海外の取引先や顧客からの代金回収を外部の業者に委託している、あるいはこれから委託を考えている場合、2026年6月1日に施行された改正資金決済法への対応が避けて通れなくなりました。この改正で「クロスボーダー収納代行」が新たに規制の対象となったためです。
調べ始めてまず気になるのは、「原則として為替取引に該当し、資金移動業の登録が必要」という説明のその先ではないでしょうか。知りたいのは、自社(または委託先)のやり方が本当に規制の対象になるのか、それとも適用除外にあたるのか、登録が必要ならいつまでに何をすればよいのかという点です。
本記事では、クロスボーダー収納代行が為替取引に該当するかどうかの判断の分かれ目、改正府令が定める適用除外の類型、登録の要否と経過措置の期限、未対応のまま続けた場合のリスクを整理します。自社のスキームを当てはめて判断できるところまで具体的に解説し、規制を理解したうえで適法な国内の収納・集金代行へ切り替えるという選択肢にも触れます。
目次
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クロスボーダー収納代行は原則「為替取引」に該当し登録が必要——ただし適用除外あり
結論から示します。2026年6月1日に施行された改正資金決済法により、クロスボーダー収納代行(国境をまたぐ収納代行)は原則として「為替取引」に該当し、資金移動業(送金を業として行うための登録制度)の登録、または銀行免許がなければ営めなくなりました。ただし、改正府令が定める適用除外の類型に当てはまる場合は、登録は不要です。
根拠は、改正後の資金決済法第2条の2第2号です。国内から国外へ、または国外から国内へ資金を移動させる収納代行を、為替取引にあたるものと位置づけています。
二 国内から国外へ向けて資金を移動させ、又は国外から国内へ向けて資金を移動させる行為(当該行為の態様その他の事情を勘案し、利用者の保護に欠けるおそれが少ないものとして内閣府令で定めるものを除く。)
出典:資金決済に関する法律 第2条の2第2号|e-Gov法令検索
条文の末尾にある「内閣府令で定めるものを除く」という部分が、後述する適用除外の根拠です。適用除外は「原則に対する例外」というより、この条文が内閣府令に委ねた除外の枠組みと理解すると、自社の当てはめがしやすくなります。施行日は2026年6月1日で、改正法そのものの公布日は2025年6月13日です。
ここから、そもそもクロスボーダー収納代行とは何か、自社のスキームが該当するか、適用除外にあたるか、登録の要否と期限、という順で具体的に見ていきます。
クロスボーダー収納代行とは|収納代行の基本と「クロスボーダー」の線引き
ここでは、収納代行の基本と、どこからが規制対象の「クロスボーダー」にあたるのかを整理します。今回の改正は、マネーロンダリング対策と利用者保護の観点から、規制の及ばない越境の資金移動をふさぐことを狙いとしています。
収納代行とは、商品やサービスの代金を、売り手(受取人)に代わって買い手(債務者)から集め、売り手に引き渡す業務です。公共料金の支払いやECの代金決済など、国内では広く使われてきました。従来、こうした収納代行は為替取引には当たらないとされ、資金移動業などの登録なしで営めるのが一般的でした。
今回の改正で新たに規制の対象になったのは、この収納代行のうち、資金が国境をまたいで移動する「クロスボーダー」のものです。国内で完結する従来型の収納代行そのものが規制されるようになったわけではありません。
どこからが「クロスボーダー」か(国内同士でも国外口座を経由すれば該当し得る)
「クロスボーダー」にあたるかどうかは、当事者がどこに住んでいるかではなく、資金がどの口座からどの口座へ動くか(口座の所在地)で判断されます。金融庁は、パブリックコメントへの回答のなかで、事務ガイドラインの考え方を次のように示しています。
法第2条の2第2号にいう「国内から国外へ向けて資金を移動させ、又は国外から国内へ向けて資金を移動させる」とは、例えば、国内の銀行口座等から国外の銀行口座等へ向けて資金を移動させ、又は国外の銀行口座等から国内の銀行口座等へ向けて資金を移動させることをいい
出典:コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方(クロスボーダー収納代行)|金融庁
