新しい商品やお店、事業の立ち上げ資金を、金融機関からの借入や出資に頼らずに集めたい。そう考えてクラウドファンディングに関心を持ったものの、実際に自分が何を、どの順番で、どれくらいの期間をかけて進めるのかが分からず、最初の一歩を踏み出せずにいる方は少なくありません。
クラウドファンディングは、インターネット上のプラットフォームを通じて不特定多数から資金を集める仕組みです。準備からリターンの発送まで一連の流れがあり、手数料や入金の時期、目標金額の決め方といったお金の現実も、始める前に把握しておきたいところです。
本記事では、購入型クラウドファンディングを実際に始める手順を、企画準備からリターン発送まで所要期間の目安つきで解説します。あわせて、種類の違いと選び方、手数料や入金時期などお金の現実、CAMPFIRE・Makuake・READYFOR など主要サービスの比較、成功率を高めるコツまで整理しました。これから資金調達を検討する事業者・個人が、自分に合った進め方を判断するための材料としてご活用ください。
目次
クラウドファンディングとは?購入型を中心に仕組みをおさえる
クラウドファンディングは、実現したいプロジェクトを持つ人(起案者)が、インターネット上のプラットフォームで内容を公開し、共感した支援者から少額ずつ資金を集める仕組みです。このうち本記事で中心に扱う購入型は、支援者が支払った金額に対して、起案者が商品やサービス、体験などを「リターン」として提供する形をとります。
購入型は、株式や利息といった金銭的な見返りを伴わないため、金融商品ではありません。支援を受けた起案者は、約束したリターンを支援者に届ける責任を負います。新商品の先行販売やテストマーケティング、新店舗のオープン資金の調達など、事業者・個人の幅広い目的で活用されています。
クラウドファンディングのやり方|企画準備からリターン発送までの通し手順
ここからは、クラウドファンディングを始めてから、資金を受け取りリターンを発送し終えるまでの流れを、8つのステップと所要期間の目安に沿って解説します。以下はまず全体像をつかむための道筋で、種類の選び方・お金の詳細・リターン設計・成功のコツは、この後の各セクションで掘り下げます。期間はCAMPFIREが公式に示す目安を基準にしており、利用するサービスによって前後します。

ステップ1. 目的と資金の使いみちを固める(数日〜1週間)
最初に「なぜ資金が必要で、集めたお金を何にいくら使うのか」を言語化します。資金調達そのものだけでなく、新商品の需要を測るテストマーケティングや、発売前の認知拡大を目的に実施するケースもあります。目的が定まると、この後の目標金額やリターン、プラットフォーム選びの判断軸がぶれません。
ステップ2. 種類とプラットフォームを選ぶ(数日)
資金調達を目的とする場合は、後述するように購入型(または寄付型)が現実的な選択肢になります。そのうえで、CAMPFIRE・Makuake・READYFOR などのプラットフォームから、手数料・得意ジャンル・サポート体制を見比べて実施先を決めます。各サービスの比較と選び方は記事後半で詳しく扱います。
ステップ3. 目標金額とリターンを設計する(1〜2週間)
目標金額は「実現に必要な経費+リターンの原価・発送費+プラットフォーム手数料」から逆算して決めます。手数料が差し引かれても計画を実行できる金額に設定することが重要です。リターンは価格帯を複数用意し、支援者が選びやすくします。設計の考え方は後半の「リターンの設計」で具体的に解説します。
ステップ4. プロジェクトページを作る(登録から公開まで2〜6週間が目安)
プラットフォームに会員登録し、プロジェクトのストーリー・画像・リターン一覧を作り込みます。会員登録には本人確認書類や入金用の口座情報などが必要です。「なぜこのプロジェクトを行うのか」が伝わる説明文と、内容を具体的に示す画像が支援を左右します。CAMPFIREの目安では、登録からページ完成・公開まではおよそ2〜6週間程度とされています。
ステップ5. 審査を受ける(最短即日〜数営業日)
ページが完成したら、プラットフォームの審査を受けます。CAMPFIREでは審査結果は申請後最大5営業日以内に通知されます。Makuakeのように取引先・実現性・表記の3段階で審査するサービスもあり、審査期間や基準はプラットフォームごとに異なります。審査中はページを編集できない場合があるため、公開スケジュールに余裕を持たせておくと安心です。
ステップ6. 公開し、初動の広報に注力する(公開後1週間が最も重要)
プロジェクトを公開したら、SNSや知人への告知で初速をつくります。公開直後の反応がその後の伸びを左右するため、事前に告知先を準備しておくことが欠かせません。初動の具体的な数字は後半の「成功させるコツ」で扱います。
