歯科医院の受付では、保険診療の一部負担金、矯正やインプラント・審美といった自費診療、歯ブラシや歯磨き粉などの院内物販が、一度の会計に混ざり合います。少人数で受付と会計を回す医院では、高額な自費のつり銭準備や違算、月をまたぐ未収金の管理、レセコンから会計金額を手入力する二重作業に負担を感じている、という声は少なくありません。
会計待ちの行列や釣銭ミスを減らし、レセプトコンピュータ(レセコン)や電子カルテと会計を連動させるために、歯科医院向けのPOSレジや自動精算機の導入を検討する医院が増えています。ただ、対面レジからセミセルフレジ、自動精算機まで会計の自動化度合いは幅広く、歯科用レセコンとの連携可否も機種によって異なるため、どれが自院に合うのか判断が難しいのが実情です。
本記事では、歯科医院の窓口会計に対応するPOSレジ・自動精算機13機種を、会計の自動化度合い別に3つのタイプへ分けて比較します。歯科レセコンとの連携方式、保険・自費・院内物販の区分会計、キャッシュレス・自動釣銭機への対応、費用相場やIT導入補助金の活用まで整理しました。自院の会計フロー・規模・自費比率・予算に合う1台を選ぶための判断材料としてご活用ください。
また、貴院の会計方式・規模・自費比率・受付スペースに合わせて最適な機種を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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本記事の対象範囲(歯科医院の窓口会計に対応する機種を比較)
この記事では、歯科医院・歯科クリニックの窓口会計(受付での精算)に対応するPOSレジ・自動精算機に絞って比較します。具体的には、保険診療の一部負担金・自費診療・院内物販が混在する会計を区分して処理でき、歯科用レセコンや電子カルテと連携(直接連携、またはバーコードでの会計金額の取り込み)して診療費を精算できる機種を対象としています。
歯科医院の会計は、保険と自費、さらに院内物販が一度の精算に混ざるため、金額を手入力するだけの汎用レジでは区分会計やレセコン連携に手間が残ります。ここで取り上げるのは、こうした歯科ならではの会計に対応できる機種です。
歯科に限らず、医科を含めたクリニック全般で使えるPOSレジを幅広く比較したい場合は、対象を広げて選び方や機種をまとめた次の記事もあわせてご覧ください。
歯科医院向けPOSレジ・自動精算機とは(できることと一般の小売レジとの違い)
歯科医院向けのPOSレジ・自動精算機は、診療費の会計(受付での精算)を効率化するための会計システムです。一般の小売店で使うPOSレジが商品の価格を登録して精算するのに対し、歯科医院向けの機種は、レセコンや電子カルテで算定された診療費(保険の一部負担金や自費診療の金額)を取り込み、患者ごとの会計として精算する点が異なります。
会計金額をレセコンから受け取って会計待ちリストに表示し、現金やキャッシュレスでの精算、区分ごとのレシート発行、日次の締め作業までを担います。自動釣銭機を備える機種では、現金の受け渡しを機械が行い、つり銭の渡し間違いや違算(レジ現金の過不足)を防ぎます。
会計の自動化度合いに応じて、スタッフが操作する対面レジ、患者が支払いだけを行うセミセルフレジ、受付から精算までを患者自身が行う自動精算機まで、複数の形態があります。
歯科医院がPOSレジ・自動精算機を導入するメリット
ここからは、歯科医院がPOSレジ・自動精算機を導入することで得られる主な効果を整理します。
会計待ち時間の短縮と混雑の緩和。診療後の会計は、患者の待ち時間が生まれやすい場面です。レセコンと連動して会計金額が自動で表示され、自動精算機で患者自身が支払えば、受付スタッフが金額を手入力・確認する手間が減り、会計の回転が速くなります。
釣銭ミス・違算の削減。自費診療は数万円単位になることもあり、現金でのつり銭の渡し間違いは金額が大きいほど影響します。自動釣銭機を使えば現金の授受を機械が行うため、つり銭ミスや、一日の終わりに現金が合わない違算を抑えられます。
未収金の把握と回収管理。保険の一部負担金や自費診療では、その日に支払いが済まない未収金が発生することがあります。会計システムで患者ごとの未収残を記録・一覧化できれば、次回来院時の請求漏れを防ぎ、回収状況を管理しやすくなります。
少人数運営・人手不足への対応と非接触会計。受付スタッフが限られる歯科医院では、会計の自動化が人手不足の緩和につながります。患者が自分で精算する自動精算機は、現金の受け渡しを介さない非接触の会計にもなり、衛生面への配慮にもなります。
歯科医院の会計を効率化する機能
ここからは、歯科医院に特有の会計課題ごとに、POSレジ・自動精算機が備える機能を整理します。
保険・自費・院内物販の区分会計(区分レシート)
歯科医院の会計は、保険診療の一部負担金、自費診療(矯正・インプラント・審美など)、歯ブラシなどの院内物販が混在します。歯科医院向けのPOSレジは、これらを区分して登録・集計し、区分ごとに分けたレシートや領収書を発行できます。自費診療の一部は課税対象、保険診療は非課税と税区分が異なるため、区分会計は日々の会計処理と後の集計の両面で役立ちます。
歯科レセコン・電子カルテ連携(直結/バーコード方式)
会計金額をレセコンから取り込む方法には、レセコンと直接連携して金額を自動で受け取る方式と、レセコンや電子カルテが発行する会計票のバーコードを読み取って金額を取り込む方式があります。歯科用のレセコン・電子カルテは製品ごとに仕様が異なり、直接連携できるレセコンの種類は機種によって変わります。
歯科用のレセコンは製品数が多く、各機種が対応するレセコンをすべて公表しているとは限りません。そのため、自院が使っているレセコン(POWER5G、WiseStaff、Dental Xなど)と直接連携できるか、できない場合はバーコード方式で取り込めるかは、資料請求やデモの段階で自院のレセコン名を伝えて確認するのが確実です。
未収金管理
その日に支払いが完了しなかった診療費を、患者ごとの未収金として記録・管理する機能です。未収残を一覧で確認でき、次回来院時に会計画面へ表示するなどして、請求漏れや回収忘れを防ぎます。自費診療の分割払いや、後日精算が発生しやすい歯科医院では、未収金の可視化が回収管理の助けになります。
キャッシュレス・自動釣銭機対応
クレジットカード・電子マネー・QRコード決済などのキャッシュレス決済への対応と、現金の受け渡しを自動化する自動釣銭機の有無です。高額な自費診療ではキャッシュレスの需要が高く、自動釣銭機は現金の違算やつり銭ミスの防止に直結します。対応するキャッシュレスのブランドや、連携できる自動釣銭機は機種によって異なります。
会計の自動化度合いで選ぶ3タイプ
歯科医院向けのPOSレジ・自動精算機は、患者と現金の授受をどこまで自動化するかで、大きく3つのタイプに分けられます。自院の会計フローや受付スペースに合わせて、どのタイプが向くかを整理します。

