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法人向け火災保険(企業財産保険)の比較|補償・特約・保険料相場と選び方

法人向け火災保険 (企業財産保険)の比較のサムネイル画像

事業所や店舗、工場、倉庫といった事業用の建物や設備、商品在庫は、火災や自然災害で一度に失われるリスクを抱えています。こうした事業資産の損害に備えるのが、法人向けの火災保険(企業財産保険)です。まず自社の資産をどこまで守るかを決め、そのうえで各社の補償と保険料を見比べたいところですが、損害保険会社ごとに商品ページが分かれ、横並びで比べにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。

法人向けの火災保険は、建物や什器・商品といった補償対象、地震や水災・休業損害への特約、そして自己所有か賃貸かといった条件で、必要な補償と保険料が大きく変わります。自社の状況に合う加入先を絞り込むには、どの観点で比較すればよいのでしょうか。

本記事では、損害保険各社の企業財産保険(法人向け火災保険)を横断的に比較・解説します。基本補償や特約の考え方に加え、自己所有と賃貸・テナントで変わる補償設計、保険料の決まり方、保険料の経費計上(損金算入)、火災共済という代替まで、法人ならではの論点を整理しました。経営者や総務・管理部門の担当者が、自社に合う加入先を判断するための材料としてご活用ください。

また、自社の所有形態や重視する条件に合わせて補償設計と加入先を絞り込めるよう、「補償設計の選定診断」もご用意しています。あわせてご活用ください。

企業財産保険(法人向け火災保険)とは?

企業財産保険(法人向け火災保険)は、法人や個人事業主が事業のために所有・使用する建物や設備什器、商品・製品などの財産を、火災をはじめとする偶然な事故による損害から補償する損害保険です。個人向けの住宅火災保険が住まいと家財を対象にするのに対し、法人向けは事業用の資産と、事業が止まることで生じる損失までを守る点に特徴があります。

損害保険各社は「企業財産保険」「事業活動総合保険」などの商品名を分けて提供していますが、いずれも事業用資産の損害を補償する火災保険系の商品という点は共通します。基本補償に必要な特約を組み合わせて、自社のリスクに合わせて設計していくのが一般的な考え方です。

法人向け火災保険で守れる資産と基本補償

ここからは、法人向け火災保険で守れる資産と、基本補償の範囲を整理します。何を補償対象にするかで保険料も変わるため、まず自社に当てはめて確認するところから始めます。

補償の対象となる事業用資産は、大きく次の4つに分けられます。契約時には、どの資産をいくらの保険金額で守るかを設定します。

  • 建物:事業所・店舗・工場・倉庫などの建物本体。自己所有の場合に対象とします。
  • 設備・什器:機械設備、什器備品、パソコンなどの事業用動産。賃貸物件でも自社所有の動産は対象にできます。
  • 商品・製品:販売用の商品、原材料、仕掛品、製品などの在庫。
  • 休業損害・利益:事故で事業が止まった期間の利益減少や、営業を続けるための費用。特約で備えます。

保険金額は、対象資産の評価額をもとに設定します。建物や設備什器は、同等のものを建て直す・買い直すのに必要な再調達価額(新価)を基準にするのが一般的です。使用による消耗分(減価)を差し引いた時価で評価する契約もあります。商品・製品などの在庫は、販売利益を含まない仕入原価(再取得に必要な額)を基準に評価されるのが一般的です。

設定した保険金額が対象資産の価値を下回ると「一部保険」となり、損害額の全額ではなく保険金額の割合に応じて保険金が減らされる場合があります(比例てん補)。そのため、評価額に見合った保険金額を設定することが大切です。

あわせて押さえておきたいのが、契約者(保険料を払い契約を結ぶ者)と被保険者(補償の対象となり、保険金を受け取る者)の関係です。法人が自社の資産にかける場合は通常どちらも自社になります。保険をかけられるかどうかは所有権の有無ではなく、その資産に経済的な利害関係(被保険利益)があるかで決まります。

建物の躯体のように自社に利害関係のない部分は通常オーナーが保険をかけますが、リース物件や預かり品、原状回復義務を負う内装・造作など、被保険利益がある資産は自社を被保険者として補償できます。この線引きは、後述の所有形態別の補償設計(自己所有/賃貸・テナント)にも関わってきます。

