取引先へ請求書を送ったあと、その代金が期日どおりに振り込まれたかを一件ずつ確認し、売掛金の記録と突き合わせていく——この入金管理は、掛売り(後払い)で取引する企業の経理に欠かせない業務です。取引が増えるほど確認する入金の数も膨らみ、手作業やエクセルでは照合の抜けや消し込み漏れが起きやすくなります。
入金管理は、入金予定の確認・売掛金との照合・入金消込・未入金の催促という流れで進みますが、経理を担当し始めたばかりの段階では、どの作業を何のために行うのかがつかみにくいものです。用語の意味や毎月の手順を整理しないまま運用すると、自社のやり方に抜けがあっても気づけません。
本記事では、入金管理とは何かを整理したうえで、業務の流れを4つのステップに分けて具体的に解説します。手作業でつまずきやすいポイントとその対処、エクセルとシステムの違い、自動消込やバーチャル口座による効率化の方法、自社に合うシステムの選び方までを一通り押さえられる内容です。これから入金管理の体制を整えたい経理・財務の担当者が、自社の運用を見直す材料としてご活用ください。
目次
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入金管理とは?
入金管理とは、取引先に請求した代金が予定どおりに入金されたかを確認・照合して記録し、未回収があれば回収まで行う経理業務です。売上を計上して請求書を発行しただけでは取引は完了せず、実際に代金が振り込まれ、その入金がどの請求に対するものかを確定させて初めて売掛金(後払いで受け取る代金)が消えます。この一連の管理を担うのが入金管理です。
掛売りでは、商品やサービスを先に提供し、代金は後日まとめて受け取ります。そのため「いつ・いくら・どの取引先から入金される予定か」を把握し、実際の入金と突き合わせて管理しなければ、入金漏れや二重請求に気づけません。回収の遅れは資金繰りにも直結するため、入金管理は日々の経理の中でも精度が求められる業務です。
ここからは、入金管理を実際にどのような手順で進めるのかを、4つのステップに分けて見ていきます。
入金管理の業務の流れ4ステップ
入金管理は、大きく分けて入金予定の確認・売掛金との照合・入金消込・未入金の催促という4つのステップで進みます。多くの実務でこの区切りが共通しているのは、請求から回収までの流れに沿って、確認・突き合わせ・記録・回収という性質の異なる作業を順に処理するためです。
取引先の締め日や支払サイトに合わせ、月次の締め後にまとめて回すのが基本で、入金予定日を過ぎた請求はその都度確認します。月初に前月の締め分の入金予定を確定し、月中は入金があるたびに照合・消込を進め、入金予定日が集中する月末前後に未入金を洗い出して催促する、という時間軸が一般的です。ここからは、各ステップで具体的に何をするかを解説します。

STEP1. 入金予定を確認する(入金管理台帳の主な項目)
最初に、発行済みの請求書をもとに「どの取引先から・いつ・いくら入金される予定か」を一覧にまとめます。この一覧が入金管理台帳(入金予定表)で、入金の確認と照合の土台になります。
入金管理台帳には、一般的に次の項目を記載します。自社のエクセルに抜けがないか、この一覧と照らし合わせて確認できます。
- 取引先名
- 請求日・請求金額
- 入金予定日・入金予定金額
- 実際の入金日・入金額
- 回収状況(入金済み/一部入金/未入金)
- 差額・備考(振込手数料の差引や分割入金などのメモ)
取引先ごとに支払サイト(締め日から入金までの期間)が異なるため、入金予定日を正しく設定しておくことが、後続の照合と催促の精度を左右します。
たとえば、A商事への請求は次のように1行で記録します。請求日8月31日・請求額330,000円、入金予定日9月30日、実際の入金は9月30日に329,340円で、回収状況は入金済み(差額660円は当社負担の振込手数料)です。請求1件ごとに1行で埋めていくと、後の照合がしやすくなります。
STEP2. 入金額を売掛金と照合する(照合とは)
