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保険媒介業務とは?定義・含まれる行為の範囲と「代理」との違いを解説

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保険代理店システム比較表(2026年版)

2021年に金融サービス仲介業が創設され、一つの登録で銀行・証券・保険の商品を扱える「保険媒介業務」という業務区分ができました。保険の販売や紹介に関わる事業者にとって、自社の業務がこの「保険媒介業務」に当たるのか、それとも従来の保険募集なのかは、必要な登録や体制を左右する実務的な論点です。

「保険媒介業務」という言葉は、保険業法の「保険募集」と混同されやすく、どこまでの行為が該当するのか、誰が行える業務なのかが分かりにくいのが実情です。言葉の重なりが、そのまま登録要否の判断を難しくしています。

本記事では、保険媒介業務の定義と含まれる行為の範囲、「保険募集」や「代理」との違い、登録不要でできる「保険媒介業務関連行為」との線引き、必要な登録と体制までを整理します。自社の業務がどの立場に当たるかを見極める材料としてご活用ください。

保険媒介業務とは?金融サービス提供法11条3項の3つの行為

保険媒介業務とは、金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(以下、金融サービス提供法)第11条第3項に定められた業務区分で、金融サービス仲介業の一類型です。同項は、保険業法で登録を受けた保険募集人や保険仲立人などの「以外の者」が、顧客と保険会社等との間で保険契約の締結の媒介を行う業務と定めています。

この定義から分かるとおり、保険媒介業務は保険業法の「保険募集」とは別の制度です。すでに保険業法で登録した募集人・代理店・仲立人が行うのは保険募集であり、保険媒介業務には当たりません。両者の違いは次章で詳しく整理します。

では、具体的にどの行為が保険媒介業務に当たるのでしょうか。金融庁の「金融サービス仲介業者向けの総合的な監督指針」は、保険媒介業務の意義を次の3つの行為として示しています。

金融サービス提供法第11条第3項に規定する保険媒介業務とは、以下のイからハの行為をいう。
イ.保険契約の締結の勧誘
ロ.保険契約の締結の勧誘を目的とした保険商品の内容説明
ハ.その他の保険契約の締結の媒介

出典:金融サービス仲介業者向けの総合的な監督指針 VI-1-1-1(1)|金融庁

「イ.勧誘」と「ロ.勧誘を目的とした商品内容の説明」は分かりやすい一方、「ハ.その他の締結の媒介」に当たるかどうかは判断が分かれます。監督指針は、保険会社等や保険媒介業者からの報酬・資本関係など、保険募集との一体性・連続性を推測させる事情があるかを見ます。そのうえで、具体的な保険商品の推奨・説明を行うものであるか、という観点も含めて総合的に判断するとしています。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第11条第3項|e-Gov 法令検索(リンク)
  • 出典:金融サービス仲介業者向けの総合的な監督指針 VI-1-1-1(1)|金融庁(リンク)

自社はどの立場か(代理・媒介・仲立人・金融サービス仲介業者の区別)

保険媒介業務を理解するうえで最大のつまずきは、「媒介」という言葉が制度によって別の意味で使われる点です。ここでは、保険業法の「保険募集」と金融サービス提供法の「保険媒介業務」を切り分けたうえで、自社がどの立場に当たるかを整理します。

「保険募集」(保険業法)と「保険媒介業務」(金融サービス提供法)は別制度

保険業法は「保険募集」を次のように定義しています。保険会社の代理店や募集人、保険仲立人が行うのは、この保険募集です。

この法律において「保険募集」とは、保険契約の締結の代理又は媒介を行うことをいう。

出典:保険業法 第2条第26項|e-Gov 法令検索

ここで言う「媒介」は、保険募集という行為の一形態(代理と対になる概念)です。一方、金融サービス提供法の「保険媒介業務」は、前章のとおり保険業法で登録済みの募集人・仲立人などを除いた金融サービス仲介業者が行う業務区分を指します。

重要なのは、両者は同じ主体が兼ねられない点です。金融サービス提供法第11条第3項は、保険媒介業務を保険業法の募集人・仲立人など「以外の者」が行う業務と定めており、監督指針もこれを保険業法の募集人・仲立人との兼営等禁止として整理しています。そのため、すでに保険業法で登録している事業者が行う媒介は保険募集に位置づけられ、あらためて金融サービス仲介業の保険媒介業務を兼ねることはできません。