基本補償が対象とする事故は、火災・落雷・破裂・爆発を中心に、風災・雹災(ひょうさい)・雪災、水災、盗難、外部からの物体の衝突、給排水設備の事故による水濡れなど、商品やプランによって幅があります。たとえば飲食店で厨房から出火して店舗と什器が焼損したケース、台風の飛来物で工場の屋根が破損したケース、豪雨で1階の商品在庫が水没したケースなどが、補償の典型的な場面です。

どこまでを基本補償に含め、どこからを特約で上乗せするかは商品ごとに異なります。水災や破損・汚損を基本補償に含める商品もあれば、プランやオプションで選ぶ商品もあるため、自社の立地や業種で起こりやすいリスクを押さえたうえで、補償範囲を見比べることが大切です。

自己所有物件と賃貸・テナントで変わる補償設計(借家人賠償責任)

ここからは、自社の所有形態によって補償設計がどう変わるかを解説します。読者の多くがまず判断すべき分岐点であり、賃貸・テナントでは「借家人賠償責任」という法人特有の論点が加わります。

法人向け火災保険の所有形態別の補償対象を対比した図。自己所有物件は建物本体を含めて設備什器・商品在庫を補償対象とし再調達価額で保険金額を設定する。賃貸・テナントは建物本体を対象にせず自社の設備什器・商品在庫を対象にし、借家人賠償責任特約の要否が論点になる。

自己所有物件の場合は、建物本体を保険の対象に含めて、設備什器・商品在庫とあわせて補償設計します。建物の再築・修理に必要な費用を基準にした再調達価額で保険金額を設定するのが一般的です。

賃貸・テナントの場合は、建物本体は貸主(オーナー)の資産なので契約者は保険の対象にしません。自社が持ち込んだ設備什器・商品在庫を対象にするのに加えて、借りている物件を万一の火災などで損傷させたときに備える「借家人賠償責任特約」の要否が論点になります。これは、賃借人が貸主に対して負う法律上の責任に備えるものです。

賃貸借契約では、借主は物件を契約終了時に返還する義務(民法第601条)を負い、善良な管理者の注意をもって保管する義務(同第400条)があります。加えて、賃貸借が終了したときには生じた損傷を原状に復する義務を負うと定められています。

第六百二十一条 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

出典:民法(明治二十九年法律第八十九号)第621条|e-Gov法令検索

火災などで借りている建物を損傷させると、この返還・原状回復の義務を果たせなくなり、賃借人は貸主に対して債務不履行による損害賠償責任(同第415条)を負う可能性があります。この賠償責任に備えるのが借家人賠償責任特約です。賃貸・テナントで事業を営む場合は、自社の動産の補償に加えて、この特約を付けられるかを必ず確認しておきたいところです。

付帯できる主な特約(地震危険補償・水災・休業損害)

ここからは、基本補償に上乗せする主な特約を解説します。自社の立地や業種で優先すべきリスクを見極め、補償の過不足を判断するための材料です。

法人向け火災保険の補償設計を示した図。火災・落雷・破裂・爆発などを中心とする基本補償を土台に、地震危険補償特約、水災補償、休業損害・利益補償の3つの特約を、自社のリスクに応じて上乗せする構造を示している。

地震危険補償特約(地震・噴火・津波への備えと要否)

見落としやすいのが地震への備えです。火災保険の基本補償では、地震・噴火・津波による損害は補償の対象外とされています。地震で建物が倒壊した場合はもちろん、地震が原因で発生した火災による損害も、基本補償だけではカバーされません。

基本補償では、直接間接問わず、地震・噴火・津波によって生じた損害は補償対象外です。

出典:企業のための保険ナビ「企業財産のリスク」|日本損害保険協会

地震・噴火・津波による損害に備えるには、企業向け火災保険に地震危険補償特約を付帯します。この特約では、地震または噴火による火災・破裂・爆発・損壊などに加え、地震または噴火による津波や洪水などの水災による損害も補償の対象になります。

この企業向けの地震危険補償特約は、住宅向けの「地震保険」(地震保険に関する法律にもとづき国と損害保険会社が共同運営する制度)とは別枠のもので、事業用物件では住宅向け地震保険は原則として使えません。地震リスクの高い地域に拠点がある場合は、要否を優先的に検討しておきたいところです。

