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保険会社のAPI連携とは?できること・つなぎ方・事例をわかりやすく解説

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組込型保険(エンベデッド保険)プラットフォーム比較表(2026年版)のプレビュー

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組込型保険(エンベデッド保険)プラットフォーム比較表(2026年版)

保険の申し込みや契約内容の確認を、保険会社の窓口やマイページではなく、ふだん使っているアプリやWebサービスの中で完結させる。そんな体験が、保険会社のAPIを使った連携によって少しずつ広がっています。

銀行アプリの中で保険に入る、クルマの維持費アプリで複数社の自動車保険を一括見積もりする、健康診断の結果をマイナポータル経由で保険会社へ提出する——いずれも保険会社が持つ業務やデータを、API経由で外部のサービスにつないだ結果です。

この記事では、保険会社のAPI連携で具体的に何ができるのかを業務・データ別に整理し、誰と誰がどうつながるのか、どんな仕組みで接続するのかを、公開されている実例とともにわかりやすく解説します。

専門知識がなくても全体像を掴めるように用語はその都度補い、最後に「自社のサービスに保険を組み込みたい」「保険会社としてAPIを外部に開きたい」と考えたときに検討できる、基盤・プラットフォームの選択肢まで橋渡しします。

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保険会社のAPI連携とは?

保険会社のAPI連携とは、保険会社が持つ契約照会・保険料試算・申込・情報取得といった業務やデータを、API(Application Programming Interface)経由で外部の事業者やアプリのサービスに接続できるようにする仕組みです。

APIは、あるシステムの機能やデータを別のシステムから呼び出すための接続口を指します。保険会社の内部にしまわれていた機能を、決められた手順でやり取りできる「窓口」として外に開くイメージです。

これによって、保険会社のマイページに入らなくても提携アプリの中で契約内容を確認できたり、1回の入力で複数社の保険料を比べられたりします。API連携を専門に仲介する管理基盤やプラットフォームを提供する事業者も登場しています。

出典・参考資料(2件)

保険会社のAPIでできること(業務・データ別)

ここからは、保険会社のAPI連携で具体的に何ができるのかを、業務・データ別に見ていきます。まず全体像を一覧で示し、続けて主な用途を一つずつ、実在するサービスや事例に紐づけて解説します。

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できること契約情報・解約返戻金・申込進捗の照会保険料試算・一括見積もり申込(ネット完結)SSO・マイページへの遷移健診・医療保険情報の取得
読者にとっての具体例提携アプリの中で、加入中の契約内容や解約返戻金額、申込の進み具合を確認できる1回の入力で複数の保険会社の保険料をまとめて比較できる書類の郵送なしに、Web・アプリ上で申し込みまで完結できる再ログインなしで、提携アプリから保険会社のマイページへそのまま移動できる健康診断の結果を、撮影や書類準備なしにマイナポータルから電子提出できる
実在する裏づけ(例)insurance API PORT の業界標準API対象業務(順次追加予定)NTTイフ「If-InsurTech」自動車保険API(2020年〜)日本システム収納/NTTイフうちの保険×ネオファースト生命(2023年)デジタル庁「医療保険情報取得API」/第一生命

契約情報照会・解約返戻金照会・申込進捗照会

契約者が加入している保険の契約内容や解約返戻金額、申し込みの進捗状況を、外部のアプリやサービスから照会できるようにする用途です。NTTデータの保険業界向けAPI管理基盤「insurance API PORT」では、こうした照会業務を業界共通のAPIでつなぐ「標準API公開サービス」が用意されています。

ただし対象業務は現在拡大の途上にあり、公式ページでも「順次追加予定」と案内されています。

※ 業界標準API対象業務:解約返戻金照会・申込進捗状況照会・契約情報照会(順次追加予定)