入金があったら、銀行口座の入金明細と入金管理台帳の予定を突き合わせます。照合とは、実際に振り込まれた金額・入金元・入金日が、請求した内容と一致するかを確認する作業です。金額が一致していれば、その請求に対する入金として確定できます。
照合では、金額の一致だけでなく、入金元の名義が請求先と対応しているか、入金日が支払サイトの範囲内かもあわせて確認します。金額が合わない、名義が特定できないといった場合は、次の消込に進む前に原因を調べる必要があります。
代金の受け取り方は銀行振込だけではありません。受取手形や電子記録債権(でんさい。電子的に記録・譲渡できる金銭債権)、口座振替のほか、売掛債権を早期に資金化するファクタリングなどもあり、手段ごとに入金日の考え方や確認方法が異なります。自社で使う決済・回収手段を把握し、それぞれに合わせて台帳へ反映しておくと照合が滞りません。
STEP3. 入金消込を行う(入金消込とは)
照合できた入金は、帳簿上で売掛金を消し込みます。入金消込とは、入金を確認した請求について、計上していた売掛金を帳簿から消して「回収済み」に更新する処理です。これにより、売掛金の残高が実際の未回収額と一致した状態を保てます。
具体的には、入金を確認したら入金管理台帳の回収状況を「入金済み」に更新し、売掛金の残高から入金額を差し引きます。会計上は、売掛金を減らして現預金を計上する仕訳で記録します。請求額の一部だけが入金された場合は、残額を売掛金に残したまま「一部入金」として管理します。
たとえば売掛金10万円の請求に対し、振込手数料330円が差し引かれて99,670円が入金されたとします。この場合は(借方)普通預金 99,670円・支払手数料 330円/(貸方)売掛金 100,000円 のように記録し、売掛金を全額消し込みます。
消込を正確に行わないと、すでに入金された請求が売掛金として残り続けたり、逆に未入金の請求を回収済みと誤認したりします。売掛金の残高は資金繰りや与信判断の基礎になるため、消込は入金管理の中核といえる作業です。
STEP4. 未入金を確認して催促する
照合と消込を終えると、入金予定日を過ぎても入金されていない請求(未入金)が明らかになります。未入金は放置せず、状況を確認して取引先へ催促します。入金予定日直後のリマインドから始め、状況に応じて電話や書面での督促へと段階を上げるのが一般的です。
催促の前には、そもそも請求書が正しく届いているか、自社側の請求ミスがないかを確認します。回収が長期化すると貸倒れのリスクが高まるため、未入金を早期に把握し、記録を残しながら対応することが重要です。
自社での催促だけでは回収が難しくなってきた場合は、督促の自動化や外部への回収代行も選択肢になります。依頼先のタイプや費用相場は以下の記事で解説しています。
売掛金回収代行サービスおすすめ21選を徹底比較|依頼先タイプ別の選び方・費用相場・督促自動化まで解説
取引先に商品やサービスを納めたのに、支払期日を過ぎても売掛金が入金されない。督促の電話やメールを送っても先延ばしにされ、自社の手間ばかりがかさんでいく。そんな未回収の売掛金を前に、どう動けばよいか判断しかねていませんか。回収にかけられる人手…
手作業・エクセルでの入金管理でつまずきやすいポイント
入金管理の4ステップは、教科書どおりに1つの請求へ1件の入金があれば単純です。しかし実務では、そのとおりに振り込まれないイレギュラーな入金が照合と消込を止めます。ここからは、手作業やエクセルで起きやすいつまずきを症状別に取り上げ、それぞれの原因と対処を整理します。自社の運用に抜けがないかを確認する材料にしてください。
分割入金・複数請求で入金額と請求額がズレる
1つの請求を複数回に分けて支払う分割入金や、複数の請求をまとめて1回で振り込む合算入金では、入金額と個々の請求額が一致しません。金額が合わないため、どの入金がどの請求に対応するのかを一件ずつ突き止める必要が生じ、照合に時間がかかります。
対処としては、取引先ごとに請求と入金の対応関係を記録し、合算入金は内訳を確認して各請求へ割り当てます。分割入金は残額を追跡し、完済まで管理します。こうした対応関係を人の記憶や個別の判断に頼ると属人化しやすいため、記録のルールを決めておくことが抜け防止につながります。
