POSレジを導入しようと調べ始めて、最初に引っかかるのが「結局いくらかかるのか」ではないでしょうか。POSレジは端末のタイプや契約するサービスによって、初期費用が0円のものから20万円を超えるものまで幅があり、そこに月額料金・決済手数料・周辺機器代が積み重なります。金額の全体像がつかめないと、自店にとって適正な予算感が定まりません。
本記事では、POSレジ導入にかかる費用を初期費用・月額・端末代・決済手数料に分けて、相場と実額で整理します。あわせて、申し込みから運用開始までの流れ、導入前に準備するもの、費用を軽くできる2026年版の補助金までを一続きで解説します。飲食店・小売店・美容サロン・クリニックなど、業種別に候補を絞り込む視点も紹介します。
読み終えたときに、自店の規模・業種でかかる費用の見当がつき、導入の段取りと使える補助金を把握したうえで、比較検討する候補を2〜3個まで絞り込める状態を目指します。まずは費用の全体像から見ていきましょう。
目次
POSレジとは?導入でできること
POSレジ(POSレジスター)は、会計と同時に「いつ・何が・いくつ売れたか」という販売実績(POS=Point of Sales、販売時点情報)を記録し、売上や在庫のデータとして活用できるレジのことです。金額を打ち込んで釣り銭を計算するだけの従来型レジと違い、商品ごとの売上集計・在庫の増減・顧客情報の管理までを1台でまかなえる点が特徴です。
近年主流になっているのは、iPadなどのタブレットやスマートフォンにアプリを入れて使うクラウド型のPOSレジです。専用のレジ機を購入する形に比べて初期費用を抑えやすく、売上データをクラウド上で管理して外出先からでも確認できます。キャッシュレス決済やインボイス制度に対応したレシート発行にも、多くのサービスが標準または連携で対応しています。
POSレジでできること(主な機能)
製品によって得意分野は異なりますが、POSレジは一般的に次のような機能を備えています。導入を検討する際は、自店の業務にどこまで必要かを見極める材料になります。
- 会計・売上管理:レジ会計、時間帯別・商品別の売上集計、日報・月報の自動作成
- 在庫管理:販売と連動した在庫の自動更新、発注点の把握、棚卸の効率化
- 顧客管理:会員情報・来店履歴・ポイントの管理、リピート施策への活用
- キャッシュレス決済連携:クレジットカード・電子マネー・QRコード決済の受け付け
- 外部連携:会計ソフト・予約システム・ネットショップ・自動釣銭機との連携
POSレジ導入にかかる費用|初期費用・月額・端末代から総額(TCO)まで
ここからは、POSレジ導入で最も気になる費用を整理します。POSレジのコストは、初期費用(本体・端末代)、月額のシステム利用料、キャッシュレスの決済手数料、周辺機器や保守などの本体以外の費用の4つに分かれます。導入後に想定外の出費が出ないよう、これらを合算した総額(TCO=総保有コスト)で見ておくことが大切です。
費用の全体像は、次のように「初回だけかかる費用」と「毎月かかる費用」に分けて捉えると掴みやすくなります。

タイプ別の特徴と費用の相場
POSレジは端末の形によって大きく4タイプに分かれ、費用の相場も変わります。まずはタイプごとのおおまかな費用感と、向いている店舗を押さえておきましょう(下表は各タイプの相場観で、サービスごとの実額は後述の比較表で確認できます)。
| タイプ | タブレット型 | 据置ターミナル型 | パソコン型 | セルフレジ・券売機 |
|---|---|---|---|---|
| 主な端末 | iPad・スマートフォン | 決済一体型の専用端末 | Windows PC・専用POS筐体 | 自動精算機・券売機 |
| 初期費用の目安 | 0円〜数万円(端末代は別) | 0円〜(レンタル型は初期0円も) | 20万円台〜 | 数十万円〜100万円超 |
| 月額費用の目安 | 0円〜1万5,000円程度 | 0円〜3,000円台(レンタル料) | 5,000円台〜 | 数千円〜 |
| 向いている店舗 | 小〜中規模の飲食・小売・サロン。低コストで始めたい店舗 | 決済と会計を1台にまとめたい店舗 | 小売中心。自動釣銭機や合算会計が必要な店舗 | 省人化したい飲食・小売 |
タブレット型はアプリ本体を0円で使えるサービスが多く、初期費用を最も抑えやすいタイプです。一方でパソコン型やセルフレジは、専用ハードウェアの分だけ初期費用が高くなりますが、自動釣銭機との連携や大量の商品管理に強みがあります。自店の規模と業務量に見合ったタイプを選ぶことが、費用の最適化につながります。
