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令和8年度の雇用保険料率一覧|3業種×労使内訳と適用時期

令和8年度の雇用保険料率一覧|3業種×労使内訳と適用時期のサムネイル画像

令和8年度(2026年度)の雇用保険料率は、令和7年度から労働者・事業主それぞれ0.5/1,000ずつ(合計1.0/1,000)引き下げられ、業種別の合計は一般13.5/農林水産・清酒製造15.5/建設16.5(各/1,000)となります。給与計算・年度更新の実務では、この3業種×労使別の料率と、実際に新料率へ切り替える給与のタイミングを、まとまった形で確認したい場面が多くあります。

本記事は厚生労働省リーフレット「令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内」(LL080312保01)と労働保険徴収法・当年度厚労省告示を根拠にしています。3業種×労使×合計の料率一覧、賃金締切日を基準とした新料率の適用ルール、給与額別の月額負担早見表、労働保険 年度更新(6/1〜7/10)への反映、料率引き下げの法令上の位置づけまでを一気通貫で整理します。

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令和8年度の雇用保険料率一覧(一般13.5・農林水産15.5・建設16.5/‰)

令和8年4月1日から令和9年3月31日までの雇用保険料率は、業種別に以下のとおり定められています。労働者負担は失業等給付・育児休業給付分のみ、事業主負担はこれに雇用保険二事業分を加えた率です。

事業の種類労働者負担(失業等給付・育休給付分)事業主負担(失業等給付・育休給付分)事業主負担(雇用保険二事業分)事業主負担 合計労使合計
一般の事業5/1,0005/1,0003.5/1,0008.5/1,00013.5/1,000
農林水産・清酒製造の事業6/1,0006/1,0003.5/1,0009.5/1,00015.5/1,000
建設の事業6/1,0006/1,0004.5/1,00010.5/1,00016.5/1,000
厚生労働省リーフレット「令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内」(管理番号 LL080312保01)に基づき編集部作成
出典・参考資料(1件)

「失業等給付」「育児休業給付」「雇用保険二事業」の意味

表の内訳に登場する3つの区分は、雇用保険料の使途に対応する構成要素です。失業等給付は失業した被保険者への基本手当などに、育児休業給付は育児休業中の被保険者への給付金に、雇用保険二事業(雇用安定事業・能力開発事業)は事業主による雇用の安定・能力開発の支援に充当されます。労働者・事業主双方が負担するのは失業等給付・育児休業給付分で、雇用保険二事業分は事業主のみが負担します。

雇用保険料の3構成要素と負担者の関係を示す図。失業等給付(労働者・事業主双方負担)、育児休業給付(労働者・事業主双方負担)、雇用保険二事業(事業主のみ負担)の3構成要素を横並びで示し、それぞれの充当先と労使の負担有無を明示している。

一般の事業率が適用される特定業種

農林水産の事業に分類されそうな業種でも、次に該当する事業は一般の事業の料率が適用されます。

  • 園芸サービス
  • 牛馬の育成
  • 酪農
  • 養鶏
  • 養豚
  • 内水面養殖
  • 特定の船員を雇用する事業

これは厚生労働省リーフレットの注記に明示されているもので、業種分類の見た目からは農林水産の事業に見えても、実務上は一般の事業(合計13.5/1,000)で計算します。

新料率はどの給与から適用される?(賃金締切日を基準に判断)

新料率は「4月1日以降に最初に到来する賃金締切日で締められた期間の給与」から適用します。判断の基準は賃金締切日であり、給与の支給日ではありません。「3月分の給与を4月に支給する」という運用は多く見られますが、支給が4月であっても、対応する賃金締切日が3月31日以前であれば旧料率を適用する扱いになります。

この扱いは厚生労働省リーフレット本文には具体的な締日別の例示がなく、社会保険労務士による給与計算実務の共通見解として運用されています。以下は同見解を明示的に示している一例です。

給与計算では「賃金締切日」を基準に適用料率を判断するのが原則です。(中略)賃金支払日を基準に料率を変更してしまうミスが起きやすいため、締日基準での判断しましょう。

出典:令和8年度の雇用保険料率はどうなった?保険料率・適用時期を解説|SmartHR Mag.(監修:小清水春香 社会保険労務士)