出典:insurance API PORT®|NTTデータ

保険料試算・一括見積もり

利用者が入力した条件をもとに、複数の保険会社へ保険料の見積もりを依頼し、その結果をまとめて返す用途です。NTTイフが提供する「If-InsurTech」の自動車保険APIは、サービス利用企業からの見積もり依頼を各保険会社へ中継し、各社の保険料や算出条件、特約、割増引情報を応答する仕組みになっています。

本サービスは、サービス利用企業(以下リクエスタ)から見積もり依頼情報をAPI連携頂くと、NTTイフにて各保険会社へ保険料見積もりを中継し、各社からの見積もり結果(保険料、算出条件、特約、割増引情報)をリクエスタに応答します。

出典:「If-InsurTech®-自動車保険API」のCarponへの提供開始について(2020年1月16日)|エヌ・ティ・ティ・イフ

申込(ネット完結)

見積もりの先にある申し込みまで、書類の郵送を挟まずにWeb・アプリ上で完結させる用途です。API連携により、申込書のやり取りを紙のデリバリー型からネット完結型へ切り替えられます。NTTイフの自動車保険APIでも、一部の保険会社についてはネット申込用のURLを取得できる機能が用意されています。

出典・参考資料(2件)

SSO・マイページへのシームレス遷移

提携アプリから保険会社のマイページへ、あらためてログインし直すことなく移動できるようにする用途です。SSO(シングルサインオン)は、一度の認証で複数のサービスを行き来できる仕組みを指します。

保険管理アプリと保険会社をSSO・API連携でつなぐと、利用者はアプリ内で契約情報を一覧できるうえ、詳しい手続きが必要なときはそのまま保険会社のマイページへ遷移できます。具体的な仕組みは次章で解説します。

健診・医療保険情報の取得

マイナポータルを通じて、利用者本人の同意のもとで健診情報や医療保険情報を取得する用途です。デジタル庁が提供する「医療保険情報取得API」を使うと、利用者の同意を得たうえで、健診情報などを外部のAPI利用者へ提供できます。生命保険の加入時に健康診断結果を提出する場面などで活用されています。

「医療保険情報取得API」を利用することで、利用者の同意を得た上で、医療保険情報を外部のAPI利用者へ提供することができるようになります。

出典:医療保険情報取得API 仕様|デジタル庁
出典・参考資料(1件)

誰と誰がどうつながるのか|登場人物と2つの型

ここからは、保険会社のAPI連携に登場する関係者と、連携の2つの型を整理します。自社がどの立場にあたるのかを掴むと、必要な検討がはっきりします。

登場人物と2つの型の全体像は、次の図のとおりです。

保険会社のAPI連携に登場する3者(保険会社、間に立つAPI基盤・プラットフォーム、事業会社・アプリ)の構図と、保険会社がAPIを外に開く型(保険コアAPI基盤、主体は保険会社)と、事業会社が自社導線に保険を載せる型(組込型保険、主体は事業会社)という2つの型の違いを示した図。

登場人物と全体の構図

API連携には、大きく3者が登場します。第1に、保険商品を引き受ける保険会社。第2に、保険会社の業務やデータをAPIとして扱えるように整える「API基盤・プラットフォーム」。第3に、保険を自社のサービスに載せたい事業会社・アプリ運営者・代理店です。

API基盤が保険会社と事業会社の間に立ち、接続の窓口や認証、業務の中継を担うことで、事業会社は保険会社ごとに個別開発をしなくても保険機能を扱えるようになります。

保険会社がAPIを外に開く型(保険コアAPI基盤)

1つめは、保険会社が自社の契約・照会・引受などの業務をAPIとして外部に公開する型です。この型では、保険会社が自社の基幹システムの上に「保険コアAPI基盤」と呼ばれる層を持ち、そこから業界共通のAPIや自社独自のAPIを外部に開きます。

NTTデータの「insurance API PORT」のように、保険会社が自前でAPI管理基盤を構築しなくても、共通の基盤を通じて標準API・個社APIを公開できるサービスも提供されています。この型は主に、保険会社側のIT・デジタル企画の読者に関わります。

