サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

M&Aを実施したい

M&Aアドバイザリー・FA
の関連情報


関連サービス資料を
無料で一括ダウンロード

デューデリジェンスの専門家は誰に頼む?財務・税務・法務の担当と依頼先の選び方・費用相場

デューデリジェンスの専門家は 誰に頼む?のサムネイル画像
M&Aアドバイザリー・FA比較表(2026年版)のプレビュー

主要18サービスの料金・機能を無料で一覧比較

M&Aアドバイザリー・FA比較表(2026年版)

初めて会社の売却や買収を進めるとき、デューデリジェンス(買収前の調査、以下DD)を「誰に頼めばよいのか」で手が止まる経営者は少なくありません。財務や税務は会計士や税理士、契約や許認可は弁護士、といった分担はなんとなく想像できても、実際に自社のどの論点を、どの専門家に、どこまで任せればよいのかは見えにくいものです。

DDは調査する分野ごとに担い手となる専門家の職種が分かれており、さらに「個別の士業に分けて頼む」「専門家をそろえた会社にまとめて任せる」といった依頼先の形態によっても、費用や進め方が変わります。自社の案件規模や不安な分野に合った依頼先を選ぶには、どの分野を誰が担うのかという全体像を先に押さえておくことが近道です。

本記事では、デューデリジェンスを依頼できる専門家の種類を、財務・税務・法務・労務・事業といった調査分野ごとの担い手の役割から整理します。個別の士業・独立系のアドバイザリー会社・大手の財務アドバイザリー・M&A仲介という依頼先の形態と使い分け、費用の相場と決まり方、依頼先を選ぶときの比較ポイントまでをまとめました。自社に合った依頼先を見極める判断材料としてご活用ください。

また、自社の案件規模や不安な分野に合った依頼先を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

M&Aアドバイザリー・FAの関連サービス資料
PR
料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】M&Aアドバイザリー・FAの資料を
一括ダウンロードする
本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

デューデリジェンスは誰に頼む?

デューデリジェンスは、一人の専門家が全分野を調べるものではなく、調査する分野ごとに担い手となる職種が分かれます。まずは「どの分野を誰が担うのか」という全体像を、次の対応表で確認します。

デューデリジェンス(DD)とは

デューデリジェンスとは、買収や出資の前に、対象となる会社のリスクや実態を精査する調査です。中小企業庁の「中小M&Aガイドライン(第3版)」は、デューデリジェンスを次のように定義しています。

デュー・ディリジェンス(Due Diligence)とは、対象企業である譲り渡し側における各種のリスク等を精査するため、主に譲り受け側が FA や士業等専門家に依頼して実施する調査をいう(「DD」と略することが多い。)。調査項目は、M&A の規模や実施希望者の意向等により異なるが、一般的に、資産・負債等に関する財務調査(財務 DD)や株式・契約内容等に関する法務調査(法務 DD)等から構成される。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)p.21|中小企業庁

ここからわかるとおり、DDは主に買い手(譲り受け側)が、FAや士業などの専門家に依頼して実施します。同ガイドラインは、財務DD・法務DDに加えて、ビジネス(事業)DD・税務DD・人事労務DD・知的財産(知財)DD・環境DD・不動産DD・ITDDといった多様なDDが存在するとしています。どの分野をどこまで調べるかは、案件の規模や自社が不安に感じる論点によって変わります。

本記事は「どの分野を誰に頼むか」に絞って解説します。DDがどんな種類に分かれ、基本合意からどのくらいの期間・流れで進むのかという調査プロセスの全体像を先に押さえたい方は、実例を交えて整理した次の記事もご覧ください。

DDの調査分野と担い手の職種の対応

主なDDの分野と、それを担う専門家の職種、制度上の位置づけを整理すると次のようになります。法務と税務は、報酬を得て業として行うことが法律で有資格者に限られている一方、財務・労務・事業の調査は、専門性の高い担い手はいても資格による独占業務ではない点が、依頼先を考えるうえでの分かれ目になります。

← 横にスクロールできます →
財務DD税務DD法務DD人事労務DD事業(ビジネス)DDその他(知財・環境・不動産・ITなど)
主な調査内容過去の決算の実態、簿外債務や不良資産の有無、収益・キャッシュフローの質などを精査します。過去の申告内容の妥当性、税務上のリスク、繰越欠損金や含み益の状況などを精査します。重要な契約、許認可、訴訟・紛争、株式の権利関係、コンプライアンスなどの法的リスクを精査します。未払残業代、就業規則、社会保険の加入状況、労使紛争などの労務リスクを精査します。ビジネスモデル、市場・競合環境、事業計画の実現性、シナジーの見込みなどを精査します。特許などの知的財産、土壌汚染などの環境、保有不動産、情報システムといった個別の論点を精査します。
主な担い手(職種)公認会計士(FAS・監査法人系のアドバイザリー、税理士が担うことも)税理士弁護士(弁護士法人)社会保険労務士(弁護士が法務DDの一部として扱うことも)経営コンサルタント・中小企業診断士など弁理士・各分野の専門コンサルなど
制度上の位置づけ資格による独占業務ではない(会計に精通した専門家が担う)税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士の独占業務(税理士法)報酬を得て業として法律事務を扱えるのは弁護士・弁護士法人のみ(弁護士法)調査・診断自体は独占業務ではない(労務分野の専門家が担う)業務独占資格はない(誰でも担える)分野により異なる(必要な案件でのみ実施)

※上記は一般的な分担の傾向です。実際の担い手や調査範囲は案件ごとに異なります。

DDの分野別に見る担当専門家の役割

ここからは、DDの各分野を担う専門家の役割を、それぞれが何を調べ、制度上どこまでを独占的に担えるのかという観点で掘り下げます。自社がとくに不安を感じる論点がどの分野に当たるかを意識しながら読むと、依頼先を絞り込みやすくなります。

まず、各分野の担い手を制度の面から見た全体像は次のとおりです。

デューデリジェンスの担い手を制度で二分した図解。資格による独占業務は税務DD(税理士)と法務DD(弁護士・弁護士法人)。独占業務ではないのは財務DD(公認会計士)、人事労務DD(社会保険労務士)、事業DD(経営コンサル・中小企業診断士)。

財務DD・税務DD = 公認会計士・税理士

財務DDは、対象会社の決算が実態を正しく表しているか、簿外債務や回収見込みのない債権が隠れていないか、利益やキャッシュフローの質はどうかを精査する調査です。数字の裏側を読み解く作業のため、会計に精通した公認会計士が中心的な担い手になります。

