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不動産業向け電子契約システムおすすめ7選を比較|業界特化型と汎用型の選び方、IT重説対応を解説

不動産 電子契約

2022年5月の宅建業法改正で電磁的交付が全面解禁されてから約4年が経ち、不動産取引の電子契約は「どのシステムを選ぶか」のフェーズに入っています。賃貸管理ソフトとの連動可否、IT重説までの一本化、業界特化型と汎用大手の使い分けなど、判断を保留している事業者は少なくありません。

不動産業務は扱う書類が多く、売主・買主・連帯保証人・仲介担当と複数当事者がかかわります。自社の業務範囲と既存システムに合わないサービスを選ぶと、電子化が一部書類にとどまったり、繁忙期に運用負荷が増えたりするリスクが残ります。

本記事では、不動産業界向けに公式対応している電子契約システム7サービスを、業界特化型・汎用大手・法務BPaaS連動型の3タイプに分けて比較・解説します。対応書類・業務システム連携・IT重説・複数当事者の同時署名など、不動産業務特有の比較軸を整理しました。

また、「30秒で終わる選定診断ツール」もご用意しています。あわせてご活用ください。

本記事で取り上げる7サービスに共通する条件

本記事で比較する7サービスは、いずれも以下の条件を満たします。不動産業務に踏み込んでいない汎用ツールや、重要事項説明書の電磁的交付に未対応のサービスは含みません。

  1. 賃貸借契約書・売買契約書・重要事項説明書のいずれかを公式に対応書類として明示している
  2. 日本市場で提供中(日本語の公式サイト、日本法人、または不動産事業者向け導入実績のいずれかを備える)
  3. 電子署名法に準拠した電子署名機能を提供(自社基盤または外部連携経由を含む)
  4. クラウド型で提供(オンプレミス専用製品は含まない)
  5. 不動産業界での導入実績や業界向け機能を公式に訴求

不動産業界向けの絞り込み条件を設けない電子契約サービス全般を比較したい場合は、以下の記事をご参照ください。

不動産業向け電子契約システムとは?

不動産業向け電子契約システムは、賃貸借・売買・媒介・重要事項説明書などの書類締結プロセスを電子化するクラウド型システムです。書類のオンライン送付から電子署名・タイムスタンプ付与・長期保管までを一連で提供します。

宅建業法第35条(重要事項説明書)・第37条(契約締結時書面)の電磁的交付は、2022年5月18日の改正法施行で全面解禁されました。書面交付が義務付けられていた書類もオンラインで完結できるようになり、不動産各業務で電子契約への移行を検討する事業者が増えています。

対応する書類の範囲

電子化対象の主要書類は、賃貸借契約書・定期借家契約書・売買契約書・重要事項説明書(35条書面)・契約締結時書面(37条書面)・媒介契約書・駐車場契約書などです。

業界特化型は書類テンプレートと属性ごとのワークフローを標準実装している一方、汎用大手はPDF取込を中心とした設計で、不動産向けの運用整備は利用者側に委ねられます。

立会人型と当事者型の電子署名の違い

電子署名は、署名の主体と本人確認の方式によって「立会人型(事業者署名型)」と「当事者型(実印タイプ)」に整理されます。両者は電子署名法第3条の有効性要件をそれぞれ別の方法で満たす設計で、対応範囲も異なります。

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署名の主体本人確認の方式導入のしやすさ主な利用シーン
立会人型(事業者署名型)電子契約サービス事業者が署名鍵を管理し、利用者の同意意思を確認したうえで事業者名義で電子署名を付与メール認証・SMS認証・運転免許証画像提出など、サービス独自の本人確認手続き相手方は招待メールから受信して同意するだけで完結賃貸借契約・媒介契約など、相手方の本人確認をメール認証で運用するケース
当事者型(実印タイプ)契約当事者本人が認証局発行の電子証明書を用いて電子署名を付与認証局による電子証明書の発行手続き(書類確認・対面確認等)署名する当事者ごとに事前の電子証明書取得が必要売買契約・取締役決議書類など、契約金額が大きく実印相当の証明力が求められるケース

不動産業務では、賃貸借契約は立会人型でメール認証中心、売買契約は当事者型を併用するという使い分けが現実的です。両方式を単一プラン内で運用できるサービスを選ぶか、賃貸・売買でサービスを分けるかは、自社の取引比率と運用体制によって判断します。

Comparison of two electronic signature methods: corporate model vs individual model, outlining processes for managing names, verifying identities, and assigning electronic signatures.

