利用するSaaSや社内システムが増え、社員・委託先のアカウントや管理者権限の管理が追いつかなくなっていませんか。退職者のアカウントが残り続けたり、管理者権限が共有されて操作者を特定できなかったりといった状態は、不正アクセスや情報漏えいの入口になります。テレワークや外部委託が広がるなかで、アクセス管理のセキュリティ対策を見直す企業が増えています。
自社のアクセス管理を強化するとき、どの会社・サービスに頼めばよいのでしょうか。ID・認証の一元管理、特権ID・管理者権限の統制、社外からの安全なアクセスのうち、自社の課題にどのタイプが合うかを見極めることが出発点になります。
本記事では、アクセス管理のセキュリティ対策を提供する主要な会社・サービスを3つのタイプに整理し、横並びで比較・解説します。各タイプの違いや提供形態・機能・料金・サポートの見方を整理しましたので、自社の課題に合う依頼先を見つけるための検討材料としてご活用ください。
また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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アクセス管理のセキュリティ対策とは
まず、アクセス管理のセキュリティ対策がどのような仕組みで、何を守るのかを整理します。用語の土台を押さえておくと、後述の3タイプや選び方の違いが理解しやすくなります。
アクセス制御との違い
アクセス管理とは、誰がどのシステムやデータに、どこまでアクセスできるかを統制する一連の仕組みを指します。利用者アカウントの登録・変更・削除から、認証、権限の付与、利用状況の記録までを含む広い概念です。
これに対してアクセス制御は、認証された利用者に「このファイルは閲覧のみ」「この管理画面は特定の担当者だけ」といった権限の線引きを行う、より狭い機能を指します。アクセス制御はアクセス管理を構成する一部分という関係にあり、両者は同じ意味ではありません。
アクセス管理を構成する3つの機能(認証・認可・監査)
アクセス管理は、認証・認可・監査という3つの機能で成り立ちます。この3つがそろって初めて、アクセスを安全に統制できる状態になります。
1つ目の認証は、利用者が名乗ったとおりの本人かを確かめる機能です。IDとパスワードに加え、ワンタイムパスワードや生体情報を組み合わせる多要素認証(MFA)を使うと、パスワードが漏れてもなりすましを防ぎやすくなります。
2つ目の認可は、認証された利用者に対し、どのシステム・データに、どの操作まで許すかを割り当てる機能です。業務上必要な範囲だけに権限を絞る最小権限の考え方が基本となり、過剰な権限が情報漏えいや内部不正の入口になるのを防ぎます。
3つ目の監査は、いつ・誰が・どのデータに・何をしたかという操作ログを記録し、あとから追跡できる状態を保つ機能です。不正の検知だけでなく、内部統制報告制度(J-SOX)やISMSなどの監査で求められる証跡としても役立ちます。
アクセス管理で解決できる課題と導入効果
アクセス管理が追いつかないと、退職者のアカウントが残り続ける、権限が棚卸しされず肥大化する、管理者権限が共有されて操作者を特定できない、といった状態が生じます。利用するSaaSやテレワーク、委託先からのアクセスが増えるほど、こうした統制の抜けは広がりやすくなります。
仕組みで統制すれば、認証の強化で不正アクセスを防ぎ、権限の最小化で内部不正や誤操作の影響範囲を抑えられます。ログの自動記録により監査対応にかかる工数も下がり、アカウント発行や権限付与の申請・承認を電子化することで、情報システム部門の手作業を減らす効果も見込めます。
アクセス管理の会社・サービスを選ぶ3つのタイプ
アクセス管理のセキュリティ対策を提供する会社・サービスは、何を重点的に守るかによって大きく3つのタイプに分かれます。自社の課題がどれに近いかを見極めると、比較すべきサービスの範囲を絞り込めます。
ID・認証を一元管理するタイプ(ID管理・IDaaS)
社員が使う複数のクラウドサービスや社内システムのID・ログインを、1か所に集約して統制するタイプです。クラウドで提供されるID管理基盤はIDaaS(Identity as a Service)と呼ばれ、シングルサインオン(SSO)で一度の認証から複数サービスへログインでき、多要素認証でなりすましを防ぎます。
入社・異動・退職に合わせてアカウントを自動で作成・停止するID連携(プロビジョニング)を備えた製品もあり、アカウントの作り忘れ・消し忘れを防げます。利用するSaaSが増えてID管理が煩雑になってきた企業に向くタイプです。
特権ID・管理者権限を統制するタイプ(特権アクセス管理・PAM)
サーバーやデータベース、クラウドの管理コンソールを操作できる管理者権限(特権ID)に絞って統制するタイプで、特権アクセス管理(PAM)と呼ばれます。特権IDは一度悪用されると被害が大きいため、一般利用者のID管理とは別に、より厳格な統制が求められます。
必要なときだけ一時的に権限を貸し出す申請・承認の仕組み、操作内容の録画やログ取得、パスワードの自動変更といった機能で、誰が特権を使ったかを追跡できる状態にします。管理者権限の共有をやめ、内部統制や監査で特権の利用状況を示したい企業に向きます。
社外からの安全なアクセスを実現するタイプ(ゼロトラスト型リモートアクセス・ZTNA)
社外や委託先から社内システムへ安全にアクセスさせるタイプで、ゼロトラスト型リモートアクセスと呼ばれます。社内ネットワークに入れた相手を信頼する従来のVPNと違い、アクセスのたびに利用者と端末を確認し、許可したアプリケーション単位でのみ接続を許す考え方に基づきます。
VPNの代わりにアクセスを必要最小限に絞り、接続のセッションを記録して監査証跡を残せる製品もあります。同種の製品は「ゼロトラストアクセス」「特権リモートアクセス」など提供元によって呼び方が異なる点にも注意が必要です。在宅勤務や外部委託先からのアクセスを、監査に耐える形で統制したい企業に向くタイプです。
本記事では、ゼロトラスト型リモートアクセスの代表的なサービスを取り上げます。社外アクセスの入口となるSSO・多要素認証はID・認証を一元管理するタイプ、サーバーへの特権的なリモート接続は特権アクセス管理のタイプでも一部カバーできるため、自社の課題の中心がどこにあるかでタイプをまたいで検討すると選択肢を広げられます。
3つのタイプの狙いと、それぞれに該当する主な会社・サービスを一覧にまとめました。
| タイプ | 主な狙い(自社の課題) | 該当する主な会社・サービス |
|---|---|---|
| ID・認証を一元管理するタイプ(ID管理・IDaaS) | 社員が使うSaaS・社内システムのIDとログインを集約し、SSO・多要素認証で統制する | CloudGate UNO、Okta、Microsoft Entra ID、HENNGE One、トラスト・ログイン byGMO など |
| 特権ID・管理者権限を統制するタイプ(特権アクセス管理・PAM) | サーバー・DBなどの管理者権限を申請承認・操作録画・証跡取得で厳格に統制する | SecureCube Access Check、iDoperation、Keeper、ManageEngine PAM360 |
| 社外からの安全なアクセスを実現するタイプ(ゼロトラスト型リモートアクセス) | 社外・委託先から社内システムへのアクセスをアプリ単位で許可し監査証跡を残す | IIJ Safous、KeyGateway C1 |
自社がどのタイプに当てはまるか判断が難しい場合は、以下の「30秒で終わる選定診断ツール」で、いくつかの質問に答えると候補の当たりをつけられます。
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【比較表】タイプ別・主要サービスの機能/提供形態/料金比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、主要なアクセス管理の会社・サービスを3つのタイプ別に分類して比較します。料金を公開していないサービスは「要お問い合わせ」として掲載しています。
ID・認証を一元管理するタイプ(ID管理・IDaaS)の比較
SSO・多要素認証・アクセス制御・ID連携・操作ログを軸に、ID管理・IDaaSのサービスを比較します。
| サービス名 | CloudGate UNO | Okta Workforce Identity Cloud | Microsoft Entra ID | トラスト・ログイン byGMO | HENNGE One | Cisco Secure Access by Duo | IIJ IDサービス | OneLogin | Gluegent Gate | Extic | RSA ID Plus | SafeNet Trusted Access | Soliton OneGate | JumpCloud | Keycloak | Keyspider | IDaaSソリューション |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社インターナショナルシステムリサーチ | Okta Japan株式会社 | Microsoft Corporation | GMOグローバルサイン株式会社 | HENNGE株式会社 | シスコシステムズ合同会社 | 株式会社インターネットイニシアティブ | One Identity LLC | サイオステクノロジー株式会社 | エクスジェン・ネットワークス株式会社 | RSA Security LLC | タレスDISジャパン株式会社 | 株式会社ソリトンシステムズ | JumpCloud, Inc. | Keycloakプロジェクト(CNCF/Red Hat) | 株式会社アクシオ | Sky株式会社 |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS)+認証プロキシ設置 | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS)/オンプレ連携 | クラウド/ハイブリッド/オンプレミス/エアギャップ | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS)/アプライアンス併用可 | クラウド(SaaS) | セルフホスト(オンプレ/自前構築、OSS) | クラウド(SaaS、ID管理・IGA) | SI(IDaaS導入・運用支援) |
