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クラウドファンディングの税金ルール、支援者と資金調達者で何が違う?種類別に解説!

クラウドファンディング 税金

「クラウドファンディングで資金調達したけど、税金ってどうなるの?」
「不動産クラウドファンディングで利益が出たけど、確定申告は必要?」
「節税できる方法ってあるのかな…?」

クラウドファンディングは魅力的な資金調達・投資手段ですが、活用する際に税金まわりの不安を感じる方も多いでしょう。特に、確定申告に不慣れな会社員や、経理を自分で行う個人事業主にはハードルが高く感じられるかもしれません。

この記事では、あなたが資金調達側か支援者か、個人か法人かといった立場に応じて、クラウドファンディングに関わる税金の基礎を分かりやすく解説。

確定申告の要否や節税のヒント、不動産型の注意点、インボイス制度の影響まで、必要なポイントを押さえてご紹介します。

第1章 クラウドファンディングと税金の基本:まずはここを押さえよう!

クラウドファンディングの基本的な仕組みと、どのような税金が関わってくるのかを解説します。

1-1. クラウドファンディングとは? 主な5つのタイプと税金の関係

クラウドファンディングには、主に以下の5つのタイプがあります。どのタイプに関わるかによって、かかる税金や必要な手続きが大きく変わるため、ご自身が利用するものがどれに該当するのかをしっかりと確認しましょう。

  • 購入型: 商品やサービスをリターン(見返り)として受け取るタイプです。資金調達者にとっては売上、支援者にとっては購入に近い形として扱われることが一般的です。
  • 寄付型: 原則としてリターンを求めない資金提供のタイプです。資金調達者にとっては贈与や一時所得、支援者にとっては寄付金控除の対象となる場合があります。
  • 融資型(ソーシャルレンディング): 企業などにお金を貸し付け、その利息をリターンとして得るタイプです。投資家が得る利益は、多くの場合、雑所得として扱われます。
  • 株式投資型: 未上場企業の株式に投資するタイプです。特定の条件を満たせば、エンジェル税制の対象となることもあります。
  • ファンド型(不動産クラウドファンディングなど): 特定の事業に投資し、その収益から分配金を受け取るタイプです。不動産クラウドファンディングが代表的な例です。

1-2. どんな税金が関係する? 所得税・法人税・贈与税・消費税

クラウドファンディングに関わってくる可能性のある主な税金は、以下の4つです。

  • 所得税: 個人の所得(儲け)に対してかかる税金です。クラウドファンディングの種類や関わり方によって、その所得は「事業所得」「雑所得」「一時所得」といった異なる区分で扱われ、計算方法も変わります。
  • 法人税: 法人(会社など)の所得に対してかかる税金です。法人がクラウドファンディングで資金調達した場合などに関係します。
  • 贈与税: 個人から個人へ財産が無償で渡された場合にかかる税金です。主に寄付型のクラウドファンディングで関係してきます。
  • 消費税: 国内における商品やサービスの販売・提供などに対してかかる税金です。購入型クラウドファンディングにおけるリターンの提供は、原則として消費税の課税対象となります。インボイス制度の導入も、この消費税の扱いに影響します。

これらの税金はそれぞれ独立しているわけではなく、クラウドファンディングの形態や取引の具体的な内容によって、複数種類が複雑に関係し合うこともあります。例えば、法人が購入型クラウドファンディングで資金調達した場合、法人税だけでなく消費税も関係してくる、といった具合です。

第2章 【種類別】資金調達者・支援者双方の税務ポイント

クラウドファンディングは種類によって税金の扱いが大きく異なります。ここでは代表的なタイプ別に、資金調達者・支援者双方の税務ポイントを解説します。まずは以下の早見表で全体像をご確認ください。

表1: クラウドファンディング種類別 税金・会計処理 早見表

(※この表は概要です。詳細は本文をご確認ください。また、個別の状況により取り扱いが異なるため、専門家への相談もご検討ください。)