不動産業向け電子契約システムの3つのタイプ

本記事で取り上げる7サービスは、業界特化型・汎用大手の不動産対応強化型・法務BPaaS連動型の3タイプに整理できます。

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特徴該当する主なサービス詳細
不動産業界特化型賃貸借・売買・媒介・重説の業界書類テンプレートと不動産業務システム連携を実装した業種特化設計PICKFORM、Release、日本情報クリエイト電子契約、いえらぶサイン比較表を見る
汎用大手・不動産対応強化型国内導入実績の厚みと多業種対応をベースに、不動産業向けソリューションページや業界別事例で対応を強化クラウドサイン、電子印鑑GMOサイン比較表を見る
法務BPaaS連動型電子契約機能に加え、弁護士による契約書作成・レビュー・法務相談まで月額課金で組み合わせるBPaaS型CLOUD LEGAL比較表を見る

※各サービスの実際の対応範囲・料金・連携機能は、後述のサービス個別紹介と公式情報をご確認ください。

1. 不動産業界特化型

不動産業固有のテンプレートと業務システム連携を標準実装したサービス群です。賃貸借における「家主・管理会社・仲介会社・契約者」の4属性フロー、物件単位の案件管理、複数当事者の同時署名など、業界特有のフローをサービス側で吸収できる点が特徴です。料金は非公開ケースが多く、見積もり取得が前提となります。

2. 汎用大手・不動産対応強化型

業種横断で導入実績を積み上げた大手サービスが、不動産業向けソリューションページ・業界別事例を通じて対応を強化したサービス群です。料金体系の透明性・セキュリティ認証の充実・長期署名対応などで安心感を得やすい一方、不動産固有のテンプレートは標準では用意されないため、社内での運用フロー整備が必要です。不動産以外の契約書も同一システムで扱える運用統合のメリットがあります。

3. 法務BPaaS連動型

電子契約に弁護士による契約書レビュー・法務相談を月額で組み合わせるサービス群です。法務専任部署を置けない中小事業者に適しています。不動産固有テンプレートは標準では用意されないため、賃貸・売買の電子締結を主目的にする場合は業界特化型や汎用大手と組み合わせて法務領域だけ補完する使い方も選択肢になります。

不動産業務に合った電子契約システムを選ぶ5つのポイント

書類カバー範囲・既存システム連携・IT重説対応・同時署名・料金構造の5つを順に確認することが選定の基本です。

自社の対応書類範囲をカバーしているか

賃貸特化型は売買への対応が限定的、売買特化型は賃貸に未対応のケースがあります。自社の取引比率(賃貸中心・売買中心・両方)と電子化したい書類リストを整理したうえで、公式の対応書類一覧と照合することが起点となります。定期借家を多く扱う事業者は対応可否を特に確認することが重要です。

既存の業務システムと連携できるか

電子契約システムが業務システムと連動しないと、物件・契約者情報の手入力転記が発生し、繁忙期の運用負荷を抑えるという導入目的が達成しにくくなります。業界特化型はいえらぶCLOUD・ATBB・ESいい物件Oneなどとのデータ連携を訴求するサービスがあります。業界システム提供元の連携対応表もあわせて確認することが望まれます。

IT重説への対応範囲はどこまでか

電子契約システム単体でIT重説を完結できるか、ビデオ通話ツールとの併用が前提かは、サービスごとに異なります。宅建士の本人確認・画面共有・録画保管など国土交通省マニュアルが定める要件を満たすフローを構築できるかを確認することが重要です。

複数当事者の同時署名に対応しているか

順次署名のみの方式では、繁忙期に契約締結までの所要日数が伸びやすくなります。同時署名(複数当事者への並行送信)に対応するサービスを選ぶと、連帯保証人を伴う賃貸借契約や複数共有者がいる売買契約で署名フローを短縮できます。

月額料金と送信費の組み合わせが業務量に見合っているか

月額数千円〜数万円に加え、送信1件あたり110円〜242円の従量課金が加わる構造です。月間契約件数が多い事業者ほど、送信費の単価差が年額換算で大きく効いてきます。業界特化型は料金非公開が多いため、想定取引件数・対象書類・連携機能を整理してから見積もりを取得することが精度向上につながります。

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条件にマッチしたサービスを表示しています
本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