タブレット会計型
iPadなどのタブレットにPOSアプリを入れ、スタッフが対面で会計を行うタイプです(本記事で「対面レジ」と呼ぶのはこのタイプを指します)。導入コストが低く、受付カウンターに置いても場所を取りません。
自費診療や院内物販のキャッシュレス会計を手軽に始めたい医院や、まず低コストで会計をデジタル化したい小規模な歯科医院に向きます。会計金額の取り込みはレセコン連携またはバーコード読み取り、現金は手動または外付けの自動釣銭機で対応します。
セミセルフレジ型
会計金額の登録はスタッフが行い、患者が支払い(現金の投入・釣銭の受け取り、キャッシュレス決済)を自分で行うタイプです。自動釣銭機と組み合わせると、つり銭ミスや違算を抑えながら、受付スタッフが現金に触れる手間を減らせます。会計内容の確認はスタッフが担いつつ、支払いの部分だけ自動化したい歯科医院に向いています。
自動精算機連携型
受付から精算までを患者自身が行う、フルセルフの自動精算機です。レセコン・電子カルテと連携して診療費を取り込み、患者が機械で支払いまで完結します。会計スタッフの人手を最小化でき、非接触の会計にもなります。会計件数が多い医院や、受付の省人化を進めたい歯科医院・歯科口腔外科などに向きますが、設置には一定のスペースと初期投資が必要です。
このタイプに絞って検討したい方は、自動精算機・セルフレジそのものを掘り下げた記事も参考になります。歯科に対応するメーカーを含めた機種の比較に加え、本体価格や初期費用を抑える導入方法まで整理しています。
歯科医院向けPOSレジ・自動精算機の選び方
ここからは、自院に合う機種を絞り込むための観点を整理します。次の診断ツールや比較表と合わせて確認すると、候補を絞りやすくなります。
会計の自動化をどこまで求めるか。受付スタッフが会計内容を確認したいのか、支払いだけ患者に任せたいのか、受付から精算まで無人化したいのかで、選ぶタイプが変わります。会計件数が多く待ち時間が課題なら自動精算機連携型、まず現金対応の負担を減らしたいならセミセルフレジ型、低コストで始めたいならタブレット会計型が起点になります。
自院の歯科レセコン・電子カルテと連携できるか。会計金額を自動で取り込めるかは、日々の手間と入力ミスを左右します。使っているレセコンと直接連携できる機種であればスムーズですが、直接連携に対応していない場合はバーコード方式で金額を取り込めるかがポイントになります。連携の可否は機種ごとに異なるため、資料請求やデモの段階で自院のレセコン名を伝えて確認するのが確実です。
自費診療の比率とキャッシュレス対応。矯正やインプラントなど高額な自費診療の比率が高い医院ほど、キャッシュレス決済への対応と、高額のつり銭を扱う自動釣銭機の価値が高まります。対応するカードブランドやQRコード決済の種類、分割払いへの対応も、自費の多い歯科医院では確認しておきたい点です。
受付スペースと設置形態。自動精算機や自立式の機種は設置スペースを必要とします。受付カウンターが狭い医院では、卓上型やタブレット型など省スペースの機種が現実的な選択肢になります。設置場所の広さと動線を踏まえて、据置型・卓上型・タブレット型のどれが収まるかを見極めることが選定のポイントになります。
予算と補助金の活用可否。初期費用と月額費用は機種とタイプで幅があります。自動精算機は機器本体の費用が加わるため、予算と会計効率化の効果を照らし合わせて判断します。後述するIT導入補助金(現:デジタル化・AI導入補助金)を活用できる場合もあるため、補助対象になるかも含めて検討するとよいでしょう。
導入後のサポート・保守体制。会計は毎日止められない業務のため、トラブル時の対応やレセコン連携の設定支援、機器の保守体制は重要です。電話・訪問での対応範囲や、自動釣銭機の現金補充・メンテナンスの体制を、契約前に確認しておくと安心です。
ここまでの観点で候補を絞りきれない場合は、以下の選定診断ツールをご利用ください。会計方式・医院の規模・自費比率・受付スペースに答えるだけで、貴院に合うタイプと機種の候補が自動で表示されます。
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【比較表】歯科医院向けPOSレジ・自動精算機の比較
ここからは、自院の課題や要件に合わせて比較・選定できるよう、歯科医院向けPOSレジ・自動精算機13機種を、会計の自動化度合い別の3タイプに分けてご紹介します。歯科レセコンとの連携、保険・自費・院内物販の区分会計、キャッシュレス・自動釣銭機への対応、料金体系などを一覧で確認できます。
タブレット会計型の比較
| サービス名 | ユビレジ | Square POSレジ |
|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社ユビレジ | Block, Inc.(Square) |
| 対応する会計方式 | 対面(タブレット会計) | 対面(タブレット会計) |
| 歯科レセコン・電子カルテ連携 | ORCA等のレセコンとバーコード方式で連携 (主に自費・院内物販の会計。歯科レセコン個社連携は要確認) | 歯科レセコンPOWER5Gとの連携事例(Square App Marketplace経由) 他レセコンの連携は要確認 |
| 保険・自費・院内物販の区分会計 | △自費・院内物販の会計向け(保険はレセコン側) | △自費・院内物販の会計向け(保険はレセコン側) |
| キャッシュレス対応 | ● | ● |
| 自動釣銭機 | △外付け連携は要確認 | △他社機器と連携 |
| 未収金管理 | 要確認 | 要確認 |
| 料金(初期費用・月額) | 初期費用:要お問い合わせ 月額:0円〜(無料プラン)/6,900円〜(税抜) | 初期費用:0円(端末は別途) 月額:0円〜 |
| 設置スペースの目安 | 卓上(iPad) | 卓上(iPad・専用端末) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
セミセルフレジ型の比較
| サービス名 | Clinic POS | BCPOS | ハヤレジ | POS+(ポスタス) | 医院向けセルフ精算POSレジ(HappySelf) |