| 国産・国内サポート | ●(国産・日本語サポート) | ●(外資・日本法人あり) | ●(外資・日本法人あり) | ●(国産) | ●(国産) | ●(外資・日本法人あり) | ●(国産) | ●(外資・国内代理店経由) | ●(国産) | ●(国産) | ●(外資・国内代理店経由) | ●(外資・日本法人/代理店経由) | ●(国産) | △(本体英語・国内代理店が日本語対応) | △(OSS・国内はNRI等が有償対応) | ●(国産) | ●(国産・SI) |
| パスワードレス・FIDO2/パスキー | ●(全プラン標準) | ● | ● | ●(SSOプロ・有料) | — | ● | ● | ● | ●(FIDO/FIDO2・生体) | ● | ● | ● | ●(証明書+FIDO2/生体) | ●(JumpCloud Go・WebAuthn対応) | ●(26.4以降・要設定) | — | — (採用製品による) |
| 既存AD・ディレクトリ連携 | ●(Enterprise Plus以上) | ●(AD/LDAP、エージェント経由) | ●(ハイブリッドAD同期) | ●(AD/Entra ID/M365/Google) | ● | ●(Duo Directory同期) | ●(Directory Sync・統合Windows認証) | ●(AD/Entra ID/LDAP、SCIM 1.1/2.0) | ●(人事マスタ・AD連携) | ●(AD/LDAP/DB/CSV/SCIM) | ●(AD/Entra ID、RADIUS連携) | ●(SCIM連携) | ● | ●(AD双方向同期) | ●(LDAP/AD連携) | ●(AD/Azure AD、SCIM/LDAP) | — (採用製品による) |
| 無料プラン・トライアル | 30日間無料トライアル | 30日間無料トライアル | 無料プランあり(Free)+30日間トライアル | 無料プランあり(SSOフリー) | 要お問い合わせ | 無料プランあり(10ユーザーまで)+30日間トライアル | 無料トライアルあり | 30日間無料トライアル | — | 無料トライアルあり | 無料トライアルあり | 無料トライアルあり | 30日間無料トライアル | 30日間無料トライアル | 無料(OSS) | — | — |
| 料金 | 月額400〜600円/ID(税抜) | 月額940円〜/ユーザー(年契約・最低24万円/年) | 無料〜/P1 月額1,049円・P2 1,499円/ユーザー(年払い) | 無料〜/SSOプロ 月額300円/ID(税抜・30ID〜) | 月額400円〜/ID(Identity・税抜・200ID〜) | 無料〜/Essentials 月額$3・Advantage $6・Premier $9/ユーザー | 月額120円〜/ID(SSOのみ)、SSO+多要素認証 240円/ID(税抜) | 初期費用2万円+月額 要お問い合わせ(代理店見積り) | 月額100円〜/接続(Connects)、250円〜/ユーザー(Professional・税抜) | 月額150〜300円/ID(税抜・ID数で逓減) | 月額$3〜$7/ユーザー目安(日本は代理店見積り) | 要お問い合わせ(ユーザー数ベースのサブスクリプション) | 月額150〜600円/ユーザー(プラン別・最小40〜200ユーザー) | 月額$9〜/ユーザー(SSOは$11〜、年払い・USD建て) | 0円(OSS。インフラ・運用費は自社負担) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ(案件個別見積り) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト |
特権ID・管理者権限を統制するタイプ(特権アクセス管理・PAM)の比較
特権IDの可視化・申請承認ワークフロー・操作録画や監査証跡・パスワード自動変更を軸に、特権アクセス管理のサービスを比較します。
| サービス名 | SecureCube Access Check | iDoperation | Keeper | ManageEngine PAM360 |
|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | NRIセキュアテクノロジーズ株式会社 | NTTテクノクロス株式会社 | Keeper Security APAC株式会社 | ゾーホージャパン株式会社 |
| 提供形態 | ゲートウェイ型(エージェントレス)/オンプレミス・クラウド・マネージドSaaS | クラウド/オンプレミス | クラウド(SaaS) | オンプレミス(クラウド版はベータ) |
| 特権ID可視化・棚卸し | △(パスワード・アクセス権を一元管理) | ●(未使用ID・過剰権限を洗い出し) | △(上位のKeeperPAMで対応) | ●(特権アカウントを検出・保管) |
| 申請承認ワークフロー | ● | ●(一時付与・自動剥奪) | △(上位のKeeperPAMで対応) | ●(JITの特権昇格) |
| 操作録画・監査証跡 | ●(操作ログを暗号化保管・監査補助) | ●(操作を動画記録) | ●(アクティビティログを内蔵) | ●(リモートセッションを録画) |
| パスワード自動変更 | ● | ● | △(上位のKeeperPAMで対応) | ● |
| 料金 | 要お問い合わせ | クラウド版 月額基本料金174,000円〜(Edition別・年間一括前払い)+管理対象数に応じた料金 | 要お問い合わせ(ユーザー単位・年契約、公式は具体額非表示) | 年間ライセンス 1,761,000円/年〜(5管理者・保守込み・税別、課金軸は承認者数) |
| 認証・対応基準 | FISC安全対策基準・J-SOX・PCI DSS に準拠対応(準拠支援) | 要お問い合わせ(製品認証は公式未記載) | SOC 2 Type II・ISO/IEC 27001/27017/27018・FedRAMP High・FIPS 140-3 取得 | NIST・PCI DSS・ISO/IEC 27001 等に準拠対応(準拠支援) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
社外からの安全なアクセスを実現するタイプ(ゼロトラスト型リモートアクセス)の比較
アプリ単位のアクセス制御・エージェントレス接続・多要素認証・セッション録画・VPN代替を軸に、ゼロトラスト型リモートアクセスのサービスを比較します。
| サービス名 | IIJ Safous 特権リモートアクセス | KeyGateway C1 |
|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社インターネットイニシアティブ | かもめエンジニアリング株式会社 |
| 提供形態 | SaaS(ZTNA) | クラウド(ZTNA) |
| アプリ単位アクセス制御 | ● | ●(毎回認証・認可) |
| エージェントレス接続 | ●(エージェント接続も選択可) | ●(原則クライアント不要) |
| 多要素認証(MFA) | ●(TOTP・SMS) | △(連携IdPで対応) |
| セッション録画 | ●(RDP・SSH・Telnet・VNC) | — (公式に記載なし) |
| VPN代替 | ● | ● |
| 料金 | 要お問い合わせ(ユーザー数ベース) | 要お問い合わせ(利用者ID数ベース・初期設定費用別途) |
| 認証・対応基準 | 要お問い合わせ(製品の認証取得は公式未記載) | 要お問い合わせ(ISMS等は公式未記載) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト |
紹介する会社・サービス
ここからは、各タイプの主要な会社・サービスについて、機能・料金・導入実績などの特徴を個別に紹介します。自社の課題に近いタイプから読み進めてください。
ID・認証を一元管理するタイプ(ID管理・IDaaS)
社員が使うSaaS・社内システムのID・認証を集約するID管理・IDaaSの各サービスを紹介します。
ID・認証の一元管理が自社の中心的な課題だと固まってきた場合は、IDaaSにしぼって選び方・メリット・導入事例まで掘り下げた以下の記事もあわせてご覧ください。
IDaaSとは?おすすめ6選を徹底比較|メリットや選び方・導入事例も紹介
「IDaaSを比較したい」「IDaaSとは何?どのサービスがおすすめ?」 IDaaSとは、ID管理と認証をクラウド上で統合できる仕組みで、複数のクラウドサービスをまとめて管理したい企業に広がっています。 クラウドサービスの利用が増えた近年で…
1. CloudGate UNO(株式会社インターナショナルシステムリサーチ)

