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全銀フォーマットとは?口座振替での役割・作り方・全銀データの仕組みをわかりやすく解説

全銀フォーマットとは

口座振替や振込業務に関わる中で、「全銀フォーマットとは何か?」「全銀データはどのタイミングで必要なのか?」と疑問を持つ経理・請求担当者やシステム担当者の方も多いのではないでしょうか。

銀行から“全銀形式で提出してください”と言われたものの、仕組みや作り方が分からず困るケースは少なくありません。

本記事では、全銀フォーマットとは何かという基礎知識から、全銀データの構造、差し戻しの原因、作り方、自社生成と代行サービスの違いまでを実務目線でわかりやすく解説します。

これから口座振替サービスや全銀対応システムの導入・運用を検討する方が、判断に必要な前提をまとめて掴める内容です。

この記事を読むとわかること
  • 全銀フォーマット・全銀データとは何か
  • 口座振替における全銀フォーマットの役割
  • 全銀データの構造
  • 全銀フォーマットのよくあるエラーと対処法
  • 全銀フォーマットの作り方【自社生成とシステム活用】
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全銀フォーマットとは?

全銀フォーマットとは、全国銀行協会(全銀協)が定めた金融データの標準フォーマットです。正式には「全銀協標準フォーマット」や「全銀協標準通信プロトコルに基づくデータ形式」と呼ばれ、企業と金融機関が振込や口座振替などのデータをやり取りする際に使用されます。

企業が銀行へ送信する振込データや口座振替データは、銀行ごとに独自仕様で作成していては運用が成り立ちません。そのため、全国の金融機関で共通して利用できる統一仕様として整備されたのが全銀フォーマットです。

この標準化により、企業は同一形式のデータ(全銀データ)を作成するだけで、複数の銀行と取引できるようになっています。

参考:一般社団法人全国銀行協会「全銀協パーソナル・コンピュータ用標準通信プロトコル(ベーシック手順)適用業務およびレコード・フォーマット」

参考:全国の信用金庫「全銀ファイル フォーマットとは」

全銀データとは

「全銀データ」とは、全銀フォーマットの仕様に従って作成された実際のデータファイルのことを指します。

つまり、

  • 全銀フォーマット=データ形式のルール
  • 全銀データ=そのルールに基づいて作成されたファイル

という関係です。

実務では「全銀データを提出してください」と言われることが一般的ですが、これは「全銀フォーマットに準拠したデータを提出してください」という意味です。

なぜ全銀フォーマットが必要なのか?

全銀フォーマットが現在も広く利用されている理由は、金融データの正確性と銀行間の互換性を担保するためです。

口座振替や総合振込では、企業が銀行へ送信するデータにわずかな誤りがあっても、処理不能や差し戻しにつながります。金融取引は1件のミスも許されないため、厳密なルールに基づいたデータ形式が必要になります。その役割を担っているのが全銀フォーマットです。

例えば口座振替の場合、銀行へ送信する全銀データには、次のような情報が含まれます。

  • 金融機関コード(4桁)
  • 支店コード(3桁)
  • 預金種目
  • 口座番号
  • 口座名義(半角カナ指定)
  • 引落金額
  • 引落日
  • 依頼者コード

これらを決められた桁数・並び順・文字種(半角・全角)で作成しなければ、銀行側で処理できません。そのため、全銀フォーマットは非常に厳密な桁数・レコード構造で定義されています。

全銀フォーマットが使われる代表的な場面

全銀フォーマットは主に以下の場面で利用されます。

  • 振込データの送信(総合振込)
  • 口座振替データの送信
  • 入出金明細データの受信

本記事では特に「口座振替」に焦点を当て、 全銀フォーマットが実務フローの中でどのように使われるのかを次章で詳しく解説します。

口座振替における全銀フォーマットの役割

口座振替業務において、全銀フォーマットは銀行へ引き落とし依頼を送るためのデータ形式として使われます。

口座振替は、単に「銀行が自動で引き落としてくれる仕組み」ではなく、企業側から事前に“引き落とし指示データ”を送ることで成り立っています。その指示データが、全銀フォーマットで作成された全銀データです。

口座振替の基本フロー

口座振替の流れは、以下のようになります。

  1. 会員・顧客から口座情報を取得
  2. 引き落とし対象データを作成
  3. 全銀フォーマット形式でデータを生成
  4. 銀行へデータ送信
  5. 指定日に引き落とし実行
  6. 結果データ(成功・不能)を受信

