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AI搭載の会計ソフトおすすめ13選を比較|自動仕訳・AI-OCRの対応範囲と使えるプラン・追加費用を解説

AI搭載の会計ソフト おすすめ13選を比較のサムネイル画像
クラウド会計ソフト比較表(2026年版)のプレビュー

主要15サービスの料金・機能を無料で一覧比較

クラウド会計ソフト比較表(2026年版)

会計ソフトの製品ページを開くと、多くに「AI搭載」「AIが自動で仕訳」と書かれています。ただ、その言葉が指す中身は製品ごとに違い、明細から勘定科目を推定するものもあれば、あらかじめ決めたルールで振り分けているだけのものもあります。

毎月の仕訳や証憑の入力にかかる時間を減らしたいとき、どの製品のAIが自社の作業をどこまで肩代わりしてくれるのかは、機能名の一覧だけでは判断がつきません。

本記事では、AI機能を備えた会計ソフト13サービスをタイプ別に比較します。AIが何を入力に何を推定するのかという対応範囲に加えて、その機能がどのプランから使えるのか、追加料金や月間の処理件数の上限があるのかまで、整理しました。条件を公開している製品は一部で、多くは問い合わせが必要です。

また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツールをご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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AI会計ソフトとは?通常の会計ソフトとの違い

AI会計ソフトとは、仕訳の作成や証憑の読み取りといった経理の入力作業に、機械学習を使った推定機能を組み込んだ会計ソフトを指します。業界団体や公的機関による定義や認定制度はなく、どこまでの機能を備えていれば「AI搭載」と名乗れるかの基準も存在しません。

そのため、製品ページの「AI搭載」という表示だけでは中身の差が読み取れません。ここでは、比較表と各サービスの紹介を読むための前提として、従来の自動化との違いを整理します。

通常の会計ソフトの自動化と何が違うのか

従来の会計ソフトにも自動化の仕組みはありました。「摘要にこの文字列が含まれていたらこの勘定科目を当てる」といったルールをあらかじめ登録しておき、条件に一致した取引を機械的に振り分ける方式です。

この方式は、登録したルールに当てはまる取引には確実に働きます。一方で、ルールに無い取引先や新しい表記が出てくると何も起きず、そのたびに担当者がルールを追加する運用が必要になります。

機械学習を使う場合は、過去の仕訳データや担当者が修正した履歴から傾向を学び、ルールに登録していない取引にも候補を出します。同じ取引先でも金額や摘要の文脈に応じて別の科目を提示することがあり、担当者が直した内容をふたたび学習して次回以降の提示に反映する製品もあります。

ただし、どちらの方式であっても提示された仕訳をそのまま確定させるわけではありません。確認して承認する工程は残るため、比較するときは「入力が消えるか」ではなく「入力と確認にかかる時間がどれだけ短くなるか」で見ると実態に近い判断ができます。

生成AI(ChatGPT)で記帳するのとどう違うのか

汎用の生成AIに明細を貼り付けて勘定科目を尋ねる使い方も広がっています。手軽に試せる反面、会計ソフトに組み込まれたAIとは前提が異なります。

違いは大きく3つあります。1つ目は、自社の過去の仕訳や勘定科目マスターを踏まえた提示になるかどうか。2つ目は、提示された結果が仕訳データとして帳簿に取り込まれるか、担当者が手で転記し直すことになるか。3つ目は、取引先名や金額といった情報を外部のサービスに入力してよいか、社内規程との整合が取れているかという点です。

会計ソフト側に組み込まれたAIは、自社データを参照したうえで結果を伝票として扱える点で、日常の記帳には向いています。汎用の生成AIは、規程の下書きや会計処理の考え方を調べるといった、帳簿に直接つながらない用途で併用するのが現実的です。

会計ソフトのAIができること

「AI機能」とひとまとめに呼ばれているものは、実際には別々の作業を担う複数の機能の集まりです。ここからは、経理の作業単位に分けて何ができるのかを整理します。以降の比較表は、自動仕訳・AI-OCR・生成AI機能を軸に並べています。チェックや予測分析は提供中の製品がまだ限られるため、各サービスの紹介で個別に触れます。

銀行・カード明細からの自動仕訳(何を入力に、何を推定するのか)

もっとも利用頻度が高いのが、金融機関やクレジットカードの明細を取り込んで仕訳の候補を作る機能です。入力になるのは取引日・金額・摘要(取引先名や振込依頼人名)で、そこから勘定科目を推定します。

製品によっては、勘定科目に加えて部門・税区分・補助科目まで提示します。部門別の集計を運用している企業では、科目だけが埋まっても結局は手を入れることになるため、どこまで埋まるかは確認しておきたい点です。

推定の材料も製品で分かれます。自社の過去の仕訳と修正履歴だけを見るものと、提供元が蓄積した辞書データを併用するものがあり、この差は導入直後の精度に表れます。詳しくは導入してからAIの精度が上がるまでの進め方で扱います。

領収書・請求書のAI-OCR(読み取れる証憑の種類と形式)

紙やPDFの証憑を読み取り、日付・取引先・金額・消費税額などをデータ化する機能です。読み取った結果をそのまま仕訳に起こす製品もあれば、データ化までを担い、仕訳への変換は別の操作になる製品もあります。

対象となる証憑の範囲は製品ごとに異なります。領収書とレシートに限られるもの、請求書まで含むもの、見積書・注文書・納品書・検収書といった商流の書類まで扱えるものがあり、自社で読み取らせたい書類が対象に入っているかが最初の確認点になります。

形式面の制約も見落としやすい部分です。複数ページのPDFは1ページ目しか読み取らない、文字が不鮮明な書類は読み取れないことがある、といった条件を公式ヘルプに明記している製品もあります。月に数百枚を処理する想定であれば、こうした制約が実際の工数を左右します。

仕訳のチェック・異常検知

入力済みの仕訳を見渡して、過去の傾向から外れたものを知らせる機能です。同じ取引先なのに例年と違う科目が当たっている、金額の桁が想定より大きい、といった箇所を抽出します。

入力を減らす機能ではなく、確認の網を細かくする機能にあたります。決算前の見直しや、複数の担当者で入力を分担している場合に効きます。提供中の製品と開発中の製品が混在している領域でもあるため、比較するときは提供状況まで確認しておくと安全です。

予測分析・レポートの自動作成

蓄積した会計データから、資金繰りの見通しや部門別の業績推移を提示する機能です。近年は、自然言語で指示すると帳票の構成案を作る仕組みを備える製品も出ています。

この領域では、AIが担う範囲を公式に限定している製品があります。帳票の構成案の作成までをAIが行い、数値の生成や加工は行わないと明示する例があり、出力された数値の根拠が会計データにあることを保証する設計になっています。

操作サポート(AIアシスタント)

操作方法や会計処理の疑問をチャットで尋ねると回答する機能です。マニュアルを探す時間が省ける一方、経理業務そのものを自動化するものではありません。

導入初期や、経理の専任者が少なく手が空いていない体制では効果が出やすい機能です。上位プランにのみ含まれることも多いため、必要かどうかはプラン選定と合わせて判断します。

AI機能を使うために必要なプランと追加費用・処理上限

製品ページに「AI搭載」と書かれていても、契約したプランでそのまま使えるとは限りません。上位プランでのみ提供される、別のオプション契約が必要になる、月間の処理件数に上限があり超えると課金される、といった条件が付くことがあります。

まず会計ソフト本体の料金レンジを押さえたうえで、AI機能に付く条件を3つの型に分けて整理します。自社の仕訳量・証憑枚数を当てはめると、月額費用の見え方が変わってきます。

会計ソフト本体の料金レンジとAI機能の位置づけ

中小企業向けのクラウド会計ソフトは、月額数千円から2万円台が中心の価格帯です。中堅企業向けや内部統制の機能を含む製品では、月額数万円から個別見積となり、公式サイトに金額を掲載していない製品もあります。

この本体料金にAI機能がどこまで含まれるかが、実際の負担額を決めます。明細からの自動仕訳は標準機能として本体料金に含まれることが多い一方、証憑の読み取りは別建てになりやすい、という傾向があります。

AI機能以外の点、たとえば無料で使える範囲や基本機能、規模別の料金プランまで横並びで確認したい場合は、以下の記事でクラウド会計ソフトを比較しています。

標準搭載か、上位プラン限定か

1つ目の型は、プランによる線引きです。同じ製品でも、下位プランでは使えず上位プランに含まれるAI機能があります。

自然言語で帳票を作る機能や、チャット形式のアシスタントは、上位ラインに限定されている例が目立ちます。また、証憑の読み取り枚数の上限がプランごとに定められていて、小規模向けプランでは月数十件にとどまるケースもあります。

