EC事業の受注処理や在庫管理、梱包・出荷、返品対応に追われ、商品企画や販促といった本来注力すべき業務に手が回らなくなっていませんか。出荷件数が増えるほど物流の負担は重くなり、繁忙期には出荷遅延やミスのリスクも高まります。こうした課題を背景に、物流業務をまとめて外部に任せるフルフィルメント代行を検討するEC事業者が増えています。
一方で、受注から保管・梱包・出荷、さらに返品やカスタマー対応まで、どこまでの業務を・どの会社に任せるべきかは判断が難しいところです。似た言葉である「発送代行」との違いも分かりにくく、料金体系も会社ごとに大きく異なります。
本記事では、フルフィルメント代行16サービスをタイプ別に比較・解説します。発送代行・物流代行との違いや費用相場と料金体系に加え、自社の規模・商材・任せたい業務範囲から見た選び方を整理しました。自社に合う委託先を見極めるための材料としてご活用ください。
また、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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フルフィルメント代行とは?委託できる業務の範囲
ここでは、フルフィルメント代行がどのようなサービスで、どこまでの業務を任せられるのかを整理します。
フルフィルメント代行とは
フルフィルメント代行とは、ECサイトやモールで商品が注文されてから購入者の手元に届くまでの一連の業務を、まとめて外部の事業者に委託するサービスです。具体的には、注文を受け付ける受注処理から、商品の入庫・検品・保管、注文ごとのピッキング・梱包、配送、さらに返品対応やカスタマー対応までを含みます。
自社で倉庫や出荷体制を持たなくても、受注後の物流業務を一括で任せられるため、担当者は商品企画・仕入れ・販促といった売上に直結する業務に集中しやすくなります。取り扱う商材や出荷量、任せたい業務範囲に応じて、委託先の選択肢は小規模向けから大規模向けまで幅広く存在します。
委託できる業務の範囲
フルフィルメント代行で委託できる主な業務は、次のとおりです。会社によって対応範囲は異なり、受注・カスタマー対応まで含めて一括で任せられる会社もあれば、入庫から出荷までの物流実務を中心に請け負う会社もあります。
| 業務の内容 | |
|---|---|
| 受注処理 | 注文データの取り込み、注文内容の確認、決済ステータスの管理などを行います。 |
| 入庫・検品 | 倉庫に届いた商品を受け入れ、数量や状態を確認して在庫に計上します。 |
| 保管・在庫管理 | 商品を倉庫で保管し、在庫数の管理やEC側への在庫データ連携を行います。 |
| ピッキング・梱包 | 注文ごとに商品を取り出し、緩衝材や梱包資材を使って出荷できる状態にします。 |
| 出荷・配送手配 | 配送会社への引き渡しや送り状の発行を行い、商品を購入者へ発送します。 |
| 流通加工 | ラベル貼付、セット組み、ギフトラッピング、同梱物の封入などの付加作業を行います。 |
| 返品・交換対応 | 返品された商品の受け入れ、検品、再入庫や廃棄の処理を行います。 |
| カスタマー対応 | 注文や配送に関する問い合わせへの対応を代行します(対応範囲は会社により異なります)。 |
フルフィルメント代行と発送代行・物流代行の違い
結論から言うと、フルフィルメント代行は、発送代行や物流代行よりも広い業務範囲をカバーする言葉として使われることが多いです。受注からカスタマー対応・返品までを含めて一括で任せられる点が、出荷実務を中心に請け負う発送代行との主な違いです。
ただし、これらの用語に法令上の定義や業界で統一された線引きがあるわけではなく、同じ言葉でも会社によって指す範囲が異なります。契約前には、言葉の名称ではなく実際の対応業務を確認することが重要です。
3つの言葉がEC物流のどの工程までをカバーするかを並べると、守備範囲の広さの違いは次のように整理できます。