締日パターン別・新料率初適用の給与支給月

賃金締切日を基準に「4月1日以降で最初に到来する締日」を特定し、その締日で締められた期間の給与から新料率で計算します。主な締日パターンごとの初適用時期は次のとおりです。

締日パターン4月1日以降で最初の締日その締日に対応する給与の支給新料率初適用の給与
月末締・翌月払4月30日5月に支給5月支給分から
月末締・当月払4月30日4月30日に支給4月支給分から
15日締・当月払4月15日4月中に支給4月支給分から
20日締・当月末払4月20日4月末に支給4月支給分から
25日締・翌月払4月25日5月に支給5月支給分から

「3月分の給与を4月に払う場合」はどちらの料率か

「3月分の給与を4月に支給する」ケースは、次の3ステップで判定します。

令和8年度雇用保険料の新旧料率判定を賃金締切日から逆算する3ステップの縦フロー図。STEP1で労働の対象期間を確認、STEP2で対象期間の末日を賃金締切日として確定、STEP3で締切日が4月1日以降なら新料率、3月31日以前なら旧料率と判定する。
  1. 労働の対象期間を確認する:その給与が労働の対価としてカバーする期間を先に押さえる。3月分の給与=3月1日〜3月31日の労働に対する対価。
  2. 対象期間から賃金締切日を確定する:対象期間の末日がそのまま賃金締切日となる。3月分=賃金締切日は3月31日で必然的に確定する(支給日が4月であっても変わらない)。
  3. 締切日の日付で新旧を判定する:締切日が4月1日以降なら新料率、3月31日以前なら旧料率。3月31日は「4月1日以降」に該当しないので旧料率(令和7年度)を適用する。

新料率は次回の締日(4月30日など、4月1日以降で最初に迎える締日)で締められた給与から適用します。逆に「4月分の給与を4月末や5月に払う」場合は、対応する労働期間が4月中なので賃金締切日は4月中となり、その給与から新料率で計算します。判断で迷ったときは、まずその給与が何月の労働に対する対価かを確認し、次に締日を特定し、最後にその日付が4月1日以降かを判定する順に切り分けるとミスが減ります。

令和7年度からの変更点(失業等給付分が労使各0.5/1,000ずつ引き下げ)

令和7年度と令和8年度の料率を3業種で並べると、失業等給付・育児休業給付分が労働者負担・事業主負担ともに0.5/1,000ずつ引き下げられ、雇用保険二事業分は据え置きとなっています。合計としては全業種で1.0/1,000の引き下げです。

事業の種類令和7年度 合計令和8年度 合計引き下げ幅内訳(労働者/事業主 それぞれの失業等給付・育休給付分)
一般の事業14.5/1,00013.5/1,000-1.0/1,000労5.5→5、事5.5→5(各-0.5)/二事業は3.5据え置き
農林水産・清酒製造の事業16.5/1,00015.5/1,000-1.0/1,000労6.5→6、事6.5→6(各-0.5)/二事業は3.5据え置き
建設の事業17.5/1,00016.5/1,000-1.0/1,000労6.5→6、事6.5→6(各-0.5)/二事業は4.5据え置き
厚生労働省リーフレット「令和7(2025)年度 雇用保険料率のご案内」(LL070207保01)および「令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内」(LL080312保01)に基づき編集部作成
出典・参考資料(2件)

令和7年度分の逐語根拠は、以下のリーフレット原文で確認できます。

令和7(2025)年4月1日から令和8(2026)年3月31日までの雇用保険料率は以下のとおりです。
・失業等給付等の保険料率は、労働者負担・事業主負担ともに5.5/1,000に変更になります(農林水産・清酒製造の事業及び建設の事業は6.5/1,000に変更になります。)。
・雇用保険二事業の保険料率(事業主のみ負担)は、引き続き3.5/1,000です(建設の事業は4.5/1,000です。)。

出典:令和7(2025)年度 雇用保険料率のご案内|厚生労働省(PDF、LL070207保01)

給与額別の月額負担早見表(月給20万・30万・40万・50万・60万×3業種)

雇用保険料は「賃金総額 × 料率」で計算します。月給に近い額の労働者負担・事業主負担・合計をすぐ引けるよう、業種別・月給5段階の早見表を用意しました。金額は円未満切り捨てとし、月給欄は基本給・各種手当・時間外手当を含む賃金総額を指します(賃金総額の考え方は下記H3を参照)。