株式会社インターナショナルシステムリサーチが100%自社開発する、SSO・多要素認証・アクセス制限・ID管理を一つに統合したクラウド型のID管理プラットフォームです。2008年提供開始の「CloudGate」を源流とし、2013年にマルチクラウド対応の現行版へ発展しました。
認証ではパスキー(FIDO2)によるパスワードレス認証に対応し、全プラン・全ユーザーで追加費用なく利用できます。アクセス制限は端末・場所・時間の3軸で設定でき、業務時間外や私用端末からのログインを制御できます。
料金は月額400円〜600円(税抜)のユーザー単価制で、Standard Plus・Enterprise Plus・Smart Packの3プランに分かれます。契約数は1,400社以上で、30日間の無料トライアルを用意しています。
提供元の株式会社インターナショナルシステムリサーチは、パスワードレス認証への切り替えが情報システム部門の業務にもたらした変化について、独自インタビューのなかで具体的な事例を挙げて説明しています。

導入と同時にパスワードレス認証に切り替えた企業では、IT部門の業務の約20%を占めていたパスワード関連のヘルプデスク業務が「0%」になったという事例があります。また、他社サービスからの乗り換え事例もございます。通常、設定の移行には時間がかかるものですが、当社のサポートによりわずか1週間で完了させたケースもあります。
2. Okta Workforce Identity Cloud(Okta Japan株式会社)