発送代行との違い
発送代行は、一般的に商品の保管・ピッキング・梱包・出荷といった「出荷実務」を中心に請け負うサービスを指すことが多い言葉です。これに対してフルフィルメント代行は、出荷実務に加えて受注処理やカスタマー対応、返品対応まで含めた、注文から購入者対応までの一連の流れを任せられる範囲を指して使われる傾向があります。
そのため、出荷作業だけを切り出して任せたい場合は発送代行、受注から購入後の対応までまとめて任せて運営負担を減らしたい場合はフルフィルメント代行、という使い分けが目安になります。もっとも前述のとおり呼称は会社ごとに揺れがあるため、自社が任せたい業務が実際に含まれるかを個別に確認してください。
出荷実務を中心に任せる発送代行に絞って比較したい場合は、規模・商材別の選び方や費用相場をまとめた以下の記事が参考になります。
物流代行(3PL)との違いと範囲の対応
物流代行は、荷主企業の物流業務を第三者が一括して担う仕組みで、3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とも呼ばれます。保管・在庫管理・出荷といった物流機能の受託を広く指す言葉で、EC向けに受注・カスタマー対応まで広げたものがフルフィルメント代行と重なります。おおまかな範囲の対応関係は次のとおりです。
| 一般的にカバーする範囲の目安 | |
|---|---|
| 発送代行 | 保管・ピッキング・梱包・出荷を中心とした出荷実務 |
| 物流代行(3PL) | 保管・在庫管理・出荷など物流機能全般(EC以外の業態も対象) |
| フルフィルメント代行 | 受注処理・入庫・保管・ピッキング・梱包・出荷・返品・カスタマー対応までのEC物流全般 |
上記はあくまで一般的な傾向であり、各社のサービス内容によって実際の範囲は異なります。本記事では、受注から返品・カスタマー対応までを含むEC向けの一括委託を「フルフィルメント代行」として扱い、比較・解説します。
保管・在庫管理・出荷といった物流機能の委託を軸に検討したい場合は、EC物流代行の費用相場と規模・商材別の選び方を解説した以下の記事もあわせてご確認ください。
フルフィルメント代行を導入するメリット・デメリット
導入を検討する際は、得られる効果と注意すべき点の両面を押さえておくことが大切です。ここでは、フルフィルメント代行のメリットとデメリットを整理します。
導入するメリット
最大のメリットは、物流業務にかかっていた時間と人手をコア業務に振り向けられることです。受注・梱包・出荷・問い合わせ対応から解放されることで、担当者は商品開発やマーケティングなど売上を伸ばす業務に集中できます。
専門事業者の倉庫やノウハウを活用できるため、出荷精度やスピードといった配送品質の向上も期待できます。セールや季節商戦で注文が急増する時期にも、自社で人員を増やさずに出荷体制を確保しやすくなります。さらに、自社で倉庫を借りて人を雇う場合に発生する固定費を、出荷量に応じた変動費に近づけられる点も、立ち上げ期や需要変動の大きい事業者にとっての利点です。
デメリット・注意点
一方で、物流業務を外部に任せることで、自社に物流ノウハウが蓄積されにくくなります。将来的に内製へ切り替える際や、委託先を変更する際に、社内で一から体制を整え直す必要が生じることがあります。
また、委託には当然ながら費用が発生するため、出荷量が少ない段階では自社対応より割高になる場合があります。
商品に同梱するメッセージカードや梱包の細かな指定など、自社ならではの顧客体験を再現しにくい点や、購入者からの声が直接届きにくくなる点も、あらかじめ想定しておきたい注意点です。契約前に確認しておくべき具体的なポイントは、記事後半の「フルフィルメント代行導入の流れ・委託前の確認事項」で詳しく解説します。
フルフィルメント代行の費用相場と料金体系
フルフィルメント代行の料金は、契約時にかかる固定的な費用と、出荷量や保管量に応じて増減する変動費に分かれます。料金体系は会社ごとに大きく異なり、同じ出荷量でも商材や倉庫の立地によって総額は変わります。ここでは、費目ごとの一般的な構成と、見落としやすい費用を整理します。
| 内容と課金単位の目安 | |
|---|---|
| 初期費用 | システム登録や倉庫への商品登録にかかる費用。無料の会社もあれば、数万円程度かかる会社もあります。 |
| 月額基本料(固定費) | 倉庫利用やシステム利用の基本料金。0円〜数万円程度と幅があり、「固定費0円」をうたう会社もあります。 |
| 保管料 | 商品を保管するスペースに対する費用。坪・パレット・棚(ラック)・容積などの単位で、使用量に応じて課金されます。 |
| 入出庫・作業料 | 入庫検品、ピッキング、梱包などの作業に対する費用。1点・1注文あたりの単価で課金されるのが一般的です。 |
| 配送料 | 購入者への発送にかかる送料。サイズ・重量・配送地域によって変動します。 |
| オプション料 | ラベル貼付・ギフトラッピング・セット組みなどの流通加工や、カスタマー対応の代行にかかる追加費用です。 |
金額の目安としては、初期費用は無料〜数万円、月額基本料は0円〜1万円台とする会社が多く見られます。変動費は費目ごとに課金単位が異なります。保管料は保管スペースの大きさに応じて棚1段・パレット1枚あたり月数百円〜数千円程度、入庫・ピッキングなどの作業料は1点あたり十数円〜数十円程度、梱包料は1件あたり数十円〜数百円程度が目安です。配送料は、商品のサイズや配送地域に応じた実費がかかります。
ただし、これらはあくまで目安で、出荷量・商材・倉庫の立地・流通加工の有無によって総額は大きく変わります。小ロットでは従量課金が中心となり、出荷量が多い場合は単価の交渉余地が生まれることもあります。
注意したいのは、「初期費用無料」「月額基本料0円」といった表記があっても、最低利用料や最低出荷件数などの適用条件が設けられている場合がある点です。小ロットや個人事業主でも契約できるか、最低ロットの縛りがないかは、事前に確認しておくとよいでしょう。各社の具体的な料金は、記事後半の比較表と各サービスの紹介で確認できます。
フルフィルメント代行の選び方・比較ポイント
ここからは、自社に合うフルフィルメント代行を選ぶために確認したい観点を解説します。料金の安さだけでなく、任せたい業務が含まれているか、自社の商材や利用システムに対応できるかを総合的に見極めることが重要です。
料金体系は透明で、自社の出荷量に合っているか
保管料・作業料・配送料の課金単位が明確で、自社の出荷量に当てはめたときの総額を試算できるかが、確認すべき第一のポイントです。月額基本料が安くても作業単価が高ければ、出荷が増えるほど割高になることがあります。「固定費0円」などの表記がある場合は、最低利用料や最低出荷件数といった適用条件の有無まで確認しておくと、想定外の費用を避けられます。
任せたい業務範囲(受注・返品・カスタマー対応)までカバーできるか
自社が任せたい業務が、実際のサービス範囲に含まれているかを確かめましょう。出荷実務だけでよいのか、受注処理や返品対応、購入者からの問い合わせ対応まで任せたいのかによって、適した会社は変わります。特に返品・交換やカスタマー対応は対応範囲が会社ごとに差が出やすいため、どこまで代行してもらえるかを個別に確かめることが大切です。
倉庫の拠点・設備は自社の商材と配送に合うか
倉庫の立地は配送リードタイムや送料に影響します。全国への配送が多い場合は、複数拠点を持つ会社や立地の良い拠点を持つ会社が有利になることがあります。出荷量が多く波動が大きい事業では、自動化設備を備えた倉庫やキャパシティに余裕のある会社を選ぶと、繁忙期の出荷遅延を防ぎやすくなります。
利用中のカート・モールやシステムと連携できるか
自社が利用するECカートやモール(Shopify・BASE・楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングなど)と、受注・在庫データを連携できるかどうかも重要な判断材料です。連携に対応していれば、注文データの取り込みや在庫数の反映が自動化され、手作業による転記ミスや在庫のずれを防げます。