ステップ7. 募集期間中に活動報告を続ける(募集はおよそ30〜60日)
募集期間中は、進捗や達成率、開発の裏側などを活動報告として発信し、支援者とのコミュニケーションを保ちます。中だるみを防ぎ、支援の輪を広げる効果があります。募集期間はプロジェクトや方式によって設定でき、30〜60日程度が一般的です。
ステップ8. 達成・入金・リターンを発送する(入金は募集終了の翌月末〜翌々月が目安)
募集が終了すると、集まった支援金から手数料が差し引かれ、起案者へ入金されます。入金時期はプラットフォームによって異なり、募集終了月の翌月末から翌々月ごろが目安です。入金後は、約束したリターンを支援者へ責任を持って届けます。企画準備から資金の受け取りまでは、通算で最短2〜3ヶ月程度を見込んでおくとよいでしょう。
クラウドファンディングの種類と、事業者・個人はどれを選ぶか
クラウドファンディングは、支援者へのリターンの形態によって大きく分類できます。資金調達の手段としてどれが向くかは、リターンとして何を返すか、そして規制の有無によって変わります。主な種類を整理すると、次のとおりです。
| クラウドファンディングの種類 | 購入型 | 寄付型 | 融資型(貸付型) | 投資型(株式投資型) |
|---|---|---|---|---|
| リターンの形態 | 商品・サービス・体験 | 原則リターンなし(対価を伴わない支援) | 利息(金銭的リターン) | 未上場株式(持分) |
| 資金調達での使いやすさ | 事業者・個人が使いやすい | 社会貢献・非営利の活動向き | 個人の資金調達手段には使えない | 持分の譲渡を伴う。調達額に上限あり |
| 主な特徴・規制 | 金融商品ではない。起案者はリターン提供の責任を負う | 支援金は寄付として扱われる | 金融商品取引法の規制対象。募集者に第二種金融商品取引業の登録義務 | 非上場株式の発行制度。1社が1年間に調達できる額は5億円未満 |
※上記は各種類の一般的な整理です。制度の詳細や最新の要件は各出典・公式情報をご確認ください。
このうち融資型・投資型は、支援者が利息や株式といった金銭的な見返りを期待する「投資」であり、金融商品取引法などの規制対象です。融資型は事業者への貸付を通じて投資家が利息を得る仕組みで、個人が自分の資金調達に使うことはできません。投資型(株式投資型)は未上場株式の発行を通じた資金調達で、持分を渡すことになり、調達額にも上限があります。
そのため、借入や出資に頼らず、返済義務や持分の譲渡なしに資金を集めたい事業者・個人にとっては、商品やサービスをリターンとして返す購入型が現実的な選択肢になります。社会貢献性の高いプロジェクトであれば、リターンを伴わない寄付型も候補です。本記事では、この購入型を前提に進め方を解説します。
出典・参考資料(3件)
クラウドファンディングのお金の現実|手数料・目標金額・入金時期
ここからは、始める前に押さえておきたいお金の現実を、手数料・目標金額の決め方・募集方式・入金時期の順に解説します。いずれも「サービスによる」で終わらせず、実際の数字で確認しておくと計画が立てやすくなります。
手数料の仕組みと、手取りの計算例
購入型クラウドファンディングの手数料は、多くが成功報酬型で、目標を達成して資金を受け取るときに集まった支援総額から差し引かれます。料率はプラットフォームによって異なり、たとえばCAMPFIREはプラットフォーム利用手数料12%+決済手数料5%(いずれも税別)、Makuakeは決済手数料込みで税抜20%、READYFORのベーシックプランは14%(税別)、kibidangoは15%(税別)です。
具体的に計算してみます。手数料が合計17%(税別)のプラットフォームで目標100万円を達成した場合、差し引かれる手数料は17万円に消費税を加えた約18万7,000円で、手取りはおよそ81万円です。手数料が税抜20%(税込22%)のMakuakeなら、差し引きは約22万円で手取りは約78万円になります。
同じ100万円でも手数料率によって手取りは変わるため、目標金額はこの差し引き後の金額で計画を実行できるように設定します。料率や条件は変わることがあるので、実施前に各社の公式料金ページで最新の情報を確認してください。
また、集めた資金は原則として課税対象(売上など)になります。税務上の扱いは事業の形態や会計処理によって異なるため、詳しくは税理士など専門家に確認してください。
目標金額の決め方
目標金額は「実現に必要な経費+リターンの原価・発送費+手数料」を足し合わせて逆算します。低すぎると実行時に赤字になり、高すぎると達成が難しくなります。特に後述のAll or Nothing方式では、目標未達だと資金を1円も受け取れないため、確実に達成できる現実的な金額から始める考え方も有効です。