水災補償(豪雨・洪水・高潮。立地で変わる要否)

水災補償は、豪雨や台風による洪水、高潮、土砂崩れなどで建物や動産が損害を受けたときに備えるものです。商品によって基本補償に含まれる場合と、特約やプランで選ぶ場合があります。

近年は集中豪雨による浸水被害が各地で発生しており、河川の近くや低地、地下に設備・在庫を置く事業所では要否の判断が重要になります。ハザードマップで自社拠点の浸水想定を確認したうえで、補償の対象や支払い方式(損害額に対する割合など)を見比べるとよいでしょう。

休業損害・利益補償の特約(営業できない期間への備え)

火災や自然災害で事業資産が損害を受けると、修理・再建の間は営業ができず、売上が止まってしまいます。休業損害・利益補償の特約は、こうした事業中断による利益の減少や、営業を継続するための費用(仮店舗の賃料など)を補償するものです。

建物や設備そのものの損害は補償されても、その間の逸失利益は基本補償ではカバーされないため、固定費の負担が重い事業や、代替の効きにくい設備で操業する事業では、備えの価値が大きい特約といえます。

法人向け火災保険の保険料相場と決まり方

ここからは、保険料がどのように決まるのか、そして「結局いくらか」の見当をどうつけるのかを解説します。法人向け火災保険は個別見積もりが基本のため、まず決まり方を理解することが比較の出発点になります。

保険料が決まる主な要素

法人向け火災保険の保険料は、主に次のような要素の組み合わせで決まります。同じ補償内容でも、建物の構造や所在地によって保険料は大きく変わります。

  • 建物の構造:鉄筋コンクリート造・鉄骨造・木造などの構造級別。燃えにくい構造ほど保険料は抑えられます。
  • 所在地:都道府県や地域ごとの災害リスク。
  • 補償対象の評価額:建物・設備・在庫をいくらで評価し、いくらの保険金額を設定するか。
  • 補償範囲・特約:水災や地震危険補償特約、休業損害などをどこまで付けるか。
  • 免責金額(自己負担額):1回の事故で自己負担する金額。高く設定すると保険料を抑えられますが、そのぶん小さな損害は自己負担になります。
  • 業種・使用状況:火気の使用状況や取り扱う物品など、業種ごとのリスク。

一部の損害保険会社は、機械警備の導入や消火設備の設置、リスク診断などに応じた割引を設けています。自社の設備状況やリスク対策の内容によっては、割引の適用で保険料を抑えられる場合があります。

公開されている試算例の水準感(結局いくらか)

保険料は上記の条件で一件ずつ算出されるため、各社とも「一律の料金表」は示さず、個別見積もりを基本としています。ただし一部の損害保険会社は、特定の条件を置いた保険料の試算例を公開しており、そこから水準感をつかめます。

公開されている試算例では、東京都の一般物件・建物5,000万円の条件で、火災のみなら月払3千円台、風災や水漏れまで含めると月払1万円台という例が示されています。事務所ビル(建物1億円規模)では、選ぶプランに応じて年数万円から十数万円という水準の例もあります。

これらはいずれも建物や保険金額が大きめの条件での例で、対象とする資産が小さくなればそのぶん保険料も下がります。特定の建物条件・補償内容・時点を前提にした参考値のため、自社の保険料を知るには、建物の情報と守りたい資産の評価額を整理したうえで、複数社に見積もりを依頼するのが確実です。各社の具体的な試算例や補償の詳細は、後述の比較表と各社の紹介で確認できます。

保険料の経費計上(損金算入)と掛捨て型・積立型の扱い

ここからは、法人ならではの論点である保険料の経費計上(損金算入)を解説します。掛捨て型か積立型かで会計・税務上の扱いが変わるため、決算への影響もあわせて押さえておきたいところです。

満期返戻金のない掛捨て型の火災保険料は、事業のための費用として、支払った事業年度の損金に算入できるのが原則です。これは、当該事業年度の販売費・一般管理費その他の費用を損金の額に算入すると定める法人税法第22条第3項にもとづく扱いです。

一方、保険期間が3年以上で満期返戻金を支払う定めのある積立型(長期の損害保険契約)は、支払った保険料をそのまま全額損金にできるわけではありません。法人税基本通達9-3-9は、積立保険料に相当する部分と、それ以外の部分を分けて扱うよう定めています。