複数店舗を運営する場合は、受注・在庫を一元管理できる仕組み(受注管理のOMS・倉庫管理のWMS)との連携可否も確認しておくと、運用がスムーズになります。
出荷品質と繁忙期の波動に対応できるか
誤出荷の少なさや出荷のスピードは、購入者の満足度に直結します。誤出荷率などの品質指標を公表しているか、導入実績や取り扱い商材の傾向が自社と近いかを確認しましょう。セールや季節商戦で注文が急増する時期に、出荷量の上限なく対応できるか、どの程度の増加まで吸収できるかも、事前に確認しておきたいポイントです。
自社の商材や越境・モール公式サービスに対応できるか
食品・化粧品・アパレルなど、商材によっては専用の保管環境や許可、流通加工が必要になります。冷蔵・冷凍の温度帯管理が必要な食品や、ラベル貼付・小分けなどの流通加工を伴う化粧品を扱う場合は、その商材に対応できる会社を選ぶ必要があります。
海外への発送を行う場合は越境EC対応の有無も確認しておきましょう。あわせて、各モールが自社出店者向けに提供するフルフィルメント(モール公式のフルフィルメントサービス)も選択肢に入ります。これらは対象モールの出店・出品が前提となるため、自社の販売チャネルに合うかという観点で、独立系の代行サービスと並べて中立に比較するとよいでしょう。
タイプ別に見るおすすめのフルフィルメント代行
フルフィルメント代行は、得意とする規模や商材、対応範囲によって大きく5つのタイプに分けられます。自社がどのタイプに当てはまるかを起点に候補を絞ると、比較がしやすくなります。以下に各タイプの特徴と向いている企業、該当する主なサービスを整理します。
| 小ロット・スモールスタート向け | 成長・中〜大規模EC向け | 商材特化・流通加工対応向け | 受注〜カスタマー対応まで一括(EC運営一体型) | 越境・モール公式フルフィルメント | |
|---|---|---|---|---|---|
| 特徴 | 固定費を抑えて少量から利用できる。1個単位・従量課金で、立ち上げ期や個人事業主でも始めやすい。 | 自動化倉庫や複数拠点、提携拠点とのマッチングで、出荷量の増加や波動、多拠点出荷に対応する。食品の温度帯管理に対応する会社もこのタイプに多い。 | 化粧品の薬機法対応、アパレルの検品・返品、ギフトのセット組み・名入れなど、商材特有の流通加工に強い。 | 物流に加えて受注処理やカスタマー対応、EC運営支援まで任せられる、対応範囲の広いタイプ。 | 海外発送に対応する、または各モールが自社出店者向けに提供するフルフィルメント。対象モールの利用が前提。 |
| 向いている企業 | これからEC物流を外注したい小規模事業者・個人事業主 | 出荷件数が多く、セール波動や全国配送に耐える体制が必要な事業者 | 専用の許可や流通加工が必要な商材を扱う事業者 | 物流だけでなく運営業務全体の負担を減らしたい事業者 | 海外販売を行う事業者や、特定モールに出店・出品している事業者 |
| 該当する主なサービス | オープンロジ、ウルロジ、STOCKCREW | 富士ロジテック、イー・ロジット、エスプールロジスティクス、はぴロジ | トミーズコーポレーション、清長、醍醐倉庫 | スクロール360、関通、asnaro(CIN GROUP) | フルフィルメント by Amazon(FBA)、楽天スーパーロジスティクス、Fulfillment by ZOZO |
小ロット・スモールスタートで始めたいEC向け
初期費用や固定費を抑え、少量から利用できるタイプです。1個単位・従量課金の料金体系を採用する会社が多く、月額基本料0円で始められるサービスもあります。これからEC物流の外注を始めたい小規模事業者や個人事業主が、在庫リスクを抑えながら利用しやすいのが特徴です。システムでの申し込み・在庫登録が中心で、少ない商品数からスモールスタートできます。
出荷量の増加・波動や多拠点出荷に対応したい中〜大規模EC向け
出荷件数が多く、セールや季節商戦での波動が大きい事業に向くタイプです。自動化設備を備えた倉庫や全国複数の拠点を持つ会社、あるいは全国の提携倉庫とのマッチングによって出荷を分散させるプラットフォーム型の会社があります。
後者は単一の自社倉庫で受託するのではなく、荷主の条件に合う提携拠点を割り当てて運用する点が特徴です。出荷量の上限なく対応できるか、繁忙期のキャパシティに余裕があるかが選定の決め手になります。
食品・化粧品・アパレルなど商材特有の対応や流通加工が必要なEC向け
取り扱う商材に応じた専用の許可や流通加工に対応できるタイプです。検品やギフト対応が多いアパレル、ラベル貼付やセット組みを伴う化粧品、名入れ・セット組みなどの流通加工が必要な商材に強い会社が該当します。ただし、冷蔵・冷凍の温度帯管理が必要な食品については、本タイプよりも設備・拠点を備えた中〜大規模向けのタイプで対応する会社が多いため、そちらもあわせて検討するとよいでしょう。
特に化粧品や医薬部外品を扱う場合は、流通加工を担う倉庫側の許可に注意が必要です。化粧品・医薬部外品の製造は、製造業の許可を受けた者でなければ業として行えないと法律で定められており、この「製造」には、ラベル貼付や表示、小分け、保管のみを行う工程も含まれます。
医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造業の許可を受けた者でなければ、それぞれ、業として、医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造をしてはならない。(第十三条)
出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第13条|e-Gov 法令検索/同法施行規則(昭和36年厚生省令第1号)第25条|e-Gov 法令検索
法第十三条第二項に規定する厚生労働省令で定める化粧品の製造業の許可の区分は、次のとおりとする。一 化粧品の製造工程の全部又は一部を行うもの(次号に掲げるものを除く。)二 化粧品の製造工程のうち包装、表示又は保管のみを行うもの(施行規則第二十五条第三項)
このように、化粧品・医薬部外品は「包装・表示・保管のみ」を行う場合でも製造業の許可区分の対象となります。そのため、ラベル貼付や表示の変更、小分けといった流通加工を代行できる倉庫は、許可を持つ事業者に限られます。
自社ブランドの化粧品を扱う場合は、委託先がこうした許可を持ち、必要な流通加工に対応できるかを確認してください。一方、開封や表示の変更を伴わない完成品どうしの同梱やギフトのセット組みは、一般に製造には当たらないと解されています。また、食品の温度帯管理は薬機法ではなく食品衛生法が関わる領域で、化粧品の許可とは別の観点です。
受注・問い合わせ対応まで含めて一括で任せたいEC向け(EC運営一体型)
物流実務だけでなく、受注処理やカスタマー対応、さらにはEC運営の支援まで任せられる、対応範囲の広いタイプです。出荷作業にとどまらず、注文から購入後の問い合わせ対応までをまとめて委託したい事業者に向いています。物流と運営を一体で任せることで、少人数の体制でも幅広い業務をカバーしやすくなります。どの業務まで含まれるかは会社ごとに差があるため、自社が任せたい範囲と照らし合わせて確認するとよいでしょう。
物流にとどまらず、受注・カスタマー対応やサイト運営まで含めてEC業務を外注することも検討しているなら、一括・特定業務・システム型といった委託形態の違いから選び方を整理した以下の記事も参考になります。
越境ECやモール公式のフルフィルメントを使いたいEC向け
海外への発送に対応するタイプと、大手ECモールが自社の出店・出品者向けに提供する公式フルフィルメントが、このグループに含まれます。後者は、モールの倉庫に商品を預けることで、保管から配送、カスタマー対応、返品までをモール側に委託できるのが特徴です。