|---|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社APOSTRO | 株式会社ビジコム | GMOヘルステック株式会社 | ポスタス株式会社 | 株式会社テラオカ (医歯協が斡旋) |
| 対応する会計方式 | セミセルフ | 対面/セミセルフ/セルフ | セミセルフ/自動精算機 | 対面/セミセルフ | セミセルフ(患者が支払いをセルフ精算) |
| 歯科レセコン・電子カルテ連携 | 多くのレセコン・電子カルテと連携(公式95%以上) 歯科専用連携は要確認 | 35社以上のレセコンとバーコード連携 歯科レセコン個社連携は要確認 | 電子カルテ・レセコン連携(未連携時はバーコード/個別開発) 歯科レセコン個社連携は要確認 | レセコン出力のバーコード読取が基本 歯科レセコン直接連携は要確認 | 診療明細書のバーコード読取 歯科レセコン個社連携は要確認 |
| 保険・自費・院内物販の区分会計 | △保険・自費に対応(院内物販は要確認) | ●保険・自費・院内物販に対応 | 要確認 | 要確認 | 要確認 |
| キャッシュレス対応 | ●オプション | ● | ●一部はセミセルフのみ | ● | ● |
| 自動釣銭機 | ● | ● | ● | ● | ● |
| 未収金管理 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 |
| 料金(初期費用・月額) | 初期費用:要お問い合わせ 月額:要お問い合わせ | 初期費用:要お問い合わせ(構成により変動) 月額:POSソフト5,000円〜/台(税別) (買い切り270,000円〜/ライセンス・税別も選択可) | 初期費用:要お問い合わせ 月額:要お問い合わせ | 初期費用:要お問い合わせ 月額:要お問い合わせ | 初期費用:要お問い合わせ (医歯協会員は8%割引) |
| 設置スペースの目安 | 据置(セミセルフレジ) | 卓上〜据置(構成による) | 卓上〜据置(機種による) | 卓上(iPad) | 据置(セルフ精算レジ) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
自動精算機連携型の比較
| サービス名 | 自動精算機Clinic KIOSK | 卓上型自動精算機Clinic KIOSK for Desktop | NOMOCa-Stand | レセPOS(ポスコ) | グローリー 診療費支払機 FHP/FCH/FFHシリーズ | レセPOS(ノーザ) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社APOSTRO | 株式会社APOSTRO | 株式会社GENOVA | 株式会社ポスコ | グローリー株式会社 | 株式会社ノーザ |
| 対応する会計方式 | 自動精算機(フルセルフ) | 自動精算機(卓上型) | 自動精算機(フルセルフ) | 対面/セミセルフ/自動精算機 | 自動精算機/窓口支払機(セミセルフ) | 対面/セミセルフ/フルセルフ |
| 歯科レセコン・電子カルテ連携 | 多くのレセコン・電子カルテと連携(公式95%以上) 歯科専用連携は要確認 | 多くのレセコン・電子カルテと連携(公式95%以上) 歯科専用連携は要確認 | ほぼすべてのレセコンと連携(シリーズ96.6%) 歯科レセコン個社連携は要確認 | 電子カルテ・レセコン連携(ORCA連動・歯科専用あり) 対応レセコンは要確認 | 多くのレセコンメーカーと連携実績 歯科レセコン個社連携は要確認 | 自社レセコン(WiseStaff-F/clevia)と連携 他社レセコンは要確認 |
| 保険・自費・院内物販の区分会計 | △保険・自費に対応(院内物販は要確認) | △保険・自費に対応(院内物販は要確認) | △保険・自費に対応(院内物販は要確認) | ●保険・自費・院内物販に対応 | 要確認 | ●保険・自費・院内物販に対応 |
| キャッシュレス対応 | ●オプション | ●オプション | ● | ● | ● | 要確認 |
| 自動釣銭機 | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 未収金管理 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | ●患者別に一覧管理 | 要確認 | ●患者別に一覧管理 |
| 料金(初期費用・月額) | 初期費用:要お問い合わせ 月額:要お問い合わせ | 初期費用:要お問い合わせ 月額:要お問い合わせ | 初期費用:要お問い合わせ 月額:要お問い合わせ | 初期費用:要お問い合わせ(リース・購入) 月額:要お問い合わせ | 初期費用:要お問い合わせ 月額:要お問い合わせ | 初期費用:要お問い合わせ 月額:要お問い合わせ |
| 設置スペースの目安 | 据置(自立式) | 卓上(カウンター上) | 据置(スタンド型・奥行298mm) | 卓上〜据置(構成による) | 据置(自立式・中〜大規模向け) | 卓上〜据置(モデルによる) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
※ 上記3つの比較表は、各社の公式サイト・公表情報をもとに作成した2026年9月時点の情報です。表中の記号は、●=対応、△=一部・条件付きの対応(注記参照)を表し、「要お問い合わせ」「要確認」は公式に情報が公開されていない、または歯科レセコンとの連携可否など個別の確認が必要な項目です。歯科レセコンとの連携可否・料金・対応範囲は変更される場合があるため、導入検討時に各社へ最新情報をご確認ください。
歯科医院向けPOSレジ・自動精算機13機種の特徴
ここからは、各機種の特徴を会計の自動化度合い別に紹介します。歯科の窓口会計への適合や、レセコン連携・キャッシュレス対応の観点で、自院に合う候補を確認してください。
各機種の歯科での位置づけ(歯科クリニックに特化した機種か、医科・歯科で共通して使える機種か、中〜大規模の歯科法人・歯科口腔外科向けか)や、歯科レセコンとの連携状況・導入事例の有無は、それぞれの紹介で明示しています。自院の規模や診療科に近い機種から見ていくと候補を絞りやすくなります。
タブレット会計型
1. ユビレジ(株式会社ユビレジ)