ただし財務DDは法定監査とは異なり、公認会計士の独占業務ではありません。公認会計士法は、独占業務である「財務書類の監査又は証明」とは別に、財務に関する調査や相談を公認会計士の業務として定めており、実務では税理士やアドバイザリー会社の会計専門家が担うこともあります。

税務DDは、過去の申告が適正だったか、追徴課税につながる税務リスクがないか、繰越欠損金や含み益といった買収後に影響する項目はどうかを調べます。税務の領域は、税理士でなければ報酬を得て行えない業務の範囲が広く、税理士法は税務代理・税務書類の作成・税務相談を税理士の業務と定めたうえで、次のように無資格者の実施を禁じています。

税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない。

出典:税理士法(昭和26年法律第237号)第52条|e-Gov法令検索

このため、税務申告や税務相談に踏み込む部分は税理士に依頼する必要があります。財務と税務は論点が重なる部分も多く、会計士と税理士の両方が在籍するアドバイザリー会社にまとめて任せると、調査の重複や連携の手間を抑えやすくなります。

財務DDで具体的にどこまで決算の実態や簿外債務を調べるのか、調査項目・進め方や費用相場、依頼先の選び方まで踏み込んで知りたい場合は、財務DDに絞ってまとめた次の記事が参考になります。

法務DD = 弁護士(弁護士法人)

法務DDは、会社を取り巻く法的なリスクを精査する調査です。重要な取引契約にM&Aで不利になる条項(契約相手が代わると解約できる条項など)がないか、事業に必要な許認可が有効に維持されているか、訴訟や紛争を抱えていないか、株式の権利関係に問題がないかなどを確認します。

契約や法令の解釈を伴うこの調査を、報酬を得て業として行えるのは弁護士・弁護士法人に限られます。弁護士法は、無資格者が報酬目的で法律事務を扱うことを次のように禁じています。

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

出典:弁護士法(昭和24年法律第205号)第72条|e-Gov法令検索

この規定(非弁行為の禁止)があるため、会計系のアドバイザリー会社やM&A仲介であっても、法律事務にあたる法務DDを自社で引き受けることはできず、提携する弁護士や法律事務所に依頼する形をとります。契約リスクや係争を抱えた案件では、早い段階で弁護士が関わっているかを確認しておくと安心です。

人事労務DD = 社会保険労務士

人事労務DDは、未払残業代が累積していないか、就業規則や雇用契約が法令に沿っているか、社会保険に適切に加入しているか、労使間のトラブルを抱えていないかなど、人と労務に関するリスクを調べます。買収後に未払残業代の請求や社会保険の遡及加入が表面化すると、想定外の負担につながるため、労働集約的な事業では重視される分野です。

この分野は、労働・社会保険の実務に精通した社会保険労務士が専門の担い手です。社会保険労務士法により、労働社会保険の申請書類の作成・提出代行などは社会保険労務士の独占業務とされていますが、就業規則の点検や労務リスクの診断といった調査・コンサルティングそのものは独占業務ではなく、弁護士が法務DDの一部として扱うこともあります。

実務では、労務の論点が重い場合に社会保険労務士へ依頼する、という考え方で差し支えありません。

事業(ビジネス)DD = 経営コンサルタント・中小企業診断士

事業DD(ビジネスDD)は、対象会社のビジネスモデルや収益構造、市場での競争力、事業計画の実現性、買収による相乗効果の見込みなどを評価する調査です。財務DDが「過去の数字の正しさ」を見るのに対し、事業DDは「これから稼ぎ続けられるか」という将来性に踏み込みます。

事業DDには、弁護士や税理士のような業務独占資格はなく、経営コンサルタントや中小企業診断士、FAS内の事業分析の専門家などが担います。誰でも担える分野だからこそ、依頼先がその業界や事業モデルをどれだけ理解しているかで、調査の深さに差が出ます。自社の事業と近い案件の経験があるかを確認して選ぶとよいでしょう。

IT・知財・環境などの専門DD

基本となる財務・税務・法務・労務・事業のほかにも、案件の性質に応じて個別の専門DDを追加します。中小M&Aガイドラインは、知的財産(知財)DD・環境DD・不動産DD・ITDDといった多様なDDが存在するとしています。近年は、人権・環境・社会への配慮(ESG)に関するリスクを調べるDDに踏み込む案件も増えています。

特許やブランドが競争力の源泉になっている会社では知財DDを、工場や土地を持つ会社では土壌汚染などを見る環境DDや不動産DDを、システムが事業の中核にある会社ではITDDを、というように、自社が引き継ぐ事業の肝になっている部分を見極めて追加するのが基本です。これらは弁理士や各分野の専門コンサルタントが担います。

全体を束ねるFA・M&Aアドバイザー

分野ごとに担い手が分かれると、それぞれを自分で探して依頼し、結果をまとめる負担が生じます。これを引き受けるのが、ファイナンシャルアドバイザー(FA)やM&A仲介です。

FAや仲介はDDを自ら実施するというより、どの分野をどこまで調べるかを設計し、専門家を手配し、各分野の結果を取引全体の判断につなげる「束ね役」を担います。自社に専任担当がいなくても、窓口にすればDD全体を進められます。次章では、この束ね役を含めた依頼先の形態ごとの違いを整理します。

依頼先の形態と案件規模別の選び分け

同じDDでも、「個別の士業に分けて頼む」のか「専門家をそろえた会社にまとめて任せる」のかで、進め方も費用も変わります。ここでは依頼先を形態ごとに分け、それぞれのDDの実施体制と、案件規模による向き不向きを整理します。

案件規模から見た依頼先の向き不向きの全体像は、次のとおりです。

案件規模別のデューデリジェンス依頼先の選び分け図。数千万〜数億円のスモール・中小案件は個別の士業やM&A仲介・FA、数億〜数十億円の中堅案件は独立系ワンストップ型FAS、数十億円規模以上やクロスボーダー案件は大手FASや投資銀行型FAが向く。

依頼先の形態とそれぞれのDD実施体制

DDの依頼先は、大きく次の形態に分けられます。それぞれ、どの分野を自社内で担い、どの分野を外部の専門家に委ねるかという実施体制が異なります。

個別の士業に分けて頼む方法は、顔の見える専門家に直接依頼でき、調べたい分野だけに絞れば費用を抑えやすいのが利点です。財務なら会計士、税務なら税理士、法務なら弁護士へ個別に依頼します。一方で、複数の専門家を自分で手配し、結果を取りまとめる手間がかかります。

調べる範囲が限られたスモールな案件や、不安な分野が特定の領域に絞られている場合に向きます。個別に頼むときは、取引のある顧問の会計士・弁護士に相談するか、M&Aの実績がある会計事務所・法律事務所に直接依頼するのが一般的です。

