用の中心は、調査にあたる専門家の人件費です。公認会計士・弁護士・税理士などの時間単価に、調査にかかった稼働時間を掛け合わせた金額が大半を占めます。専門家の時間単価は1時間あたり2〜5万円程度が一つの目安で、大手ファームや難度の高い論点ではこれより高くなることもあります。

これに、売り手が開示資料を整えるための資料準備費、開示資料を安全に共有するデータルーム(電子的な資料共有の仕組み)の利用料、現地調査の交通費などの諸経費が加わります。これらの諸経費が総額に占める割合は人件費より小さいことが多く、費用の大半は専門家の人件費が決めます。人件費が土台になるため、調査が長引くほど、関わる専門家が増えるほど総額が積み上がります。

要因①会社の規模・事業の複雑さ

対象企業の売上規模が大きく、拠点数や取引先が多いほど、確認すべき書類と論点が増え、調査にかかる工数が膨らみます。事業が複数にまたがる、海外子会社がある、といった複雑さも費用を押し上げる要素です。

要因②調査範囲(実施するDDの種類の数)

財務だけを見るのか、法務・税務・ビジネスまで広げるのかで、依頼する専門家の数が変わります。分野を増やすほど総額は上がるため、案件のリスクが集中する分野に絞るか、網羅するかの判断が費用に直結します。

要因③依頼先の種類(大手ファーム/中堅・個人事務所)

同じ調査でも、大手の監査法人系ファームと、中堅・個人の会計事務所とでは時間単価が異なります。大手は体制と実績に厚みがある一方で単価が高く、中堅・個人事務所は小規模案件で費用を抑えやすい傾向があります。相見積もりで単価と体制を見比べると、案件に見合った依頼先を選びやすくなります。

要因④調査期間(費用と期間の関係)

人件費が費用の土台である以上、調査期間の長さは総額に直結します。小規模な案件なら数週間、規模や論点が多い案件では1〜2か月以上かかることもあり、期間が延びるほど専門家の稼働が積み上がります。開示資料の準備が遅れると調査も長引くため、売り手側の協力体制もコストに影響します。

DD費用を抑える現実的な方法

費用を抑える基本は、やみくもに調査を削ることではなく、リスクの高い分野に資源を集中させることです。ここでは、調査の質を落とさずに総額を抑える現実的な方法を見ていきます。

第一に、調査範囲に優先順位をつけ、案件のリスクが集中する分野から着手します。第二に、財務・税務・ビジネスを一つの窓口へまとめて発注すると、情報共有の重複が減り、分野をまたぐ論点を効率的に扱えます。第三に、公開情報をもとにした初期調査(プレDD)を自社で先に行い、外部へ委託する範囲を絞り込む方法もあります。

加えて、M&Aにかかる専門家費用には公的な補助制度を使える場合があります。中小企業庁の事業承継・M&A補助金(専門家活用枠)は、FA(財務アドバイザー)・仲介手数料やデューデリジェンス、セカンドオピニオン、表明保証保険料などの費用を補助対象としています。

ただし、FA・仲介手数料については、M&A支援機関登録制度に登録された支援機関による支援であることが補助の要件です(デューデリジェンス費用は登録の有無を問わず補助対象)。補助率・補助上限・対象経費・公募期間は公募回ごとに変わるため、利用を検討する場合は最新の公募要領で対象範囲と要件を確認してください。

もっとも、費用を抑えるために調査を削りすぎると、買収後に簿外債務や未払残業代、係争中の訴訟などが発覚し、数十万円の節約が数千万円規模の損失につながるおそれがあります。

調査で拾いきれないリスクに備える手段として、表明保証保険(M&Aの表明保証違反による損害を補償する保険、W&I保険とも呼ばれます)を併用する選択肢もあります。

費用は「いくら削るか」ではなく、「どのリスクにいくらかけるか」という投資として判断すると、過不足のない予算になります。

DD費用は誰が負担するのか(買い手負担の原則とセルサイドDD)

ここでは、DD費用を買い手と売り手のどちらが負担するのかを整理します。

DDは買い手が対象企業のリスクを把握するために実施するため、その費用は買い手(譲受側)が負担するのが実務上の原則です。買い手が自ら専門家を選び、調査を依頼し、報酬を支払います。

例外として、売り手自身が自社を事前に調査する「セルサイドDD(ベンダーDD)」があります。これは売り手が費用を負担し、売却前に自社の問題点を把握して改善したり、買い手へ開示する資料を整えて交渉を円滑に進めたりする目的で行われます。自社の売却を検討する場合は、このセルサイドDDの費用も見込んでおくと予算の精度が上がります。

売り手が売却前に自社を整えるセルサイドDDは費用こそかかりますが、早い段階からの準備が最終的な取引条件に跳ね返るという見方があります。M&A前の準備を数年単位で支援する立場から、カタログの独自取材では次のような指摘がありました。

