国内のEC市場が伸び続ける一方で、海外の消費者に自社の商品を届けたいと考える事業者が増えています。日本製品への需要は海外にも広がっており、越境ECはその需要に応える現実的な手段です。まだ届いていない市場に、自社の商品を売り出す機会があります。
とはいえ、いざ始めようとすると「何から手をつけて、どの順番で進めればいいのか」でつまずきがちです。出店方法だけでも海外モール・自社サイト・転送や代行などいくつもあり、関税・決済・物流といった国内ECにはない実務も待ち構えています。
この記事では、越境ECを始めるまでの手順を7つのステップで整理し、出店方法の選び方・費用・決済・物流までを順番に解説します。読み終えたときに「まず何をやり、次に何を決めればよいか」が具体的に描けている状態を目指します。手順を掴んだ先で構築や決済をまとめて任せたい場合の選択肢もあわせて紹介します。
目次
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越境ECとは?国内ECとの違い
越境ECは国内ECと似ていますが、言語・通貨・決済・国際配送・関税など、新たに対応することが増えます。この違いを押さえると、後半の手順や注意点が理解しやすくなります。
越境ECと国内ECの違い
越境ECとは、インターネットを通じて海外の消費者に商品を販売する取引を指します。国内ECが日本国内の顧客を対象にするのに対し、越境ECは国境を越えて海外の顧客へ売る点が根本的な違いです。
この違いから、国内ECにはない対応が必要になります。具体的には、現地の言語や通貨への対応、海外の消費者が使う決済手段の用意、国際配送と通関の手配、そして関税や各国の輸出入ルールへの対応です。これらをどう準備するかが、越境ECを始めるうえでの実務の中心になります。
市場規模と成長性
越境ECの市場は拡大が続いています。経済産業省の調査によると、2024年の日本国内のBtoC-EC市場規模は26.1兆円(前年24.8兆円、前年比5.1%増)に拡大しました。越境ECについては、日本・米国・中国の3か国間でいずれも増加し、中国の消費者が日本の事業者から購入した額は2兆6,372億円(前年比8.5%増)となっています。
この数字は「中国の消費者が日本の事業者から買った額」であり、日本の事業者にとっては海外に開かれた販売機会の大きさを示すものです。国内市場が成熟するなかで、海外需要を取り込む手段として越境ECを選ぶ事業者が増えています。
出典・参考資料(1件)
- 出典:令和6年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省(リンク)
越境ECの始め方【7ステップ】の全体像
ここからは、越境ECを始めるまでの流れを7つのステップで解説します。まず全体像を一覧で掴み、そのうえで各ステップで何を決め、何を用意するのかを順番に確認していきましょう。

- 販売する国・ターゲットを決める:どの国の、どんな顧客に売るかを最初に決めます。
- 売る商品を選び、輸出できるか確認する:需要のある商材を選び、その国へ輸出できる品目かを確かめます。
- 関税・輸出入のルールを確認する:関税の扱いや輸出規制、必要な手続きを事前に把握します。
- 出店方法を決める:海外モール・自社サイト・代行などから、自社に合う売り場を選びます。
- 決済手段を用意する:進出先の国で使われている決済手段に対応できるようにします。
- 物流・配送を用意する:配送手段と通関の段取りを決め、届けられる状態を整えます。
- 販売を開始し、改善を続ける:公開後は売上や顧客の反応を見ながら、商品やページを改善します。
最初のSTEP1(販売する国)は、自社商品に需要がありそうな市場から絞るのが基本です。既存の海外顧客や問い合わせがある国、日本製品の人気が高い国(中国・米国・東南アジアなど)、言語や物流のコストが抑えやすい国が候補になります。いきなり多くの国を狙わず、1か国に絞って始めると準備が軽くなります。
STEP2の商材は、その国で需要があり、かつ輸出できる品目かを確認します。軽くて単価が高い商品は送料の負担が小さく、越境ECと相性が良いとされます。食品・化粧品・中古品などは国ごとに輸出入の規制が異なるため、扱う前に規制を確かめておきましょう。
この最初の3ステップ(国・商材・ルールの確認)は、後戻りのコストが大きい土台の部分です。ここを丁寧に固めておくと、出店方法を選んだ後の準備がスムーズに進みます。以降のセクションで、出店方法・費用・決済・物流をそれぞれ具体的に見ていきます。
