給与計算や社会保険の手続きを一人で担ってきた担当者が抜けると、毎月の実務が一気に立ち行かなくなります。こうした人事労務の事務を、企業に代わって外部の専門会社や社会保険労務士(社労士)に任せる方法が「労務代行」です。
もっとも、労務代行で何をどこまで任せられるのか、社労士とは何が違うのか、料金はいくらかかるのかは、調べ始めると意外とつかみにくい部分です。特に「社会保険の手続きは資格がないと頼めない」といった線引きは、専門用語も多く、どこまで任せられるのか判断に迷いやすい部分です。
この記事では、労務代行に外注できる業務と社労士でないと頼めない独占業務の線引き、業務別・従業員規模別の料金相場、依頼先タイプの違いと選び方までを整理します。自社のどの業務を、どこに、いくらで任せられそうかを判断する材料としてご活用ください。
目次
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労務代行とは?
労務代行とは、給与計算や社会保険の手続きといった人事労務の事務を、企業に代わって外部の専門会社や社会保険労務士(社労士)が担うサービスです。ここでいう労務とは、従業員の給与・勤怠・社会保険など「人に関する事務」の総称を指します。
労務代行は、こうした人事労務の業務を外部に任せる仕組み(BPO)の一つで、月々の定型業務から入退社に伴う手続きまでを引き受けます。任せる範囲は「給与計算だけ」から「労務全般をまるごと」まで幅があり、自社の状況に応じて選べます。
労務代行に外注できる業務一覧
ここからは、自社の実務が労務代行の対象になるのかを、業務名から逆引きできる形で整理します。ポイントは、給与計算や勤怠集計のように誰でも代行できる業務と、社会保険の手続きのように社労士でないと引き受けられない独占業務が混在している点です。まず、その線引きを大づかみに整理すると次のとおりです。

| 給与計算・賞与計算 | 勤怠データの集計 | 年末調整 | 入退社手続き | 社会保険の手続き(資格取得・喪失届、算定基礎届など) | 労働保険の手続き(年度更新など) | 就業規則の作成・届出 | 労務相談・指導 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 無資格の労務代行会社に頼めるか | 頼める | 頼める | 頼める(計算・書類準備) | 一部頼める | 単独では頼めない | 単独では頼めない | 単独では頼めない | 頼める |
| 根拠・補足 | 社労士の独占業務ではなく、無資格の代行会社でも受託できます | データの入力・集計そのものは資格を問いません | 所得税に関する手続きで、計算・書類回収・入力は代行できます。給与計算とあわせて委託するのが一般的です | 雇用契約書の準備や社内事務は代行できますが、社会保険・雇用保険の資格取得・喪失届の作成や提出代行は独占業務にあたります | 社労士の独占業務。社労士が在籍・提携する代行会社であれば委託できます | 同じく社労士の独占業務です | 作成は帳簿書類の作成(第2号)、届出は提出代行(第1号の2)として、いずれも社労士の独占業務にあたります | 相談・指導は独占業務ではなく、代行会社・社労士のいずれも対応できます |
社会保険の手続きが独占業務側に入るのは、資格取得届・資格喪失届・算定基礎届・賞与支払届などが、いずれも行政機関(日本年金機構など)へ提出する届出書類だからです。年末調整は所得税に関する手続きで、国税庁が毎年その手順を公表しています。それぞれの正式な位置づけは、次の公的な資料で確認できます。
依頼先タイプの違いと独占業務の線引き
労務代行の依頼先は、大きく社会保険労務士(社労士)と、無資格でも運営できる労務代行会社・BPOに分かれます。両者の決定的な違いは、社会保険や労働保険の手続きを単独で引き受けられるかどうかにあります。ここでは、その線引きを法律の条文で確かめます。
社会保険労務士(社労士)に任せられる業務
社労士の業務は、社会保険労務士法(昭和43年法律第89号、以下「社労士法」)第2条第1項に定められています。このうち、申請書等の作成(第1号)、その提出代行(第1号の2)、就業規則などの帳簿書類の作成(第2号)が、社労士だけが業として行える独占業務です。相談・指導(第3号)は独占業務ではありません。