クラウドファンディング種類資金調達者(個人)の主な税金・所得区分資金調達者(法人)の主な税金・会計処理支援者(個人)の主な税金・控除支援者(法人)の主な税金・経費処理消費税の主な扱い
購入型事業所得または雑所得(所得税) 売上(法人税)。資金受領時:前受金、リターン提供時:売上 原則非課税。事業関連リターンは必要経費算入の可能性あり 原則非課税。事業関連リターンは損金算入の可能性あり 資金調達者のリターン提供は原則課税売上
寄付型個人からの支援:贈与税(年間110万円超)。法人からの支援:一時所得(所得税、50万円の特別控除あり)受贈益(法人税) 原則非課税。認定NPO法人等への寄付は寄付金控除の対象 原則非課税。特定の寄付は損金算入の可能性あり 対価性のない寄付は原則不課税
不動産CF (匿名組合型)(事業者のため通常は法人)事業収益(法人税)分配金は雑所得(所得税)。源泉徴収あり(20.42%)。雑所得内で損益通算可。分配金は受取配当等の益金不算入の対象外(雑収入等で法人税課税)。源泉徴収あり。不課税(金融取引)
不動産CF (任意組合型)(事業者のため通常は法人)事業収益(法人税)分配金は不動産所得(所得税)。他の所得と損益通算可 分配金は不動産所得として法人税課税。不課税(金融取引)
融資型 (ソーシャルレンディング)借入金のため調達時非課税。支払利息は経費 借入金のため調達時非課税。支払利息は損金 分配金は雑所得(所得税)。源泉徴収あり(20.42%)。雑所得内で損益通算可。分配金は受取利息として法人税課税。源泉徴収あり。不課税(金融取引)
株式投資型(法人のみ)資本金・資本準備金のため調達時非課税 資本金・資本準備金のため調達時非課税 配当は配当所得、売却益は譲渡所得(所得税)。エンジェル税制対象なら税優遇あり 。損失は他の株式譲渡益と損益通算・繰越控除可。配当は受取配当金(益金不算入規定あり)、売却益は有価証券売却益(法人税)。エンジェル税制の直接的な適用はないが、投資先が成長すれば企業価値向上。投資有価証券として資産計上 不課税(資本等取引)

2-1. 購入型クラウドファンディング

支援者が商品やサービスを事前に購入する形に近いため、通常の売買に準じた税務処理が基本です。

  • 資金調達者:
    • 個人が利益を得た場合、その活動の規模や継続性により「事業所得」または「雑所得」(所得税)として扱われます。法人の場合は「売上」として法人税の対象です。
    • 重要なのは、リターン(商品やサービス)を提供した時点で収入を計上する点です。関連費用(リターン制作費、発送費など)は経費(法人の場合は損金)となります。
  • 支援者:
    • 原則として税金はかかりません(非課税)。ただし、個人事業主や法人が事業に関連するリターンを受け取った場合は、その費用を経費として計上できる場合があります。
  • 消費税:
    • リターンの提供は、原則として消費税の課税対象となります。資金調達者は、売上規模などによりインボイス制度への対応が求められることがあります。

2-2. 寄付型クラウドファンディング

見返りを求めない資金提供とみなされるため、税務上の扱いが特殊です。

  • 資金調達者:
    • 個人が個人から支援を受ける場合:年間110万円を超える部分は「贈与税」の対象となります。
    • 個人が法人から支援を受ける場合:「一時所得」(所得税)の対象となることがあります。一時所得には年間50万円の特別控除があります。
    • 法人が支援を受ける場合:「受贈益(じゅぞうえき:無償で受けた利益のこと)」として法人税の対象です。
  • 消費税: 対価性のない寄付は、原則として消費税の対象外(不課税)です。
  • 支援者: 認定NPO法人など特定の団体への寄付は、確定申告によって「寄付金控除」を受けられる場合があります。

2-3. 不動産クラウドファンディング

少額から不動産投資に参加できる人気の方法ですが、契約形態によって税務が異なります。主なものに「匿名組合型」と「任意組合型」があります。

  • 分配金の所得区分:
    • 匿名組合型(主流): 投資家が得る分配金は「雑所得」(所得税)となり、通常20.42%の所得税及び復興特別所得税が源泉徴収(あらかじめ税金が差し引かれること)されます。
    • 任意組合型: 分配金が「不動産所得」として扱われることもあります。
  • 損益通算(損失と利益を相殺すること):
    • 匿名組合型の雑所得から生じた損失は、他の雑所得(例:他のソーシャルレンディングの利益など)とのみ損益通算が可能です。給与所得など他の種類の所得とは損益通算できません。
    • 任意組合型の不動産所得から生じた損失は、給与所得など他の所得と損益通算できる場合があります。

不動産クラウドファンディングの注意点を確認してみる

2-4. 融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)

企業への貸付を通じて利息収入を得る仕組みです。

  • 資金調達者:
    • 調達した資金は「借入金」となるため、調達時点では課税されません。支払う利息は経費(法人の場合は損金)として計上できます。
  • 投資家(支援者):
    • 分配される利息収入は「雑所得」(所得税)となり、通常20.42%が源泉徴収されます。確定申告により税金が還付されたり、追加で納税が必要になったりすることがあります。雑所得内で生じた損失は、他の雑所得の利益と損益通算できますが、損失を翌年以降に繰り越す「繰越控除」は原則できません。

ソーシャルレンディングの注意点を確認してみる

2-5. 株式投資型クラウドファンディング

非上場企業の株式に投資する形態です。

  • 資金調達者(法人):
    • 調達した資金は「資本金」または「資本準備金」(会社の純資産の一部)となるため、法人税の課税対象外です。
  • 投資家(支援者):
    • 配当金を受け取った場合:「配当所得」として課税対象です。
    • 株式を売却して利益が出た場合:「譲渡所得」として課税対象です。
    • エンジェル税制: 対象となるベンチャー企業への投資の場合、税制上の優遇措置(投資額の所得控除、株式売却時の損失の損益通算・繰越控除など)を受けられる可能性があります。ただし、適用要件の確認や手続きが複雑な点に注意が必要です。