記帳代行とセットのプランのように、そもそも証憑読み取り機能を利用できない契約形態もあります。プラン表の機能欄だけでなく、AI機能の説明ページに記載された対象プランまで確認しておくと、契約後の想定違いを避けられます。

オプション契約・追加料金が別に必要か

2つ目の型は、本体とは別のオプション契約です。証憑の読み取りを担う機能は、独立したサービスやオプションとして提供されることが少なくありません。

料金の形も分かれます。月額固定で数千円から2万円台のもの、基本料金に加えて読み取り枚数分のチケットを購入する形式のもの、証憑管理の別オプションを契約したうえでその中の機能として使うものがあります。

金額を公開せず個別見積としている製品もあります。会計事務所を経由して導入する製品ではこの形が多く、その場合はオプションの有無と費用を導入時に確認する必要があります。

月間処理件数の上限と、超過したときの従量課金

3つ目の型は、件数の上限と超過分の課金です。証憑の読み取りには、月あたりの無料枠を設けたうえで、超えた分を1件単位で課金する製品があります。

件数の条件を公表している製品でも、その形は分かれます。月100件までを基本料金に含み、101件目から1件あたり10円〜20円(税抜)で課金する製品のほか、契約プランごとに月30件・60件と上限が決まっていて、上限のないプランでのみ超過課金が発生する製品、月間の件数に応じて月額そのものが変わる従量制の製品、枚数分のチケットを購入する形式の製品があります。

証憑読み取りの上限と超過課金を4つの形に分類した図解。月100件までを基本料金に含み101件目から1件10円〜20円(税抜)で課金する形、契約プランごとに月30件・60件の上限が決まり上限のないプランでのみ超過課金が発生する形、月間件数に応じて月額が変わる従量制、読み取る枚数分のチケットを購入する形の4つ。1件10円〜20円の形では月100枚は追加費用なし、月500枚で毎月4,000円〜8,000円が上乗せされる

1件10円〜20円の型で試算すると、月100枚なら追加費用は発生せず、500枚なら毎月4,000円から8,000円が上乗せされます。ただし件数条件を公表していない製品のほうが多く、その場合は見積時に確かめることになります。

自社が月に何枚の証憑を処理しているかを先に数えておくと、この違いが月額費用の比較に反映できます。件数の条件は各社の公式ページで更新されるため、契約前に最新の記載をご確認ください。個別の条件は比較表の「上限・追加費用」欄に整理しています。

自社に合うAI会計ソフトが30秒でわかる選定診断

自社の仕訳量や証憑の種類、AI機能に追加費用をかけられるかをもとに、候補を絞り込めます。ここまでに整理した提供条件のどこが効いてくるかを、数問の質問で確認できます。

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AI機能で選ぶときの比較ポイント

AI機能の実力を自社の条件に当てて判断するために、確認しておきたい観点は5つあります。順に見ていきます。

自社の仕訳・証憑の量と種類に合うか

出発点は、自社が毎月どれだけの量を、どんな形で処理しているかです。銀行明細が中心で紙の証憑が少ない企業と、取引先から届く紙の請求書を大量に扱う企業では、効いてくる機能が変わります。

明細が中心なら、自動仕訳がどこまでの項目(科目・部門・税区分)を埋めるかが選定の分かれ目になります。紙が多いなら、読み取り対象の書類に自社の証憑が含まれるか、月間の枚数が上限に収まるかを先に確かめます。

手書きの出納帳や通帳といった、定型のフォーマットを持たない資料を読み取らせたい場合は、対応する製品が限られます。この要件がある企業は、候補を絞る条件として最初に確認してください。

「AI搭載」の表示と、公式で確認できる実体のズレ

「AI会計ソフト」として名前が挙がる製品でも、提供元の公式サイトを開くとAIという言葉が使われていないことがあります。読み取り機能はあるものの、抽出する項目が日付・金額・電話番号に限られているといった例です。

同じ提供元が、別の製品ラインで「AI仕訳」「AI-OCR」を名乗っているケースもあります。会計事務所向けの製品にAI機能が載っていて、企業向けの製品には載っていない場合、ブランド名だけを見ていると取り違えます。

提供時期のズレも同様です。同じ製品の中でも、すでに使える機能・開発中の機能・提供予定の機能が並記されていることがあり、契約時点で使えるのは最初の1つだけということが起こります。

確認の手順は単純で、提供元の公式サイトの機能ページとヘルプセンターを開き、その機能名で検索することです。

AIの精度と学習のしかたをどう見極めるか

精度は選定の中心に据えたくなる項目ですが、比較できる形の数値が公開されている製品は多くありません。読み取り精度を数値で示している製品もあれば、数値を出さずに「自動判定のため正しく読み取れない場合がある」とだけ記す製品もあります。

公開されている数値を読むときは、その数値が何を測ったものかを併せて確認します。実際に、ある製品の公式プレスリリースに掲載されている「99.9%以上のデータ化精度」という数値は、注記まで読むと、AI単独の結果ではなく100名を超えるオペレーターによる人力補正を組み合わせた結果でした。

しかもその実績値は、同社の会計ソフト本体ではなくグループ会社が提供する記帳代行サービスのものです。数値を引くときは、この2点を確かめてから使ってください。どの製品の記載かは、各サービスの紹介で製品名とともに示しています。

同じ「99.9%」でも、AIだけの数値か、人の補正込みか、どの製品の数値かで意味は変わります。数値を比較材料に使うなら、誰が・何を対象に・いつ・どの条件で測った数値かまで確認してください。

数値が出ていない場合に代わりの手がかりになるのが、学習のしかたです。自社の入力履歴と修正内容だけを学ぶのか、提供元の辞書データも参照するのかで、導入直後の当たり方が変わります。無料トライアルがあるなら、自社の実際の明細を数十件通してみるのが、公開数値を読み比べるより確実な判断材料になります。

企業規模・内部統制・部門別管理への適合

承認の経路を残す必要があるか、部門別に損益を管理しているかによって、必要な製品の層が変わります。上場準備や監査対応を控えている企業では、AI機能の有無より先に、操作ログと承認ワークフローが要件を満たすかが判断の起点になります。

グループ会社を持つ場合は、各社の会計を同じ基盤で扱えるか、連結決算まで見据えるかも確認点です。この層の製品ではAI機能も統制の仕組みとセットで設計されており、単体の入力効率だけで選ぶと後から要件が足りなくなります。

既存システム・顧問税理士・サポート体制が自社の運用に噛み合うか

AI機能そのものが優れていても、自社の周辺環境と噛み合わなければ運用に乗りません。連携・税理士・サポートの3点を確認します。

銀行・請求書・経費など既存システムとの連携

自動仕訳の材料は、金融機関やクレジットカードから取り込む明細です。取引のある金融機関が連携先に含まれているかで、自動化できる範囲が決まります。

請求書発行システムや経費精算システムをすでに使っている場合は、そちらからのデータ連携があるかも確認します。証憑の読み取りを会計ソフト側で行うか、既存のシステム側で完結させるかで、必要なオプションが変わってきます。

顧問税理士・会計事務所が対応しているか

顧問税理士とデータを共有している企業では、その事務所が扱える製品かどうかが実務上の制約になります。事務所側が対応していない製品を選ぶと、月次のやり取りで書き出しと取り込みの手間が増えます。

会計事務所との連携を前提に設計された製品もあり、その場合は導入も事務所を経由するのが基本になります。契約の窓口が提供元ではなく事務所になる点は、見積の取り方にも関わるため先に把握しておきます。

導入時・運用時のサポート体制

AI機能は、初期設定と初期の学習を経てから効果が出ます。導入時に勘定科目マスターの整備や連携設定を伴走してもらえるかで、立ち上がりの速さが変わります。

運用開始後も、読み取りがうまくいかない証憑への対処など、個別の相談が発生します。チャット・電話・メールのどれに対応しているか、対応時間はいつかを、プランごとの違いも含めて確認しておくと安心です。

AI会計ソフトの2つのタイプ

本記事で比較する13サービスは、想定する企業規模とAIの使いどころによって2つのタイプに分かれます。自社がどちらに当てはまるかを見当づけてから、比較表と各サービスの紹介に進むと絞り込みやすくなります。

記帳から決算まで1つで完結させたい中小企業・個人事業主向け

会計ソフト本体に自動仕訳と証憑の読み取りが組み込まれ、日々の記帳から決算書の作成、申告用データの出力までを1つで賄えるタイプです。経理の専任者が1人か2人、あるいは他業務と兼任という体制に向きます。