従業員や委託先など「働く人」のアイデンティティを管理するクラウド型のIDaaSです。シングルサインオン・多要素認証・ユーザーディレクトリ・IDライフサイクル管理を統合的に提供します。
事前構築済みの連携(OIN)は8,000を超え、SCIM標準やWorkdayなどの人事システムと連携して、入社・異動・退職に伴うアカウント作成・権限変更・即時アクセス失効を自動化できます。
料金はユーザー単位の年契約で、Starterが月額940円、ライフサイクル管理を含むCore Essentialsが月額2,020円です(年間契約最低額24万円)。日本法人と国内代理店網があり、30日間の無料トライアルを利用できます。
3. Microsoft Entra ID(Microsoft Corporation)

Microsoft 365やAzureの認証基盤を担う、クラウド型のID・アクセス管理サービスです。旧称はAzure Active Directory(Azure AD)で、2023年にMicrosoft Entra IDへ名称が変わりました。
シングルサインオン・多要素認証・条件付きアクセスに加え、人事イベントを起点としたアカウントの自動作成・無効化にも対応します。Microsoft 365やAzureをすでに利用している組織は、追加のツール導入なしにこれらの機能を有効化できます。
料金はユーザー単位の年払いで、無償のFreeに加え、条件付きアクセスが使えるP1が月額1,049円、リスクベースの制御まで含むP2が月額1,499円です。
4. トラスト・ログイン byGMO(GMOグローバルサイン株式会社)

電子証明書・電子認証を本業とするGMOグローバルサイン株式会社が提供する、企業向けクラウド型ID管理サービス(IDaaS)です。SSO・ID管理・多要素認証・アクセス制限・ログ機能を備えます。
特徴は、SSO・ID管理の基本機能を無料プラン(SSOフリー)から始められる点にあります。無料プランでもアカウント数・連携アプリ数に制限はありません。パスキー(FIDO2)やプッシュ通知などのパスワードレス認証は、月額300円/ID(税抜)の有料プランで利用できます。
2026年にはグループ企業向けの組織間連携や、取引先のID管理に対応するプランを追加しており、複数の子会社・取引先を抱える企業のID統制にも対応を広げています。
5. HENNGE One(HENNGE株式会社)

HENNGE株式会社が提供する、ID統制とメール・エンドポイントセキュリティを一つにまとめたクラウド基盤です。SSO・多要素認証・アクセス制御を中核に据えています。
SSOは連携するクラウドサービスの数が増えても追加費用が発生しない料金設計で、契約ユーザー数は300万を超え、契約企業数は3,731社に達します(2026年3月末時点)。
提供形態はID管理のIdentity、情報漏えい防止のDLP、脅威対策のCybersecurityの3つのEditionと、これらを統合したSuiteに分かれます。2026年10月の新プランではIdPが月額400円、Suite Basicが月額1,000円です(いずれも税抜・ID単価、最小200ID)。
6. Cisco Secure Access by Duo(シスコシステムズ合同会社)

独立系スタートアップのDuo Securityが開発し、2018年にシスコが買収したクラウド型のアクセスセキュリティサービスです。多要素認証・デバイスの健全性チェック・適応型アクセスポリシーを組み合わせてアクセス可否を判定します。
新たにID基盤を構築しなくても、既存のVPN・リモートデスクトップ・オンプレミスアプリ・クラウドSaaSに後付けで多要素認証を被せられる点が選定理由になります。認証方式はプッシュ通知、FIDO2/WebAuthn、パスワードレスなどに対応します。
料金は10ユーザーまで無料のFreeに加え、Essentialsが1ユーザー月額3ドル、Advantageが6ドル、Premierが9ドルです。30日間の無料トライアルがあり、国内では代理店経由での導入支援が中心となります。
7. IIJ IDサービス(株式会社インターネットイニシアティブ)

国内通信事業者の株式会社インターネットイニシアティブが自社で開発・運用する、クラウド型のID管理・認証サービス(IDaaS)です。1つのIDで複数のクラウドサービスへログインできるSSOを中核にしています。
多要素認証はFIDO2認証、デバイス証明書認証、メールワンタイムパスワード、スマートフォンアプリによる認証に対応し、Active Directoryとの連携やアクセス制御も備えます。公式サイトでは、日本の法律の下でIIJが一貫して管理・開発・運用を行う点を説明しています。
料金は初期費用0円で、SSO連携が月額120円/ID、多要素認証を含むプランが月額240円/IDです(いずれも税抜)。連携するサービス数が増えても料金は変わりません。導入は5,000社以上です(2023年4月時点)。
8. OneLogin(One Identity LLC)

米国で提供が始まり、2021年にOne Identityが買収したクラウド型のID管理サービス(IDaaS)です。日本国内ではサイバネットシステムなど複数の代理店を通じて販売・サポートが提供されています。
Active Directory上のユーザーの追加・変更・削除を検出し、連携先クラウドサービスのアカウントへリアルタイムから15分以内に反映します。SCIM 1.1/2.0に対応し、SSO連携が可能なアプリは6,000を超えます。
料金はグローバルの公式ページで米ドル建てのプランが示されていますが、日本で代理店経由で購入する場合の価格は要問い合わせです。30日間の無料評価版を利用できます。
9. Gluegent Gate(サイオステクノロジー株式会社)

