決済代行会社の資料を見ていると、決済手段や手数料と並んで「接続方式」という欄が出てきます。リンク型、トークン型、API型、メールリンク型といった言葉が並んでいるものの、それぞれが何を指し、どれを選ぶと何が変わるのかは、資料だけではなかなか像を結びません。
接続方式は、決済機能を自社サイトにどう組み込むかの違いです。選び方次第で、導入にかかる開発の重さ、購入完了率(カゴ落ち)への影響、カード情報のセキュリティで自社が負う責任範囲、そして将来の乗り換えのしやすさまで変わってきます。契約を進める前に押さえておきたい、選定の土台になる知識です。
この記事では、主な接続方式の仕組みと違いを整理し、実装工数・カード情報の責任範囲・乗り換えコストといった判断軸で比較します。自社の状況に合う方式の当たりをつけ、対応する決済代行サービスの検討へ進むための材料としてご活用ください。
目次
決済代行の接続方式とは?主な4方式とその仕組み
接続方式とは、決済代行会社(PSP)の決済機能を自社のサイトやサービスにどう組み込むかを指します。決済代行各社は呼び方こそ少しずつ違うものの、主なものは「リンク型(画面遷移型)」「トークン型(JavaScript型)」「API型(データ伝送型・Gateway方式)」「メールリンク型」の4系統に整理できます。
方式を見分けるうえで軸になるのが、次の2つです。ひとつは決済画面が自社サイト内に表示されるのか、決済代行会社の画面へ遷移するのか。もうひとつは顧客が入力したカード情報が自社のサーバーを通過するのか、しないのかです。この2点を意識しながら、各方式を見ていきます。
とりわけカード情報が自社サーバーを通過するかどうかは、後述するセキュリティの責任範囲に直結します。この点で接続方式は大きく2つの型に分けられます。

リンク型(画面遷移型)
リンク型は、自社サイトに設置したリンクやボタンから、決済代行会社が用意した決済画面へ遷移して支払いを済ませる方式です。決済画面そのものを自社で作り込む必要がないため、開発の負荷を抑えて導入できます。サイトを持たない場合でも、HTMLリンクを埋め込むだけで決済を受け付けられます。
顧客のカード情報は決済代行会社の画面で入力されるため、自社のサーバーを通りません。手早く低コストで始めたい小規模な事業者や、まずスモールスタートしたい場面に向いた方式です。一方で、支払い時に別画面へ移動する体験になり、決済画面のデザインを自社で細かく作り込むことはできません。
トークン型(JavaScript型)
トークン型は、自社サイトのカード情報入力画面に決済代行会社が提供するJavaScript(ブラウザ上で動くプログラム)を組み込み、入力されたカード番号をその場でトークン(意味を持たない別の文字列)に変換して決済する方式です。決済画面は自社サイト内に表示できるため、顧客は別画面へ移動せずに支払いを完了できます。
カード番号はブラウザから決済代行会社へ直接送られ、自社のサーバーを通過しません。サイト内で決済を完結させつつ、カード情報を自社で抱えずに済むのが特長です。画面遷移による離脱を避けたい事業者にとって有力な選択肢になります。
ひとつ留意したいのは、この方式はカード番号のトークン化を前提とするため、対応する決済手段はクレジットカードが中心になりやすい点です。コンビニ決済やキャリア決済など幅広い手段もあわせて扱いたい場合は、リンク型やAPI型と組み合わせる形が現実的です。
API型(データ伝送型・Gateway方式)
API型は、自社で用意した決済画面から、決済代行会社のAPI(システム同士をつなぐ接続仕様)を通じて決済システムと直接通信する方式です。決済フォームのデザインや入力項目を自由に設計でき、既存の基幹システムやアプリと柔軟に統合できます。大規模なサイトや、決済まわりを細かく制御したいサービスに適しています。
自由度が高い反面、決済画面の実装を自社で担うため、一定の開発体制と工数が必要です。構成によっては顧客のカード情報が自社のサーバーを通過するため、後述するセキュリティ上の責任範囲が他の方式と変わる点に注意します。
メールリンク型