実際の負担は、これらを積み上げた総額でイメージすると掴みやすくなります。例えばタブレット型で小さな飲食店を始める場合、初期費用の目安はタブレット端末(iPadなら中古〜新品でおおよそ4〜7万円)+POSアプリ(0円〜)+レシートプリンター・キャッシュドロワー(合わせて2〜4万円程度)で、おおむね6〜11万円程度が一つの目安です。
ここに月額のシステム利用料(0円〜1万5,000円程度)と、キャッシュレス売上にかかる決済手数料(売上のおよそ2〜3%)が毎月加わります。
パソコン型や自動釣銭機を導入する場合は、初期費用が20万円台〜とこれより大きくなります。金額はサービスによって差があるため、主要なPOSレジの初期費用・月額・決済手数料の実額は、後半の費用比較表で確認できます。
※上記の相場は、2026年9月時点の各サービスの公式料金や一般的な販売価格をもとにした目安です。各サービスの実額は後半の比較表を参照してください。
出典・参考資料(3件)
- 参考資料:スマレジ 料金プラン(https://smaregi.jp/price/)
- 参考資料:Square POSレジ(https://squareup.com/jp/ja/point-of-sale)
- 参考資料:stera pack|SMBC GMO PAYMENT(https://www.smbc-gp.co.jp/stera/)
本体以外にかかる費用(周辺機器・保守・隠れコスト)
POSレジの見積もりでは、本体やアプリの料金だけでなく、周辺機器や運用にかかる費用を見落とさないことが重要です。特に対面販売の店舗では、次のような周辺機器が実務上ほぼ必須になります。
- レシートプリンター:会計時のレシート発行に必要。1万円台〜数万円が目安
- キャッシュドロワー(現金入れ):現金を扱う店舗で必要。数千円〜1万円台
- バーコードスキャナー:小売で商品点数が多い場合に。1万円前後〜
- 自動釣銭機:現金の受け渡しを自動化し、釣り銭ミスと締め作業を減らす。数十万円〜と高額で、月額オプションになる製品もある
- 保守・サポート費用:電話サポートや故障時対応がプラン料金に含まれるか、別料金かを確認
- カスタマイズ・外部連携費用:会計ソフト連携やネットショップ連携をオプションで追加する場合の費用
これらは本体費用に隠れがちですが、総額では無視できない金額になります。見積もりを取る段階で「本体・端末・周辺機器・初期設定・保守」を一式で提示してもらい、月々かかる費用と初回だけかかる費用を分けて確認しておくと、後から予算がぶれにくくなります。
キャッシュレス決済の手数料と入金サイクル
キャッシュレス決済を導入すると、売上のたびに決済手数料がかかります。POSレジ本体の料金が0円でも、この手数料が実質的なランニングコストになるため、あわせて確認しておきましょう。
2026年9月時点で、対面のクレジットカード決済の手数料はおおむね1.98%〜3.25%程度が中心帯です。QRコード決済や電子マネーは手段ごとに料率が異なり、条件によってはクレジットカードより低い料率が設定されることもあります。
出典・参考資料(3件)
- 参考資料:STORES決済(https://stores.fun/regi)
- 参考資料:Airレジ・Airペイ(https://airregi.jp/)
- 参考資料:stera pack|SMBC GMO PAYMENT(https://www.smbc-gp.co.jp/stera/)
売上が入金される「入金サイクル」もサービスによって幅があり、翌営業日入金のものから、週1回・月2回といった締めのものまであります。資金繰りに直結するため、手数料率とあわせて入金サイクルも比較しておくのがおすすめです(各サービスの実際の料率・入金サイクルは、後半の費用比較表で確認できます)。
キャッシュレス決済の手数料は、業種や決済ブランド、契約する決済サービスによっても差があります。自店の売上規模で手数料の負担がどれくらいになるかを、業種別の相場や主要サービスの料率で詳しく確かめたい場合は、以下の記事が参考になります。
POSレジ導入の流れ|申込から運用開始までの手順と期間
費用の目安がついたら、次は導入の段取りです。POSレジは申し込んだその日からすぐ使えるわけではなく、商品登録や決済の審査などの準備期間が必要です。レジ機能だけなら数日〜1か月程度、キャッシュレス決済まで含めると1〜2か月程度を見込んでおくと安心です。一般的な導入の流れを、順を追って見ていきましょう。