第二条 社会保険労務士は、次の各号に掲げる事務を行うことを業とする。
出典:社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二条第一項|e-Gov法令検索
- 一 別表第一に掲げる労働及び社会保険に関する法令(以下「労働社会保険諸法令」という。)に基づいて申請書等(行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書、審査請求書、再審査請求書その他の書類…をいう。以下同じ。)を作成すること。
- 一の二 申請書等について、その提出に関する手続を代わつてすること。
- 二 労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類(その作成に代えて電磁的記録を作成する場合における当該電磁的記録を含み、申請書等を除く。)を作成すること。
- 三 事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること…。
このように、社会保険・労働保険の届出書類を作って行政機関に提出する一連の手続きと、就業規則の作成は、社労士に任せられる範囲です。給与計算や勤怠集計は、この列挙に含まれないため独占業務ではありません。
労務代行会社・BPOに任せられる業務
社労士の資格を持たない労務代行会社やBPO事業者は、社労士法第27条により、報酬を得て独占業務を業として行うことが禁じられています。禁止の対象は、第2条第1項第1号から第2号までの事務、すなわち申請書等の作成・提出代行・帳簿書類の作成です。
(業務の制限)第二十七条 社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第二条第一項第一号から第二号までに掲げる事務を業として行つてはならない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び政令で定める業務に付随して行う場合は、この限りでない。
出典:社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二十七条|e-Gov法令検索
この条文から分かるのは、無資格の代行会社に頼めるのは給与計算・賞与計算・勤怠集計・年末調整の実務や、労務相談への対応までだということです。社会保険・労働保険の手続きまで任せたい場合は、社労士が在籍している会社か、社労士と提携している会社を選ぶ必要があります。多くの労務代行会社は、給与計算や勤怠管理は自社で行い、独占業務にあたる手続きは提携する社労士が担う体制をとっています。
総合型・専門特化型・社労士事務所系の対比
労務代行の提供元は、担える範囲によって大きく3つに分けられます。社会保険・労働保険の手続きまで一つの窓口で完結させたいか、給与計算に絞って安く任せたいか、労務全般をまとめて外に出したいかで、向いているタイプが変わります。
| 特徴 | 社会保険・労働保険の手続き(独占業務) | 給与計算・勤怠・年末調整 | 向いている企業 | |
|---|---|---|---|---|
| 社労士事務所・社労士法人 | 社労士が契約主体で、社会保険・労働保険の手続きまで自法人で対応します。 | 自法人で対応 | 対応(社労士事務所により範囲は異なる) | 社会保険・労働保険の手続きまで一体で任せたい企業 |
| 総合型(労務・バックオフィス代行) | 給与計算から入退社・勤怠まで労務全般を幅広く受託します。手続きは社労士の在籍・提携で対応します。 | 社労士の在籍・提携があれば対応 | 対応 | 労務全般をまとめて外部に委ねたい企業 |
| 専門特化型(給与計算代行) | 給与計算・賞与計算・年末調整など特定業務に絞って受託します。 | 提携社労士が対応、または対象外 | 対応(中心業務) | まず給与計算だけ切り出してコストを抑えたい企業 |
社会保険・労働保険の手続きそのものを外部に任せたい場合は、依頼先が社労士(在籍・提携)に限られるぶん、費用の考え方や選び方の勘所も給与計算だけを任せる場合とは変わってきます。手続き代行に絞った費用相場と依頼先の選び方は、次の記事で詳しく解説しています。
労務代行の料金相場