事業会社が自社導線に保険を載せる型(組込型保険)

2つめは、保険を売る側ではない事業会社が、自社の購入・予約・アプリ利用の流れの中に保険を組み込む型です。これは「組込型保険(エンベデッド保険)」と呼ばれ、家電の購入時に延長保証を、旅行予約時にキャンセル保険を、その場で加入できるようにする使い方が典型です。

この型では、事業会社が保険の引受や事務を自前で持たずに済むよう、組込型保険のプラットフォームが保険会社との接続や販売動線を提供します。保険会社が開いたAPIを、事業会社側から使うための橋渡しをする位置づけで、EC・アプリに保険を載せたい事業会社の読者に関わります。

どちらの型も、保険会社・API基盤・事業会社という登場人物は共通です。違いは「保険会社が主体となって業務を外に開くのか」「事業会社が主体となって自社サービスに保険を載せるのか」という出発点にあり、それによって選ぶべき基盤や検討の進め方が変わります。

出典・参考資料(1件)

どうやってつなぐのか|接続の仕組み

ここからは、実際にどうやって接続するのかを、認証やAPIの公開方式に分けて解説します。仕組みがわかると、事例やセキュリティの論点も理解しやすくなります。

API基盤・プラットフォームを介した連携

多くの連携では、保険会社と事業会社が直接つなぐのではなく、間にAPI基盤・プラットフォームを挟みます。基盤側が接続の窓口を統一し、認証やデータの受け渡しの手順を共通化するため、事業会社は相手の保険会社が増えても同じ作法で接続を広げられます。

保険会社にとっても、似たようなAPIが乱立したり、個別に基盤を構築したりする負担を抑えられる利点があります。

アクセストークンによる認証・SSO

提携アプリから保険会社のサービスへ安全につなぐ際には、アクセストークンと呼ばれる一時的な認証情報が使われます。保険管理アプリ「うちの保険」とネオファースト生命の連携では、NTTデータのAPI PORTが管理するアクセストークンを利用し、利用者は改めて認証せずに保険会社のマイページへシームレスに遷移できます。

NTTデータのAPI PORTが適切に管理を行うアクセストークンを利用し、ネオファースト生命のユーザー認証(ユーザー情報による認証と電話認証)不要で、うちの保険からネオファースト生命のマイページにシームレスに遷移します。(ただし、初回アクセス時やトークンの期限切れの場合は、ネオファースト生命のマイページでユーザー認証が必要です。)

出典:保険管理アプリ「うちの保険」で保険会社とのSSO・API連携サービスを開始(2023年4月28日)|iChain(PR TIMES)

初回アクセス時やトークンの有効期限が切れた場合は、あらためて保険会社側での認証が必要になります。利便性と本人確認の安全性を両立させるための設計です。

標準API公開と個社API公開

保険会社がAPIを外部に開くとき、大きく2つの公開方式があります。業界で共通化されたインターフェースを使う「標準API公開」と、各社の戦略に合わせて独自に公開する「個社API公開」です。NTTデータの「insurance API PORT」は、この両方を保険業界に特化したAPI管理基盤として提供しています。

業界標準APIを搭載予定の、「標準API公開サービス」を利用することで、共通IF・共通インフラのもとで業界標準APIの外部公開が可能になります。更に、「個社API公開サービス」を利用することで保険会社さまは、自社でAPI管理基盤を持たずとも、個社戦略に合わせたAPI公開が可能になります。

出典:insurance API PORT®|NTTデータ

ここで押さえておきたいのは、業界標準APIが「搭載予定」の段階にあることです。現時点では個社ごとの対応や順次拡大が中心で、どこまで共通化が進むかは今後の動向を見ていく必要があります(実務上の意味は後述します)。

出典・参考資料(2件)