振込手数料が差し引かれて入金額が合わない
取引先が振込手数料を差し引いて入金すると、請求額と入金額に数百円の差が生じ、金額不一致として照合が止まります。少額でも件数が多いと、その都度差額の理由を確認する手間がかさみます。
振込手数料をどちらが負担するかは、当事者間の取り決めが基本です。民法では、弁済(支払い)の費用の負担について次のように定められています。
弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。
出典:民法第485条|e-Gov 法令検索
特段の取り決めがなければ、振込手数料は支払う側(債務者)の負担が原則です。差引の扱いで認識がずれないよう、手数料の負担者を契約書や取引条件で明確にしておくと、差額をめぐる確認作業を減らせます。あわせて、許容する差額の範囲をルール化しておくと、消込時の判断がぶれません。
名義相違・誤入金で入金元や金額を特定できない
親会社名義や担当者個人名での振込など、振込名義が請求先と異なると、どの取引先からの入金かをすぐに特定できません。また、金額が請求と合わない誤入金や、請求に紐づかない入金があると、照合が止まったまま原因調査に時間を取られます。
対処としては、取引先の振込名義をあらかじめマスタとして登録しておき、名義から入金元を引けるようにします。誤入金が疑われる場合は、まず自社の請求内容に誤りがないかを確認し、そのうえで取引先へ連絡して事実関係を確かめます。特定できない入金は仮受金(内容が確定するまで一時的に計上する勘定)として扱い、内容が判明してから正しい請求へ振り替えると、消込の精度を保てます。
多拠点・複数口座からの入金で管理が煩雑になる
入金を受け取る銀行口座が複数あったり、拠点ごとに入金管理を分けていたりすると、確認すべき明細が分散し、全体の回収状況を把握しにくくなります。口座やファイルをまたいで台帳を突き合わせる作業が増え、更新の遅れや二重管理も起きがちです。
複数口座・複数拠点の入金は、一箇所に集約して管理するのが基本です。エクセルで運用する場合も、口座ごとにファイルを分けず、入金元と請求の対応を1つの台帳に集約すると、回収状況を横断して確認できます。件数が増えて集約作業自体が負担になってきたら、次章以降で解説するシステム化が選択肢になります。
エクセルとシステムでの入金管理の違い
入金管理を「エクセルなど手作業で続ける」か「システム化する」かは、多くの企業が迷うポイントです。ここからは、両者を管理方法の型として比較し、コスト・ミスの起きやすさ・工数の観点から、自社の規模に合うのはどちらかを判断できるように整理します。
なお、入金管理を担うシステムは、与信や債権残高の管理まで扱う「債権管理システム」の一機能として提供されることも多く、本記事ではまとめて「入金管理・債権管理システム」と呼びます(両者の違いは記事末尾のFAQで補足します)。
| 観点 | 初期コスト | 入金と請求の照合 | ミスの起きやすさ | イレギュラー入金への対応 | 属人化のしやすさ | 向いている規模 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| エクセル・手作業 | 低い(既存のソフトで始められる) | 目視・手入力が中心で件数に比例して工数が増える | 手入力ミス・関数の壊れ・更新漏れが起きやすい | その都度、人が判断して処理する | 担当者の運用に依存しやすい | 入金件数が少なく、当面コストを抑えたい企業 |
| 入金管理・債権管理システム | 導入費用・月額費用がかかる | 入金データを自動で取り込み、照合・消込を自動化できる | 自動処理で転記ミスを抑えやすい | 名義不一致・合算入金・手数料差を設定やAIで吸収できる | ルールを設定に落とし込み、担当者が変わっても運用しやすい | 入金件数が多く、イレギュラー入金の手作業が負担になっている企業 |