簿記の知識が浅くても操作できる設計になっている製品が多く、月額費用も数千円台から選べます。まずは入力の手間を減らしたい、という目的がはっきりしている場合はこのタイプが候補になります。

各社が公式に示す想定規模は幅があり、従業員数十名までを前提にしたプランと、数百名規模まで想定するプランが同じ製品の中に並んでいることもあります。従業員100名を超えるあたりからは、次のタイプの製品も併せて検討すると選択肢を取りこぼしません。

内部統制とグループ経営まで見据える中堅〜上場準備企業向け

承認ワークフロー・部門別会計・操作ログといった統制の仕組みとセットでAIを使うタイプです。入力を減らすことに加えて、誰がいつ何を承認したかを残せることが要件になる企業に向きます。

グループ各社の会計を同じ基盤で扱う、監査法人への説明資料を整えるといった用途まで含むため、費用は個別見積になることが多くなります。上場準備の段階に入っている企業や、複数拠点の経理を集約したい企業が対象です。

もう一つ、いま使っている会計ソフトは変えずに、請求書や領収書の処理だけをAIで自動化する選択肢もあります。証憑処理に特化したサービスを既存の会計ソフトに追加する形で、会計ソフトの入れ替えまでは考えていない場合に検討の余地があります。

AI機能ではなく、経理体制や企業規模を軸に会計ソフトを絞りたい場合は、以下の記事でも比較できます。経理1〜数名の中小企業に向けて、年額プランや税理士連携のしやすさを中心に整理した比較です。

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【比較表】AI搭載の会計ソフト13選の比較

ここからは、自社の課題や要件に合わせた比較・選定ができるよう、主要なAI搭載会計ソフト13サービスを2つのタイプ別に整理してご紹介します。AI機能の対応範囲だけでなく、その機能が使えるプランと上限・追加費用も併せて掲載しています。

表を読むときは2点だけ補ってください。月額費用は各社の最小構成の料金で、利用人数や必要な機能によって上がります。「公式に記載なし」は機能が無いという意味ではなく、公式サイト・公式ヘルプで確認できなかったという意味です。AI搭載として紹介されることが多い製品でも、公式には確認できない例があります。

記帳から決算まで1つで完結させたい中小企業・個人事業主向けの比較表

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サービス名弥生会計 NextTenbookfreee会計マネーフォワード クラウド会計ジョブカン会計会計王かんたんクラウド会計SmileWorks
月額費用約2,900円〜(エントリー年額34,800円・税抜の月額換算)29,500円(免税事業者)/43,500円(課税事業者)2,980円〜(ひとり法人・年払い・税抜。スターター以上は従量課金別)2,480円〜(ひとり法人・年払い換算・税抜。ビジネスは6,480円〜)2,500円〜(スタートアップ・3ユーザーまで)なし(本体44,000円・税込の買い切り)2,160円〜(Basic・税抜。Plusは3,000円)5,000円〜(販売ERPプラン基本料金。標準プランは10,000円、いずれも利用機能費用別)
AI自動仕訳連携した銀行・カード明細から勘定科目を推定して提案公式に記載なし
(記帳・決算・申告の代行を含む契約形態で、仕訳作成自体を委託する設計)
連携口座の明細と過去の仕訳・自動仕訳ルールから仕訳候補を提示連携口座の取引明細から勘定科目を学習して提案読み取った証憑を、設定済みの勘定科目・取引先情報とマッチングして仕訳を作成連携した電子明細から仕訳を作成
摘要欄の入力からも過去の事例をもとに勘定科目・部門・税率を予測
公式に記載なし(明細からの自動仕訳機能はあるがAIとの明記なし)公式に記載なし(AI-OCRの結果は登録データ化までで、仕訳は会計連動ボタンで作成)
AI-OCR(対応証憑)領収書・請求書・納品書・注文書・見積書など公式に記載なし領収書・請求書(受取請求書は取引先名・金額・日付・支払期日・銀行口座を抽出)請求書・領収書(スキャン・撮影した証憑から仕訳を作成)請求書・領収書(取引年月日・取引金額・取引先名を読み取り)公式に記載なし公式に記載なし(レシートから日付・金額・電話番号を読み取る機能はあるがAIとの明記なし)見積書・注文書・納品書・検収書・請求書など(契約書・プレゼン資料は対象外)
AI機能が使えるプラン標準搭載(AI-OCRの対象プランは公式に記載なし)公式に記載なし標準搭載(法人向け有料プラン)標準搭載(法人向け3プラン。会計記帳代行プランは利用不可)別オプション契約(有償オプションのジョブカン証憑管理に搭載)標準搭載(買い切り本体に付属。追加料金の記載はなし)公式に記載なし別オプション契約(全プラン共通のOCRオプション)
上限・追加費用公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なしひとり法人は月30件、スモールビジネス・会計定額は月60件まで
ビジネスは無制限で、1か月101件目以降のファイル添付は1件20円(税抜)
オプション基本料金に月100枚まで含み、101枚目以降は1枚10円(税抜)公式に記載なし公式に記載なし月額1,000円に初回100枚分のチケットが付き、読み取り1枚10円分を消化(追加は100枚1,000円)
生成AI・AIアシスタント提供中(会話形式で仕訳を作るAI取引入力β版、資金分析にもとづくAIチャット)公式に記載なし
(当サイトのインタビューでは生成AI連携への言及あり)
提供中(AI決算書スキャン・AIおまかせ明細取得はβ版、freee Agent Hubは認定アドバイザー限定)公式に記載なし(帳票作成エージェントは上位のクラウド会計Plus向け)公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし
無料トライアル最大3か月(全機能・1事業者1回)公式に記載なし(10book単体は30日間)30日間1か月(クレジットカード登録不要)30日間30日間2か月(クレジットカード登録不要)最大2か月
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細サービス詳細サービス詳細

※2026年8月時点の各社公式サイト・公式プレスリリース・公式ヘルプの記載に基づきます。料金は特記のない限り税抜で、公式で確認できなかった項目は「公式に記載なし」と表記しています。条件は変更されるため、契約前に各社公式ページでご確認ください。

内部統制とグループ経営まで見据える中堅〜上場準備企業向けの比較表

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サービス名マネーフォワード クラウド会計Plus勘定奉行クラウドPCAクラウド 会計TKC FXクラウドシリーズクラウド発展会計
月額費用要お問い合わせ(利用ID数に応じた見積もり)7,750円〜(Eシステム年額93,000円・税抜の月額換算)15,600円〜(会計hyper・税抜)要お問い合わせ(会計事務所経由での契約)要お問い合わせ(会計事務所経由での契約)
AI自動仕訳銀行・カード・周辺システムから自動取得した取引データから勘定科目を提案金融機関の入出金明細・領収書・Excelデータから伝票を自動起票公式に記載なし(仕訳の自動化はクイック処理・FinTech連携によるもの)公式に記載なし(銀行・信販データからの自動仕訳はAIとの明記なし)通帳・領収書・請求書を読み取って仕訳を作成(摘要からの勘定科目提案は予定段階)
AI-OCR(対応証憑)公式に記載なし証憑・帳票(適格請求書の登録番号・税率別金額の読み取りに対応)領収書・請求書(取引日・取引先・取引金額・消費税額・非課税金額を読み取り)領収書等(取引年月日・取引先名・登録番号・税率ごとの取引金額を読み取り)通帳(AI-BANK)、請求書・レシート(MONEY)
手書きの現金出納帳(AI-MONEY)は開発中
AI機能が使えるプラン自動仕訳は標準搭載。カスタム帳票作成エージェントは別オプション契約公式に記載なし(AIアシスタントの追加契約の要否が非公開)上位ラインのPCA Arch 財務経理(月額9,000円〜)で提供。AI-OCRは別オプション契約別オプション契約(領収書等AI読取りオプション)別オプション契約(AI-BANK・生成AIオプションとも有償)
上限・追加費用公式に記載なし(カスタム帳票作成エージェントは有償オプションで金額非公開)公式に記載なし(AI-OCRオプションの価格も非公開)領収書・請求書のAI-OCRが各月額5,000円〜25,000円(月間件数による従量制)公式に記載なし(費用は会計事務所との契約による)公式に記載なし(オプション料金は非公開)
生成AI・AIアシスタント提供中(カスタム帳票作成エージェント。β版・有償オプションで、AIが担うのは帳票の構成案作成まで)提供中(奉行AIチャット、自然言語での仕訳検索)
開発中(仕訳作成支援、異常値アラート、AI帳票)
提供中(AIアシスタントのチャットがPCA Archの両プランに標準搭載)
搭載予定(規定シナリオの自動実行)
提供予定(FXエージェントは2026年9月末提供開始予定、価格は後日案内)提供中(生成AI自動仕訳、AI業績分析)
予定(摘要からの勘定科目提案)
無料トライアルなし(無料見積もり・オンライン相談あり)30日間2か月公式に記載なし(会計事務所経由での導入)あり(無料体験版。期間は公式に記載なし)
詳細情報オンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細サービス詳細