ここからは、労務代行の料金を「委託する業務」と「従業員規模」の掛け合わせで整理します。料金はこの2つ(委託範囲と従業員規模)で決まるため、まず「何を、何名分、任せるか」を決めると見積もりの当たりを付けやすくなります。次の表は、業務別に従業員規模帯ごとの月額レンジをまとめた目安です。
| 給与計算のみ | 給与計算+勤怠集計(勤怠締め) | フル委託(給与・勤怠・入退社・社保連携・年末調整補助) | 社会保険手続きのみ(社労士の独占業務) | 年末調整のみ(スポット) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 従業員〜10名 | 月1万〜4万円 | 月4万円台〜(実働課金のチケット制が中心) | 要見積もり(少人数は社労士顧問+時間制が割安な場合も) | 要見積もり(社労士顧問で月3万円前後の例) | 要見積もり |
| 従業員10〜50名 | 月4万〜6万円 | 月7万〜9万円程度 | 月10万〜20万円 | 要見積もり | 要見積もり |
| 従業員50名〜 | 月6万円〜 | 月9万円〜 | 月16万〜20万円程度 | 要見積もり | 要見積もり |
上記は、各社公式サイトが公開する料金にもとづく2026年9月時点の目安です。社会保険手続きを含む委託や社労士事務所系は金額を公開していない依頼先が多く、これらは「要見積もり」と表記しています。単一のサービス価格ではなく幅(レンジ)として捉え、正確な費用は委託範囲と従業員数を伝えて見積もりを取るのが確実です。
月額とは別に、初期費用がかかる会社もあります。導入時のシステム設定や業務フローの整理にかかる費用として、数万円から数十万円程度が設定されることが多く、無料の会社もあります。契約前に初期費用の有無と内訳を確認し、月額と合わせて予算を見込んでおくと安心です。
同じ業務でも、委託人数が増えるほど月額は上がる傾向があります。少人数で社会保険の手続きまで任せたい場合は、代行会社よりも社労士の顧問契約や時間制のサービスのほうが割安になることもあり、規模と委託範囲の組み合わせで最適な依頼先は変わってきます。
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労務代行を利用するメリット
労務代行を導入すると、担当者が抱えていた事務負担を外に出せるだけでなく、業務の安定性や正確性の面でも効果が見込めます。ここでは、実務の文脈にそって主なメリットを見ていきます。
コア業務に集中できる
給与計算や社会保険の手続きは、毎月・毎年決まったタイミングで発生し、締め切りのある定型業務です。これらを外部に任せることで、経営者や管理部門は採用・事業拡大・資金繰りといった、自社でしか判断できない業務に時間を割けるようになります。
属人化と担当者退職のリスクを解消できる
労務の実務が特定の担当者に集中していると、その人が退職・休職した途端に業務が止まります。チーム体制で受託する労務代行を使えば、担当者が交代しても手順書に沿って業務が継続し、引き継ぎのために新たに人を採用・教育する負担も抑えられます。担当者が抜けても給与の締めが崩れない体制をつくれる点は、少人数の企業ほど効果が大きくなります。
法改正や社会保険料率の変更に正確に対応できる
社会保険料率や税制、労働関連の法令は、ほぼ毎年のように見直されます。年末調整の手順も国税庁が毎年更新しており、自社だけで最新の実務を追い続けるのは負担が重い作業です。専門会社や社労士に任せれば、こうした変更を反映した処理を継続的に受けられ、計算ミスや届出漏れを防ぎやすくなります。
チェック体制で業務品質が安定する
一人で処理していた業務は、確認する人がいないぶん誤りが見過ごされやすくなります。複数人でのダブルチェックを前提とする代行会社に委託すれば、給与や社会保険の計算誤りを早い段階で発見でき、従業員への支給や行政への届出の正確性を保ちやすくなります。
労務代行のデメリットと見落としがちな注意点
メリットの一方で、外部に任せることで生じる注意点もあります。導入してから後悔しないよう、リスクと基本的な対策をあらかじめ押さえておきましょう。
社内にノウハウが蓄積されにくい
