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生体認証・パスキー認証SDK
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認証SDKとは?種類・APIとの違い・選び方をわかりやすく解説

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生体認証・パスキー認証SDK比較表(2026年版)のプレビュー

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生体認証・パスキー認証SDK比較表(2026年版)

自社のWebサービスやアプリにログインやID管理、本人確認の機能を持たせたいとき、その仕組みを一から自前で作り込むのは負担が大きく、セキュリティ品質の担保にも不安が残ります。そこで選択肢になるのが「認証SDK」ですが、いざ調べてみると顔認証・パスキー・OAuth・マイナンバー連携など、まったく違うものが「認証SDK」の名前で並んでいて戸惑いがちです。

認証SDKは、認証機能を自分のアプリやサービスに組み込むための開発キットで、認証処理を一から作らずに済ませられます。ただし何を認証するか(顔・指紋などの生体か、ID・パスワードやトークンか、公的個人認証かなど)によって種類が分かれ、用途に合うものを選ぶ必要があります。

この記事では、認証SDKとは何かという定義から、主な種類の分類、SDKとAPIの違い、認証SDKでできること、用途別の選び方、そして実際の製品・サービス例までを一通り整理します。自社の用途に合う認証の仕組みを見極める材料としてご活用ください。

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認証SDKとは?

認証SDKとは、ログインや本人確認といった認証の機能を自社のアプリ・サービスに組み込むための開発キット(SDK=Software Development Kit)です。認証に必要なライブラリ・部品・サンプルコード・ドキュメントがひとまとめになっており、開発者はこれを自分のアプリに取り込むことで、認証処理をゼロから作らずに実装できます。

認証は、パスワードの安全な保管、多要素認証、なりすまし対策、外部IDとの連携など、正しく作ろうとすると考慮すべき点が多い領域です。認証SDKを使うと、こうした実装や品質担保の多くをSDK側に任せられるため、開発者は本来のサービス機能の開発に集中しやすくなります。

ただし「認証SDK」と一口に言っても、顔や指紋で本人を確かめるものから、ID・パスワードやトークンでログインを扱うもの、マイナンバーカードの公的個人認証に対応するものまで幅広く、対象とする認証の種類はさまざまです。次の章で、その種類を整理します。

認証SDKの主な種類・分類

ここでは、認証SDKを「何を認証するか」で主な5種類に整理します。自社が実現したいのはどの認証かを、代表的な用途と例から当てはめてみてください。

認証SDKを『何を認証するか』で分けた5種類の分類図。生体認証(顔・指紋など、本人の身体的特徴を認証)、フェデレーション・トークン(OAuth/OIDC、ID・パスワードやトークンと外部ID連携)、パスキー・パスワードレス(FIDO2/WebAuthn、端末の生体・PINと公開鍵暗号)、公的個人認証(マイナンバーカードの電子証明書)、継続・バックグラウンド認証(操作の癖・センサーで継続的に確認)の5つを示している。
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種類生体認証(顔・虹彩・指紋など)フェデレーション・トークン(OAuth/OIDC)パスキー・パスワードレス(FIDO2/WebAuthn)公的個人認証(マイナンバー)継続・バックグラウンド認証
何を認証するか本人の身体的特徴ID・パスワードやトークンによるログインと外部ID連携端末の生体・PINと公開鍵暗号による認証マイナンバーカードの電子証明書による本人確認利用中の操作の癖・センサー情報などによる継続的な本人性の確認
代表的な用途スマホ・PCのログイン、入退室、勤怠、本人確認会員向けWebサービス・アプリのログイン基盤、シングルサインオン、ソーシャルログインパスワードに頼らないログイン、フィッシング対策オンラインでの厳格な本人確認(eKYC・行政手続き・金融口座開設など)ログイン後も本人かを確認し続けたい業務・アプリ
代表的な例顔認証SDK、虹彩認証SDK、指紋認証SDK(例: パナソニック コネクト顔認証SDK、スワローインキュベート虹彩認証SDK)Amazon Cognito、Auth0、Keycloak、Uni-ID Libra などFIDO2/WebAuthn対応のCIAMサービス・SDK(例: Amazon Cognito、Auth0)公的個人認証(JPKI)連携の本人確認サービス・SDK(例: サイバートラスト iTrust)バックグラウンド認証SDK(例: DZ Security®)