メールリンク型は、管理画面から決済用のURLを発行し、メールなどで顧客に送って支払ってもらう方式です。顧客は届いたURLの決済画面で支払いを済ませます。ECサイトに決済機能を組み込まない場合や、電話・訪問での申込後の個別請求、請求書送付後の支払いなどに活用できます。
サイトを構築せずに決済を受け付けられるため、単発の請求や少額の追加請求にも柔軟に対応できます。会社によっては、決済用フォームを作成するフォーム型や、複数件をまとめて処理するCSV一括方式、電話注文向けの入力方式なども用意しています。用途に応じて、これらを組み合わせて使う形が一般的です。
出典・参考資料(3件)
【比較表】接続方式 × 判断軸の早見表
ここまでの4方式を、選定で効く判断軸で横並びにしたのが次の表です。実装の重さ、決済画面の見え方(カゴ落ちへの影響)、カード情報の責任範囲、画面の自由度、乗り換えのしやすさを一望できます。まず全体像をつかんだうえで、気になる軸を後の章で掘り下げます。
| 接続方式 | リンク型(画面遷移型) | トークン型(JavaScript型) | API型(データ伝送型・Gateway方式) | メールリンク型 |
|---|---|---|---|---|
| 実装・開発負荷 | 軽い(リンク設置のみ・開発ほぼ不要) | 中程度(自社画面にJSを組み込む) | 重い(自社で決済画面を実装・開発体制が必要) | 軽い(管理画面からURL発行) |
| 決済画面 | 決済代行会社の画面へ遷移 | 自社サイト内に表示 | 自社サイト内に自由設計 | 決済代行会社が用意した画面 |
| カード情報と責任範囲 | 自社を通過しない(非保持化に対応) | 自社を通過しない(非保持化に対応) | 構成により自社を通過しうる(通過型ならPCI DSS準拠が必要) | 自社を通過しない(非保持化に対応) |
| 画面の自由度 | 低い | 中〜高 | 高い | 低い |
| 対応できる決済手段 | 幅広い(カード・コンビニ・キャリア決済など) | クレジットカード決済が中心 | 幅広い(多様な決済手段を組み込める) | 幅広い(用途は個別請求・単発決済が中心) |
| 乗り換えのしやすさ | 比較的しやすい | 比較的しやすい | 重くなりやすい(自社実装が深い) | しやすい |
※上記は各接続方式の一般的な特性を整理したものです。実際の対応可否や仕様は決済代行会社ごとに異なるため、各社の情報をご確認ください。
表からは、リンク型やメールリンク型が「手早く低負荷で導入できる代わりに画面の自由度は低い」、API型が「作り込みの自由度は高いが実装と責任範囲が重い」、トークン型が「サイト内完結とカード情報の非通過を両立する中間的な位置づけ」だと読み取れます。ここからは、表の1行だけでは判断しきれない3つの軸を掘り下げます。
早見表だけでは選べない3つの判断軸(セキュリティ責任・カゴ落ち・乗り換えコスト)
実装の重さは「軽い・重い」で直感的に掴めるため、早見表を見ればおおよその見当がつきます。一方で選定でつまずきやすいのが、表の一覧では差が見えにくい3つの軸です。カード情報のセキュリティ責任、決済画面の遷移と購入完了率(カゴ落ち)の関係、そして将来の乗り換えコスト。いずれも導入後にじわじわ効いてくるぶん見落とされがちなので、ここから順番に掘り下げます。
接続方式で変わるセキュリティ責任範囲(PCI DSS・カード情報の非保持化)
接続方式を選ぶうえで最も見落とせないのが、カード情報のセキュリティで自社が負う責任範囲です。クレジットカードを扱うEC加盟店には、割賦販売法にもとづく実務指針「クレジットカード・セキュリティガイドライン」で、カード情報の保護対策が求められています。その中心にあるのが「非保持化」という考え方です。
本ガイドラインで示す加盟店における「非保持化」とは、「自社で保有する機器・ネットワークにおいて『カード情報』を『保存』『処理』『通過』のいずれも行わないこと」を言い、カード情報に含まれる「機密認証データ」の保持も認められない。
出典:クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】|クレジット取引セキュリティ対策協議会(事務局:一般社団法人日本クレジット協会)