※2026年8月時点の各社公式サイト・公式プレスリリース・公式ヘルプの記載に基づきます。会計事務所を通じて導入する製品は料金・オプション費用が公開されていないため「要お問い合わせ」としています。最新の条件は各社公式ページまたは導入窓口でご確認ください。

AI搭載の会計ソフト13選の詳細

比較表で見当をつけたら、気になった製品の中身をここで確認してください。何を入力に何を推定するのか、公式がどこまで明らかにしているのかを、1社ずつ見ていきます。

記帳から決算まで1つで完結させたい中小企業・個人事業主向けの8サービス

1. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextのウェブサイト

弥生会計 オンラインの後継として2025年4月8日に正式リリースされた、法人向けのクラウド会計サービスです。会計に加えて請求書発行・経費精算・証憑管理を1つに統合しており、料金は年契約のエントリープランで年額34,800円(税抜)から設定されています。

AI自動仕訳の入力になるのは、連携した銀行口座やクレジットカードから自動取得した取引データです。公式の機能ページは「自動取得した取引データの勘定科目はAIが推測して提案を行います。学習機能があるので、使えば使うほど精度がアップします」と説明しており、AIが埋めるのは勘定科目の提案にとどまります。

その学習が自社の入力履歴だけを見るのか、提供元が持つ横断データも参照するのかについては、公式に記載がありません(2026年8月時点)。証憑の読み取りは領収書・請求書・納品書・注文書・見積書などに対応しますが、対応プラン・件数上限・追加料金はいずれも公式に明示がなく、契約前の問い合わせで確認が必要です

2025年6月には、会話形式で入力した内容からAIが仕訳を生成する「AI取引入力」のβ版が加わりました。プレスリリースでは全ユーザーが利用可能とされ、追加料金の記載もありません。ただし同リリースには「AIによる回答は、過去の仕訳例やルールに基づいた自動推定です。内容の正確性を保証するものではありません」との但し書きも添えられています。

2. Tenbook(シンアカウンティングサービス株式会社)

Tenbook(テンブック)のウェブサイト

公認会計士・税理士が代表を務めるシンアカウンティングサービス株式会社が、自社で企画したクラウド会計ソフト「10book(テンブック)」に、記帳代行・決算・税務申告のサポートをセットにして提供しています。月額は免税事業者向けが29,500円、課税事業者向けが43,500円で、決算料は別途かかりません。

AI機能については、公式サイトの製品ページとお知らせを確認した範囲で、AI自動仕訳・AI-OCRいずれの記載も見当たりませんでした(2026年8月時点)。10bookの機能として案内されている「経理システム連携による自動仕訳」は、金融機関やカードの連携データを取り込む仕組みで、AIによる勘定科目の推定には触れられていません。

一方、当サイトによる同社代表取締役へのインタビューでは「10bookにGeminiのAPIを組み込んで経営分析・経営アドバイスの機能を付けて提供しています」との発言がありました。この機能は公式サイト側では確認できず、対象プラン・追加料金・利用上限も公表されていないため、資料請求や問い合わせでの確認が前提になります

インタビューでは、このAI機能を成り立たせている土台についても言及がありました。

上田氏
シンアカウンティングサービス株式会社 代表取締役
上田氏
独自インタビューより

現状としては、10bookにGeminiのAPIを組み込んで経営分析・経営アドバイスの機能を付けて提供しています。その前提として、正確に作られた決算書があるからこそ、経営者の方がAIも含めた情報を使って示唆を得やすくなる、という考え方です。

3. freee会計(フリー株式会社)

freee会計のウェブサイト

銀行口座・クレジットカード・POSレジなど1,000を超えるサービスと連携し、取引データの取得から決算書の作成までを1つで扱うクラウド会計ソフトです。法人向けは5プラン構成で、ひとり法人が年払い月額2,980円、スタンダードが8,980円(いずれも税抜、スターター以上は従量課金が別途)となっています。

AI自動仕訳は、連携口座の明細に加えて過去の仕訳内容と自動仕訳ルールを材料に、勘定科目を含む仕訳の候補を提示します。公式の機能ページは「自動仕訳ルールや過去の仕訳内容に基づいてAIが仕訳をサポート」と説明していますが、学習が自社の履歴に閉じるかどうかまでは公式に記載がありません(2026年8月時点)。

証憑の読み取りでは、受取請求書から取引先名称・合計金額・日付・支払期日・銀行口座情報を抽出します。ヘルプセンターには、複数ページの書類を取り込んだ場合、取引先情報・金額・日付は1ページ目のみを読み取るという仕様が明記されています。これらの機能は法人向け有料プランに標準搭載で、追加料金の記載は確認できませんでした。

2026年に入って発表された生成AI機能は、提供範囲を確かめておきたいところです。前期の決算書を読み取って開始残高を設定する「AI決算書スキャン」やモバイルSuicaの明細を取り込む「AIおまかせ明細取得」はβ版として、対話しながら記帳を進める「freee Agent Hub」は認定アドバイザー向けとして案内されており、一般の契約ユーザーが等しく使える機能ではありません。

4. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計のウェブサイト

対象を「ひとり法人・中小企業向け」(従業員50名以下を想定)と明示した、マネーフォワード クラウドシリーズの中核製品です。2,300以上の金融関連サービスと連携でき、料金はひとり法人プランが月額3,980円、部門別損益管理に対応するビジネスプランが7,980円(いずれも月払い・税抜)となっています。

AI自動仕訳について、公式の自動化機能ページには「人工知能(AI)が勘定科目を学習し、適切な勘定科目を提案してくれます」と記載されています。入力は連携で取得した取引明細、提示されるのは勘定科目で、学習が自社データに限られるかどうかは公式に記載がありません(2026年8月時点)。

証憑側の「AI-OCRから入力」は、スキャンや撮影した請求書・領収書を読み取って仕訳を作成する機能です。初回に仕訳候補を作り、2回目以降は前回と同じ自動仕訳ルールを適用する仕組みで、法人向け3プランに標準搭載されています。

件数の条件はプランで分かれます。ひとり法人プランは月30件、スモールビジネスプランと会計定額プランは月60件までで、ビジネスプランのみ無制限、ただし1か月あたり101件目以降のファイル添付に1件20円(税抜)が発生します。会計記帳代行プランではこの機能を利用できません。

数値の読み方には注意が要ります。同じ自動化機能ページに載る「99.9%正確にデータ化」は、グループ会社の記帳代行サービス「STREAMED」との連携についての記載であり、同社のAI-OCR機能そのものの精度ではありません。

2021年6月のプレスリリースでは、この数値がAI単独ではなく100名を超えるオペレーターによる人力補正を組み合わせた結果であることと、2021年の確定申告時期の納品実績に基づく自社調べであることが注記されています。

2026年4月に発表されたカスタム帳票作成エージェントは上位版のクラウド会計Plus向けで、本製品への提供は公式に案内されていません。

5. ジョブカン会計(株式会社DONUTS)

ジョブカン会計のウェブサイト

勤怠管理・給与計算などを提供するジョブカンシリーズの会計製品にあたり、初期費用0円・月額2,500円(スタートアップ、3ユーザーまで)から利用できます。権限管理や承認を加えたビジネスが5,000円、ユーザー数に上限のないエンタープライズが50,000円という3段階の構成です。

AI機能の所在には注意が必要です。AI-OCRとAI仕訳作成は会計本体ではなく、有償オプション「ジョブカン証憑管理」に搭載されています。2025年9月に加わったAI-OCRは、請求書・領収書の画像データから「取引年月日」「取引金額」「取引先名」を読み取り、取引先名の判定には国税庁のデータベースにある登録番号を参照すると案内されています。

2026年4月には、読み取った証憑から仕訳を作る「AI仕訳作成・出力」が追加されました。公式の説明は「事前に設定した勘定科目や取引先の情報に応じて自動でマッチングを実行し、仕訳を作成」というもので、自社の入力履歴を機械学習して提案が変わるという記載は見当たりません(2026年8月時点)。

費用面では、証憑管理オプションの基本料金に月100枚までのAI-OCRが含まれ、101枚目以降は1枚10円(税抜)が加算されます。会計側のビジネスプラン・エンタープライズプランと併用する場合は、証憑管理の基本料金から2,000円が割り引かれます。

