インタビュイー:
補助金コネクト株式会社 代表取締役 岩井 氏
補助金コネクトとはどのようなサービスですか?
補助金コネクトは、中小企業や個人事業主が、自社に合う補助金を探し、活用するまでを支援するサービスです。全国の補助金情報を検索できるほか、無料のAI補助金診断では、所在地や事業内容、導入したい設備などの情報を入力することで、活用できる可能性のある補助金を調べられます。さらに、申請に専門家の支援が必要な方には、制度選びから事業計画の検討、採択後の対応まで、状況に応じたサポートを提供しています。
補助金コネクトを立ち上げた背景を教えてください
最初のきっかけはコロナ禍でした。当時、事業者様向けの補助金や助成金の制度が数多く公募されましたが、状況がかなり混乱していて、自社で使えるものが探せないという声を多く耳にしました。そこで、検索して探せる仕組みがあれば便利なのではないかと考えて立ち上げたのが始まりです。
当初はサービス名も今とは違い、ボランティアのサイトのような形でしたが、SNSなどで著名な方に取り上げていただいたこともあり、認知が広がって多くの方にご利用いただきました。そうした中で、「明日の生活に困っている」という趣旨のメールをいただいたことがありました。補助金を調べるだけでは、事業や生活の実態に十分なインパクトを与えられません。資金が入るところまで、財務を立て直すところまで支援しきらなければならないと考え、中小企業診断士の方々とも協力して、現在のサービスの形になりました。
他社と比べた際の強みはどこにありますか?
大きく2つあると考えています。1つ目はテクノロジーです。この分野のサービスは、会計士や税理士など支援者の立場の方が経営されていることが多いと思いますが、私自身は元々ITエンジニアで、業界のDXに力を入れているところが少し変わっています。その一つが「AI補助金診断」という機能で、必要な情報を入力すると、自分で探さなくてもAIがおすすめの制度を教えてくれます。約3年前の早い段階から取り組んでおり、バージョンアップを重ねて精度も上がってきました。
2つ目は、専門家による支援体制です。補助金の申請は制度ごとに求められる知識が異なるため、専門家の経験や得意分野が重要になります。当社では、幅広い専門家のネットワークから、事業者様の業種や投資内容、相談内容に合った担当者をアサインしています。また、最初の面談から採択後の対応まで、同じ担当者が一貫して対応します。長い期間伴走させていただくためには事業者様とコンサルタントの信頼関係が重要ですし、当初の認識と実際の支援内容が異なるというトラブルを防ぐことにもなります。
「買いたいもの」から補助金を探す設計には、どのような狙いがありますか?
補助金を調べるとき、一般的なポータルサイトは「東京都の補助金」「国の補助金」といった分け方になっています。ただ、事業者様にとっては、国の制度か自治体の制度かはあまり関係がなく、もらえるものなら使いたいというのが本音です。私たちが営業の中で気づいたのは、事業を伸ばしていける事業者様は「何を買うか」すなわち具体的な投資内容が決まっているということでした。何を買うのか、いくらぐらいか、時期はいつか。その解像度が高ければ高いほど、使える補助金は絞り込まれますし、具体的なプランが立てられます。
そこで、買いたいものや投資の予定を教えていただければ、使える補助金が分かるというUIにしています。自治体の公式ページなどは、補助金の目的や対象事業者、対象経費といった提供者側の論理で書かれていて、そこに自社を合わせなければなりません。それを事業者様の目線に寄せることで、これまで専門的な資料を読むのが苦にならない方に偏りがちだった補助金を、幅広く認知していただけるようにしたいと考えています。
ご相談が多い内容や、最近の傾向を教えてください
相談の7割から8割は、「自社に合う使える補助金を教えてほしい」というものです。そのほか、ある程度ご自身で調べたうえで申請の手伝いを求めてコンサルタントを探している方もいらっしゃいます。また、採択された後のフォローのご相談も少なくありません。入金された後も、計画どおりに事業が進んでいるかを毎年報告しなければならない補助金があります。事業を取りやめることになった場合の手続きをどう進めればよいかといったご相談も、前のコンサルタントの対応が中途半端だったということをきっかけに寄せられます。
最近はAI導入の文脈が増えています。AIを導入したい事業者様のご相談が増えているほか、AIやSaaSのサービスを提供している企業様から、エンドのお客様に補助金を使って導入してもらいたいというご相談も多くなっています。
自力で申請して不採択だった方が、支援を依頼する際の決め手は何ですか?