同ガイドラインは、カード情報が自社の機器・ネットワークを通過する「通過型」と、通過しない「非通過型」に決済システムを大別しています。そのうえで、非通過型として名指しされているのが、まさに本記事で見てきた接続方式です。
EC加盟店は、PCI DSS準拠済みのPSPが提供する非通過型(「リダイレクト(リンク)型」又は「JavaScript型(トークン型)」)等の決済システムを導入して非保持化を実現することができる。
出典:クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】|クレジット取引セキュリティ対策協議会
この区分に沿えば、リンク型・トークン型・メールリンク型のようにカード情報が自社を通過しない方式を選ぶことで非保持化を実現でき、自社が負うセキュリティ対応の範囲を小さく抑えられます。一方、API型で自社サーバーを通過する構成(通過型)を採る場合は、扱いが変わります。
EC加盟店は自社の決済システムを確認し、「通過型」を導入している場合には、カード情報を保持しない「非通過型」への移行か、カード情報を保持する必要がある場合は、PCI DSSに準拠しなければならない。
出典:クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】|クレジット取引セキュリティ対策協議会
PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)は、カード情報を扱う事業者向けに国際ブランド5社が共同で策定したデータセキュリティの国際基準で、12の要件・約400の要求事項からなります。通過型で準拠を目指すには、相応の対応コストがかかります。
ここで大切なのは、「API連携=一律でPCI DSS対応が必要」ではないという点です。カード情報が自社を通過するかどうかで責任範囲が決まる、と押さえておきましょう。
あわせて、ガイドライン【6.1版】ではEC加盟店への指針対策として「非保持化、又はカード情報を保持する場合はPCI DSSに準拠する」ことに加え、システムやWebサイトの「脆弱性対策」を講じることも求めています。非保持化を実現した場合でも、サイトの脆弱性対策は別途必要になる点は覚えておきましょう。
接続方式ごとに、自社が負う責任範囲を段階で整理すると次のようになります。
- 非通過型(リンク型・トークン型・メールリンク型):カード情報が自社を通過しないため非保持化を実現でき、PCI DSSへの準拠までは求められません。ただし、サイト自体の脆弱性対策は別途必要です。
- 通過型(API型などでカード情報が自社を通過する構成):非通過型へ移行するか、カード情報を保持するならPCI DSSへの準拠が必要になります。
出典・参考資料(2件)
画面遷移と購入完了率(カゴ落ち)の関係
接続方式は、購入完了率にも関わります。ECサイトでの購入フローでは、リンク型が決済代行会社の画面へ移動して支払う体験になるのに対し、トークン型やAPI型は自社サイト内で決済を完結できます。この「サイト内で完結するか、別画面へ移るか」の違いが、カゴ落ち(購入手前での離脱)に影響し得ると考えられます。メールリンク型は請求書や個別請求が主な用途のため、ECの購入フローとは切り離して考えるのが自然です。
ユーザビリティ調査を手がけるBaymard Instituteの集計によれば、オンラインショッピングのカゴ落ち率は平均で約70%にのぼります。離脱理由には送料などの追加費用やアカウント作成の要求などが並びますが、そのなかには「チェックアウトの手続きが長い・複雑」といった決済フローの摩擦も含まれています。
決済の途中で別画面へ移動したり、手続きが増えたりするほど、こうした摩擦が積み重なりやすくなります。購入完了率を重視するなら、サイト内で決済を完結できるトークン型やAPI型が選択肢に入ります。ただし、遷移の有無だけで完了率が決まるわけではなく、フォームの入力項目や対応する決済手段の幅など、総合的な使い勝手が効く点は押さえておきましょう。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:Cart Abandonment Rate Statistics|Baymard Institute(統計)