業務を丸ごと外に出すと、労務実務の知識や判断の勘所が社内に残りにくくなります。将来的に内製へ戻す可能性があるなら、委託後も自社で処理の流れを把握できる状態にしておくと安心です。運用ルールや手順を共有してくれる会社を選ぶと、この不安は和らぎます。
情報漏えいのリスクと基本的な対策
労務代行では、従業員の氏名・給与・マイナンバー・口座情報といった機微な個人情報を外部とやり取りします。委託先の管理体制が甘いと、これらが漏えいするリスクを抱えることになります。
基本的な対策は、契約時に秘密保持契約を結び、データの受け渡し方法や保管ルールを明文化しておくことです。あわせて、委託先が個人情報保護の第三者認証(プライバシーマーク・ISMSなど)を取得しているかどうかも、安全性を判断する目安になります。どの認証を、どう確認すればよいかは、次章の選び方で具体的に扱います。
引き継ぎと対応範囲を事前に確認する
委託の立ち上げには、現状の業務を洗い出して委託先に共有する引き継ぎ作業が発生します。ここを曖昧にしたまま始めると、「思っていた業務が範囲外だった」という食い違いが起きがちです。契約前に、どの業務が料金に含まれ、どこからがオプションや対象外なのかを具体的に確認しておくことが、後のトラブルを防ぎます。
労務代行会社の選び方
ここからは、候補を絞り込むために確認したい観点を紹介します。特定のサービスに寄せず、自社の実務・規模に引き付けて判断できる問いとして整理しました。
任せたい業務をカバーしているか
最初に確認すべきは、自社が外に出したい業務と、その会社が受託できる範囲が一致しているかです。給与計算だけを切り出したいのか、入退社や年末調整まで含めて任せたいのかで、適した会社は変わります。委託したい業務を先に書き出しておくと、各社の対応範囲と突き合わせやすくなります。
社労士の資格・提携があり、独占業務まで任せられるか
社会保険・労働保険の手続きまで委託したい場合、その会社に社労士が在籍しているか、社労士と提携しているかが分かれ目になります。給与計算だけを任せるなら無資格の代行会社でも問題ありませんが、手続きの提出代行まで求めるなら、独占業務を担える体制があるかを必ず確認することが重要です。手続きを自社で行う前提のサービスもあるため、どこまでを代行してもらえるのかを具体的に聞くと確実です。
既存の勤怠・給与システムに対応しているか
すでに勤怠管理や給与計算のクラウドを使っている場合、そのシステムをそのまま活かせるかで移行の手間が大きく変わります。自社が使っているツールとの連携実績があれば、データの受け渡しがスムーズになり、乗り換えのコストを抑えられます。特定のクラウドを前提とする会社もあるため、現行システムを継続できるかを事前に確認しておきましょう。
料金体系が自社の委託範囲に見合うか
料金は委託範囲と従業員規模で決まるため、前章の相場を踏まえて、自社の条件での見積もりを取ることが確認の起点になります。月額固定なのか、実働時間に応じたチケット制なのか、従業員数の増減で費用がどう変わるのかは、会社によって考え方が異なります。繁忙期に業務量が増える年末調整や賞与計算が別料金になるかも、あわせて確認しておくと予算のブレを防げます。
情報共有の方法や頻度が自社の運用に合うか
委託後は、勤怠や給与のデータをやり取りし、処理結果を確認するコミュニケーションが毎月発生します。連絡手段がメールなのかチャットなのか、確認や質問への返答がどのくらいのスピードで返ってくるかは、日々の運用しやすさを左右します。自社の業務ペースに合った連絡体制かを、導入前のやり取りで見極めておきましょう。
情報を安全に扱う体制が確認できるか
個人情報を預ける以上、委託先の安全管理体制は具体的に確認したい観点です。判断材料としては、プライバシーマークやISMS(ISO/IEC 27001)、社労士事務所向けの情報セキュリティ認証であるSRPⅡといった認証を取得しているかが挙げられます。あわせて、データの保管場所やアクセス権限の管理、業務を別の事業者に再委託する場合の範囲まで確認できると、漏えいリスクを抑えた委託先を選びやすくなります。
労務代行の依頼から利用開始までの流れ
担当者が抜ける前に穴埋めしたい場合、依頼から稼働までにどれくらいかかるかは気になるところです。ここでは、一般的な導入の段取りと準備期間の目安を紹介します。