補助金によっては、不採択の理由を開示してもらい、それをふまえて再申請できるケースもあります。ご自身で再申請ができるとしても、次は実績のある会社にしっかり任せたいという理由で依頼される方がいらっしゃいます。ただ、それ以上に多いのは、実際に自分でやってみて大変すぎると気づくケースかもしれません。「これは素人が手をつけていい領域ではない」という言葉はよく耳にします。
調べて申請の準備を始めたものの、これは自分でできるのだろうかと感じて途中でやめる方もいらっしゃいます。公募要領に書かれてない作業が発生することもあり、事前に見えている以上の負荷があるのだと思います。
補助金の採択によって、どのような効果が生まれていますか?
補助金採択により財務的な改善が実現できることは言うまでもありませんが、事業者様の中には副次的な効果を感じていらっしゃる方が大勢います。
1つは、金融機関との相談が進めやすくなることです。新しい店舗を出したいが、返済中のため追加の融資が難しいといった場面でも、補助金に採択されると事業計画が公的に認められた形になり、金融機関が融資に前向きになるという話をよく耳にします。資金に余裕があっても、融資を受けられるのであれば受けておいたほうがよいという考え方もあります。
もう1つは、社員が育つことです。補助金に採択されると実際に事業を進めることになりますが、新規事業のためのワーキンググループや会議体を作って行かれることになります。すると、これまで目立たなかった方が自発的に事業を仕切り始めるなど、組織内で新しい気づきが生まれます。社内の雰囲気が良くなり、採用や新人教育にも良い影響が出たという事例があります。
事業計画書の作成では、どのような点が採択に影響しますか?
重要なのは、補助金の審査基準を踏まえながら、事業の必要性や実現可能性を具体的に示すことです。単に設備やシステムを購入するというだけでなく、それによって事業がどう変わり、売上や生産性の向上につながるのかを、数値も交えて説明する必要があります。
コンサルティングの観点では、設備の導入だけを切り取るのではなく、従業員の研修や業務プロセスの見直しなども含め、事業全体を一貫したストーリーとして描くことを重視しています。もちろん、実態のない計画を作るのではなく、事業者様が本当に実現したいことを具体化することが大切です。
また、申請準備を始めるタイミングも重要です。締め切り直前では十分に計画を練る時間が取れませんが、早い段階からご相談いただければ、事業構想や社内の合意形成も含めて、より深く支援できます。
どのような企業が補助金に向いていますか?
補助金の活用に向いているかどうかは、業種だけでなく、投資内容や事業計画が制度の目的に合っているかで変わります。特に製造業や建設業など、大きな設備投資を計画している企業では、補助金を活用するメリットが大きくなることがあります。一方、飲食業やサービス業でも、店舗改装や新規事業、デジタル化など、投資内容に応じて活用できる補助金があります。
少額の投資でも補助金を活用できますか?