エクセルは新たな費用をかけずに始められる一方、入金件数が増えると照合や関数の保守が煩雑になり、手入力ミスやファイルの破損リスクも高まります。システムは費用がかかるものの、入金データの取り込みから照合・消込までを自動化でき、件数が多いほど工数削減の効果が大きくなります。自社の月間入金件数と、イレギュラー入金にかかっている手間を目安に判断するとよいでしょう。
システム化に踏み出す場合、入金消込に特化した製品を照合方式・例外対応・会計ソフト連携といった軸でより多くの選択肢から比べたい方は、以下の比較記事もあわせてご覧ください。
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入金管理を効率化する方法
手作業の入金管理に限界を感じたら、効率化の手段を検討する段階です。入金管理を効率化する方法には、入金消込の自動化・バーチャル口座の活用・AI-OCRやシステム連携による手入力の削減などがあります。ここからは、それぞれが何をどう楽にするのかを、どの課題に効くかとあわせて解説します。
入金消込を自動化する(自動消込の仕組み)
入金消込の自動化とは、銀行口座に入った入金データと、売掛金として計上した請求データをシステムが自動で照合し、どの請求への入金かを紐づけて消し込む仕組みです。手作業では目視で行っていた突き合わせを、金額・振込名義・入金日などを手がかりにシステムが代行します。
入金データの取り込みには、銀行のAPI(システム同士を接続する仕組み)連携やインターネットバンキングからの明細取得、CSVファイルの読み込みなどが使われます。取り込んだ入金と請求を自動照合するため、入金件数が多い企業ほど工数削減の効果が出やすい方法です。近年は、過去の照合パターンを機械学習で学び、名義のブレや金額の差がある入金でも消込候補を提案する製品も増えています。
機械学習による自動照合は、使い続けて過去の照合パターンを学ぶほど精度が高まる仕組みのため、導入直後から完璧に合うわけではなく、精度が安定するまでに数ヶ月ほどかかるのが一般的です。継続的な取引が中心か、新規の取引先が多いかによっても、学習が進むスピードは変わります。
バーチャル口座で入金元を自動特定する
バーチャル口座(振込入金口座)は、取引先ごとに専用の口座番号を割り当て、その口座への入金を口座番号を手がかりに入金元と紐づける仕組みです。銀行が提供するサービスで、次のように説明されています。
注文ごとやお客さまごとに振込入金口座を割り当てることで、入金データから注文やお客さまを特定することができ、同姓同名の方や家族名義での振込などでも正しく入金管理を行うことが可能になります。
出典:振込入金口座|GMOあおぞらネット銀行
振込名義ではなく口座番号を照合キーにするため、名義が請求先と異なる入金や、複数請求をまとめた合算入金でも入金元を特定しやすくなります。名義不一致に悩む企業に効果が大きい一方、取引先へ新しい振込先口座を案内する運用の切り替えが必要になります。
会計・販売管理システムとの連携で手入力・二重入力を減らす
入金管理システムを会計ソフトや販売管理システムと連携させると、消込の結果を仕訳データとして自動で取り込め、システム間の二重入力をなくせます。請求から入金、記帳までを一つの流れでつなげられるため、担当者が転記する箇所が減り、経理全体の工数とミスを抑えられます。
あわせて、請求書など紙・画像の書類を扱う場面では、AI-OCR(紙や画像の文字をAIで読み取る技術)で書類のデータ化にかかる手入力を減らせます。どの会計ソフト・銀行に対応しているかは製品ごとに異なるため、自社が使うツールとつながるかを確認しておくと安心です。
どの課題にどの手段が効くか
効率化の手段は、自社の入金管理で何がボトルネックになっているかを起点に選ぶと絞り込みやすくなります。悩みの種類ごとに効く手段の目安を整理すると、次のとおりです。
| つまずきやすい課題 | 入金件数が多く照合に時間がかかる | 振込名義が請求先と一致しない | 合算入金・分割入金が多い | 振込手数料による端数のずれ | 書類の手入力・転記が多い |
|---|---|---|---|---|---|