フェデレーション・トークン方式でよく登場するOAuthとOpenID Connect(OIDC)は役割が異なります。OAuth 2.0は「認可(アクセス権限の委譲)」の枠組みで、その上に本人確認(認証)のレイヤを載せるのがOpenID Connectです。

OAuthはIETF(インターネット技術の標準化団体)がRFC 6749として定め、OpenID ConnectはOpenID Foundationが策定しています。

出典・参考資料(2件)

パスキー・パスワードレスの中核となるのが、W3C(Web技術の標準化団体)が勧告として標準化したWebAuthn(Web Authentication API)と、それを含むFIDO2という規格です。

FIDO2はFIDO Allianceによる規格で、WebAuthnとCTAP(Client to Authenticator Protocol)から構成され、公開鍵暗号を使ってパスワードに頼らない認証を実現します。

出典・参考資料(2件)

公的個人認証(JPKI)は、マイナンバーカードに搭載された電子証明書を使う本人確認の仕組みで、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が運営しています。2023年5月からは、スマートフォンに電子証明書を登録して、カードがなくてもスマホだけで利用できるようになりました。これ自体はSDKではなく本人確認の基盤で、本人確認系のSDK・サービスがこの仕組みに連携する形で使われます。

出典・参考資料(1件)

認証SDKとAPIの違い

認証の実装を調べていると「SDK」と「API」が並んで出てきて、どちらを選べばよいか迷う場面があります。両者は対立するものではなく、役割が違います。ここで違いを整理します。

APIは、認証サービスの機能を呼び出すための接点(インターフェース)です。一方SDKは、そのAPIを扱いやすくするためのライブラリ・ツール・ドキュメントを一式にまとめた開発キットで、多くの場合、内部でAPIを呼び出しています。

認証SDKとAPIの関係を示す図。認証SDK(開発キット)は、APIを扱いやすくする一式をまとめたもので、その中に『API(機能を呼び出す接点)』を含み、SDKが内部でAPIを呼び出す。あわせてライブラリ・部品、サンプルコード、ドキュメントもまとめられていることを示している。

SDKを使うと、通信処理やトークンの扱いといった細かな部分をSDKに任せられるぶん、実装が速く安全になりやすい一方、APIを直接使うと、対応言語に縛られず細かな制御がしやすくなります。

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観点認証SDK認証API
提供されるものライブラリ・部品・サンプル・ドキュメント一式機能を呼び出すためのインターフェース(エンドポイント)
実装のしやすさ組み込みやすく、通信・トークン処理などを肩代わり自分で通信やトークンの扱いを実装する必要がある
柔軟性・自由度SDKの対応言語・作法の範囲で使う言語や環境を選ばず、細かな制御がしやすい
向く場面対応言語・プラットフォームで手早く安全に実装したい対応SDKがない環境や、独自の作り込みが必要

多くの認証サービスはSDKとAPIの両方を提供しています。まずは自社の開発言語やプラットフォームに対応したSDKがあるかを確認し、あればSDK、対応がなかったり細かな制御が必要だったりする場合はAPIを直接使う、という選び方が現実的です。

認証SDKでできること

認証SDKが具体的に何を担ってくれるのかを整理します。製品や認証の種類によって範囲は異なりますが、認証SDKでは次のような機能がよく提供されます。

  • 会員登録・ログイン:サインアップ、サインイン、パスワードの安全な保管・再設定
  • 多要素認証(MFA):SMSやメールのワンタイムコード、認証アプリ、パスキーなどによる追加の本人確認
  • ソーシャルログイン・外部ID連携:Google・Appleなどのアカウントや、SAML/OIDCを使った他システムとの連携
  • トークンの発行・検証:ログイン状態を安全に保つためのトークン管理
  • なりすまし対策:生体認証SDKでは、写真や動画による偽装を見破る提示攻撃検知など