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越境ECの出店方法5種の比較(どれを選ぶか)
越境ECの売り場(出店方法)は、大きく5種類に分けられます。まず全体を比較表で見比べ、そのうえで各方法の向き不向きを確認しましょう。初期費用や手数料の水準はサービス・モールによって幅があるため、ここでは相対的な傾向を示します。
| 出店方法 | 海外ECモール(Amazon・eBay・Shopee等) | 国内の海外対応モール・越境対応カート | 自社サイト構築(Shopify等) | 転送・代行サービスの利用 | 現地法人を設立して出店 |
|---|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 低い | 低〜中 | 中(月額3,650円〜) | 低い | 高い |
| 手数料 | 販売手数料5〜15%程度 | サービスにより異なる | 決済手数料が中心(3%台)・販売手数料なし | サービス利用料・手数料が発生 | 自社運営のため手数料は抑えやすい |
| 集客力 | 高い(モールの集客を活用) | 中 | 低い(自力で集客が必要) | 低〜中 | 中〜高 |
| 難易度 | 低い | 低い | 中〜高 | 低い | 高い |
| 向いている人 | まず手軽に海外の集客を試したい事業者 | 日本語の管理画面で無理なく始めたい事業者 | ブランドの世界観を作り込みたい事業者 | 物流や購入代行を任せて負担を抑えたい事業者 | 特定国へ本格的に投資して展開する事業者 |
※各項目の水準は一般的な傾向を示すもので、具体的な費用・手数料はサービスにより異なります。
海外ECモール(Amazon・eBay・Shopee等)
進出先の国で使われている海外のECモールに出店する方法です。モールがもともと持つ集客力を活用できるため、公開してすぐに海外の顧客の目に触れやすいのが利点です。出店手続きも比較的わかりやすく、難易度が低いため、初めての越境ECの入口になりやすい方法です。
一方で、販売ごとにモールへ手数料を支払う仕組みが一般的で、価格設定の際に手数料分を織り込む必要があります。まず海外での売れ行きを小さく試したい事業者に向いています。
国内の海外対応モール・越境対応カート
日本国内のECカートやモールのうち、海外販売に対応した機能を備えたものを使う方法です。管理画面が日本語で、既存の国内EC運営の延長で始めやすい点が魅力です。多言語表示や海外配送の設定などを、なじみのある環境で進められます。
すでに国内でECを運営していて、その延長で海外にも売り先を広げたい事業者に適した方法です。
自社サイト構築(Shopify等)
Shopifyなどのプラットフォームを使い、自社のECサイトを構築して海外へ販売する方法です。デザインやブランドの世界観を自由に作り込め、顧客との関係やデータを自社で持てるのが強みです。販売手数料が発生しない分、決済手数料が費用の中心になります。
ただし、モールのような集客力は初めからは備わっていないため、広告やSNSなどで自力の集客が必要になります。ブランドを軸に中長期で育てたい事業者に向いています。
転送・代行サービスの利用
海外の顧客からの注文や配送を、転送・購入代行サービスに任せる方法です。自社サイトに海外対応の仕組みを組み込むだけで、複雑な国際配送や現地対応の一部を外部に委ねられます。物流や海外対応の負担を抑えて始めたい場合の選択肢になります。
現地法人を設立して出店
進出先の国に法人を設立し、現地の事業者として本格的に展開する方法です。現地の商習慣や物流に深く対応でき、規模を大きくしやすい一方、設立や運営のコスト・手間は最も大きくなります。特定の国に腰を据えて投資する段階の事業者向けで、越境ECを始める最初の一歩としては選ばれにくい方法です。
Amazonなどの海外モールやShopifyなどの自社ECカートといった具体的な出店先を、費用・海外販売機能・対応地域で比べて絞り込みたい場合は、以下の記事で主要な出店先プラットフォームをモール型・自社EC型のタイプ別に比較しています。
越境ECにかかる費用・手数料の目安
越境ECの費用は、大きく「初期費用・月額費用」「販売手数料」「決済手数料」の3つに分けて考えると見通しが立てやすくなります。出店方法によってどの費用が重くなるかが変わります。
- 初期費用・月額費用:自社サイト構築や現地法人の設立では大きくなり、海外モール出店や決済サービスの導入では抑えやすい傾向があります。決済サービスのなかには初期・月額ともに0円で、費用が決済手数料のみというものもあります。