こうしたモール公式のフルフィルメントは、そのモールへの出店・出品が前提となる点が独立系の代行サービスと異なります。利用できる範囲や料金はモールごとに定められており、個別の内容は後述のサービス個別紹介で確認できます。
自社の販売チャネルがそのモールに集中しているかどうかを基準に、独立系のサービスと並べて中立に比較するとよいでしょう。
自社がどのタイプに当てはまるか判断が難しい場合もあります。次の診断ツールでは、出荷規模・商材・利用中のカート・任せたい業務範囲などの質問に答えるだけで、条件に合うサービスの候補を絞り込めます。
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【比較表】フルフィルメント代行サービス比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせて客観的に比較・選定できるよう、主要なフルフィルメント代行16サービスを、対応業務範囲・料金体系・倉庫設備・システム連携・商材対応などの観点で一覧にまとめます。
| サービス名 | オープンロジ | ウルロジ | STOCKCREW | 富士ロジテック | イー・ロジット | エスプールロジスティクス | はぴロジ | トミーズコーポレーション | 清長 | 醍醐倉庫 | スクロール360 | 関通 | asnaro | フルフィルメント by Amazon(FBA) | 楽天スーパーロジスティクス(RSL) | Fulfillment by ZOZO |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応業務範囲 | 入荷〜保管〜出荷・返品+CS代行(オプション) | 受注代行〜出荷・返品・CSまで一括 | 入庫〜保管〜出荷(出荷実務中心) | 受注管理〜出荷・返品まで一括 | 受注処理〜出荷・返品・CSまで一括(+コンサル) | 受注処理〜出荷・返品・CSまで一括 | 受注〜出荷(提携倉庫を束ねるプラットフォーム型) | 入庫〜流通加工〜発送(アパレル物流中心) | 入庫〜出荷・返品(出荷実務中心) | 入庫〜流通加工〜出荷・返品 | 受注代行〜出荷・CS・EC運営まで一括(BPO) | 受注管理〜出荷・CSまで一括 | 受注〜出荷・返品・CSまで一括(EC運営支援) | 受注〜発送・返品・CSまで代行(Amazon) | 保管〜出荷(楽天市場出店者向け) | 撮影・採寸〜梱包〜配送(ファッション特化) |
| 料金体系 | 初期・月額固定費0円/完全従量 | 初期・月額固定費0円(小規模プラン)/従量 | 初期・月額固定費0円/完全従量 | 初期・固定費は要問い合わせ/従量(入庫15円〜) | 要問い合わせ(公式非公開) | 要問い合わせ(個別見積もり) | システム利用料 月15,000円〜+従量(物流費は別途) | 要問い合わせ(公式に記載なし) | ロジモプロは初期・固定費0円/完全従量 | 要問い合わせ(保管・出荷量に応じた従量) | 物流は初期30,000円〜/出荷399円〜(税別) | 委託型は個別見積/GAOWは固定費0円・従量 | レベニューシェア(成果報酬型) | 出品プラン月額4,900円(税抜)+FBA手数料(従量・要確認) | 要問い合わせ(公式料金ページで要確認) | 要問い合わせ(公式に記載なし) |
| 最低ロット・小口対応 | 小口可(繁忙期のスポット利用も可) | 月1個〜の小ロット対応 | 最低出荷件数なし(小口〜大規模) | 中〜大規模向け(最低ロットの公開なし) | 大規模向け(最低ロットの公開なし) | 中〜大規模向け | スモールスタート可 | 小口〜大ロット(物量制限なしを訴求) | 商品1個・出荷1件〜(ロジモプロ) | 段ボール1箱〜の小口対応 | 小〜中規模はライトプラン対応 | 小口はGAOW(固定費0円)で対応 | 要問い合わせ | 1点〜(Amazon出品単位) | 保管・出荷に上限なし(最低条件は要確認) | 要問い合わせ |
| 倉庫拠点・温度帯 | 全国70拠点(提携)/冷蔵・冷凍対応 | 拠点・温度帯は要問い合わせ | 千葉・埼玉の自社倉庫/常温のみ(冷蔵・冷凍非対応) | 全国50拠点/常温〜冷凍まで対応 | 関東4・関西1の計5拠点(34,894坪) | 秋葉原・品川・平和島・流山の4拠点 | 全国200拠点超の提携倉庫/冷凍・冷蔵倉庫も選定可 | 大阪・泉大津ほか(拠点詳細は要問い合わせ) | 千葉・茨城の8センター(約1万坪) | 東京・関東中心8拠点/温度帯管理は非対応 | 全国4地区の物流センター/冷凍・冷蔵・定温対応 | 関西・関東中心20拠点超/冷凍・冷蔵対応 | 常温・定温倉庫(拠点詳細は要問い合わせ) | Amazonフルフィルメントセンター/冷凍食品も可 | 全国複数拠点(所在地・数は要確認) | ZOZOBASE(所在地・数は要確認) |
| 商材・流通加工対応 | アパレル・化粧品・食品等/ギフト・同梱対応 | 幅広い商材/流通加工・ラッピング対応 | 常温商材中心/流通加工(袋入れ等)対応 | 化粧品・食品・アパレル・医薬品等/流通加工に強み | サプリ・化粧品・食品等/流通加工対応 | アパレル・化粧品・食品等/特殊流通加工対応 | 商材別に最適倉庫を選定(食品・アパレル等) | アパレル特化/検品・検針・タグ付け等の加工に強み | 化粧品・医療機器・アパレル等/製造業許可を保有 | 一般商材/ギフト・名入れ・検針等の加工に対応 | 健康食品・化粧品・アパレル等/ささげ・流通加工対応 | 食品に強み/熨斗・ギフト・賞味期限管理対応 | アパレル中心/化粧品物流(製造業許可)対応 | ほとんどの商品が対象(一部要承認) | ギフトラッピング等のオプション対応 | ファッション特化/撮影・採寸(ささげ)対応 |
| カート・モール連携 | Shopify・BASE・楽天・Yahoo!等と自動連携 | 楽天・Yahoo!・Shopify等と自動連携(FBA納品可) | 楽天・Yahoo!・Shopify等/FBA・BtoB納品対応 | 30以上のカート・モール・OMSと連携 | 自社WMS+Shopify等とAPI連携 | Shopify導入支援(他カートは要問い合わせ) | 110超のシステムと連携(主要モール・カート・OMS) | Amazon・楽天・MakeShop・Next Engine等と連携 | NEXT ENGINE・BASE・カラーミー等11システムと連携 | 楽天・Amazon・Yahoo!・Shopify等とAPI/CSV連携 | 楽天・Amazon・Yahoo!等 多数のモール・カートに対応 | 楽天・Amazon等/ネクストエンジンとAPI連携 | Shopify構築・楽天/Amazon運営代行に対応 | Amazon中心(MCFで自社EC・他モールも出荷) | 楽天市場と一体運用(他チャネルは要確認) | 自社EC・実店舗・ZOZOTOWN在庫を一元管理 |
| 越境対応 | ●海外配送対応 | ●220か国対応 | ●200か国以上 | ●東南アジア・米国等 | 要問い合わせ | ●越境EC支援あり(月75,000円〜) | 要問い合わせ | ●越境EC物流対応 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | ●国際(海外)物流も展開 | ●越境EC物流対応 | ●67か国以上 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※●=対応/「要問い合わせ」=公式サイトで条件・可否を要確認。対応業務範囲・料金・拠点・商材対応などは2026年10月時点の各社公式情報にもとづく目安です。プランや契約内容により異なるため、最新の内容は各社公式サイトでご確認ください。
フルフィルメント代行サービス16選の個別紹介
ここからは、タイプ別に各サービスの特徴・任せられる業務範囲・向いている企業を紹介します。自社の規模や商材に近いタイプから確認してみてください。
小ロット・スモールスタートで始めたいEC向けのサービス
1. オープンロジ(株式会社オープンロジ)