一般の事業(合計13.5/1,000)

月給(賃金総額)労働者負担(5/1,000)事業主負担(8.5/1,000)合計(13.5/1,000)
200,000円1,000円1,700円2,700円
300,000円1,500円2,550円4,050円
400,000円2,000円3,400円5,400円
500,000円2,500円4,250円6,750円
600,000円3,000円5,100円8,100円

農林水産・清酒製造の事業(合計15.5/1,000)

月給(賃金総額)労働者負担(6/1,000)事業主負担(9.5/1,000)合計(15.5/1,000)
200,000円1,200円1,900円3,100円
300,000円1,800円2,850円4,650円
400,000円2,400円3,800円6,200円
500,000円3,000円4,750円7,750円
600,000円3,600円5,700円9,300円

建設の事業(合計16.5/1,000)

月給(賃金総額)労働者負担(6/1,000)事業主負担(10.5/1,000)合計(16.5/1,000)
200,000円1,200円2,100円3,300円
300,000円1,800円3,150円4,950円
400,000円2,400円4,200円6,600円
500,000円3,000円5,250円8,250円
600,000円3,600円6,300円9,900円

「賃金総額」に含まれるもの・含まれないもの

雇用保険料の算定基礎となる賃金総額は、労働保険徴収法の定義に従います。労働の対償として支払われるものは、名称を問わず賃金に含めるのが原則です。

この法律において「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うものをいう。

出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第2条第2項|e-Gov法令検索

この定義に基づいて実務上取り扱われている典型例は、次のとおりです。個別の手当類の該否には行政通達・実務案内が関わるため、判断に迷う項目は所轄の労働基準監督署または社会保険労務士に確認するのが安全です。

区分典型例
賃金総額に含まれる(対象)基本給/時間外・休日・深夜勤務手当/通勤手当/住宅手当・家族手当などの各種手当/賞与/諸手当のうち労働の対償として支払われるもの
賃金総額に含まれない(対象外)役員報酬(労働者性が認められないもの)/退職金/慶弔見舞金・災害見舞金/出張旅費・実費弁償など労働の対償にあたらない給付

労働保険 年度更新(6/1〜7/10)への新料率の反映

労働保険の年度更新は、前年度の労働保険料の確定と当年度の概算保険料の申告・納付を同時に行う手続きで、令和8年度の年度更新期間は令和8年6月1日から7月10日までです。当年度の概算保険料の計算には、令和8年度の新料率を使用します。

出典・参考資料(1件)

年度更新で使う料率と、概算保険料試算のやり直し

令和8年度の概算保険料は、当年度に使用するすべての労働者に係る賃金総額の見込額に令和8年度の一般保険料率(労災保険率+雇用保険率)を乗じて算定します。これは労働保険徴収法第15条第1項が定めるもので、申告期日も同条により「保険年度の6月1日から40日以内」=令和8年6月1日〜7月10日となります。

令和7年度中に令和8年度の概算保険料を手元で試算していた場合、雇用保険率が引き下げられたことにより試算額と実際の申告額が食い違う可能性があります。年度更新の作業時には、令和8年度の新料率で概算保険料をもう一度計算し直す運用にすると安全です。

概算保険料の延納(分割納付)と口座振替

概算保険料は要件を満たせば延納(分割納付)が可能です。延納の根拠は労働保険徴収法第18条にあり、具体的な要件は同法施行規則第27条で次のように定められています。

有期事業以外の事業であつて法第十五条第一項の規定により納付すべき概算保険料の額が四十万円(労災保険に係る保険関係又は雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業については、二十万円)以上のもの(中略)についての事業主は、同項の申告書を提出する際に法第十八条に規定する延納の申請をした場合には、その概算保険料を、四月一日から七月三十一日まで、八月一日から十一月三十日まで及び十二月一日から翌年三月三十一日までの各期(中略)に分けて納付することができる。

出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則 第27条|e-Gov法令検索

要件は、概算保険料が40万円以上であること(労災保険または雇用保険のいずれかのみが成立している事業では20万円以上)または労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託していることです。