個別の士業を選ぶ際は、通常の顧問業務とM&AのDDは性質が違うため、M&A・DDの経験があるかを必ず確認しましょう。論点が1分野に絞られる案件では、専門家をそろえた会社ではなく、個別の士業に直接頼む選択肢も有力です。

独立系のワンストップ型アドバイザリー会社(FAS・コンサル)に任せる方法は、財務DD・事業DDを自社で担い、法務は提携弁護士と連携しながら、DD全体をまとめて引き受けてもらえるのが特徴です。窓口が一本化され、各分野の調整を任せられるため、中堅規模の案件や、社内に専任担当がいない会社に向いています。

大手のFAS(監査法人系の財務アドバイザリー)に任せる方法は、財務・税務・事業・IT・人事などのDDを幅広く自社の体制で担い、法務DDはグループや提携の弁護士が担当する、総合力の高さが強みです。大企業や上場企業が関わる案件、クロスボーダー(国境をまたぐ)案件など、論点が多く専門分野が広がる案件に向きます。

M&A仲介・FA経由で紹介を受ける方法では、仲介やFAがDDそのものを自社で実施するのではなく、案件に必要なDDを設計し、各分野の専門家を手配して進行を取りまとめます。買い手・売り手双方の間に立つ仲介のほか、どちらか一方のために動くFAがあり、売り手側に専任で付くFA(セルサイドFA)は売却の準備段階から伴走します。M&Aの相手探しから一貫して任せたい場合に向く形態です。

このM&A仲介・FAのうち、超大型やクロスボーダーの案件を主に扱うのが投資銀行型のFA(証券会社系や外資系の金融アドバイザー)です。企業価値評価(バリュエーション)や交渉の統括とあわせてDDの取りまとめを担います。中小企業が直接の依頼先にすることは多くありませんが、案件が大きくなるほどこの形態が選択肢に入ります。

DDの手配だけでなく、相手探しから交渉・契約までM&A全体を任せる相談先を広く比べたい場合は、仲介型・FA・Big4系まで案件規模別に整理したM&Aアドバイザリー会社の比較記事もあわせてご覧ください。

案件規模別の向き不向き

どの形態が合うかは、案件の規模とも関係します。譲渡額が数千万円から数億円規模のスモール・中小案件では、仲介・FAに相手探しから任せて、必要なDDを手配してもらう形や、論点を絞って個別の士業に頼む形が中心です。費用と調査範囲のバランスを取りやすいのがこの層です。

数億円から数十億円規模の中堅案件になると、財務・税務に加えて法務や事業の論点も厚くなり、独立系のワンストップ型に全体を任せる形が選択肢に入ります。さらに大企業・上場企業が関わる案件や、海外子会社を含むクロスボーダー案件では、幅広い分野を同時に進められる大手FASや、投資銀行型のFAが適します。自社の案件がどの層に当たるかを見定めることが、依頼先の形態を絞る出発点になります。

自社の案件規模や不安な分野から向く依頼先のタイプを知りたい場合は、以下の診断ツールもご活用ください。

あなたへのおすすめ
条件にマッチしたサービスを表示しています
本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。
料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】M&Aアドバイザリー・FAの資料を
一括ダウンロードする

デューデリジェンス専門家の費用相場

DDの費用は「一律いくら」と決まっているものではなく、調べる分野・範囲と、投入される専門家の工数によって案件ごとに見積もられます。ここでは費用の目安と、何によって金額が決まるのか、誰が負担するのか、公的な補助は使えるのかを整理します。

分野別・規模別の費用の目安

費用は調べる分野・範囲と専門家の工数で決まるため幅がありますが、分野別の一般的な目安は次のとおりです。いずれも調査の深さや会社の規模によって上下します。

← 横にスクロールできます →
財務DD税務DD法務DD労務DD事業(ビジネス)DD
費用の目安(1分野あたり)約30万〜200万円約30万〜150万円約50万〜300万円数十万円程度〜数十万〜数百万円程度

※上記は2026年時点の一般的な費用感の目安で、調査範囲・案件規模・依頼先によって変動します。

案件規模で見ると、譲渡額が数億円までの小規模案件は財務・税務を中心に合計で数十万〜100万円台、数億〜数十億円の中堅案件は複数分野を合わせて150万〜500万円程度が一つの目安です。

大企業・上場企業が関わる案件や海外拠点を含むクロスボーダー案件では、調査分野が広がり数百万〜1,000万円超になることもあります。期間は規模にもよりますが、多くの案件で数週間〜2か月程度が目安です。

具体的な金額は、依頼先に調査範囲を伝えたうえで見積もりを取り、内訳を確認するのが確実です。

費用の決まり方と見積もりで確認する観点

DDの費用は、基本的に「専門家の時間単価 × 投入する工数(人日)× 調査範囲」で積み上がります。調べる分野を増やすほど、調査を深くするほど、関わる専門家の役職が上がるほど、費用は上がる構造です。見積もりを取るときは、金額の総額だけでなく、どの分野を・どこまでの深さで・誰が調べる前提なのかという内訳を確認すると、他社と比べやすくなります。

調査範囲を広げれば見落としのリスクは下がりますが、費用は増えます。自社にとって重要な論点に調査を厚く配分し、影響が小さい分野は簡易な調査にとどめるなど、費用対効果を意識した範囲設定を依頼先と相談するとよいでしょう。

誰が負担するか・使える補助金

DDは主に買い手が実施する調査のため、その費用は原則として買い手が負担します。一方、売り手が自社のリスクを事前に把握するために行うDD(セルサイドDD)の費用は、売り手が負担します。

中小企業がM&Aを行う場合、DDや専門家の費用の一部に公的な補助を使える場合があります。中小企業庁の「事業承継・M&A補助金(専門家活用枠)」は、M&Aに係る専門家活用の費用を補助対象としており、十五次公募(2026年5月公表)の公募要領では補助対象経費を次のように示しています。

補助対象経費:ファイナンシャルアドバイザー(FA)や仲介に係る費用※、デュー・ディリジェンス(DD)、セカンド・オピニオン、表明保証保険料 等 ※M&A支援機関登録制度に登録されたファイナンシャルアドバイザー(FA)またはM&A仲介業者によるFAまたはM&A仲介費用に限る

出典:事業承継・M&A補助金(十五次公募)の公募要領|中小企業庁

DD費用やFA・仲介費用が補助対象になるほか、買い手がDD費用を申請する場合は補助上限額が加算される扱いもあります。ただし、補助対象となるFA・仲介費用は「M&A支援機関登録制度」に登録された業者への費用に限られる点に注意が必要です。