将来の乗り換えコストとベンダーロックイン
見落とされがちなのが、導入した後で決済代行会社を乗り換えるときのコストです。接続方式によって自社システムへの組み込みの深さが変わるため、切り替え時に作り直す範囲も方式ごとに大きく異なります。
API型は決済画面や処理を自社側で作り込むため、乗り換え時にはその実装を新しい会社の仕様に合わせて組み直す必要があり、負担が大きくなりがちです。反対に、リンク型やメールリンク型はリンクの差し替えが中心で、トークン型も組み込むプログラムの入れ替えが中心のため、相対的に移行は軽く済みます。
初期の導入のしやすさだけで方式を決めると、事業が育ってから乗り換えたくなったときに、想定外の再開発コストがのしかかることがあります。長く使う前提なら、乗り換えのしやすさも含めて方式を選ぶ視点が欠かせません。
【ケース別】自社に合う接続方式の選び方
ここまでの判断軸を、自社の状況に当てはめて整理します。次のケースを目安に、当たりをつけてみてください。いずれの場合も、対応する決済手段や料金は決済代行会社ごとに違うため、最終的には資料や見積もりで確認することをおすすめします。
- 開発リソースが乏しく、早く低コストで始めたい:リンク型が第一候補です。リンクを設置するだけで導入でき、開発の負荷とカード情報の責任範囲をどちらも抑えられます。まずスモールスタートし、必要になってから他方式へ広げる進め方もできます。
- 自社サイトの世界観を崩さず、離脱も抑えたい:トークン型が向いています。決済画面を自社サイト内に表示しつつ、カード情報は自社を通過しないため、購入完了率とセキュリティ責任のバランスを取りやすい方式です。ただし対応する決済手段はクレジットカードが中心になるため、コンビニ決済など多様な手段も扱うならリンク型やAPI型を組み合わせる選択肢も検討します。
- 決済まわりを細かく制御したい・基幹システムと連携したい:API型が適しています。決済画面や処理を自由に設計でき、既存システムとも柔軟に統合できます。ただし開発体制が必要で、通過型を採る場合はPCI DSS準拠まで含めた対応が求められる点を前提にします。
- ECサイトを持たず、請求書や電話・訪問での個別決済が中心:メールリンク型が使いやすい方式です。サイトを構築せずにURLを送るだけで支払いを受け付けられ、単発の請求や追加請求にも柔軟に対応できます。
- 将来の事業拡大と乗り換えを見据えたい:導入初期は低負荷なリンク型・メールリンク型で始め、拡大に応じてトークン型・API型へ広げられる会社を選ぶと、乗り換えの手間とコストを抑えられます。複数方式に対応する決済代行なら、同じ会社の中で段階的に切り替えられます。
各接続方式に対応する決済代行サービス
自社に向く接続方式の見当がついたら、次はその方式に対応した決済代行サービスを具体的に比較する段階です。ここでは、複数の接続方式に対応し、段階的な使い分けや資料での確認がしやすいサービスを一例として紹介します。対応方式や料金の詳細は、各社の資料で見比べてみてください。
| サービス名 | サブスクペイ | Paysys(ペイシス) |
|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社ROBOT PAYMENT | 株式会社ペイメントフォー |
| 対応する接続方式 | リンク型 トークン型 API型(Gateway方式) メールリンク型 CSV一括 | メールリンク型 フォーム型 API連携型 |
| 初期費用 | 要問い合わせ | 0円〜 (BtoB限定プラン。BtoCは要問い合わせ) |
| 決済手数料 | クレジットカード 2.5%〜 (条件により変動) | 〜1.99% (BtoB限定プラン。BtoCは要問い合わせ) |
| 主要な特徴 | 定額課金・継続課金に強み 幅広い接続方式を同一サービスで使い分け EMV 3-Dセキュア標準対応 | システム開発不要で導入可能 成長段階に応じて接続方式を切替えられる拡張性 専任担当による有人サポート |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