All or NothingとAll Inの違い(未達だと受け取れないのか)
募集方式には2種類あります。All or Nothing方式は、目標金額を達成した場合のみ資金を受け取れ、未達なら支援は成立せず全額返金されます(この場合、手数料も発生しません)。All In方式は、目標の達成・未達にかかわらず集まった支援を受け取れる方式です。
確実にプロジェクトを実行する前提ならAll In、目標に届かなければ仕切り直したいならAll or Nothing、というように性質で選びます。CAMPFIRE・Makuake・READYFORは両方式に対応し、GREEN FUNDING・kibidangoはAll or Nothingを採用しています(各サービスの詳細は後述の比較で扱います)。
入金はいつか
入金の時期もプラットフォームで異なります。CAMPFIRE・GREEN FUNDING・kibidangoは募集終了月の翌月末、Makuakeは月末締めの翌月25日払い、READYFORは翌々月10日が基本です。
募集終了からすぐに資金化されるわけではないため、資金繰りの計画では入金時期を織り込んでおきます。CAMPFIRE・READYFOR・kibidangoのように、追加手数料を払えば入金を早められる早期入金オプションを用意するサービスもあります。
出典・参考資料(5件)
リターンの設計|何を・いくらで・赤字にしない考え方
リターンは支援者が支援するかどうかを決める重要な要素です。設計の基本は、原価と発送費を織り込んでも赤字にならない価格にすること。特に商品を送る場合、送料や梱包費が利益を圧迫しやすいため、原価・発送費・手数料を差し引いても手元に残る金額を意識して価格を決めます。
価格帯は複数用意し、少額から高額まで段階的に設けると、幅広い支援者が選びやすくなります。具体的には、次の3段階ほどが目安です。
少額枠はお礼のメッセージやステッカーなど(3,000円前後)、中心価格帯は商品本体(5,000〜15,000円程度)、高額枠は複数セットや限定版・体験の組み合わせ(30,000円以上)です。支援は中心価格帯に集まりやすい傾向があるため、そこに主力の商品を置くと支援を伸ばしやすくなります。
CAMPFIREの公表データでは、リターンを10個以上用意したプロジェクトや、説明文が200文字以上・画像や動画が11枚以上のプロジェクトで、目標到達率が高い傾向が示されています。数を増やすだけでなく、それぞれの内容と見せ方を具体的に作り込むことが支援につながります。
忘れてはならないのは、支援を受けた起案者は約束したリターンを届ける責任を負う点です。国民生活センターの資料でも、リターンが届かない・当初と異なる商品が提供されるといったトラブルが相談事例として挙げられており、こうした場合は原則として当事者間での解決を求められます。実現可能なリターンだけを設定し、発送スケジュールにも余裕を持たせることが、支援者との信頼を守るうえで欠かせません。
出典・参考資料(2件)
クラウドファンディングを成功させるコツ
成功と失敗を分けるのは、漠然とした「魅力的な企画」ではなく、公開前後の具体的な動き方です。CAMPFIREが公表しているデータも交えながら、達成率を高める4つのコツを紹介します。
公開直後の初動をつくる(1週間で目標の30%)
CAMPFIREのデータでは、公開後1週間で目標金額の30%以上を集めたプロジェクトは、その後の成功率が高まる傾向があります。公開直後の勢いが「応援したい」という新たな支援を呼び込むため、公開前から告知先を準備し、初日から動けるようにしておくことが重要です。
事前に応援してくれる人を集めておく
支援者の内訳は、友人・知人、その友人・知人のつながり、まったく知らない人がおよそ3分の1ずつという目安が知られています。初動を支えるのは身近な応援層なので、公開前に告知できる相手をリストアップしておくと、初日からの立ち上がりが変わります。
募集中に活動報告を続ける(3回以上で約2倍)
CAMPFIREのデータでは、活動報告を3回以上投稿したプロジェクトは、投稿しない場合と比べて集めた金額が約2倍という傾向が示されています。進捗や達成率、開発の裏側などをこまめに発信することで、支援者の関心を保ち、追加の支援やシェアを促せます。
達成後や終了間際にもう一段の支援を集める
支援は公開直後と終了間際に伸びやすいため、募集期間の後半にも打ち手を残しておくと効果的です。目標を早期に達成できた場合は、次の目標(ネクストゴール)を設定し、上乗せ分の使いみちを具体的に示すと、達成後も支援が続きやすくなります。終了の数日前にSNSやメールで締め切りを改めて告知すると、迷っていた支援者の後押しになり、ラストスパートにつながります。