依頼を検討している会社が登録業者かどうかは確認しておくとよいでしょう。補助率や上限額、対象の区分は公募回ごとに変わるため、利用を検討する際は最新の公募要領で確認してください。

専門家・依頼先の選び方(比較ポイント)

依頼先の形態と費用の見方がわかったら、個別の依頼先を比べる段階です。ここでは、依頼先の質を見極めるために確認したい比較ポイントを整理します。この後の比較表を読む物差しとしてご活用ください。

確認したい比較ポイント

第一に、自社と近い規模・業種のM&A支援の実績があるかです。同じ業界の案件を手がけた経験があれば、その事業特有のリスクの勘所を押さえており、調査の精度と効率が上がります。公式サイトの支援事例や、対応している案件規模の目安を確認しましょう。

第二に、自社が不安に感じる分野の専門性と、各分野の専門家をそろえる体制があるかです。法務や税務の論点が重い案件では、弁護士・税理士と連携できる体制があるかが重要になります。財務だけを依頼するのか、法務・労務まで含めて任せるのかで、必要な体制は変わります。

第三に、費用対効果です。前章のとおり費用は調査範囲で変わるため、総額の安さだけでなく、見積もりの内訳と、自社にとって重要な論点にどれだけ調査を配分してくれるかを比べるとよいでしょう。第四に、調査結果を取引の判断にどうつなげてくれるか、窓口となる担当者と相談しやすいかといった、進め方の相性も確認しておくと安心です。これらは公式サイトや初回相談で、公開情報をもとに裏取りしながら見極めます。

顧問税理士・自社だけで足りるか

「顧問税理士がいるので、DDもお願いすれば十分では」と考える経営者は少なくありません。顧問税理士は自社の数字に精通しており、税務の相談先として頼りになります。しかし、買収する相手の会社を外部から調査するDDは、日々の顧問業務とは性質が異なる作業です。

相手企業の情報は限られ、短期間で簿外債務やリスクを洗い出す必要があり、M&A特有の論点(表明保証、買収後の税務影響、価格への反映など)を見極める経験が問われます。

M&Aの経験が浅い専門家だけで進めると、価格交渉や契約条件に反映すべきリスクを見落とすおそれがあります。顧問税理士には自社側の相談役として関わってもらいつつ、相手会社のDDはM&Aの実績がある専門家・依頼先に任せる、という役割分担が現実的です。自社だけ・顧問だけで完結させようとせず、M&Aの経験を依頼先選びの軸に据えることをおすすめします。

【比較表】デューデリジェンスを依頼できる専門家・サービスの比較

ここからは、デューデリジェンスを依頼できる専門家・サービスを、依頼先の形態ごとに横並びで比較します。自社で担うDDの分野、対応する案件規模、DD以外に提供している範囲などを整理していますので、前章の比較ポイントと照らし合わせながら候補を絞り込んでください。

表は、DDを自社の体制で担う独立系・大手のFAS(財務アドバイザリー会社)と、DDを外部の専門家に手配して取りまとめるM&A仲介・FAの2層からなります。「自社で担う主なDD分野」の列を見れば、どちらの立場かを見分けられます。調査そのものを頼みたい場合はFASの行を、相手探しから任せたい場合は仲介・FAの行を中心にご覧ください。

← 横にスクロールできます →
サービス名M&A Lead日本M&AセンターM&AキャピタルパートナーズストライクM&A総合研究所fundbook経営共創基盤(IGPI)山田コンサルティンググループフロンティア・マネジメントAGSコンサルティングデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーPwCアドバイザリーKPMG FASEYストラテジー・アンド・コンサルティングフーリハン・ローキー三菱UFJモルガン・スタンレー証券 M&A
依頼先の形態セルサイドFAM&A仲介M&A仲介M&A仲介M&A仲介M&A仲介独立系ワンストップFAS独立系ワンストップFAS独立系ワンストップFAS独立系ワンストップFAS大手FAS大手FAS大手FAS大手FAS投資銀行型FA投資銀行型FA
自社で担う主なDD分野自社では実施せず
(売主側で調査対応を取りまとめ)
自社では実施せず
(財務・法務等は外部専門家)
自社では実施せず
(買い手選任の外部専門家が担当)
自社では実施せず
(外部の会計・法務の専門家が担当)
自社では実施せず
(分野別に外部専門家が担当)
自社では実施せず
(買い手側の外部専門家が担当)
財務・事業DD
(法務は外部弁護士と連携)
財務・税務・事業DD
(法務は外部弁護士と連携)
財務・事業DD
(法務・税務は外部専門家と連携)
財務・税務DD
(法務は外部弁護士と連携)
財務・税務・ビジネスDD
(法務は系列・外部弁護士)
財務・税務・ビジネス・IT・ESG DD
(法務はPwC弁護士法人)
財務・税務・事業DD
(法務はグループ・外部弁護士)
財務・税務・ビジネス・IT・人事DD等
(法務はEY弁護士法人)
自社では実施せず
(外部専門家を起用し統括)
自社では実施せず
(外部専門家が実施、FAが統括)
主な対応案件規模中小〜中堅小規模〜上場企業中小〜中堅中小〜中堅中小〜中堅中小〜中堅中堅〜大企業中堅〜大企業中堅〜大企業中小〜中堅大企業・上場
クロスボーダー
大企業・上場
クロスボーダー
大企業・上場
クロスボーダー
大企業・上場
クロスボーダー
大型・クロスボーダー大型・クロスボーダー
DD以外の提供範囲M&Aの相手探し・交渉
(売り手側で一貫支援)
相手探し・マッチング
(売り手・買い手の仲介)
相手探し・マッチング〜
クロージング(仲介)
相手探し・交渉〜契約
(M&AプラットフォームSMART)
相手探し・マッチング
(AIマッチング、仲介)
相手探し・マッチング
(オンライン進行、仲介)
経営戦略・PMI・事業再生
(ハンズオン支援)
事業承継・事業再生・
会計税務・海外事業支援
M&A・事業再生・
経営コンサル
IPO支援・事業承継・
国際税務・会計顧問
バリュエーション・PMI・
フォレンジック・事業再生
M&A戦略・バリュエーション・
PMI
バリュエーション・財務モデル・
セルサイドDD・事業再生
M&A戦略・バリュエーション・
PMI
バリュエーション・
フェアネスオピニオン・交渉統括
バリュエーション・
ストラクチャリング・交渉統括
料金着手金・中間金・月額0円
成功報酬のみ(最低2,000万円)
着手金100万〜500万円+
成功報酬(最低2,000万円)
着手金・月額無料
中間金+成功報酬(レーマン方式)
着手金無料
中間金+成功報酬(最低2,000万円)
売り手は完全成功報酬制
(着手金・中間金・月額なし)
完全成功報酬制
(相談料・着手金・月額なし)
個別見積り
(成功報酬・出資の組合せも)
要お問い合わせ
(個別見積り)
要お問い合わせ
(個別見積り)
着手金・中間金+成功報酬
(目安。要お問い合わせ)
要お問い合わせ
(個別見積り)
要お問い合わせ
(個別見積り)
要お問い合わせ
(個別見積り)
要お問い合わせ
(個別見積り)
要お問い合わせ
(個別見積り)
要お問い合わせ
(個別見積り)
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は各サービスの一般的な傾向です。実際の対応範囲・費用は案件や契約内容により異なるため、各社の最新情報をご確認ください。