要件を満たしたうえで申告書に延納の申請を添えて提出すると、3期に分けて納付できます。年度更新期間中に口座振替を利用する場合、通常の納期限より後ろ倒しになる扱いがあるため、キャッシュフローの調整もあわせて検討できます(具体的な振替日は所轄労働基準監督署からの年度更新案内を参照してください)。

引き下げの背景と法令上の位置づけ

令和8年度の雇用保険料率引き下げは、雇用保険財政の弾力倍率が基準を超えたことを踏まえた措置です。労働政策審議会(職業安定分科会・雇用保険部会)での議論を経て、労働保険徴収法第12条第5項および第8項の弾力条項に基づく厚生労働大臣告示によって決定されました。

雇用保険料率の構成と弾力条項(労働保険徴収法第12条)

雇用保険率は労働保険徴収法(以下、徴収法)第12条第4項によって、失業等給付費等充当徴収保険率・育児休業給付費充当徴収保険率・二事業費充当徴収保険率の3構成要素を合計した率と定められています。それぞれに本則の率があり、雇用保険財政の状況に応じて厚生労働大臣が労働政策審議会の意見を聴いて変更できる弾力条項(第5項・第8項・第10項)が設けられています。

4 雇用保険率は、次の各号に掲げる率の区分に応じ、当該各号に定める率を合計して得た率とする。
一 失業等給付費等充当徴収保険率(中略) 千分の八(次に掲げる事業(中略)については、千分の十とし、次項の規定により変更されたときは、その変更された率とする。)(中略)
二 育児休業給付費充当徴収保険率(中略) 千分の五(第八項の規定により変更されたときは、その変更された率とする。)
三 二事業費充当徴収保険率(中略) 千分の三・五(第一号ハに掲げる事業については、千分の四・五とし、第十項又は第十一項の規定により変更されたときは、その変更された率とする。)
5 厚生労働大臣は、毎会計年度において、(中略)必要があると認めるときは、労働政策審議会の意見を聴いて、一年以内の期間を定め、失業等給付費等充当徴収保険率を千分の四から千分の十二まで(前項第一号に規定する事業については、千分の六から千分の十四まで)の範囲内において変更することができる。

出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第12条|e-Gov法令検索

引き下げに至った経緯(雇用保険部会の議論)

令和8年度料率の方向性は、令和7年12月19日開催の職業安定分科会雇用保険部会(第208回)で示されました。同部会資料では、令和6年度決算を踏まえた弾力倍率が基準を超えたことから、失業等給付分の料率を本則から引き下げることが可能な状態にある旨と、令和8年度の設定案が説明されています。

【失業等給付の雇用保険料率】
・ 令和6年度決算を踏まえた弾力倍率は2を超えており、令和8年度の失業等給付の保険料率は、本則の0.8%から0.4%まで引き下げが可能な状態となっている。
・ 保険料率の設定に当たっては、足下の受給者実人員の増加等も踏まえつつ、安定的な財政運営と保険料負担軽減の両立を図ることが重要であり、こうした点から、令和8年度以降の財政運営試算の結果を踏まえ、令和8年度の失業等給付の保険料率は、0.6%(本則(0.8%)から0.2%、令和7年度(0.7%)から0.1%の引き下げ)としてはどうか。
【育児休業給付の雇用保険料率】
・ 令和6年度決算を踏まえた弾力倍率は1.2を超えており、令和8年度の保険料率は、本則(0.5%)の規定にかかわらず、現在の0.4%とすることが可能となっている。
・ 令和8年度以降の財政運営試算の結果を踏まえ、令和8年度の育児休業給付の保険料率は、現行の0.4%に据え置くこととしてはどうか。

出典:令和8年度雇用保険料率関係告示案 関連資料(職業安定分科会雇用保険部会 第208回 資料、令和7年12月19日)|厚生労働省(PDF)

令和8年1月30日開催の雇用保険部会(第209回)では、告示案の概要と根拠条項・適用期日が示されました。告示案は徴収法第12条第5項を根拠として、令和8年度の失業等給付費等充当徴収保険率を本則8/1,000から2/1,000引き下げ、6/1,000(農林水産業・建設業・清酒製造業は8/1,000)に変更する内容です。