成功しているプロジェクトには型があります。新製品を発売前に先行販売するタイプ、地域の産品や店舗の再生を応援してもらうタイプ、クリエイターが作品づくりの資金を募るタイプが代表的です。自分のプロジェクトがどの型に近いかを考えると、利用予定のプラットフォームで公開されている先行事例のうち、参考にすべきものを見つけやすくなります。
ここまでで、始め方の全体像とお金の現実、成功のコツを押さえました。次は、実際にどのプラットフォームで始めるかを決めるために、主要サービスを比較します。
主要クラウドファンディングサービスの比較と選び方
ここからは、購入型で代表的なCAMPFIRE・Makuake・READYFOR・GREEN FUNDING・kibidangoの5サービスを、手数料・募集方式・入金時期・得意ジャンルの観点で比較します。まずは全体像を一覧で確認しましょう。
| サービス名 | CAMPFIRE | Makuake | READYFOR | GREEN FUNDING | kibidango |
|---|---|---|---|---|---|
| 手数料(起案者負担) | 利用12%+決済5% (計17%、いずれも税別) 掲載は無料 | 実行手数料20% (税別・税込22%) 決済手数料込み・掲載は無料 | ベーシック14%(税別) 運営9%+決済5% 上位プランは要問い合わせ | 支援金総額の20% (消費税等を含む) 目標達成時のみ発生 | 15%(税別) 成功報酬型 (2025年7月1日改定) |
| 募集方式 | All or Nothing /All In | All or Nothing /All In | All or Nothing /All In (All Inは承認制) | All or Nothing のみ | All or Nothing のみ |
| 入金の目安 | 募集終了月の翌月末 (早期入金あり) | 募集終了月の翌月25日 | 募集終了の翌々月10日 (早期入金あり) | 募集終了月の翌月末まで (個別協議あり) | 募集終了月の翌月末 (早期入金は終了日の10日後) |
| 得意ジャンル・向いている人 | 幅広いジャンル。 個人・法人・NPO・自治体まで 属性を問わず使いたい人 | 新商品・家電・ガジェット。 専任キュレーターの伴走で 世に出したい事業者 | NPO・医療・社会貢献など 非営利領域に強い。 寄付型も併用したい人 | ガジェット・家電に強い。 TSUTAYAなどの実店舗連携を 活かしたい人 | ガジェット・海外プロダクト。 専任担当と小〜中規模で 始めたい人 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※手数料は各社の表記(税別/税込)が異なり、税別表記のサービスは別途消費税がかかります。手数料率・募集方式・入金時期などの最新情報や適用条件は各社公式情報をご確認ください。
自社に合うプラットフォームの選び方
選ぶ際は、次の観点を自社のプロジェクトに当てはめて確認しましょう。手数料は手取りに直結するため、料率と決済手数料の内訳を確かめます。次に、扱う商材が得意ジャンルと合うか。ガジェットや新商品ならMakuakeやGREEN FUNDING、社会貢献性の高いプロジェクトならREADYFORのように、プラットフォームごとに集まりやすいジャンルがあります。
さらに、初めてなら企画やページ作成を伴走してくれるサポート体制の手厚さ、目標未達のリスクを避けたいなら募集方式の選択肢も判断材料になります。
1. CAMPFIRE(株式会社CAMPFIRE)

CAMPFIREは、累計プロジェクト数約12万4,000件・累計支援額約1,200億円(2026年6月時点)の実績を持つ購入型クラウドファンディングです。ジャンルを問わず幅広いプロジェクトが集まり、個人・法人・NPO・自治体まで、起案者の属性を選ばず使える汎用性があります。
手数料はプラットフォーム利用手数料12%+決済手数料5%(いずれも税別)で、掲載・作成は無料。All or NothingとAll Inの両方式に対応し、審査結果は最短即日〜5営業日で通知されます。標準の入金は募集終了月の翌月末ですが、追加手数料で最短4営業日に早める早期振込サービスも利用できます。どのプラットフォームにするか迷ったときに、まず候補に挙がる一つといえます。
2. Makuake(株式会社マクアケ)

Makuakeは「応援購入」を掲げるサービスで、累計応援購入総額1,300億円超・累計プロジェクト数5万1,000件(2026年8月時点)の実績があります。特に家電・ガジェット・オーディオといった新商品領域に強く、新しいプロダクトを世に出したい事業者と相性がよいのが特徴です。