この考え方に照らすと、取引の当事者が国内同士であっても、資金の受け渡しが国外の口座を経由するのであれば、第2号に該当し得ることになります。反対に、非居住者が国内の銀行に開設した口座は「国外の銀行口座等」には含まれない旨も、同じ回答で示されています。
国外に所在する事業者であっても、資金決済法第2条の2に規定する行為が国内で実行されている場合には規制の適用を受ける、という域外適用の考え方も示されています。「委託先が海外の事業者だから規制の外」とは限らない点に注意が必要です。
為替取引に「該当するか」を判断する枠組み(自社スキームの当てはめ)
ここからは、自社のスキームが為替取引に該当するかを見る第一関門の判断要素を整理します。
第2条の2は、債務者などから弁済として資金を受け入れ、それを受取人などに引き渡すことで資金を移動させる行為を対象にしています。ここで押さえておきたいのは、債務者から現金の交付を受け、その現金をそのまま受取人に手渡す行為は、条文上、対象から除かれている点です。資金が口座を介して移動する形が想定されています。
そのうえで、次の2つの要素が該当性の分かれ目になります。
- 資金が国内口座と国外口座の間を移動するか:前述の口座所在地基準で判断します。国内で完結するなら、そもそも第2号(クロスボーダー)の対象にはなりません。
- 債務者などから受け入れた資金を受取人などに引き渡す流れか:代金を集めて相手に渡すという収納代行の実態があるかどうかです。
この2つに当てはまるクロスボーダーの収納代行は、原則として為替取引に該当します。そのうえで、次章の適用除外に当てはまるかを確認する、という順で当てはめていきます(当てはめの全体フローは次章にまとめています)。
個別の取引が該当するかどうかは、複数国にまたがる口座やウォレットを使う場合など、実態に即して実質的に判断されます。金融庁も詳細なケースは一概に回答が難しいとしているため、判断に迷う場合は自己判断で結論づけず、後述の相談先や専門家に確認することをおすすめします。
適用除外にあたるか|改正府令が定める除外類型を自社に当てはめる
読者にとって最も知りたいのは、「原則」の外側にあたる適用除外に自社が入るかどうかではないでしょうか。ここでは、その除外の枠組みと当てはめ方を整理します。
適用除外の根拠は、資金移動業者に関する内閣府令(移動業府令)第1条の3第1項です。第2条の2第2号が委ねた「内閣府令で定めるもの」を、次のように定めています。
第一条の三 法第二条の二第二号に規定する内閣府令で定めるものは、次の各号のいずれかに該当する行為(利用者の保護に欠けるおそれが大きい行為を除く。)とする。
出典:資金移動業者に関する内閣府令 第1条の3第1項|e-Gov法令検索
改正府令が定める適用除外の類型(自社が当てはまるかをチェック)
移動業府令第1条の3第1項は、条文上は第1号から第7号までの7号で構成されています。ただし第5号が本文とイ・ロ・ハに分かれているため、実務上は次の10類型に整理して当てはめるのが分かりやすくなっています。自社のスキームがどれかに当てはまるかを確認してみてください。
| 適用除外にあたる行為(実務上の整理) | 受け入れた資金を、銀行等または資金移動業者が行う為替取引の支払受領として受け入れさせる決済 | 反対給付の前または同時に資金を預かり、給付が行われた後に引き渡すエスクロー型の決済 | 契約の成立に不可欠な関与を行い、契約内容に応じて資金を引き渡す決済(プラットフォーム型など) | 同一グループ企業間での資金の受け渡し(議決権50%超などの支配関係が要件) | 他の法令にもとづいて資金を受け入れ・引き渡す行為 | 登録商標を付した第三者型前払式支払手段などの清算に係る行為 | クレジットカード加盟店(販売業者・役務提供事業者)への決済 | 第三者型前払式支払手段の加盟店への決済 | 第2号・第3号の行為を行う者から委託を受けて行う決済 | 銀行等または資金移動業者から委託を受けて行う決済 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 身近な例(イメージ) | 送金の受け皿が銀行等・資金移動業者で、その為替取引の一部として資金を受ける | 商品の受領・役務の提供が済んでから売り手へ資金を渡す、エスクロー・代金引換型の決済 | 出店者と購入者の売買契約の成立に不可欠な関与をするモール・予約プラットフォーム | 議決権50%超などの支配関係にある親子・グループ会社の間での資金の受け渡し | 他の法令が根拠となって資金を受け入れ・引き渡す行為 | 指定されたブランドのプリペイド手段などの清算 | クレジットカード決済で、加盟店(店舗)へ代金を支払う清算 | プリペイド手段の加盟店へ代金を支払う清算 | エスクロー・プラットフォーム事業者から委託を受けて行う決済 | 銀行・資金移動業者から委託を受けて行う決済 |