- 資料請求・問い合わせ:候補となるサービスの資料を取り寄せ、料金・機能・対応業種を比較する。この段階で複数社の見積もりを揃えておくと後の判断が早い
- 商談・デモ:営業担当に自店の業種・規模・使いたい機能を伝え、実機やデモで操作感を確認する。見積もり時には「本体・端末・周辺機器・初期設定・月額・決済手数料」を一式で提示してもらう
- 契約・申し込み:プランと周辺機器を確定して契約する。契約前に、最低利用期間・解約条件・サポート範囲・故障時の対応を必ず確認しておく
- キャッシュレス決済の審査:決済を使う場合は、決済事業者による加盟店審査がある。ここに数週間かかることがあるため、早めに申し込むと全体の遅延を防げる
- 初期設定・商品/メニュー登録:端末の設定、商品やメニューの登録、価格・税区分の設定を行う。商品点数が多い店舗はこの作業に時間がかかるため、開店・切り替えの前に余裕を持って進める
- スタッフ教育・テスト運用:スタッフが会計操作に慣れるよう研修し、営業前にテスト会計で動作を確認する。ピーク時間を想定した練習をしておくと本番でのトラブルを減らせる
- 運用開始・フォロー:本番運用を始め、売上データの集計や在庫連動が想定どおりか確認する。不明点はサポートに問い合わせながら、自店の運用に合わせて設定を調整していく
導入前に準備するもの(チェックリスト)
スムーズに導入を進めるために、店舗側で事前に用意・確認しておくものを整理しました。申し込み前にこのチェックリストをひと通り確認しておくと、設定や商品登録の段階でつまずきにくくなります。
- 通信環境:クラウド型POSレジはインターネット接続が前提。店舗のWi-Fi環境や有線LANが安定しているか、レジを置く場所で電波が届くかを確認する
- レジ回りの機器と設置場所:タブレットスタンド、レシートプリンター、キャッシュドロワー、決済端末を置くスペースと電源を確保する
- 商品・メニューの情報:商品名・価格・税区分・カテゴリの一覧を整理しておく。バーコードを使う小売は商品コードも準備する
- 既存データの移行:レジを入れ替える場合、これまでの商品マスタや顧客・売上データを移行できるか、移行方法をサービス側に確認する
- 運用ルールとスタッフ体制:誰がどの操作を行うか、締め作業や返品対応の手順を決めておくと、運用開始後の混乱を防げる
POSレジ導入に使える補助金【2026年版】
POSレジの導入費用は、国や自治体の補助金・助成金で一部をまかなえる場合があります。ここでは2026年時点でPOSレジ導入に活用しやすい3つの制度を紹介します。いずれも要件や公募回次・締切が変わるため、申請前に必ず各制度の公式サイトで最新情報を確認してください。
まず、すべての制度に共通する最も重要な注意点があります。補助金は原則として「交付決定(採択)の前」に発注・契約・購入したものは対象外です。「先にレジを買ってから補助金を申請する」という順番では対象にならないため、必ず交付決定を待ってから発注しましょう。
交付決定前に発注・契約、購入、支払い(前払い含む)等を実施したもの(=補助対象外として列挙)
出典:小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉公募要領(第8版)|全国商工会連合会
この「交付決定前の発注は対象外」という原則は、以下で紹介する業務改善助成金でも同じです。それを踏まえたうえで、各制度の内容を見ていきましょう。

デジタル化・AI導入補助金(旧・IT導入補助金)
従来「IT導入補助金」と呼ばれていた制度は、2026年に「デジタル化・AI導入補助金」(正式名称:中小企業デジタル化・AI導入支援事業)へと名称・枠が改定されました。この制度のうち、POSレジ導入に最も射程が合うのが「インボイス枠(インボイス対応類型)」です。
中小機構は、レジ端末として使うタブレット等のハードウェアも支援対象になると明示しており、スマートレジシステムの導入申請を優先的に採択すると案内しています。
令和5年10月1日に開始されたインボイス制度への対応に向けた会計・受発注・決済ソフトの導入費用だけでなく、レジ端末として利用するタブレット等のハードウェア導入費用も支援します。小規模事業者は最大4/5補助し、補助下限は無く、安価なITツール導入も支援します。
補助率 3/4以内 ※小規模事業者は 4/5以内 / 2/3以内 / 1/2以内