- 販売手数料:海外モールでは売上に応じた販売手数料(商品カテゴリにより概ね5〜15%程度)が発生します。自社サイトでは販売手数料はかからず、その分は集客コストが必要になります。
- 決済手数料:どの出店方法でも発生します。決済手段によって料率が異なり、たとえばクレジットカード決済は数%程度が目安です。
具体的な金額はサービスやモールによって幅があります。たとえば海外モールのAmazon(大口出品)では、月額登録料4,900円(税抜)に加え、商品カテゴリに応じた販売手数料が5〜15%程度かかります(メディア商品は15.4%。2026年9月時点)。
自社サイトを作るShopifyでは、月額プランが3,650円から(年払いの場合)で、これに決済手数料(Basicプランでカード決済3.55%、上位プランほど低下)が加わりますが、販売手数料はかかりません(2026年9月時点)。決済手数料はどの出店方法でも発生し、クレジットカード決済で概ね3%台が目安です。候補を絞ったら、各社の公式料金表で最新の条件を確認しましょう。
越境ECの決済|国別の主流決済と多通貨対応
海外の顧客に買ってもらうには、その国で使われている決済手段に対応することが欠かせません。日本で当たり前のクレジットカードやコンビニ決済が、進出先では主流でないこともあるためです。
国によって主流の決済手段は異なります。米国ではクレジットカードが中心で、PayPalなどのデジタルウォレットも広く使われています。中国では、アリババ傘下のAlipay(アリペイ)や、Tencentが提供するWeChat(微信)内のWeChat Payといったスマホ決済が中核です(いずれも日本貿易振興機構〈JETRO〉調べ)。
韓国・東南アジア・欧州にも、それぞれの地域で広く使われる電子ウォレットや現地の銀行決済があります。進出先の主流決済に対応できていないと、カゴ落ち(購入手前での離脱)につながります。
複数の国に売る場合は、これらの決済手段や現地通貨にまとめて対応できる決済サービスを導入すると、個別に契約する手間を減らせます。現地通貨で価格を表示できると、為替換算の不安による購入前の離脱も防ぎやすくなります。国内外の多数の決済手段と複数の通貨に一括で対応できるサービスもあります。
越境ECの物流・関税・通関の段取り
商品を海外の顧客に届けるには、配送手段の選択に加えて、関税や通関の段取りを押さえておく必要があります。ここでは「どう送るか」「関税は誰が負担するか」「通関書類は誰が用意するか」の3点を確認します。
配送手段の使い分け
国際配送の主な手段には、日本郵便のEMS(国際スピード郵便)、DHLやFedExなどの国際クーリエ(宅配便)、進出先に在庫を置く海外倉庫、転送・代行サービスの利用があります。少量から始めるなら郵便やクーリエ、注文量が増えて配送のスピードやコストを重視する段階になれば海外倉庫、というように、販売規模に応じて使い分けるのが基本です。
関税は誰が負担するか
輸入時にかかる関税を、売り手(出品者)と買い手(購入者)のどちらが負担するかは、取引条件によって決まります。国際的な取引条件の共通ルールである「インコタームズ」では、売り手が輸入関税まで負担する条件(DDP)と、買い手が輸入通関・関税を負担する条件(DAPなど)が定義されています。
DDP Delivered Duty Paid (insert named place of destination) 関税込持込渡し (指定仕向地を挿入)
出典:インコタームズ2020|日本貿易振興機構(JETRO)
DAP Delivered at Place (insert named place of destination) 仕向地持込渡し (指定仕向地を挿入)
越境ECでは、特に指定しなければ購入者が到着時に関税を負担するのが一般的です。売り手側が関税まで含めて負担する場合はDDPを選びます。以前は関税抜きの条件として「DDU」という呼称が使われていましたが、これは2010年の改訂で廃止され、現在はDAPに置き換わっています。実務では今も俗称として使われることがあるため、条件を取り交わす際は現行のDDP・DAPで確認すると誤解を防げます。
出典・参考資料(1件)
- 出典:インコタームズ2020|日本貿易振興機構(JETRO)(リンク)
通関書類(HSコード・インボイスは誰が作るか)
