インタビュイー:
株式会社APOSTRO サービス企画室 室長 T.O 氏
Clinic POSとはどのようなサービスですか?
Clinic POSは、クリニックの受付・会計業務を効率化するために開発したセミセルフレジ(コンビニエンスストア等で広く採用されている方式と同じく、スタッフが金額を確定し、患者様自身が機械で現金・キャッシュレス決済を行う方式)です。電子カルテ・レセコンと連携して会計情報を自動で取得することで、スタッフは金銭の受け渡し作業から解放され、受付スタッフの負担軽減や、会計待ち時間の短縮を実現しています。
当社では、Clinic POSを単なる「金銭授受を機械化する機器」とは捉えていません。受付から会計までの業務フロー全体を見直し、クリニック運営をよりスムーズにしていくためのシステムとして位置づけています。現金とキャッシュレス決済の両方に対応していることはもちろん、限られたスペースや少人数運営にも配慮した、クリニック特化型の設計を特徴としています。
Clinic POS開発の背景を教えてください
Clinic POSの開発は、2013年頃に病院から「会計業務を効率化したい」というご相談をいただいたことがきっかけでした。当時はまだ、医療機関における会計機器の導入自体が珍しく、まずは病院向け製品の開発からスタートしています。
その中で、「将来的にはクリニックでも会計効率化の需要が必ず高まる」という考えを持っていました。一方で、フル自動の精算機までは予算的に難しいというクリニック様や、「金銭の受け渡しだけスタッフから切り離せれば十分」というご要望も多くいただきました。当時は現在ほど1円・5円硬貨への対応ニーズも高くなかったこともあり、スタッフが金額を入力し、患者様が支払いを行うセミセルフレジ方式として、Clinic POSを展開していきました。
現在では、後期高齢者医療制度の変更やキャッシュレス化の広がりもあり、クリニックでも柔軟な会計対応へのニーズが年々高まっていると感じています。
競合他社と比較した際の強みはどこにありますか?
当社の最大の強みは、「クリニック運用に最適化されていること」と、「セミセルフ方式ならではの導入しやすさと拡張性」の2点にあると考えています。
多くの会計機器は病院向け設計をベースにしているため、サイズ・機能・価格がオーバースペックになりやすい傾向があります。一方、Clinic POSは、クリニック特有の「限られた人員・スペース・運営体制」を前提に設計しています。特に、フル自動精算機ほどの投資はできないが、金銭の授受だけは機械側に任せたい、というクリニック様のニーズに合わせた構成になっています。
また、私たちは単に「金銭授受を機械化する機器」を提供しているわけではありません。受付から会計までの流れ全体をどう効率化するか、という視点でご提案している点が大きな特徴です。Clinic POSは、レセコンとの連携によって会計金額がそのまま反映されますので、スタッフは金額の打ち直しや現金の受け渡しから解放され、患者対応に集中できる運用が可能です。さらに、各種予約システムとの連携実績も豊富で、現在では「予約 → 受付 → 会計」までの流れを、1つの導線として構築できるようになっています。
そのため、単なる「会計レジ」ではなく、院内の受付業務全体を支える会計支援端末として活用いただくケースも増えています。レセコン・電子カルテとの連携だけでなく、キャッシュレス運用や受付フローまで含め、実際の現場運用に踏み込んで支援している点も特徴ですね。今後は、後払い決済や処方箋送信などの連携もさらに強化していく予定で、「会計専用機」ではなく「多用途会計端末」として活用領域を広げていきたいと考えています。
病院向け製品「Robo Clerk」とはどのような違いがありますか?
当社では、クリニック向けのClinic POSと、病院向け製品であるRobo Clerkを展開していまして、最も大きな違いは「想定している運用規模と設計思想、そして会計の自動化レベル」にあります。
Clinic POSは、受付スタッフ2〜3名程度で運営しているクリニックを想定しており、直感的に操作できるUI、コンパクト設計、少人数でも無理なく回る運用を重視しています。クリニックでは、限られたスペース・人員の中で「いかに現場負担を減らせるか」が重要になりますので、「フル自動化」よりも「金銭授受の機械化で十分」というニーズに応える形で設計しています。
一方、Robo Clerkは、主に200床未満の中小病院をターゲットにしています。病院向け自動精算機市場では、大規模病院向けのフルスペック製品も多く存在しますが、「価格が高く導入ハードルが高い」「機能が多すぎて使い切れない」というお声も少なくありません。そのため当社では、「会計業務は自動化したい」「受付〜会計までの流れを効率化したい」「ただしオーバースペックな構成までは求めていない」という中小病院のニーズに合わせ、必要な機能を現実的な価格で導入できることを重視しています。病院では、単純に「会計機だけ」を求められるケースは少なく、受付・診察案内・会計案内・自動精算まで含めた一連の患者導線全体をシステム化したいというニーズが非常に多いです。そうした病院様に対して、「必要十分な機能」と「価格のバランス」を両立した、中小病院にちょうど良いシステムをご提供できる点が特徴だと考えています。
導入のご相談で多い理由は何ですか?