株式会社オープンロジが運営するEC向けの物流アウトソーシングサービスで、入荷・保管・ピッキング・梱包・出荷から返品対応までを一括で受託します。全国70拠点の提携倉庫ネットワークを基盤とし、公式サイトでは導入実績13,000社以上と掲載されています。
料金は初期費用・月額固定費が0円の従量課金制で、入荷料はSSサイズ18円、保管料は1点1日あたり0.2円、国内配送料はSSサイズ395円からとなっています(いずれも税別)。繁忙期だけのスポット利用も可能なため、出荷量が変動する立ち上げ期でも少量から利用を始められます。
連携面では、Shopify・STORES・BASE・ecforce・MakeShopなどのカートや、楽天市場・Yahoo!ショッピング・TikTok Shop・Qoo10といったモールとつなぎ、受注データの自動取込と自動出荷に対応します。
2. ウルロジ(ディーエムソリューションズ株式会社)

ウルロジは、東京証券取引所スタンダード市場に上場するディーエムソリューションズ株式会社が手がける物流アウトソーシング(3PL)サービスです。在庫管理・入庫検品・ピッキング・梱包・発送に加え、受注代行やカスタマーサポートまでを一括で代行します。
料金プランは事業規模別に分かれており、立ち上げ・小規模向けプランは初期費用・月額固定費が0円の従量課金制です。発送費用は全国一律・資材費込みで300円から、ピッキングは1件20円から。月1個の小ロットから月間5,000件以上の大規模まで、規模に応じてプランを選べます。
楽天市場・Yahoo!ショッピング・Shopify・STORESなどと自動連携でき、Amazon以外のマルチチャネル運用と物流を一元化できます。国内配送に加え、220カ国向けの越境EC物流にも対応します。
3. STOCKCREW(株式会社STOCKCREW)