両制度の違いを一覧にすると、次のように整理できます。

観点保険募集(保険業法)保険媒介業務(金融サービス提供法)
根拠法保険業法(第2条第26項)金融サービス提供法(第11条第3項)
担い手保険募集人・損害保険代理店・保険仲立人金融サービス仲介業者(上記の保険業法登録者以外の者)
登録の根拠保険業法 第276条(募集人・代理店)/第286条(仲立人)金融サービス提供法 第12条
誰の側に立つか代理店は保険会社のため/仲立人は顧客のため特定の金融機関に所属しない立場で媒介する
兼営—保険業法の募集人・仲立人とは兼営できない
扱える保険商品委託を受けた保険会社の商品高度な説明を要する商品(変額・外貨建て保険など)は扱えない
出典・参考資料(2件)
  • 出典:保険業法 第2条第26項|e-Gov 法令検索(リンク)
  • 出典:金融サービス仲介業者向けの総合的な監督指針 VI-1-4(兼営等禁止)|金融庁(リンク)

「代理」と「媒介」の権限差(自社がどれか自己同定する)

保険業法の保険募集のなかでも、「代理」と「媒介」では契約締結の権限や立場が異なります。ここでの媒介は保険業法上の募集形態で、前節の保険媒介業務(金融サービス提供法)とは別のものです。自社がどの立場かを、次の表で確認してください。

立場契約締結の権限誰の委託を受け・誰のために行うか根拠
代理(損害保険代理店など)あり(代理権に基づき締結できる場合がある)保険会社の委託を受け、その保険会社のために行う保険業法 第2条第21項
媒介(保険募集の一形態)なし(契約成立に向けた仲介にとどまる)保険会社側の立場で募集を行う保険業法 第2条第26項
保険仲立人(保険ブローカー)なし(媒介のみ)顧客から委託を受け、その顧客のために誠実に媒介を行う保険業法 第2条第25項・第299条

代理店が保険会社の側に立つのに対し、保険仲立人は顧客の側に立つ点が大きな違いです。保険業法は仲立人の誠実義務を次のように定めています。

保険仲立人は、顧客から委託を受けてその顧客のため誠実に保険契約の締結の媒介を行わなければならない。

出典:保険業法 第299条|e-Gov 法令検索

代理と媒介の法的な違いをさらに詳しく知りたい場合は、契約締結権限や責任範囲の観点で解説した別の記事もあわせてご覧ください。本記事では、自社の位置づけを掴むための対比にとどめます。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:保険業法 第2条第21項・第2条第25項・第299条|e-Gov 法令検索(リンク)
  • 参考資料:保険仲立人とは|一般社団法人 日本保険仲立人協会(リンク)

保険媒介業務を行う主体は「金融サービス仲介業者」

ここまでを整理すると、保険契約の締結にかかわる主体は次のように分かれます。

  • 保険募集人・損害保険代理店:保険業法第276条の登録を受け、保険会社のために保険募集を行う
  • 保険仲立人(保険ブローカー):保険業法第286条の登録を受け、顧客のために独立の立場で媒介を行う
  • 金融サービス仲介業者:金融サービス提供法の登録を受け、上記の保険業法登録者以外の立場で保険媒介業務を行う(銀行・証券の仲介も一つの登録で扱える)

保険媒介業務を行うのは金融サービス仲介業者であり、従来の代理店・募集人・仲立人とは登録の根拠法が異なります。総務省の日本標準産業分類でも「生命保険媒介業」は生命保険業者のために募集・集金等を行う事業所として分類されており、媒介という業務が独立して位置づけられています。

金融サービス仲介業は、特定の金融機関に所属せず銀行・証券・保険を一つの登録で扱える一方、扱える金融サービスには制限があります。保険では高度な説明を要する商品を扱えず、金融庁の資料では変額保険や外貨建て保険などが取扱不可の例、傷害保険や旅行保険などが取扱可能な例として示されています。所属制度がない代わりに、後述の保証金の供託などで利用者保護を図る仕組みです。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第11条第3項|e-Gov 法令検索(リンク)
  • 参考資料:金融サービス仲介業の創設に関する説明資料|金融庁(リンク)
出典・参考資料(2件)
  • 出典:保険業法 第276条・第286条|e-Gov 法令検索(リンク)
  • 参考資料:日本標準産業分類 細分類6741「生命保険媒介業」|e-Stat 政府統計の総合窓口(リンク)

媒介業務に必要な登録と整備すべき体制・義務

自社の業務が保険媒介業務に当たる場合、金融サービス提供法に基づく登録と、いくつかの体制・義務の整備が必要になります(どこまでが登録不要でできるかの線引きは次章で扱います)。金融庁の監督指針が求める主な項目は次のとおりです。