輸出の通関では、仕入書(インボイス)などの書類が必要です。書類を用意するのは差出人である出品者側で、税関も、自分で輸出申告を行う場合は仕入書などをあらかじめ用意しておくよう案内しています。
通関業者等に通関手続を委任する場合には、税関への申告の際に必要となる書類を通関業者等に確認したうえで、これらの書類を通関業者等に提出してください。なお、ご自身で通関手続(輸出申告)を行う際には、仕入書等の書類を税関に提出する必要がありますので、あらかじめ用意しておいてください。
出典:個人輸出通関手続|税関
書類を作る責任は出品者にありますが、通関手続そのものは通関業者に委任でき、国際宅配便を使う場合は通関業者が手続きを代行します。また、輸出する商品には「HSコード」と呼ばれる品目分類番号を特定する必要があります。これは国際条約に基づいて定められたコード番号で、自社の商材がどの分類にあたるかは、税関の輸出統計品目表で確認できます。
出典・参考資料(3件)
始める前に知っておきたい注意点(つまずき回避)
越境ECには、国内ECにはないつまずきどころがあります。始める前に次の点を確認しておくと、出店後のトラブルを避けやすくなります。
輸出禁止・規制品を確認する
商品によっては、輸出に許可や承認が必要だったり、輸出そのものが禁止されていたりします。古美術品・種子・銃砲類などが例です。関税の申告が不要な少額の郵送でも、こうした関税関係法令以外の規制は別途確認が必要です。扱う商材が規制対象でないか、送る前に必ず確かめておきましょう。
各国の法律・規制の違いに対応する
販売先の国によって、表示のルールや税制、必要な手続きは異なります。たとえばEU向けの販売では、付加価値税(VAT)に関する扱いに注意が必要です。進出先を決めたら、その国の規制を個別に確認することが欠かせません。
為替変動リスクを見込む
海外の通貨で売上を受け取る場合、為替の変動によって日本円での手取りが増減します。利益率を見積もるときは、為替が動く前提で少し余裕をもたせておくと安心です。急激な変動に備えて、価格を見直すタイミングもあらかじめ決めておきましょう。
言語・返品・カスタマー対応を準備する
商品ページや問い合わせ対応には、現地の言語への対応が必要です。返品やクレームへの対応も、国内と同じようにはいきません。自社ですべてを抱えるのが難しい場合は、多言語対応や現地カスタマーサポートを代行するサービスを活用する方法もあります。
個人・小規模で越境ECを始めるには(最小構成)
越境ECは、法人でなくても、個人や個人事業主が小さく始められます。大きな初期投資をかけなくても、最小構成で最初の一歩を踏み出せます。
最小構成で始めるなら、初期費用を抑えられる海外モールへの出店や、初期・月額が0円の決済サービスを組み合わせるのが現実的です。配送も、少量なら郵便やクーリエで対応できます。少額の郵送であれば、税関への輸出申告も不要です。税関は、価格が20万円以下の郵便物について次のように案内しています。
(1)価格が20万円以下の場合(税関への輸出申告は不要です。)
出典:個人輸出通関手続|税関
日本郵便株式会社配達郵便局……の窓口に備えている「税関票符」(グリーンラベル)又は「税関告知書」に必要事項を記入して郵便物に添付し、配達郵便局に郵便物を差し出して下さい。
このように、少額の郵送ならグリーンラベルの記入だけで送れます。まずは1商品・1か国から小さく試し、売れ行きを見ながら出店方法や物流を広げていくと、無理なく越境ECを軌道に乗せられます。ただし、申告が不要な場合でも、前述の輸出規制品にあたらないかの確認は必要です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:個人輸出通関手続|税関(リンク)
越境ECの構築・運営をまとめて任せられる支援サービス
ここまで見てきたように、越境ECには構築・決済・物流・多言語対応など、国内ECにはない準備が重なります。これらを自社だけで抱えるのが難しい場合は、必要な部分を支援サービスに任せる選択肢があります。ここでは、支援領域の異なる3サービス(自社サイト構築・中国越境ECの一括支援・決済)を、始め方の段階に沿って紹介します。
| サービス名 | Magento / Adobe Commerce構築支援 | WeChatミニプログラム For中国越境EC | KOMOJU(コモジュ) |
|---|---|---|---|
| 支援領域 | 自社ECサイトの構築・運用支援 | 中国越境ECの一括支援 | オンライン決済(決済代行) |