出典:スマートレジシステム導入に「デジタル化・AI導入補助金」が活用できます|中小企業基盤整備機構
補助額はITツールが下限なし〜350万円、PC・タブレット等は〜10万円、レジ・券売機は〜20万円が上限の目安です。補助対象経費には、ソフトウェア購入費・クラウド利用費(最大2年分)・ハードウェア関連費・導入関連費が含まれます。締切は複数の回次に分かれてローリングで設定されるため、申請時期は公式ポータルで最新の締切を確認してください。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓などの取り組みを行う際の費用を補助する制度です。補助上限は基本50万円で、インボイス特例・賃金引上げ特例に該当すると上乗せがあります。
補助上限:50万円 ※上記金額に、インボイス特例対象事業者は50万円の上乗せ、賃金引上げ特例対象事業者は150万円の上乗せ、両特例対象事業者は200万円の上乗せ。 補助率:2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)
出典:小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉公募要領(第8版)|全国商工会連合会
ここで注意したいのが対象経費の範囲です。持続化補助金の「機械装置等費」では、汎用性の高いパソコン・タブレット端末・PC周辺機器は対象外とされています。そのため、タブレット型POSレジのタブレット本体そのものは、持続化補助金の対象にならない場合があります。
POSレジのハードウェア(レジ・券売機・タブレット等)に正面から使えるのは、前述のデジタル化・AI導入補助金インボイス枠です。持続化補助金は販路開拓の取り組みの一環として活用を検討し、対象範囲は公募要領で確認しましょう。申請の回次・締切は地域の商工会・商工会議所の公式サイトで最新のものを確認してください。
業務改善助成金
業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金を引き上げたうえで生産性向上のための設備投資を行う事業者を支援する、厚生労働省の制度です。POSレジシステムの導入も、在庫管理の時間短縮につながる設備として対象例に挙げられています。
業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を50円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。
出典:令和8年度業務改善助成金のご案内|厚生労働省
この制度の最大の特徴は、賃上げ(事業場内最低賃金を50円以上引き上げること)とセットで初めて使える点です。単にPOSレジを買うだけでは対象にならないため、他の2制度とは前提が異なります。
助成率は事業場内最低賃金1,050円未満で4/5、1,050円以上で3/4、助成上限額は賃上げ額と対象人数に応じて30万円〜最大600万円と幅があります。申請期間や要件は年度ごとに変わるため、厚生労働省の最新の案内で確認してください。
POSレジの選び方|業種・規模別の候補の絞り方
費用と流れが見えたら、いよいよ自店に合うサービスを絞り込みます。まずは業種を問わず共通するチェック軸を押さえ、そのうえで自店の業種で欠かせない機能に当てはめていくと、候補を無理なく2〜3個まで絞れます。
選定でチェックすべきポイント
どの業種でも共通して確認したい判断軸は、次の4点です。
- 必要な機能が自店に合っているか:在庫管理・予約・多店舗管理など、自店の業務で必須の機能が標準で使えるか、オプション追加になるかを確認する。オプションだと月額が上がるため、総額で比べる
- 料金とコストのバランス:初期費用・月額・決済手数料・周辺機器を合算した総額で判断する。売上規模に対して決済手数料の負担がどれくらいになるかも試算しておく
- サポート体制と故障時の対応:電話・チャットの対応時間、初期設定の支援、機器が故障したときの代替機や修理対応を確認する。営業中にレジが止まると売上に直結するため、オフライン時に会計を続けられるかも要チェック
- 拡張性・外部連携:会計ソフト・ネットショップ・予約システムとの連携や、店舗数が増えたときの多店舗管理に対応できるか。将来の事業拡大を見据えて確認する
業種・規模別の必須機能と候補の絞り方
共通軸を押さえたら、自店の業種で欠かせない機能に当てはめます。業種ごとに重視すべき機能と、選び方の要点を整理しました。