| 効きやすい手段 | 銀行API連携による入金データの自動取得と自動消込 | バーチャル口座での入金元特定、またはAI・機械学習による照合 | 専用システムの自動消込(合算対応)、前受金・仮受金の管理 | 誤差の許容金額を設定して自動吸収する機能 | AI-OCRと会計・販売管理システムとの連携 |
いずれの手段も、初回の取引や学習が進んでいないパターンでは人による確認が残ります。すべてを自動に任せきるのではなく、人が確認する対象を絞り込む仕組みと捉えると、現実的に効果を見込めます。
自社に合う入金管理・債権管理システムの選び方
手作業の限界が見えてきたら、入金管理・債権管理システムの導入が次の一歩になります。ここからは、自社に合う製品を判断するための観点を整理したうえで、入金消込を効率化できる主なサービスを比較します。すべての機能を比べるのではなく、自社のボトルネックに効く軸から確認していくと選定が進めやすくなります。
選び方の観点(規模・課題別)
まず、自社の月間入金件数と、手作業で慢性的に負担になっている課題を洗い出します。入金件数が数十件程度で当面コストを抑えたい段階なら、既存の会計ソフト内蔵の消込機能や低コストのサービスが現実的です。一方、件数が数百件を超え、名義不一致や合算入金の手作業が慢性化しているなら、入金消込に特化した専用システムやバーチャル口座方式が効果を発揮します。
あわせて、次の4つの観点を確認しておくと、自社に合う製品を絞り込みやすくなります。
- 効率化したい業務(消込だけか、請求発行から一気通貫か)をカバーしているか
- 既存の会計ソフト・銀行口座と連携できるか
- 合算入金や手数料差といった自社のイレギュラー入金に対応できるか
- 料金体系が自社の利用量に見合うか
これらの観点は、次の比較表と各サービスの紹介で具体的に確認できます。
特に、入金データの取得元となる金融機関に対応しているか、消込結果を取り込む会計ソフトと連携できるかは、導入後の運用を大きく左右します。
入金消込だけでなく、与信管理や債権残高の管理・督促まで含めた債権管理システム全体を比較検討したい場合は、以下の記事でタイプ別の選び方を詳しく解説しています。
以下では、これらの観点で入金消込を効率化できる主なサービスを比較します。まず一覧で全体像をつかみ、気になる製品は個別の紹介で詳細を確認してください。
| サービス名 | 請求管理ロボ | Bill One債権管理 | マネーフォワード クラウド債権管理 | V-ONEクラウド | バクラク債権管理 | 債権奉行クラウド |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 運営会社 | 株式会社ROBOT PAYMENT | Sansan株式会社 | 株式会社マネーフォワード | 株式会社アール・アンド・エー・シー | 株式会社LayerX | 株式会社オービックビジネスコンサルタント |
| 効率化アプローチ(型) | 請求〜消込 一気通貫型 | バーチャル口座 割当型 | 消込特化型 (機械学習照合) | 消込特化型 (専業クラウド) | AI消込一体型 (バクラクシリーズ) | 消込一体型 (多決済対応) |
| 入金消込の自動化のしくみ | 金融機関の入金情報を自動取得して請求と自動照合。バーチャル口座で入金元を自動特定し、振込手数料の差額も自動処理 | 請求先ごとに固有のバーチャル口座番号を割り当て、口座番号を手がかりに入金と債権を自動マッチング。合算入金・名義不一致にも対応 | 機械学習による自動照合で、使うほど照合率が向上。締め請求・サブスク・分割入金など複雑なパターンの消込候補をAIが提案(請求書発行は内包せず) | 独自の照合ロジックとAI学習で自動照合率が向上。請求N対入金N・科目跨ぎなど複雑な組み合わせに対応 | 全国の金融機関から入金データを自動取得し、AIが請求データと照合して消込・仕訳・督促を自動化。ログイン不要の入金消込エージェントも提供 | 銀行入金データの自動取得+振込依頼人名・一括入金・手数料の自動マッチング。消込と同時に入金伝票を自動作成 |