ここで取り上げたのは、複数の接続方式に対応する決済サービスの一例です。接続方式にとどまらず、実店舗・EC・サブスクといった提供形態ごとの選び方や、決済手段・料金まで含めてオンライン決済システム全体を見比べたい場合は、以下の記事が参考になります。
オンライン決済システムおすすめ36選を徹底比較|実店舗・EC・サブスク別の選び方
ECサイトやWebサービスの決済手段が少なく、購入直前の離脱(カゴ落ち)に悩んでいませんか。クレジットカードに加えてコンビニ払いやQRコード決済、後払いまで顧客の希望に応えようとすると、決済会社ごとの個別契約や入金管理の手間が膨らみ、決済手…
1. サブスクペイ(株式会社ROBOT PAYMENT)

サブスクペイは、株式会社ROBOT PAYMENTが提供する、定額課金・継続課金に強みを持つオンライン決済サービスです。リンク型・トークン型・API型(Gateway方式)に加え、メールリンク型やCSV一括方式まで、幅広い接続方式に対応しています。導入のしやすさを重視する段階から作り込みが必要な段階まで、同じサービスの中で使い分けられる点が特徴です。
トークン決済はカード情報が加盟店のサーバーを通過しない非通過型で、非保持化に対応しながら自社サイト内で決済を完結できます。クレジットカード決済手数料は2.5%〜(条件により変動、要問い合わせ)で、EMV 3-Dセキュア2.0(不正利用を防ぐ本人認証の国際規格)にも標準対応します。定期購入・会費・サブスクリプションの集金を自動化したい事業者にとって、有力な選択肢となります。
2. Paysys(ペイシス)(株式会社ペイメントフォー)

Paysys(ペイシス)は、株式会社ペイメントフォーが提供する決済代行サービスで、事業の成長に合わせて接続方式を切り替えられる拡張性を強みに掲げています。導入初期は開発不要の「メールリンクタイプ」「フォームタイプ」で低コストにスモールスタートし、効率化が必要になれば「API連携」で自社システムへ統合する、という段階的な使い方ができます。
料金は個別見積もりで、BtoB向けプランでは初期費用0円・手数料〜1.99%といった条件も用意されています。同じ決済代行の中で導入方式を移行できるため、乗り換えの手間を抑えながら事業の成長に合わせやすい点も特徴です。Webでの事業をこれから始める事業者にとって、始めやすさと将来の拡張性を両立しやすいサービスです。
開発不要で導入できる方式が必要とされる背景には、従来の決済システム導入にともなう開発負担の重さがあります。提供元の株式会社ペイメントフォーは、Paysys開発の経緯を次のように振り返ります。

もともと当社は決済システムのみを販売する決済代行会社でした。お客様に導入いただく際は、お客様側でサイトやシステムをご用意いただき、開発をしていただいたうえでご利用いただくという流れでした。ただ、そうなると開発コストが数百万円かかったり、システム担当者がいない会社では人を雇わなければいけなかったり、外注しなければいけなかったりと、結局「こんなにコストや手間かかるなら導入できない」というケースが多くありました。そういった方々にも決済サービスをご利用いただきたいという思いから、誰でも簡単に導入できる決済サービスとしてPaysysを開発しました。
まとめ
決済代行の接続方式は、リンク型・トークン型・API型・メールリンク型の4系統に整理できます。選ぶ軸は、実装の重さ、決済画面の遷移とカゴ落ちへの影響、カード情報の非保持化とPCI DSSの責任範囲、そして将来の乗り換えコストです。カード情報が自社を通過しない方式ほどセキュリティの責任範囲は軽く、作り込みの自由度が高い方式ほど実装と乗り換えの負担は重くなります。
自社の開発体制・規模・扱う決済手段に照らして向く方式の当たりをつけ、その方式に対応する決済代行サービスの資料を見比べて、料金や対応範囲を具体的に確認してください。
対応する決済代行会社を具体的に比較する段階では、手数料の相場観や失敗しない選び方まで押さえておくと判断がぶれません。数多くの決済代行を横並びで見比べたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 決済代行の接続方式とは何ですか?
