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適格合併の要件とは?3類型(完全支配・支配関係・共同事業)別の判定と税務の扱いを解説

適格合併の要件と3類型別の判定のサムネイル画像

グループ内の子会社同士を合併させる、あるいはM&Aで取得した会社を統合する——そうした場面で必ず論点になるのが「その合併は税制適格になるのか」です。適格合併に該当すれば資産を帳簿価額のまま引き継げて課税が繰り延べられますが、要件を一つでも外すと非適格となり、含み益に対する法人税や株主へのみなし配当課税が一度に発生します。

やっかいなのは、適格になるための要件が資本関係の度合い(完全支配関係・支配関係・共同事業)によって変わることです。「従業者をおおむね80%引き継ぐ」「事業規模の差はおおむね5倍以内」といった具体的な基準を、自社の合併がどの類型に当たるのかとあわせて確認しないと、適格の見込みは立てられません。

本記事では、適格合併の要件をまず全リストで示し、3類型(完全支配関係・支配関係・共同事業)ごとにどの要件が必要になるかをマトリクスで整理します。各要件は法人税法・施行令の条文に紐づけ、繰越欠損金の引継ぎ制限や非適格になったときの税負担まで、合併を検討する実務担当者が適格の見込みを判断できる材料としてまとめました。

適格合併とは?課税を繰り延べられる合併

適格合併とは、法人税法で定められた要件を満たす合併をいいます。合併では本来、消滅する被合併法人が保有する資産・負債を合併法人へ「時価で譲渡した」ものとして扱い、含み益があれば譲渡益に法人税がかかります。ところが適格合併に該当すると、資産・負債を帳簿価額(簿価)のまま引き継ぐことができ、含み益への課税は将来まで繰り延べられます。

この簿価引継ぎは、法人税法62条の2に定められています。合併による資産移転を原則どおり時価で課税する62条に対し、適格合併だけは「帳簿価額による引継ぎをしたものとして所得の金額を計算する」とされ、譲渡損益が生じない仕組みです。

内国法人が適格合併により合併法人にその有する資産及び負債の移転をしたときは、前条第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該合併法人に当該移転をした資産及び負債の当該適格合併に係る最後事業年度終了の時の帳簿価額として政令で定める金額による引継ぎをしたものとして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。

出典:法人税法62条の2第1項|e-Gov法令検索

裏を返せば、適格要件を満たせない合併は非適格合併となり、原則どおり時価での譲渡として課税されます。だからこそ、合併を設計する初期段階で「自社の合併は適格要件を満たすか」を確認しておくことが重要になります。次章では、その要件を全リストで示します。

適格合併の要件【全リスト】

ここからは、適格合併の要件を一覧で整理します。適格になるかどうかは、合併する2社の資本関係が「完全支配関係(100%)」「支配関係(50%超)」「共同事業(資本関係が薄い)」のどれに当たるかで、必要な要件が積み上がっていく構造になっています。まず、要件として登場するもの全体を押さえておきましょう。

  • 金銭等不交付要件:被合併法人の株主に、合併法人の株式以外の資産(現金など)を交付しないこと。3類型すべてに共通する大前提です。
  • 完全支配関係・支配関係の継続要件:合併後も合併法人との間の支配関係が継続すると見込まれること。
  • 従業者引継要件:被合併法人の従業者のうち、総数のおおむね80%以上が合併後も合併法人の業務に従事すると見込まれること。
  • 事業継続要件:被合併法人が合併前に行う主要な事業が、合併後も引き続き行われると見込まれること。
  • 事業関連性要件:被合併法人の事業と合併法人の事業が、相互に関連するものであること。
  • 事業規模要件または経営参画要件:両社の売上金額・従業者数・資本金額などの規模の割合がおおむね5倍を超えないこと(事業規模要件)、または双方の特定役員が合併後も合併法人の特定役員となると見込まれること(経営参画要件)。いずれか一方を満たせば足ります。
  • 株式継続保有要件:合併で交付される合併法人株式のうち、支配株主に交付されるものの全部が継続して保有されると見込まれること。