この3と4の工程で、全銀フォーマットが使用されます。

口座振替の仕組みについては『口座振替(自動引き落とし)とは?仕組み・メリット・導入方法を完全網羅』でも詳しく解説しています。

全銀データは「引き落とし依頼書」の役割

全銀データは、いわば銀行に提出する「電子版の引き落とし依頼書」です。

データの中には、

  • どの口座から
  • いくらを
  • いつ引き落とすのか

という情報が、決められた形式で記載されています。銀行はその全銀データを読み取り、引落処理を実行します。

結果データ(戻りデータ)も全銀形式

口座振替では、引き落とし結果もデータで返却されます。

  • 正常に引き落とせた
  • 残高不足
  • 口座番号相違
  • 名義不一致

こうした結果も、全銀フォーマットに準拠した形式で返ってきます。

そのため、企業側は、

  • 送信用の全銀データ作成
  • 受信用の結果データ取込

の両方に対応する必要があります。

つまり、全銀フォーマットは企業が銀行へ取引内容を依頼し、その結果を受け取るための標準形式として重要な役割を果たしています

全銀データの構造(レコード構成)

企業が銀行へ送信する全銀データは、単なる一覧表ではありません。決められた順番・桁数・文字種で構成された「固定長ファイル」です

CSVのような可変長形式とは異なり、1項目ごとに文字数が完全に固定されています。そのため、1文字でもズレると銀行側で正しく読み取ることができず、エラーや差し戻しの原因になります

全銀フォーマットでは、データは大きく4種類のレコード(行)で構成されます。

1. ヘッダレコード(ファイル全体の情報)

ヘッダレコードは、ファイルの1行目に配置される「表紙」のような存在です。
ここには、

  • どの種類の取引か(口座振替など)
  • 依頼者コード
  • 依頼者名
  • 処理日
  • 取引銀行情報

といった、ファイル全体に関わる情報が記載されます。銀行はまずこのヘッダレコードを読み込み、「どの企業から、どの種類の処理が来たのか」を判断します。

2. データレコード(引き落としの明細)

データレコードは、実際に引き落としを行う対象ごとの情報です。例えば、月謝を100人分引き落とす場合、100行分のデータレコードが作成されます。

各レコードには、以下のような情報が固定長で並びます。

  • 金融機関コード(4桁)
  • 支店コード(3桁)
  • 預金種目
  • 口座番号
  • 口座名義(半角カナ)
  • 引き落とし金額

ここで重要なのは、「桁数を守ること」であることです。たとえば金額が10桁指定であれば、「10000円」は「0000010000」のようにゼロ埋めして作成します。

3.トレーラレコード(集計情報)

トレーラレコードは、データ全体の合計情報を記載する行です。

ここには、

  • 引き落とし件数の合計
  • 引き落とし金額の合計

が記載されます。

銀行側は、この合計値とデータレコードの内容を照合し、整合性チェックを行います。もし合計金額が一致しない場合、データ全体が差し戻されることもあります。
そのため、トレーラレコードは単なる補足情報ではなく、非常に重要なチェック機能を担っています。

4. エンドレコード(ファイル終了の印)

最後に配置されるのがエンドレコードです。

これは「このファイルはここで終わりです」という終了マークの役割を持ちます。形式上必須とされており、これが欠けていると銀行側で正しく処理できません。

※全銀フォーマットが厳密な固定長データとなっているのは、金融データである以上、解釈の揺れを許容できないためです。小さなミスでも、銀行システムでは読み取りエラーになります。

全銀フォーマットのよくあるエラー原因と対処法

全銀データの構造を理解したうえで、ここでは、実務でよくあるエラー原因とその対処法を整理します。

桁数エラー(固定長違反)

最も多いのが、桁数の不足・超過です。

  • 金額が指定桁数に満たない
  • 口座番号が1桁足りない
  • 不要なスペースが入っている

全銀データは固定長ファイルのため、1文字でもズレると読み取れません。

対処法

  • ゼロ埋めの確認
  • 出力後の文字数チェック
  • テキストエディタでの桁確認

Excel表示だけで判断せず、実際のテキストファイルを確認することが重要です。

半角・全角の混在

全銀フォーマットでは、文字種が厳密に指定されています。

  • 数字は半角
  • カナは半角カナ
  • 全角スペース不可

特に口座名義の全角・半角混在は、よくある差し戻し原因です。

対処法

  • 半角変換の徹底
  • システム側で文字種制御
  • 事前バリデーションチェック

金融機関コード・支店コード誤り

金融機関コード(4桁)や支店コード(3桁)が誤っている場合も処理できません。統廃合や支店変更によるコード更新漏れも原因になります。

対処法

  • 最新の金融機関コード一覧を使用
  • マスタ管理の徹底
  • 自動チェック機能の活用

トレーラレコードの合計不一致

トレーラレコードに記載された件数・金額合計が、データレコードと一致しない場合、データ全体が差し戻されます。

Excelで手集計している場合、計算範囲のズレが原因になることもあります。

対処法

  • 自動集計ロジックの確認
  • ダブルチェック体制
  • テスト送信の実施

口座振替不能(引落結果エラー)