クラウドファンディングのタイプによって、税金の扱いは大きく変わります。ご自身が関わるタイプを正確に理解し、資金調達者・支援者それぞれの立場で何がポイントになるかを確認しましょう。次は、これらの税負担を賢く軽減する方法を見ていきます。

第3章 クラウドファンディングの節税対策:賢く税負担を軽減する方法

税負担を効果的に軽減するための節税ポイントをご紹介します。

3-1. 資金調達者向け節税テクニック

(1) 必要経費をもれなく計上する

資金調達にかかった費用を「必要経費」(法人の場合は「損金」)として正確に計上すれば、課税対象となる所得を減らし、節税に繋がります。

  • 主な経費例: プラットフォーム手数料、リターン制作・発送費、広告宣伝費、プロジェクト関連の諸経費など。
  • 証拠書類の保管: 領収書や契約書などの証拠書類は、税法に基づき7年間(個人の白色申告は5年間)保管が必要です。
  • ポイント: クラウドファンディング特有の経費も存在します。日頃から書類整理を心がけ、不明な点は税理士に相談することも有効です。 まずは、プロジェクトに関連する支出の領収書を全て集めることから始めましょう。

(2) 青色申告特別控除の活用

事業としてクラウドファンディングを行う個人事業主や法人の場合、「青色申告」は大きな節税メリットがあります。

  • 個人事業主:
    • 最大65万円の所得控除(複式簿記での記帳、e-Taxによる申告などの要件あり)を受けられます。
    • 事業で赤字が出た場合、その損失を翌年以降3年間繰り越して、将来の黒字と相殺できます。
    • 利用するには、事前に税務署へ「青色申告承認申請書」の提出が必要です。
  • 法人:
    • 事業年度で生じた欠損金(赤字)を翌事業年度以降10年間(一部の期間は9年間)繰り越し、将来の黒字と相殺できます。
  • ポイント:
    • 青色申告は控除だけでなく、損失の繰越など長期的なメリットがあります。事業として継続的に行うのであれば、積極的に活用を検討しましょう。 青色申告を始めるには期限がありますので、早めに税務署や税理士に確認することをおすすめします。

(3) 所得控除・税額控除の確認と活用

各種控除を漏れなく適用することで、税負担を軽減できます。

  • 一般的な所得控除:
    • 基礎控除、社会保険料控除、生命保険料控除など、ご自身の状況に応じた控除を確定申告で忘れずに申告しましょう。
  • クラウドファンディング特有の控除・非課税枠:
    • 寄付型で個人が個人から支援を受けた場合:贈与税の基礎控除(年間110万円)。
    • 寄付型で個人が法人から支援を受けた場合:一時所得の特別控除(最高50万円)。
    • 給与所得者の副業所得20万円以下ルール:給与所得者で、クラウドファンディングなどの副業による所得(収入から経費を引いた利益)が年間20万円以下の場合、原則として所得税の確定申告は不要です(住民税の申告は別途必要な場合があります。詳しくは第4章で解説)。
  • ポイント: 特に小規模なプロジェクトの場合、これらの控除や非課税枠を意識した資金計画も節税策の一つです。 ご自身の状況でどの控除が使えるか、一度リストアップしてみましょう。

3-2. 支援者・投資家向け節税テクニック

クラウドファンディングの支援者や投資家も、税制上のメリットを享受できる場合があります。

(1) 寄付金控除を最大限に活用する手続き

特定の団体への寄付は、確定申告で「寄付金控除」を受けられることがあります。

  • 対象団体: 国、地方公共団体、社会福祉法人、「認定NPO法人」、「特定公益増進法人」など。寄付先が対象か事前に確認が重要です。
  • 控除の種類: 認定NPO法人等への寄付では、所得から一定額を差し引く「所得控除」か、税金から直接一定額を差し引く「税額控除」の有利な方を選択できます。
  • 手続き: 寄付先から発行される「寄附金の受領証(領収書)」を確定申告書に添付して提出します。 受領証は大切に保管しましょう。

(2) エンジェル税制の適用要件と手続き

株式投資型クラウドファンディングで特定のベンチャー企業に投資した場合、税制優遇「エンジェル税制」の適用を受けられる可能性があります。

  • 適用要件: 投資先企業がエンジェル税制の対象であること、投資家自身も一定の要件(例:金銭の払込みにより株式を取得していることなど)を満たすことなど、細かな規定があります。
  • 手続き: 投資先企業から必要書類(都道府県知事等が発行した確認書など)を入手し、確定申告で手続きします。e-Taxで申告する場合でも、一部書類の郵送が必要なケースがあるので注意しましょう。 エンジェル税制の適用は手続きが複雑なので、投資前に投資先企業や専門家に確認することが肝心です。