| 改正府令の根拠 | 第1号 | 第2号 | 第3号 | 第4号 | 第5号本文 | 第5号イ | 第5号ロ | 第5号ハ | 第6号 | 第7号 |
10類型すべてを詰める必要はありません。越境の収納代行で実務上あてはまるか迷いやすいのは、エスクロー型(第2号)・プラットフォーム型(第3号)・グループ企業間(第4号)の3つです。まずこの3つに自社が入るかを確認すると判断が進みます。
エスクロー型(第2号)は、買い手から資金をいったん預かり、商品の受領や役務の提供という反対給付が済んだ後に売り手へ渡す形が該当します。売り手にすぐ資金を渡す(反対給付の前後で預かりを挟まない)単純な送金は、この型には当たりません。
プラットフォーム型(第3号)は、出店者と購入者の売買契約の成立に不可欠な関与をしたうえで代金を扱う形が該当します。契約の成立に関わらず決済だけを取り次ぐ場合は、この型には該当しにくく、別の除外にあたるかを確認する必要があります。
グループ企業間(第4号)は、議決権50%超などの支配関係にある会社どうしの資金の受け渡しが該当します。資本関係のない取引先との回収は、たとえ継続的な関係でもこの型には当たりません。支配関係の判定は府令の第3項以降に定めがあります。
注意したいのは、これらの除外に一見あてはまる場合でも、「利用者の保護に欠けるおそれが大きい行為」は除外されない点です(移動業府令第1条の3第2項)。たとえば賭博の資金や、新規発行の有価証券・デリバティブ取引の決済などが挙げられており、いわば「除外の除外」にあたります。
除外に該当したと早合点せず、この第2項にあたらないかも合わせて確認してください。各号や第2項の詳しい要件は、記事末尾のリンクから条文・府令の原文を確認できます。
自社は除外に当たるか|当てはめ判断フロー・チェックリスト
ここまでの内容を、自社のスキームに当てはめる順に並べると、次のように確認できます。
- 資金が国内口座と国外口座の間を移動するか(口座所在地基準)。国内で完結するなら、そもそもクロスボーダー(第2号)の対象外です。
- 債務者などから資金を受け入れ、受取人などに引き渡す収納代行の実態があるか(現金の手交だけで完結する形は対象外)。
- 上の適用除外10類型のいずれかに当てはまるか。当てはまれば、原則として登録は不要です。
- ただし「利用者の保護に欠けるおそれが大きい行為」(第2項)に当たらないか。当たる場合は除外されません。
- 除外に当たらなければ、原則として資金移動業の登録(または銀行免許)が必要です。

このフローはあくまで大枠の目安です。除外の各要件は細かく、自社の取引が要件を満たすかは実態に即した判断が必要になります。当てはめに確信が持てない場合は、次章以降で触れる相談先や専門家に確認してください。
登録の要否・期限と未対応のリスク(罰則)
ここでは、登録が必要になった場合の期限(経過措置)と、登録せずに続けた場合のリスクを一続きで確認します。
誰が・いつまでに・どこへ登録するか(経過措置)
改正法には経過措置が設けられています。施行の時点ですでにクロスボーダー収納代行を営んでいる事業者は、施行日から6か月間は登録なしで営むことができます。改正法の附則第二条は次のように定めています。
第二条 この法律の施行の際現にこの法律による改正後の資金決済に関する法律…第二条の二の規定により為替取引に該当するものとされる行為…を業として営んでいる者は、この法律の施行の日から起算して六月間…は、銀行法…第四条第一項及び第四十七条第一項並びに資金決済に関する法律第三十七条の規定にかかわらず、当該行為を業として営むことができる。
出典:資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和7年法律第66号)附則第二条|e-Gov法令検索
施行日は2026年6月1日なので、6か月後は2026年12月1日にあたります。さらに、この6か月の間に資金移動業の登録を申請すれば、その申請に対して登録または拒否の処分が出るまでは、引き続き営むことができます。ただし施行日から2年を経過したときはこの限りではなく、最長でも2年で打ち切られます。