デューデリジェンスを依頼できる専門家・サービスの個別紹介

比較表で取り上げた専門家・サービスを、依頼先の形態ごとに個別に紹介します。各社がどの分野のDDを自社で担い、どの案件規模を得意とするかに注目してご覧ください。

M&A仲介・セルサイドFA経由で頼む

M&Aの相手探しから一貫して任せられる依頼先です。DDそのものは自社で実施せず、各分野の専門家を手配して進行を取りまとめます。中小〜中堅企業の譲渡・買収で選ばれることが多い形態です。

1. M&A Lead(M&A Lead株式会社)

M&A Leadのウェブサイト

M&A Lead株式会社が運営する、売主(譲渡企業)側に専属で付くセルサイドのM&Aアドバイザリーです。買い手からは手数料を受け取らず、譲渡価格や従業員の雇用条件など、売主側の条件の実現に向けて交渉する立場をとります。

DDそのものは自社で実施せず、基本合意後の「情報の真実性精査(デューデリジェンス)」の局面では、買い手が立てた専門家による調査への対応を売主側で取りまとめます。買い手候補は、社外のM&Aアドバイザーや買い手側FA、地方銀行を中心とする20行超の金融機関と連携して探します。

着手金・中間金・月額報酬は0円で、報酬は譲渡完了時の成功報酬のみ(譲渡対価に料率を掛けて算定するレーマン方式、最低手数料2,000万円)です。後継者不在の事業承継から上場企業の子会社譲渡まで、相手探しから最終契約まで売り手として一貫して任せたい中小〜中堅企業のオーナーに向きます。

2. 日本M&Aセンター(株式会社日本M&Aセンター)

日本M&Aセンターのウェブサイト

全国の地方銀行の約9割・信用金庫の約8割や会計事務所との提携ネットワークから案件を創出する、M&A仲介の最大手として知られる会社です。1991年創業で、持株会社の株式会社日本M&Aセンターホールディングスが東証プライム市場に上場しています(証券コード2127)。譲渡企業と譲受企業の双方を支援する「仲介」モデルをとります。

DDは自社では実施せず、財務は公認会計士・税理士、法務は弁護士というように各分野の専門家で調査チームを編成する前提に立ち、仲介会社としては日程調整・情報管理と交渉環境の整備を担います。リスクが判明した際は、弁護士や会計士と連携して対応策を検討します。

対応は小規模企業から上場企業までを3区分に分けて案内し、23業種・全国9地域に及びます。料金は着手金100万〜500万円に加え、レーマン方式の成功報酬(譲渡側の最低手数料は2,000万円)で、売り手・買い手の双方から受け取ります。幅広い業種・地域で相手を探したい中小企業の事業承継で、最初の相談先になりやすい依頼先です。

3. M&Aキャピタルパートナーズ(M&Aキャピタルパートナーズ株式会社)

M&Aキャピタルパートナーズのウェブサイト

着手金・月額報酬を無料とし、専任アドバイザーがマッチングから契約・クロージングまでを一貫して担当するM&A仲介会社です。2005年設立で、東証プライム市場に上場しています(証券コード6080)。中小企業オーナーの事業承継・会社売却を主な対象とします。

公式のDD解説では、財務・税務・法務・労務など各分野の専門家の起用が必須と説明しており、DDそのものは自社で実施せず、買い手が選任する会計士・弁護士・税理士などが担う前提です。仲介会社としては、基本合意後のDD局面で進行管理やスケジュール調整、専門家との橋渡しを行います。

料金は着手金・月額報酬が無料で、譲渡先候補が決まった時点の中間報酬(手数料総額の約10%)と、最終契約時の成功報酬(残り約90%、株価レーマン方式)がかかります。案件規模は売上1億円未満から50億円以上まで幅があり、費用を抑えて相手探しから任せたい中小企業の売り手に向きます。

4. ストライク(株式会社ストライク)

ストライクのウェブサイト

1997年に公認会計士が創業したM&A仲介会社で、持株会社の株式会社ストライクグループが東証プライム市場に上場しています(証券コード6196)。社内に公認会計士・税理士などの有資格者が在籍することを掲げ、1998年に開設した、同社が国内初のM&A仲介プラットフォームとする「SMART」を自社で運営しています。

DDは自社の用語解説で「公認会計士や監査法人が行う企業の精密検査」と定義されており、調査そのものは外部の会計・法務の専門家が担う前提です。ストライクは仲介会社として、相手探しから交渉・最終契約までのプロセス全体に伴走します。

料金は着手金が無料で、基本合意時の報酬(資産総額に応じ100万〜300万円)と、譲渡金額に応じた成功報酬(オーナーの受取額を基準とするレーマン方式、最低手数料2,000万円)がかかります。「SMART」の掲載案件は年商1億円以下から100億円超まで幅があり、後継者不在の中堅・中小企業の事業承継を主な対象とします。

5. M&A総合研究所(株式会社M&A総合研究所)

M&A総合研究所のウェブサイト

独自のAIマッチングシステムを使い、平均7.2ヶ月・最短43日での成約を訴求する独立系のM&A仲介会社です。2018年設立で、親会社の株式会社クオンツ総研ホールディングス(東証プライム、証券コード9552)のもとでM&A仲介事業を担います。

DDは自社では実施せず、財務は公認会計士・税理士、法務は弁護士というように分野ごとの専門家が調査を担う前提で、仲介会社としては資料準備や日程調整、買い手とのやり取りの取りまとめを支援します。

対象は売上規模およそ1億円〜100億円の中堅・中小企業です。譲渡企業(売り手)は着手金・中間金・月額報酬がかからない完全成功報酬制で、譲受企業(買い手)は着手金が無料・中間金ありという料金体系をとります。短期間での相手探しを重視する売り手に向く依頼先です。