iPadにレジアプリを入れて使う、クラウド型のタブレットPOSです。株式会社ユビレジが提供し、レジ会計・売上分析・顧客管理・キャッシュレス決済を1台でまかないます。歯科医院では、保険診療の会計をレセコン側で確定したうえで、自費診療や歯ブラシなどの院内物販のキャッシュレス会計に用いる使い方が中心です。
料金は月額0円の無料プランがあり、レジ会計に売上分析・顧客管理・キャッシュレスを加えたプレミアムプランは月額6,900円〜(税抜、年払いで5%割引)です。低コストで自費・物販の会計をデジタル化したい小規模な歯科医院が始めやすい価格帯といえます。決済手数料は公式の料金ページに記載がなく、要問い合わせです。
歯科用レセコンとの直接連携や、自動釣銭機を組み合わせたセミセルフ運用に対応できるかは、機種構成や環境によって変わります。自院のレセコン名を伝えて個別に確認するのが確実です。
2. Square POSレジ(Block, Inc.)

初期費用・月額費用が0円で、キャッシュレス決済が発生したときの決済手数料だけで使えるPOSレジアプリです。提供元はBlock, Inc.(Square)で、決済端末とレジ、在庫・顧客・売上管理を一体で備えます。歯科医院では、自費診療や院内物販のキャッシュレス会計を、低い初期コストで始める用途に向きます。
対面決済の手数料は、年間のキャッシュレス決済額が3,000万円未満で主要カードブランドの場合に2.5%〜、それ以外は3.25%〜です。クレジットカードに加え、交通系電子マネーやPayPayなどのQRコード決済にも対応し、インボイス制度・複数税率にも標準で対応します。
歯科向けには、Square App Marketplace経由でレセコン連携アプリ「POWER5G」との連携事例が公式サイトで紹介されています。自動釣銭機を使ったセミセルフ運用は、対応するサードパーティ製ハードウェアと組み合わせる構成になるため、自院のレセコンや運用に合うかは事前の確認が必要です。
セミセルフレジ型
3. Clinic POS(株式会社APOSTRO)

Clinic POSは、株式会社APOSTROが医療機関向けに開発した、医事会計データ連動型のセミセルフレジです。スタッフがレセコン・電子カルテと連携して患者IDから会計金額を取り込み、患者は機械で現金・キャッシュレスの支払いを行います。
連携対象は公式に95%以上のレセコン・電子カルテ・予約システムとされ、自費診療分もレセコン・電子カルテに入力されていれば保険診療分と同様に処理します。自動釣銭機で現金の計数・払い出しを自動化し、キャッシュレス端末との連携はオプションで追加できます。
製品ページに掲載されている導入事例は皮膚科・リハビリテーション科・産科などで、歯科の導入事例は現時点で公開されていません。歯科レセコンとの専用連携は追加対応が予定される段階のため、自院の歯科レセコンと連携できるかは資料請求や問い合わせで確認するとよいでしょう。
4. BCPOS(株式会社ビジコム)