株式会社STOCKCREWが千葉・埼玉の自社倉庫で運営する物流代行(3PL)サービスで、入庫・保管・ピッキング・梱包・出荷を受託します。公式FAQでは「件数や物量によって『利用可否』が変わることはありません」とし、個人事業主から大規模事業者まで受け入れる方針を示しています。
料金は初期費用・月額固定費が0円の従量課金で、最低出荷件数や最低契約期間・解約違約金を設けていません。保管料は10cm角(1,000cm³)あたり月20円から(物量に応じて最安5円)、入庫は1点10円、国内発送は投函型260円・60サイズ500円からとなっています(税抜)。
倉庫にはAMR(自律移動ロボット)などの自動化設備を備え、申し込みから最短7日での開始を案内しています。少量からでも縛りなく利用を始められる料金体系です。
出荷量の増加・波動や多拠点出荷に対応したい中〜大規模EC向けのサービス
4. 富士ロジテック(株式会社富士ロジテックホールディングス)

1918年創業、倉庫業・貨物運送業を営む総合物流会社の富士ロジテックホールディングスが、EC・D2C事業者向けに展開する発送代行サービスです。入出荷・検品から保管、流通加工、配送、返品対応(リバースロジスティクス)までを一括で受託し、WMS/OMSによる在庫・受注管理やカートシステムとのAPI連携を提供します。
保管は常温・定温・冷蔵・冷凍の温度帯に対応し、全国50拠点(公式サイト表記)の倉庫網を備えるため、繁忙期の出荷波動や在庫の分散、温度管理が必要な商材にも対応しやすい体制です。Shopifyやfutureshop、楽天市場・Amazonなどのマーケットプレイス、クラウドファンディングまで、連携先を公式サイトで一覧化しています。
料金は入庫料15円〜/個、保管料3,000円〜/月(1パレット)、配送料320円〜(サイズ別)で、いずれも税別・最低額の表記です。初期費用や月額基本料は個別見積もりのため問い合わせが必要で、D2C・スタートアップ向けには特別料金プラン「Origins」も案内されています。
5. イー・ロジット(株式会社イー・ロジット)

株式会社イー・ロジット(東証スタンダード市場・証券コード9327)は、2000年の創業以来、EC事業者向けのBPOを手がけてきました。入庫・保管・受注処理・梱包・出荷・返品対応といった物流代行と、問い合わせに応じるコンタクトセンター代行を2本柱としています。
フルフィルメントセンターは関東4拠点・関西1拠点の計5拠点(総延床面積34,894坪)で、土日祝日や繁忙期を含む365日の出荷体制を敷いています。累計1,700社超の支援実績があり、自社開発のWMS「EL5」で入庫から在庫・出荷、配送業者連携までを一元管理します。
物流実務だけでなく、EC事業戦略の策定やマーケティング支援、物流コンサルティングまでを同一社内で一体提供する点が特徴です。料金は出荷量や商材に応じた個別見積もりで、公式サイトでの一律公開はなく問い合わせが必要となります。
6. エスプールロジスティクス(株式会社エスプールロジスティクス)

EC・通販事業者向けのフルフィルメントを提供するのは、人材・BPO事業を展開する東証プライム上場企業エスプールのグループ会社です。受注処理やコールセンター運営から、入出荷・在庫管理・検品・梱包・返品/返金処理までの通販バックヤード業務を、10の工程に分けて一括で代行します。
フルフィルメントに加え、物流拠点の設計・運用を担う3PL、RFIDなどによる倉庫のIoT化、海外発送を支援する越境EC支援の4領域を手がけます。多言語対応のコールセンターを備え、越境EC支援は月額75,000円〜で提供されています。倉庫は秋葉原・品川・平和島・流山の4拠点です。
導入までの期間は最短2週間〜1ヶ月とされ、立ち上げを急ぐ事業者にも対応します。公式サイトでは出荷の誤発送率を0.01%と公表しており、フルフィルメント・3PLの料金は商材・出荷量に応じた個別見積もりです。
7. はぴロジ(株式会社はぴロジ)

はぴロジは、自社で倉庫を保有して出荷を行う単独の事業者ではなく、EC事業者と全国約200拠点の提携倉庫をマッチングし、受注・在庫・出荷データを一元管理するプラットフォーム型のサービスです。運営は株式会社はぴロジ(不動産会社シーアールイーの子会社)で、商材や条件に合う倉庫を選定・紹介したうえで、入庫から出荷までの実務は提携倉庫側が担います。
中核となるクラウド型流通統合システム「logiec(ロジーク)」はOMSとWMSの機能を内蔵し、複数のカート・モールからの受注データを自動で取り込んで各倉庫へ出荷指示を送ります。
さらに「HAPILOGI ASIMS」により複数拠点の在庫と出荷を一元管理でき、繁忙期に受注が急増した際も複数の倉庫へ出荷を振り分けて処理できます。導入社数2,000社超、累計出荷数1.5億件超、システム連携110超を公式サイトで公表しています。
システム利用料は月額15,000円(月間受注500件まで)からで、受注件数に応じた従量課金が加わります。入庫・保管・出荷などの物流委託費用は提携倉庫ごとの個別見積もりとなるため、総額は問い合わせで確認する流れです。
食品・化粧品・アパレルなど商材特有の対応や流通加工が必要なEC向けのサービス
8. トミーズコーポレーション(株式会社トミーズコーポレーション)

株式会社トミーズコーポレーションは、アパレル物流を軸に、通販物流(EC)や越境EC物流まで一貫して手がける物流代行会社です。大阪府泉大津市に本社を置き、公式サイトでは「アパレル物流30年」の実績を掲げています。
入庫・保管からEC発送代行、物流加工、撮影・制作までを委託でき、BtoB・BtoCの在庫を一元管理できます。Amazon・楽天・MakeShop・Next Engineなど主要ECシステムとの連携に対応するほか、越境EC物流代行も提供しています。
アパレルや雑貨など、流通加工を含む物流を一社にまとめて外注したい事業者に向きます。料金は公式サイトに記載がなく、要問い合わせです。
9. 清長(株式会社清長)

株式会社清長は、規模の異なる2つの発送代行サービスを展開しています。中〜大規模向けにカスタマイズ型の「ロジプレミアム」、小ロット向けにクラウド型パッケージの「ロジモプロ」があり、事業の成長フェーズに応じて選べます。
ロジモプロは、初期費用・月額固定費0円の完全従量課金制で、商品1個・出荷1件から委託でき、最短1週間で利用を開始できるとしています。ギフトラッピングや気泡緩衝材梱包、流通バーコード対応などのオプションもそろいます。
対応商材には化粧品・医療機器・アパレル・食品などを挙げており、カスタマイズ型のロジプレミアム側の公式サイトでは、化粧品製造業許可・医薬部外品製造業許可・高度管理医療機器等販売業許可の取得を明記しています。
10. 醍醐倉庫(醍醐倉庫株式会社)

醍醐倉庫株式会社は、1958年創業の物流会社で、貨物保管や流通加工を祖業としながら、EC・通販向けの発送代行・物流アウトソーシングを展開しています。本社は東京都大田区にあります。
検品やピッキング・梱包に加えて、ギフトラッピング、名入れ・メッセージ加工、セット組・同梱物対応、検針(衣料品向け)など、商材に応じた流通加工に対応します。倉庫利用は段ボール1箱から可能で、保管量・出荷量に応じた従量課金を基本としています。
一方で、生鮮食品や要温度管理商品、危険物、医薬品など温度帯管理が必要な商材は対応不可と公式に明記されています。料金は保管量・出荷量に応じた個別見積もりで、要お問い合わせです。
受注・問い合わせ対応まで含めて一括で任せたいEC向けのサービス
11. スクロール360(株式会社スクロール360)