(3) 投資で損失が出た場合の損益通算・繰越控除

投資型クラウドファンディングで損失が出た場合の扱いは、種類によって異なります。

  • 不動産CF(匿名組合型)、融資型CF(ソーシャルレンディング):
    • これらの損失は「雑所得」に分類されるため、同じ雑所得の範囲内の他の利益(例:他のソーシャルレンディングの利益、副業の原稿料など)とのみ損益通算が可能です。給与所得など他の所得区分とは損益通算できず、損失を翌年以降に繰り越すことも原則できません。
  • 株式投資型CF(エンジェル税制適用の場合など):
    • 株式売却損は、他の株式譲渡益(上場株式、非上場株式問わず)と損益通算できます。その年に相殺しきれない損失は、翌年以降3年間繰り越して、将来の株式譲渡益から控除可能です。
  • ポイント:
    • 損失が出た場合の税務上の取り扱いは、投資回収計画にも影響します。投資を始める前に、損失が出た場合のルールもしっかり確認しておくことが大切です。 どの所得区分に該当する損失なのかを把握することが、最初のステップです。

資金調達者も支援者も、利用できる節税策は意外と多くあります。経費計上や各種控除を正しく理解し活用することで、賢く税負担を軽減しましょう。次は、これらの税務処理に不可欠な確定申告について解説します。

第4章 確定申告の要否判断:手続きと注意点

クラウドファンディングで収入を得たり、税制優遇を受けたりするためには、多くの場合「確定申告」が必要です。ここでは、確定申告の要否判断の目安、具体的な手続き、注意点について解説します。

表2: 個人の確定申告 要否判断の目安

(※この表は一般的な目安です。個別の状況により判断が異なる場合があるため、不明な点は税務署や税理士にご相談ください。)

ケース所得税の確定申告住民税の申告主なポイント
給与所得者で、CF収入(雑所得など)が年間20万円以下原則不要 必要となる場合あり 医療費控除など他の理由で確定申告する場合はCF収入も申告。源泉徴収されているCF収入で還付が見込めるなら申告した方が有利。
給与所得者で、CF収入(雑所得など)が年間20万円超必要 確定申告すれば不要給与所得とCF所得を合算して申告。
個人事業主で、CF収入がある必要 確定申告すれば不要事業所得または雑所得として、他の事業収入と合算して申告。青色申告が有利。
CFの所得のみで年間48万円以下原則不要 必要となる場合あり 所得税の基礎控除額(48万円)以下のため。
CFの所得のみで年間48万円超必要 確定申告すれば不要基礎控除額を超えるため。
寄付型CFで個人から年間110万円超の支援を受けた(贈与税の申告が必要)(贈与税の申告が必要)所得税とは別に贈与税の申告・納税が必要。
寄付型CFで法人から支援を受け、一時所得が50万円超必要 確定申告すれば不要一時所得の特別控除50万円を超える部分の1/2が課税対象。
不動産CF・融資型CFで源泉徴収されており、還付が見込める申告した方が有利 確定申告すれば不要所得税率が源泉徴収税率より低い場合など。
寄付金控除やエンジェル税制の適用を受けたい必要 確定申告すれば不要税制優遇を受けるための必須手続き。

4-1. 確定申告が必要になるのはどんな時?ケース別解説

(A) 個人の場合:給与所得者(副業含む)、個人事業主、投資家など

個人の場合、確定申告が必要になる主なケースは以下の通りです。

  • 給与所得者の方(会社員など):
    • クラウドファンディング等による副業の所得(収入から経費を引いた利益)が年間20万円を超える場合。
    • 年収が2,000万円を超える場合。
    • 医療費控除や住宅ローン控除(初年度)など、年末調整で対応できない控除を受けたい場合(この場合は20万円以下の副業所得も合わせて申告します)。
  • 個人事業主の方:
    • クラウドファンディングで得た収入が事業に関連する場合(例:自社製品の購入型クラウドファンディング)は、事業所得として他の事業収入と合算して確定申告が必要です。
  • クラウドファンディング収入のみの方(例:専業主婦・学生で他に所得がない方):
    • クラウドファンディングで得た所得(収入から経費を引いた利益)が年間48万円(所得税の基礎控除額)を超える場合、確定申告が必要です。
  • 投資家の方:
    • 不動産クラウドファンディングや融資型クラウドファンディングの分配金は源泉徴収されていますが、全体の所得状況によっては確定申告をすることで税金が還付される(または追加納税が必要になる)場合があります。
    • 株式投資型クラウドファンディングでエンジェル税制の適用を受けたい場合や、株式売却による損益を申告する場合。
  • 寄付型クラウドファンディングで資金調達した方:
    • 個人から年間110万円を超える支援を受けた場合は「贈与税」の申告が必要です(所得税とは別の手続きです)。
    • 法人から支援を受け、一時所得(収入から経費と特別控除50万円を引いた額の1/2)が課税対象となる場合は「所得税」の確定申告が必要です。