  • 金融サービス仲介業の登録:金融サービス提供法第12条に基づき、内閣総理大臣の登録を受ける
  • 役員・使用人の届出:保険契約の締結の媒介を行わせる役員・使用人の氏名・生年月日を届け出る(同法第74条)
  • 保証金の供託:金融サービス提供法に基づき保証金を供託する(額は政令で定められ、最低1,000万円)。供託・届出を済ませるまで業務を開始できない
  • 情報提供義務:契約概要・注意喚起情報など、顧客が保険商品を理解し注意すべき情報を適正に提供する
  • 意向把握・確認義務:顧客の意向を把握し、意向に沿った提案と、意向と契約内容が合致していることを顧客が確認する機会を提供する
  • 自己契約の禁止・兼営禁止:自己契約の禁止や、保険業法の募集人・仲立人との兼営禁止など、行為規制を順守する

情報提供義務・意向把握確認義務は、保険業法の該当規定を準用する形で監督指針に定められています。登録申請の添付書類や役員・使用人の届出の細目は監督指針に具体的に示されているため、実際の申請にあたっては原文と当局の窓口で確認することが前提になります。

出典・参考資料(3件)
  • 出典:金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第12条・第74条・第22条(保証金)|e-Gov 法令検索(リンク)
  • 出典:金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律施行令 第26条(保証金の額)|e-Gov 法令検索(リンク)
  • 出典:金融サービス仲介業者向けの総合的な監督指針 VI-1(業務の適切性)・VI-2(登録・届出の諸手続)|金融庁(リンク)

「保険媒介業務」と「保険媒介業務関連行為」の線引き

保険にかかわる行為のすべてが保険媒介業務に当たるわけではありません。契約見込客の発掘から契約成立に至るプロセスのうち、前章の3行為類型に該当しない行為は「保険媒介業務関連行為」と呼ばれ、直ちに保険媒介業務の規制が適用されるわけではないと監督指針は整理しています。

保険媒介業務関連行為とは、例えば、保険商品の推奨・説明を行わず契約見込客の情報を保険会社等又は保険媒介業者に提供するだけの行為や、比較サイト等の商品情報の提供を主たる目的としたサービスのうち保険会社等又は保険媒介業者からの情報を転載するに留まるものが考えられる。

出典:金融サービス仲介業者向けの総合的な監督指針 VI-1-1-1(2)|金融庁

さらに監督指針は、次のような行為のみを行う場合は、保険媒介業務にも保険媒介業務関連行為にも基本的に該当しないと例示しています。

  • 保険会社等や保険媒介業者の指示を受けて行う、商品案内チラシの単なる配布
  • コールセンターのオペレーターが行う、事務的な連絡の受付や事務手続の説明
  • 金融商品説明会での、一般的な保険商品の仕組みや活用法についての説明

このように、「媒介業務」「関連行為」「どちらにも当たらない行為」の3段で整理すると、自社の行為がどこに位置するかを判断しやすくなります。関連行為の実務上の考え方は、業界団体である日本金融サービス仲介業協会(JFIM)のガイドラインも参考になります。ただし同ガイドラインは自ら拘束力を持たないと明記しており、一次的な線引きは監督指針を基準に据えるのが安全です。

保険にかかわる行為を登録の要否で3段階に整理した図解。上から、金融サービス提供法の登録が必要な『保険媒介業務』(勧誘・勧誘目的の商品説明・その他の締結の媒介の3行為類型)、直ちに規制が適用されない『保険媒介業務関連行為』(推奨・説明せず見込客情報を提供するだけ、比較サイトでの情報転載にとどまるもの)、媒介業務にも関連行為にも基本的に該当しない行為(チラシの単なる配布、事務的な連絡受付・手続説明、説明会での一般的な商品の仕組み説明)の順。分かれ目は具体的な保険商品の推奨・説明を伴うか。
出典・参考資料(2件)
  • 出典:金融サービス仲介業者向けの総合的な監督指針 VI-1-1-1(2)|金融庁(リンク)
  • 参考資料:保険媒介業務関連行為に関するガイドライン|日本金融サービス仲介業協会(JFIM)(リンク)

自社の業務が媒介業務に当たるかの確認ポイント

ここまでの整理を踏まえ、自社の業務が保険媒介業務に当たるかを見極めるための確認ポイントを挙げます。いずれも最終的な判断は個社の実態と当局の確認によりますが、検討の出発点になります。