データ自体は問題なくても、実行日に引き落としができないケースもあります。
代表例は以下の通りです。

  • 残高不足
  • 口座番号相違
  • 名義不一致
  • 口座解約

これは「フォーマットエラー」ではなく、「実行結果エラー」です。

対処法

  • 再振替対応
  • 顧客への連絡フロー整備
  • エラーコードの理解

なぜ差し戻し対策が重要なのか?

差し戻しが発生すると、

  • 再作成・再送信の手間
  • 引落日の遅延
  • キャッシュフローへの影響
  • 顧客対応コスト増加

といった実務負担が発生します。そのため、全銀フォーマットは単に「作れる」ことよりも、安定してエラーなく運用できることが重要です。

全銀フォーマットの作り方(自社作成とシステム活用)

全銀フォーマットの作り方は、大きく分けて次の3パターンがあります。

全銀フォーマットの作り方
  1. Excelなどで自社作成する
  2. 基幹・請求システムで自動生成する
  3. 口座振替代行サービスを利用する

それぞれ、必要な体制やリスク、適した企業規模が異なります。

Excelで全銀データを作成する方法

結論から言えば、理論上は可能ですが、実務では注意が必要です。

Excelで顧客データを管理し、関数やマクロを使って桁数を揃え、固定長形式のテキストファイルとして出力する方法があります。

しかし、全銀フォーマットには次のような厳密なルールがあります。

  • 桁数は完全固定(1桁のズレも不可)
  • 半角・全角の指定
  • 金額はゼロ埋め
  • 改行コードや文字コードの指定

Excel上では正しく見えても、出力したテキストファイルで桁がズレていることは珍しくありません。件数が少ない場合は運用可能ですが、毎月数百件以上の処理を行う場合はリスクが高くなります。

全銀対応システムで自動生成する方法

「全銀対応システム」とは、全銀形式のデータ生成および結果データ取込に対応したシステムを指します。例えば、多くの企業では、請求管理システムや会費徴収システムから全銀フォーマットのデータを自動出力しています。

この方法のメリットは、

  • 桁数や文字種が自動制御される
  • 人的ミスが減る
  • 戻りデータの自動取込が可能
  • 継続運用に強い

という点です。

振込や口座振替を継続的に依頼する場合は、システム化が現実的な選択肢になります。

口座振替代行サービスを利用する方法

もう一つの方法が、口座振替代行サービスを活用する方法です。

この場合、企業側が直接全銀データを作成するのではなく、サービス提供会社が全銀フォーマットで銀行と連携します。

例えば、リコーリースの集金代行サービスでは、全銀フォーマットでのデータ連携に対応しており、企業側のシステムと銀行間の橋渡しを行います。

この方法のメリットは、

  • 全銀フォーマットの専門知識が不要
  • 差し戻し対応の負担が軽減される
  • システム開発が不要

一方で、手数料や運用フローは事前に確認する必要があります。

口座振替代行サービスの機能や直接金融機関と契約する方法との違いは『口座振替代行サービスおすすめ10選を比較|各種手数料・機能や導入方法も徹底解説』をご覧ください。

自社作成と代行、どちらを選ぶべきか?

自社で全銀フォーマットを作成する場合、単にデータを生成するだけではありません。

銀行と口座振替契約を締結し、法人インターネットバンキングやEBサービスなどを通じて全銀データを直接送信し、結果データ(戻りデータ)も自社で受信・取り込む体制が必要になります。

つまり、自社生成型とは「銀行と直接データ連携する運用」を前提とした方法です。

一方、口座振替代行サービスを利用する場合は、全銀フォーマットでの銀行連携を代行会社が担います。企業側は請求データの管理に専念できるため、全銀フォーマットの仕様を深く理解していなくても運用可能です。