BCPOSは、株式会社ビジコムが提供するWindows用のPOSレジアプリです。小売・飲食など幅広い業種で使われ、クリニック向けには対面・セミセルフ・セルフレジのいずれの形態にも対応します。
クリニック向け構成では、35社以上のレセコンとバーコード方式(NON-PLUバーコード読み取り)で連携し、診療所・歯科・動物病院を主な対象としています。保険・自費・院内物販が混在する会計を扱え、グローリー・富士電機の自動釣銭機と組み合わせられます。
キャッシュレス決済は40種類以上に対応し、インボイス制度にも対応します。料金は構成により幅があるため、歯科レセコンとの個別の連携可否とあわせて問い合わせで確認するのが確実です。
5. ハヤレジ(GMOヘルステック株式会社)

GMOヘルステック株式会社の「ハヤレジ」は、医科・歯科・調剤のクリニック向けに提供される自動会計システムです。スタッフが操作し患者が自動釣銭機で支払うセミセルフ対応POSレジのほか、卓上型・自立式の自動精算機もシリーズに揃います。
電子カルテ・レセコンと連携して請求金額を自動表示し、会計金額の打ち間違いを防ぎます。連携実績のない機種でも、連携インターフェースの個別開発やバーコード運用・手入力で対応できるとしています。
キャッシュレス決済はクレジットカード・電子マネー・QRコードに対応します(電子マネー・QR決済にはセミセルフのみで利用できるものがあります)。サポートは自社コールセンター・リモート・全国拠点の3段階で、IT導入補助金の申請支援も行います。料金は公式に非開示のため問い合わせが必要です。
6. POS+(ポスタス)(ポスタス株式会社)

POS+(ポスタス)は、ポスタス株式会社が提供するiPadベースの業種特化型クラウドPOSレジです。飲食・小売・美容などのエディションに加え、診療所・小規模クリニック・歯科クリニックに対応する医療向けエディション「POS+healthcare」を用意しています。
歯科クリニックの会計では、レセコンから出力された領収書のバーコードを読み取って会計処理を行う方式が基本です。キャッシュレス決済に対応し、通常・セミセルフの自動釣銭機とも連携できます。
24時間対応のWEB予約・WEB問診、会計データの自動集計・日報/月報などの周辺機能も備えます。サポートは365日対応のコールセンターと全国の駆けつけサポート、最長5年のハード保証を用意します。料金は問い合わせ制で、歯科レセコンとの直接連携の可否は個別の確認が必要です。
7. 医院向けセルフ精算POSレジ(HappySelf)(株式会社テラオカ)

医院向けセルフ精算POSレジ(HappySelf)は、株式会社テラオカ(寺岡精工グループ)が手がけるセルフ精算レジを、東京医師歯科医師協同組合(医歯協)が組合員向けに斡旋する形で提供するものです。医科・歯科の医院を対象としています。
診療明細書の金額情報をバーコードで読み取り、患者自身が会計を行います。つり銭を自動で調整して違算を防ぎ、キャッシュレス決済にも対応します。現金の受け渡しを介さない非接触の会計になる点も特徴です。
医歯協の組合員には会員価格として8%割引が適用されますが、本体価格は公式ページに明示されていません。歯科レセコンとの個別の連携可否とあわせて、導入前に確認するとよいでしょう。
自動精算機連携型
8. 自動精算機Clinic KIOSK(株式会社APOSTRO)

株式会社APOSTROが提供する、クリニック・診療所向けの自立式自動精算機です。電子カルテ・レセコンと連携して診療費を取り込み、患者が診療費の案内確認から支払い、領収書・明細書の発行までを自分で行います。整形外科や内科などと並んで歯科も対応診療科に含まれ、歯科医院の導入事例も公開されています。
1台に再来受付機能を一体化でき、「再来受付から会計まで」を患者自身で完結する構成にも対応します。現金は自動釣銭機で計数・払い出しを自動化し、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済にも対応します。自費分もレセコンに入力されていれば、保険分と同じ流れで精算できます。
歯科用レセコンとの専用連携は開発ロードマップ上の追加機能とされており、現状の歯科会計は汎用のレセコン連携やバーコード方式が中心です。そのため、自院が使う歯科レセコンと連携できるかは、導入前の確認が必要です。料金は個別見積もりのため、費用は問い合わせで確認します。
提供元のAPOSTROは、Clinic KIOSKの設計方針について次のように説明しています。

多くの自動精算機は病院向け設計をベースにしているため、サイズ・機能・価格がオーバースペックになりやすい傾向があります。一方、Clinic KIOSKは、クリニック特有の「限られた人員・スペース・運営体制」を前提に設計しています。
9. 卓上型自動精算機Clinic KIOSK for Desktop(株式会社APOSTRO)

同じClinic KIOSKシリーズを、受付カウンターの上に置ける卓上型にしたのがClinic KIOSK for Desktopです。株式会社APOSTROが提供し、自立式を設置するスペースを取りにくい歯科医院でも、カウンター上で受付・会計・キャッシュレス決済を1台でまかなえます。
自動釣銭機を組み合わせた構成で、現金の計数・払い出しを機械が担います。売上金を一括で払い出してレセコンと金額照合するだけで締め作業が終わるため、同社には月間で20時間程度の残業削減につながったという導入医院の声もあります。
電子カルテ・レセコンと連携して会計金額を取り込む仕組みや、対応するキャッシュレス決済は自立式のClinic KIOSKと共通です。卓上型単独の導入台数や寸法は公開されていないため、設置の可否や料金は問い合わせで確認します。
10. NOMOCa-Stand(株式会社GENOVA)