| 主な対応範囲 | Magento(Adobe Commerce)での 新規構築・リニューアル・保守 多言語・多通貨対応 | 店舗構築・WeChat Pay決済・ 越境物流/通関・現地CS代行を ワンストップ(15日間トライアルあり) | 国内外65種類以上の決済手段・ 20通貨に1つのAPIで対応 ノーコード導入(Shopify・WooCommerce等) |
| 対応市場 | 多言語・多通貨対応 (米国・欧州・ASEAN等) | 中国 | 世界(中国・韓国・東南アジア・ 欧州・米国 ほか) |
| 費用 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 初期・月額0円 決済手数料のみ(カード3.25%) |
| こんな事業者向け | 自社ブランドサイトを 作り込んで越境展開したい | 中国市場に絞って まとめて任せて始めたい | まず決済から 海外対応を整えたい |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る |
また、以下の記事では、越境ECの構築から運営代行、特定市場への特化まで、支援サービス15社を対応地域・支援範囲・料金モデルで幅広く比較しています。どこに何をいくらで任せられるかを見比べて検討したい方は、あわせてご覧ください。
1. Magento / Adobe Commerce 構築・リニューアル支援(株式会社マルウェブ)

自社サイトで越境ECを構築したい事業者向けの支援サービスです。株式会社マルウェブが、Magento(Adobe Commerce)を用いたECサイトの新規構築・リニューアルを、要件定義から設計・開発・保守運用まで一貫して手がけます。多言語・多通貨対応による海外展開に対応し、BtoBの受発注や承認フロー、取引先別価格設定といった複雑な商流のカスタマイズにも対応します。
同社はAdobe Experience Cloudのソリューションパートナー(ブロンズ)として認定されています。自社の世界観を作り込んだ越境ECサイトを、専門会社に任せて立ち上げたい場合の選択肢です。費用は構築内容によって変わるため、要問い合わせとなっています。
2. WeChatミニプログラムFor中国越境EC(株式会社マルウェブ)

中国市場に絞って越境ECを始めたい事業者に向いたサービスです。中国で広く使われるWeChat(微信)内で動く「ミニプログラム」形式の店舗を、株式会社マルウェブがWeimob(微盟)との代理店契約に基づいて提供します。消費者は別アプリをインストールせずに、WeChat内でそのまま買い物ができます。
店舗の構築や管理画面に加え、WeChat Payによる決済、越境物流や通関への対応、現地カスタマーサポートの代行までをまとめて任せられるのが特徴です。売上はWeChat Pay経由で日本円に換算され、国内の銀行口座へ振り込まれるため、為替や国際送金の手間を抱え込まずに済みます。
本契約の前に15日間のトライアルで管理画面や商品登録を試せます。中国越境ECの立ち上げを、決済・物流まで含めて一括で進めたい事業者に適しています。
3. KOMOJU(コモジュ)(株式会社KOMOJU)

越境ECの決済をまとめて用意できる決済プラットフォームです。株式会社KOMOJUが提供するKOMOJU(コモジュ)は、国内外65種類以上の決済手段と20種の通貨に、1つの統合APIで対応できます。中国のAlipay・WeChat Payをはじめ、韓国・東南アジア・欧州などの現地決済手段をまとめて導入できるため、複数の国に売る場合でも決済まわりを一本化できます。
初期費用・月額費用は0円で、かかるのは決済手段ごとの手数料のみというシンプルな料金体系です。ShopifyやWooCommerceなどの主要プラットフォームにノーコードで導入できるため、始め方の負担が小さいのも利点です。まずは決済から海外対応を整えたい事業者に向いています。
まとめ
越境ECは、「販売する国と商材を決める→輸出ルールを確認する→出店方法・決済・物流を用意する→販売して改善する」という手順で進めれば、初めてでも道筋を描けます。まずは出店方法を1つ選び、小さく試すところから始めるのが現実的です。
構築・決済・物流・多言語対応などを自社だけで抱えるのが難しい場合は、それぞれの段階を支援サービスに任せる選択肢もあります。自社に合うサービスを比べて、無理のない形で海外への一歩を進めてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 越境ECとは何ですか?