部会資料時点では告示日を令和8年3月中旬(予定)、適用期日を令和8年4月1日としていました。

2.告示案の概要
令和6年度の失業等給付額等を踏まえた変更として、令和8年度の失業等給付費等充当徴収保険率を法第12条第4項第1号に定める率(8/1000)から 2/1000 引き下げ、6/1000(中略)とする。
3.根拠条項
法第12条第5項
4.適用期日等
告 示 日:令和8年3月中旬(予定)
適用期日:令和8年4月1日

出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律第十二条第五項の規定に基づき失業等給付費等充当徴収保険率を変更する件案概要(雇用保険部会 第209回 資料1-2、令和8年1月30日)|厚生労働省(PDF)

告示は予定通り令和8年3月12日に官報で公布されました。失業等給付費等充当徴収保険率の変更は厚生労働省告示第84号として、育児休業給付費充当徴収保険率の変更は令和8年3月12日公布の厚生労働省告示(労働保険徴収法第12条第8項に基づく育児休業給付費充当徴収保険率の変更告示)としてそれぞれ発出され、いずれも令和8年4月1日から適用されています。

雇用保険二事業分(3.5/1,000、建設事業は4.5/1,000)は、令和6年度決算を踏まえた弾力倍率が基準を超えなかったため据え置きとなっています。この結果、令和8年度の合計料率は一般事業13.5/1,000・農林水産・清酒製造15.5/1,000・建設16.5/1,000となり、厚生労働省リーフレットに示された数値と一致しています。

料率変更の反映を自動化する給与計算ソフト

雇用保険料率は毎年見直される可能性があり、料率が変わるたびに給与計算ソフトの料率マスタを手動で更新すると、切替漏れ・入力ミス・複数拠点での不整合といったリスクが発生します。特に月次で給与計算を回している事業者では、4月支給分の締切と料率変更のタイミングが重なりやすく、賃金締切日を基準とした切替判定を手作業で管理するのは負担が大きい業務です。

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クラウド型の給与計算ソフトの中には、社会保険料率・雇用保険料率などの法令改正時に、事業者側でマスタ設定を触らなくても新料率が自動的に適用される仕組みを備えたものがあります。ここでは、その代表的なサービスの機能を横並びで確認したうえで、サービスの詳細を紹介します。

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(プラン・従業員規模別)
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※ 各サービスの詳細は公式サイトをご確認ください。料金・機能は変更される可能性があります。

また、以下の記事では給与計算ソフト全体について、機能・料金・タイプ別の選び方などを詳細に解説しています。導入を検討される方は、ぜひこちらもご覧ください。

弥生給与 Next の詳細(弥生株式会社)

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まとめ

令和8年度(2026年度)の雇用保険料率は、一般の事業13.5/1,000・農林水産・清酒製造の事業15.5/1,000・建設の事業16.5/1,000です。令和7年度から労使ともに0.5/1,000ずつ、合計1.0/1,000の引き下げとなりました。適用期間は令和8年4月1日〜令和9年3月31日で、実際の切替は「4月1日以降に最初に到来する賃金締切日で締められた給与」から行います。

年度更新(6/1〜7/10)の概算保険料も新料率で算定し直す運用が安全です。概算保険料が40万円以上(労災または雇用保険のいずれかのみが成立している事業では20万円以上)の場合は、延納(3期分納)を選択できます。根拠は労働保険徴収法第18条・同法施行規則第27条です。

料率変更のたびの手動更新が負担になっている場合は、法令改正に自動対応するクラウド型の給与計算ソフトを検討することで、切替漏れやマスタ更新工数を減らせます。

原文は下記リンクから確認できます。社内資料化や関与先へのお知らせ文面作成の際にご活用ください。

出典・参考資料(9件)

よくある質問(FAQ)

Q. 雇用保険料率とは何ですか?

雇用保険料率は、賃金総額に乗じて雇用保険料を算出するための料率で、失業等給付・育児休業給付・雇用保険二事業の3つの財源に充てられます。労働者負担分(失業等給付・育児休業給付分のみ)と事業主負担分(労働者と同じ分+雇用保険二事業分)に分かれ、業種(一般/農林水産・清酒製造/建設)によって適用される率が異なります。