サイオステクノロジー株式会社が2011年から提供するIDaaSで、SSO・多要素認証・統合ID管理を担います。累計25万ユーザーの導入実績があります。
SSOはSAML・OpenID Connectに対応し、多要素認証はOTP・ICカード・FIDO2・生体認証・クライアント証明書を組み合わせて設定できます。人事システムやActive Directoryと連携した自動プロビジョニングにより、退職者・異動者のアカウント削除漏れを防げます。
料金は初期費用無料で、1ライセンスから購入できます。接続単位で課金するConnectsが月額100円、ユーザー単位でSSO連携数が無制限になるProfessionalが月額250円など、用途に応じた4プランを用意しています(いずれも税別)。
10. Extic(エクスジェン・ネットワークス株式会社)

ID管理を専業とするエクスジェン・ネットワークス株式会社が提供する国産のIDaaSです。オンプレミス型の統合ID管理製品「LDAP Manager」で培ったノウハウを、クラウドサービスとして展開しています。
人事情報を起点にしたIDの自動生成とライフサイクル管理を中核に、SSOと多要素認証を組み合わせます。Active Directory・LDAP・データベース・各種SaaSへの横断的なID連携に対応し、FIDO2によるパスワードレス認証も利用できます。
料金は認証中心のIdP・ID管理中心のIdM・両方を含むStandardのコース制で、Standardは月額300円/ID(100ID・税別)からボリュームディスカウントが効きます。公共・教育・GIGAスクール向けの特別プランも用意しています。
11. RSA ID Plus(RSA Security LLC)

ハードウェアトークンによるワンタイムパスワード認証を源流とする、多要素認証を中核にしたID・アクセス管理プラットフォームです。現在は「RSA Unified Identity Platform」として、クラウド・オンプレミス・アイデンティティガバナンスを統合的に提供しています。
政府機関・金融機関・重要インフラなど、高い保証レベルを求める組織を主な対象としています。FIDO2/パスキー、生体認証、プッシュ認証、ハードウェアトークンに加え、独自のリスク評価エンジンによる適応型認証を備えます。
料金はユーザー単価制で、クラウド向けのC1が1ユーザー月額3ドル、ハイブリッド対応のE2が7ドルなどのプランがあります(公式サイトのドル建て目安)。日本での販売価格はテクマトリックスなど国内代理店の見積もりによります。
12. SafeNet Trusted Access(タレスDISジャパン株式会社)

フランスのThalesグループが提供し、日本ではタレスDISジャパン株式会社が展開するクラウド型のアクセス管理サービス(IDaaS)です。SSO・多要素認証・条件付きアクセスポリシーを一つのプラットフォームに統合します。
SaaSだけでなく、VPN・仮想デスクトップ(VDI)・オンプレミスアプリへのアクセスも保護対象にできます。OTP・プッシュ通知・FIDO・パスワードレスに対応し、最上位のSTA Premiumでは証明書ベース認証(X.509)まで利用できます。
料金はSTA Basic・STA・STA Premiumの3段階のサブスクリプションで、公式はトークンやサポートを含む料金体系と説明していますが、具体額は個別見積もり(要問い合わせ)です。無料評価トライアルを用意しています。
13. Soliton OneGate(株式会社ソリトンシステムズ)

東証プライム上場の株式会社ソリトンシステムズが開発する国産IDaaSで、デジタル証明書(クライアント証明書)による多要素認証を主軸に、SSOとID管理を組み合わせています。
認証局(CA)機能を標準で搭載し、クライアント証明書の発行・配布から失効までを1製品で完結できる点が特徴です。FIDO2・スマートフォン認証・顔認証・ICカードに対応し、Wi-Fi・有線LAN(IEEE802.1X EAP-TLS)やVPNのネットワーク認証も統合管理できます。
料金は証明書認証中心のPKIが1ユーザー月額150円、ベーシックが300円、スタンダードが600円で、30日間の無料トライアルを利用できます。政府情報システムのセキュリティ評価制度ISMAPにも登録されています。
14. JumpCloud(JumpCloud, Inc.)

クラウドディレクトリを中核に、SSO・多要素認証・デバイス管理(MDM)・IT資産管理・パスワード管理を一つにまとめた「オープンディレクトリ・プラットフォーム」です。Active Directoryを不要にしつつ、クラウドとオンプレミスのユーザーIDを単一の管理画面から扱えます。
Windows・macOS・Linux・iOS・Androidをまたいで管理でき、既存のActive Directoryと双方向に同期することで、AD資産を保ったまま段階的にクラウドへ移行する運用にも対応します。
米国企業が提供し日本法人を持たないため、国内では株式会社アクトなどの代理店を通じた円建ての個別見積もりになります。30日間の無料トライアルを利用できます。
15. Keycloak(オープンソースソフトウェア)

Apache License 2.0で公開されているオープンソースのID・アクセス管理ソフトウェアです。特定の企業が販売するSaaSではなく、自社のサーバーやコンテナ環境に構築して運用するセルフホスト型である点が、他のクラウドサービスと大きく異なります。
OpenID Connect・OAuth 2.0・SAML 2.0に対応し、SSO・多要素認証・LDAP/Active Directoryとのユーザー連携を備えます。バージョン26.4以降はパスキー(FIDO2/WebAuthn)を正式にサポートしています。
ソフトウェア自体は無償ですが、サーバー構築・運用・脆弱性対応は利用企業が負担します。商用サポートはRed Hatのディストリビューションのほか、国内ではNRI(OpenStandiaブランド)が有償で提供しています。
16. Keyspider(株式会社アクシオ)

SWCCグループの株式会社アクシオが提供する国産のクラウドID管理サービスです(開発元のKeyspider株式会社は2026年5月にアクシオの完全子会社になりました)。IDのライフサイクル管理とアクセス権限の統合管理を担うIGA型の製品です。
人事システムを起点に、クラウドサービスとオンプレミスの社内システムの双方へユーザー・組織・権限データを同期します。SCIM・SQL・LDAPでの連携に加え、APIを持たないレガシーシステムには独自のRPAで同期する仕組みも用意し、兼務管理や発令日を見据えた事前設定など日本の人事制度に合わせた機能を備えます。
OktaやMicrosoft Entra IDといったIDaaSを補完・強化する位置づけで、ID棚卸し用のリスト作成や承認ワークフロー、監査ログも扱えます。料金は要問い合わせです。
17. IDaaSソリューション(Sky株式会社)

