自社のアプリやサービスの中で、自社ブランドのまま保険を提供できる——そんな「ホワイトラベル保険」という言葉を、事例やニュースで目にする機会が増えています。ローソンやau、大手銀行のアプリで見かける保険は、その会社自身が保険を作っているわけではありません。
とはいえ、「ホワイトラベル保険とは結局どういう仕組みなのか」「誰が保険を引き受け、誰の名前で売っているのか」「自社でも始められるのか」といった点は、言葉だけではイメージしにくい部分です。
本記事では、ホワイトラベル保険の意味と登場人物の役割を最初に整理したうえで、エンベデッド(組込型)保険やOEM保険との違い、実際の事例、提供している事業者・プラットフォーム、そして自社で検討する際に押さえておきたい制度面と費用感までをまとめて解説します。
目次
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ホワイトラベル保険とは?自社ブランドで保険を提供する仕組み
ホワイトラベル保険とは、保険会社が保険商品を引き受け、その保険を別の事業会社が自社のブランド名で顧客に提供する仕組みを指します。小売業やIT企業が「◯◯ほけん」のように自社サービスの一部として保険を提供していても、その保険を実際に引き受けているのは、多くの場合、背後にいる保険会社です。
この考え方を、保険会社自身の言葉で説明したのがライフネット生命です。「ホワイトラベル」は「ホワイトレーベル」と表記されることもありますが、同じ意味です。同社は決算説明会で、パートナー企業を通じて保険を届ける「ホワイトレーベル」の取り組みを次のように述べています。
ホワイトレーベルとは、当社がメーカーに徹して、ブランドや営業努力は当社の戦略的な販売パートナーと協力するというモデルです。
出典:ライフネット生命 2019年12月期 決算説明会(森亮介CEO 発言)|ログミーファイナンス
ここから、ホワイトラベル保険には主に次の登場人物がいることが見えてきます。それぞれの役割を分けて捉えると、仕組みが一気に理解しやすくなります。
- 保険会社(引き受ける側=メーカー):保険商品を設計し、実際にリスクを引き受ける。表に社名が出ないことも多い
- 事業会社(自社ブランドで売る側):自社の顧客基盤やアプリ・サイトを使い、自社ブランドで保険を届ける。販売の役割を担う
- プラットフォーム事業者(仕組みを提供する側):保険の販売動線をシステムとして提供し、事業会社と保険会社をつなぐ。存在しない座組みもある
- 顧客(利用者):使い慣れたサービスの中で、そのブランドの一部として保険に加入する

顧客から見ると、保険は「いつも使っているサービスの機能のひとつ」に見えます。裏側では保険会社が引き受けを担い、事業会社は自社ブランドで販売する——この役割分担こそが、ホワイトラベル保険の核心です。こうした提供形態は世界的にも広がりつつあり、EYは2030年までに全保険取引の30%以上が組込型になると予想しています。
出典・参考資料(2件)
ホワイトラベル保険とエンベデッド(組込型)保険・OEM保険の違い
ホワイトラベル保険の周辺には、エンベデッド(組込型)保険やOEM保険といった似た言葉が並びます。まず前提として、これらの用語は業界でも定義が固まりきっていません。EYもレポートの中で次のように指摘しています。
こうした中で、さまざまな調査機関やコンサルティングファームにおいて、エンベデッド・インシュアランスに関するレポートが公表されていますが、エンベデッド・インシュアランスに含まれる概念等はまちまちで、明確には定まっていないように見受けられます。
出典:エンベデッド・インシュアランスのグローバルトレンド|EY Japan
そのうえで、それぞれの言葉が指す範囲を実務的に整理すると、次のように捉えると混乱しにくくなります。
| 用語 | 主に指すもの | ホワイトラベル保険との関係 |
|---|---|---|
| エンベデッド(組込型)保険 | 他のサービスや購買体験の中に、保険を切れ目なく組み込んで提供すること全般 | より広い概念。ホワイトラベル保険はこの一形態にあたる |
| ホワイトラベル保険 | 引き受けは保険会社が担い、事業会社が自社ブランドで提供する形 | 本記事の主題。組込型保険を「誰のブランドで売るか」で見た呼び方 |
| OEM保険 | 他社が作った保険を自社ブランドで提供するという、製造委託になぞらえた呼び方 | ホワイトラベルとほぼ同義で使われることが多い |
EYは、こうした保険を提供する事業者を「保険会社・MGA/ブローカー」と「ソリューションプロバイダー」に大別したうえで、ブランドの出し方によって次の型に整理しています。
保険販売や引受等を行うためのライセンスを有する事業者がこのカテゴリに分類され、引受保険会社の社名を出さず保険を提供するホワイトラベル型、引受保険会社と組込先双方の社名を出す共同ブランディング型、そして、ホワイトラベル型・共同ブランディング型の両サービスを提供する3つのモデルに分けられます。