これらを自前で実装しようとすると、たとえばパスキーに対応するにはFIDO2/WebAuthnの仕様に沿った設計が必要で、パスワードの保管方法やトークンの有効期限管理にも安全性への深い配慮が求められます。認証SDKを使うと、こうした専門性の高い部分を実績のある実装に任せられるため、開発工数を抑えつつセキュリティ品質を確保しやすくなる点が大きなメリットです。

一方で、SDKに任せられる範囲や対応する認証方式は製品ごとに違います。自社に必要な機能がそろっているか、対応言語やプラットフォームが合うかは、次の「選び方」で確認していきましょう。

認証SDKの選び方

認証SDKは種類も製品も幅広いため、自社の用途に合うかを次の軸で順に確認すると絞り込みやすくなります。ここからは、用途別の判断軸を4つの観点で見ていきます。

認証SDKの選び方を順に絞り込む4ステップの図。STEP1 用途に合う認証方式か(実現したい認証が5分類のどれに当たるかをまず固める)、STEP2 対応言語・OS・導入形態は合うか(開発環境と、クラウド/セルフホストの形態が自社に合うか)、STEP3 精度・性能と規格準拠は十分か(精度・なりすまし対策・セキュリティ規格への準拠を客観基準で確認)、STEP4 料金・サポート体制は見合うか(料金だけでなく運用負荷やサポートの手厚さも含めて総合で判断)の順に確認することを示している。

用途に合う認証方式か

まず確認したいのは、自社が実現したい認証が前章の分類のどれに当たるかです。会員向けサービスのログイン基盤を作りたいならフェデレーション・トークン方式(CIAM=顧客ID・アクセス管理)、顔や指紋で本人確認したいなら生体認証、オンラインで厳格な本人確認が必要ならマイナンバーの公的個人認証、ログイン後も本人かを確認し続けたいなら継続認証、というように、用途によって適した方式が変わります。

目的に合わない方式の製品を選ぶと、機能が過不足になりやすいため、まず方式を固めることが出発点です。

会員向けサービスのログイン基盤(CIAM)が自社の用途に近い場合は、主要なCIAMサービスを機能・料金で比較した以下の記事で、候補を具体的に絞り込めます。

顔・指紋などの生体認証やパスキー(パスワードレス)で本人確認したい場合は、対応するSDK/APIを機能・料金でくらべた以下の記事が、製品選びの手がかりになります。

対応言語・OS・導入形態(オンプレ/クラウド)は合うか

SDKは対応する言語・プラットフォームの範囲でしか使えないため、自社の開発環境(iOS/Android、Web、サーバーサイドの言語など)に対応しているかは、導入前に必ず押さえておきたい点です。

あわせて、導入形態がクラウド(マネージド型のSaaS)か、自社のサーバー・コンテナに構築するセルフホスト型かも重要です。運用の手間を抑えたいならクラウド型、データを自社環境に置きたい・細かく作り込みたいならセルフホスト型が向くなど、社内の運用体制やセキュリティ要件と照らして選ぶとよいでしょう。

精度・性能とセキュリティ規格への準拠は十分か

特に生体認証やパスワードレスでは、精度や安全性を客観的な基準で確かめることが重要です。顔認証の精度は、米国国立標準技術研究所(NIST)が実施する公的評価「FRTE(旧FRVT)」が独立したベンチマークとして知られています。

なりすまし(写真・動画などによる提示攻撃)への強さは、ISO/IEC 30107-3という国際規格が試験・報告の方法を定めており、この規格に基づく試験結果が判断材料になります(同規格は試験・報告方法の規格で、「認証取得」を示すものではない点に注意します)。

パスワードレス認証では、FIDO2/WebAuthnに対応しているかが、フィッシングに強い標準的な方式を採用できるかの目安になります。これらの客観基準に触れている製品は、機能の説明が具体的で検証しやすい傾向があります。

出典・参考資料(2件)

料金・サポート体制は見合うか

料金体系は、月額固定・利用者数(MAU)に応じた従量課金・機能プラン別など製品によってさまざまで、オープンソースのように無料で使えるものもあります。無料でも自社で構築・運用する手間がかかるため、料金だけでなく運用負荷やサポートの手厚さも含めて総合的に見ることが大切です。導入時の要件定義から支援するベンダーもあるため、社内に認証の専門知見が少ない場合は、サポート範囲を確認しておくと安心です。