A. 越境ECとは、インターネットを通じて海外の消費者に自社の商品を販売する取引のことです。国内ECが日本国内の顧客を対象にするのに対し、越境ECは国境を越えて海外の顧客に売る点が根本的な違いになります。現地の言語・通貨や決済手段への対応、国際配送と通関の手配、関税や各国の輸出入ルールへの対応など、国内ECにはない準備が新たに必要です。
Q. 越境ECの出店方法にはどんな種類があり、どれを選べばよいですか?
A. 越境ECの出店方法は、海外ECモール・国内の海外対応モール(越境対応カート)・自社サイト構築・転送/代行サービス・現地法人設立の5種類に大きく分かれます。初期費用・手数料・集客力・難易度と自社の目的を照らして選ぶのが基本で、初めてなら初期費用と難易度が低い海外モールや決済サービスから小さく試す方法が現実的です。
Q. 越境ECの費用・手数料はどのくらいかかりますか?
A. 越境ECの費用は、「初期費用・月額費用」「販売手数料」「決済手数料」の3つに分けて考えると見通しが立てやすくなります。自社サイト構築や現地法人設立では初期費用が大きくなり、海外モール出店や決済サービスの導入では抑えやすい傾向があります。決済サービスには初期・月額が0円で、費用が決済手段ごとの手数料(カード決済で数%程度が目安)のみのものもあります。
Q. 越境ECでかかる関税は、売り手と買い手のどちらが負担しますか?
A. 越境ECの関税を売り手と買い手のどちらが負担するかは、取引条件によって決まり、特に指定しなければ購入者が到着時に負担するのが一般的です。国際ルールの「インコタームズ」では、売り手が輸入関税まで負担する「DDP」と、買い手が負担する「DAP」などが定義されています。売り手が負担したい場合はDDPを選び、取引前に条件を明示するとトラブルを防げます。
出典・参考資料(1件)
- 出典:インコタームズ2020|日本貿易振興機構(JETRO)(リンク)
Q. 越境ECで少額の商品を海外へ郵送する場合、税関への輸出申告は必要ですか?
A. 越境ECで海外へ郵送する商品は、価格が20万円以下であれば税関への輸出申告は不要で、「税関票符」(グリーンラベル)または税関告知書に必要事項を記入して差し出すだけで送れます(税関の案内による)。価格が20万円を超える郵便物には、税関への輸出申告が必要になります。ただし、申告が不要な場合でも、輸出に許可・承認が必要な品目や輸出禁止品にあたらないかは別途確認が必要です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:個人輸出通関手続|税関(リンク)
Q. 越境ECの通関に必要な書類(インボイス・HSコード)は誰が用意しますか?
A. 越境ECの通関に必要な仕入書(インボイス)などの書類は、差出人である出品者側が用意します。自分で輸出申告する場合は税関に、通関業者へ委任する場合は業者に提出します(国際宅配便では業者が手続きを代行)。あわせて商品の品目分類番号「HSコード」を特定する必要があり、分類は税関の輸出統計品目表で確認できます。
Q. 越境ECは個人や個人事業主でも始められますか?
A. 越境ECは、法人でなくても個人や個人事業主が最小構成で始められます。初期費用を抑えられる海外モールへの出店や、初期・月額が0円の決済サービスを組み合わせ、配送は少量なら郵便やクーリエで対応すれば、大きな初期投資をかけずに最初の一歩を踏み出せます。まずは1商品・1か国から小さく試し、売れ行きを見ながら出店方法や物流を広げていくのが現実的です。
Q. 越境ECの国際配送は、どの方法を選べばよいですか?
A. 越境ECの国際配送は、配送量と段階に応じて、郵便・クーリエ・海外倉庫を使い分けるのが基本です。少量から始めるうちは日本郵便のEMSや国際クーリエ(DHL・FedExなど)が手軽で、注文が増えて配送スピードやコストを重視する段階になれば、現地に在庫を置く海外倉庫や物流代行が選択肢になります。まずは郵便・クーリエで小さく始め、規模に応じて切り替えると無理がありません。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