| 料金の目安(2026年9月時点) | 要問い合わせ (月額+請求件数の従量) | 要問い合わせ (発行請求書件数に応じた年額制) | 要問い合わせ (請求・入金の取込件数に応じた従量制) | 要問い合わせ (入金件数の上限に応じたプラン制) | 月額3万円〜 (税抜・年間契約) | 月額6,500円〜・ 初期費用0円(iクラウド) |
| こんな企業に向く | 請求書の発行から集金・消込・催促まで、回収業務全体をまとめて仕組み化したい企業 | 振込名義の不一致や合算入金が多く、名義マスタに頼らず消込を自動化したい企業 | 既存の請求・販売システムを残したまま、消込工程だけを刷新したい企業 | 請求書発行は既存の仕組みを使い、消込工程を専業ツールで効率化したい企業(月100〜10,000件規模) | 料金を確認したうえで導入したい企業。バクラクシリーズで請求〜入金〜仕訳をつなげたい企業 | 低コストでExcelから脱却したい中小企業。受取手形・電子記録債権など多様な決済のてん末も一元管理したい企業 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
ここからは、各サービスの特徴と入金消込機能を個別に紹介します。
1. 請求管理ロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

請求管理ロボは、請求書の発行・送付から集金、入金消込、未入金の催促までを一気通貫で自動化するクラウドサービスです。決済代行事業を母体とする決済インフラを背景に、複数の入金経路を一括で扱える点が特徴で、手作業に限界を感じた企業が請求から回収までをまとめて仕組み化したいときの選択肢になります。
入金消込では、金融機関から入金情報を取得して請求と自動照合し、バーチャル口座で入金元の取引先を自動特定するほか、振込手数料の差額も自動処理します。勘定奉行・弥生会計・マネーフォワード クラウド会計・PCA会計などの会計ソフトと連携でき、請求から仕訳までをつなげられます。初期費用・月額費用は請求件数に応じた個別見積もりで、公式料金ページに金額の記載はなく、資料請求での確認が必要です。
出典・参考資料(1件)
2. Bill One債権管理(Sansan株式会社)

請求先ごとに固有のバーチャル口座番号を割り当てて入金消込を自動化するのが、Bill One債権管理の中核です。その口座を振込先とした請求書を発行することで、入金情報と債権情報を自動でマッチングします。バーチャル口座は、ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)のBaaS(銀行機能を他社サービスに組み込む仕組み)基盤を用いた「Bill One Bank」で発行されます。
口座番号を照合キーにするため、振込名義が債権名義と一致しない入金や、複数請求分を一括で振り込む合算入金でも自動で消し込めると訴求しています。振込人名義のマスタ登録を前提とする従来型の消込が苦手とするケースに、方式として直接答える点が強みです。既存の基幹システムを使ったまま導入できるとされ、料金は発行する請求書の件数に応じた年額制で、具体的な金額は問い合わせが必要です。
出典・参考資料(1件)
3. マネーフォワード クラウド債権管理(株式会社マネーフォワード)

入金消込・債権残高管理から回収予定管理・滞留督促までを扱うのが、特定業務特化型のマネーフォワード クラウド債権管理です。請求書発行機能を内包せず、すでに別システムで請求書を発行している企業が「消込工程だけ」を刷新する用途にも対応します。既存の請求の仕組みを変えずに、入金消込を効率化したい企業に向く選択肢です。
公式の機能ページによれば、機械学習による自動照合が「使えば使うほど自動照合率が向上」する仕様で、合算入金・分割入金・振込名義のブレといったイレギュラーケースの消込候補をAIが提案します。マネーフォワード クラウド会計Plus・請求書Plusとの連携やSalesforce連携に対応します。料金は請求・入金の取込件数に応じた従量制で、具体額は問い合わせが必要です。
機械学習による自動照合が実務でどのように立ち上がるのかについて、提供元の株式会社マネーフォワードの栗本賢人氏は次のように説明しています。