法人が、保険期間が3年以上で、かつ、当該保険期間満了後に満期返戻金を支払う旨の定めのある損害保険契約(これに類する共済に係る契約を含む。以下9−3−12までにおいて「長期の損害保険契約」という。)について保険料(共済掛金を含む。以下9−3−12までにおいて同じ。)を支払った場合には、その支払った保険料の額のうち、積立保険料に相当する部分の金額は保険期間の満了又は保険契約の解除若しくは失効の時までは資産に計上するものとし、その他の部分の金額は期間の経過に応じて損金の額に算入する。

出典:法人税基本通達9-3-9〔長期の損害保険契約に係る支払保険料〕|国税庁

積立型では、積立保険料に相当する部分は保険期間の満了などまで資産に計上し、それ以外の部分は期間の経過に応じて損金に算入します。両者の区分は、保険料払込案内書や保険証券添付書類などの区分によると通達に定められています。

自社が掛捨て型と積立型のどちらを契約するかで会計処理と各期の損金の額が変わるため、契約前に経理・税務の観点でも確認しておくと安心です。具体的な処理は顧問税理士に相談するのが確実です。

自社に合う法人向け火災保険の選び方

ここまでの判断材料を統合し、自社の状況から補償設計と加入先を絞り込む筋道を整理します。あわせて、火災保険の代替として検討されることのある火災共済との違いも押さえます。

自社の状況(所有形態・業種・補償重視/保険料重視)で補償設計と加入先を絞り込む

加入先を絞り込むときは、次の順序で自社の条件を当てはめると整理しやすくなります。

  1. 所有形態を確認する:自己所有なら建物を含めて補償を設計し、賃貸・テナントなら動産の補償に借家人賠償責任特約を加えられるかを確認します。
  2. 優先リスクを見極める:立地や業種から、地震・水災・休業損害のうち優先度の高いリスクを特約で補います。ハザードマップや過去の被害履歴が判断材料になります。
  3. 補償重視か保険料重視かを決める:手厚い補償を広く付けるか、必要な補償に絞って保険料を抑えるか、方針を定めます。プランを段階的に用意する商品なら、この方針で選びやすくなります。
  4. 複数社を同条件で見積もる:守りたい資産の評価額と補償範囲をそろえて複数社に見積もりを依頼し、補償と保険料の両面で比べます。

各社の補償対象・特約・見積もり方法を横並びで確認したうえで、割引制度や対応業種の広さも加味して候補を絞り込むと、判断のぶれが小さくなります。

火災保険と火災共済の違い(代替としての火災共済)

火災保険の代替として、火災共済が候補に挙がることがあります。共済は組合員や団体の相互扶助を目的とした仕組みで、損害保険会社が引き受ける火災保険とは制度が異なります。たとえば全労済協会(全国勤労者福祉・共済振興協会)が運営する法人火災共済「オフィスガード」は、契約できる団体が限定されています。

ご契約いただける団体(保険契約者の範囲)は、労働組合、生活協同組合、労働金庫、勤労者福祉サービスセンター等です。

出典:法人火災共済保険「オフィスガード」|全労済協会

このように、火災共済のなかには一般の事業会社が加入できないものもあります。加入対象になるかをまず確認する必要があります。あわせて注意したいのが、契約者を保護する制度の違いです。損害保険会社が破綻した場合には保険契約者保護機構によるセーフティネットがありますが、共済はこの制度の対象ではありません。

(注)少額短期保険業者その他の保険会社以外の者は、保険契約者保護機構制度の対象ではありません。

出典:保険契約者保護機構制度|金融庁

火災共済は掛金を抑えやすい選択肢になり得ますが、加入対象の制限や、破綻時の保護制度の違いを踏まえて検討することが大切です。一般の中小企業や個人事業主が広く選べるのは、損害保険各社の企業財産保険です。以下の診断と比較表で、各社を絞り込めるようにします。

補償設計の選定診断

自社の所有形態や重視する条件を選ぶと、補償設計の方向性と検討したい商品の傾向を確認できます。以下の診断もあわせてご活用ください。

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【比較表】損保各社の企業財産保険(法人向け火災保険)を比較