出典:エンベデッド・インシュアランスのグローバルトレンド|EY Japan
ホワイトラベル型は「引受保険会社の名前を出さず、事業会社のブランドだけで見せる」形、共同ブランディング型は「保険会社と事業会社の両方の名前を出す」形という違いがあります。実際のサービスでは、この境界がゆるやかなケースもあります。言葉の定義そのものより、「誰が引き受け、どのブランドで顧客に見せているか」で捉えると、後述の事例も読み解きやすくなります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:エンベデッド・インシュアランスのグローバルトレンド/保険会社が競争優位性を維持するには|EY Japan(リンク)
ホワイトラベル保険の事例(誰が・何の保険を・どのブランドで)
ここからは、実際に公表されているホワイトラベル保険の事例を、「どのブランドで売っているか」「何の保険か」「誰が引き受けているか」で整理します。同じホワイトラベルでも、保険会社が直接引き受ける型と、代理店の仕組みを提供する型があることが見えてきます。
| ブランド(売る側) | 商品・サービス | 引き受け・基盤の提供 | 提供の型 |
|---|---|---|---|
| ローソン | バイク盗難お見舞い保険(月額270円、2023年3月7日提供開始) | Tokio Marine X少額短期保険(東京海上日動の子会社) | 少額短期保険会社がホワイトラベル型で引き受け |
| au(auフィナンシャルパートナー) | auほけんナビ(デジタル保険代理店、2026年2月4日開始) | Sasuke Financial Labが代理店基盤「コのほけん!ホワイトレーベル」を提供 | 保険代理店の仕組みを提供する型(ソリューションプロバイダー型) |
| au(KDDI)/セブン&アイ | auの生命ほけん(2016年〜)/セブン・フィナンシャルサービスの生命ほけん(2020年春〜) | ライフネット生命 | 保険会社がメーカーに徹し、パートナーのブランドで販売 |
たとえばローソンで扱う保険は、東京海上日動の子会社であるTokio Marine X少額短期保険が引き受けています。東京海上日動は、同社をパートナー企業のブランドで保険を提供する会社と位置づけ、その役割を次のように説明しています。
ビジネスパートナーの自社ブランドとしての保険商品を提供すること
出典:Tokio Marine X少額短期保険株式会社の営業開始について|東京海上日動火災保険
一方、auの「auほけんナビ」は、保険会社が直接引き受ける形ではなく、Sasuke Financial Labが提供するデジタル保険代理店の基盤を使う形です。同社は、この基盤の役割を次のように説明しています。
「コのほけん!ホワイトレーベル」は、パートナー企業が提供する様々なサービス内に保険サービス(デジタル保険代理店機能)を組み込むことで、保険加入や見直しを検討する機会を創出することができます。
出典:デジタル保険代理店基盤「コのほけん!ホワイトレーベル」をauフィナンシャルパートナーへ提供|Sasuke Financial Lab
このように、同じ「自社ブランドで保険を提供する」でも、少額短期保険会社が引き受ける型と、保険代理店の仕組みを借りる型では、背後の座組みが異なります。自社で検討する際は、この違いが後述する制度面の論点に直結します。
出典・参考資料(3件)
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ホワイトラベル保険を提供する事業者・プラットフォーム
自社ブランドで保険を提供したいと考えたとき、実際に頼れるのは、保険の販売動線をシステムとして提供するプラットフォーム事業者です。ここでは全体像として国内の主なプレイヤーを見渡します。事業会社が自社サービスに保険を組み込む用途で検討しやすい主要3社は、記事後半の「自社サービスに保険を組み込むには」で機能と提供形態を詳しく紹介します。
- Fusion(リードインクス)/InsureMO/Inspire(Finatext):事業会社が自社サービスに保険の販売動線を組み込むための基盤・プラットフォーム
- Sasuke Financial Lab:デジタル保険代理店の基盤「コのほけん!ホワイトレーベル」を提供。保険会社が直接引き受けるのではなく、代理店の仕組みを自社ブランドで使いたい場合の選択肢で、auほけんナビの基盤として使われている
各社の採用先や導入社数などの詳細は、各社の公式情報で確認できます。
出典・参考資料(3件)
自社でホワイトラベル保険を始めるには(進め方・規制・費用感)
自社ブランドで保険を提供する際にまず押さえたいのが、保険業法上の枠組みです。自社が「引き受ける側」になるのか「売る側」になるのかで、必要な手続きが変わります。ここでは、確認しておくべき制度面の論点を条文とあわせて整理します。具体的な可否は自社の体制や座組みによって変わるため、実際の検討では専門家や提携先への確認が前提になります。