6. 会計王(ソリマチ株式会社)

会計王のウェブサイト

ソリマチ株式会社の会計ソフトで、ブラウザで完結するクラウド型ではなく、Windows PCにインストールして使う買い切り型です。本体価格は44,000円(税込)で初年度のサポートが含まれ、対応OSはWindows 11のみでMacには対応していません

製品ラインは、1台で使う会計王のほか、複数台のネットワーク利用に対応した上位版「会計王PRO」、個人事業者向けの「みんなの青色申告」に分かれます。AI自動仕訳は会計王の公式製品ページで案内されている機能で、以下の説明もこの会計王についてのものです。

直近の会計王25シリーズ(2025年11月発売)のプレスリリースは、この機能を「『摘要』欄の入力時にAIが過去の事例をもとに、仕訳を予測。科目や部門、税率も埋めてくれる」と説明しています。公式トップページでは、連携した電子明細からAIが仕訳を作成すると説明されています。摘要欄への入力を起点にする経路もあり、勘定科目だけでなく部門と税率まで提示される点が他社との違いです。

学習の材料は「過去の事例」とされていますが、2017年発売の会計王19シリーズでは「クラウドに蓄積されたビッグデータから最適な仕訳を予測する」と説明されており、現行版がどこまでを参照するのかは公式に明示されていません(2026年8月時点)。証憑を読み取るAI-OCRや生成AIを使った機能も、公式サイトでは確認できませんでした。

7. かんたんクラウド会計(株式会社ミロク情報サービス)

かんたんクラウド会計のウェブサイト

会計事務所向けの基幹システムを提供する株式会社ミロク情報サービス(MJS)が、スタートアップ・小規模事業者向けに提供するクラウド会計ソフトです。料金はBasicが月額2,160円、財務分析や資金繰りを含むPlusが3,000円(いずれも税抜)で、標準3アカウント・追加は1名あたり240円となっています。

公式の製品ページには、「AI」という語を使った機能の訴求が見当たりません(2026年8月時点)。自動化の仕組みとしては、銀行口座やクレジットカードの明細から仕訳を作る機能と、レシート画像の読み取りが用意されています。

レシートの読み取りは「レシートは画像データから『日付』『金額』『電話番号』を読み取り、自動で仕訳データに変換します」という説明で、抽出される項目は3つです。取引先名や税区分の推定には触れられておらず、精度や月間の上限に関する記載も確認できませんでした。

ただし、MJSがAI仕訳・AI-OCRとして案内している機能は、会計事務所・中堅企業向けの基幹パッケージ「ACELINK NX-Pro 会計大将」「ACELINK NX-CE 会計」に向けたものです。同じ提供元でも製品ラインが異なるため、本製品の機能として読み替えないよう注意してください。

8. SmileWorks(株式会社スマイルワークス)

SmileWorks(スマイルワークス)のウェブサイト

会計単体の製品ではなく、販売管理・仕入・在庫・給与計算・経費精算までを1つにまとめた中小企業向けのクラウドERPで、財務会計は「会計ワークス」というモジュールが担います。料金は販売ERPプランが月額5,000円、標準プランが初期30,000円+月額10,000円で、いずれも利用する機能ごとの費用が加わります。

AI機能はAI-OCRに限られ、Microsoftが提供するAI-OCRエンジンを採用しています。読み取れるのは見積書・注文書・納品書・検収書・請求書などの取引書類で、契約書やプレゼン資料といった伝票にならない書類は対象外と公式に明記されています。

精度の数値は公表されていません。一方で「スキャンデータの文字が不鮮明だと、正確に文字認識できず、読み取れないことがあります」という但し書きが添えられています。

押さえておきたいのは、AI-OCRが担うのは読み取り結果を登録データに変換するところまでで、仕訳の作成は「会計連動ボタン」による別の操作になる点です。売上・仕入・入金・支払のデータを部門別・補助科目付きで会計仕訳にする流れで、AIが直接仕訳を起こすわけではありません。

費用は全プラン共通の有償オプションで、月額1,000円に初回100枚分のチケットが付き、読み取り1枚あたり10円分を消化する仕組みです(追加は100枚あたり1,000円)。対応形式はPDF・JPG・JPEG・PNGで、2ページ以上のファイルは1ページ目のみが読み取り対象になります。

内部統制とグループ経営まで見据える中堅〜上場準備企業向けの5サービス

9. マネーフォワード クラウド会計Plus(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計Plusのウェブサイト

中小企業向けの「マネーフォワード クラウド会計」に、仕訳の申請・承認フローや権限設定、操作ログを加えた上位版です。2020年2月に提供が始まり、想定する登録仕訳数は年間10万件からとされています。料金は利用ID数に応じた見積もり方式で、監査法人や税理士法人など外部共有用のアカウントもID数に数えられます。

AI機能のうち日常的に使うのは、銀行やクレジットカード、周辺システムから自動取得した取引データをもとに勘定科目を提案する自動仕訳です。この提案が自社の入力履歴だけを学習するのか、提供元の辞書データも参照するのかは、公式に記載がありません(2026年8月時点)。

2026年4月には、自然言語の指示から帳票を作る「カスタム帳票作成エージェント」が加わりました。3つのマスタ軸を掛け合わせたクロス集計や最大5会計年度の期間比較に対応し、作成した帳票から個々の仕訳明細までドリルダウンできます。本サービス限定の有償オプションで、金額は公式に公開されていません。

同社はこの機能について、「AIは帳票の構成案作成のみを担い、数値の生成や加工は行わない」と役割の境界を示しています。提供はベータ版として始まっており、別ページには提供開始前の案内が残っている箇所もあるため、対象プランと現在の提供状況は契約前に確かめておくと確実です。

個々の機能の役割を絞る方針は、AIエージェントを『マネーフォワードクラウド』全体でどう位置づけるかという設計思想と結びついています。当サイトによる同社担当者へのインタビューでは、その狙いが次のように語られています。

栗本賢人氏
株式会社マネーフォワード SMB本部 パートナービジネス部 部長 兼 パートナーアライアンス室 事業開発担当
栗本賢人氏
独自インタビューより

今後の大きな注力領域はAIです。各サービスの中に機能単位でAIエージェントを組み込むことが進んでいます。私たちの思想としては、既存の業務フローはそのままに、もう1人の社員のように働くAIエージェントを各プロダクトに実装していくというものです。

10. 勘定奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

勘定奉行クラウドのウェブサイト

金融機関の入出金明細や領収書、Excelデータから伝票を自動で起票するクラウド会計ソフトです。エディションは処理できる伝票明細件数と機能によって5段階に分かれ、最小構成は年額93,000円(税抜、月額換算7,750円)から利用できます。同社の製品系列では、中堅・グループ企業向けに上位のERP製品が別に用意されています。

自動起票について公式が説明しているのは、「金融機関の入出金明細データとの連携や領収書やExcelからの学習により伝票起票を自動化できます」という範囲です。入力になるのは明細・領収書・Excelデータで、そこから伝票を起こします。学習が自社データに限られるのか、読み取りの精度がどの程度かを示す数値は、公式には見当たりません。

2025年4月には「奉行クラウド AIアシスタント」が発表されました。提供中の機能として挙げられているのは、自動仕訳、摘要欄の現地言語の自動翻訳、帳票を読み取って仕訳まで行うAI-OCR、対話形式の奉行AIチャット、自然言語での仕訳検索です。一方、仕訳作成支援・異常値アラート・AI帳票は開発中とされ、この時点では使えません。

これらの機能が追加費用なしで使えるのか、別のオプション契約が必要なのかは公式に記載がありません。AI-OCRには税理士・会計事務所向けに用意された別のオプションもあり、AIアシスタント内のものと同一の機能かどうかも明示されていないため、費用と対象範囲は契約前に確認しておく必要があります。

11. PCAクラウド 会計(ピー・シー・エー株式会社)

PCAクラウド 会計のウェブサイト

1980年設立の同社がパッケージ製品として販売してきた「PCA会計」を、クラウド形態で提供するものです。中小企業向けの標準グレードと、グループ企業管理やセグメント管理に対応する中堅企業向けの「会計 hyper」があり、hyperの月額は15,600円(税抜)からとなっています。

AI機能は本製品ではなく、同じクラウド基盤の上位ライン「PCA Arch」側に載っています。PCAクラウド 会計・会計hyperの公式ソフト情報ページにAI機能の記載はなく、AIを使うならPCA Arch 財務経理のプランを選ぶことになります。

本製品側の仕訳自動化は、請求書・領収書ファイルやCSVから仕訳を作るクイック処理と、銀行・カード取引の履歴を取り込むPCA FinTechサービスが担っています。