A. 決済代行の接続方式とは、決済代行会社(PSP)の決済機能を自社のサイトやサービスにどう組み込むかを表す方式のことです。
主にリンク型(画面遷移型)・トークン型(JavaScript型)・API型(データ伝送型・Gateway方式)・メールリンク型の4系統があり、「決済画面が自社サイトに表示されるか」「顧客のカード情報が自社サーバーを通過するか」の2点で違いを見分けられます。選ぶ方式によって、実装の重さ・購入完了率・セキュリティで自社が負う責任範囲・将来の乗り換えコストが変わります。
Q. 決済代行のリンク型とAPI型は何が違いますか?
A. リンク型は決済代行会社の決済画面へ遷移して支払う方式で開発負荷が軽い代わりに決済画面の自由度が低く、API型は自社の決済画面からAPIで直接通信する方式で画面を自由に設計できる代わりに開発工数とセキュリティ責任が重くなります。
リンク型はカード情報が自社を通過しない非通過型で、手早く低コストに導入したい小規模な事業者に向きます。API型は構成によってカード情報が自社サーバーを通過するため、通過型を採る場合はPCI DSS準拠まで含めた対応が必要になります。決済まわりを細かく制御したい大規模サイトに適した方式です。
Q. トークン型の接続方式は安全ですか?
A. トークン型は顧客のカード情報が自社サーバーを通過しない「非通過型」で、カード情報の非保持化に対応した方式です。
顧客が入力したカード番号はブラウザ上でトークン(意味を持たない文字列)に変換され、自社を経由せず決済代行会社へ直接送られます。クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】でも、非通過型の「JavaScript型(トークン型)」を導入することで非保持化を実現できるとされています。ただし、非保持化を実現した場合でも、サイト自体の脆弱性対策は別途必要になる点は押さえておきましょう。
Q. 決済代行の接続方式によってPCI DSSへの準拠は必要になりますか?
A. カード情報が自社サーバーを通過するかどうかで決まり、非通過型(リンク型・トークン型・メールリンク型)を選べば非保持化によりPCI DSS準拠を求められずに済みます。
一方、API型などでカード情報が自社を通過する「通過型」の構成を採る場合は、非通過型への移行か、カード情報を保持するならPCI DSSへの準拠が必要です。「API連携だから一律でPCI DSS対応が必要」なのではなく、カード情報が自社を通過するかどうかで責任範囲が変わる、と押さえておくと安心です。
Q. 開発リソースやECサイトがなくても導入できる接続方式はありますか?
A. リンク型とメールリンク型なら、決済画面を自社で作り込む必要がなく、ECサイトや開発体制がなくても導入できます。
リンク型はサイトにリンクやボタンを設置するだけ、メールリンク型は管理画面で発行した決済用URLをメールで送るだけで支払いを受け付けられます。サイトを持たない事業者や、電話・訪問での申込後の個別請求、請求書送付後の支払いなどにも柔軟に対応しやすい方式です。
Q. 接続方式によって決済画面のデザインは自由に変えられますか?
A. API型なら決済画面を自社で自由に設計でき、トークン型は自社サイト内に表示しつつ一定の範囲で調整でき、リンク型・メールリンク型は決済代行会社が用意した画面を使うため自由度は低くなります。
自社サイトの世界観を保ったまま決済を完結させたい場合はトークン型やAPI型が向き、デザインより導入の手早さを優先したい場合はリンク型が扱いやすい方式です。どこまで作り込めるかは決済代行会社によっても差があるため、資料や仕様で確認しておくと確実です。
Q. あとから接続方式を変えたり、決済代行会社を乗り換えたりできますか?
A. 接続方式の変更や乗り換えは可能ですが、API型のように自社で深く作り込んだ方式ほど、乗り換え時に決済画面や処理を新しい会社の仕様へ組み直す負担が大きくなります。
リンク型やメールリンク型はリンクやURLの差し替えが中心、トークン型も組み込むプログラムの入れ替えが中心のため、相対的に移行は軽く済みます。将来の事業拡大を見据えるなら、複数の接続方式に対応し、同じ会社の中で段階的に切り替えられる決済代行を選ぶと、乗り換えの手間とコストを抑えられます。
Q. 決済代行の接続方式によって導入までの期間はどのくらい変わりますか?
A. リンク型やメールリンク型は開発がほとんど不要で短期間に導入でき、API型は決済画面の実装が必要なぶん導入までの期間が長くなりやすいです。
実際の期間は、接続方式の重さに加えて、決済代行会社の審査や必要書類の準備状況にも左右されます。多機能な決済の利用や作り込みを予定している場合は、余裕をもって数ヶ月前から準備を進めておくと安心です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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