| 業種 | 飲食店 | 小売店 | 美容サロン | クリニック・調剤薬局 |
|---|---|---|---|---|
| 特に重視したい機能 | テーブル管理・オーダーエントリー(ハンディ)・分割/合算会計・キッチン連携・モバイルオーダー | 在庫管理・棚卸・バーコード管理・多店舗の一元管理・EC連携 | 予約管理・電子カルテ(施術履歴)・回数券/前売り・スタッフ別売上 | レセコン連携・処方箋会計とOTC/物販の合算会計・自動釣銭機 |
| 候補の絞り方 | 注文から会計までの動線に強い飲食特化型か、飲食向けオプションを持つ汎用型。券売機・セルフレジで省人化する選択肢も | 在庫・商品点数の多さに耐える小売特化型、または自動釣銭機・合算会計に対応するパソコン型 | 予約とカルテを一体で管理できる美容特化型。既存の予約システムとの連携可否も確認 | レセコン連携の対応範囲(対応レセコン数・NSIPS対応)を個別に確認できる製品 |
規模の観点も候補選びを左右します。1店舗・小規模で始める場合は、初期費用0円から使えるタブレット型で必要十分なことが多く、後から機能を拡張していく形が無理ありません。
商品点数が多い小売や、現金の授受が多く省人化したい店舗では、自動釣銭機やセルフレジに対応したパソコン型を最初から検討すると、導入後の手戻りを減らせます。複数店舗を運営する、または今後の多店舗展開を見据える場合は、本部からの一元管理や店舗をまたいだ売上・在庫の集計に対応できるかを確認しておきましょう。
なお、クリニックや調剤薬局は、レセコン(レセプトコンピュータ)との連携や、保険診療と自由診療・物販をまとめる合算会計など、ほかの業種にはない要件があります。医療機関向けのPOSレジを詳しく比較したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
クリニック向けPOSレジおすすめ12選を比較|タイプ別の選び方・レセコン連携・料金を解説
「クリニックの受付・会計の負担を、POSレジで軽くしたい」「レセコンや電子カルテと連携できる会計システムを比べたい」「種類が多すぎて、自院にどのタイプが合うのか判断できない」 クリニックの窓口会計は、保険診療と自費診療が混在し、現金とキャッ…
POSレジを比較して選ぶ
ここからは、実際にPOSレジを選ぶときの手がかりとして、主要なサービスの費用と特徴を紹介します。まずは初期費用・月額・決済手数料・対応業種を横並びで比較し、自店の業種・規模に合いそうな候補を絞り込みましょう。
業種から候補の当たりをつけると絞り込みやすくなります。飲食店なら注文から会計までの動線に強い飲食特化型やセルフオーダー対応、美容サロンなら予約とカルテを一体で管理できる美容特化型が向いています。
小売中心で自動釣銭機や合算会計も使いたい場合はパソコン型、汎用で低コストに始めたい場合はタブレット型、決済を1台にまとめたい場合は決済一体型のターミナルが出発点です。下の比較表で、各サービスの費用と対応業種を照らし合わせて絞り込んでください。
| サービス名 | Airレジ | スマレジ | Square POSレジ | STORESレジ | ユビレジ | stera pack | blayn | POS+(ポスタス) | BCPOS | Salon Answer |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 要問い合わせ | 0円 | 0円(プラン上) | 要問い合わせ | 224,000円〜(税抜・ハードウェアセット) | 130,000円(税抜) |
| 月額費用 | 0円 | 0円〜(有料プランは5,500円〜・税込) | 0円〜(有料プランは6,000円〜) | 0円〜(スタンダード3,300円・税込) | 0円〜(プレミアム6,900円〜・税抜) | 1年目0円/2年目以降3,300円(税込) | 2,800円〜(プレミアム+は19,800円) | 要問い合わせ | 5,000円〜(ソフト・税抜) | 9,800円〜(税抜) |