NOMOCa-Standは、歯科医院向けのWeb集患サービスなどを手がける株式会社GENOVAが提供する、スタンド型のフルセルフ自動精算機です。患者が診察券のバーコード・QRコードをかざすと、レセコンと連携した会計金額が表示され、現金やキャッシュレスで自分で精算します。
本体は高さ約142cm・幅460mm・奥行298mmで、待合スペースの限られた歯科医院への設置を想定した省スペース設計です。高さ142cmは、高齢の患者でも操作しやすいように配慮されています。領収書・診療明細書・お薬引換券の発行や外国語表示を標準で備えます。
フルセルフのStandのほか、セルフレジのDesk、セミセルフのRegiがシリーズに揃い、無人化の方針に合わせて会計方式を選べます。家族会計や自動再来受付はオプションです。料金は非公開で、導入費用は問い合わせでの確認となります。
11. レセPOS(株式会社ポスコ)

レセPOSは、株式会社ポスコが提供する医科・歯科向けの医療会計専用POSレジ・自動精算機です。同社は歯科クリニック専用ページを設け、日医標準レセプトソフト(ORCA)連動・医科専用・歯科専用のバリエーションを用意しています。
保険診療・自費診療・物販商品を区分して会計し、区分ごとにレシートを発行できます。保険診療と物販をまとめて会計しても物販分だけのレシートを分けて出せるため、インプラントや矯正など自費と物販が混在する歯科の窓口会計に対応します。
対面レジ、セミセルフレジ、フルセルフの自動精算機、自立型自動精算機(レセPOS SmartPro)まで導入形態を選べ、循環式の自動釣銭機やキャッシュレス決済にも対応します。料金は公式に記載がなく、リース・購入いずれも問い合わせでの見積もりとなります。
12. グローリー 診療費支払機 FHP/FCH/FFHシリーズ(グローリー株式会社)

グローリー株式会社は、金融機関向けの紙幣硬貨入出金機やつり銭機を主力とする通貨処理機メーカーで、その現金識別・計数技術を医療会計に転用した診療費支払機(自動精算機)を提供しています。
ラインナップは、初導入向けのスタンダード機FHP-S11、大学病院・大規模病院向けのハイエンド機FFH-700、有人・セミセルフ会計に対応する窓口支払機FCH-950です。現金の自動計数で違算金の抑制を図り、FHP-S11は2024年7月発行の新紙幣にも対応します。
シェアを訴求する実績は中〜大規模病院や大学病院が中心で、歯科口腔外科を備えた病院やグループ医院に向いた位置づけです。全国100か所以上の保守拠点で24時間365日対応します。歯科専用の訴求はなく、本体価格は非公開で問い合わせとなります。
13. レセPOS(株式会社ノーザ)