6. fundbook(株式会社fundbook)

fundbookのウェブサイト

企業概要書の閲覧や書類のやり取りをオンライン化する独自システム「fundbook cloud」を仲介サービスに組み合わせて提供する、株式会社fundbookのM&A仲介サービスです。同社は、東証プライム上場の株式会社チェンジホールディングスのグループ企業です。

DDは自社では実施せず、公式サイトでも「譲受企業(買い手)側が実施する調査」と位置づけ、財務・税務・法務などの調査は会計士・弁護士・税理士といった外部の専門家に委ねる前提を示しています。仲介会社としては、交渉から契約・クロージングまでのプロセスを支援します。

料金は相談料・企業価値算定・着手金・月額報酬がかからない完全成功報酬制で、成約時にレーマン方式の成功報酬がかかります(譲渡側は資産5億円以下の部分が定額2,500万円)。中堅・中小企業のオーナーを主な対象とし、オンラインで進行を把握しながら相手探しを進めたい売り手に向きます。

独立系ワンストップのFAS・コンサルに任せる

財務DD・事業DDを自社で担い、法務は提携弁護士と連携しながらDD全体をまとめて引き受けます。窓口を一本化したい中堅規模の案件に向く依頼先です。

7. 経営共創基盤(IGPI)(株式会社経営共創基盤)

経営共創基盤のウェブサイト

産業再生機構の中心メンバーが2007年に設立した、独立系の経営コンサルティング・M&Aアドバイザリーファームです。経営戦略の立案からM&A実行、買収後の統合(PMI)、事業再生までを一貫して手がけ、自社のプロフェッショナルが執行役員以上の立場で経営に加わるハンズオン型の支援を掲げます。

事業再生やハンズオン支援で培った知見を活かし、事業DD(ビジネスDD)や財務DDを自社で担い、法務DDは提携・外部の弁護士と連携してDD全体をまとめて引き受けます。

大企業から地方の中堅企業、ベンチャーまで幅広い案件を手がけ、戦略から実行まで同じチームで伴走します。料金は公式サイトに料金表の記載がなく、案件ごとの個別見積りで、成功報酬型や出資を組み合わせる契約形態もとります。中堅規模の案件を窓口ひとつで任せたい企業に向く依頼先です。

8. 山田コンサルティンググループ(山田コンサルティンググループ株式会社)

山田コンサルティンググループのウェブサイト

事業承継・M&A・事業再生から会計税務・海外事業支援までを横断的に手がける、東証プライム上場の経営コンサルティングファームです(証券コード4792)。1989年の設立以来、公認会計士・税理士・中小企業診断士など多様な有資格者を擁します。

会計・税務を源流とすることから、財務DDや税務DDを事業DDと合わせてワンストップで実施できる点が特徴です。法務DDは弁護士と連携します。

事業再生では年商10億〜300億円程度の案件が多く、規模を限定せず対応するとしています。料金は公式に料率の記載がなく要問い合わせで、財務・税務の論点が多い中堅・オーナー企業の案件に向く依頼先です。

9. フロンティア・マネジメント(フロンティア・マネジメント株式会社)

フロンティア・マネジメントのウェブサイト

経営コンサルティングとM&Aアドバイザリーを両輪で手がける「ハイブリッドモデル」を掲げる、独立系のファームです。2007年に産業再生機構出身のメンバーが設立し、現在は東証プライム市場に上場しています(証券コード7038)。

M&Aアドバイザリーと事業再生・経営コンサルの両面から、事業DD(ビジネスDD)や財務DDを自社で実施し、法務DDは弁護士、税務DDは税理士と連携する形をとります。

中堅企業から大企業まで、M&Aや事業再生の案件を中心に対応しています。料金は公式に料率の記載がなく要問い合わせで、M&Aと事業再生を一体で任せたい中堅規模の案件に向きます。

10. AGSコンサルティング(株式会社AGSコンサルティング)

AGSコンサルティングのウェブサイト

AGS税理士法人と一体で「AGSグループ」を形づくる中核会社で、会計・税務顧問を土台にIPO支援・事業承継・M&A・国際税務までをワンストップで提供します。公認会計士121名・税理士124名を擁する、会計事務所発の総合コンサルティングを掲げます。

M&Aアドバイザリーでは、公式サイトに買収監査(DD)の実行・対応支援と、法律事務所などとの連携支援を明記しており、財務・税務面のDDを自社で担い、法務は弁護士と連携する形をとります。

中堅・中小のオーナー系企業を中心に、小規模な案件から相談できる点を公式に掲げ、海外進出企業のクロスボーダー案件にも対応します。M&Aアドバイザリー報酬は着手金・中間金に成功報酬(レーマン方式)を組み合わせる形が自社メディアで目安として示されていますが、具体額は案件ごとに異なるため問い合わせが必要です。

大手FAS(監査法人系の財務アドバイザリー)に任せる

財務・税務・事業・IT・人事など幅広い分野のDDを総合的に担い、法務はグループ・提携の弁護士が担当します。論点が多い大企業・上場企業の案件やクロスボーダー案件に向く依頼先です。

11. デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(合同会社デロイト トーマツ)

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーのウェブサイト

デロイト トーマツ グループでM&Aアドバイザリー・フォレンジック(不正調査)・事業再生を担う部門です。従来はデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(DTFA)が独立法人として提供していましたが、2025年12月にコンサルティング・リスクアドバイザリーの2社と合併し、現在は合同会社デロイト トーマツの一部門として運営されています。

財務DD・税務DD・ビジネスDDを自社の会計士・コンサルタントが実施し、バリュエーションからPMI、フォレンジックまでを一貫して担います。法務DDはデロイト系列の弁護士法人や外部の法律事務所が担当します。

150を超える国・地域のネットワークを活用したクロスボーダー案件への対応を掲げ、大型M&A・グループ再編など論点の多い案件を主なサービス領域とします。料金は公式に非公開で、案件ごとの個別見積りです。大企業・上場企業が関わる案件を幅広い分野で同時に進めたい場合に向く依頼先です。

12. PwCアドバイザリー(PwCアドバイザリー合同会社)

PwCアドバイザリーのウェブサイト

PwC JapanグループでM&A・事業再生・インフラ関連のディールアドバイザリーを担う、PwCアドバイザリー合同会社のサービスです。第二種金融商品取引業(関東財務局長(金商)第3239号)の登録を受け、M&A戦略からバリュエーション、PMIまでを手がけます。

デューデリジェンスでは財務DD・税務DD・法務DD・ビジネスDDの4分野を中核に据え、人権DDなどのESG(サステナビリティ)DDやITDD・サイバーDDも提供領域に挙げます。このうち法務DDはグループ内のPwC弁護士法人などが担い、会計系の財務・税務調査と法律事務を分けて進めます。