保険会社のAPI連携の事例

ここからは、実際に公表されている連携の事例を、「誰が・何と・何を・どうなったのか」がわかる形で紹介します。仕組みが実務でどう使われているのかを具体的にイメージできます。

ネオファースト生命×保険管理アプリ「うちの保険」のSSO・API連携

iChainが運営する保険管理アプリ「うちの保険」は、2023年4月にネオファースト生命とのSSO・API連携を開始しました。利用者がうちの保険で加入しているネオファースト生命の保険について、NTTデータのAPI PORTを介して保険情報を取得し、アプリ内に一覧表示します。複数の保険をひとつのアプリで管理したいという利用者のニーズに応える連携です。

NTTイフ「If-InsurTech」×Carpon の自動車保険一括見積もりAPI

NTTイフは2020年1月、自動車保険の一括見積もりAPIを、クルマの維持費節約アプリ「Carpon」(ファブリカコミュニケーションズ)へ提供開始しました。Carponの利用者が見積もり条件を入力すると、NTTイフが各保険会社へ見積もりを中継します。

提供開始時点の対応保険会社はSBI損害保険で、その後セゾン自動車火災保険、三井ダイレクト損害保険が順次加わりました。対応保険会社が増えるほど、一度の連携で比較できる選択肢が広がっていく形です。

第一生命×マイナポータルの健診情報デジタル提出

第一生命の「健診情報デジタル提出サービス」は、デジタル庁のマイナポータルAPI(医療保険情報取得API・利用者登録等API)を活用した事例です。従来は健康診断結果のコピー準備や画像撮影が必要でしたが、このサービスではマイナポータルから健診情報を電子的に提出できます。

政府が提供する情報連携基盤を保険の実務に組み込んだ例で、デジタル庁の公式ページにも活用事例として掲載されています。なお、取得した医療保険情報を扱うには「PHRサービス提供者による健診等情報の取扱いに関する基本的指針」の遵守が求められます。

出典・参考資料(3件)

保険会社のAPI連携のメリットと実務上の論点

ここからは、API連携で得られるメリットと、導入を検討するうえで押さえておきたい実務上の論点を整理します。

メリット

API連携の主なメリットは4つに整理できます。第1に、書類のやり取りや手作業を減らし、申込・照会などの手続きを簡素化できること。第2に、保険会社にとっては提携先のアプリやサービスを通じて新たな販売チャネルを広げられることです。

第3に、申込書の郵送や事務処理にかかるコストを削減できること。第4に、利用者が使い慣れたアプリの中で契約確認から手続きまで完結できる、シームレスな顧客体験を提供できることです。

事業会社側から見れば、保険会社ごとに個別のシステムを開発しなくても、API基盤を介して複数社の保険を扱えるため、参入のハードルが下がります。保険を売る事業と、保険を載せたい事業の双方にとって、開発と運用の負担を抑えながら価値を広げられる点が連携の核心です。

実務上の論点

一方で、導入前に押さえておきたい論点もあります。まずセキュリティと認証です。契約情報や健診情報といった機微なデータを扱うため、アクセストークンの管理や利用者の同意取得、情報の取扱いに関する指針の遵守が前提になります。マイナポータル連携では利用申請から開始まで一定の期間を見込む必要もあります。

次に、標準API化の現状です。業界標準APIは搭載・拡大の途上で、現時点では個社ごとの対応が中心です。加えて、保険業界、特に生命保険業界では基幹システムにオンプレミス(自社設備での運用)が多く残っており、クラウド化はこれから広がっていく段階にあります。矢野経済研究所も、こうした状況を次のように整理しています。

保険業界、特に生命保険業界では基幹システムを中心にオンプレミスが大半を占めており、徐々にクラウド化に向けた動きが始まりつつある。

出典:【生命保険会社によるAPI連携の取組み:ネオファースト生命】|矢野経済研究所ICT(上級研究員 小田沙樹子)