レセPOSは、歯科用レセプトコンピュータや電子カルテを開発する株式会社ノーザが提供する、レセコン連動の自動釣銭機システムです(前掲の株式会社ポスコの同名製品とは別会社の別製品です)。会計時にレセコン側の請求金額を自動で取り込み、手入力をなくします。
保険診療・自費診療・物販商品を区分して会計し、区分ごとにレシートを発行できます。連携先として公式に明示されているのは、同社の電子カルテ・レセコン「WiseStaff-F」「clevia」で、QR会計用紙の印刷を通じて会計情報を受け渡します。
会計方式は通常・セミセルフ・フルセルフ・オールインワンの4モデルから選べ、患者別の未収金管理や買上履歴の確認にも対応します。各モデルの詳細な違いや料金は公式に記載がなく、資料請求・製品説明の依頼を通じた問い合わせで確認します。
費用相場とIT導入補助金・キャッシュレス手数料
ここからは、導入にかかる費用の考え方を整理します。機種本体の費用に加え、活用できる補助金や、キャッシュレス決済にかかる手数料まで押さえておくと、費用対効果を判断しやすくなります。
初期費用・月額費用の相場
歯科医院向けPOSレジ・自動精算機の費用は、会計の自動化度合いで幅があります。タブレットにアプリを入れるタブレット会計型は、初期費用を抑え、月額数千円台から始められる機種が中心です。たとえばユビレジは有料プランが月額6,900円〜(税抜)、Square POSレジは初期費用・月額固定費0円から利用できます(いずれも2026年9月時点の公式情報)。
自動釣銭機を組み合わせるセミセルフレジ型や、受付から精算まで自動化する自動精算機連携型は、機器本体の費用が加わるため、初期費用が数十万円から数百万円規模になることもあります。公開されている料金は一部の機種に限られ、多くは個別見積もりのため、正確な費用は自院の構成(自動釣銭機の有無・据置か卓上か)を伝えて各社に確認するのが確実です。
IT導入補助金(現:デジタル化・AI導入補助金)の活用
歯科医院がPOSレジ・自動精算機を導入する際、国の補助金を活用できる場合があります。「IT導入補助金」は2026年度から名称が「デジタル化・AI導入補助金」に変更されましたが(事務局サイトも旧称を併記しています)、POS・会計ソフト・レジ機器を対象とする制度は継続しています。
補助の対象となる事業者には、医療法人や個人事業の歯科診療所も含まれます。公募要領(通常枠)では、対象となる中小企業・小規模事業者等の定義に、次のように記載されています。
⑨医療法人、社会福祉法人 常時使用する従業員の数が300人以下の者
出典:公募要領 通常枠(中小企業・小規模事業者等の定義)|デジタル化・AI導入補助金2026(独立行政法人中小企業基盤整備機構)
医療法人であれば従業員300人以下、個人事業の歯科診療所であれば個人事業主として、いずれも対象事業者に含まれます。スマートレジ(POSレジ・自動精算機)の導入では、レジ機器などのハードウェアも補助対象に含む「インボイス枠(インボイス対応類型)」が実務上の中心となります。
この枠では、レジ・券売機やタブレット、レジソフトなどが補助対象経費に含まれ、補助率はITツールのソフトウェア部分で3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、レジ・券売機などのハードウェアで1/2以内が設定されています。インボイス対応を伴わないソフトウェア中心の導入では通常枠も選択肢になりますが、レジ機器などのハードウェアは通常枠では原則として対象外です。
補助率・補助上限・対象経費は年度や公募回によって変わります。申請前に、公式サイトで最新の公募要領を確認してください。
キャッシュレス決済の手数料相場
キャッシュレス決済に対応する場合、決済ごとに加盟店手数料がかかります。歯科医院に固有の手数料統計は公式には示されていませんが、中小規模の加盟店一般の相場が参考になります。経済産業省の検討会資料では、クレジットカードの中小加盟店の一般的な手数料率を1.98%〜3.25%の範囲としており、QRコード決済は参考値として2.5%〜3.25%程度が示されています。
手数料率は決済事業者や契約内容、決済ブランドによって異なります。矯正やインプラントなど高額な自費決済が多い歯科医院ほど、手数料の負担が会計に与える影響も大きくなるため、対応ブランドとあわせて手数料率も踏まえて決済手段を選ぶとよいでしょう。
出典・参考資料(1件)
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導入までの流れと運用で失敗しないための注意点
ここからは、資料請求から運用開始までの一般的な流れと、導入後に後悔しないための注意点を整理します。
導入は、資料請求・問い合わせから始まり、デモや見積もりで機能と費用を確認し、自院のレセコンとの連携可否をすり合わせたうえで、機器の設置・設定を経て運用を開始する、という流れが一般的です。自動精算機のように設置工事や現金の初期装填が必要な機種では、稼働までに一定の準備期間を見込んでおくと安心です。
運用で失敗しないために、特に確認しておきたいのが歯科レセコンとの連携です。自院のレセコンと直接連携できるか、できない場合はバーコード方式で会計金額を取り込めるかを、契約前に必ず確認しておく必要があります。
あわせて、受付スペースに機種が収まるか、トラブル時のサポートや自動釣銭機の保守・現金補充の体制、スタッフが操作に慣れるまでの教育の負担も、導入後の運用を左右する要素です。会計を止められない業務だからこそ、稼働後の支援体制まで見て選ぶことが、失敗を避けるポイントになります。
まとめ
歯科医院向けのPOSレジ・自動精算機は、保険・自費・院内物販が混在する会計を区分して処理し、レセコンと連携して会計を効率化する会計システムです。機種は会計の自動化度合いによってタブレット会計型・セミセルフレジ型・自動精算機連携型に分かれ、歯科レセコンとの連携可否やキャッシュレス・自動釣銭機への対応、費用は機種ごとに異なります。
自院の会計方式・規模・自費比率・受付スペース・予算を軸に、レセコン連携とサポート体制まで確認して選ぶことが、導入後の失敗を避ける近道です。まずは気になる機種の資料を取り寄せ、自院のレセコンとの連携を確かめるところから始めてみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 今使っている歯科レセコンや会計ソフトを買い替えなくても、POSレジ・自動精算機は導入できますか?
歯科医院向けPOSレジ・自動精算機は、多くの機種で今使っている歯科レセコンを買い替えることなく、既存のレセコンと連携して導入できます。会計金額はレセコンと直接連携して自動で受け取るか、レセコンが出力する会計票のバーコードを読み取って取り込むため、レセコン本体はそのまま使い続けられる構成が一般的です。
ただし、自社製のレセコンとしか連携しない機種や、直接連携に対応していないレセコンもあります。自院のレセコン名(POWER5G・WiseStaff・Dental Xなど)を伝えて、直接連携かバーコード方式のどちらで会計金額を取り込めるかを事前に確認してください。