この経過措置の対象は、あくまで「施行の際すでに営んでいる者」です。これから新たに始める事業者は、当初から登録が必要になります。
資金移動業の登録には所定の申請と審査があり、財産的基礎や利用者資金を保全する体制などの要件が求められます。審査には一定の期間がかかるため、対象になりそうなら経過措置の6か月に余裕を持って準備を始めることが大切です。申請の窓口や必要書類など具体的な手続きは、後述の相談先(財務局・FinTechサポートデスク)で確認できます。
登録せず続けた場合のリスク(罰則)
登録も免許もないままクロスボーダー収納代行(為替取引)を続けた場合、無免許で銀行業を営んだものとして罰則の対象になり得ます。為替取引は銀行法上の「銀行業」にあたり(銀行法第2条第2項第2号)、免許を受けた者でなければ営めないためです(同第4条第1項)。
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。一 第四条第一項の規定に違反して、免許を受けないで銀行業を営んだとき。
出典:銀行法 第61条第1号|e-Gov法令検索
前述の経過措置が施行後に停止を解除する対象として、まさにこの銀行法第4条第1項などを挙げていることからも、経過措置の期間を過ぎれば無免許銀行業の規制が及ぶ関係にあることが分かります。
罰則の重さ(3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、併科あり)は条文で確定していますが、個別の事案で実際にどう扱われるか、行政処分(登録取消や業務停止など)との関係がどうなるかにはグレーな部分が残ります。自社が対象になりそうな場合は、自己判断で放置せず、専門家や当局に相談してください。
いま何をすべきか|自社スキームの棚卸しから相談・切り替えまでの実務ステップ
ここでは、規制への対応として踏むべき手順を整理します。順に進めることで、自社が取るべき方針を見極めやすくなります。
- 自社スキームの棚卸し:どの取引で、どの口座(国内・国外)を経由して代金を回収しているかを洗い出しましょう。委託先がある場合は、その回収の流れも含めて確認します。
- 該当性・適用除外の一次判断:本記事の判断フローに沿って、為替取引に該当するか、適用除外にあたるかの当たりをつけましょう。
- 専門家・当局への相談:判断がグレーな場合は、弁護士などの専門家や、後述の相談先に確認してください。
- 対応方針の決定:該当し除外にも当たらないなら、資金移動業の登録を検討するか、あるいは規制対象にならない国内完結型の収納・集金代行への切り替えを検討しましょう。
判断がグレーな段階では、無理に自己完結せず専門家や当局に相談するのが確実です。金融庁の専用窓口は改正法の施行にあわせて終了しており、現在の相談先(財務局・FinTechサポートデスク)は記事末尾の「参考資料と相談先」にまとめています。
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適法性を満たす委託先への切り替えという選択肢
ここからは、規制を踏まえた次の一手として、代金回収の方法を見直す選択肢を紹介します。
これまで国外の口座を経由して代金を回収していた場合、その回収を国内で完結する収納・集金代行に切り替えれば、そもそもクロスボーダー(為替取引)の規制対象になりません。国内完結型の収納代行は、従来どおり資金移動業の登録なしで利用できる範囲にとどまるためです。
ただし、この切り替えが有効なのは、回収を国内で完結する形に組み替えられる場合に限られます。たとえば国内に販売・課金の主体を置ける、国内顧客からの回収を切り出せる、といったケースです。
一方、顧客や取引先が海外にいて資金が国外口座から入ってくる回収そのものは、国内サービスへの切り替えでは解消できません。この場合は資金移動業の登録を検討するか、登録済みの資金移動業者や専門家に委託・相談する方向になります。まず国内で完結できる部分があるかを見極めるのが出発点です。
切り替え先を選ぶ際は、その委託先が適法に営んでいる事業者かどうかも確かめておきたいところです。収納代行業に許認可制度があるのか、違法な業者を見分けるにはどこを見ればよいのかは、次の記事で整理しています。
ここでは、国内完結型の収納・集金代行を、用途の異なる3つのタイプで紹介します。自社の回収がどのタイプに近いかを起点に検討してみてください。