そのため、いま検討するなら「どこまで標準化・クラウド化が進んでいるか」「自社のやりたいことに対応できる基盤はどれか」を見極めることが重要になります。

出典・参考資料(1件)

自社サービスに保険をAPIで組み込むには|基盤・プラットフォームの選択肢

ここまでの内容を踏まえ、「自社で保険のAPI連携を始めるなら、どの基盤を使えばよいのか」を整理します。選択肢は、自社の立場が「保険を載せたい事業会社側」なのか「APIを開きたい保険会社側」なのかで変わります。

ここまで解説で登場した「insurance API PORT」(NTTデータ)や「If-InsurTech」(NTTイフ)は、保険会社と事業会社の間に立って接続を仲介する管理・中継の基盤でした。この章で比較するのは、その中でも自社が導入を検討しやすい基盤・プラットフォームです。

役割で整理すると、事業会社が自社サービスに保険を組み込むための「組込型保険(エンベデッド保険)プラットフォーム」と、保険会社が自社の業務をAPIとして外部に開くための「保険コアAPI基盤」の2種類に分かれます。両方の役割をまたいで提供する基盤もあります。

検討を始めるときは、次の順で整理すると進めやすくなります。

  1. 自社の立場を定めます(保険を載せたい事業会社側か、APIを開きたい保険会社側か)
  2. 対応してほしい保険種目・業務範囲(照会・試算・申込・請求など)を洗い出します
  3. 自社システムとの接続方式(API基盤経由か個社接続か、既存の基幹を残せるか)を確認します
  4. 導入までの期間感と料金体系(初期費用・従量課金の有無)を各社の資料で見比べます
  5. 候補を絞り込み、資料請求やPoC(試験導入)で具体的に検討します

ここで取り上げるのは、この2タイプにまたがり、提供形態や対応領域の異なる代表的な5基盤です。次の比較表で、それぞれの位置づけを整理します。

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サービス名FusionInsureMOInspireNRI 保険ソリューションjoinsure
連携の型事業会社が保険を載せる型
(組込型保険)
保険会社がAPIを開く型
(保険ミドルオフィス)
保険会社側・事業会社側の両方保険会社がAPIを開く型
(基幹システム中心)
事業会社が保険を載せる型
(組込型保険+少短設立支援)
提供形態SaaS型プラットフォーム
(API連携ミドルウェア)
PaaS/SaaS
(クラウドネイティブ)
SaaS型
(保険基幹システム)
受託SI+業務パッケージ
(クラウド前提)
SaaS型保険システム
主な機能・対応範囲自社アプリ・Webに複数保険会社の商品を組み込んで販売(シナリオ型/マーケットプレイス型)。損保・第三分野・生保を横断基幹を入れ替えず上位にAPI層を追加。商品・見積もりから契約管理・請求まで全業務を2,500以上のアトミックAPIで提供。組込型保険にも対応見積もりから申込・査定・契約管理・保全・請求・更改まで一気通貫。API連携で複数保険会社の商品を自社導線に組み込み。生保・損保・少短に対応保険基幹(引受・契約管理・支払・保全)の受託構築。InsDirect/MPは補償を部品化した商品組成と顧客画面向けAPIを備え、非金融事業者の保険参入も支援申込フォームからバックオフィス(引受査定・契約管理・保全・収納・支払査定)まで対応。保険API提供と少額短期保険の設立支援まで一気通貫(フル/部分導入を選択可)
料金要お問い合わせ
(個別見積もり)
要お問い合わせ従量課金制
(初期費用は要問い合わせ)
要お問い合わせ
(受託の個別見積もり)
初期開発費用を原則ゼロと訴求
(詳細は要問い合わせ)
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト

※ 料金・対応範囲は各社の公表情報にもとづく(2026年9月時点)。最新の内容は各社の資料・公式サイトでご確認ください。

ここからは、それぞれの基盤・プラットフォームの特徴を個別に見ていきます。

1. Fusion(リードインクス株式会社)

Fusionのウェブサイト

Fusionは、事業会社が自社のチャネル内で複数の保険会社の商品を販売できるようにする、組込型保険(エンベデッド保険)のプラットフォームです。銀行・EC・モビリティ・小売・旅行といった異業種の事業者が、自社のアプリやWebに保険の販売動線を組み込める設計になっています。

既存の購入・予約の流れにチェックボックス操作で保険加入を差し込む「シナリオ型」と、自社アプリ内に保険セクションを設けて複数商品を並べる「マーケットプレイス型」の2つの提供パターンがあります。

PayPayほけんでの累計加入件数1,000万件超、りそなホールディングス(銀行業界初採用・2024年8月公表)、LINE上で加入から請求まで完結する「Yahoo!ほけん」(2026年6月)など、大規模チャネルでの採用実績を重ねています。

情報セキュリティマネジメントの国際規格ISO/IEC 27001(ISMS)認証も取得しています。料金は要件に応じた個別見積もりで、公式サイトに具体額の記載はありません(2026年7月時点)。

出典・参考資料(1件)

2. InsureMO(InsureMO株式会社)

InsureMOのウェブサイト

InsureMOは、クラウドネイティブのマイクロサービスで保険業務を支える保険ミドルオフィス・プラットフォームです。保険会社の基幹システムを入れ替えることなく、その上位にAPI・マイクロサービスの層を追加することで、新しい商品やチャネルを短期間で立ち上げられる点が特徴で、保険会社がAPIを外に開く型を代表する基盤といえます。

公式プラットフォームページによると、2,500以上のアトミックAPI(部品単位のAPI)と17,500以上の事前構築済み保険商品、8,700以上のパートナーを掲げ、商品・見積もりから契約管理、保険金請求(クレーム)まで保険業務の全ライフサイクルをカバーします。

アグリゲーターやバンカシュアランス、組込型保険モデル向けのAPIも公開しています。グローバルでは50カ国以上・500社超で利用されているとしています。料金は非公開で、要問い合わせです(2026年7月時点)。

組込型保険が実際の利用者にどのように届くのかについて、同社はカタログの独自インタビューで次のように述べています。

河上氏
InsureMO株式会社 代表取締役
河上氏
独自インタビューより

まずわかりやすい事例として、大手ECサイトでのペット保険があります。これは、あいおいニッセイ同和損保様の子会社であるリトルファミリー少額短期保険様がご導入されているものです。サイトに入ると、お客様は最後まで保険会社の名前を一切意識せず、サイト中で完結して保険にお申し込みいただけます。背後で大手ECサイトのAPIとリトルファミリー様、そしてInsureMOがつながっています。お客様は住所や年齢、決済情報を再入力する必要がありません。これが、私たちが考える「正しい組込型保険」だと思っています。

出典・参考資料(1件)

3. Inspire(株式会社Finatext)

Inspireのウェブサイト

Inspireは、Finatextグループの株式会社Finatextが提供するSaaS型の保険基幹システム(保険ビジネスプラットフォーム)です。生命保険・損害保険・少額短期保険のいずれの事業者も対象にでき、見積もりから契約、請求、更改まで保険業務を一気通貫でオンライン化できます。

保険会社の基幹を担いながらAPI連携で組み込みにも対応するため、保険会社側と事業会社側の両方に橋渡しできる位置づけです。包括パッケージの「Inspire」に加え、ローコードで迅速に立ち上げる「Inspire Express」、機能を単体で導入する「Inspire Select」、少額短期保険・共済向けの立ち上げ支援など、導入規模や目的に応じた選択肢がそろっています。

システム利用費は従量課金制で、大手損害保険会社を含む13社(2025年6月末時点)に導入されています。運営はFinatextホールディングス(東証グロース・証券コード4419)傘下の株式会社Finatextの保険事業です。