Q. 保険診療と自費診療は、レシートや領収書の上でどのように分けて発行されますか?
歯科医院向けPOSレジは、保険診療の一部負担金と自費診療を別の区分として登録し、税区分(保険診療は非課税、自費診療の一部は課税)に応じて分けたレシートや領収書を発行できます。区分した領収書は、患者への説明や後の会計処理をしやすくします。
なお、矯正やインプラントなど治療目的の自費診療は医療費控除の対象になり得る一方、審美目的の施術は対象外になるなど、控除の可否は診療内容によって異なります。区分会計は、こうした判断のもとになる領収書の整理にも役立ちます。
機種によっては、保険診療と院内物販をまとめて会計しても、物販分だけのレシートを別に発行できます。区分の細かさや但し書きの自由度は機種で差があるため、自院で必要な区分を伝えて確認するとよいでしょう。
Q. 自費診療の分割払いや、その日に支払いきれなかった未収金はどのように扱えますか?
歯科医院向けPOSレジ・自動精算機は、患者ごとに未収金を記録・一覧化し、次回来院時の会計画面に表示して請求漏れを防げる機種があります。矯正やインプラントなど高額な自費診療で発生しやすい未収金や後日精算を可視化でき、回収状況を管理しやすくなります。
分割払いは、クレジットカードの分割・リボ払いを使う方法と、院内で分割予定額を管理する方法があり、対応範囲は機種によって異なります。分割・未収の管理をどこまで自動化できるかは、自費比率の高い医院ほど確認しておきたい点です。
Q. チェアが複数あったり受付が複数ある歯科医院では、POSレジや自動精算機は何台必要ですか?
必要な台数は、チェア(診療ユニット)の数ではなく、同時に会計が発生する受付口の数を目安に考えます。受付が1か所なら1台に会計を集約でき、会計件数が多く待ち列が課題になる場合は、自動精算機を複数台並べて会計を分散させる構成が有効です。
診療ユニットが多くても会計窓口が1か所なら1台で足りることも多く、逆に会計の混雑が課題なら台数を増やして待ち時間を抑えます。想定する1日の会計件数とピーク時の混み方を伝えて、適切な台数構成を相談するとよいでしょう。
Q. 今の対面レジからセミセルフレジや自動精算機に乗り換えると、レセコン連携の設定はやり直しになりますか?
同じ歯科レセコンを使い続ける場合、会計金額を取り込む連携の考え方は引き継げますが、精算機の種類が変わると接続方式や自動釣銭機まわりの設定は組み直しが必要になることがあります。レセコンが出力する会計票のバーコードで金額を渡す構成なら、レジ側が変わっても取り込みの流れは大きく変わりません。
同じベンダー内でセミセルフ・フルセルフのモデルを変える場合は移行がスムーズなことが多い一方、別メーカーの機種へ乗り換えると連携の再構築が発生します。乗り換えを検討する際は、現在のレセコンと運用を伝えて、設定の引き継ぎ範囲を確認してください。
Q. 自動釣銭機の現金補充や釣銭切れの対応は、誰がどのくらいの頻度で行うのですか?
自動釣銭機の現金補充は、受付スタッフが行うのが一般的で、頻度は会計件数と釣銭の減り方によって変わります。朝の開院準備で釣銭を装填し、日中は釣銭が不足しそうになるとアラートで知らせる機種が多く、必要になったタイミングで補充します。
一日の締めでは、機械が保有する現金を自動で計数してレセコンの売上と照合できるため、手作業の数え合わせや違算の確認にかかる時間を減らせます。補充・回収の手順や必要な操作は機種で異なるため、運用イメージをデモで確認しておくと安心です。
Q. 歯科医院のPOSレジ・自動精算機導入に、IT導入補助金(現:デジタル化・AI導入補助金)は使えますか?
歯科医院のPOSレジ・自動精算機の導入では、IT導入補助金(現:デジタル化・AI導入補助金)を活用できる場合があります。補助対象の事業者には、常時使用する従業員が300人以下の医療法人や、個人事業の歯科診療所も含まれます。
レジ機器などのハードウェアも対象に含む「インボイス枠」が実務上の中心で、補助率はソフトウェア部分で3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、レジ・券売機などのハードウェアで1/2以内が設定されています。補助率・補助上限・対象経費は年度や公募回によって変わるため、申請前に公式サイトで最新の公募要領を確認してください。
Q. 歯ブラシや歯磨き粉などの院内物販も、診療費の会計とまとめて管理できますか?
歯科医院向けPOSレジは、院内物販の販売を診療費の会計と同じレジで扱い、商品ごとの売上や在庫を管理できる機種があります。物販はもともとPOSレジが得意とする領域で、バーコードで商品を登録し、区分レシートで診療費と分けて発行できます。
売上分析や在庫管理までどこまで対応するかは機種によって差があるため、物販に力を入れている医院は、扱う商品点数や必要な管理範囲を伝えて確認するとよいでしょう。
Q. 自動精算機を導入すると、現金で支払いたい患者には対応できなくなりますか?
自動精算機やセミセルフレジを導入しても、自動釣銭機を備えた機種なら現金とキャッシュレスの両方に対応でき、現金払いの患者を断ることにはなりません。患者は画面の案内に沿って、現金の投入・釣銭の受け取りか、キャッシュレス決済かを選んで支払えます。
高齢の患者が多い歯科医院など現金の利用が一定数残る場合でも、自動釣銭機によって現金授受の手間と違算を抑えつつ現金対応を続けられます。対応する決済ブランドや現金の取り扱い範囲は機種で異なるため、あわせて確認しておくと安心です。
Q. 停電やレセコン連携のトラブルで、会計が止まってしまうことはありませんか?
会計は毎日止められない業務のため、停電や機器・連携のトラブル時にどこまで会計を続けられるか(現金会計への切り替えや金額の手入力運用の可否)は、機種選びで必ず確認しておきたい点です。レセコン連携が一時的に使えないときでも、金額を手入力して会計を継続できる機種なら、業務を止めずに対応できます。
あわせて、トラブル時のサポート窓口の対応時間や、訪問・リモートでの復旧支援の範囲も確認しておくと安心です。会計を止められない業務だからこそ、非常時の運用まで見て選ぶことが、導入後の失敗を避けるポイントになります。
Q. POSレジで集計した売上や自費のデータを、会計ソフトや税理士への報告にそのまま使えますか?
歯科医院向けPOSレジは、日々の会計データを保険・自費・院内物販の区分ごとに集計し、売上レポートやデータ出力として会計処理や税理士への報告に活用できる機種があります。手書きの集計や二重入力を減らし、月次の締めや自費売上の把握がしやすくなります。
会計ソフトへの連携方式(データの書き出し形式や自動連携の可否)は機種によって異なるため、自院で使っている会計ソフトや、税理士から求められる集計の形式を伝えて確認するとよいでしょう。
歯科医院向けPOSレジ・自動精算機の料金・手数料を一括チェック
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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