まず、現状の業務を洗い出し、どの業務をどこまで委託するかの範囲を整理します。次に、対応範囲や料金をもとに複数のサービスを比較し、見積もりを取って依頼先を決めるのが一般的です。契約後は、勤怠や給与のデータ、就業規則などの情報を委託先に共有し、業務の引き継ぎとテスト運用を行う流れが一般的です。その後、問題がなければ本稼働に移り、稼働開始後も定期的に運用を見直していきます。

準備期間は委託範囲や従業員規模によって幅があり、一般的には1〜3か月程度を見込むケースが多く見られます。引き継ぎ資料が整っている場合は、より短い期間で稼働を開始できるサービスもあります。担当者の退職が決まっている場合は、早めに相談して引き継ぎの時間を確保しておくと安心です。
労務を任せられるサービスを比較して探す
ここからは、労務や給与計算を任せられる具体的なサービスを紹介します。対応業務や料金の考え方、社労士との連携の仕方はサービスごとに異なるため、まずは比較表で全体像をつかんでください。
| サービス名 | Wheat Accounting | アクタス | Remoba労務 | Chatwork労務アシスタント |
|---|---|---|---|---|
| 依頼先タイプ | 総合型(経理・給与計算代行) | 社労士法人(給与計算特化型) | 総合型(労務BPO) | 総合型(労務BPO) |
| 対応できる労務業務 | 給与計算・賞与計算 年末調整(オプション) ※記帳など経理業務が中心 | 給与計算・賞与計算 社会保険手続き 年末調整 | 入退社手続き・勤怠集計 給与計算・賞与計算 年末調整補助 | 給与計算・勤怠締め 入退社手続き 年末調整補助・問い合わせ対応 |
| 社会保険手続き | △提携社労士が対応 | ●社労士法人が対応 | △顧問社労士との連絡を代行 | △顧問社労士が対応・連携を代行 |
| 料金の目安 | 月3万円台〜 (初年度キャンペーン価格・経理込み) | 要見積もり | 月18万〜20万円 (月30時間対応) | 月3.8万円〜 (チケット制) |
| 特徴 | 記帳など経理を軸に給与計算までまとめたい企業向け。社会保険・労務の専門手続きは提携社労士が対応 | 社労士法人が契約主体で手続きまで一つの窓口で完結。ISO27001・プライバシーマーク取得 | 月30時間のチーム体制で労務全般を代行。主要な労務クラウドに幅広く対応 | Chatwork上で労務全般を一括代行。繰越可のチケット制。ISO27001/27701取得 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
ここで取り上げたのは、労務までまとめて任せられる代表的なサービスです。給与計算を軸に、より多くの選択肢を業務範囲・料金体系・従業員規模別の選び方まで含めて広く比較したい場合は、次の記事で34のサービスを整理しています。依頼先を具体的に検討する段階の方は、あわせてご覧ください。
給与計算アウトソーシングおすすめ34選を比較|業務範囲・料金体系・規模別の選び方
毎月の給与計算や賞与計算、年末調整、社会保険の手続きに、特定の担当者が追われていないでしょうか。社会保険料率や税制は毎年のように改正され、その都度の確認作業まで含めると、経理や人事、総務の少人数体制では業務が属人化しやすくなります。担当者が…
それぞれのサービスの特徴を、順に見ていきます。任せたい業務と、社会保険の手続きまで含めるかどうかを軸に読み比べると、自社に合う依頼先を絞り込みやすくなります。
1. Wheat Accounting(株式会社Wheat)

Wheat Accountingは、株式会社Wheatが提供する経理アウトソーシングサービスで、記帳や月次決算に加えて給与計算までを自社で担います。経理と労務の実務をあわせて外に出したいスタートアップ・中小企業に向く選択肢です。
特徴は、クラウド会計の導入や業務プロセスの設計から、その後の継続運用までを一体で引き受ける点です。給与計算はWheat自身が行い、社会保険・労働保険の手続きといった専門領域は提携する社労士が担当します。独占業務まで自社完結する労務専業のサービスとは対応範囲が異なります。料金はスモールプランで月額3万円台(初年度キャンペーン価格)からで、実際の金額は業務量と納期に応じて決まります。