| サービス名 | サブスクペイ | リコーリース 集金代行サービス | 請求まるなげロボ |
|---|---|---|---|
| タイプ(主な用途) | toC継続課金の集金 | 口座振替・コンビニ収納 | BtoB請求代行(与信〜回収) |
| 向いている回収 | 月額会費・定期購入・サブスクなど 個人向けの継続課金 | 会費・月謝などの定期的な口座振替と スポットのコンビニ回収 | 企業間(BtoB)取引の 売掛金回収 |
| 対応する回収方法 | クレジットカード/口座振替 (1,000以上の金融機関)/ コンビニ/銀行振込 など | 口座振替/コンビニ決済 (66,000店舗以上)/ スマホ決済(バーコード払い) | 口座振替/銀行振込 |
| 料金体系 | 初期費用・月額とも要問い合わせ カード決済 2.5%〜+7円/件 口座振替 85円/件(Standard) | 初期費用0円/未使用月は基本料0円 (使った月のみの従量制) 手数料は要問い合わせ | 初期費用は要問い合わせ 月額利用料+手数料1.0%〜 (請求件数に応じ変動) |
| 未回収保証 | × | △法人向けプランで債権保証と一体提供可(2026年6月〜) | ●与信通過した適格債権を100%保証 |
| 特徴 | 継続課金の自動化に強く 累計14,000社以上の導入実績 | 導入費用0円・1件から利用可。 個人事業主も対応し 小口から始めやすい | 与信〜督促まで丸ごと外部化。 売掛金の貸し倒れリスクを 移転したい企業向け |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
※料金・手数料・機能は2026年9月時点の各社公式情報にもとづきます。最新の内容は各社の公式情報をご確認ください。
1. サブスクペイ(株式会社ROBOT PAYMENT)

サブスクペイは、月額会費・定期購入・サブスクリプションといった継続課金の集金に特化した決済・顧客管理プラットフォームです。クレジットカード決済と口座振替を一元管理でき、SaaSや定期通販、教室・スクール、セミナー、コンテンツ配信など、繰り返し発生する代金回収を国内で自動化したい事業者に向いています。
累計導入は14,000社以上にのぼります。エディションはStandard・Professional・インボイスの3種類があり、決済処理に絞った構成から、会員サイト構築やインボイス制度対応の領収書自動発行までをカバーする構成まで選べます。
料金は初期費用・月額とも個別見積りで、クレジットカード決済手数料は2.5%〜、口座振替手数料は1件85円(Standard)です。
2. リコーリース 集金代行サービス(リコーリース株式会社)

口座振替とコンビニ決済を柱に、国内の代金回収を代行するサービスです。取引先データや請求データを登録して請求をかけ、回収結果や手数料を確認できる仕組みで、入金の消込作業の効率化やキャッシュレス化を支援します。オプションには、口座登録を簡略化するペイジー口座振替や請求書発行代行があり、2025年10月には依頼書の記入・提出をペーパーレス化するネット口座振替も提供が始まっています。
特徴として打ち出しているのは、導入のしやすさです。導入費用0円、使わない月は基本料金0円、請求件数1件から利用可能、個人事業主も利用可能といった条件を掲げ、専用のWEBサイトを無償で提供しています。小口の取引にも対応する体制を整えているため、設立直後の小規模な事業者から継続的な集金を国内で始めたい会社まで、幅広く受け皿になります。
国内の口座振替に回収手段を切り替えた場合、集金の実務がどう変わるのか。同サービスを提供するリコーリースの担当者は、独自インタビューで次のように述べています。

効果として分かりやすいのは未収率とサービス継続率の改善です。口座振替では振込手続や現金を持ってくるのを忘れたなどの支払者側の都合に関係なく、口座に残高が入っていれば引落しできるため、一般に回収率が90%を超えている他、サービスの継続率が高くなる傾向があります。
3. 請求まるなげロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

企業間(BtoB)取引の請求業務を丸ごと外部委託できるのが、請求まるなげロボです。与信審査・請求書の発行と送付・代金回収・入金消込・督促までをROBOT PAYMENTが代行し、自社審査で適格債権と判断され、かつ与信を通過した債権については売掛金を100%保証します。海外取引先の回収に不安があり、国内取引の与信から回収までのリスクを外部に移したい事業者に向く選択肢です。