ここからは、法人向け火災保険を扱う損害保険各社のうち、主要な7商品を、基本補償・付帯できる主な特約・保険料の決まり方・見積もりや資料請求の方法・対象業種の広さで横断的に比較します。個別紹介のある商品は、商品名から詳細に移動できます。

このうち6商品は、下の個別紹介でも詳しく取り上げます。日新火災の「ビジネスプロパティ」は、比較表と公式サイトのご案内のみとしています。

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サービス名企業総合補償保険(損保ジャパン)超ビジネス保険(東京海上日動)ビジネスキーパー(三井住友海上)タフビズ事業活動総合保険(あいおいニッセイ同和損保)プロパティーガード(AIG損保)店舗総合保険・安心ビジネスプラン(セコム損保)ビジネスプロパティ(日新火災)
運営会社損害保険ジャパン東京海上日動火災保険三井住友海上火災保険あいおいニッセイ同和損害保険AIG損害保険セコム損害保険日新火災海上保険(東京海上グループ)
基本補償火災・落雷・破裂爆発(風災・水災等はオプション選択制)財産・工事・賠償責任・休業・労災を1証券に統合(財産の補償が火災保険部分)火災・落雷・破裂爆発・風災・雹災・雪災・水災・盗難・水ぬれ等(財物損害)物損害(火災・落雷・破裂爆発・風災等)+休業損害を選択(4プラン制)財産損害・利益損失・営業継続費用の3本柱(火災・落雷・破裂爆発・風災等)火災・落雷・破裂爆発(店舗総合保険は物体落下・水濡れ・盗難・水災も基本補償)火災・落雷・破裂または爆発(自動付帯)+選べる特約
水災補償△オプション選択△財産の補償で選択●基本補償に含む△エコノミー除く3プランで対応△水災危険補償特約△プランにより対応△特約(3型から選択)
地震への備え●地震危険補償特約●地震危険補償特約(別途契約)△震災クイックサポート(緊急費用の定額給付・ワイドPlus/ワイドのみ)△地震BCP対応補償特約(建物損害の一部・上限あり)●地震・噴火危険補償特約×事業用建物は地震保険の対象外×事業用建物は地震保険の対象外
借家人賠償責任特約●●●●●●△付帯可否は要確認
休業損害・利益補償△要見積もりで確認●休業に関する補償●休業損害を選択可能●休業損害補償を選択可能●利益損失・営業継続費用補償●休業損失補償特約●休業損失(1事業所200万円限度)
保険料の目安個別見積もり。公式試算例あり(東京都・構造級別2級・建物保険金額5,000万円で、火災のみ月払3,850円、火災・台風・水漏れ等を含めて月払11,020円)補償・所在地・業種・売上高等で個別算定(公式試算例なし・要見積もり)個別見積もり。公式保険料例あり(東京都・事務所ビル延床600㎡で、年額エコノミー29,090円〜ワイドPlus124,740円)非公開(業種・規模・プラン・特約により個別見積もり)要お問い合わせ(公式試算例なし)。リスク診断による割引制度あり(1敷地内保険金額1億円以上等の条件)要見積もり。機械警備でセキュリティ割引最大約30%(割引適用例: 割引前876,000円→約30%減の610,000円)要見積もり(公式に料率・試算例の掲載なし)
対象業種業種を問わず加入可(一部引き受けできない場合あり)年間売上高100億円以下の法人・個人事業主(財産のみの契約は例外あり)一般物件(店舗・事務所等)・工場物件一般物件・工場物件(幅広い法人・個人事業主)事業者全般(業種限定の記載なし)店舗・店舗併用住宅・事務所・小規模工場・作業場等飲食業・小売業・理美容業・建設業・その他業種
見積もり・資料請求公式フォーム・取扱代理店公式フォーム・代理店(最短即日連絡)資料請求・代理店(全国約24,000店)代理店・扱者(Web自動見積もりなし)資料請求フォーム・代理店取扱代理店・電話(03-5216-6111)代理店・営業店(オンライン見積もりなし)
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年9月時点の各社公式情報にもとづく整理です。最新の補償内容・保険料・特約は各社公式サイトでご確認ください。

損保各社の企業財産保険(法人向け火災保険)の詳細

ここからは、比較表で取り上げた各社の商品を個別に紹介します。補償の考え方や特約の構成、見積もりの方法はそれぞれ異なるため、自社の条件に近い商品を中心に確認してください。