実行手数料は決済手数料込みで応援購入総額の税抜20%(税込22%)の一本化料率で、掲載・相談は無料です。全プロジェクトに専任キュレーターが付き、企画設計・ページ制作・法令面のチェック・広報まで伴走します。入金は月末締めの翌月25日払い。取引先・実現性・表記の3段階審査があり、比較的しっかり作り込んでから公開する流れになります。
3. READYFOR(READYFOR株式会社)

READYFORは、日本で早くからクラウドファンディングを手がけてきたサービスで、累計支援額は500億円を突破しています(2025年7月末時点)。社会貢献性の高いプロジェクトや寄付型に強く、購入型・寄付型の双方を扱える点が特徴です。国立科学博物館や日本将棋連盟など、大型の寄付型プロジェクトの実績も知られています。
手数料は、メールサポート中心のベーシックプランが14%(税別、運営手数料9%+決済手数料5%)。専任担当が付くサポートプランや、専門チームが伴走するコンサルティングプランも用意され、これらの手数料は実施内容により個別見積もりとなります。
All or NothingとAll Inの両方式に対応し(All Inは対象が限られ承認制)、入金は翌々月10日が基本です。サポートの手厚さを重視する場合に検討したいサービスです。
4. GREEN FUNDING(株式会社ワンモア)

GREEN FUNDINGは、CCCグループの株式会社ワンモアが運営する購入型クラウドファンディングです。TSUTAYAなどの実店舗連携を持つ点が独自の強みで、ガジェットやプロダクト系を中心に、比較的規模の大きいプロジェクトも生まれています。
起案者の手数料は、目標達成時に支援金総額の20%相当額(消費税等を含む)で、未達成なら手数料は発生しません。募集方式はAll or Nothingで、キュレーション審査によって運営が掲載前から伴走します。入金は募集終了月の翌月末までが基本です。実店舗との連動も視野に入れたプロダクトの立ち上げに向いています。
5. kibidango(きびだんご株式会社)

kibidangoは、手数料15%(税別)と主要サービスの中でも比較的抑えた料率が特徴の購入型クラウドファンディングです。運営会社自身が海外プロダクトの発掘・国内紹介を手がけてきた背景があり、モノづくり系のプロジェクトに知見を持ちます。
募集方式はAll or Nothingのみで、目標未達なら起案者・支援者ともに費用や決済は発生しません。1プロジェクトに専任担当が付き、ページ作成から募集中の運営まで伴走します。入金は募集終了月の翌月末で、プロジェクト終了日から10日後に入金する早期入金オプションも用意されています。手数料を抑えつつ、担当者のサポートを受けて始めたい場合に候補となります。
資金調達手段としてのクラウドファンディングの位置づけ
最後に、クラウドファンディングを他の資金調達手段と比べて位置づけておきます。本記事で扱った購入型は、リターンとして商品やサービスを返すため、返済義務も持分の譲渡もなく、テストマーケティングや認知拡大を兼ねられる点が強みです。一方で、目標金額に届くかは公開後の反応次第で、資金化まで数ヶ月かかります。
まとまった運転資金を確実に、かつ早く調達したい場合は、金融機関やノンバンクのビジネスローンのほうが適することもあります。事業の成長資金を集めたいなら、利息を返す融資型や、株式を発行する株式投資型クラウドファンディングも選択肢です。
ただし融資型・株式投資型は投資家保護のための規制がかかり、個人が手軽に使える手段ではありません。自社に合う手段は、何を返せるか(商品か、利息か、株式か)と、返済や持分の譲渡を受け入れられるかを軸に選ぶとよいでしょう。
運転資金を早く確実に調達したい場合の選択肢となるビジネスローンについては、以下の記事で銀行・ネット銀行からノンバンクまで提供元ごとの金利・融資スピード・限度額を整理し、法人・個人事業主それぞれの選び方を比較・解説しています。具体的な借入先の検討にご活用ください。
まとめ
クラウドファンディング(購入型)は、目的と資金使途を固め、プラットフォームと目標金額・リターンを設計し、ページ作成・審査・公開・活動報告を経て、入金・リターン発送に至る一連の流れで進みます。公開準備から資金化までは通算で最短2〜3ヶ月が目安です。手数料は14〜20%程度(税込では最大22%)、入金は募集終了の翌月末〜翌々月が中心で、これらを織り込んで目標金額を設計することが重要です。
プラットフォームは、手数料・得意ジャンル・サポート体制・募集方式を自社のプロジェクトに照らして選びます。公開直後の初動、事前の応援層づくり、募集中の活動報告といった具体的な行動が、達成率を左右します。本記事を参考に、まずは目的の整理とプラットフォーム選びから始めてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 購入型クラウドファンディングとは何ですか?