Sky株式会社が、SI(システムインテグレーション)事業の一環として提供するIDaaSの導入・運用支援サービスです。自社開発の単一製品ではなく、要件定義から構築、保守運用までをワンストップで請け負います。
導入前の「ID管理簡易アセスメントサービス」で運用課題やセキュリティリスクを可視化し、企業の環境に合わせてIDaaS製品を組み合わせて構築します。取り扱う製品にはOkta Workforce Identity、Auth0、トラスト・ログイン byGMOなどがあります。
自社にID管理の専任体制を組みにくい企業の受け皿となるサービスで、数万アカウント規模の大規模組織での運用実績を訴求しています。料金は案件ごとの個別見積もりです。
特権ID・管理者権限を統制するタイプ(特権アクセス管理・PAM)
管理者権限を厳格に統制する特権アクセス管理の各サービスを紹介します。
特権ID・管理者権限の統制が自社の中心的な課題であれば、国内の主要な特権ID管理システムにしぼって選び方や製品ごとの特徴を掘り下げた以下の記事もあわせてご覧ください。

【2026年最新】特権ID管理システムおすすめ7選比較!国内主要ツールの選び方と特徴解説
特権ID(管理者アカウント)をExcel等のアナログな手法で管理しており、不正利用や情報漏えいのリスクに不安を感じている方へ。 そのような課題を解決する手段として、特権ID管理システムが注目されています。 本記事では、特権ID管理システムの…
18. SecureCube Access Check(NRIセキュアテクノロジーズ株式会社)

サーバーやネットワーク機器、クラウドサービスの管理者権限を、中継サーバーを経由するゲートウェイ型で統制する特権ID管理ソリューションです。提供元はNRIセキュアテクノロジーズ株式会社で、管理対象の機器や利用者の端末に専用ソフト(エージェント)を入れずに導入できるのが構成上の特徴です。
特権IDのパスワードを一元管理し自動更新や一時発行を行う機能、利用申請から承認までのワークフロー、操作ログの暗号化保管、申請情報とログを突き合わせる監査補助を一製品で備えます。二要素認証やAIによる監査支援はオプションで追加でき、FISC安全対策基準・J-SOX・PCI DSSといったガイドラインへの対応をうたっています。
ITRの調査に基づき、特権ID管理市場の売上金額ベースで2014〜2024年度まで11年連続で最も高いシェアを獲得したと公表しており、大手金融機関や公共機関などで利用されています。オンプレミスからマネージドSaaSまで複数の提供形態があり、1か月間の無料トライアルを用意しています。料金は提供形態や管理対象の規模で変わるため、要お問い合わせです。
19. iDoperation(NTTテクノクロス株式会社)

NTTテクノクロス株式会社が自社開発する特権管理ソリューションのシリーズで、特権アクセス管理を担うPAM、エンドポイントの特権を最小化するEPM、操作を動画で記録するSCの3製品で構成されます。累計導入企業数は1,000社を超えると公表しています(時点の記載はありません)。
中核のiDoperation PAMは、特権ID・利用者・アクセス権を可視化して未使用IDや過剰権限を洗い出し、パスワードの保護と定期的な自動変更、ワークフロー承認による一時的な権限付与と期間終了後の自動剥奪、操作の動画記録までを扱います。SSOを介して共有IDを個人に紐付けつつ、利用者にパスワードを見せない運用ができます。
提供形態はクラウド版とオンプレミス版の両方があり、オンプレミス版は既存のワークフローやログ管理システムとの外部連携に対応します。クラウド版の料金は、年間プランを一括前払いした場合の月額基本料金が174,000円から(Editionにより293,800円まで)で、これに管理対象の数に応じた料金が加わります。税区分や初期費用などの詳細は要お問い合わせです。
20. Keeper(Keeper Security APAC株式会社)

ゼロ知識・ゼロトラストの暗号アーキテクチャを採用したクラウド型のID・パスワード管理プラットフォームです。米国のKeeper Security, Inc.が開発し、日本ではKeeper Security APAC株式会社が導入・サポートの窓口を担います。
法人向けは各従業員に暗号化されたボルトを提供しつつ、管理者がパスワード利用状況の可視化・権限管理・SSOやプロビジョニング連携を一元的に行えます。上位の統合プラットフォームKeeperPAMを使うと、特権アクセス管理やシークレット管理、リモート接続の管理まで同じ基盤で拡張できます。
SOC 2 Type II、ISO/IEC 27001/27017/27018、FIPS 140-3、FedRAMP HighなどをKeeper Security本体が取得しています。Keeper全体での導入企業数は93,000社以上と公表しています。法人向けは14日間の無料トライアル(クレジットカード不要)を用意し、料金はユーザー単位の年契約で具体額は見積もりによるため、要お問い合わせです。
21. ManageEngine PAM360(ゾーホージャパン株式会社)

ManageEngineブランドの特権アクセス管理(PAM)製品で、日本ではゾーホージャパン株式会社が販売とサポートを担います。特権アカウントの検出・保管から、リモートセッションの録画、特権昇格、SSHキーやSSL/TLS証明書の管理までを1つのコンソールで扱います。
料金の課金軸は承認者(管理者)数で、申請者数や管理対象のITリソース数は無制限です。公式の日本向け価格では、保守込みの年間ライセンスが5管理者で年間1,761,000円から、買い切りの永続ライセンスが5管理者で4,347,000円から(いずれも税別)と公開されています。
AIや機械学習で不審な操作を検知する特権ユーザー行動分析、ジャストインタイムの特権昇格と最小権限の割り当てにも対応します。提供形態はオンプレミスが中心で(クラウド版はベータ表記)、英語版サイトでは最大5管理者・30日間の無料トライアルが案内されています。
社外からの安全なアクセスを実現するタイプ(ゼロトラスト型リモートアクセス)
社外・委託先からのアクセスを安全に統制するゼロトラスト型リモートアクセスの各サービスを紹介します。
22. IIJ Safous 特権リモートアクセス(株式会社インターネットイニシアティブ)