したがって、記帳など経理業務が中心で、そこに給与計算もまとめて任せたい企業に向く選択肢です。一方、社会保険手続きや入退社まで含めた労務全般を任せたい場合は、社労士法人のアクタスや、労務BPOのRemoba労務・Chatwork労務アシスタントが中心的な候補になります。
給与計算をどこまで効率化できるのか、同社は具体的な事例を挙げています。

業務効率化の事例としては、従業員100名規模のお客様で、Excelを用いた手作業で、完了までに1週間を要していた給与計算業務の事例です。システムの最適化と人員配置の再設計を徹底した結果、2〜3日での完了を実現。コスト・工数ともに50%以上削減に繋がりました。
2. アクタス(アクタス社会保険労務士法人)

アクタスは、アクタス社会保険労務士法人が運営する給与計算アウトソーシングです。社労士法人が契約主体となるため、給与計算だけでなく社会保険・労働保険の手続きの代理まで、一つの窓口で任せられる点が一般の代行会社との違いになります。
給与計算のみ・社会保険手続きのみといった業務単位での部分委託にも対応し、導入時にはグループのITコンサルティング会社が伴走します。情報セキュリティ面ではISO/IEC 27001とプライバシーマークを取得しています。料金は公開されておらず、委託範囲を伝えて個別に見積もりを取る形です。
3. Remoba労務(株式会社Enigol)

株式会社EnigolのRemoba労務は、月30時間単位のチーム体制で労務業務を代行するサービスです。入退社手続き・勤怠データの集計・月次給与計算・賞与計算・年末調整の補助までをまとめて任せられます。
既存の顧問社労士との契約を変える必要はなく、社労士とのやり取り自体をRemoba側が代行する運用面の補完という立ち位置です。freee人事労務・SmartHR・マネーフォワード クラウド給与・KING OF TIMEなど主要な労務クラウドに幅広く対応します。料金は月30時間対応で月額18万〜20万円で、土日・深夜対応はオプションで追加できます。
4. Chatwork労務アシスタント(株式会社kubellパートナー)

労務業務のやり取りをChatwork上で完結できるのが、株式会社kubellパートナーのChatwork労務アシスタントです。給与計算・勤怠締めから入退社手続き、年末調整の補助、従業員からの問い合わせ対応まで、労務全般を一括で代行します。
社会保険の独占業務は顧問社労士が担当し、その連絡・連携をChatwork上で一元化する設計です。契約期間を選べるチケット制で、月額3.8万円から利用でき、余った稼働時間は翌月へ繰り越せます。情報セキュリティはISO/IEC 27001・27701を取得しています(同社は「タクシタ労務」の名称でも同内容のサービスを案内しています)。
まとめ
労務代行とは、給与計算や社会保険の手続きといった人事労務の事務を、外部の専門会社や社労士に任せるサービスです。給与計算・勤怠集計・年末調整は無資格の代行会社にも頼めますが、社会保険・労働保険の手続きや就業規則の作成は社労士の独占業務にあたり、社労士の在籍・提携がある依頼先を選ぶ必要があります。
料金は委託範囲と従業員規模で決まるため、まず任せたい業務を整理し、対応範囲・システム連携・情報管理体制を確認した上で見積もりを取るのが、失敗しない進め方です。自社のどの業務を、どこに、いくらで任せるかの当たりを付けたら、候補となるサービスの資料を取り寄せて具体的に比較検討を進めてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 労務代行とは何ですか?
A. 労務代行とは、給与計算や社会保険の手続きなど人事労務の事務を、企業に代わって外部の専門会社や社会保険労務士(社労士)が代行するサービスです。給与計算だけの部分委託から、入退社・勤怠・年末調整を含む労務全般のフル委託まで、任せる範囲を自社の状況に合わせて選べます。
Q. 労務代行と給与計算代行の違いは何ですか?
A. 労務代行と給与計算代行の違いは、任せられる業務の広さにあります。給与計算代行は給与・賞与・年末調整などの計算業務が中心なのに対し、労務代行はこれに加えて社会保険・労働保険の手続き、入退社手続き、勤怠管理、労務相談まで幅広く含みます。まず計算業務だけを外に出したいなら給与計算代行、労務全般をまとめて任せたいなら労務代行が向いています。