認証SDKの主な製品・サービス例

ここからは、認証の仕組みを提供する代表的なサービスを紹介します。ここで取り上げるのは、ログイン基盤(CIAM)と継続認証を中心とした実在サービスです。まずは特徴を一覧で見比べたうえで、それぞれの詳細を見ていきましょう。

顔や指紋などの生体認証SDK(パナソニック コネクトの顔認証SDK、スワローインキュベートの虹彩認証SDKなど)や、マイナンバーの公的個人認証に対応する本人確認サービス・SDK(サイバートラストのiTrust 本人確認サービスなど)は、ログイン基盤とは用途が異なります。これらに関心がある場合は、各社の製品ページで詳しく確認するとよいでしょう。

料金は利用者数に応じた課金・ライセンス単位の課金・無料(オープンソース)など製品ごとに考え方が異なるため、金額だけでなく課金の軸もあわせて見てください。

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サービス名DZ Security®Amazon CognitoAuth0(Okta Customer Identity Cloud)KeycloakUni-ID Libra
提供元株式会社AnchorZアマゾン ウェブ サービス(AWS)Okta, Inc.Keycloakプロジェクト(CNCF/Red Hat)NRIセキュアテクノロジーズ株式会社
認証の種類継続・バックグラウンド認証フェデレーション・トークン(CIAM)フェデレーション・トークン(CIAM)フェデレーション・トークン(OSS/IAM)フェデレーション・トークン(国産CIAM)
提供形態SDK組込型(端末内で認証)クラウド(マネージドSaaS)クラウド(SaaS)セルフホスト(自社サーバー・コンテナに構築)クラウド/オンプレミス(選択可)
主な認証方式継続認証(顔・声紋+操作の癖など)
パスワードレス自動ログイン
パスキー・MFA・SSO
ソーシャル/SAML/OIDC連携
SSO・MFA(FIDO2/WebAuthn)
ソーシャルログイン74種
SSO・MFA・パスキー
OIDC/OAuth2.0/SAML連携
パスキー(FIDO)・MFA・SSO
公的個人認証連携
料金の目安要お問い合わせ(ライセンス単位の課金)従量課金(月1万MAUまで無料)従量課金(月2.5万MAUまで無料、有料は月35ドル〜)無料(OSS・運用費は自社負担)要問い合わせ(非公開)
詳細情報オンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※各サービスの料金・機能は各社公式サイトの情報に基づく(2026年9月時点)

1. DZ Security®(株式会社AnchorZ)

DZ Security(株式会社AnchorZ)の公式サイト

DZ Security®は、株式会社AnchorZが開発する「バックグラウンド認証®」を核とした継続認証のソリューションです。ID・パスワードや生体認証のように、使い始める前に一度だけ確認する方式とは考え方が異なります。

利用者が普段どおりスマートフォンを操作する中で、顔立ちや操作の癖、生活パターンなどを複数のセンサー情報から捉え、利用中ずっと本人であることを確認し続けます。

認証行為そのものをなくすという発想で、利便性とセキュリティの両立を狙う点が特徴です。日本を含む複数国で認証アルゴリズムの特許を保有し、認証アルゴリズムに関する学会で論文が採録された実績を持ちます。ログイン後も本人性を担保し続けたい業務・アプリに向く選択肢です。

継続認証が従来のログイン認証とどう異なるのかについて、開発元である株式会社AnchorZの徳山氏は、独自インタビューで次のように説明しています。

徳山氏
株式会社AnchorZ 代表取締役CEO
徳山氏
独自インタビューより

ID・パスワードが初めて使われたのは70年ほど前ですが、それ以来ずっと、ユーザーを識別するには使い始める前にIDとパスワードを入力してもらう仕組みでした。パスワードが覚えられないから生体認証にしよう、顔にしよう、指紋にしようと進化してきましたが、いずれも「使い始める前に認証する」ログイン認証である点は変わりません。一方で私たちのバックグラウンド認証®は、言い方を変えると継続認証です。使い始めるときには何もチェックをしませんが、アプリやサービスを使い始めてからフォアグランドで動くアプリやサービスの裏でずっと継続した認証を続けます。利用中もずっと本人性を担保し続ける、この点が一番の差別化ポイントです。