金銭等不交付要件については、現金を交付しても要件を害しない例外が法人税法2条12号の8に3つ定められています。①剰余金の配当等として交付される金銭、②合併に反対する株主の買取請求に基づく対価、③合併の直前に合併法人が被合併法人の発行済株式の3分の2以上を保有している場合の、それ以外の少数株主へ交付する金銭です。特に③は、ほぼ完全子会社化された会社を合併する場面で実務上効いてくる例外です。

被合併法人の株主等に合併法人(中略)の株式又は出資以外の資産(中略)が交付されないものをいう。

出典:法人税法2条12号の8柱書(金銭等不交付要件)|e-Gov法令検索

各要件と法令条文の対応

それぞれの要件が法人税法・施行令のどこに定められているかを整理すると、次のとおりです。多くの解説記事が要件名だけを挙げるなか、自社のケースを条文で確認できるよう、根拠条文を示します。

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要件と根拠条文金銭等不交付要件完全支配関係の継続要件支配関係の継続要件従業者引継要件事業継続要件事業関連性要件事業規模要件/経営参画要件株式継続保有要件
生の基準値合併法人株式以外の資産を交付しない(例外3つ)合併後も完全支配関係が継続する見込み合併後も支配関係が継続する見込み従業者のおおむね80%以上が従事する見込み主要な事業が引き続き行われる見込み両社の事業が相互に関連する規模の割合がおおむね5倍以内、または特定役員が経営に参画支配株主が交付株式の全部を継続保有する見込み
根拠条文法人税法2条12号の8柱書法人税法施行令4条の3第2項法人税法施行令4条の3第3項法人税法2条12号の8ロ(1)/施行令4条の3第4項3号(共同事業型)法人税法2条12号の8ロ(2)/施行令4条の3第4項4号(共同事業型)法人税法施行令4条の3第4項1号法人税法施行令4条の3第4項2号法人税法施行令4条の3第4項5号

従業者引継要件・事業継続要件は、支配関係の類型では法人税法2条12号の8ロに、共同事業の類型では施行令4条の3第4項に、それぞれ規定されています。同じ「おおむね80%」でも根拠条文が類型で分かれる点に注意してください。

出典・参考資料(3件)

3類型 × 要件マトリクスと自社類型の判定

ここからは、前章で挙げた要件が、資本関係の3類型ごとにどう必要になるかを整理します。完全支配関係なら求められる要件は少なく、共同事業に近づくほど積み上がる、というのが全体像です。前章で定義した各要件を、どの類型で満たす必要があるかという観点で見てください。

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3類型別の要件マトリクス金銭等不交付要件資本関係の継続要件(完全支配・支配関係の継続)従業者引継要件(おおむね80%)事業継続要件事業関連性要件事業規模要件/経営参画要件株式継続保有要件
完全支配関係(100%)○○—————
支配関係(50%超)○○○○———
共同事業(資本関係が薄い)○—○○○○○

法人税法2条12号の8、法人税法施行令4条の3をもとに整理(2026年9月時点)。

完全支配関係なら「金銭等不交付要件+継続要件」の実質2要件で済みます。グループ内で経済的な実体がほとんど変わらないため、従業者や事業の引継ぎまでは問われません。支配関係になるとこれに従業者引継要件・事業継続要件が加わって4要件、共同事業では継続要件が外れる代わりに事業関連性・事業規模(または経営参画)・株式継続保有が加わり、6要件になります。

共同事業で資本関係の継続要件が不要なのは、合併後の継続がまったく問われないという意味ではありません。代わりに、合併で交付された株式を支配株主が保有し続ける株式継続保有要件(マトリクスの最終行)が課されます。