保険業法上の枠組み(誰が引き受け・誰が募集するか/少額短期保険業者の位置づけ)
保険を「引き受ける」、つまり自社が保険会社(メーカー)になるには、原則として内閣総理大臣の免許が必要です。保険業法は次のように定めています。
保険業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ、行うことができない。(第三条第一項)
出典:保険業法(平成七年法律第百五号)|e-Gov 法令検索
保険金額や保険期間が一定範囲に収まる商品だけを扱う「少額短期保険業」であれば、免許ではなく登録で引き受けが可能です。ローソンの事例で登場したTokio Marine X少額短期保険も、この枠組みの会社です。
内閣総理大臣の登録を受けた者は、第三条第一項の規定にかかわらず、少額短期保険業を行うことができる。(第二百七十二条第一項)
出典:保険業法(平成七年法律第百五号)|e-Gov 法令検索
一方、引き受けは既存の保険会社に任せ、自社は「自社ブランドで売る側」に回る座組みもあります。この場合でも、保険を販売する行為(保険募集)は登録を受けた者だけが行えると定められています。
次の各号に掲げる者が当該各号に定める保険募集を行う場合を除くほか、何人も保険募集を行ってはならない。(第二百七十五条第一項)
出典:保険業法(平成七年法律第百五号)|e-Gov 法令検索
このように、自社ブランドで保険を売る場合も、損害保険代理店や少額短期保険募集人などとして登録し、引き受ける保険会社(所属保険会社等)のために募集を行う立場になるのが基本です。「自社ブランドだから自由に売れる」わけではない点は、検討の初期に押さえておきたい論点です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:保険業法(平成七年法律第百五号)第三条・第二百七十二条・第二百七十五条・第二百七十六条・第二条|e-Gov 法令検索(リンク)
進め方と費用感の目安(自社に必要な体制・パートナー・スモールスタートの考え方)
制度面を踏まえると、多くの事業会社にとって現実的なのは、自社で保険会社になるのではなく、引き受けを担う保険会社やプラットフォーム事業者と組む進め方です。おおまかな流れは次のように整理できます。
- 自社の顧客層と相性の良い保険商品(延長保証、旅行、モビリティなど)と、狙う提供の型を決める
- 引き受ける保険会社・少額短期保険会社、または販売動線を提供するプラットフォーム事業者を選ぶ
- 自社が保険募集を行うために必要な登録・体制(代理店登録、募集人教育、コンプライアンス体制)を整える
- 自社アプリ・サイトへの組み込みを開発し、小さな商品から段階的に始める
費用は、選ぶ提供形態や商品、開発範囲によって大きく変わります。料金の構成も、初期費用に月額の利用料を組み合わせる形や、契約件数・保険料に応じて費用が決まる形など、座組みによって異なります。
公表されている例は限られますが、少額短期保険・共済向けの基幹システムでは初期費用「500万円〜」という参考値が言及されることもあります。多くのプラットフォーム事業者は料金を個別見積もりとしているため、まずは提供形態や想定商品を整理し、複数の事業者に相談して見積もりを取るのが現実的です。次の章で、こうした検討に使えるプラットフォームを紹介します。
自社サービスに保険を組み込むには
ここからは、自社サービスに保険を組み込む際に検討しやすいプラットフォームを紹介します。いずれも、事業会社が自社ブランドのまま保険の販売動線を組み込めるよう設計されたサービスです。まずは主要な選択肢を比較表で確認してください。
| サービス名 | Fusion | InsureMO | Inspire |
|---|---|---|---|
| 提供会社 | リードインクス株式会社 | InsureMO株式会社 | 株式会社Finatext(Finatextグループ) |
| 提供形態(組込の方式) | SaaS型ミドルウェア+API連携 (シナリオ型/マーケットプレイス型) | 保険ミドルオフィス(PaaS/SaaS) クラウドネイティブ・API/マイクロサービス | SaaS型保険基幹システム+ API連携・立ち上げ支援パッケージ |
| 主な用途・向いているケース | 自社アプリ・Webに保険販売を 組み込みたい事業会社 (銀行・EC・旅行・小売など) | 保険会社のコア刷新に加え、 新規チャネルへAPI経由で保険提供 | 保険基幹業務のオンライン化/ 事業会社の保険組み込みの立ち上げ支援 |
| 対応保険分野 | 損保・第三分野・生保を横断 (傷害・火災・医療・少短 等) | 生保・損保・医療・共済・少短・ デバイス保護/延長保証 等(グローバル本体) | 第一・第二・第三分野すべて |
| 主な導入・採用例 | PayPayほけん、りそなグループアプリ、 JALアプリ ほか | 大手ECのペット保険、配車アプリOla(海外)ほか /国内32社(2026年5月時点) | Money Canvas(三菱UFJ)・SmartHR 等の採用例 /保険事業者への導入は13社(2025年6月末時点) |