PCA Arch 財務経理では、操作の疑問をチャットで尋ねられるAIアシスタントがスタンダード(月額9,000円〜)とエンタープライズ(月額15,000円〜)の両プランに標準搭載され、追加料金はかかりません。金額はいずれも税抜です。「AIアシスタントによる規定シナリオ自動実行」は搭載予定と案内されており、2026年8月時点では提供されていません。

証憑のAI-OCRは有償オプションで、領収書と請求書の読み取りがそれぞれ月額5,000円〜25,000円(月間件数による従量制)です。読み取る項目は取引日・取引先・取引金額・消費税額・非課税金額の5つです。公式のよくある質問は「あくまで自動判定での読み取りとなりますので、正しく読み取りができない場合もあります」と記し、登録された内容を目視で確認するよう求めています。

PCA Archに載るAI機能について、公式ソフト情報ページで案内されているのはAIアシスタント(チャット)とAI-OCRですが、当サイトによる同社事業戦略部へのインタビューでは、分析用途を担うAIエージェントについての説明がありました。

田崎氏
ピー・シー・エー株式会社 事業戦略部 プロダクトマーケティングセンター
田崎氏
独自インタビューより

財務会計のデータというのは、実はデータの宝の山なんです。さまざまな分析ができるのですが、『PCA Arch』は、従来の分析帳票の枠を超え、「勘定科目」や「摘要」から原価構造や収益性を深く分析。企業の安定経営を支える次の一手を具体的に提案する「AIエージェント」を搭載しています。

12. TKC FXクラウドシリーズ(株式会社TKC)

TKC FXクラウドシリーズのウェブサイト

税理士・公認会計士で構成されるTKC全国会の会計事務所による月次の巡回監査とセットで使うことを前提に設計された、クラウド会計システム群です。市販されておらず、導入も料金の相談も会計事務所を通じて行います。小規模企業向けのFXまいスタークラウドから、内部統制や牽制に対応するFX4クラウド、連結決算に対応するFX5クラウドまで、規模別に製品が分かれます。

現在使えるAI機能は、証憑保存機能の「領収書等AI読取りオプション」です。スキャンした画像やPDFから、取引年月日・取引先名・適格請求書発行事業者の登録番号・税率ごとの取引金額を読み取り、入力した内容を学習して以降の入力を効率化すると説明されています。学習が利用者単位なのか事務所単位なのかまでは、公式に示されていません。

精度について公式は「90%超の高い読み取り精度」と示す一方、「すべての文字を完璧に読み取れるわけではありません」とも併記しています。手書きの記載や背景に色・模様のある証憑にも対応するとしていますが、すべてを読み取れるわけではない点は明記されています。オプションの追加料金の有無や金額も公式には記載がなく、会計事務所への確認が必要です。

生成AIを使う「FXエージェント」は2026年5月に発表され、提供開始は2026年9月末の予定とされています。仕訳入力の自動化や要注意仕訳の抽出、経営計画・資金繰り予想の支援など7つの機能が挙げられていますが、2026年8月時点では未提供で、価格も後日案内するとされています。

13. クラウド発展会計(日本ビズアップ株式会社)

クラウド発展会計のウェブサイト

会計事務所向けに提供され、顧問先企業は契約する会計事務所を通じて利用するクラウド会計システムです。全国1,400件の会計事務所が利用しているとされ、製品ページも会計事務所向けと顧問先企業向けに分かれています。料金表は公式サイトに掲載されておらず、費用は会計事務所との契約条件によります。

提供中のAI機能は2つに分かれます。AI-BANKは通帳に記載された文字をAI-OCRで認識し、日付・金額・取引内容など仕訳に必要な情報を抽出して仕訳入力まで行います。請求書やレシートを対象とするMONEYのAI-OCRも稼働中です。学習が顧問先ごとの入力履歴に基づくのか、利用者横断なのかは公式に記載がありません。

2025年12月に公開された生成AIオプションでは、預金通帳・領収書・請求書をスキャンして日付・金額・取引先・摘要を読み取り、仕訳を作成します。業績の解説レポートや課題のマインドマップを自動作成するAI業績分析も含まれます。ただし摘要からの勘定科目の提案は「(予定)」と記載された段階で、まだ使えません。

一方、手書きの現金出納帳をスキャンして仕訳するAI-MONEYは、2026年8月時点でも公式に「現在開発中」と記載された未提供の機能です。ここまで挙げたAI機能はいずれも有償オプションで、金額は公開されていないため、導入時に会計事務所を通じて確認することになります。

AI会計ソフトの導入で得られる効果

導入によって変わるのは入力時間だけではありません。ここでは、どの範囲にどんな効果が及ぶのかを整理します。

入力と確認にかかる工数がどこまで減るか

もっとも直接的なのは、明細1件ごとに勘定科目を選ぶ操作が、提示された候補を確認する操作に置き換わることです。取引の種類が繰り返し出てくる企業ほど、この置き換えが効きます。

証憑の読み取りでは、日付・取引先・金額を手で打ち込む作業が、読み取り結果の確認に変わります。ただし読み取れなかった項目や誤って読み取った項目は手で直すことになるため、枚数がそのまま削減時間に比例するわけではありません。

属人化の解消と月次決算の早期化

勘定科目の当て方が担当者ごとに違うと、後から見直す工数が発生します。過去の仕訳を踏まえた候補が提示されるようになると、判断の基準がデータ側に寄り、担当者が変わっても処理のばらつきが小さくなります。

入力が月末に集中していた体制では、明細の取り込みと読み取りを日次で回せるようになることで、月初の作業量が平準化されます。異常検知の機能を併用すれば、決算前の見直しにかける時間も分散できます。

公表されている削減幅の数値をどう読むか

削減幅を示す数値は各社が公表していますが、業界全体の平均を示す公的統計や第三者調査は見当たりません。「AI会計ソフトを入れると経理業務が何割減る」という一般的な目安は、根拠を示せる形では存在しないのが実情です。

公表されている数値を参考にする場合は、注記まで読むことをおすすめします。多くは提供元の自社調査で、調査の時期や対象企業の条件が記載されていないもの、脚注が「弊社調査による一般的な作業時」までで具体的な条件に触れていないものがあります。

導入事例として紹介されている数値にも注意が必要です。企業名と削減幅が明記されていても、事例の本文を読むとAIによる自動仕訳は当時まだ導入前で、別の機能による効果だったという例があります。自社の判断材料にするなら、削減幅そのものより、どの作業がどう置き換わったかの記述を読むほうが役に立ちます。

AIに任せられる処理と、人の確認が残る処理

どこまで自動で終わるのかは、導入前に把握しておきたい点です。ここでは、どこまでが自動で終わり、どこから人の確認が要るのかを整理します。

AIに任せられる処理と人の確認が残る処理を3つに分けた図解。得意なのは毎月発生する家賃や通信費、決まった取引先からの入金など過去に似た形が繰り返し現れる定型的な取引。苦手なのは年に一度しか発生しない取引、複数の科目に按分するもの、契約内容を読まないと判断できない取引。人に残るのは交際費と会議費の線引きや資産計上と費用処理などの税務判断で、帳簿の内容に責任を負うのは事業者

AIが得意な処理と苦手な処理

得意なのは、過去に似た形が繰り返し現れる処理です。毎月発生する家賃や通信費、決まった取引先からの入金といった定型的な取引では、候補の当たり方が安定します。

苦手なのは、過去のパターンに当てはまらない処理です。年に一度しか発生しない取引、複数の科目に按分する必要があるもの、契約内容を読まないと判断できない取引などは、提示された候補をそのまま使えないことがあります。

税務判断を伴う処理も人の領域に残ります。交際費と会議費の線引きや、資産計上と費用処理の判断は、金額や摘要だけでは決まらないためです。

公式が明示している読み取り・推定の限界

限界を公式に明記している提供元は少なくありません。読み取り精度を「90%超」と示したうえで「すべての文字を完璧に読み取れるわけではありません」と併記する例や、「あくまで自動判定での読み取りとなりますので、正しく読み取りができない場合もあります」として目視での確認を求める例があります。

形式面の制約が明記されている場合もあります。複数ページのPDFは1ページ目のみを読み取る、契約書やプレゼン資料は対象外、文字が不鮮明だと読み取れないことがある、といった条件です。

生成AIを使う機能では、出力の性格そのものに注記が付くことがあります。会話形式で仕訳を作る機能に「内容の正確性を保証するものではありません」と明記されている例や、帳票作成でAIが担うのは構成案までで数値の生成・加工は行わないと役割の境界を示している例です。