1. 企業総合補償保険(損害保険ジャパン株式会社)

企業総合補償保険(損害保険ジャパン)の公式サイト

基本補償を火災・落雷・破裂爆発の3つに絞り、水災・風災雹災雪災・盗難・水漏れ・電気的機械的事故などは必要な補償だけをオプションで選ぶ、損害保険ジャパンの事業者向け火災保険です。建物・屋外設備・設備什器・商品製品を対象とし、賃貸物件で事業を営む契約者向けには借家人賠償責任特約も用意されています。

地震・噴火・津波による損害に備える地震危険補償特約も付帯できます。保険期間は原則1年で、業種や契約条件によっては2〜5年の長期契約も選べます。

公式サイトには保険料の試算例が公開されています。東京都・一般物件・構造級別2級の建物所有者の例では、建物保険金額5,000万円で火災のみを補償する場合が月払3,850円、火災・台風・水漏れ等を含めると月払11,020円です。条件が変われば保険料も変わるため、実際の金額は見積もりで確認できます。

2. 超ビジネス保険(東京海上日動火災保険株式会社)

超ビジネス保険(東京海上日動)の公式サイト

財産・工事・賠償責任・休業・労災という事業活動の5分野の補償を、1つの保険証券にまとめられる事業活動包括保険です。東京海上日動火災保険が提供し、このうち財産に関する補償が法人向け火災保険にあたります。契約者は必要な補償と特約を選んで組み合わせます。

財産に関する補償は、火災・落雷・破裂爆発に加え、風災雹災雪災・水災・盗難・電気的機械的事故などをカバーします。ただし地震による損壊や地震を原因とする火災は基本補償の対象外で、備えるには地震危険補償特約の別途契約が必要です。

加入できるのは、直近会計年度の年間売上高(建設業は完成工事高)が100億円以下の法人・個人事業主です(財産のみの契約は条件が異なります)。保険料は補償内容・所在地・業種・売上高などにより個別に算定され、公式サイトに試算例の掲載はないため、見積もりでの確認が必要です。

3. ビジネスキーパー(三井住友海上火災保険株式会社)

ビジネスキーパー(三井住友海上)の公式サイト

三井住友海上火災保険が提供する事業活動総合保険で、財物損害と休業損害のいずれか一方、または両方を選んで契約します。補償の手厚さに応じてワイドPlus・ワイド・ベーシック・エコノミーの4プランが用意され、店舗や事務所などの一般物件と、一定規模以上の工場物件で設計が分かれます。

全契約に、気象情報のアラート配信、火災・水災で被災した設備の修復支援、人事・労務の電話相談デスクが無料で付帯します。地震については、震度6弱以上を観測した際に緊急費用を定額給付する震災クイックサポート(ワイドPlus・ワイドプランのみセット可能)を選べます。

公式サイトには保険料例が公開されています。東京都・延床600㎡・築10年の事務所ビル(建物再調達価額1億円・設備什器1,000万円)を対象にした例では、年間保険料はエコノミーで29,090円、ワイドPlusで124,740円です(2024年10月1日以降始期契約・一時払)。建物構造や所在地で大きく変わるため、目安として捉えます。

4. タフビズ事業活動総合保険(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)

タフビズ事業活動総合保険(あいおいニッセイ同和損保)の公式サイト

あいおいニッセイ同和損害保険の「タフビズ」ブランドの事業活動総合保険で、正式名称は事業活動総合保険です。建物・設備什器などの物損害の補償と、事故や災害で営業が止まったときの休業損害の補償を、いずれか一方または両方を選んで契約する火災保険系の商品です。

補償範囲と保険料のバランスに応じて、ワイドPlus・ワイド・ベーシック・エコノミーの4プランから選べます。たとえば水災はエコノミープランのみ補償対象外となるなど、プランによって守備範囲が変わります。施設賠償責任や借家人賠償責任などの特約も付帯できます。

通常の火災保険では対象外となる地震による建物損害の一部に備える地震BCP対応補償特約(建物は建物保険金額の50%または5,000万円のいずれか低い額が上限)も用意されています。保険料は業種・規模・プラン・特約により個別に決まり、公式サイトに試算例の掲載はないため、代理店経由の見積もりで確認できます。

5. 企業財産保険(プロパティーガード)(AIG損害保険株式会社)