| 初期費用 | 要お問い合わせ (カスタマイズ内容により変動) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ (少短/共済向けは参考値「500万円〜」の言及あり) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
Fusion(リードインクス株式会社)

Fusionは、事業会社が自社チャネル内で複数の保険会社の商品を販売するためのデジタル保険プラットフォームです。SaaS型のミドルウェアとAPI連携により、銀行・EC・モビリティ・小売・旅行など、保険を本業としない事業者が自社アプリやWebサイトに保険の販売動線を組み込めるように設計されています。
提供の形は、既存の購買・予約の流れに保険加入を差し込む「シナリオ型」と、自社アプリ内に保険セクションを設けて複数商品を並べる「マーケットプレイス型」の2つが公式に示されています。PayPayほけんやりそなグループアプリ、日本航空のアプリなど、幅広い業種での採用が公表されているのが特徴です。
InsureMO(InsureMO株式会社)

保険のコアシステムと販売チャネルの両方を、あいだの層でつなぐ——そんな役割を担うのがInsureMOです。クラウドネイティブのマイクロサービス(機能を小さな単位に分けて組み合わせる設計)で保険業務を支える仕組みで、保険会社の基幹システム刷新から、新規チャネルへのAPI経由での保険提供まで、ひとつの基盤で対応できる点を打ち出しています。
銀行やカード会社に加え、さまざまな事業会社から「新しいチャネルにAPI経由で保険商品を提供したい」という相談が増えているとされ、自社サービスへの保険の組み込みを検討する事業会社にとって選択肢になります。
本記事の主題である「保険会社の名前を出さず、事業会社のブランドで顧客に届ける」形が実際の利用者からどう見えるのかについて、InsureMOを提供するInsureMO株式会社の代表・河上氏は、大手ECサイトのペット保険を例に次のように説明しています。

まずわかりやすい事例として、大手ECサイトでのペット保険があります。これは、あいおいニッセイ同和損保様の子会社であるリトルファミリー少額短期保険様がご導入されているものです。サイトに入ると、お客様は最後まで保険会社の名前を一切意識せず、サイト中で完結して保険にお申し込みいただけます。背後で大手ECサイトのAPIとリトルファミリー様、そしてInsureMOがつながっています。お客様は住所や年齢、決済情報を再入力する必要がありません。これが、私たちが考える「正しい組込型保険」だと思っています。
Inspire(株式会社Finatext)

Finatextが提供するInspireは、SaaS型のデジタル保険基幹システムです。保険商品の管理から契約・保全までを担う基幹システムをクラウドで提供し、少額短期保険会社や大手損害保険会社など、複数の保険事業者に導入されています。
新しい保険サービスの立ち上げや、既存事業者のデジタル化を支える基盤として使われており、保険を新たに組み込みたい事業会社が、引き受けを担うパートナーとともに検討する際の選択肢になります。
ここで取り上げたのは、自社サービスへの組み込みに向くプラットフォームの一部です。組込型保険(エンベデッド保険)の主要サービスを提供形態や事例で横断的に比較し、選び方まで確認したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
ホワイトラベル保険は、保険会社が引き受けを担い、事業会社が自社ブランドで顧客に届ける仕組みです。エンベデッド(組込型)保険という広い枠組みの一形態であり、ローソンやau、大手金融機関のアプリなど、身近なサービスで実際に使われています。
自社で検討する場合は、自社が「引き受ける側」なのか「売る側」なのかで保険業法上の手続きが変わります。多くの事業会社にとっては、引き受けを担う保険会社やプラットフォーム事業者と組み、必要な登録・体制を整えて小さく始める進め方が現実的です。まずは自社サービスと相性の良い保険と提供形態を整理し、プラットフォーム事業者へ相談することが、最初の一歩になります。
組込型保険に限らず、国内外のインシュアテック企業をジャンル別に広く見渡したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
インシュアテック企業一覧|国内・海外の主要企業をジャンル別に紹介
「インシュアテック」という言葉は耳にするものの、実際にどんな企業があるのか、具体的な社名まではすぐに思い浮かばないという方は多いのではないでしょうか。新規事業や企画の検討で「注目されている企業の顔ぶれ」を押さえたいとき、まず知りたいのは定義…
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よくある質問(FAQ)