こうした記載は制約であると同時に、提供元がどこまでを保証しているかの手がかりでもあります。比較のときは、限界に触れていない製品を精度が高いと読み替えず、公式ヘルプまで開いて確認することをおすすめします。

誤判定を前提に、最終確認をどこまで人が行うか

提示された仕訳をそのまま確定させる運用は現実的ではありません。帳簿の内容に責任を負うのは事業者であり、AIが提示したという理由で誤りが免責されることはないためです。

現実的なのは、確認の濃淡を設計することです。毎月繰り返す定型取引は一覧での確認にとどめ、新規の取引先・一定金額以上の取引・按分を伴う取引は個別に見る、といった振り分けを決めておきます。

異常検知の機能を持つ製品であれば、この振り分けの一部を機能側に任せられます。決算期には、期中の自動仕訳がどの科目に集中しているかを見直す工程を組み込んでおくと、誤りの積み上がりを防げます。

会計ソフトに組み込まれたAIから一歩踏み込んで、経理作業そのものをAIエージェントに任せる選択肢も出てきています。会計ソフトやRPAとの違い、どこまでの作業を任せられるかの範囲は以下の記事で整理しています。

導入前に押さえたい注意点

契約してから効いてくるものとして、費用とデータの扱いの2点があります。

想定件数を超えたときのコスト増

証憑の読み取りに件数の上限がある場合、運用に乗ってくるほど超過が起きやすくなります。使い始めは一部の証憑だけを読み取らせていても、効果が出ると対象を広げたくなるためです。

繁忙期の偏りも見落としがちです。年間の平均枚数が上限内でも、決算期や特定の月だけ倍増する業種では、その月に従量課金が発生します。過去1年の月別の枚数を確認しておくと、実際の負担額を見積もれます。

利用者数の増加も費用に影響します。経理部門だけで使っていた読み取り機能を各部門に開放すると、上限の消費が早まり、上位プランへの切り替えが必要になることがあります。

証憑データの保管とセキュリティ

読み取らせる証憑には、取引先名・金額・口座情報といった情報が含まれます。データがどこに保管され、誰がアクセスできるのかは、契約前に確認しておく項目です。

読み取りの一部を人手の補正で補う仕組みを採る製品もあります。その場合はオペレーターが証憑を目にすることになるため、委託先の体制や秘密保持の取り決めを確認しておく必要があります。

読み取ったデータをどこまで保管し、いつ削除するかの取り決めも、契約前に確認しておきたい項目です。証憑の保存に関わる法令上の扱いは次の章で扱います。

AI-OCRで読み取った証憑と電子帳簿保存法の関係

紙の領収書や請求書をAI-OCRで読み取ってデータ化すれば、紙を捨てて電子データだけを保存できる。そう考えたくなりますが、読み取れることと、法令上の保存要件を満たすことは別の話です

AI-OCRで読み取れることとスキャナ保存の要件を満たすことは別であることを示した図解。AI-OCRが担うのは紙やPDFの証憑から日付・取引先・金額などを読み取ってデータ化すること。スキャナ保存の要件を満たさずに保存された電磁的記録は各税法上の保存書類として取り扱われない。読み取りとは別に、入力期間内のタイムスタンプまたは訂正削除の履歴を確認できるシステムへの格納、取引年月日・取引金額・取引先を検索条件に設定できること、システム関係書類の備付けを確認する

紙で受け取った書類を電子データで保存する制度をスキャナ保存といい、電子帳簿保存法に要件が定められています。国税庁の一問一答は、要件を満たさない場合の扱いを次のように示しています。

スキャナ保存の要件を満たさず保存されている電磁的記録については、各税法上の保存書類としては取り扱われません。

出典:電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】問59(令和8年7月)|国税庁

要件は複数あり、機能面だけを満たせばよいわけではありません。同じ一問一答は、システム関係書類の備付けといった機能以外の要件も含めてすべてを満たす必要があると述べています。

特に関係が深いのが、入力期間とタイムスタンプの要件です。スキャンを終えているだけでは足りず、期間内にタイムスタンプが付された状態か、訂正・削除の履歴を確認できるシステムに格納された状態にしておく必要があります。

単にスキャニング作業を終えていればよいのではなく、入力期間内に、スキャニングした国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項にタイムスタンプが付された状態又はその後の当該電磁的記録の記録事項に係る訂正又は削除の履歴等を確認することができるシステム(訂正又は削除を行うことができないシステムを含みます。)に格納した状態にしなければなりません。

出典:電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】問21(令和8年7月)|国税庁

検索の要件についても、AI-OCRの読み取り能力とは直接結びつきません。国税庁は、画像データをテキスト化して保存する機能が備わっていない場合であっても、検索の条件として設定できるようにする必要があると説明しています。求められているのは、AIが文字を読めることではなく、取引年月日・取引金額・取引先を検索条件に設定できる状態を作ることです。

もう一点、古い解説を参照するときの注意があります。かつては解像度・階調・大きさに関する情報を保存する要件と、入力者等の情報を確認できるようにする要件がありましたが、いずれも令和5年度の税制改正で廃止され、令和6年1月1日以後に保存を行う場合には適用されません。読み取り時に200dpi以上・256階調以上で読み取るという機器側の要件は残っています。

製品を比較する際は、AI-OCRの読み取り性能とは別に、タイムスタンプの付与または訂正削除履歴の保持、検索条件の設定、システム関係書類の備付けといった要件に対応しているかを確認してください。要件の全体像は国税庁のパンフレットに一覧で示されています。

出典・参考資料(3件)

導入してからAIの精度が上がるまでの進め方

AI機能は契約した翌日から最大の効果が出るわけではありません。立ち上がりの期間をどう設計するかで、定着するかどうかが変わります。

導入直後は学習データがなく、精度が上がるまで時間がかかる

自社の入力履歴を学習する仕組みでは、履歴がない状態から始まります。最初の1〜2か月は候補が外れることが多く、担当者が修正する頻度も高くなります。

この期間に「思ったより手間が減らない」と判断して使わなくなると、学習が進まないまま止まります。導入計画では、効果を測る時期を最初の数か月後ではなく、取引が一巡する期間を見込んで設定しておくと、評価を誤りにくくなります。

学習の単位(自社データか全社横断か)で立ち上がりの速さが変わる

推定に使う材料が自社の履歴だけの製品では、立ち上がりに時間がかかる代わりに、自社固有の勘定科目の使い方に馴染んでいきます。提供元の辞書データを併用する製品では、導入直後から一定の当たり方をする傾向があります。

もっとも、学習の単位を公式に説明している製品はそれほど多くありません。無料トライアルがある場合は、自社の明細を実際に通してみるのが確実です。過去データの取り込みに対応していれば、それだけで初期の当たり方が変わることもあります。

助走期間を織り込んだ初期運用の決め方

始め方としては、取引量の多い口座や、証憑の種類が揃っている費目から対象を絞るのが進めやすい方法です。同じ形の取引が繰り返し現れるため、学習が早く進みます。

あわせて、この期間の確認の担当と範囲を決めておきます。誰が全件を見るのか、どの条件から一覧確認に切り替えるのかを最初に決めておくと、精度が上がってきたときに運用を緩める判断がしやすくなります。

勘定科目マスターの整理も、この段階で済ませておきたい作業です。使われていない科目や似た名前の科目が並んでいると、推定の候補が分散して精度が上がりにくくなります。

まとめ

会計ソフトの「AI搭載」という表示は、明細からの自動仕訳、証憑の読み取り、異常検知、予測分析、操作サポートといった別々の機能をまとめて指しています。どの機能を備えているかに加えて、それが何を入力に何を推定するのかまで見ないと、製品間の差は掴めません。

あわせて確認したいのが提供条件です。上位プラン限定か、別のオプション契約が要るか、月間の処理件数に上限と超過課金があるかによって、実際に支払う額と使える範囲が変わります。自社の月間の仕訳量と証憑枚数を先に数えておくと、比較の精度が上がります。

日々の記帳から決算までを1つで賄いたい中小企業・個人事業主と、統制の仕組みとセットでAIを使いたい中堅〜上場準備企業では、候補になる製品の層が分かれます。自社がどちらに当てはまるかを見当づけたうえで、比較表と各サービスの紹介、そして選定診断ツールをご活用ください。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】クラウド会計ソフトの資料を
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よくある質問(FAQ)