継続要件は、完全支配関係(施行令4条の3第2項)と支配関係(同第3項)で条文上分かれます。同じ親会社の下の子会社同士(同一の者による完全支配関係)では合併後も完全支配関係が続く見込みが問われますが、直接の親子で親会社が完全子会社を吸収する場合(当事者間の完全支配関係)は、合併直前に完全支配関係があれば足り、継続の見込みまでは課されません。

グループ内再編では、合併対価をまったく交付しない「無対価合併」も行われます。無対価でも、同一の者による完全支配関係など一定の資本関係の要件を満たせば適格合併になり得ますが、無対価で適格となる資本関係は限定的です。自社が無対価での合併を予定している場合は、対価を交付する前提の要件とは当てはめが変わるため、条文や専門家で個別に確認してください。

共同事業の事業規模要件・経営参画要件は、条文上も具体的です。売上金額・従業者数・資本金額などの規模の割合が「おおむね5倍を超えない」こと、または双方の特定役員が合併後も特定役員になることのいずれかを満たせば足ります。特定役員の範囲も条文で定義されています。

たとえば、被合併事業と合併事業の売上金額が3,000万円と1億円であれば、規模の割合は約3.3倍で5倍以内に収まります。規模差が大きく5倍を超える場合でも、双方の特定役員が合併後も特定役員として経営に加われば、経営参画要件のほうで満たせます。

また、株式継続保有要件は「支配株主」に交付される株式を対象とする要件のため、支配株主がいない合併では問題になりません。

(前略)規模の割合がおおむね五倍を超えないこと又は当該合併前の当該被合併法人の特定役員(社長、副社長、代表取締役、代表執行役、専務取締役若しくは常務取締役又はこれらに準ずる者で法人の経営に従事している者をいう。以下この条において同じ。)のいずれかと当該合併法人(中略)の特定役員のいずれかとが当該合併後に当該合併に係る合併法人の特定役員となることが見込まれていること。

出典:法人税法施行令4条の3第4項2号|e-Gov法令検索

自社はどの類型か(判定の手順)

自社の合併がどの類型に当たるかは、合併の直前の資本関係から次の順で判定できます。

適格合併の類型判定フロー。合併直前の資本関係から順に判定する。完全支配関係(発行済株式の全部を直接・間接に保有)があれば完全支配関係型、なければ支配関係(発行済株式の50%超を保有)があるか判定し、あれば支配関係型、いずれの支配関係もなければ共同事業として要件を満たすか検討する共同事業型となる。
  1. 合併法人と被合併法人の間に完全支配関係(発行済株式の全部を直接・間接に保有)があるか。あれば完全支配関係型。当事者間の完全支配関係と、同一の者による完全支配関係(グループ会社同士)のいずれも含みます。
  2. 完全支配関係がなければ、支配関係(発行済株式の50%超を保有)があるか。あれば支配関係型。
  3. いずれの支配関係もなければ、共同事業として要件を満たすかを検討します。

完全支配関係には、株式を直接保有する「当事者間の完全支配関係」と、同じ親会社の下にある子会社同士のような「法人相互の完全支配関係」があります。国税庁の質疑応答事例では、両方に該当し得る関係がある場合の判定順まで示されており、実際の当てはめの参考になります。判断に迷う資本関係の場合は、この質疑応答や後述の専門家への相談で確認しておくと確実です。

適格・非適格で税務はこう変わる

ここからは、適格になるか非適格になるかで税務上の扱いがどれだけ変わるかを見ていきます。差は「資産を簿価で引き継ぐか、時価で譲渡したものとして課税されるか」に集約され、非適格では法人だけでなく株主にも課税が及びます。

適格の場合:簿価引継で課税を繰り延べる

適格合併では、前述のとおり資産・負債を帳簿価額のまま引き継ぐため、含み益への課税は生じず、将来その資産を実際に売却する時点まで繰り延べられます。あわせて、被合併法人が抱えていた繰越欠損金も、一定の要件のもとで合併法人が引き継げます。これにより、合併後の所得から控除して実効的な税負担を抑えられる可能性があります。ただし繰越欠損金の引継ぎには制限があり、その条件は次章で詳しく整理します。