富田氏
かえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社 マネージャー
富田氏
独自インタビューより

数字の面では、株価に2倍以上の差が出ることもあります。株価だけでなく、最終的な条件にも違いが出ます。

売却を視野に入れるなら、セルサイドDDにかける費用は、こうした条件面の改善につながる投資として捉えると判断しやすくなります。

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支払ったDD費用の税務処理|損金か株式取得価額か

DDの相場の次に経理で必ず問題になるのが、支払ったDD費用を税務上どう扱うかです。結論から整理すると、DD費用は常に支払った年度の損金になるとは限らず、M&Aの手法によっては株式の取得価額に算入され、その株式を売却するまで損金にできない場合があります。

損金とは、法人税法第22条第3項第2号が定める「販売費、一般管理費その他の費用」として、その事業年度の所得から差し引ける費用です。一方で、株式を購入して子会社化する株式取得では、購入のために要した費用は株式の取得価額に含めるルールがあり、どちらに当たるかで課税のタイミングが変わります。

M&A手法別の税務処理(株式取得・事業譲渡・合併)

DD費用の税務処理は、M&Aをどの手法で行うかによって結論が分かれます。下表で手法別の原則を整理します。

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M&Aの手法 / 項目株式取得(株式譲渡)合併(吸収合併)事業譲渡
DD費用の税務上の原則株式の購入のために要した費用に当たるものは、株式の取得価額に算入(売却まで損金にできない)。可否・手法を判断する段階の費用は損金の余地移転を受ける資産の取得価額には含まれず、一時の損金として処理(適格・非適格を問わない)一般には損金または取得する資産の取得価額への配分が論点。個別の判断は顧問税理士へ確認を
根拠法人税法施行令119条1項1号法人税法施行令54条、国税庁質疑応答事例法人税法22条3項2号ほか

手法別の一般的な原則。個別案件の処理は顧問税理士に確認してください。

株式取得の場合、法人税法施行令では、購入した有価証券の取得価額に「その有価証券の購入のために要した費用」を加算すると定められています。DD費用がこの「購入のために要した費用」に当たると判断されると、株式の取得価額に含まれ、その株式を売却するまで損金にできません。

内国法人が有価証券の取得をした場合には、その取得価額は、次の各号に掲げる有価証券の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
一 購入した有価証券(……) その購入の代価(購入手数料その他その有価証券の購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)

出典:法人税法施行令 第119条第1項第1号|e-Gov法令検索

では、どの費用が「購入のために要した費用」に当たるのか。この点について、東京地方裁判所は2026年(令和8年)2月18日、M&A関連費用の損金性に関する初の司法判断を示しました。

判決では、株式購入の不確実性が相当程度解消し、客観的に購入へ向けられたといえる段階以降の費用は取得価額に算入され、買収の可否や手法を判断するための費用は損金に算入できる余地がある、という枠組みが示されたと解説されています。ただし、この判決は確定しておらず、控訴審に係属中です。

費用項目ごとの個別の取り扱いは案件の経緯によって変わるため、自社のケースでどう処理するかは顧問税理士に確認することをおすすめします。

一方、合併(吸収合併)の場合は扱いが異なります。国税庁の質疑応答事例では、合併に伴うDD費用は、移転を受ける減価償却資産を事業の用に供するために直接要した費用には当たらないため、一時の損金として処理すると示されています。この取り扱いは、合併が適格合併に該当するかどうかで変わりません。

ご照会のデューディリジェンス費用は、一時の損金として処理することになります。また、本件合併が適格合併に該当するか否かで取扱いに違いはありません。

出典:国税庁 質疑応答事例「合併に伴うデューディリジェンス費用の取扱い」|国税庁(2025年〈令和7年〉8月1日現在)

事業譲渡の場合は、調査段階の費用は損金、取得する資産に直接ひも付く費用はその資産の取得価額へ配分するという整理が一般的ですが、個々の費用の区分は案件により異なります。いずれの手法でも、最終的な処理は顧問税理士に確認してください。

出典・参考資料(4件)

会計処理と税務処理の違い

会計上は、DD費用を支払手数料・支払調査費・業務委託費・支払報酬などの勘定科目で費用計上するのが一般的です(どの科目を使うかは自社の経理方針によります)。ただし、会計上の費用計上と、税務上の損金算入は必ずしも一致しません。

株式取得でDD費用が税務上は株式の取得価額に算入されるケースでは、会計上は費用として処理していても、税務申告の際に取得価額へ振り替える調整(加算)が必要になる場合があります。会計と税務でずれが生じる点は、申告を担当する税理士と早めに認識を合わせておくと、税務調査での指摘を避けやすくなります。