数百万円規模の投資で使える補助金はありますし、広告費や店舗の改装費などを対象にできるものもあります。ただ、手続きの手間はある程度共通しているため、金額が大きいほどコストパフォーマンスは良くなります。たとえば50万円の補助金のために何時間も費やしたり、1年間作業を続けたりするのは、あまり割に合いません。そのため、比較的大きな投資をされる場合のほうが向いています。細かい経費だけなら申請しないという判断もありますので、必要に応じてご相談の段階で状況に合わせてご案内しています。
事業者様がつまずきやすいポイントと、サポートの内容を教えてください
つまずきやすいのは、対象事業者と対象経費の判定です。たとえばグループ会社をお持ちの場合、別の会社が同じ補助金に申請していたことに気づかず、準備を進めたのに申請できなかったという例があります。代表者が同じ別会社で申請していたというケースもあります。経費についても、検証する相手が明記されているか、社員でなければならないかなど、見落としがちな要件があります。
また、採択された後の手続きにも注意が必要です。採択はあくまで補助金交付の候補に選ばれた段階で、その後、見積書などを提出して交付申請を行い、補助対象経費の審査を受けます。さらに、事業を実施した後の実績報告を経て、最終的な補助金額が確定するのが一般的です。この過程で見積書や証拠書類が制度の要件に合っていないと、補助対象経費が減額されたり、認められなかったりすることがあります。通常のビジネス慣習とは大きく異なる場合もあり、ここにもテクニックがあります。行政手続きに近い細かなルールが多いため、私たちが最初から最後まで伴走して支援しています。
料金体系はどのようになっていますか?
基本は着手金と成功報酬の組み合わせです。成功報酬は採択されたことを条件にお支払いいただくため、不採択の場合は着手金のみとなります。具体的な金額は、補助金制度ごとの難易度や大変さによって、補助金ごとに設定しています。
一般的には、大きな補助金のほうが難易度が高く、採択後のメリットも大きいため、金額は高めになる傾向があります。ただ、投資額が数億円や10億円を超えるケースでは、同じ率にするわけにはいきません。M&Aなどで使われるレーマン方式のように、金額が大きくなるほど成功報酬の割合が下がる仕組みや、最低金額や最大金額の設定を取り入れています。コンサルタントの具体的な稼働と、採択の難易度をふまえて算出しています。
今後の展望について教えてください
当社に直接お問い合わせいただき、サイトをご覧になってご支援するという流れは、概ね確立できてきました。一方で、補助金そのものの認知度はまだ高くないと感じています。補助金とは何かを知らない方や、先にお金がもらえると思っている方もいらっしゃいます。そこで、補助金を活用して商品やサービスを広げたいパートナー企業様とのアライアンスを増やし、財務を改善する選択肢の一つとして、補助金が当たり前に認知される状態をつくっていきたいと考えています。
補助金の認知が広がり、これまで制度を知らなかった企業も活用を検討できるようになれば、新たな設備投資や事業への挑戦が生まれます。補助金を一部の詳しい人だけが活用する制度ではなく、あらゆる中小企業にとって身近な経営の選択肢にしていきたいと考えています。
補助金を検討している企業へのメッセージをお願いします
補助金は、採択されること自体がゴールではありません。大切なのは、補助金を活用して事業を成長させることです。そのためには、自社の投資計画に合う制度を選び、要件を確認し、採択後の手続きまで見据えて取り組むことが重要です。ご自身で進められる部分もありますが、申請の負担が大きい場合や、専門的な判断が必要な場合には、専門家の力を借りることも有効です。まずは、どのような補助金を使える可能性があるのか、弊社の無料のAI補助金診断で確認してみてください。入力から結果が出るまで、たったの3分です。
まとめ・編集部コメント
補助金コネクトは、補助金や助成金の検索サービスとして始まり、現在は中小企業診断士などのコンサルタントと連携して、申請から入金後の手続きまでを支援するサービスです。「買いたいもの」から使える制度を探せる事業者目線のUIや、AI補助金診断といったテクノロジーにより、補助金を調べる負担を軽くしている点が特徴です。
強みとして語られたのは、事業者様に合うコンサルタントをつなぐマッチングの仕組みと、最初の面談から入金まで同じ担当者が一貫して関わる体制です。採択後の交付申請や、毎年の報告といった行政手続きまで伴走してもらえる点は、補助金の経験が少ない企業にとって心強いポイントです。料金は着手金と成功報酬の組み合わせで、補助金ごとに設定されています。
製造業や建設業など、設備投資を予定している中小企業のほか、AIやSaaSの導入に補助金を活用したい企業にとっても、有力な選択肢となるサービスです。自社でどの制度が使えるか分からない段階でも相談できますので、まずは話を聞いてみることをおすすめします。