注意点: 個人の確定申告要否には「20万円の壁」「48万円の壁」「110万円の壁」など複数の基準があります。ご自身の状況を正確に把握し、対応することが重要です。 まずは、ご自身の1年間の収入と経費を整理し、どのケースに当てはまるか確認しましょう。

(B) 法人の場合:クラウドファンディング収入の申告

法人の場合、クラウドファンディングで得た収入も原則として事業年度の益金(収益)に算入し、他の所得と合算して法人税の申告・納税が必要です。個人のような「所得20万円以下なら申告不要」といったルールはありません

4-2. 確定申告の手順:必要書類から提出まで

確定申告は、1年間の所得とそれに対する税額を計算し、税務署に申告・納税する手続きです。大まかな流れは以下です。

  1. 必要書類の準備:
    • 収入関連: クラウドファンディング事業者から発行される支払調書や年間取引報告書、給与所得の源泉徴収票(給与所得者の場合)、自身で作成した売上記録など。
    • 経費関連: 領収書、請求書、レシート、契約書など。
    • 控除関連: 各種控除証明書(社会保険料、生命保険料など)、医療費の領収書、寄付金の受領証、エンジェル税制関連書類など。
    • その他: マイナンバーカード(または通知カードと本人確認書類)、銀行口座情報(還付を受ける場合)など。
  2. 申告書の作成:
    • 国税庁ウェブサイトの「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、画面の案内に従って入力するだけで申告書を作成でき便利です。会計ソフトを利用したり、手書きで作成することも可能です。
    • 不動産クラウドファンディングの分配金(雑所得)などは、申告書の所定の欄に正確に記入します。
  3. 申告書の提出:
    • e-Tax(電子申告): 最も推奨される方法です。マイナンバーカードと対応するスマートフォンまたはICカードリーダーが必要です。一部の手続きで別途書類の郵送が必要になる場合もあります。
    • 郵送: 作成した申告書を管轄の税務署へ郵送します。
    • 税務署窓口へ持参: 管轄の税務署の窓口に直接提出します。
  4. 納税または還付:
    • 納税: 申告した税額を、定められた期限までに納付します。口座振替、クレジットカード納付、コンビニ納付などの方法があります。
    • 還付: 税金が戻ってくる場合は、申告書に記載した銀行口座へ振り込まれます。e-Taxで申告すると還付が比較的早い傾向にあります。

4-3. 申告期限と遅れた場合のペナルティ

  • 所得税の確定申告期間: 原則として、所得を得た年の翌年2月16日から3月15日までです。
  • 還付申告: 税金が還付される申告(例:医療費控除、源泉徴収された税金が多すぎた場合など)は、翌年1月1日から5年間行うことができます。
  • 期限後申告とペナルティ: 申告期限を過ぎてしまっても申告はできますが、「無申告加算税」(納付すべき税額に対し最大20%、自主的な期限後申告で軽減あり)や、納付が遅れた日数に応じた「延滞税」が課されることがあります。

4-4. 所得税の確定申告が不要でも住民税の申告は必要?

「給与所得者の副業所得が20万円以下」などの理由で所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別途必要になることがあります。住民税は、前年の所得に基づいてお住まいの市区町村が課税するものです。

  • 確定申告を行えば、その情報が市区町村にも連携されるため、別途住民税の申告は原則不要です。
  • しかし、所得税の確定申告をしない場合は、お住まいの市区町村の窓口で住民税の申告手続きが必要になる場合があります。

確定申告は、クラウドファンディングで経済的なリターンを得た多くの方に関わる重要な手続きです。ご自身の状況に合わせて要否を判断し、必要な場合は期限内に正しい手順で申告しましょう。不明な点は早めに税務署や税理士に確認することが大切です。

第5章 【法人向け】クラウドファンディングの会計処理と税務上のポイント

法人がクラウドファンディングを利用する場合、個人の場合とは異なる会計処理や税務上の注意点があります。ここでは、法人が資金調達した際の仕訳例や収益認識、消費税の扱いについて解説します。

5-1. 種類別に見る資金調達時の仕訳例

資金調達時の仕訳は、クラウドファンディングの種類によって異なります。それぞれの特徴に合わせて、適切な勘定科目で処理することが重要です。 (※以下は基本的な例です。実際の取引内容により科目が異なる場合があるため、不明な場合は税理士にご確認ください。)