2. Amazon Cognito(Amazon Web Services)

Amazon Cognito(Amazon Web Services)の公式サイト

クラウド大手のAWSが提供するマネージド型のCIAM(顧客ID・アクセス管理)サービスがAmazon Cognitoです。Web・モバイルアプリの会員登録やサインインの基盤を提供し、パスキー(WebAuthn)やSMS・メールのワンタイムコードによるパスワードレス認証、多要素認証、ソーシャルログイン、SAML/OIDCによるエンタープライズID連携に対応します。

OAuth 2.0/OpenID Connectの発行者としても機能し、AWSの各種サービスと組み合わせて使える点が強みです。公式では月間1,000億件を超える認証を処理しているとされ、機能と料金が段階的に分かれた機能プラン(Lite/Essentials/Plus)から選べます。すでにAWSを使っている環境でログイン基盤を整えたい場合に有力な候補です。

3. Auth0(Okta, Inc.)

Auth0(Okta, Inc.)の公式サイト

Auth0は、SDK・API・管理ダッシュボードを通じて、Web・モバイル・APIアプリへのログイン機能(サインアップ、サインイン、シングルサインオン、多要素認証、ソーシャルログインなど)を実装できる開発者向けの認証・認可プラットフォームです。現在はOkta, Inc.の傘下で「Okta Customer Identity Cloud」の中核技術として提供されています。

Auth0がホストする統合ログイン画面「Universal Login」を備え、Googleなど多数のソーシャル連携や、SAML・OIDC・Active Directoryといったエンタープライズ連携に対応します。一般消費者向け(B2C)と組織向け(B2B)の両方をカバーし、開発のしやすさとドキュメントの充実を重視する場合に向きます。

4. Keycloak(Keycloakプロジェクト)

Keycloak(Keycloakプロジェクト)の公式サイト

Keycloakは、Apache License 2.0で公開されているオープンソースのID・アクセス管理ソフトウェアで、ライセンス費用をかけずに認証基盤を用意したい場合の選択肢です。自社のサーバーやコンテナ環境に構築して運用するセルフホスト型として、シングルサインオン、OIDC・SAML連携、多要素認証などを提供します。

顧客向け(CIAM)に限らず従業員向けを含むID管理全般をカバーする汎用的な認証基盤で、2023年にはクラウドネイティブ技術の推進団体CNCFのインキュベーティングプロジェクトになりました。無料で使える一方、構築・運用は自社で担う前提のため、社内に運用体制がある企業やデータを自社環境に置きたい企業に向きます。

5. Uni-ID Libra(NRIセキュアテクノロジーズ株式会社)

Uni-ID Libra(NRIセキュアテクノロジーズ株式会社)の公式サイト

Uni-ID Libraは、NRIセキュアテクノロジーズが自社開発・販売する国産のCIAM(顧客ID・アクセス管理)製品です。企業が提供するBtoCのWebサービス・アプリにおける顧客IDの統合管理と、認証・アクセス制御の環境を、セキュリティとカスタマイズ性を両立させて構築できる点を訴求しています。

企画・要件定義の段階からのコンサルティング支援を伴う導入形態が特徴で、社内に認証の専門知見が十分でない企業でも進めやすい形です。ITRの調査ではCIAM市場で国内ベンダー別売上金額シェア9年連続1位とされており、国産で日本語サポートを受けられる点を重視する企業の選定材料になります。

出典・参考資料(1件)

まとめ

認証SDKは、ログインや本人確認の機能を自社アプリ・サービスに組み込むための開発キットで、認証処理を一から作らずに済ませられます。ただし「認証SDK」が指す対象は幅広く、生体認証、フェデレーション・トークン(OAuth/OIDC)、パスキー・パスワードレス(FIDO2/WebAuthn)、公的個人認証(マイナンバー)、継続認証と、何を認証するかで種類が分かれます。

製品を選ぶときは、まず用途に合う認証方式を固め、対応言語・OS・導入形態、精度やセキュリティ規格への準拠、料金・サポート体制の順に確認すると絞り込みやすくなります。自社の用途に近いジャンルの製品を見つけたら、各サービスの資料を取り寄せて機能や料金を具体的に比べ、導入の検討を進めてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 認証SDKとCIAM(顧客ID・アクセス管理)の違いは何ですか?