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)が運営する、社外から社内システムへの接続をVPNの代替として提供するゼロトラスト型リモートアクセスです。公式ページでは「ゼロトラストベースの特権リモートアクセス管理サービス」と説明され、社内ネットワークへのインバウンド通信を遮断したうえで、許可したアプリケーションにのみ接続を限定します。
接続方式は、Webブラウザだけで使えるエージェントレス接続(HTTP/HTTPS・SSH・Telnet・RDP・VNC・SMBに対応)と、任意のTCP/UDPアプリケーションを扱うエージェント接続の両方に対応します。RDP・SSH・Telnet・VNCのセッションは動画で録画でき、操作ログや監査ログも取得できるため、外部委託先からのアクセスを追跡したい用途に向きます。
ライセンスは利用者数ベースで、接続先のアプリケーション数には依存しません。提供形態はSaaSで、日本を含む14地域のアクセスポイントから最寄りに接続する構成です。料金は個別見積もりのため要お問い合わせです。導入事例では、海外グループ会社経由の不正侵入を受けた東レ株式会社が、SSH/RDPでの社内サーバー接続をシステム管理者のみに絞った運用を公式ページで挙げています。
23. KeyGateway C1(かもめエンジニアリング株式会社)

かもめエンジニアリング株式会社が提供する、国内企業向けのゼロトラスト型リモートアクセスです。VPNの代替として、アクセスのたびに利用者の認証・認可を行い、認証済みの利用者にのみ一時的なアクセス経路を払い出します。認証後も利用者の場所や時間帯を確認し、条件に合わないアクセスを拒否する仕組みです。
特徴は、SAMLに対応していない社内システムも、システム側を改修せずにSSO化できる点です。利用者のパスワードを基盤側で保持して代理認証を行うため、利用者自身はパスワードを管理せずに済みます。利用時は原則として専用クライアントが不要で、ファイルサーバーへ接続する場合のみ端末に「アクセスゲート」を導入します。
Azure AD・Google Workspace・Okta・トラスト・ログイン byGMOなど、SAML/OpenID Connect/OAuthに対応する主要なIDaaSと連携を確認済みで、既存の認証基盤に後付けしやすい構成です。料金は利用者ID数に応じたサブスクリプション(サポート費用込み)で、初期設定費用が別途かかります。いずれも具体額は公開されておらず要問い合わせです。
アクセス管理の会社・サービスの選び方
まず自社の課題(ID・認証の一元化か、特権ID・管理者権限の統制か、社外からの安全なアクセスか)からタイプを定め、そのうえで候補を絞り込めます。タイプの見極めは前述の3タイプと診断ツールに任せ、ここからは依頼先を外さないための提供形態・機能・料金・サポートの4つの観点を解説します。
提供形態(オンプレミス/クラウド/SaaS)は自社環境に合うか
提供形態によって、運用にかかる手間・既存環境とのつなぎやすさ・データの置き場所が変わります。ここを外すと、導入後に運用負荷や接続の制約が表面化しやすくなります。
SaaS型は自社でサーバーを持たずに使え、機能のアップデートも提供元が自動で反映します。オンプレミス型は社内ネットワーク内で完結させやすく、カスタマイズの自由度も高い一方、構築・運用する人員が必要です。
多数のSaaSを利用する企業はクラウド・SaaS型のID管理が扱いやすく、閉域網での運用や機微なデータの保持が前提の企業はオンプレミス型が候補になります。社内にActive Directoryなどの既存ID基盤がある場合は、その連携に対応しているかを確認しておくと移行がスムーズです。
機能(MFA・SSO・アクセス制御・操作ログ・監査/内部統制)は課題に合うか
アクセス管理の機能は、自社の課題に直結するものだけを見極めることが重要です。多要素認証(MFA)はなりすまし対策、シングルサインオン(SSO)はログインの一元化、アクセス制御は権限の線引き、操作ログは監査証跡の確保という役割を担います。
確認したいのは、自社の課題に対応する機能が標準搭載かオプションか、そして監査で求められる証跡が実際に取得できるかの2点です。SaaSの認証統制が課題ならSSOと多要素認証の対応範囲を、特権IDの統制が課題なら操作録画や申請承認ワークフローを、社外アクセスの統制が課題ならアプリ単位のアクセス制御やセッション記録を重点的に確認するとよいでしょう。
内部統制報告制度(J-SOX)やISMSへの対応が必要な場合は、誰がいつ何をしたかを示すログと、申請・承認の記録が残せるかが分岐点になります。
なりすまし対策として多要素認証(MFA)の強化を最優先に考えている場合は、認証方式や料金をタイプ別に比較した以下の記事で、自社の認証基盤に合う製品を絞り込めます。
多要素認証(MFA)システムおすすめ17選を徹底比較|認証方式・料金・タイプ別の選び方
ID とパスワードだけのログインは、もはや「鍵をかけていない」のと同じ状態に近づいています。攻撃者は流出したパスワードのリストを使い回し、本物そっくりの偽サイトで認証情報を抜き取り、正規利用者になりすまして社内システムやクラウドサービスへ侵…
料金・課金形態は利用規模に見合うか
料金は金額の大小だけでなく、課金形態が自社の利用規模に見合うかで判断できます。ID数に応じたユーザー課金、機能ごとの課金、特権アクセス管理で見られる管理対象サーバー数や承認者数に応じた課金など、単位はサービスごとに異なります。
同じ単価でも、利用者数や管理対象の数が増えれば総額は大きく変わります。小規模ならID単価が明瞭なSaaS型、大規模なら利用量に応じた割引の有無が効いてきます。料金を公開せず個別見積もりとするサービスも多いため、その場合は自社の規模を前提に要お問い合わせで試算を取り、総額で比べるとぶれません。
各サービスの実際の料金をそろえて比べ、稟議に載せる金額根拠を作りたい場合は、主要なID管理システムの初期費用・月額・最小契約人数を公式料金ページ準拠でまとめた以下の記事が役立ちます。