(1) 購入型クラウドファンディング

  • 特徴: プロジェクトの支援者が商品やサービスを事前に購入する形で資金を提供します。
  • 仕訳のポイント:
    • 資金受領時は、まだ商品やサービスを提供していないため「前受金(まえうけきん:将来提供する商品・サービスの前払いとして受け取ったお金。負債の一種)」として処理します。
    • リターン(商品やサービス)を提供した時点で「売上」(収益)に振り替えます。
    • プラットフォーム手数料は「支払手数料」(費用)で処理します。
  • 資金受領時:
    • (借方)現金預金 XXX円 / (貸方)前受金 XXX円
    • この仕訳は、支援者から資金を受け取ったものの、これは将来提供する商品・サービスに対する前払い金であることを示しています。
  • リターン提供時:
    • (借方)前受金 XXX円 / (貸方)売上 XXX円
    • この仕訳は、支援者に商品・サービスを提供したため、事前に受け取っていた前受金を取り崩し、正式に売上として計上したことを示しています。

(2) 寄付型クラウドファンディング

  • 特徴: プロジェクトの趣旨に賛同した支援者が、見返りを求めずに資金を提供します。
  • 仕訳のポイント:受け取った資金は返済の必要がないため、「受贈益」または「雑収入」(収益)として計上します。
  • 資金受領時:
    • (借方)現金預金 XXX円 / (貸方)受贈益 XXX円
    • この仕訳は、支援者から見返りを求めない寄付金として資金を受け取ったことを示しています。

(3) 融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)

  • 特徴: 支援者が企業やプロジェクトに対して、金銭を貸し付ける形で資金を提供します。
  • 仕訳のポイント:受け取った資金は将来返済する必要があるため、「借入金」(負債)として処理します。
  • 資金受領時:
    • (借方)現金預金 XXX円 / (貸方)借入金 XXX円
    • この仕訳は、支援者から将来返済することを前提として資金を借り入れたことを示しています。

(4) 株式投資型クラウドファンディング

  • 特徴: 支援者が企業の株式を購入する形で資金を提供し、株主となります。
  • 仕訳のポイント:受け取った資金は会社の資本となるため、「資本金」または「資本準備金」(純資産)として処理します。
  • 資金受領時:
    • (借方)現金預金 XXX円 / (貸方)資本金 XXX円
    • この仕訳は、支援者からの出資を受け、これが会社の資本として組み入れられたことを示しています。

5-2. 収益認識基準と法人税の注意点

法人がクラウドファンディングで得る収入は法人税の課税対象であり、いつ収益として認識するか(会計帳簿に計上するか)のタイミングが重要です。

  • 購入型クラウドファンディングの収益認識
    • 資金を受け取った時点ではなく、リターンである商品やサービスを提供する義務を果たした時点(履行義務が充足された時点)で「売上」として収益を認識します。これは、近年の会計基準(収益認識に関する会計基準)の考え方に基づくものです。
    • この収益認識のタイミングは、法人税の計算上、非常に重要です。資金の入金タイミングと収益計上のタイミングがずれるため、キャッシュフロー(現金の流れ)と課税所得の発生時期に差異が生じる可能性があります。これにより、納税資金の準備などに影響が出ることも考えられるため、特に大規模なプロジェクトや長期間にわたるリターン提供の場合は、事前の資金計画が不可欠です。
  • 寄付型クラウドファンディングの収益認識
    • 受け取った資金は、原則として受け取った事業年度の「受贈益」として益金(法人税法上の収益)に算入されます。
  • 最新の取り扱いと専門家への確認
    • 収益認識に関する会計基準の導入に伴い、法人税法や関連する通達も改正されています。中小企業については、従来の会計処理が引き続き認められる場合もありますが、最新の取り扱いについては国税庁の資料を確認するか、税理士に相談することが望ましいでしょう。
  • 基本原則
    • 法人税の計算においては、収益とそれに対応する費用を適切に対応させることが基本原則(費用収益対応の原則)です。クラウドファンディング特有の収益認識タイミングを理解し、正確な会計処理と税務申告を心がけましょう。

購入型クラウドファンディングを実施する法人は、収益認識のタイミングについて、事前に税理士と確認しておくことを推奨します。

5-3. 消費税の課税関係とインボイス制度への対応

法人がクラウドファンディングを利用する際、消費税の取り扱いも重要なポイントです。

種類別の消費税の扱い

  • 購入型
    • リターンとして商品やサービスを提供するため、原則としてその対価は消費税の「課税売上」に該当します 。法人が課税事業者であれば、売上にかかる消費税を申告・納付する必要があります。  
  • 寄付型
    • 原則として対価性のない取引とみなされるため、消費税の「不課税取引」または「対象外取引」となります 。  
  • 融資型・株式投資型
    • 金融取引や資本等取引に類するため、原則として消費税の「対象外取引」または「非課税取引」となります 。  

インボイス制度への対応(購入型の場合)

法人が購入型クラウドファンディングで資金調達し、リターンを提供する場合は、インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応が求められます。