PwCグローバルネットワークを通じたクロスボーダー案件のほか、民間インフラやPPP/PFI(官民連携事業)のディールにも対応します。料金は公式に非公開で、案件ごとの個別見積りです。

13. KPMG FAS(株式会社KPMG FAS)

KPMG FASのウェブサイト

KPMGのグローバルネットワークに属し、M&A・事業再生・フォレンジックといったトランザクション領域を専門とする株式会社KPMG FASのサービスです。経営コンサルティングを主業とするKPMGコンサルティング株式会社とは別法人にあたります。

財務DD・税務DD・事業(ビジネス)DDを自社の公認会計士・コンサルタントが実施し、財務モデル作成・バリュエーション・売却前のセルサイドDDまで担います。法務DDはグループ内の弁護士法人や外部の法律事務所が担当します。

なお公式のDD解説では、公認会計士法や独立性規則、利益相反の観点から、提供先や提供業務の範囲に制限がかかる場合があると明記しています。KPMGグローバルネットワークを通じたクロスボーダー案件にも対応し、料金は公式に非公開で案件ごとの個別見積りです。

14. EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社)

EYストラテジー・アンド・コンサルティングのウェブサイト

EY Japanのコンサルティング・トランザクション機能を担う法人で、2020年10月にEYトランザクション・アドバイザリー・サービスとEYアドバイザリー・アンド・コンサルティングが統合して発足しました。戦略の策定からM&Aの実行までを同一法人内で手がけます。

デューデリジェンスでは、財務・税務・ビジネス・法務・オペレーション・人事年金・IT・サイバーセキュリティ・カーブアウトの各分野を自社グループのチームで提供すると公式に明記しています。このうち法務DDはグループ内のEY弁護士法人が担当します。

世界約393,000人・700以上の拠点からなるEYのグローバルネットワークを背景に、海外規制対応やクロスボーダー案件に対応します。金融機関向けのサステナビリティ・規制対応を重点領域の一つとし、料金は公式に非公開で案件ごとの個別見積りです。

投資銀行型のFAに頼む(大型・クロスボーダー案件向け)

企業価値評価や交渉の統括とあわせてDDの取りまとめを担う、大型・クロスボーダー案件向けの依頼先です。中小企業の案件で直接の依頼先になることは多くありませんが、案件規模が大きい場合の選択肢として紹介します。

15. フーリハン・ローキー(フーリハン・ローキー株式会社)

フーリハン・ローキーのウェブサイト

米国NYSE上場の投資銀行Houlihan Lokey, Inc.の日本法人で、2021年のTOBを経て、独立系M&Aファームの旧GCA株式会社から2022年に社名変更したファームです。M&Aアドバイザリー・事業承継・財務リストラクチャリング・財務/バリュエーションの4領域を手がけます。

デューデリジェンスの文脈では、企業価値評価(バリュエーション)やフェアネスオピニオン、交渉の統括を中核に担い、財務DD・法務DDといった個別調査は会計士・弁護士など外部の専門家を起用して取りまとめる投資銀行型のFAです。

アジア太平洋・米州・欧州などの拠点を生かした大型・クロスボーダー案件に強みがあり、中小企業の案件で直接の依頼先になることは多くありません。料金は公式に非公開で、案件ごとの個別見積りです。

16. 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 M&Aアドバイザリー(三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 M&Aアドバイザリーのウェブサイト

三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の総合証券会社で、投資銀行本部の中にM&Aアドバイザリー・グループを置いています。投資銀行部門はMUFGとモルガン・スタンレーのジョイントベンチャー体制で、業界再編や海外市場獲得型の大型クロスボーダー案件を手がけると公式サイトに記載しています。

デューデリジェンスの文脈では、バリュエーションやストラクチャリング、交渉の統括を中核に担い、財務DD・法務DDといった調査は会計士・弁護士が実施する投資銀行型のFAです。クロスボーダー案件ではモルガン・スタンレーのグローバル拠点と連携します。

大型案件が中心のため、中小企業の案件で直接の依頼先になることは多くありません。料金は公式に非公開で、案件ごとの個別見積りです。

売り手(譲渡オーナー)が備えること

DDは主に買い手が実施する調査ですが、売り手にとっても他人事ではありません。買い手が立てた専門家からの資料請求や質問にどう対応するか、売却前に自社のリスクをどう整えておくかで、交渉の進み方や最終的な価格が変わります。ここでは売り手側の備えを整理します。

買い手が立てた専門家への対応と窓口の一本化

買い手のDDが始まると、売り手には財務・法務・労務など多方面から資料の提出や質問の依頼が届きます。本業を続けながらこれに対応するのは負担が大きく、回答の遅れや情報の行き違いは買い手の不安を招き、交渉に影響しかねません。売り手側に専任で付くFA(セルサイドFA)やアドバイザーを窓口に置くと、やり取りを一本化し、どの資料をどの順で用意するかを整理しながら進められます。

セルサイドDD・事前の資料準備

売り手が、買い手のDDに先立って自社のリスクを把握しておく調査をセルサイドDD(またはプレDD)と呼びます。買い手の調査で初めて問題が発覚すると、価格の引き下げや交渉の決裂につながりやすくなります。あらかじめ未払残業代や簿外債務、契約上の懸念を洗い出して手当てや説明の準備をしておけば、交渉の場で慌てずに済み、売り手として主導権を保ちやすくなります。

必須の手続きではありませんが、譲渡を有利に進めたい場合や、簿外のリスクに心当たりがある場合には検討の価値があります。売却の準備段階から相談できる専門家・依頼先を早めに見つけておくことが、売り手にとっての備えになります。

買い手のDDではどんな資料の提出を求められるのか、売り手の視点で事前に把握して準備しておきたい場合は、財務・法務からIT・知財まで分野別にまとめた必要書類チェックリストが手がかりになります。

売却前の準備を早く始めることが、交渉や最終的な価格にどう表れるのか。M&A・事業承継の数年前から売り手側の準備を支援するかえでファイナンシャルアドバイザリーの富田氏は、準備にかけた期間による違いを次のように話します。

富田氏
かえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社 マネージャー
富田氏
独自インタビューより

数字の面では、株価に2倍以上の差が出ることもあります。株価だけでなく、最終的な条件にも違いが出ます。たとえばオーナー経営の会社ですと、社長がいなくなると会社が困ってしまいますので、会社を売ったあとも1年、2年と引き続き経営に関わらなければならない場合があります。それを数年前から見据えて組織化しておくことで、理想的な引退の仕方ができるようになります。数字の部分も条件の部分も、差が大きく出てきます。