もっとも多いのは、「受付スタッフの負担軽減」と「待ち時間対策」、そして「フル自動精算機までは要らないが、金銭の受け渡しだけはスタッフから切り離したい」というご相談です。特に最近は、人材採用の難しさや、ベテランスタッフへの業務依存、会計待ちによる患者満足度の低下、締め作業や現金管理負担の大きさなどに関するご相談が増えています。
また、「今は何とか回っているが、この先スタッフが辞めた時に運用が回らなくなるのではないか」という不安から、予防的な導入を検討されるクリニック様も増えています。以前は「人が足りなくなったから導入する」というケースが中心でしたが、最近は将来的な運営リスクへの備えとして導入を検討されるケースが増えている印象があります。
最終的にClinic POSが選ばれる決め手は何ですか?
最終的には、「自院の運用に本当に合うか」が決め手になるケースが多いです。価格だけで比較すると差が分かりにくい部分もありますが、「導線に無理がないか」「スタッフが使いこなせるか」「高齢患者でも支払い操作がしやすいか」「レセコン連携が現実的か」「キャッシュレス運用まで見据えられているか」といった、実際に現場で無理なく運用できるかという視点で評価いただくことが多いですね。
また、「現場目線で話してくれる」「導入後の運用イメージが具体的」といった点を理由に選定いただくケースも多くあります。特に最近は、導入実績が増えてきたこともあり、「これだけ多くの医療機関で使われているなら安心できそう」「実績があるなら運用面も含めて相談しやすそう」と感じていただけるケースも増えてきました。会計機器は単純な価格比較だけでは判断しづらい製品ですので、実際に多くの現場で運用されている実績も、選定理由の一つになっていると感じています。
導入効果について、具体的な事例を教えてください
会計待ちが集中しやすかったクリニック様では、受付〜会計の滞留が大きく改善し、「患者さんから『会計が早くなった』と言われるようになった」というお声をいただいています。
また最近は、待ち時間改善だけでなく、「残業削減効果」を強く実感いただくケースが増えている印象があります。Clinic POSは、釣銭機との連動構成になっていますので、締め作業のスピードが大きく改善される現場が多くあります。従来は、スタッフ様が手作業で現金確認や金額集計を行っていましたが、導入後は現金の受け渡しと金銭管理を機械側に任せ、売上金を一括払い出ししたうえで、最終的にレセコンとの金額照合を行うだけで締め作業が完了する運用に変わります。その結果、締め作業時間の短縮や現金過不足確認の負担軽減につながり、「月間でトータル20時間程度の残業削減につながった」というお声をいただくケースもあります。
会計対応の属人化軽減やピーク時間帯の混雑緩和など、日々の運営負荷そのものが下がったとご評価いただくことも多くあります。単に「金銭授受を機械化する」だけではなく、クリニック全体の業務負担を減らせる点を評価いただくケースが増えていると感じています。
導入後どれくらいで効果を実感されるクリニックが多いですか?
比較的早い段階で効果を実感いただくケースが多く、早ければ導入初週〜1か月程度で変化を感じるクリニック様もあります。
新しいシステム導入で一番不安なのは、「今まで慣れていたやり方が変わること」だと思います。ただ、Clinic POSの導入は、実際には「お金の受け渡し」という作業を機械側に任せる形になるため、スタッフ側の業務フローが大きく変わるわけではありません。そのため、早いクリニック様では導入から3日ほどで、「思ったより楽になった」「もう前の運用には戻れない」というお声をいただくこともあります。
実際には「新しいシステムを導入する」というより、「今まで人がやっていた金銭の受け渡し作業を機械に置き換える」感覚に近いため、比較的スムーズに現場へ馴染んでいくケースが多い印象です。
どのようなクリニックに向いていますか?