出典・参考資料(1件)

4. NRI 保険ソリューション(株式会社野村総合研究所)

NRI 保険会社向け基幹/ダイレクト保険ソリューションのウェブサイト

NRI(野村総合研究所)は、保険会社向けの基幹業務システムの構築(受託SI)と、業務パッケージ・共同利用型サービスを組み合わせて提供しています。単一の製品ではなく、受託開発を主軸に複数のソリューションを組み合わせるモデルで、保険会社の基幹を支える立場から連携を検討したい場合の選択肢になります。

業務パッケージ「InsDirect/MP」は、商品管理と業務処理を分離し、補償を部品化して商品を組成できる設計で、バックオフィス機能に加えて顧客画面向けのAPIを備えます。これにより、非金融の事業者が少額の保険(ミニ保険)へ参入する際の基盤としても使えます。

ほかに自賠責の共同利用型サービス(e-JIBAI/One-JIBAI)なども提供しています。料金は受託開発が中心のため、案件ごとの個別見積もりで、公式サイトに料金体系の明示はありません(2026年6月時点)。

出典・参考資料(1件)

5. joinsure(株式会社justInCaseTechnologies)

justInCase Technologies(joinsure)のウェブサイト

株式会社justInCaseTechnologiesが提供するjoinsureは、保険APIの提供から少額短期保険の設立支援までをカバーするSaaS型の保険システムです。事業会社が組込型保険や少額短期保険の事業を立ち上げられるよう支援し、基本機能をSaaSで提供することで初期開発費用を原則ゼロに抑える設計を掲げています。

申込フォームのみの部分導入から、バックオフィス業務まで含むフル導入まで、導入範囲を選べます。システムに加えてコールセンターなどの業務委託(BPO)やコンサルティングを組み合わせるBPaaS(システムと運用を一体で提供する形態)や、少額短期保険業への参入検討フェーズから支援する「少短設立Navi」も用意しています。

伊藤忠オリコ保険サービスの「オリコのあんしん保険」(2025年3月)やau少額短期保険(2026年2月)など、複数の導入事例が公表されています。料金は公式サイトに具体額の記載がなく、個別問い合わせが前提です(2026年7月時点)。同社は、D2C保険を手がける姉妹会社の株式会社justInCase(現・ソニー少額短期保険)とは事業主体が異なります。

出典・参考資料(1件)

また、APIを外部に開きたい保険会社側で、API層の追加だけでなく基幹システムそのものの見直しから検討したい場合は、保険基幹システムを業態別に比較した以下の記事も参考になります。

まとめ

保険会社のAPI連携は、契約照会・保険料試算・申込・SSO・健診情報の取得といった業務やデータを、外部のアプリやサービスにつなぐ仕組みです。登場するのは保険会社・API基盤・事業会社の3者で、「保険会社がAPIを外に開く型」と「事業会社が自社導線に保険を載せる型」の2つの型があります。

接続はAPI基盤を介し、アクセストークンによる認証やSSO、標準API・個社APIの公開といった仕組みで実現されます。すでにネオファースト生命×うちの保険、NTTイフ×Carpon、第一生命×マイナポータルといった実例が動いている一方で、業界標準APIの整備やクラウド化はこれから広がっていく段階です。

自社で始めるなら、まず「保険を載せたいのか、APIを開きたいのか」という立場を定め、それに合う基盤・プラットフォームを比較検討することが第一歩になります。各サービスの資料をまとめて取り寄せ、料金や対応範囲を見比べてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 保険会社のAPI連携とは何ですか?