通販事業を60年以上手がけるスクロールグループの株式会社スクロール360は、物流(発送)代行を軸に、受注代行・コールセンターからEC運営代行(BPO)までを「360度トータルサポート」としてまとめて請け負っています。受注後の物流だけでなく、受注処理やカスタマー対応まで含めて任せたい事業者に向くサービスです。
受注代行・コールセンターを内製で運営し、商品登録代行や在庫管理、メルマガ・バナー制作などにも対応します。任せられる業務範囲は70種類以上に及び、物流から受注・カスタマー対応・EC運営までを一社に集約できる構成です。
料金面では、物流代行の出荷料金(ポストイン399円〜、税別)や、商品登録代行(BPO)の従量制単価(商品データ作成88円〜/SKU、税込)など、費用の目安を公式に公開しています。誤出荷率0.0016%以下を掲げ、EC運営代行(BPO)では100社を超える支援実績を公表しています。
12. 関通(株式会社関通)

EC物流代行と受注管理代行をまとめて委託できるのが、東証グロース上場の関通ホールディングスグループに属する株式会社関通です。倉庫内の入出荷オペレーションと受注処理の双方を一社で引き受けます。
受注管理代行では、受注処理や配送振り分け、受注分類・タグ付与、納品書処理、あす楽設定などに対応し、カスタマー対応のコールセンター業務も提携先と協力して提供します。受注管理と倉庫内物流を併せて一括委託できるため、受注から出荷までの窓口を一本化したい事業者に向きます。
自社開発のWMS「クラウドトーマス」で在庫を一元管理し、受注処理のミス率0.008%、月間10万件以上の受注処理件数を公表しています。年間1,000万個規模の出荷実績と20拠点を超える物流網を持ち、365日対応体制を敷いています。
13. asnaro(株式会社CIN GROUP)

asnaro(アスナロ)は、株式会社CIN GROUP がEC運営の各工程をまとめて請け負うために展開するサービスブランドです。ECサイト制作から楽天・Amazonのモール運営代行、SNS運用代行、物流代行、カスタマーサポート代行までを一気通貫で提供する体制を掲げています。
物流代行では受注から保管・梱包・発送・返品までを担い、化粧品物流や越境EC物流にも対応します。カスタマーサポート代行は電話・メールでの対応に加え、注文処理・配送依頼を365日体制で受け付けます。
料金は公式サイトで公開しておらず、固定費ではなく売上に応じたレベニューシェア方式での契約を明示しています。EC物流代行サービスの累計案件数は100件以上、継続率は90%を超えると公表しています。
越境ECやモール公式のフルフィルメントを使いたいEC向けのサービス
14. フルフィルメント by Amazon(FBA)(アマゾンジャパン合同会社)

フルフィルメント by Amazon(FBA)は、Amazonの出品者が商品をフルフィルメントセンターに納品すると、注文の受注・梱包・発送・カスタマーサービス・返品対応までをAmazonが代行する在庫型のサービスです。利用にはAmazonへの出品が前提で、FBA在庫はプライム(お急ぎ便・当日お急ぎ便)の対象になります。
料金は、Amazonの大口出品プランの月額4,900円(税抜)と販売手数料に加え、商品1点あたりの配送代行手数料と、保管量(1日平均の立方メートル)に応じた在庫保管手数料が従量でかかります。月額4,900円はFBA固有の料金ではないため、区分別の具体額は公式の料金シミュレーターで確認してください。
自社ECや他モールの注文をAmazon在庫から出荷するマルチチャネルサービス(MCF)や、追加料金なしで67か国以上へ広げられるFBA海外配送も用意されています。
15. 楽天スーパーロジスティクス(楽天グループ株式会社)

楽天スーパーロジスティクス(RSL)は、楽天市場に出店する店舗向けの物流アウトソーシングサービスです。店舗の商品を倉庫で預かり、受注と連携して購入者へ発送するまでを担うため、楽天市場の配送体験と一体で運用できます。
公式サイトでは、保管・出荷に上限がない倉庫やギフトラッピングなどのオプション対応、保管から配送までを一元管理するOne Delivery構想が案内されています。専任のコンサルタントが物流と経営の両面から店舗を支援する体制も設けられています。
料金の具体的な金額や倉庫拠点は公式トップの確認範囲では提示されていません。在庫保管料・出荷作業料・配送料などの内訳は、公式の料金ページや資料請求で確認してください。
16. Fulfillment by ZOZO(株式会社ZOZO)

2019年5月に提供が始まったFulfillment by ZOZOは、ZOZOTOWNを運営する株式会社ZOZOが、出店企業の自社EC向けに物流を受託するサービスです。ZOZOTOWNで培った物流ノウハウと物流拠点「ZOZOBASE」を活用します。
撮影・採寸(ささげ)から梱包・配送までを一貫して任せられ、自社EC・実店舗・ZOZOTOWNの在庫を一元管理することで欠品による販売機会の損失を抑えられると案内されています。ファッション商材を扱う事業者向けの内容が中心です。
料金は公式のサービス紹介ページには記載がなく、初期費用や保管料・配送料などはサービス詳細ページ(fbz.zozo.com)での問い合わせが必要です。
フルフィルメント代行導入の流れ・委託前の確認事項
フルフィルメント代行の導入は、要件の整理から本格稼働まで段階を踏んで進めます。ここでは一般的な導入の流れと、契約前に確認しておきたい事項を整理します。
導入の一般的な流れ
まず、任せたい業務範囲・出荷量・取り扱い商材・利用中のカートやモールを整理し、要件を明確にします。次に、要件に合う会社に見積もりを依頼し、料金と対応範囲を比較します。委託先を決めたら、システム連携の設定や出荷ルール・梱包仕様のすり合わせ、作業マニュアルの共有を行います。その後、少量でのテスト出荷で運用に問題がないかを確認し、問題がなければ本運用へ移行するのが一般的な流れです。