| 決済手数料 | 3.24%(Airペイ・クレカ税込) | 要問い合わせ | 2.5%〜(対面・条件付き) | 1.98%〜(STORES決済) | 要問い合わせ | 1.98%〜(Visa・Mastercard) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 端末タイプ | タブレット(iPad/iPhone) | タブレット(iPad/iPhone) | タブレット/専用端末 | タブレット | タブレット(iPad) | 決済一体型端末(stera terminal) | 専用機(タブレット/モバイル/セルフ型)・券売機 | タブレット(iPad)/セルフレジ | PC・タブレット・POS筐体(Windows) | タブレット(iPad想定・クラウド) |
| 対応業種 | 汎用(飲食・小売・サービス) | 汎用(飲食・小売の特化プランあり) | 汎用(小売・飲食の業種別アプリ) | 汎用(小売・飲食・美容など) | 汎用(飲食・小売の業種別オプション) | 汎用(決済一体型・業種問わず) | 飲食店特化 | 業種特化(飲食・小売・美容・クリニック) | 小売中心(飲食・調剤薬局・クリニックほか) | 美容サロン特化(美容室・ネイル・エステ) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※料金は2026年9月時点の各社公式情報に基づく目安です。「要問い合わせ」は公式サイトで料金が公表されていないサービスで、正確な金額は各社の公式資料でご確認ください。
上の比較表では主要なサービスを取り上げました。さらに多くのPOSレジを料金や業種別の選び方で横並びに比較し、診断ツールで自店に合う候補を絞り込みたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
ここからは、各サービスの位置づけと特徴を個別に見ていきます。料金の詳細は上の比較表を、最新の料金・機能は各サービスの資料もあわせて確認してください。
1. Airレジ(株式会社リクルート)

Airレジは、リクルートが提供するiPad・iPhone向けの0円から始められるPOSレジアプリです。本体は初期費用・月額費用ともに0円で、会計・商品管理・顧客管理・売上分析を1つのアプリでカバーします。費用負担はキャッシュレス決済「Airペイ」の決済手数料が中心となる構成です。初期費用・月額をかけずに始めたい小規模店舗が、最初に検討しやすい汎用型です。
飲食・小売・サービスなど幅広い業種に対応する汎用型で、Airペイとの連携により多彩なキャッシュレス決済を受け付けられます。まずは費用をかけずにPOSレジを試したい場合に検討しやすいサービスです。
2. スマレジ(株式会社スマレジ)

タブレット(iPad/iPhone)を端末に使うクラウド型POSレジです。無料のスタンダードプランで基本機能を利用でき、業種や規模に応じて有料プランへ拡張できる構成が特徴です。飲食向け(フードビジネス)・小売向け(リテールビジネス)の業種特化プランに加え、クリニック・薬局向けの案内も用意されています。
東証グロース市場に上場する企業が運営し、在庫管理・複数店舗の一元管理・自動釣銭機連携など、店舗の成長に合わせた機能を段階的に足していけます。無料で始めて必要に応じて拡張したい店舗や、多店舗展開を見据える店舗と相性の良い構成です。
3. Square POSレジ(Block, Inc.)

無料でダウンロードできるPOSレジアプリを中核に、キャッシュレス決済を一体で提供する汎用型サービスです。アプリ本体は初期費用・月額0円で、在庫・スタッフ・顧客管理や売上レポートまで含みます。タブレットに加えて、専用端末の「Square ターミナル」「Square レジスター」なども選べます。
対面決済の手数料が条件付きで2.5%〜と低めに設定される点や、小売特化・飲食特化の業種別アプリを展開している点が強みです。決済とレジを一体で、できるだけシンプルにそろえたい店舗で使いやすい構成です。
4. STORESレジ(STORES株式会社)

STORESレジは、ネットショップや予約など「STORES」ブランドの店舗運営サービス群の一部として提供されるタブレットPOSレジです。月額0円のフリープランから始められ、キャッシュレス決済「STORES決済」のクレジットカード・交通系IC手数料が1.98%〜と低めに設定されています。
ネットショップ・予約システムとの自動連携が特徴で、オンラインとオフラインをまたいで店舗運営をしたい小売やサロンに向いています。低価格帯で始めつつ、EC・予約とあわせて使いたい店舗に適した選択肢です。
5. ユビレジ(株式会社ユビレジ)

iPadを活用したSaaS型のタブレットPOSシステムです。レジ会計・売上分析・顧客管理・キャッシュレスを備えるプレミアムプランを中核に、飲食店向けのハンディやQRオーダー、小売店向けの在庫管理をオプションで足していける構成が特徴です。無料プランから試せます。