【比較表】不動産業向け電子契約システムおすすめ比較7選

3タイプ別の比較表で、料金体系・対応書類・業界連携・同時署名・IT重説対応・長期署名の各軸を整理します。各サービス名をクリックすると、後述の個別紹介セクションに移動します。

【タイプ別比較表】不動産業界特化型

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サービス名PICKFORMRelease(レリーズ)日本情報クリエイト電子契約いえらぶサイン
提供会社株式会社PICKGOGEN株式会社日本情報クリエイト株式会社株式会社いえらぶGROUP
主な対応書類賃貸借・売買・工事請負・35条・37条売買・媒介・重要事項説明書賃貸借・売買・媒介・35条・駐車場賃貸借・売買・媒介・35条・定期借家
電子署名タイプ立会人型(公式明示なし)クラウドサイン/SMBC基盤に依拠公式明示なし(長期署名10年対応)クラウドサイン/GMOサイン基盤に依拠
業界システム連携公式に明示の連携なしクラウドサイン/SMBCクラウドサインAPI賃貸革命10と完全連携、IT重説連動いえらぶCLOUDとデータ連動
複数当事者の同時署名公式に明示なし公式に明示なし公式に明示なし
IT重説対応公式マニュアル対応国交省規定・マニュアル対応(連携先記載)同社IT重説と連動公式に対応記載あり
月額費用非公開(要問合せ)16,000円〜30,000円(税込17,600〜33,000円、表記揺れ)非公開(要問合せ)5,000〜15,000円(クラウドサイン未導入15,000円)
送信費非公開クラウドサイン側のAPI利用料非公開200円/契約(クラウドサイン未導入時)
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※料金は非公開のサービスが多いため、自社業務量に基づく見積もり取得が前提となります。

【タイプ別比較表】汎用大手・不動産対応強化型

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サービス名クラウドサイン電子印鑑GMOサイン
提供会社弁護士ドットコム株式会社GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
主な対応書類業種横断(PDF取込で対応)、不動産向けソリューションあり業種横断(PDF取込で対応)、不動産向け訴求あり
電子署名タイプ立会人型主軸(当事者型併用可)立会人型・当事者型を単一プラン内で併用可
業界システム連携いえらぶCLOUD・イタンジ・ESいい物件One連携実績kintone・Salesforce等の連携、GMO賃貸DXグループ展開
複数当事者の同時署名公式に明示の制限記載なし公式に明示の制限記載なし
IT重説対応業界別事例で対応記載業界別事例で対応記載
月額費用Light 12,100円(税込)/Corporate 30,800円(税込)契約印プラン 9,680円(税込・年契約)/契約印&実印プラン 26,400円(税込・年契約)
送信費242円/件立会人型110円/件、当事者型330円/件
長期署名
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る

送信費の単価差は月間契約件数が多い事業者ほど年額換算で大きく効いてきます。

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サービス名CLOUD LEGAL
提供会社Molton株式会社
主な対応書類AI契約書作成80種類以上(弁護士監修テンプレート)
電子署名タイプ立会人型・事業者型(WAN-Sign連携で当事者型・SMS署名対応)
業界システム連携公式に明示の連携なし
複数当事者の同時署名公式に明示なし
IT重説対応公式に明示なし
月額費用ブロンズ11,000円/シルバー55,000円/ゴールド110,000円(税込・年契約)
送信費プラン内利用
付帯機能AI契約書作成・弁護士レビュー・法務相談
詳細情報公式資料を見る

※CLOUD LEGAL は電子契約に弁護士法務支援を組み合わせたBPaaS型です。賃貸・売買の電子締結を主目的にする場合は、業界特化型・汎用大手と組み合わせて法務領域だけ補完する使い方も選択肢になります。

不動産業向け電子契約システム7選の特徴

1. クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

クラウドサイン

弁護士ドットコム株式会社が提供する汎用大手の電子契約サービスです。公式情報では累計利用社数250万社以上・累計送信件数4,000万件以上を公開しており、電子署名法準拠のサービスとして法務省・デジタル庁が初めて認知したとされる経緯を持ちます。

不動産業向けにはいえらぶCLOUD・イタンジ・ESいい物件Oneとの連携実績が公式に紹介されています。料金はLightプラン月額12,100円(税込)・Corporateプラン月額30,800円(税込)、送信費242円/件。ISO/IEC 27001・27017、SOC 2 Type 1、ISMAPなど複数のセキュリティ認証を取得しています。