  • 適格請求書発行事業者としての登録
    • 法人が課税事業者であり、支援者(特に課税事業者である法人や個人事業主)に対して適格請求書(インボイス)を発行する必要がある場合は、事前に税務署に申請して「適格請求書発行事業者」として登録を受ける必要があります。
  • 適格請求書の保存
    • 支援者側が仕入税額控除(支払った消費税額を売上にかかる消費税額から差し引くこと)を受けるためには、発行された適格請求書の保存が必要です。
  • 戦略的判断
    • 法人として購入型クラウドファンディングを行う場合、適格請求書発行事業者になるか否かは、支援者(特に法人や個人事業主の課税事業者)の獲得にも影響しうる戦略的な判断となります。
    • 支援者側から見れば、適格請求書が発行されないと仕入税額控除が受けられないため、支援を躊躇する可能性があるからです。

法人がクラウドファンディングを利用する際は、種類に応じた適切な会計処理、特に購入型における収益認識のタイミング、そして消費税(インボイス制度)への対応が重要です。これらは税額計算や資金繰りに直接影響するため、専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めましょう。

第6章 海外クラウドファンディングの税金はどうなる?

近年では、KickstarterやIndiegogoといった海外のクラウドファンディングプラットフォームを利用するケースも増えています。日本の居住者がこれらのプラットフォームを利用して資金調達したり、支援したりする場合の税務上の取り扱いについて解説します。

6-1. 日本の居住者が海外クラウドファンディングを利用する場合の税務

日本の所得税法では、日本国内に住所を有する「居住者」は、国内で得た所得だけでなく、海外で得た所得(全世界所得)に対しても原則として課税されることになっています(全世界所得課税)。したがって、海外のクラウドファンディングプラットフォームを通じて得た利益も、日本の税法に基づいて申告し、納税する義務があります。

所得の種類の判断

海外クラウドファンディングで得た所得がどの所得区分(事業所得、雑所得、一時所得、贈与など)に該当するかは、基本的には国内のクラウドファンディングと同様の考え方で判断されます。

例えば、海外プラットフォームで製品を販売し利益を得た場合は事業所得や雑所得、個人的なプロジェクトへの寄付であれば贈与といった具合です。

円換算と為替差損益

海外のプラットフォームから受け取る資金が外貨建ての場合、日本円に換算して所得を計算する必要があります。収入や経費を計上する際の為替レートは、原則として取引発生日のTTM(仲値:金融機関が提示する為替レートの一種)など、合理的なレートを使用します。

また、外貨建てで受け取った資金を円転(日本円に交換すること)した際に生じる為替差益(儲け)または差損(損失)も、雑所得などとして課税(または損失計上)の対象となる場合があります。

海外プラットフォーム特有の書類

Kickstarterなどが発行する米国の税務書類「Form 1099-K」は、米国の税法に基づくものであり、日本の居住者である個人や法人が米国内で恒久的な事業施設を持たずに活動している限り、通常、日本の確定申告に直接影響するものではありません。ただし、海外のプラットフォームで源泉徴収が行われている場合は、その内容を確認し、後述する外国税額控除の適用を検討する必要があります。

海外クラウドファンディングの税務は、国内のケースに加えて、外国税額控除の適用、租税条約(国同士の税金に関する取り決め)の確認、為替レートの変動リスクなどが絡み合い、より複雑になる傾向があります。安易な自己判断は避け、国際税務に詳しい税理士に相談することを強く推奨します。

6-2. 外国税額控除の活用ポイント

海外で得た所得に対して、その国で所得税に相当する税金が課され、源泉徴収された場合、日本でも同じ所得に対して課税されると二重課税になってしまいます。この二重課税を調整するために設けられているのが「外国税額控除」という制度です。

  • 制度の概要
    • 外国で納付した所得税額(またはそれに類する税額)がある場合、日本の所得税額(または法人税額)から、一定の計算に基づいて算出された金額を上限として控除することができます。
  • 手続き
    • 外国税額控除の適用を受けるためには、確定申告書に「外国税額控除に関する明細書」や、外国で税金を納付したことを証明する書類などを添付して提出する必要があります 。  
  • 租税条約
    • 日本は多くの国と租税条約を締結しており、条約によって外国税額控除の取り扱いが異なる場合があります。例えば、源泉徴収される税率が条約によって軽減されていたり、控除の対象となる税金の範囲が定められていたりします 。利用しているプラットフォームの所在国と日本の租税条約の内容を確認することが重要です。  

外国税額控除の適用を受けるためには、海外で納税したことを証明する書類を現地のプラットフォームや関係機関から確実に入手し、保管しておくことが不可欠です。手続きも複雑なため、適用を検討する際は税理士に相談するのが賢明でしょう。

クラウドファンディングの税金に関するQ&A

ここでは、クラウドファンディングの税金に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q1. 少額の利益でも確定申告は必要ですか?