汎用型ながら飲食・小売それぞれの業種別オプションを持ち、多店舗運用にも対応します。iPadで手軽に始めつつ、自店の業種に合わせて機能を選び足したい店舗に向いています。
6. stera pack(SMBC GMO PAYMENT株式会社)

stera packは、決済端末「stera terminal」のレンタル・決済処理・アプリストア・サポートを月額パッケージにまとめた、決済一体型のサービスです。初期費用0円、月額利用料は1年目0円・2年目以降3,300円(税込)で、端末購入の初期負担なく導入できます。クレジットカード・電子マネー・QRコードなど30種類以上の決済に1台で対応します。
POSレジ機能は、端末のアプリストア「stera market」からPOSアプリを追加して利用する形になります。決済を1台にまとめたい店舗や、SMBCグループの決済基盤の信頼性を重視する店舗に向いた選択肢です。
7. blayn(ブレイン株式会社)

blayn(ブレイン)は、飲食店に特化して設計されたPOSレジです。レシートプリンター内蔵の専用機器にタブレット型・モバイル型・セルフレジ型の3種類があり、スタッフ人数や利用目的に合わせて選べます。券売機も展開しており、飲食店の省人化ニーズに幅広く応えます。
個別会計・テーブル移動・合算・飲み放題タイマーなど、飲食の現場に即した機能を多数備え、上位プランではQRコードを使った店内モバイルオーダーにも対応します。注文から会計までの動線を飲食向けに最適化したい店舗で力を発揮します。
8. POS+(ポスタス株式会社)

POS+(ポスタス)は、業態別にエディションを用意した業種特化型のクラウドPOSレジです。飲食店向けの「POS+food」、小売店向けの「POS+retail」、美容サロン向けの「POS+beauty」を中核に、クリニック向けのラインナップも持ち、複数業種を単一ブランドで幅広くカバーします。
各業種に最適化された機能(飲食はオーダー・キッチン連携、小売は在庫・棚卸、美容は予約・電子カルテ)をそのまま使え、365日の電話サポートを備えます。業種に合った機能をまとまった形で導入したい店舗に向いています。
9. BCPOS(株式会社ビジコム)

BCPOSは、株式会社ビジコムが提供するWindows用のPOSアプリケーションです。一体型PC・タブレット・POS筐体などハードウェアを店舗に合わせて選べ、販売・売上管理から在庫・顧客・ポイント管理までを備えます。クラウドとオンプレミスのハイブリッド構成で、ネットワーク障害時も稼働を続けられる点が特徴です。
自動釣銭機やセミセルフレジに対応し、小売を中心に、クリニックや調剤薬局のレセコン連携・合算会計にも対応するページを用意しています。商品点数が多い小売や、現金の授受を自動化したい店舗、医療機関の会計に向いた選択肢です。
10. Salon Answer(エクシードシステム株式会社)

Salon Answer(サロンアンサー)は、美容サロンに特化したiPad対応のPOSレジ・店舗管理システムです。レジ会計に加えて、予約管理・電子カルテ・電話対応(CTI)などサロン業務を一体で管理でき、施術履歴や顧客情報をもとにしたリピート施策にも活用できます。
ヘアサロン・ネイル・エステなど、予約と顧客管理が売上に直結する美容業種に向いた設計です。会計だけでなく予約・カルテまでまとめて1つのシステムで管理したいサロンに合います。
まとめ
POSレジ導入の費用は、端末のタイプと契約するサービスによって、初期費用0円から始められるものから、専用ハードを備えた20万円超のものまで幅があります。判断の際は、初期費用・月額・決済手数料・周辺機器を合算した総額(TCO)で見ることが大切です。導入はレジ機能だけなら数日〜1か月、決済まで含めると1〜2か月が目安で、審査や商品登録の期間を見込んで早めに動くとスムーズです。
費用は、POSレジのハードウェアに正面から使える「デジタル化・AI導入補助金」を中心に、補助金で一部をまかなえる可能性があります。ただし交付決定前の発注は対象外になるため、申請の順番には注意が必要です。まずは自店の業種・規模に合いそうな候補を2〜3個に絞り、資料で料金と機能を具体的に比べてみましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. POSレジとは何ですか?