実務で残すべき資料と意思決定時点の明確化

DD費用が損金か取得価額かは、「その費用がいつ・何のために支出されたか」で判断が分かれます。そのため、税務調査に備えて、意思決定の時点と費用の目的を示す資料を残しておくことが実務上重要です。

  • 買収の検討開始から基本合意・最終契約までの意思決定の経緯がわかる議事録・稟議書
  • 各費用が「可否判断のための調査」か「購入を前提とした費用」かを区別できる業務委託契約書・請求書
  • 成功報酬など、契約の締結にひも付いて発生した費用の支払時期がわかる資料

費用をひとまとめに処理せず、目的別・時期別に区分して証跡を整えておくと、損金と取得価額の線引きを税務当局に対して説明しやすくなります。

M&Aのデューデリジェンスとは(費用を理解する前提の最小解説)

ここまで費用を中心に見てきましたが、DDの全体像を簡単に補足しておきます。

デューデリジェンスは、M&Aで買い手が対象企業の実態とリスクを買収前に調べる調査です。財務・税務・法務・ビジネスなどの分野ごとに専門家が担当し、決算の実態、簿外債務、訴訟リスク、事業の将来性などを確認します。

この調査結果は、買収価格の妥当性の判断や契約条件(表明保証など)の設計、買収後の統合計画の土台になります。分野が多いほど担当する専門家が増え、前の章で見たとおり費用も積み上がります。

この記事は費用に絞って整理しました。各分野のDDが具体的に何を調べるのか、調査の進め方や期間までを含めたDD全体の流れを実例から詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

DD対応を含むM&Aの進行を相談できるアドバイザリー

DDは単独の作業ではなく、相手探しから条件交渉、最終契約までを含むM&A全体の一工程です。費用の見通しが立ったら、DDへの対応を含めてM&Aの進行を一貫して相談できるアドバイザリーに伴走してもらうと、専門家の手配や調査結果をふまえた交渉を任せられます。

DDを誰に頼むかは、調査したい分野と案件規模で選択肢が変わります。下表に主な依頼先の特徴を整理します。

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依頼先 / 比較項目監査法人系FAS会計事務所・税理士法人法律事務所M&Aアドバイザリー・仲介
得意とするDD財務・税務・ビジネス財務・税務法務M&A全体の進行支援
特徴大型・複雑な案件に強く、体制が厚い。単価は高めの傾向中小案件で柔軟に対応。顧問関係からの継続依頼がしやすい契約・許認可・訴訟リスクの精査に対応相手探しから交渉・契約まで伴走し、各分野のDDの取りまとめを担う

依頼先ごとの一般的な特徴。案件の規模・分野に応じて組み合わせます。

買い手としてDDの実施そのものを頼むなら、上表の監査法人系FAS・会計事務所・法律事務所が主な依頼先です。売り手として、DD対応を含む売却の進行全体を相談したい場合は、売り手側に立つM&Aアドバイザリーが選択肢になります。ここでは後者の例として、売り手に専門特化したアドバイザリーを紹介します。

M&A Lead(M&A Lead株式会社)

M&A Leadのウェブサイト

M&A Leadは、売り手(売主)側に専門特化したM&Aアドバイザリーです。相談から成約まで9つのステップで売却を支援し、その過程に買い手側が実施するデューデリジェンスへの対応が組み込まれています。全国・業種を問わず対応し、他社アドバイザーや地方金融機関とのネットワークを通じて買い手候補を探す点が特徴です。

着手金・中間金はかからず、報酬は成約時の成功報酬のみ(レーマン方式)の体系です。DDを含むM&A全体の進行を相談したい売り手にとって、検討段階から伴走してもらえる選択肢の一つです。

売り手にとってM&Aがどのような取り組みになるのか、M&A Leadはカタログの独自取材で次のように説明しています。

M&A Lead株式会社 広報
独自インタビューより

M&Aは相手を見つけて終わりではなく、条件交渉や情報開示、クロージングまで含めて長期戦になりやすい取り組みです。だからこそ当社は、最初から最後まで一気通貫で伴走して、売主様が納得できる意思決定を積み重ねられる状態を作ることを大事にしています。

M&Aアドバイザリー会社は、仲介型・FA型・Big4系など、案件の規模や目的によって選択肢が分かれます。複数の会社を比較して自社に合う依頼先を検討したい方は、以下の記事でタイプ別の特徴と選び方を確認できます。

まとめ

M&AのDD費用は、分野別では財務DD・税務DD・法務DDが数十万〜数百万円、ビジネスDDが100万円以上が一つの目安で、企業規模と実施する分野の組み合わせで総額が決まります。費用の大半は専門家の人件費のため、調査範囲・依頼先・期間が総額を左右します。