企業財産保険 プロパティーガード(AIG損害保険)の公式サイト

AIG損害保険が提供する法人向け火災保険で、財産損害補償・利益損失補償・営業継続費用補償の3つを柱に据えています。建物・設備什器・商品製品・屋外設備装置を対象とし、火災や自然災害による直接の損害と、事業中断による間接損害の両方をカバーできる設計です。

水災危険補償特約や地震・噴火危険補償特約をオプションで付帯でき、賃貸物件のテナント向けには借家人賠償責任補償特約が用意されています。建物や設備の防災管理状況をAIG損保が診断し、1敷地内の保険金額1億円以上などの条件を満たせば、保険料の割引を適用できる仕組みもあります。

AIG損保は2024年10月に事業継続をコンセプトにした新商品「ニュープロパティーガード」を発売しており、2026年9月時点では本商品とニュープロパティーガードが法人向け商品一覧に並んで掲載されています。新規契約でどちらを申し込めるかや保険料の試算例は公式に公開されていないため、資料請求や問い合わせで確認できます。

6. 店舗総合保険・安心ビジネスプラン(セコム損害保険株式会社)

店舗総合保険・安心ビジネスプラン(セコム損害保険)の公式サイト

セコムグループの機械警備と連携したセキュリティ割引を軸にする、セコム損害保険の事業用火災保険です。店舗・事務所・小規模工場などを対象に、火災・落雷・破裂爆発を基本補償とし、風災雹災雪災・水災・盗難・水濡れなどを組み合わせます。

商品は、基本補償に盗難・水災を含む「店舗総合保険」と、普通火災保険に特約を足して財物・賠償責任・休業・商品盗難の4リスクを選ぶ「安心ビジネスプラン」の系統に分かれます。警備業法上の機械警備(火災監視付き)が有効に機能している建物・動産には、最大約30%のセキュリティ割引が適用されます(法人所有・個人所有の事業用のいずれも対象)。

安心ビジネスプランのパンフレットには割引適用の例が示されています。東京・1級構造・床面積5,000㎡・保険金額10億円の事務所(保険期間1年・一括払)の例では、割引前876,000円が各種割引の適用で610,000円(約30%の削減)になります。特定条件下の一例のため、実際の保険料は見積もりで確認しておくと確実です。

まとめ

法人向け火災保険(企業財産保険)は、守りたい資産と、自社の所有形態・立地・業種に応じた補償設計が出発点になります。賃貸・テナントでは借家人賠償責任特約、地震リスクの高い地域では地震危険補償特約、事業中断に備える休業損害の特約など、基本補償に何を上乗せするかで守備範囲が変わります。

保険料は建物の構造や所在地、補償内容で一件ずつ決まるため、守りたい資産の評価額と補償範囲をそろえて複数社に見積もりを依頼し、補償と保険料の両面で比べるのが確実です。掛捨て型と積立型で経費計上の扱いが変わる点も、契約前に押さえておきたいポイントです。自社に合う一社を選ぶために、まずは気になる商品の資料を各社の公式サイトから取り寄せ、内容を見比べてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 企業財産保険(法人向け火災保険)とは何ですか?

A. 企業財産保険(法人向け火災保険)は、法人や個人事業主が事業のために所有・使用する建物・設備什器・商品在庫などを、火災をはじめとする偶然な事故による損害から補償する損害保険です。個人向けの住宅火災保険が住まいと家財を対象にするのに対し、事業用の資産と、事業が止まることで生じる損失まで守る点に特徴があります。

損害保険各社は「企業財産保険」「事業活動総合保険」などの商品名を分けて提供していますが、いずれも事業用資産の損害を補償する火災保険系の商品という点は共通します。

Q. 個人事業主でも法人向け火災保険に加入できますか?

A. 法人向け火災保険(企業財産保険)は、法人だけでなく個人事業主も加入できます。店舗・事務所・工場・倉庫などの事業用の建物や、設備什器・商品在庫を補償の対象にできます。ただし業種や使用状況によっては引き受けの条件が異なる場合があるため、自社が対象になるかは見積もりや問い合わせの段階で確認しておくと確実です。