サポート・導入支援体制は十分か
アクセス管理は全社の認証基盤になるため、初期設定・既存環境からの移行・SaaSやActive Directoryとの連携設定を、どこまで支援してもらえるかが運用の安定度を左右します。設計や移行でつまずくと、導入後の運用にそのまま響きます。
社内に専任の担当者を置きにくい場合は、導入支援や運用代行を行うSI(システムインテグレーション)まで手がける会社が候補になります。海外拠点や外国籍の社員がいる場合は、多言語対応やサポートの受付時間も確認したい観点です。サポートの範囲と費用は見積もりに含まれるかどうかで総額が変わるため、機能だけでなく体制面も合わせて比べることが重要です。
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まとめ
本記事では、アクセス管理のセキュリティ対策を提供する会社・サービスを3つのタイプに整理し、機能・提供形態・料金・サポートの観点から比較・解説しました。
選定で最も重要なのは、自社の課題に合うタイプを最初に定めることです。社員が使うSaaS・社内システムのID・認証を一元化したいならID管理・IDaaSタイプ、サーバーやデータベースの管理者権限を厳格に統制したいなら特権アクセス管理(PAM)タイプ、社外や委託先からのアクセスを監査に耐える形で安全にしたいならゼロトラスト型リモートアクセスのタイプが、それぞれ有力な選択肢となります。
タイプを定めたうえで、提供形態・機能・料金・サポートの4観点で候補を比べると、自社に合う依頼先を外さずに絞り込めます。
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よくある質問(FAQ)
Q. アクセス管理とは何ですか?
A. アクセス管理とは、誰がどのシステムやデータに、どこまでアクセスできるかを統制する一連の仕組みです。利用者アカウントの登録・変更・削除から、認証、権限の付与、利用状況の記録までを含みます。本人かどうかを確かめる「認証」、利用者に権限を割り当てる「認可」、操作を記録・追跡する「監査」の3つの機能で成り立ちます。
Q. アクセス管理のセキュリティ対策を提供する会社・サービスにはどんなタイプがありますか?
A. ID・認証を一元管理するタイプ(ID管理・IDaaS)、特権ID・管理者権限を統制するタイプ(特権アクセス管理・PAM)、社外からの安全なアクセスを実現するタイプ(ゼロトラスト型リモートアクセス)の大きく3つに分かれます。何を重点的に守りたいかによって選ぶタイプが変わるため、自社の課題がどれに近いかを見極めることが、会社・サービス選定の出発点になります。
Q. アクセス管理とアクセス制御は何が違いますか?
A. アクセス管理はアカウントの登録から認証・権限付与・記録までを含む仕組み全体を指し、アクセス制御はそのうち権限の線引きを行う一部分の機能を指します。アクセス制御は認証された利用者に「このファイルは閲覧のみ」「この管理画面は特定の担当者だけ」といった範囲を割り当てるもので、アクセス管理を構成する要素の一つという関係にあります。両者は同じ意味ではありません。
Q. アクセス管理では、ID管理(IDaaS)と特権アクセス管理(PAM)のどちらを導入すべきですか?
A. 全社員が使うSaaS・社内システムのIDとログインを一元化したいならID管理(IDaaS)、サーバーやデータベースなどの管理者権限を厳格に統制したいなら特権アクセス管理(PAM)が適します。両者は守る対象が異なり、どちらか一方しか選べないものではありません。一般利用者のID統制と特権IDの統制の双方に課題がある場合は、両方を組み合わせて導入する企業もあります。
Q. 中小企業でもアクセス管理のサービスは導入できますか?
A. 中小企業でも導入できます。基本機能を無料プランから始められるサービスや、ID1つあたり月額数百円から利用できるSaaS型のサービスがあり、サーバーを自社で用意しなくても小規模から始められます。利用規模が小さいうちはID単価が明瞭なSaaS型が総額を把握しやすく、事業の拡大に合わせてプランを変更できる製品を選ぶと、後からの移行の負担を抑えられます。
Q. アクセス管理のサービスの導入に、専用ソフト(エージェント)のインストールは必要ですか?
A. 必要かどうかはサービスによって異なり、管理対象の機器や端末にエージェントを入れずに導入できる方式と、端末へのインストールが前提の方式の両方があります。中継サーバーを経由するゲートウェイ型や、Webブラウザだけで接続できるエージェントレス方式なら、既存の環境に手を加えずに導入しやすくなります。
導入前に、自社のどの端末・サーバーに何をインストールする必要があるかを確認しておくと、展開にかかる手間を見積もれます。
Q. アクセス管理の導入は、内部統制(J-SOX)やISMSの監査対応に役立ちますか?
A. 役立ちます。いつ・誰が・何をしたかを示す操作ログと、権限付与やアクセスの申請・承認の記録を証跡として残せるため、監査で求められる統制の証明に使えます。特に特権IDの利用状況を可視化・記録する機能は、内部統制報告制度(J-SOX)やISMSで重視される点です。監査対応が目的の場合は、必要な証跡が標準機能で取得できるか、取得したログを保管・検索できるかを確認しておくとよいでしょう。
Q. ゼロトラスト型リモートアクセスは、従来のVPNと何が違いますか?
A. 社内ネットワークに入れた相手を信頼する従来のVPNと異なり、ゼロトラスト型リモートアクセスはアクセスのたびに利用者と端末を確認し、許可したアプリケーション単位でのみ接続を許します。接続経路を必要最小限に絞り、セッションを録画・記録して監査証跡を残せる製品もあるため、委託先や在宅勤務など社外からのアクセスを、監査に耐える形で安全に統制したい場合に向きます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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