委託前に確認しておきたい事項
「思ったより費用がかかる」「任せたい業務が対応範囲外だった」といった導入後のミスマッチを避けるため、契約前に次の点を確認しておきましょう。料金や対応範囲、商材への適合は前述の「選び方・比較ポイント」で解説したとおりですが、契約段階では見積書と業務範囲の書面でこれらが実際にカバーされているかを最終確認しておくと安心です。
あわせて、契約期間や解約時の条件、出荷ミスや破損が起きた際の対応・補償の取り決め、個人情報や在庫を預けるうえでのセキュリティ体制も確認しておくと安心です。これらを事前にすり合わせておくことで、委託開始後のトラブルや認識のずれを防ぎやすくなります。
まとめ
フルフィルメント代行は、受注から保管・梱包・出荷、返品やカスタマー対応までのEC物流を一括で任せられるサービスです。出荷実務が中心の発送代行より広い範囲をカバーする言葉として使われることが多いものの、呼称に統一された定義はないため、契約前には名称ではなく実際の対応業務を確認することが重要です。
選定にあたっては、料金体系の透明性・任せたい業務範囲・倉庫の拠点や設備・システム連携・出荷品質・商材対応といった観点から、自社の規模と商材に合う会社を見極めましょう。小ロット向けから大規模・商材特化・EC運営一体型・モール公式まで、タイプごとに適した事業者は異なります。比較表と診断ツールを活用し、自社に合った委託先の候補を絞り込んでください。
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よくある質問(FAQ)
Q. フルフィルメント代行とは何ですか?
A. フルフィルメント代行とは、ECで商品が注文されてから購入者の手元に届くまでの業務を、まとめて外部に委託できるサービスです。受注処理・入庫・保管・ピッキング・梱包・出荷に加え、返品対応やカスタマー対応まで含むのが一般的で、自社で倉庫や出荷体制を持たなくても物流業務を一括で任せられます。
Q. フルフィルメント代行と発送代行の違いは何ですか?
A. フルフィルメント代行は、発送代行よりも広い業務範囲をカバーする言葉として使われることが多いです。発送代行が保管・梱包・出荷といった出荷実務を中心に請け負うのに対し、フルフィルメント代行は受注処理やカスタマー対応・返品対応まで含めた一連の流れを任せられる傾向があります。
ただし、これらの用語に統一された定義があるわけではなく会社ごとに指す範囲が異なるため、契約前には名称ではなく実際の対応業務を確認してください。
Q. フルフィルメント代行は小ロットや個人事業主でも利用できますか?
A. フルフィルメント代行は、小ロットや個人事業主でも利用できるサービスが多くあります。初期費用・月額固定費が0円の従量課金制で、商品1個・出荷1件から委託できる会社もあり、立ち上げ期でも始めやすい料金体系がそろっています。ただし「固定費0円」などの表記があっても、最低利用料や最低出荷件数が設けられている場合があるため、申し込み前に適用条件を確認しておくと安心です。
Q. フルフィルメント代行の導入にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. フルフィルメント代行の導入期間は会社やシステム連携の複雑さによって幅がありますが、最短1〜2週間から1ヶ月程度が目安です。要件の整理・見積もり・システム連携の設定・出荷ルールのすり合わせ・テスト出荷を経て本運用に移るため、連携や流通加工の要件が多いほど準備に時間がかかります。繁忙期の開始に間に合わせたい場合は、余裕を持ったスケジュールで進めるとよいでしょう。
Q. フルフィルメント代行に委託すると自社で対応するよりコストは高くなりますか?
A. フルフィルメント代行が割高になるかは出荷件数や既存のコスト次第で、総コストで比較すると委託のほうが割安になるケースも少なくありません。自社倉庫の賃料・人件費・梱包資材費・システム費用などを含めた総額で比べることが大切です。ただし出荷量が少ない段階では1件あたりの費用が割高になりやすいため、自社の出荷量を各社の料金に当てはめて試算したうえで判断してください。
Q. フルフィルメント代行では返品やカスタマー対応まで任せられますか?
A. フルフィルメント代行では、返品・交換対応やカスタマー対応まで任せられる会社がある一方、対応範囲は会社ごとに差があります。受注処理やコールセンター業務まで含めて一括で代行する会社もあれば、入庫から出荷までの物流実務を中心に請け負う会社もあります。問い合わせ対応や返品まで委託したい場合は、その業務が実際のサービス範囲に含まれているかを個別に確認してください。
Q. フルフィルメント代行の委託先は後から変更できますか?
A. フルフィルメント代行の委託先は、契約内容にもよりますが後から変更することも可能です。ただし、変更には在庫の移送やシステム連携の再設定、出荷ルールの引き継ぎといった手間が伴います。契約期間の縛りや解約時の条件、違約金の有無は会社によって異なるため、最初の契約時に解約・移行の条件まで確認しておくと、将来の見直しがスムーズになります。
Q. 化粧品や食品など取り扱いに注意が必要な商材も任せられますか?
A. 化粧品や食品も任せられますが、商材によっては専用の保管環境や許可が必要になるため、その商材に対応できる会社を選ぶ必要があります。
冷蔵・冷凍が必要な食品は温度帯管理に対応した倉庫が、ラベル貼付や小分けなどの流通加工を伴う化粧品・医薬部外品は製造業の許可を持つ倉庫が必要になります。化粧品・医薬部外品は「包装・表示・保管のみ」を行う場合でも製造業の許可区分の対象とされているため、委託先が必要な許可を持ち、求める流通加工に対応できるかを事前に確認してください。
Q. フルフィルメント代行は越境EC(海外発送)にも対応できますか?
A. フルフィルメント代行は、越境ECに対応している会社を選べば海外への発送も任せられます。独立系の代行会社のなかには数十〜200カ国以上への海外発送に対応するところがあり、各モールが提供する公式フルフィルメントでも海外配送に対応する場合があります。対応できる国や通関・返品の扱いは会社ごとに異なるため、自社が販売したい国に対応しているかを確認したうえで選ぶとよいでしょう。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