機械学習を使っているため、最初から100点を目指すというよりは、使い続けていくことで照合精度が上がっていく仕組みです。目安としては3ヶ月程度で精度が安定してきますが、、お客様のシチュエーションによっても異なります。継続的にお取引をされる企業が中心なのか、新規の取引先が多く入ってくるのかによっても学習のスピードは変わってきます。
出典・参考資料(1件)
4. V-ONEクラウド(株式会社アール・アンド・エー・シー)

請求データと入金データを取り込み、独自の照合ロジックとAI・機械学習で入金消込を自動化するのが、入金消込特化型のV-ONEクラウドです。請求書発行は既存の仕組みを使い続け、消込工程を専業ツールで効率化したい企業に向きます。一度照合した請求と入金の組み合わせをAIが学習し、次回以降の自動照合率が高まる仕組みを備えます。
1件の請求に複数の入金、複数の請求に1件の入金といった複雑な組み合わせや、勘定科目をまたぐ照合にも対応します。消込後の滞留債権の管理や社内督促の依頼までカバーし、会計ソフトやERP(基幹業務システム)、多数の金融機関とAPI・CSVで連携できます。料金は入金件数の上限に応じたプラン制で、具体額は問い合わせが必要です。
出典・参考資料(1件)
5. バクラク債権管理(株式会社LayerX)

バクラク債権管理は、経費精算や請求書の受取・発行を擁する「バクラク」シリーズの債権管理プロダクトです。AIが入金データと請求データを照合し、入金消込・仕訳・督促を自動化します。全国の金融機関から入金データを自動取得し、事前に設定した条件に従って請求情報と紐づけます。料金を公式に開示しており、比較検討の材料にしやすい点も特徴です。
前受金処理の自動化や、口座振替の依頼データ作成から消込までの対応も備えます。バクラクシリーズの他プロダクトと連携すれば、請求から入金、仕訳までをつなげられます。料金は月額3万円からの年間契約です。
出典・参考資料(1件)
6. 債権奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

入金消込から債権残高管理・回収予定管理・滞留督促・与信限度チェックまでを一体で扱うのが、クラウド型の債権管理システム、債権奉行クラウドです。奉行クラウドシリーズの一製品で、勘定奉行クラウドや商蔵奉行クラウドとの連携を前提とした構成になっています。
中小〜中堅向けのプランは月額6,500円・初期費用0円から用意され、料金を公式に開示している点が、はじめてシステム化する企業の入口として検討しやすい特徴です。
銀行入金データの自動取得に加え、振込依頼人名・一括入金・手数料を自動でマッチングし、消込と同時に入金伝票を自動作成します。前受金(代金を先に受け取った際に計上する勘定)・仮受金の一元管理や、受取手形・電子記録債権(電子的に記録・譲渡できる金銭債権)・ファクタリング・期日現金など多様な決済方法のてん末管理にも対応します。振込以外の決済手段が多い企業でも、入金の状況を一元的に管理できます。
出典・参考資料(1件)
まとめ
入金管理は、請求した代金が予定どおり入金されたかを確認・照合し、売掛金を消し込んで未回収を回収する経理業務です。「入金予定の確認」「売掛金との照合」「入金消込」「未入金の催促」という4ステップで進み、分割入金や振込手数料の差引、名義不一致といったイレギュラー入金でつまずきやすいという特徴があります。
入金件数が増えて手作業やエクセルの負担が慢性化してきたら、自動消込・バーチャル口座・AI-OCRといった効率化手段や、入金管理・債権管理システムの導入が選択肢になります。
まずは自社の月間入金件数と手作業の負担を把握し、悩みの種類から必要な機能を逆算して、候補を絞って比べるのが導入への近道です。気になる製品の最新資料は以下から各社まとめてダウンロードできますので、複数社を同じ条件で比べてみてください。
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入金管理に関するよくある質問(FAQ)