2. 電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

電子印鑑GMOサイン

立会人型(契約印タイプ)と当事者型(実印タイプ)を単一プラン内で併用できる点が主たる訴求です。世界2,500万件以上の電子証明書発行実績を持つ自社認証局を保有し、当事者型署名で必要な電子証明書を外部発行に頼らず提供できます。

料金は契約印プラン月額9,680円(税込・年間契約)、契約印&実印プラン月額26,400円(税込・年間契約)。立会人型の送信費は110円/件で、クラウドサインの242円/件と比較して低い水準にあります。ISO/IEC 27001:2022、SOC2 Type2、ISMAPなどのセキュリティ認証を取得しています。

CLOUD LEGAL

Molton株式会社が提供する法務BPaaS型サービスです。電子契約機能に加え、AI契約書自動作成(80種類以上の弁護士監修テンプレート)・AI契約書レビューと弁護士二重チェック・法務チャット相談・会社設立・商標登録サポートまでを月額課金で提供します。

当事者型署名やSMS署名は提携先「WAN-Sign」との連動で対応。料金はブロンズ月額11,000円・シルバー55,000円・ゴールド110,000円(税込・年契約)。法務専任部署を置けない事業者が契約レビューや法務相談をあわせて利用するケースに適しています。

4. PICKFORM(株式会社PICK)

PICKFORM

不動産・建築取引特化の電子契約サービスです。賃貸借・売買・工事請負・35条書面・37条書面に対応し、不動産取引の主要書類を一括でカバーします。2022年12月に宅建業法施行規則の関連条文に基づく重要事項説明書および契約締結時書面の完全オンライン交付について、国土交通大臣からの適合確認回答を取得しています。

同時署名形式(特許出願中)を採用しており、複数の署名者に同時に署名依頼を送ることで連帯保証人を含む複数当事者対応の署名フローを短縮できます。電子帳簿保存法対応の書類保管・物件管理機能も併設しています。料金は非公開で見積もり取得が前提です。

5. Release(GOGEN株式会社)

Release(レリーズ)

不動産売買特化の電子契約・契約書管理サービスです。物件登録から引き渡しまでを一連でデジタル化することを目的に設計され、売買契約・重要事項説明書・媒介契約に対応します。物件単位の案件管理・チーム承認ワークフロー・顧客専用マイページなど売買特有の運用機能を備えています。

電子署名は「クラウドサイン」「SMBCクラウドサイン」とのAPI連携によって実現する設計です。すでにクラウドサイン系を導入済みの企業はAPI連携の形でReleaseを追加導入しやすい構成となっています。月額料金は16,000〜30,000円(税込17,600〜33,000円、公開情報に表記揺れあり)で、見積もり時の最新料金確認が必要です。

6. 日本情報クリエイト電子契約(日本情報クリエイト株式会社)

日本情報クリエイト電子契約

不動産業界特化の電子契約システムです。賃貸借契約では「家主・管理会社・仲介会社・契約者」の属性ごとに契約フローを設定できる業界特化設計が特徴で、長期署名(電子証明有効期限10年)に標準対応します。

主力賃貸管理ソフト「賃貸革命」との完全連携を訴求しており、IT重説や電子入居申込との連動も可能なため、賃貸業務全体の電子化を1ベンダーでまとめたい事業者に向いています。全国28拠点に専属アドバイザーを配置するサポート体制も公式に明示しています。料金は非公開で見積もり取得が必要です。

7. いえらぶサイン(株式会社いえらぶGROUP)

いえらぶサイン

不動産業務支援システム「いえらぶCLOUD」上で稼働し、Web申込・賃貸管理機能と連動することで申込・物件・契約者情報を電子契約にそのまま流用できる設計が特徴です。賃貸借・重要事項説明書・定期借地借家・売買・媒介契約に対応し、IT重説にも公式対応します。

電子署名基盤はクラウドサインとGMOサインのいずれかとのデータ連携によって提供します。料金はクラウドサイン未導入企業向けが初期100,000円・月額15,000円・送信費200円/契約、クラウドサインAPI契約中は初期50,000円・月額5,000円の2パターンです。いえらぶCLOUDの「Web申込機能」または「賃貸管理機能」との併用契約が必要となります。

関連法令・ガイドラインへの対応

不動産業務で電子契約システムを運用する際は、宅建業法・電子署名法・電子帳簿保存法・国土交通省マニュアルの4つが主な参照点となります。

A flowchart detailing the legal guidelines and regulations related to real estate electronic contracts, featuring sections on contract regulations, electronic signature laws, and IT manual requirements.