与信審査は取引先の企業名や代表者名などをもとにROBOT PAYMENTが実施し、審査期間は3営業日以内とされています。与信を通過しなかった債権も、同じプラットフォーム上で請求書発行・送付・自動消込を自社管理として利用できます。未入金時の督促は、担当窓口からのメールや電話に加え、弁護士法人での対応まで含まれます。料金は月額利用料と手数料で構成されます。
ここで取り上げた3サービスは一例です。手数料の相場や、口座振替・掛け払いといった回収方法の違いから国内の集金代行を幅広く比べたい場合は、次の記事で選び方とあわせて解説しています。
参考資料と相談先(改正府令・パブコメ回答・金融庁の相談窓口)
自社での判断や社内での共有にあたっては、条文・府令の原文にあたるのが確実です。クロスボーダー収納代行に関わる改正資金決済法・改正府令・金融庁のパブリックコメント回答・関係政令などは、次の資料から確認できます。相談先は、前述のとおり2026年6月1日で専用窓口が終了し、財務局・財務事務所やFinTechサポートデスクに引き継がれています。
出典・参考資料(8件)
- 参考資料:令和7年資金決済法改正に係る政令の公布及びパブリックコメントの結果等について|金融庁(https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20260522/20260522.html)
- 出典:コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方(クロスボーダー収納代行)|金融庁(https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20260522/04.pdf)
- 出典:資金移動業者に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令|金融庁(https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20260522/09.pdf)
- 参考資料:資金決済に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令|金融庁(https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20260522/07.pdf)
- 出典:クロスボーダー収納代行(国境をまたぐ収納代行)に関する相談窓口の終了について|金融庁(https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20260522-3/20260522-3.html)
- 出典:資金決済に関する法律|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/421AC0000000059)
- 出典:資金移動業者に関する内閣府令|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/422M60000002004)
- 出典:銀行法|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/356AC0000000059)
まとめ
2026年6月1日施行の改正資金決済法により、クロスボーダー収納代行は原則として為替取引に該当し、資金移動業の登録または銀行免許がなければ営めなくなりました。該当するかどうかは、資金が国内口座と国外口座の間を移動するか(口座所在地基準)が出発点で、移動業府令が定める適用除外の類型に当てはまるかを合わせて判断します。
すでに営んでいる事業者には施行から6か月の経過措置があり、その間に登録を申請すれば処分が出るまで(最長で施行から2年)継続できます。登録も免許もないまま続ければ、無免許銀行業として罰則の対象になり得ます。判断に迷う場合は自己判断で結論づけず、財務局やFinTechサポートデスク、専門家に相談してください。規制の対象になる越境の回収は、国内で完結する収納・集金代行への切り替えも選択肢になります。
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よくある質問(FAQ)