A. 保険会社のAPI連携とは、保険会社が持つ契約照会・保険料試算・申込・情報取得などの業務やデータを、API経由で外部の事業者やアプリのサービスから利用できるようにする仕組みです。保険会社のマイページに入らなくても提携アプリの中で契約を確認したり、1回の入力で複数社の保険料を比較したりできるようになります。

Q. 保険会社のAPIでは具体的に何ができますか?

A. 保険会社のAPIでできることは、契約情報・解約返戻金・申込進捗の照会、保険料試算・一括見積もり、ネット完結の申込、SSOによるマイページへのシームレス遷移、健診・医療保険情報の取得などに大きく分かれます。自動車保険の一括見積もりや、保険管理アプリと保険会社のSSO連携、マイナポータル経由の健診情報提出など、実在のサービスで用途ごとに使われています。

Q. 保険会社がAPIを外に開く型と、組込型保険(エンベデッド保険)はどう違いますか?

A. 両者の違いは「誰が主体か」にあります。保険会社がAPIを外に開く型は保険会社が主体となって自社の業務をAPIとして公開するもので、組込型保険は保険を売る側ではない事業会社が主体となって自社の購入・予約などの導線に保険を組み込むものです。前者は保険コアAPI基盤を通じて標準API・個社APIを公開し、後者は組込型保険プラットフォームが保険会社との接続や販売動線を提供します。

Q. 保険会社のAPI連携では、セキュリティや認証はどのように確保されますか?

A. 保険会社のAPI連携では、アクセストークンによる認証と利用者本人の同意取得を前提に、機微なデータを安全にやり取りする仕組みが取られています。SSO連携ではAPI基盤が管理するトークンを使い、期限切れ時などは保険会社側で改めて認証します。マイナポータル経由で健診・医療保険情報を扱う場合は、「PHRサービス提供者による健診等情報の取扱いに関する基本的指針」の遵守が求められます。

出典・参考資料(2件)

Q. 既存の基幹システムを入れ替えなくても保険のAPI連携を始められますか?

A. 多くの保険向けAPI基盤は、既存の基幹システム(コアシステム)を入れ替えずに、その上位にAPIの層を追加する形で導入できる設計になっています。たとえばInsureMOは基幹システムを入れ替えることなく上位にAPI・マイクロサービスの層を追加でき、既存資産を活かしたまま新しい商品やチャネルを立ち上げられます。全面刷新を避けて段階的に始められる点が、API連携が広がっている理由の一つです。

Q. マイナポータルの医療保険情報取得APIを利用するには何が必要ですか?

A. マイナポータルの医療保険情報取得APIを利用するには、デジタル庁への利用申請、利用者本人の同意取得、そして取得した情報を扱う際の基本的指針の遵守が必要です。生命保険加入時の健診情報の電子提出などで使われており、利用申請から利用開始までには一定の期間を見込んでおく必要があります。取得できる情報の一覧や利用までの流れは、デジタル庁の公式仕様に公開されています。

出典・参考資料(1件)

Q. 保険会社の業界標準APIはもう使えるのですか?

A. 業界標準APIは整備の途上にあり、現時点では個社ごとの対応や順次拡大が中心です。NTTデータの「insurance API PORT」でも業界標準APIは「搭載予定」と案内されており、解約返戻金照会・申込進捗状況照会・契約情報照会などの対象業務が順次追加される段階です。生命保険業界は基幹システムにオンプレミスが多く残っており、クラウド化・標準化はこれから広がっていく局面にあります。

出典・参考資料(2件)

Q. 自社のサービスに保険をAPIで組み込むには、どの基盤・プラットフォームを選べばよいですか?

A. まず自社が「保険を載せたい事業会社側」か「APIを開きたい保険会社側」かを定め、その役割に合う基盤を選ぶのが出発点です。事業会社が自社サービスに保険を組み込むなら組込型保険(エンベデッド保険)プラットフォーム、保険会社が自社業務をAPIとして公開するなら保険コアAPI基盤が中心になります。両方の役割をまたぐ基盤もあるため、対応範囲・導入実績・料金体系を資料で見比べて絞り込むとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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