A. 購入型クラウドファンディングとは、支援者が支払った金額に対して、起案者が商品・サービス・体験などをリターンとして提供する資金調達の仕組みです。株式や利息といった金銭的な見返りを伴わないため金融商品ではなく、借入のような返済義務や、出資のような持分(株式)の譲渡なしに資金を集められる点が特徴です。一方で、支援を受けた起案者は約束したリターンを届ける責任を負います。
Q. クラウドファンディングを始めてから資金を受け取るまで、どのくらいの期間がかかりますか?
A. クラウドファンディングは、企画準備からリターン発送まで含めると、通算で最短2〜3ヶ月程度が目安です。内訳は、プロジェクトページの作成に2〜6週間、審査に最短即日〜5営業日、募集期間が30〜60日程度で、募集終了後の入金は終了月の翌月末〜翌々月ごろが中心です。
以上はCAMPFIREが公式に示す目安で、利用するサービスによって前後します。資金化までに時間がかかるため、必要な時期から逆算してスケジュールを組んでおくと安心です。
Q. クラウドファンディングは個人でもできますか?
A. 購入型クラウドファンディングは、法人だけでなく個人でも実施できます。CAMPFIREをはじめ、多くのプラットフォームが個人・法人・NPO・自治体など起案者の属性を問わず利用できるようにしています。ただし本人確認やプロジェクト審査があり、約束したリターンを届ける責任は個人でも法人と同じように負う点は変わりません。
Q. クラウドファンディングに年齢制限はありますか?未成年でも利用できますか?
A. 年齢や本人確認の条件はプラットフォームごとに定められており、未成年の場合は法定代理人(親権者)の同意を求められるのが一般的です。利用できる年齢や必要な手続きはサービスによって異なるため、起案を検討しているプラットフォームの利用規約や登録要件を事前に確認してください。
Q. 目標金額に届かなかった場合、集めた資金はどうなりますか?
A. 募集方式によって異なり、All or Nothing方式では目標未達だと支援は成立せず全額返金され、起案者は資金を受け取れません(この場合は手数料も発生しません)。一方のAll In方式では、目標の達成・未達にかかわらず、集まった支援金を受け取れます。
確実にプロジェクトを実行する前提ならAll In、目標に届かなければ仕切り直したいならAll or Nothingというように、性質で選びます。
Q. 個人や事業者が融資型・株式投資型クラウドファンディングで資金を集めることはできますか?
A. 融資型・株式投資型はいずれも金融商品取引法の規制対象で、個人が自分の資金調達に手軽に使えるものではありません。融資型(貸付型)は、投資家からの出資をファンド業者を通じて企業などに貸し付ける仕組みで、募集を行う者には第二種金融商品取引業の登録が義務づけられています。
株式投資型は非上場株式の発行を通じた資金調達で、持分の譲渡を伴ううえ、1社が1年間に調達できる額は5億円未満に制限されています。返済義務や持分の譲渡なしに資金を集めたい場合は、商品・サービスをリターンとする購入型が現実的な選択肢です。
出典・参考資料(2件)
Q. 約束したリターンを提供できなくなった場合、起案者はどうなりますか?
A. 購入型では、支援を受けた起案者は約束したリターンを支援者に届ける責任を負い、トラブルは原則として当事者間で解決することが求められます。国民生活センターの資料でも、リターンが届かない・当初と異なる商品が提供されるといった相談事例が挙げられており、プラットフォームは仲介に入らず当事者間での解決を求めるのが一般的とされています。
だからこそ、原価・発送費・手数料を差し引いても実行できる現実的なリターンだけを設定し、発送スケジュールにも余裕を持たせることが欠かせません。
法人向けサービスを課題別に探すならMCB FinTechカタログ
MCB FinTechカタログでは、決済・金融・バックオフィス領域の法人向けサービスを課題別に探し、気になるサービスの資料をまとめて請求できます。購入型クラウドファンディングのほかの課題も、あわせてご確認ください。
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。