  • すでに保険業法で保険募集人・代理店・仲立人として登録しているか(登録済みなら、その業務は保険募集であり保険媒介業務には当たらない)
  • 具体的な保険商品の推奨・説明を行っているか(単なる情報提供や転載にとどまるなら関連行為の可能性がある)
  • 保険会社等や保険媒介業者からの報酬・資本関係など、保険募集との一体性・連続性を推測させる事情があるか
  • 銀行・証券の仲介とあわせて一つの登録で扱いたいか(その場合は金融サービス仲介業の登録が選択肢になる)

とくに「すでに保険業法で登録しているか」が、保険媒介業務か保険募集かを分ける入口の判断材料です。判断に迷う場合は、監督指針の該当箇所を確認したうえで、当局や専門家に相談することをおすすめします。

具体的な当てはめのイメージをつかむために、自社サービスに保険をひもづけたい事業会社を例に考えます。自社サイトの利用者に見積依頼フォームだけを用意し、集めた情報を保険会社に取り次ぐだけであれば、商品の推奨・説明を伴わない「保険媒介業務関連行為」にとどまる可能性があります。

一方、利用者に具体的な保険商品を推奨し、内容を説明して契約の締結へつなげるなら、金融サービス提供法の「保険媒介業務」に当たり、登録が必要になり得ます。さらに、この事業会社がすでに保険業法で代理店・募集人として登録しているなら、その行為は保険募集に位置づけられ、保険媒介業務には当たりません。

整理すると、保険媒介業務の登録が主に問題になるのは、保険業法の登録を持たずに新たに保険の取次ぎ・仲介へ踏み出す事業者だといえます。

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媒介業務の実務をシステムで回す(募集記録・意向把握・契約管理)

自社の業務が保険媒介業務・保険募集のいずれに当たる場合でも、募集記録の作成、意向把握の記録、顧客・契約情報の管理、コンプライアンスの点検といった実務は共通して発生します。これらは件数が増えるほど属人化しやすく、担当者ごとのばらつきが生じがちです。

とくに2026年6月施行の改正保険業法で意向把握記録や比較推奨販売(ロ方式)の考え方が重視されるなか、記録と点検を仕組みとして残せるかは、代理店・仲介業者の業務品質に直結します。以下は保険代理店向けの顧客・契約管理システムの例ですが、記録・意向把握・契約管理といった実務は媒介業務・保険募集のどちらでも共通して求められます。まずは主要なサービスを比較表で確認してください。

出典・参考資料(1件)
  • 参考資料:金融サービス仲介業者向けの総合的な監督指針 VI-1-1-2(意向把握・確認義務ほか)|金融庁(リンク)
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比較項目hokanMCエキスパートクラウド
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比較推奨(ロ方式)対応●比較推奨運用支援サービスを提供△ロ方式対応機能は提供予定
コンプライアンス・業務品質管理上長承認・高齢者募集確認による組織的統制第三者チェック・記入漏れを防ぐ設計
セキュリティ認証SOC 2 Type1・Type2ISO27001(ISMS)
外部連携共同GW連携・API連携・CTI(hokan Connect)hokan®連携・共同GW連携
モバイル対応●●
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る

hokan(株式会社hokan)

hokanのウェブサイト

hokanは、保険代理店向けの顧客・契約管理クラウドサービスです。顧客情報や契約情報の一元管理に加え、募集の記録やコンプライアンス対応を支援する機能を備え、乗合代理店の業務にも対応しています。属人化しがちな顧客対応や更新管理を、担当者間で共有できる形に整えられる点が特徴です。

改正保険業法への対応として、比較推奨販売の運用を支援するサービスの提供も進めており、募集記録や点検を仕組みで残したい代理店にとって選択肢になります。

MCエキスパートクラウド(株式会社Wizleap)

MCエキスパートクラウドのウェブサイト

MCエキスパートクラウドは、保険代理店の業務品質管理に軸足を置いたクラウドシステムです。顧客・契約管理に加え、募集プロセスの記録やコンプライアンス点検を支援し、代理店に求められる体制整備を業務フローに落とし込むことを狙いとしています。

意向把握や比較推奨販売の記録など、監督指針が求める実務を標準化したい代理店に向いています。導入時には、自社の募集形態に必要な機能が揃っているかを個別に確認するとよいでしょう。

こうした募集記録や意向把握をシステムに残す動きは、現場からどのような相談として寄せられているのか。同サービスを開発する株式会社Wizleapの木太久氏は、代理店から寄せられる導入相談の傾向を次のように話しています。