A. POSレジとは、会計と同時に「いつ・何が・いくつ売れたか」という販売データを記録し、売上・在庫・顧客の管理に活用できるレジのことです(POS=Point of Sales、販売時点情報)。金額を打ち込んで釣り銭を出すだけの従来型レジと違い、近年はiPadなどのタブレットやスマートフォンにアプリを入れて使うクラウド型が主流で、初期費用を抑えて導入できるものが増えています。
Q. POSレジの導入費用は総額でいくらかかりますか?
A. POSレジの導入費用は、端末のタイプによって初期費用0円から20万円超まで幅があり、これに月額料金・決済手数料・周辺機器代を合算した総額(TCO)で見る必要があります。
タブレット型はアプリ本体を初期0円・月額0円〜1万5,000円程度で使えるサービスが多く、パソコン型やセルフレジは専用ハードの分だけ初期費用が20万円台〜と高くなります。加えてレシートプリンターやキャッシュドロワーなどの周辺機器代、キャッシュレスの決済手数料もかかるため、本体価格だけで判断しないことが大切です。
Q. POSレジは初期費用0円で導入できますか?
A. POSレジは、タブレット型を中心にアプリ本体を初期費用0円・月額0円で使えるサービスが多くありますが、「完全に無料」というわけではありません。
iPadなどの端末代や、レシートプリンター・キャッシュドロワーといった周辺機器代が別途かかるほか、キャッシュレス決済を使えば売上ごとに決済手数料が発生します。0円をうたうサービスでも、この決済手数料と周辺機器代が実質的なコストになるため、総額で見積もっておきましょう。
Q. POSレジの決済手数料はどれくらいかかりますか?
A. POSレジと組み合わせるキャッシュレス決済の手数料は、2026年9月時点で対面のクレジットカード決済がおおむね1.98%〜3.25%程度が中心帯です。
QRコード決済や電子マネーは手段ごとに料率が異なり、条件によってはクレジットカードより低く設定される場合もあります。売上が入金される「入金サイクル」もサービスによって翌営業日〜週1回・月2回などの幅があり、資金繰りに直結するため、手数料率とあわせて確認するのがおすすめです。
Q. POSレジ導入に補助金は使えますか?注意点はありますか?
A. POSレジの導入費用は、「デジタル化・AI導入補助金(旧・IT導入補助金)」のインボイス枠を中心に、補助金で一部をまかなえる場合があります。この枠はレジ・券売機や、レジ端末として使うタブレット等のハードウェアも支援対象で、小規模事業者は最大4/5が補助されます。
ただし、すべての補助金に共通する最大の注意点として、交付決定(採択)の前に発注・契約・購入したものは対象外になります。「先にレジを買ってから申請する」順番では対象にならないため、必ず交付決定を待ってから発注してください。要件・補助率・締切は制度ごとに変わるため、申請前に各制度の公式サイトで最新情報を確認しましょう。
Q. POSレジの導入にはどれくらいの期間がかかりますか?
A. POSレジの導入期間は、レジ機能だけなら数日〜1か月程度、キャッシュレス決済まで含めると1〜2か月程度が目安です。決済を使う場合は決済事業者による加盟店審査に数週間かかることがあり、商品・メニューの登録やスタッフ教育の時間も必要です。開店や切り替えの予定日から逆算し、審査と初期設定の期間を見込んで早めに申し込むと、全体の遅延を防げます。
Q. 営業中にネットが止まってもPOSレジは使えますか?
A. POSレジがオフラインで使えるかは、製品の方式によって異なり、通信が切れると会計できないものと、一時的にオフラインでも会計を続けられるものがあります。
クラウド型POSレジはインターネット接続が前提のため、レジを置く場所で通信が安定して届くかを事前に確認しましょう。営業中にレジが止まると売上に直結するので、オフライン時に会計を継続できるか、障害時のサポート体制がどうかを選定段階でチェックしておくと安心です。
Q. 業種によって選ぶべきPOSレジは違いますか?
A. POSレジは、業種によって重視すべき機能が異なるため、自店の業種で欠かせない機能を備えたものを選ぶのが基本です。飲食店はテーブル管理・オーダーエントリー・分割/合算会計、小売店は在庫管理・バーコード・EC連携、美容サロンは予約管理・電子カルテ、クリニックはレセコン連携が要になります。
まずは機能・料金・サポート・拡張性という共通の軸で候補を絞り、そのうえで自店の業種の必須機能に当てはめると、無理なく2〜3個まで絞り込めます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。