Q. 入金管理とは何ですか?
A. 入金管理とは、取引先に請求した代金が予定どおり入金されたかを確認・照合して記録し、未回収があれば回収まで行う経理業務です。掛売り(後払い)では代金を後日受け取るため、入金予定の確認→売掛金との照合→入金消込→未入金の催促という流れで管理し、入金漏れや二重請求を防いで資金繰りを安定させる役割を担います。
Q. 入金管理と債権管理はどう違うのですか?
A. 入金管理は債権管理の一部で、入金管理が「入金の確認から消込・催促まで」を指すのに対し、債権管理はそれに加えて与信管理や債権残高の管理まで含む、より広い業務です。
実務では重なる部分が多く、製品でも入金消込を中心に扱うものは「入金管理システム」、債権残高や督促まで一体で扱うものは「債権管理システム」と呼ばれる傾向があります。自社が消込工程だけを効率化したいのか、債権全体を管理したいのかで、選ぶ製品の範囲が変わります。
Q. 入金管理でよくあるミスにはどのようなものがありますか?
A. 入金管理で最も起きやすいのは、入金額と請求額を突き合わせる照合のミスと、入金済みの請求を消し込み忘れる消込漏れです。特に、分割入金・合算入金・振込手数料の差引・振込名義の相違といったイレギュラーな入金では金額や入金元が一致せず、確認が滞ってミスにつながりやすくなります。それぞれの症状と対処は本文「手作業・エクセルでの入金管理でつまずきやすいポイント」で解説しています。
Q. 入金管理はエクセルとシステムのどちらで行うべきですか?
A. 入金件数が少なくコストを抑えたい段階ではエクセル、件数が多くイレギュラー入金の手作業が負担になっているならシステムが向いています。判断の目安となるコスト・ミス率・工数の違いは、本文「エクセルとシステムでの入金管理の違い」の比較表で整理しています。まずは自社の月間入金件数と、イレギュラー入金にかかっている手間を確認してみてください。
Q. 会計ソフトや販売管理システムだけで入金消込はできますか?
A. 会計ソフトや販売管理システムでも基本的な入金消込は可能ですが、合算入金や名義相違といったイレギュラーな入金の自動照合には対応しきれない場合があります。まずは既存ソフトの消込機能で足りるかを確認し、手作業での確認が慢性的に発生するようであれば、銀行データの自動取得やAIによる自動照合に特化した入金消込・債権管理システムを検討するのが現実的です。
件数の多い企業ほど、専用システムのほうが工数削減の効果が出やすくなります。
Q. 入金管理システムの費用相場はどのくらいですか?
A. 入金管理・債権管理システムの費用は、月額数千円台から始められる公開料金型のサービスと、請求・入金の件数に応じた個別見積もり型に大きく分かれます。料金を公開している製品では月額数千円〜数万円台から利用でき、件数の多い企業向けの製品は件数連動の個別見積もりが中心です。初期費用の有無や、自社の入金件数に対する課金体系が見合うかを、複数社の資料で見比べて確認するとよいでしょう。
Q. 入金消込を自動化しても人による確認は必要ですか?
A. 入金消込を自動化しても、初回の取引や過去に学習していないパターンでは、人による確認が残ります。自動消込やAIによる照合は、名義や金額が一致する定型的な入金を自動で処理し、判断に迷うイレギュラーな入金だけを人の確認対象に絞り込む仕組みと捉えると現実的です。すべてを自動に任せきるものではない点を理解しておくと、導入後の期待とのギャップを防げます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