非適格の場合:法人・株主に課税が発生する

要件を一つでも満たせないと非適格合併となり、原則どおり資産を時価で譲渡したものとして扱われます。被合併法人には、資産の含み益に対して法人税が課されます。

内国法人が合併又は分割により合併法人又は分割承継法人にその有する資産又は負債の移転をしたときは、当該合併法人又は分割承継法人に当該移転をした資産及び負債の当該合併又は分割の時の価額による譲渡をしたものとして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。

出典:法人税法62条第1項|e-Gov法令検索

たとえば簿価1億円・時価2億円の土地を持つ会社が非適格合併で消滅する場合、含み益1億円が譲渡益として認識されます。法人実効税率を約30%とすれば、およそ3,000万円規模の法人税が一度に発生する計算です(税率・税額はあくまで概算のイメージで、実際の税額は個別事情により異なります)。

さらに、非適格合併では被合併法人の株主にも課税が及びます。合併対価のうち資本金等を超える部分は「みなし配当」として扱われ、配当課税の対象になります。みなし配当が生じるのは法人税法24条1項1号が定める「合併(適格合併を除く。)」の場合で、適格合併では生じません。

加えて、旧株式の譲渡損益として株式譲渡益課税が生じる場合もあります。法人・株主の双方に課税が及ぶ点が、非適格の重い部分です。

出典・参考資料(1件)

繰越欠損金の引継ぎ可否と制限

適格合併では被合併法人の繰越欠損金(未処理欠損金額)を合併法人が引き継げるのが原則です(法人税法57条2項)。ただし、租税回避的に欠損金だけを取り込むことを防ぐため、支配関係のある会社間の適格合併には引継ぎ制限がかかります(同条3項)。制限を受けずに引き継げるかどうかは、次の3つの条件のいずれかを満たすかで判定します。

繰越欠損金の引継ぎ制限の判定フロー。適格合併では被合併法人の繰越欠損金を合併法人が引き継げるのが原則(法人税法57条2項)だが、支配関係のある会社間の適格合併には引継ぎ制限がかかる(同条3項)。制限を受けずに引き継げる条件は、①5年を超える支配関係、②みなし共同事業要件、③時価純資産超過額が支配関係前の繰越欠損金額以上、の3つのいずれかを満たすこと。いずれか満たせば制限なく引き継げ、どれも満たさなければ支配関係前の欠損金などが引継ぎの対象外となる。
  • 5年を超える支配関係がある場合
  • みなし共同事業要件を満たす場合
  • 時価純資産超過額が支配関係前の繰越欠損金額以上である場合

いずれかを満たせば制限を受けず、被合併法人の繰越欠損金を引き継げます。逆に、どれも満たさない場合は、支配関係が生じる前の事業年度に生じた欠損金などが引継ぎの対象から外れます。

5年を超える支配関係がある場合

合併法人と被合併法人の間に、合併事業年度開始の日の5年前の日から継続して支配関係がある場合は、引継ぎ制限を受けません。長く支配関係が続いてきたグループ内の再編であれば、この条件で制限を外せるケースが多くなります。

みなし共同事業要件を満たす場合

支配関係が5年以内でも、「みなし共同事業要件」を満たせば制限を受けません(法人税法施行令112条3項)。この要件は、次の2つの組み合わせのいずれかを満たすことです。

  • 組み合わせA:①事業関連性要件、②事業規模要件(規模の割合がおおむね5倍以内)、③被合併事業の規模継続要件(おおむね2倍を超えない範囲で継続)、④合併事業の規模継続要件——の4つすべて
  • 組み合わせB:①事業関連性要件+⑤特定役員引継要件