Q. 社会保険・労働保険の手続きも労務代行に任せられますか?
A. 社会保険・労働保険の手続きは、社労士が在籍または提携している労務代行なら任せられます。これらの届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士法上の独占業務にあたり、無資格の代行会社が単独で行うことはできません(社労士法第2条・第27条)。給与計算や勤怠集計は無資格でも代行できるため、手続きまで委託したい場合は独占業務を担える体制があるかを確認しましょう。
Q. 労務代行では一部の業務だけを委託できますか?
A. 労務代行では、給与計算だけ、勤怠集計だけ、といったように必要な業務のみを切り出して委託できます。最初は給与計算だけを任せ、運用に慣れてから入退社手続きや年末調整へ委託範囲を広げていく段階的な進め方も可能です。特定業務に絞った委託は、専門特化型のサービスが得意としています。
Q. 労務代行の料金はどのくらいかかりますか?
A. 労務代行の料金は委託範囲と従業員規模で決まり、給与計算のみなら従業員50名規模で月6万円前後から、労務全般のフル委託では月16万〜20万円程度が目安です(2026年9月時点)。実働時間で課金するチケット制なら月3.8万円台から利用できるサービスもあります。社会保険手続きまで含める場合や社労士事務所系は金額を公開していないことが多く、委託範囲を伝えて見積もりを取るのが確実です。
Q. 労務代行の初期費用はかかりますか?
A. 労務代行の初期費用は、かかる会社と無料の会社に分かれ、かかる場合は数万円から数十万円程度が目安です。導入時のシステム設定や業務フローの整理にかかる費用として設定されることが多く、月額料金とは別に見込んでおくと予算のブレを防げます。契約前に初期費用の有無と内訳を確認しておきましょう。
Q. 労務代行に委託しても既存の勤怠・給与システムをそのまま使えますか?
A. 労務代行に委託しても、既存の勤怠・給与システムをそのまま使えるケースが多いです。freeeやSmartHR、マネーフォワード クラウド、KING OF TIMEなど主要な労務クラウドに対応する会社が多く、現行の運用を活かせます。ただし特定のクラウドを前提とする会社もあるため、自社のシステムに対応しているかを事前に確認しましょう。
Q. 中小企業やスタートアップでも労務代行を使えますか?
A. 中小企業やスタートアップでも労務代行は利用でき、むしろ労務担当が1名または不在の少人数の企業ほど効果が大きくなります。少人数で社会保険の手続きまで任せたい場合は、社労士の顧問契約や時間制のサービスのほうが割安になることもあります。委託先によって対応できる企業規模に上限がある場合もあるため、自社の規模で受けてもらえるかを確認するとよいでしょう。
Q. 労務代行で個人情報は安全に扱われますか?
A. 労務代行では、秘密保持契約と第三者認証の取得状況を確認することで、個人情報を安全に扱う委託先を選べます。給与・マイナンバー・口座情報など機微な情報を預けるため、プライバシーマークやISMS(ISO/IEC 27001)、社労士事務所向けのSRPⅡといった認証の有無が判断材料になります。あわせて、データの保管方法や再委託の範囲まで確認できると安心です。
Q. 労務代行は依頼から稼働までどのくらいかかりますか?
A. 労務代行は、依頼から稼働まで一般的に1〜3か月程度を見込むのが目安です。現状の業務の洗い出し、委託範囲の整理、契約、データや就業規則の引き継ぎ、テスト運用を経て本稼働に移ります。引き継ぎ資料が整っていれば、より短い期間で立ち上げられるサービスもあります。
Q. 労務担当者が急に退職しても労務代行はすぐ対応できますか?
A. 担当者が急に退職した場合でも、引き継ぎ資料がない状態から対応でき、短期間で立ち上げられる労務代行会社もあります。チーム体制で受託するサービスなら、担当者の交代があっても手順書に沿って業務が継続します。退職が決まった時点で早めに相談し、給与の締めに間に合うよう引き継ぎの時間を確保しておくと安心です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