A. 認証SDKは認証機能を自社アプリに組み込む開発キット全般を指す言葉で、CIAMはその中でも消費者向けサービスのログイン基盤(会員登録・ログイン・ID管理)に特化した製品分野です。

CIAM製品であるAmazon CognitoやAuth0、Uni-ID Libraなどは、認証SDKやAPIを提供する形で使われ、本記事の分類でいうフェデレーション・トークン方式に当たります。顔認証や公的個人認証などの認証SDKはCIAMには含まれないため、ログイン基盤を作りたいならCIAM、本人確認や生体認証をしたいなら別種類の認証SDK、と用途で切り分けると整理しやすくなります。

Q. 認証SDKに無料・オープンソースの選択肢はありますか?

A. 認証SDKには、Keycloakに代表される無料・オープンソースの選択肢があります。KeycloakはApache License 2.0で公開されており、ライセンス費用をかけずにシングルサインオンや多要素認証などの認証基盤を構築できます。

ただし無料で使えるのはソフトウェア自体で、自社のサーバーやコンテナへの構築・運用は自前で担う前提です。料金の有無だけでなく、運用の手間やサポートの手厚さも含めて、有償のクラウド型サービスと比較して選ぶとよいでしょう。

Q. 認証SDKとライブラリの違いは何ですか?

A. 認証SDKは、ライブラリに加えてサンプルコード・ドキュメント・開発ツールまでを一式にまとめた開発キットで、ライブラリはその構成要素の一つです。

ライブラリが特定の機能をまとめたプログラム部品を指すのに対し、SDKはそれらを使ってアプリを開発するために必要なものを幅広くパッケージ化したものを指します。認証SDKを使うと、認証処理のライブラリだけでなく、実装を助けるサンプルや手順書までまとめて手に入るため、開発をスムーズに進めやすくなります。

Q. 認証SDKはオンプレミス環境でも使えますか?

A. 認証SDKには、自社のサーバーやコンテナに構築して運用するセルフホスト型(オンプレミス対応)の製品があり、オープンソースのKeycloakなどが代表例です。データを自社環境に置きたい、社内のセキュリティ要件で外部のSaaSを使いにくい、といった場合はセルフホスト型が向きます。

一方、Amazon CognitoやAuth0のようなクラウド型(マネージド型SaaS)は運用の手間を抑えられます。導入形態(クラウドかオンプレか)が自社の運用体制やセキュリティ要件に合うかが選ぶ際のポイントです。

Q. 認証SDKでパスワードレス(パスキー)認証に対応するにはどうすればよいですか?

A. 認証SDKでパスキーに対応するには、FIDO2/WebAuthnという規格に対応した認証SDKやCIAMサービスを選ぶのが近道です。

パスキーは端末の生体認証やPINと公開鍵暗号を組み合わせ、パスワードに頼らずフィッシングに強い認証を実現する仕組みで、その中核がW3Cが標準化したWebAuthnと、FIDO Allianceの規格FIDO2です。仕様に沿って自前で実装するのは負担が大きいため、Amazon Cognitoなどパスキーに標準対応した製品を使うと、規格準拠の実装を任せられます。

出典・参考資料(2件)

Q. 認証SDKを導入する前に、対応するOSや言語は確認すべきですか?

A. 認証SDKは、対応する言語・OS・プラットフォームの範囲でしか動作しないため、導入前に自社の開発環境(iOS/Android、Web、サーバーサイドの言語など)に合うかを必ず確認すべきです。

特に生体認証SDKなどでは、端末のOSがメジャーアップデートされると動作保証の対象が変わる場合もあるため、導入後の対応方針もあわせて確認しておくと安心です。対応環境が合わない場合は、SDKではなくAPIを直接利用できないか、あるいは別の製品を検討する形になります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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