適格合併そのものの共同事業要件と名前は似ていますが、みなし共同事業要件では「規模がおおむね2倍を超えない範囲で継続していること」という規模継続の条件が加わる点が異なります。適格要件は満たしていても、繰越欠損金の引継ぎ制限を外すためのみなし共同事業要件は満たさない、というケースがあり得るため、別々に確認する必要があります。

時価純資産超過額が繰越欠損金以上の場合

支配関係が5年以内で、みなし共同事業要件も満たさない場合の救済がこの条件です。被合併法人の「時価純資産超過額」(時価純資産価額が簿価純資産価額を上回る金額=含み益に相当)が、支配関係前の繰越欠損金額以上であれば、引継ぎ制限は「ないものとする」とされ、制限を受けずに引き継げます(法人税法施行令113条1項)。含み益で十分に裏付けられた欠損金なら、租税回避の懸念が小さいという考え方です。

出典・参考資料(2件)

適格判定でつまずく落とし穴と実務対応

要件を条文で押さえても、実務では思わぬところで非適格になってしまうことがあります。ここでは、つまずきやすいパターンと、それを避けるための実務対応を整理します。

うっかり非適格になりやすいパターン

  • 合併対価に現金を混ぜてしまう:端数調整などで現金を交付すると金銭等不交付要件を外すおそれがあります。前述の3つの例外に当たるかを事前に確認することが重要です。
  • 合併後に交付株式を売却する予定がある:共同事業型では株式継続保有要件、完全支配・支配関係型では継続要件に抵触し、「継続して保有される見込み」が否定されるおそれがあります(どの要件が効くかは自社の類型によります)。
  • 従業者の引継ぎが80%を下回る:合併に合わせた人員整理で、従業者引継要件の「おおむね80%以上」を割り込むケースです。
  • 主要な事業を合併後に廃止する予定:事業継続要件を満たさなくなります。合併後の事業計画とあわせて確認が必要です。

否認を避けるための実務

適格要件の多くは「〜が見込まれていること」という文言で定められています。これは、形式を整えるだけでなく、合併時点でその実態・見込みがあることが問われるという意味です。従業者の引継計画・事業の継続計画を文書として残し、要件を満たす見込みを後から説明できる状態にしておくことが実務上の要点です。

判断に迷う個別のケースでは、国税庁の「事前照会に対する文書回答手続」を使い、特定の取引の税務上の取扱いを事前に文書で確認する方法もあります。金額が大きく社内外への説明責任が重い合併ほど、こうした確認と専門家の関与で、非適格リスクを事前に潰しておく価値があります。

出典・参考資料(1件)

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適格合併のスキーム設計・税務を相談できる専門家

適格要件の判定は、資本関係・従業者・事業計画・繰越欠損金の状況が絡み合い、条文の当てはめも細かくなります。金額が大きい合併では、組織再編税制や事業承継の税務に強い専門家にスキーム設計の段階から関与してもらい、適格の見込みと非適格リスクを詰めておくのが安全です。

ここでは、組織再編・事業承継の税務スキーム設計に対応する主なコンサルティングファームを紹介します。実際の適格判定や税務申告は税理士法人が担う体制のこともあるため、相談時は経営・M&Aアドバイザリーと税務の役割分担を確認するとスムーズです。

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サービス名AGSコンサルティング山田コンサルティンググループ
提供会社株式会社AGSコンサルティング(AGSグループ)山田コンサルティンググループ株式会社
特徴会計事務所発のワンストップ型
(税務会計・組織再編・事業承継・M&A など)
独立系ワンストップ型
(事業承継・M&A・事業再生・会計税務・海外事業支援)
組織再編・適格合併の税務対応合併・会社分割・株式交換など組織再編スキームの立案・実行支援を公式に掲げる
(「適格合併」の用語明記はなく、適格可否の判定まで請け負うかは要確認)
組織再編のストラクチャー構築・実行支援
適格合併など税務実務は税理士法人山田&パートナーズ(別法人)との連携で対応
対象企業規模中堅・中小企業(オーナー系)〜上場企業中堅・中小企業(オーナー系)が中心
M&Aは案件規模・国内外を問わず対応
主な実績(公式記載値)組織再編コンサル年間約200件
事業承継年間約580件
事業承継・資本政策・相続相談
年間2,000件超
料金体系要問い合わせ(個別見積り)要問い合わせ(個別見積り)
詳細情報公式サイト公式サイト