支払ったDD費用の税務処理は、株式取得では株式の取得価額に算入される場合があり、合併では一時の損金になるなど、手法によって扱いが分かれます。費用を抑えるときは、削るリスクと両天秤で判断することが大切です。相場の目安がついたら、専門家への相見積もりと顧問税理士への確認を進めて、過不足のない予算と税務処理の見通しを立ててください。

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よくある質問(FAQ)

Q. M&Aのデューデリジェンス(DD)とは何ですか?

A. M&Aのデューデリジェンス(DD)とは、買い手が対象企業の財務・税務・法務・ビジネスなどの実態とリスクを買収前に調べる調査(買収監査)です。英語の「due diligence(当然払うべき注意)」に由来し、DDと略されます。調査結果は、買収価格の妥当性の判断や契約条件の設計、買収後の統合計画の土台になります。

Q. M&AのDD費用は買い手と売り手のどちらが負担しますか?

A. M&AのDD費用は、買い手(譲受側)が負担するのが実務上の原則です。DDは買い手が対象企業のリスクを把握するために行う調査のため、買い手が専門家を選び、調査を依頼し、報酬を支払います。例外として、売り手が売却前に自社を調べるセルサイドDDは、売り手が費用を負担します。

Q. M&AのDD費用は会計上どの勘定科目で処理しますか?

A. M&AのDD費用は、会計上は支払調査費や支払手数料などの勘定科目で費用計上するのが一般的です。ただし、会計上の費用計上と税務上の損金算入は必ずしも一致しません。株式取得では税務上は株式の取得価額に算入される場合があり、その際は申告時に取得価額へ振り替える調整(加算)が必要になることがあるため、担当する税理士と早めに認識を合わせておくと税務調査での指摘を避けやすくなります。

Q. M&AのDD費用を抑えるにはどうすればよいですか?

A. M&AのDD費用は、調査を一律に削るのではなく、リスクの高い分野に優先順位をつけて資源を集中させることで抑えられます。財務・税務・ビジネスを一つの窓口にまとめて発注する、公開情報による初期調査(プレDD)を自社で行って外部委託の範囲を絞る、といった方法も有効です。ただし削りすぎは簿外債務などの見落としにつながるため、リスクと両天秤で判断します。

Q. 労務デューデリジェンスの費用はどのくらいですか?

A. 労務DDの費用は、中小企業で30万〜150万円程度が一つの目安です。未払残業代や社会保険の加入状況、労使紛争の有無などを社会保険労務士や弁護士が調べます。対象企業の従業員数や労務リスクの大きさによって金額は変動するため、正式な額は見積もりで確認してください。

Q. セルサイドDD(売り手が行うDD)の費用はどのくらいですか?

A. セルサイドDDの費用は、買い手が行うDDと同様に、調べる分野と範囲によって決まります。売却前に自社の問題点を把握する目的で財務・税務を中心に簡易に行えば数十万円規模から、網羅的に実施すれば買い手のフルDDと同程度になります。自社の売却を検討する場合は、このセルサイドDDの費用も予算に見込んでおくと、資金計画の精度が上がります。

Q. M&AのDDは自社だけで実施できますか?

A. 公開情報をもとにした初期調査(プレDD)は自社でも可能ですが、本格的なDDは外部の専門家に依頼するのが一般的です。決算の実態や簿外債務、法的リスクの精査には会計・税務・法務の専門知識が必要で、見落としが買収後の損失に直結するためです。自社でプレDDを行って論点を絞り込んだうえで、重要な分野を専門家に委ねると、費用と調査の精度のバランスをとりやすくなります。

Q. 売上規模が小さい小規模M&Aでもデューデリジェンスは必要ですか?

A. 小規模なM&Aでも、買収後のリスクを避けるためにデューデリジェンスは必要です。規模が小さくても、簿外債務や未払残業代、税務申告の誤りといったリスクは存在します。予算が限られる場合は、財務・税務など案件のリスクが集中する分野に絞って実施することで、費用を抑えつつ最低限のリスク把握ができます。

Q. M&Aで支払ったDD費用は損金にできますか?

A. M&AのDD費用を損金にできるかは手法によって異なり、株式取得では株式の取得価額に算入されて売却まで損金にできない場合がある一方、合併では一時の損金として処理できます。株式取得でも、買収の可否を判断する段階の費用は損金の余地があります。この論点の東京地裁判決(2026年)は控訴審係属中で未確定のため、自社のケースは顧問税理士に確認してください。

Q. M&Aのデューデリジェンスの期間はどのくらいかかりますか?

A. DDの期間は、小規模な案件で数週間、規模や論点が多い案件では1〜2か月以上が一つの目安です。一般には、資料開示の準備から始まり、専門家による資料の分析・ヒアリング、追加調査、報告書の作成という流れで進みます。売り手側の資料準備が遅れると調査も長引くため、開示資料を早めにそろえることが期間と費用の両方を抑えることにつながります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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