Q. ホワイトラベル保険とは何ですか?
A. ホワイトラベル保険とは、保険会社が保険商品を引き受け、それを別の事業会社が自社ブランドで顧客に提供する仕組みです。顧客には「使っているサービスの機能のひとつ」に見えますが、裏側では保険会社が引き受け、事業会社が自社ブランドで販売します。ローソンやau、大手金融機関のアプリなどで実際に使われています。
Q. ホワイトラベル保険とエンベデッド(組込型)保険・OEM保険は何が違いますか?
A. ホワイトラベル保険は、組込型保険の一形態で、引受保険会社の社名を出さず事業会社のブランドだけで保険を見せる型です。組込型保険は保険を購買体験に組み込むこと全般を指す上位概念、OEM保険はほぼ同義語です。用語は業界でも定義が固まっておらず、「誰が引き受け、どのブランドで見せるか」で捉えると整理しやすくなります。
Q. ホワイトラベル保険は自社でも始められますか?
A. 自社で保険会社になる必要はなく、引き受けを担う保険会社やプラットフォーム事業者と組めば、保険を本業としない事業会社でも始められます。現実的なのは、引き受けは保険会社に任せ、自社は自社ブランドで売る側に回る進め方です。相性の良い保険と提供の型を決め、事業者を選び、保険募集に必要な登録・体制を整えて小さく始めます。
Q. ホワイトラベル保険を自社ブランドで販売するのに、保険業法上の登録や免許は必要ですか?
A. 自社ブランドで売る場合も「自由に売れる」わけではなく、保険募集は登録を受けた者だけが行えます(保険業法第二百七十五条)。保険を引き受ける側になるには原則として免許が必要で(第三条)、少額短期保険業なら登録で引き受けできます(第二百七十二条)。売る側に回る場合も代理店などの登録が要り、可否は座組みで変わるため専門家への確認が前提です。
Q. ホワイトラベル保険の導入にはどのくらいの費用がかかりますか?
A. 費用は提供形態・商品・開発範囲で大きく変わり、多くのプラットフォーム事業者は料金を個別見積もりとしています。少額短期保険・共済向けの基幹システムで「500万円〜」という参考値が言及される例もありますが、一律の相場は示しにくいのが実情です。まずは提供形態や想定商品を整理し、複数社に相談して見積もりを取るのが現実的です。
Q. ホワイトラベル保険はどんな事業者・プラットフォームに頼めば実現できますか?
A. 保険の販売動線をシステムとして提供するプラットフォーム事業者に相談することで実現できます。国内では Fusion・InsureMO・Inspire(Finatext)や、デジタル保険代理店基盤を提供する Sasuke Financial Lab などがあります。自社サービスへの組み込みでは Fusion・InsureMO・Inspire が有力な選択肢です。
Q. ホワイトラベル保険はどんな商品・業種と相性が良いですか?
A. 延長保証・旅行・モビリティなど、自社の顧客層と接点が多く、購買や利用の流れに自然に差し込める保険と相性が良いとされます。EC・アプリ・会員基盤を持つ小売・通信・金融などが典型で、ローソンの「バイク盗難お見舞い保険」やauの保険サービスが実例です。まずは自社サービスと相性の良い保険と提供形態を整理することが出発点になります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。