Q. 令和8年度の新料率は、いつの給与から適用されますか?

令和8年度の新料率は、4月1日以降に最初に到来する賃金締切日で締められた期間の給与から適用します。基準は支給日ではなく賃金締切日で、月末締翌月払の会社では4月30日締の給与(5月支給分)から、月末締当月払や15日締当月払の会社では4月支給分から新料率で計算します。

Q. 育児休業給付分の料率は、労働者・事業主それぞれいくらですか?

令和8年度の雇用保険料率のうち、育児休業給付に充てる部分は労働者負担・事業主負担それぞれ2/1,000で、労使折半です。労働者負担分の内訳は、失業等給付分3/1,000+育児休業給付分2/1,000=合計5/1,000(一般の事業)となります。

リーフレットや令和8年3月12日公布の厚生労働省告示(労働保険徴収法第12条第8項に基づく育児休業給付費充当徴収保険率の変更告示)ではこの育休給付分の料率が独立の徴収保険率(育児休業給付費充当徴収保険率)として定められており、事業主が単独で負担する雇用保険二事業分(3.5/1,000、建設は4.5/1,000)とは別枠です。

Q. パート・アルバイトも同じ雇用保険料率ですか?

雇用保険の被保険者に該当するパート・アルバイトには、正社員と同じ業種別の料率が適用されます。料率は雇用形態ではなく事業の種類(一般/農林水産・清酒製造/建設)で決まるためです。

ただし、雇用保険に加入するかどうかは別の判定になり、原則として「1週間の所定労働時間が20時間以上」かつ「31日以上引き続き雇用される見込み」であることが被保険者の要件です。要件を満たさない短時間勤務のパート・アルバイトは雇用保険料の控除対象外となります。

Q. 建設と農林水産・清酒製造で雇用保険料率が高いのはなぜですか?

建設・農林水産・清酒製造の事業は、季節や工期による離職が起こりやすく、失業等給付・育児休業給付の労使負担分が一般の事業より1/1,000ずつ高く設定されています。加えて建設の事業は、雇用保険二事業(雇用の安定・能力開発)で事業主が負担する率も一般より1/1,000高い4.5/1,000となります(労働保険徴収法第12条第4項第1号)。

この結果、労使合計では一般13.5/農林水産・清酒製造15.5/建設16.5(各/1,000)と業種で差が生まれています。

Q. 雇用保険料の対象となる賃金・対象にならない賃金は何ですか?

雇用保険料の対象は、労働の対償として支払われるすべての賃金(基本給・時間外手当・通勤手当・住宅手当・家族手当・賞与など)です。労働の対償にあたらない給付(役員報酬・退職金・慶弔見舞金・出張旅費など)は対象外となります。労働保険徴収法第2条第2項が「名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの」と定めているため、手当類は名称ではなく支給の実質で該否を判断します。

Q. 労働者本人が負担する雇用保険料は、どう計算しますか?

労働者本人の負担額は、その月の賃金総額に労働者負担分の料率を乗じた金額(円未満切り捨て)で、給与から控除されます。一般の事業なら「賃金総額×5/1,000」で計算し、月給30万円なら1,500円、月給40万円なら2,000円が控除されます。農林水産・清酒製造の事業と建設の事業では労働者負担分が6/1,000となり、月給30万円で1,800円、月給40万円で2,400円です。

Q. 労働保険の年度更新は、いつまでに行う必要がありますか?

令和8年度の労働保険 年度更新は、令和8年6月1日から7月10日までの期間内に、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を申告・納付します。当年度の概算保険料は令和8年度の新料率で算定します。金額が40万円以上(労災または雇用保険のいずれかのみが成立している事業では20万円以上)または労働保険事務組合に委託している場合は、3期に分けた延納も選択できます。

Q. 雇用保険料率と社会保険料率は何が違いますか?

雇用保険料率と社会保険料率は、根拠法・見直しの頻度・労使の負担割合がそれぞれ異なる別制度の料率です。雇用保険料率は労働保険徴収法に基づき厚生労働大臣告示で毎年度見直され、労働者より事業主の負担率のほうが大きく設定されます。

これに対し、健康保険・厚生年金保険などの社会保険料率は各制度の法律・規約に基づき労使折半が原則で、見直しの頻度も制度ごとに異なります。給与計算では別制度として、それぞれの料率マスタを分けて管理します。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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