Q. クロスボーダー収納代行とは何ですか?
A. クロスボーダー収納代行とは、商品やサービスの代金を売り手に代わって買い手から集めて引き渡す収納代行のうち、資金が国境をまたいで(国内口座と国外口座の間で)移動するものです。2026年6月1日に施行された改正資金決済法で新たに規制の対象となり、原則として「為替取引」に該当します。国内で完結する従来型の収納代行は、これまでどおり規制の対象外です。
Q. 自社のスキームがクロスボーダー収納代行に該当するかは、どう判断すればよいですか?
A. クロスボーダー収納代行に該当するかは、当事者の居住地ではなく、資金がどの口座からどの口座へ動くか(口座の所在地)で判断します。国内口座と国外口座の間で資金が移動し、かつ債務者から受け入れた資金を受取人に引き渡す収納代行の実態があれば、原則として為替取引に該当します。
国内の口座だけで完結するなら、そもそもクロスボーダー(資金決済法第2条の2第2号)の対象にはなりません。判断がグレーな場合は自己判断で結論づけず、専門家や当局に相談してください。
Q. クロスボーダー収納代行でも、エスクロー型の決済なら適用除外になりますか?
A. 反対給付の前または同時に資金を預かり、給付が行われた後に引き渡すエスクロー型の決済は、改正府令が定める適用除外の類型(移動業府令第1条の3第1項第2号)に当たり得ます。ただし適用除外は実務上10類型あり、一見当てはまる場合でも「利用者の保護に欠けるおそれが大きい行為」(同条第2項)は除外されません。
自社のスキームが要件を満たすかは実態に即した判断が必要なため、記事末尾のリンクで条文・府令の原文を確認し、判断に迷う場合は専門家に相談してください。
Q. クロスボーダー収納代行の登録は、誰が・いつまでにすればよいですか?
A. 施行時点ですでにクロスボーダー収納代行を営んでいる事業者は、施行日(2026年6月1日)から6か月後の2026年12月1日までは登録なしで営めます。この6か月の間に資金移動業の登録を申請すれば、登録または拒否の処分が出るまで(施行日から最長2年)は引き続き営めます。
一方、これから新たに始める事業者には経過措置がなく、当初から登録が必要です。登録の申請先は資金移動業を所管する当局で、対象になりそうな場合は早めの準備が大切です。
Q. クロスボーダー収納代行を登録せずに続けると、どうなりますか?
A. 登録も銀行免許もないままクロスボーダー収納代行(為替取引)を続けると、無免許で銀行業を営んだものとして罰則の対象になり得ます(銀行法第61条第1号。3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、併科あり)。為替取引は銀行法上の「銀行業」にあたり、免許を受けた者でなければ営めないためです。
個別の事案での実際の扱いや行政処分(登録取消・業務停止など)との関係にはグレーな部分が残るため、対象になりそうな場合は放置せず専門家や当局に相談してください。
Q. 委託先が海外の事業者なら、クロスボーダー収納代行の規制の対象外ですか?
A. 委託先が海外の事業者であっても、規制の対象外とは限りません。金融庁は、国外に所在する事業者でも資金決済法第2条の2に規定する行為が国内で実行されている場合には規制の適用を受ける、という域外適用の考え方を示しています。「海外の業者に委託しているから規制の外」と早合点せず、自社の回収の流れが該当しないかを確認してください。
Q. 国内で完結する収納代行なら、クロスボーダー収納代行の規制の対象になりませんか?
A. 国内の口座だけで資金が移動し国内で完結する収納代行は、クロスボーダー(為替取引)の規制の対象になりません。今回の改正で新たに規制されたのは資金が国境をまたいで移動するものだけで、従来型の国内完結の収納代行は資金移動業の登録なしで利用できる範囲にとどまります。
海外口座を経由していた回収を国内完結型の収納・集金代行に切り替えれば、そもそも規制の対象から外れる点も、対応方針を検討する際の選択肢になります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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