Q. 法人向け火災保険は地震による損害も補償されますか?

A. 法人向け火災保険の基本補償では、地震・噴火・津波による損害は対象外で、備えるには地震危険補償特約を別途付帯する必要があります。地震で建物が倒壊した場合はもちろん、地震が原因で発生した火災による損害も、基本補償だけではカバーされません。

地震リスクの高い地域に拠点がある場合は、特約の要否を優先的に検討します。なお、この企業向けの地震危険補償特約は、住宅向けの「地震保険」とは別枠のもので、事業用物件では住宅向け地震保険は原則として使えません。

出典・参考資料(1件)

Q. 賃貸・テナントで事業を営む場合、借家人賠償責任特約は必要ですか?

A. 賃貸・テナントで事業を営む場合は、借りている建物を火災などで損傷させたときの原状回復義務(賠償責任)に備えるため、借家人賠償責任特約の付帯を検討すべきです。賃借人は賃貸借の終了時に、生じた損傷を原状に復する義務を負い(民法第621条)、火災などで建物を損傷させるとこの義務を果たせず、貸主に対して損害賠償責任を負う可能性があります。

賃貸物件では建物本体は貸主の資産なので保険の対象にしませんが、自社が持ち込んだ設備什器・商品在庫の補償に加えて、この特約を付けられるかを必ず確認しておきたいところです。

出典・参考資料(1件)

Q. 法人向け火災保険で休業損害まで備えるべきですか?

A. 火災や自然災害で事業資産が損害を受けると修理・再建の間は営業できず売上が止まるため、固定費の負担が重い事業や、代替の効きにくい設備で操業する事業では、休業損害・利益補償の特約を備える価値が大きいです。建物や設備そのものの損害は補償されても、その間の逸失利益は基本補償ではカバーされません。

休業損害・利益補償の特約は、事業中断による利益の減少や、営業を継続するための費用(仮店舗の賃料など)を補償するもので、自社の固定費や休業の影響度から要否を判断します。

Q. 法人向け火災保険と火災共済は何が違いますか?

A. 火災共済は組合員・団体の相互扶助を目的とした仕組みで、契約できる団体が限定される場合があること、破綻時に保険契約者保護機構による保護の対象とならないことが、損害保険会社の火災保険との主な違いです。たとえば全労済協会の法人火災共済「オフィスガード」は、契約できる団体が労働組合・生活協同組合などに限定されており、一般の事業会社が加入できないものもあります。

掛金を抑えやすい選択肢になり得ますが、加入対象の制限や破綻時の保護制度の違いを踏まえて検討することが大切です。一般の中小企業や個人事業主が広く選べるのは、損害保険各社の企業財産保険です。

出典・参考資料(2件)

Q. 法人向け火災保険の保険料はいくらくらいが相場ですか?

A. 法人向け火災保険の保険料は、建物の構造・所在地・補償対象の評価額・補償範囲や特約・業種などの組み合わせで一件ずつ決まるため、一律の相場はなく、個別見積もりが基本です。鉄筋コンクリート造など燃えにくい構造ほど保険料は抑えられ、機械警備や消火設備の設置に対する割引を設ける商品もあります。

一部の損害保険会社は特定条件の試算例を公開していますが、あくまで参考値です。自社の保険料を知るには、守りたい資産の評価額と補償範囲をそろえて複数社に見積もりを依頼するのが確実です。

Q. 法人向け火災保険の保険料は経費計上(損金算入)できますか?

A. 満期返戻金のない掛捨て型の火災保険料は支払った事業年度の損金に算入でき、保険期間3年以上で満期返戻金のある積立型は、積立保険料に相当する部分を資産に計上し、それ以外を期間の経過に応じて損金に算入します。掛捨て型は法人税法第22条第3項の費用として損金算入するのが原則で、積立型の区分は法人税基本通達9-3-9が定めています。

掛捨て型か積立型かで各期の損金の額が変わるため、具体的な会計・税務処理は顧問税理士に相談すると確実です。

出典・参考資料(1件)

Q. 法人向け火災保険の保険期間は何年まで選べますか?

A. 法人向け火災保険の保険期間は原則1年ですが、業種や契約条件によっては2〜5年の長期契約を選べる場合があります。長期契約では保険料の払い方や、満期返戻金のある積立型を選べるかも会社・商品によって異なります。長期の契約は保険料の見直しがしにくくなる面もあるため、補償内容と保険料をそろえて比較したうえで、保険期間を決めるとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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