1. AGSコンサルティング(株式会社AGSコンサルティング)

AGSコンサルティング(AGSグループ)のウェブサイト

AGSコンサルティングは、AGS税理士法人と一体で「AGSグループ」を構成する、会計事務所発の総合コンサルティングファームです。税務・会計顧問を基盤に、組織再編・事業承継・企業再生・M&A・IPO支援・国際税務までをワンストップで手がけています。

公認会計士121名・税理士124名を含む782名の体制で、法人顧客約4,500社の関与実績を公式サイトで公表しています(いずれも2026年9月時点の公式サイト記載値)。

組織再編の分野では、公式のサービスページで合併・会社分割・株式交換などの組織再編スキームの立案・実行支援を掲げ、年間約200件の組織再編コンサルティング実績を公表しています。オーナー系の中堅・中小企業を主対象とした事業承継支援にも強く、年間約580件の支援実績があるとしています。適格合併の可否判定を含む個別の税務スキーム設計まで請け負うかは、案件内容に応じて確認しておくと安心です。

2. 山田コンサルティンググループ(山田コンサルティンググループ株式会社)

山田コンサルティンググループのウェブサイト

山田コンサルティンググループは、東証プライム上場の独立系総合コンサルティングファームです。「山田グループ」として、事業承継・M&A・事業再生・会計税務・海外事業支援を横断的に支援する体制を特徴とし、事業承継・資本政策コンサルティングおよび相続相談で年間2,000件超の支援実績があるとしています(公式サイト記載)。

組織再編については、グループ各社の共著で組織再編の法律・会計・税務を扱う実務書を刊行するなど、税制改正を踏まえた対応の蓄積があります。ただし、適格合併の税務スキームの設計・適格性の判定といった税務実務は、グループ内の税理士法人(税理士法人山田&パートナーズ)との連携によって担われる形が中心です。相談の際は、経営・M&Aアドバイザリーと税務の役割分担を確認したうえで進めると、話が早くなります。

ここで挙げた2社のほかにも、M&A・組織再編・事業承継や会計税務を専門領域とする金融コンサルティング会社は数多くあります。自社の合併の論点に合う相談先を、専門領域・費用相場・実績から絞り込みたい場合は、主要19社を横断で比較した次の記事もあわせてご覧ください。

まとめ

適格合併になるかどうかは、まず自社の合併が完全支配関係・支配関係・共同事業のどの類型に当たるかを判定し、その類型で必要な要件(金銭等不交付・従業者おおむね80%・事業継続・事業規模おおむね5倍以内など)を満たせるかを確認することで見通せます。完全支配関係なら実質2要件、共同事業に近づくほど要件が積み上がる、というのが基本の構造です。

適格になれば資産を簿価で引き継いで課税を繰り延べられ、繰越欠損金も一定の要件のもとで引き継げます。逆に非適格だと、含み益への法人税と株主のみなし配当課税が一度に発生します。要件の当てはめや繰越欠損金の引継ぎ制限は条文が細かいため、金額の大きい合併では、組織再編税制に強い専門家にスキーム設計の段階から関与してもらい、適格の見込みを固めてから進めてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 適格合併とは何ですか?