特に向いているのは、フル自動精算機までは予算的に難しいが、金銭の受け渡しだけはスタッフから切り離したいクリニック、会計待ちが発生しやすいクリニック、スタッフ採用に課題を感じているクリニック、今後の省人化を見据えているクリニックです。受付業務がベテランスタッフに依存しているケースや、キャッシュレス化を進めたいという理由からご相談いただくことも多くあります。
成功しやすいパターンとしては、単純に「機械を置く」のではなく、予約・受付・会計まで含めた流れを一緒に見直したクリニック様です。たとえば、予約システムとの連携や呼び出し方法の見直しなどを組み合わせることで、受付スタッフの負担軽減だけでなく、患者様の待ち時間体感まで改善されるケースが多くあります。「とりあえず会計レジだけ置く」という考え方よりも、「クリニック全体をどう楽に回していくか」という視点で導入された医院様ほど、効果を実感いただきやすい印象です。
また、比較的コンパクトなクリニック様ほど、「スペース的に難しいと思っていたけど置けた」「想像以上に運用が変わった」と評価いただくケースも多く、限られたスペースでも導入しやすい点はClinic POSの特徴の一つだと思っています。
導入後の継続サポートで喜ばれているポイントを教えてください
一番喜ばれているのは、「導入して終わりではない」という部分だと思います。会計機器は、単に機械を設置すれば完了するものではなく、実際にはクリニックごとに運用フローや患者層が異なります。そのため、稼働後に「ここを少し変えた方がもっと使いやすくなる」といった調整が発生するケースも多くあります。
当社では、そうした現場ごとのご相談まで含めて継続的にサポートしている点をご評価いただくことが多いです。たとえば、スタッフ様からの操作相談やキャッシュレス運用の調整、レセコン・電子カルテ連携の確認、予約システムとの組み合わせなど、実際の現場に合わせたサポートを行っています。
特に医療機関様からは、「単なるコールセンター対応ではなく、実際のクリニック運用を理解した上で相談できる」という点を安心材料として挙げていただくことが多いです。会計機器は毎日使うものですから、「困った時にすぐ相談できる」という安心感は非常に重要だと感じています。
見積時にはどのような点をヒアリングして構成を提案されますか?
お見積もりの段階では、単純な来院数だけではなく、「どういう形で受付〜会計を回していきたいか」を重視して構成をご提案しています。
もちろん、1日の患者数やピーク時間帯の混雑状況、スタッフ人数、現金・キャッシュレス比率、設置スペースといった基本的な指標も確認しますが、それ以上に重要なのは、「クリニックとしてどんな運営を目指したいか」という部分です。「会計待ちを減らしたい」「締め作業負担を減らしたい」「受付スタッフの負担を減らしたい」「金銭の受け渡しから解放されたい」「将来的に後払い決済や予約連携まで見据えたい」など、医院様ごとの課題や方向性によって、最適な構成は変わってきます。
クリニック様によっては最初からフル構成で導入されるケースもあれば、「まずは金銭授受の部分から始めて、後から機能追加していく」という段階導入のケースもあります。当社では、「導入してから進化が始まる」という考え方を大切にしています。いきなり大きく運用が変わることに不安や抵抗感を持たれるクリニック様も少なくありませんので、「まずはClinic POSから導入する」「次にキャッシュレス決済を本格運用する」「その後、案内表示や予約連携まで広げる」といった形で、段階を経ながら医院様に合わせて構成を広げていける点も特徴です。
そのため当社では、「今必要なもの」と「将来的にやりたいこと」の両方を伺いながら、オーバースペックになりすぎない現実的なご提案を大切にしています。補助金・助成金についても、「使えるから導入する」ではなく、「クリニックの運営改善に本当に合っているか」を前提にご提案することを大切にしています。
今後の展望を教えてください
今後は、単なる「金銭授受の機械化」にとどまらず、「クリニック全体の受付・会計体験をどう最適化できるか」という部分に、さらに踏み込んでいきたいと考えています。
現在でも、予約システム連携や、キャッシュレス決済、会計案内など、受付〜会計周りを一体で運用できる環境づくりを進めていますが、今後はさらに、後払い決済や処方箋送信、外部サービス連携なども含め、多用途の会計端末として進化させていきたいと考えています。
医療現場では今後さらに人手不足が進んでいく一方で、患者様から求められる利便性はますます高くなっていくと感じています。その中で私たちは、「人を減らすための機械」を作りたいわけではありません。金銭の受け渡しや単純な受付処理、案内業務などをシステム側で支えることで、スタッフ様が本来やるべき患者対応に集中できる環境を作っていきたいと考えています。
単なる会計機器メーカーではなく、クリニック全体の受付・会計体験をアップデートするパートナーとして、今後も機能開発を進めていきたいと思っています。
まとめ・編集部コメント
株式会社APOSTROが提供する「Clinic POS」は、クリニックの受付・会計業務を一体で効率化する、クリニック特化型のセミセルフレジ(スタッフが金額を確定し、患者様自身が機械で支払いを行う方式)です。電子カルテ・レセコン連携によって会計情報を自動取得し、現金・キャッシュレス決済の両方に対応しながら、限られたスペース・少人数運営でも無理なく回せる設計が大きな特徴となっています。
最大の魅力は、「フル自動精算機までは要らないが、金銭の受け渡しだけはスタッフから切り離したい」というニーズに過不足なく応えられる構成です。レセコンとの連携によって金額が反映されるため、スタッフは金銭の打ち直しや受け渡しから解放され、患者対応に集中できる点は、人手不足が深刻化するクリニック運営にとって大きな価値となります。
「受付スタッフの負担を減らしたい」「会計待ちを減らしたい」「将来的な人手不足に備えたい」「フル自動精算機までは予算的に難しい」「金銭の受け渡しだけスタッフから切り離したい」こうした課題を抱えるクリニックにとって、Clinic POSは有力な選択肢となるサービスです。導入後の段階的な拡張にも対応できる柔軟性を持っていますので、まずは一度相談してみる価値のあるサービスです。