まとめ

デューデリジェンスは、調査する分野ごとに担い手となる専門家が分かれます。法務は弁護士、税務は税理士が報酬を得て担える領域であり、財務・労務・事業は専門性の高い担い手がいても資格による独占業務ではありません。自社が不安に感じる論点がどの分野かを見極めることが、依頼先選びの出発点です。

依頼先は、個別の士業に分けて頼む形から、独立系のワンストップ型、大手FAS、M&A仲介・FA経由まで幅があり、案件規模や不安な分野によって向き不向きが変わります。費用は調査範囲と工数で決まるため、見積もりの内訳を確認し、必要に応じて補助金の活用も検討しましょう。本記事の比較表と診断ツールを使い、自社に合った依頼先を見つける手がかりとしてください。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】M&Aアドバイザリー・FAの資料を
一括ダウンロードする

よくある質問(FAQ)

Q. デューデリジェンス(DD)とは何ですか?

A. デューデリジェンス(DD)とは、M&Aの前に、主に買い手(譲り受け側)が対象会社の財務・法務などのリスクや実態を精査する調査です。中小M&Aガイドラインでも、主に譲り受け側がFAや士業等専門家に依頼して実施する調査と位置づけられています。財務DD・法務DDを基本に、税務・人事労務・事業(ビジネス)・知財・ITなど、案件に応じた分野を組み合わせて行います。

Q. デューデリジェンスは誰に頼めばよいですか?

A. デューデリジェンスは、調査する分野ごとに担い手が分かれており、財務は公認会計士、税務は税理士、法務は弁護士、労務は社会保険労務士、事業は経営コンサルタントが担うのが一般的です。

これらを一から探す負担を避けたい場合は、複数分野の専門家をそろえたFAS・コンサルや、M&A仲介・FAを窓口にすると、必要な専門家を手配して全体を束ねてもらえます。自社の案件規模や不安な分野に合わせて、個別の士業に頼むか、ワンストップで任せるかを選び分けるとよいでしょう。

Q. 法務DDは弁護士でないと依頼できませんか?

A. 法務DD(契約・許認可・訴訟などの法的リスクの調査)を報酬を得て業として行えるのは、弁護士・弁護士法人に限られます。弁護士法第72条が、無資格者が報酬を得る目的で法律事務を扱うことを禁じているためです。

このため、会計系のアドバイザリー会社やM&A仲介であっても、法務DDを自社で引き受けることはできず、提携する弁護士や法律事務所が担当します。契約リスクや係争を抱えた案件では、早い段階で弁護士が関わっているかを確認しておくと安心です。

出典・参考資料(1件)

Q. 財務DDと税務DDは何が違いますか?

A. 財務DDは決算や資産・負債の実態、簿外債務や利益の質を精査する調査、税務DDは過去の申告の妥当性や追徴課税につながる税務リスクを精査する調査です。

財務DDは会計に精通した公認会計士などが担いますが資格による独占業務ではなく、税務DDのうち税務申告・税務相談に踏み込む部分は税理士の独占業務です。両者は論点が重なるため、会計士と税理士の双方が在籍するアドバイザリー会社にまとめて依頼すると、調査の重複や連携の手間を抑えやすくなります。

出典・参考資料(1件)

Q. 顧問税理士にデューデリジェンスを任せてもよいですか?

A. 顧問税理士は自社の税務の相談役としては頼りになりますが、買収相手を外部から調べるDDは日々の顧問業務とは性質が異なり、M&A特有の論点を見極める経験が問われます。相手企業の情報が限られるなかで短期間に簿外債務やリスクを洗い出し、表明保証や買収後の税務影響、価格への反映まで踏まえる必要があるためです。

顧問税理士には自社側の相談役として関わってもらいつつ、相手会社のDDはM&Aの実績がある専門家・依頼先に任せる役割分担が現実的です。

Q. デューデリジェンスの費用はどれくらいで、誰が負担しますか?

A. 費用は調べる分野・範囲と専門家の工数で決まり、税務や財務を限定的に依頼する場合は数十万円から、複数分野に広く依頼する場合は数百万円規模になることもあります。「専門家の時間単価 × 投入する工数 × 調査範囲」で積み上がるため、調べる分野を増やすほど、深く調べるほど高くなります。

費用は原則として調査を行う買い手が負担し、売り手が自社のリスクを事前に調べるDD(セルサイドDD)の費用は売り手が負担します。見積もりは、総額だけでなく、どの分野をどこまで誰が調べる前提かという内訳を確認すると比べやすくなります。

Q. デューデリジェンスにはどのくらいの期間がかかりますか?

A. DDの期間は調査する分野・範囲や対象会社の規模によって変わり、論点を絞った中小規模の案件では数週間〜2ヶ月程度が一つの目安です。調べる分野が多い案件や、海外拠点を含む案件では、さらに時間がかかります。正確な期間は、調査範囲を伝えたうえで依頼先にスケジュールを確認するのが確実です。資料の準備や質問への回答が滞ると長引きやすいため、売り手側の対応体制も進行に影響します。

Q. 売り手(譲渡オーナー)も専門家に依頼すべきですか?

A. 売り手も、買い手のDDへの対応窓口や、自社のリスクを事前に把握するセルサイドDDのために、専門家に依頼する意義があります。買い手の調査で初めて問題が発覚すると、価格の引き下げや交渉の決裂につながりやすいため、あらかじめ未払残業代や簿外債務、契約上の懸念を洗い出して手当てや説明を準備しておくと、交渉で主導権を保ちやすくなります。

売り手側に専任で付くFA(セルサイドFA)を窓口に置くと、買い手からの資料請求や質問への対応を一本化しながら進められます。

Q. デューデリジェンスの費用に補助金は使えますか?

A. 中小企業がM&Aを行う場合、「事業承継・M&A補助金(専門家活用枠)」でDD費用やFA・仲介費用の一部が補助対象になる場合があります。ただし、補助対象となるFA・仲介費用は「M&A支援機関登録制度」に登録された業者への費用に限られるため、依頼を検討している会社が登録業者かどうかを確認しておくと安心です。

補助率や上限額、対象の区分は公募回ごとに変わるため、利用を検討する際は最新の公募要領で確認してください。

出典・参考資料(1件)

M&Aアドバイザリー・FAの料金・資料を一括チェック

MCB FinTechカタログでは、M&Aの相談やデューデリジェンスを依頼できるアドバイザリー・FAの最新資料を無料で一括請求できます。支援範囲や対応案件規模を見比べて、自社に合う依頼先を効率的に探せます。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】M&Aアドバイザリー・FAの資料を
一括ダウンロードする

MCB FinTechカタログに掲載しませんか?

MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

関連記事

新着記事

M&Aアドバイザリー・FA
おすすめの診断サービス