宅建業法 第35条・第37条

2022年5月18日施行の改正で、重要事項説明書(35条)と契約締結時書面(37条)の電磁的交付が解禁されました。電子交付にあたっては、相手方が出力により書面を作成できる方法であること、電磁的記録の改変防止措置を講じることなどが施行規則で定められています。

電子署名法 第3条

電子署名法第3条は、電子署名が「本人による行為」かつ「改変が確認できるもの」であれば書面署名と同様の法的効果を生じる旨を定めています。立会人型について、利用者の意思に基づいて事業者が電子署名を付与する仕組みであれば第3条の要件を満たし得るとの解釈が政府見解として示されています。

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法第7条は、電子取引で授受した取引情報の電子保存を義務付けており、電子契約で締結した不動産取引書類も該当します。改ざん防止措置(タイムスタンプ付与・訂正削除履歴の確認・事務処理規程の整備のいずれか)、検索機能の確保、データの長期保存が必要です。

国土交通省「重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明実施マニュアル」

本マニュアルは、電磁的提供にあたって相手方から取得すべき承諾の方式、改ざん防止措置、IT重説で求められる宅建士の本人確認・画面共有・録画録音保管などの実務要件を整理した行政文書です。電子契約システムの選定時は、本マニュアルの要件に沿った業務フローを構築できるかを確認することが望まれます。

まとめ

不動産業向け電子契約システムは、業界特化型・汎用大手・法務BPaaS連動型の3タイプに整理でき、自社の取引比率・既存業務システム・運用体制に合わせて選定軸を組み合わせることが基本です。

業界システム連携と賃貸4属性フローを重視するなら業界特化型、料金透明性と多業種統合運用を重視するなら汎用大手、法務支援を併設したいなら法務BPaaS連動型が候補となります。

選定では、本記事で整理した5つのポイント(対応書類範囲・既存システム連携・IT重説対応・複数当事者の同時署名・料金構造)を順に確認し、複数社の資料を比較しながら自社業務量での試算を行うことが望まれます。

料金が非公開のサービスは、想定取引件数・対象書類・連携機能を整理してから見積もりを取得することで比較精度が高まります。

MCB FinTechカタログでは、本記事で取り上げたサービスの最新資料を一括ダウンロードできます。複数社の料金プラン・対応書類・連携機能を並べて比較し、自社業務に合う電子契約システムの検討にお役立てください。

よくある質問(FAQ)

Q. 不動産業向け電子契約システムは、業界特化型と汎用大手のどちらを選ぶべきですか?

A. 自社の業務範囲と既存システムによって判断軸が変わります。賃貸管理ソフトとの連動を重視するなら業界特化型、料金透明性と多業種の運用統合を重視するなら汎用大手が候補です。業界特化型が汎用大手基盤をバックエンドに利用するハイブリッド型も選択肢となります。

Q. 重要事項説明書はすべての電子契約システムで完全電子化できますか?

A. サービスごとに対応範囲が異なります。法令上は2022年5月の宅建業法改正で解禁済みですが、IT重説まで含めた一気通貫の運用は、説明録画機能や本人確認方式の組み合わせによって設計が異なります。公式の対応書類一覧とIT重説運用ガイドを確認することが望まれます。

Q. 賃貸借契約で連帯保証人がいる場合、複数当事者の電子署名はどう運用しますか?

A. 同時署名(複数当事者への並行送信)に対応するサービスを選ぶと、署名フローの短縮につながります。順次署名のみの方式では署名待ちで締結までの日数が伸びやすいため、連帯保証人を含む契約の取扱件数が多い事業者は同時署名対応の有無を選定軸に組み込むことが望まれます。

Q. 既存の賃貸管理ソフトと連携できる電子契約システムはありますか?

A. 業界特化型サービスには、自社系列の賃貸管理ソフトとの完全連携や、業務支援システム上での稼働を訴求するものがあります。

汎用大手でもいえらぶCLOUD・イタンジ・ESいい物件Oneとの連携実績が公式に紹介されています。自社の業務システムの公式連携対応表と電子契約サービス側の連携訴求を双方で確認することが必要です。

業界を絞らずに電子契約サービスを比較したい場合は、電子契約サービス全体の比較記事をご覧ください。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修者は記事の内容について監修しています。
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