A. 適格合併とは、法人税法で定められた要件を満たし、資産・負債を帳簿価額(簿価)のまま引き継いで課税を繰り延べられる合併のことです。要件を一つでも満たさない合併は非適格合併となり、資産を時価で譲渡したものとして含み益に課税されます(法人税法62条・62条の2)。適格になるかどうかは、合併する2社の資本関係が完全支配関係・支配関係・共同事業のどれに当たるかで、必要な要件が変わります。

Q. 適格合併で完全支配関係(100%)の場合、満たすべき要件はいくつですか?

A. 適格合併が完全支配関係で問われる要件は、「金銭等不交付要件」と「完全支配関係の継続要件」の実質2つです。グループ内で経済的な実体がほとんど変わらないため、従業者の引継ぎや事業の継続までは求められません。支配関係(50%超)になると従業者引継要件・事業継続要件が加わり、共同事業ではさらに事業関連性・事業規模(または経営参画)・株式継続保有まで要件が積み上がります。

Q. 適格合併の従業者引継要件(おおむね80%)は正社員だけで判定するのですか?

A. 適格合併の従業者引継要件でいう「従業者」は、従業員(正社員)と同じではなく、被合併法人の事業に現に従事している人を広く指すと解されています。要件は「従業者の総数のおおむね80%以上が合併後も合併法人の業務に従事すると見込まれること」で、人員整理でこの割合を割り込まないよう注意します。パート・出向者などの具体的な範囲は個別事情で分かれるため、迷う場合は専門家に確認してください。

Q. 適格合併なら繰越欠損金は必ず引き継げますか?

A. 適格合併でも、繰越欠損金を必ず全額引き継げるわけではありません。支配関係のある会社間の合併には引継ぎ制限があり(法人税法57条3項)、①5年を超える支配関係、②みなし共同事業要件、③時価純資産超過額が支配関係前の繰越欠損金額以上、のいずれかを満たして初めて制限を受けずに引き継げます。どれも満たさないと、支配関係が生じる前の欠損金などが対象から外れます。

Q. 適格合併では合併対価に少しでも現金を入れると非適格になりますか?

A. 適格合併では、原則として合併法人の株式以外の資産(現金など)を交付すると金銭等不交付要件を満たさず非適格になります。ただし法人税法2条12号の8には例外が3つあり、①剰余金の配当等、②反対株主の買取請求に基づく対価、③発行済株式の3分の2以上を保有する場合の少数株主への交付は要件を害しません。端数調整などで現金を交付する際は、この例外に当たるか事前に確認してください。

Q. 適格合併の要件を一つでも満たせないとどうなりますか?

A. 適格合併の要件を一つでも満たせないと非適格合併となり、資産を時価で譲渡したものとして含み益に法人税が課され、株主にもみなし配当課税・株式譲渡益課税が及びます。たとえば簿価1億円・時価2億円の資産なら含み益1億円が譲渡益となり、実効税率を約30%とすればおよそ3,000万円規模の法人税が発生します(概算)。適格なら繰り延べられた課税が前倒しになるため、要件は事前の確認が重要です。

Q. 適格合併の要件はいつの時点で検討すべきですか?

A. 適格合併の要件は、合併契約を結ぶ前、スキームを設計する初期段階から検討すべきです。合併対価の内容・資本関係・従業者や事業の引継ぎ計画は契約前に固まってしまうため、後から要件に合わせて調整するのは困難です。自社の合併がどの類型(完全支配関係・支配関係・共同事業)に当たり、どの要件が論点になるかを早い段階で整理しておくと、うっかり非適格になる事態を避けやすくなります。

Q. 適格合併に該当するかの判定は誰に相談すればよいですか?

A. 適格合併の判定は、組織再編税制や事業承継の税務に強い税理士・M&Aアドバイザーに相談するのが確実です。要件の当てはめは資本関係・従業者・事業計画・繰越欠損金が絡み、条文も細かいためです。迷うケースでは国税庁の「事前照会に対する文書回答手続」で取扱いを事前に文書確認する方法もあります。金額が大きい合併ほど、スキーム設計の段階から専門家に関与してもらう価値があります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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