木太久氏
株式会社Wizleap CTO
木太久氏
独自インタビューより

守りの面で言うと、やはり2026年の法改正に向けて、しっかりしたログを残せる体制にしたいというご相談が直近は多いです。実際にこういう確認をして意向を受けたので、それをうまくシステムで管理したい、という声です。あわせて、募集人ごとの面談記録のバラつきを標準化したいという課題もよくうかがいます。

ここで取り上げた2サービス以外にも、保険代理店向けの顧客・契約管理システムは複数あります。機能・料金・選び方まで含めて全体を見比べたうえで自社の媒介業務に合うものを選びたい場合は、主要システムを横並びで比較した次の記事もあわせてご覧ください。

まとめ

保険媒介業務は、金融サービス提供法第11条第3項に定められた金融サービス仲介業の一類型で、保険業法で登録済みの募集人・代理店・仲立人「以外の者」が保険契約の締結の媒介を行う業務です。保険業法の「保険募集」とは別制度で、同じ主体が兼営することはできません。

自社の業務がどちらに当たるかは、すでに保険業法で登録しているか、具体的な商品の推奨・説明を行っているか、といった観点で見極めます。該当が分かったら、募集記録・意向把握・契約管理といった実務を仕組みで回せる体制を整えることが、業務品質を保つ次の一歩になります。

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よくある質問(FAQ)

Q. 保険媒介業務とは何ですか?

A. 保険媒介業務とは、金融サービス提供法第11条第3項に定められた金融サービス仲介業の一類型で、保険業法で登録した保険募集人や保険仲立人などの「以外の者」が、顧客と保険会社等との間で保険契約の締結の媒介を行う業務です。金融庁の監督指針は、その具体的な行為として「保険契約の締結の勧誘」「締結の勧誘を目的とした保険商品の内容説明」「その他の締結の媒介」の3類型を示しています。

Q. 保険媒介業務と保険募集はどう違いますか?

A. 保険媒介業務と保険募集は、根拠となる法律と担い手が異なる別制度です。保険募集は保険業法に基づき代理店・保険募集人・保険仲立人が行う行為で、保険媒介業務は金融サービス提供法に基づき金融サービス仲介業者が行う業務区分です。行為の内容が似て見えても制度上は別枠で、同じ主体が両方を兼ねることはできません。すでに保険業法で登録している事業者が行うのは保険募集であり、保険媒介業務には当たりません。

Q. 保険業法の「代理」と「媒介」はどう違いますか?

A. 契約締結の権限を持つか(代理は代理権に基づき締結できる場合がある/媒介は仲介にとどまる)と、誰の側に立つかが違いです。代理店・媒介は保険会社側の立場で募集を行い、保険仲立人(保険ブローカー)は顧客から委託を受け顧客のために誠実に媒介を行う独立の立場です。契約締結権限や責任範囲の法的な違いは、代理と媒介を掘り下げた別記事もあわせてご覧ください。

Q. 自社に保険媒介業務(金融サービス仲介業)の登録は必要ですか?

A. すでに保険業法で保険募集人・代理店・仲立人として登録しているかが最初の分かれ目です。登録済みならその業務は保険募集で、金融サービス仲介業の保険媒介業務には当たりません。保険業法の登録がなく、具体的な商品の推奨・説明を伴う締結の媒介を行う場合は金融サービス仲介業の登録が選択肢になります。該当性は個社の実態と当局の確認によるため、迷う場合は監督指針を確認のうえ当局や専門家に相談してください。

Q. すでに保険業法で登録している代理店も、金融サービス仲介業に登録すれば保険媒介業務を兼営できますか?

A. すでに保険業法で登録している保険募集人・代理店・保険仲立人は、金融サービス仲介業に登録して保険媒介業務を兼営することはできません。監督指針は金融サービス提供法第11条第3項に基づき、保険業法の募集人・仲立人との兼営を禁じています。したがって既存の登録者は、あらためて保険媒介業務に登録するのではなく、保険業法の保険募集の枠組みのなかで業務を行うことになります。

Q. 保険媒介業務関連行為はどこまでが登録不要でできますか?

A. 保険商品の推奨・説明を伴わず、契約見込客の情報を保険会社等に提供するだけの行為や、他社の商品情報を転載するにとどまるサービスであれば、直ちに保険媒介業務の規制は適用されないと監督指針は整理しています。指示を受けたチラシの単なる配布や、事務的な連絡受付・手続説明のみなら、媒介業務にも関連行為にも基本的に該当しません。ただし具体的な商品の推奨・説明が入ると保険媒介業務に当たり得ます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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