Q. AI会計ソフトのAI自動仕訳とAI-OCRは何が違いますか?

A. AI会計ソフトのAI自動仕訳とAI-OCRは、何を入力にするかが違います。自動仕訳は銀行やクレジットカードの取引明細から勘定科目を推定し、AI-OCRは紙やPDFの証憑から日付・取引先・金額などを読み取ってデータ化します

自社のどの作業を減らしたいかで、確認すべき機能が変わります。銀行取引が中心なら自動仕訳が勘定科目・部門・税区分のどこまでを埋めるか、紙の証憑が多いならAI-OCRの対象書類と月間の読み取り上限が判断材料になります。また、読み取った結果がそのまま仕訳になる製品と、データ化までを担い仕訳への変換は別の操作になる製品がある点も確認しておきたい部分です。

Q. 「AI搭載」と紹介されている会計ソフトは、どれも同じようにAIを使えますか?

A. いいえ。「AI搭載」として紹介されている会計ソフトの中には、提供元の公式サイトにAIという語が見当たらない製品や、AI機能が同じ提供元の別の製品ライン(会計事務所向けなど)に載っている製品があります

掲載数やシェアの大きさも、自社に合うかどうかの答えにはなりません。確認の手順は単純で、提供元の公式サイトの機能ページとヘルプセンターを開き、その機能名で検索することです。あわせて提供時期も見てください。同じ製品の紹介ページに、すでに使える機能・開発中の機能・提供予定の機能が並記されていて、契約時点で使えるのは一部だけということがあります。

Q. AI会計ソフトは「AI搭載」と書かれていれば、追加費用なしでAI機能を使えますか?

A. いいえ。AI会計ソフトのAI機能には、上位プランでのみ提供される、本体とは別のオプション契約が必要になる、月間の処理件数に上限があり超過分が従量課金になる、という3つの条件が付くことがあります

証憑の読み取りでは、月100件前後を無料枠として設定し、超えた分を1件あたり10円から20円程度で課金する例が見られます。月に500枚を扱う企業なら、毎月4,000円から8,000円が上乗せされる計算です。自社の月間の証憑枚数を先に数えたうえで、プラン表の機能欄だけでなく、AI機能の説明ページに書かれた対象プランと上限まで確認しておくと、契約後の想定違いを避けられます。

Q. AI会計ソフトのAI機能は、無料トライアルや無料プランで試せますか?

A. AI会計ソフトはクラウド型の製品を中心に1か月前後の無料トライアルを用意しているものが多く見られますが、AI機能まで試せるかどうかは、トライアルの対象プランにその機能が含まれているかで決まります

上位プラン限定の機能やオプション契約が前提の証憑読み取りは、トライアルの対象外となることがあります。試せる場合は、自社で実際に発生している明細や証憑を数十件通してみるのが、公表されている精度の数値を読み比べるより確実な判断材料になります。ただし、会計事務所を経由して導入する製品や買い切り型の製品では、試用の形態そのものが異なるため、窓口となる事務所や販売元に確認してください。

Q. AI会計ソフトが作成した仕訳は、そのまま信用してよいですか?

A. いいえ。AI会計ソフトが示すのはあくまで仕訳の候補であり、内容を確認して承認する工程は人に残ります。帳簿の内容に責任を負うのは事業者であり、AIが提示したという理由で誤りが免責されることはないためです。

提供元自身も限界を公式に明記しています。読み取り精度を数値で示したうえで「すべての文字を完璧に読み取れるわけではありません」と併記する例や、会話形式で仕訳を作る機能に「内容の正確性を保証するものではありません」と注記する例があります。

現実的なのは確認の濃淡を設計することです。毎月繰り返す定型取引は一覧での確認にとどめ、新規の取引先・一定金額以上の取引・按分を伴う取引は個別に見る、といった振り分けを最初に決めておきます。

Q. AI会計ソフトは簿記の知識がない担当者でも使えますか?

A. AI会計ソフトは、日々の入力については簿記の知識が浅くても進められる設計の製品が多い一方、提示された仕訳が妥当かを判断する工程には会計の知識が必要です

交際費と会議費の線引きや、資産計上と費用処理の判断といった税務判断を伴う処理は、金額や摘要だけでは決まりません。経理の専任者がいない体制で導入する場合は、確認を誰が担当するのか、顧問税理士にどこから引き取ってもらうのかを導入時に決めておくと運用に乗せやすくなります。

Q. AI会計ソフトは顧問税理士・会計事務所とデータを共有できますか?

A. AI会計ソフトの多くはクラウド上でデータを共有する機能を備えていますが、実務上の制約になるのは、顧問税理士や会計事務所がその製品を扱えるかどうかです。

事務所側が対応していない製品を選ぶと、月次のやり取りで書き出しと取り込みの手間が増えます。会計事務所との連携を前提に設計された製品もあり、その場合は導入も料金の相談も事務所を経由するのが基本になるため、見積の取り方が変わります。また、外部共有用のアカウントが利用ID数に数えられ、料金に影響する製品もあります。

Q. AI会計ソフトに既存の会計ソフトやExcelの過去データを移行できますか?

A. AI会計ソフトの多くはCSV形式などでの一括取り込みに対応しており、過去の仕訳データを取り込めるかどうかは、導入直後のAIの当たり方にも影響します

自社の入力履歴を学習する仕組みでは、履歴がない状態から始まるため、最初の1〜2か月は候補が外れることが多くなります。過去データを取り込めれば、それだけで初期の当たり方が変わることもあります。取り込める項目の範囲や形式は製品によって異なるため、仕訳データだけでなく勘定科目マスターや補助科目まで移せるかを確認してください。

Q. AI-OCRで読み取れば、紙の領収書や請求書は捨ててよいですか?

A. 紙の証憑を廃棄できるのは、電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件を満たして保存した場合に限られます。AI-OCRで読み取れること自体は、要件を満たしたことを意味しません。国税庁は、スキャナ保存の要件を満たさず保存されている電磁的記録については各税法上の保存書類として取り扱われないとしています。

要件には、入力期間内にタイムスタンプを付すか訂正・削除の履歴を確認できるシステムに格納すること、取引年月日・取引金額・取引先を検索の条件として設定できること、システム関係書類を備え付けることなどが含まれます。

国税庁は、画像データをテキスト化して保存する機能が備わっていない場合でも、これらを検索の条件として設定できるようにする必要があると説明しています。求められているのはAIが文字を読めることではありません。

要件を満たしたうえで、スキャナで読み取り、折れ曲がり等がないかの同等確認を行った後であれば、紙は即時に廃棄して差し支えないとされています。反対に、入力期間を経過した場合は電磁的記録とあわせて紙の保存が必要になります。

出典・参考資料(1件)

Q. AI会計ソフトに証憑を読み取らせるとき、セキュリティ面で確認すべきことは何ですか?

A. AI会計ソフトに証憑を読み取らせる場合は、データの保管場所とアクセスできる範囲に加えて、読み取りの一部を人手の補正で補う仕組みかどうかを確認してください。

読み取らせる証憑には、取引先名・金額・口座情報といった情報が含まれます。人手の補正を組み合わせる仕組みでは、委託先のオペレーターが証憑を目にすることになるため、委託先の体制と秘密保持の取り決めまで確認が必要です。公表されている高い精度の数値が、AI単独ではなく人力補正を組み合わせた結果である場合もあり、精度とデータの取り扱いは合わせて読むと実態が掴めます。

Q. AI会計ソフトは生成AI(ChatGPT)と併用すべきですか?

A. AI会計ソフトと生成AIは、日々の記帳は会計ソフトに組み込まれたAIに任せ、規程の下書きや会計処理の考え方の調べものに生成AIを使う、という役割分担が現実的です

両者の違いは3つあります。自社の過去の仕訳や勘定科目マスターを踏まえた提示になるか、提示された結果がそのまま仕訳データとして帳簿に取り込まれるか(手で転記し直すことになるか)、取引先名や金額を外部のサービスに入力してよいか(社内規程との整合が取れているか)です。

近年は会計ソフト側にも生成AIを使った機能が加わっています。ただしβ版や特定のプラン・利用者向けに提供が始まる例が多いため、対象範囲は契約前に確認してください。

Q. AI会計ソフトが普及すると、経理の仕事はなくなりますか?

A. AI会計ソフトが担うのは入力と一次的な推定までで、経理の仕事そのものが不要になるわけではありません。提示された仕訳を確認して承認する工程、税務判断を伴う処理、決算や監査への対応は人に残ります。

変わるのは作業の中身です。明細1件ごとに勘定科目を選ぶ操作は、提示された候補を確認する操作に置き換わり、確認の濃淡を設計することや、異常検知が拾った箇所を読み解くことへ時間の配分が移ります。年に一度しか発生しない取引、複数の科目に按分する取引、契約内容を読まないと判断できない取引ほど、人の判断の比重は大きいままです。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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