判断基準としては、次のような観点が重要になります。

  • 月間処理件数(大量処理かどうか)
  • 社内にシステム・IT人材がいるか
  • 銀行との直接契約を前提とするか
  • 差し戻し対応を自社で管理できるか

件数が多く、基幹システムを内製している企業であれば自社生成型が適しています。一方、体制をシンプルに保ちたい場合や、専門知識を持つ人材が限られている場合は、口座振替代行サービスを活用して「請求業務に集中できる状態」をつくる方が現実的です。

特に、銀行とのデータ連携や戻りデータの取り込み、差し戻し対応まで含めて運用負荷が膨らみやすい点を考えると、代行サービスを選ぶ価値は十分にあります。

その選択肢の一つが、リコーリースの集金代行サービスです。管理画面「コレクト!」では、回収結果データを「リコーリース指定レイアウト」または「全銀フォーマット」でデータ連携が可能で、入金消込や社内システム連携まで含めて運用設計を組みやすいのがポイントです。(参考:集金代行システム専用Webサイト「コレクト!」

リコーリース

全銀フォーマットの細かな仕様に振り回されるよりも、まずは「どこまで代行できて、社内の手作業がどれだけ減るのか」を資料で確認してみてください。自社の回収フローに当てはめたときのイメージが一気に具体化し、導入判断がしやすくなります。

よくある質問

Q1. 全銀フォーマットとは簡単に言うと何ですか?

A.全銀フォーマットとは、企業と銀行が振込や口座振替のデータをやり取りするための「統一された標準データ形式」です。全国銀行協会(全銀協)が定めた仕様で、金融機関間の互換性と正確性を確保するために使われています。

口座振替や総合振込の際、銀行へ提出するデータはこの全銀フォーマットに従って作成する必要があります。

Q2. 全銀フォーマットと全銀データの違いは何ですか?

A.全銀フォーマットは「ルール」、全銀データは「そのルールに基づいて作成されたファイル」です。

実務では「全銀データを提出してください」と言われることが多いですが、意味としては「全銀フォーマットに準拠したデータを提出してください」ということになります。

Q3. 全銀フォーマットは今でも使われていますか?

A.はい、現在も広く使われています。特に口座振替や総合振込では、全銀フォーマットによるデータ連携が標準的な方法です。

銀行APIの普及も進んでいますが、多くの企業では今なお全銀フォーマットによるデータ送受信が運用されています。

Q4. 全銀フォーマットはExcelで作成できますか?

A.理論上は可能ですが、実務では注意が必要です。全銀フォーマットは固定長・桁数厳守・文字種指定など厳密な仕様があるため、Excelでの手作業運用はエラーや差し戻しの原因になりやすいです。

件数が少ない場合を除き、全銀対応システムや代行サービスの利用が現実的です。

Q5. 全銀フォーマットに対応するには銀行との契約が必要ですか?

A.自社で全銀データを直接送信する場合は、銀行との口座振替契約や法人向けEBサービスの利用契約が必要になります。

一方、口座振替代行サービスを利用する場合は、銀行との全銀データ連携は代行会社が担うため、企業側の負担は軽減されます。

Q6. 全銀フォーマットで差し戻しが起きる主な原因は?

A.主な原因は、桁数エラー、半角・全角の混在、金融機関コードの誤り、トレーラレコードの合計不一致などです。

差し戻しを防ぐには、事前のバリデーションチェックやテスト送信の実施、システムによる自動制御が重要です。

まとめ|全銀フォーマットは「理解」と「運用判断」が鍵

全銀フォーマットとは、全国銀行協会が定めた金融データの標準形式であり、口座振替や総合振込などのデータ連携において現在も広く利用されている仕組みです。

「全銀フォーマットとは何か」「全銀データとは何か」という基礎理解に加え、実務では以下のポイントが重要になります。

  • 全銀データは固定長・厳密な桁数ルールで構成される
  • 送信だけでなく、戻りデータの受信・取込も必要
  • 自社生成する場合は銀行と直接データ連携する運用が前提
  • 差し戻しを防ぐにはシステム化や事前チェックが重要

特に、自社で全銀フォーマットを扱う場合は、銀行との契約やデータ送受信を含めた運用を前提に検討する必要があります。一方で、口座振替代行サービスを利用すれば、全銀形式での銀行連携を外部に委ねるという選択肢もあります。

繰り返しにはなりますが、重要なのは「全銀フォーマットを作れるかどうか」ではなく、自社にとって無理のない方法で安定運用できるかどうかを見極めることです。

本記事で解説した仕組みと実務上のポイントを踏まえ、自社の処理件数や体制に合った方法を検討してみてください。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修者は記事の内容について監修しています。

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