A1. ケースバイケースです。一概には言えませんが、主な目安は以下の通りです(詳細は第4章参照)。

  • 給与所得者の場合
    • クラウドファンディングを含む副業での所得(利益)が年間20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告は不要です 。ただし、医療費控除などで確定申告をする場合は、20万円以下の所得も合わせて申告する必要があります。また、所得税の申告が不要でも、住民税の申告は別途必要になる場合があります 。  
  • 個人事業主やフリーランスの方
    • 事業所得としてクラウドファンディングの収入がある場合は、金額にかかわらず原則として確定申告が必要です 。  
  • クラウドファンディングの所得のみの方
    • 年間の所得が48万円(基礎控除額)以下であれば、所得税の確定申告は原則不要です 。  
  • 源泉徴収されている場合
    • 不動産クラウドファンディングや融資型クラウドファンディングなどで源泉徴収されている場合、所得が20万円以下でも確定申告をすることで税金が還付される可能性があります 。  

Q2. 海外のクラウドファンディングで資金調達・支援した場合の税金はどうなりますか?

A2. 日本の居住者であれば、原則として海外で得た所得も日本の税法に基づいて申告・納税する義務があります(全世界所得課税)。所得の種類や計算方法は国内のクラウドファンディングと同様の考え方が基本ですが、外貨換算や外国税額控除、租税条約の確認など、追加で考慮すべき点が多く複雑です(詳細は第6章参照)。専門家への相談を強く推奨します。

Q3. 確定申告の期間はいつからいつまでですか?

A3. 所得税の確定申告期間は、原則として所得を得た年の翌年2月16日から3月15日までです 。ただし、税金が還付される「還付申告」の場合は、翌年1月1日から5年間申告することができます 。  

Q4. 所得税の確定申告が不要な場合、住民税の申告はどうすればよいですか?

A4. 所得税の確定申告が不要な場合でも、クラウドファンディングなどで所得があった場合は、お住まいの市区町村役場(役所)で住民税の申告が別途必要になることがあります。申告方法は自治体によって異なる場合があるため、各自治体のウェブサイトを確認するか、窓口で相談してください。確定申告をすれば、その情報が自治体にも連携されるため、別途住民税の申告は原則不要です(詳細は第4章参照)。

Q5. 税理士に相談するタイミングはいつが良いですか?メリット・デメリットは?

A5. 税理士に相談するタイミングは、早ければ早いほど良いと言えます。

  • タイミングの例
    • クラウドファンディングのプロジェクトを企画する段階(資金調達額の目標設定や経費計画など)。
    • クラウドファンディングで実際に資金調達・投資を行った後、確定申告の準備を始める前。
    • 特に、法人設立と同時にクラウドファンディングを検討している場合や、海外CFの利用、エンジェル税制の活用など複雑なケースでは、計画段階からの相談が有効です。
  • メリット
    • 適切な節税対策や税務処理のアドバイスを受けられる 。  
    • 複雑な確定申告手続きを代行してもらえる(依頼内容による)。
    • 税務調査のリスクを軽減できる可能性がある。
    • 資金調達計画や事業計画について、税務・財務面からの客観的なアドバイスを得られる。
  • デメリット
    • 税理士への相談・依頼費用が発生する。
    • 売上が少ない場合や税務処理が非常にシンプルな場合は、費用対効果が見合わない可能性もある。
  • 目安
    • 一般的に、個人事業主や法人で売上が一定規模(例:1,000万円)を超えるような場合や、税務処理が複雑になる場合は、税理士への相談を検討する一つの目安とされています。まずは無料相談などを利用して、自社の状況に合う税理士を探してみるのが良いでしょう。

Q6. クラウドファンディングで損失が出た場合、税金はどうなりますか?

A6. クラウドファンディングの種類によって異なります(詳細は第3章参照)。

  • 融資型CF(ソーシャルレンディング)や不動産CF(匿名組合型)の損失
    • これらは雑所得に分類されるため、他の雑所得の利益と損益通算できます。ただし、給与所得など他の所得区分とは損益通算できず、翌年への繰越控除も原則できません 。  
  • 株式投資型CF(エンジェル税制適用)の損失
    • 株式の譲渡損失として、他の株式譲渡益と損益通算できます。相殺しきれない損失は、翌年以降3年間繰り越して控除できます 。  
  • 購入型・寄付型で資金調達者が赤字になった場合
    • 個人事業主であれば事業所得の赤字として、他の所得と損益通算したり、青色申告であれば損失を繰り越したりできます。法人の場合も欠損金の繰越控除が可能です 。  

Q7. 消費税のインボイス制度はクラウドファンディングにどう影響しますか?

A7. 特に購入型クラウドファンディングに影響があります(詳細は第5章参照)。 資金調達者が課税事業者で、リターンとして商品やサービスを提供する場合、支援者(買い手)が仕入税額控除を受けるためには、資金調達者が適格請求書(インボイス)を発行する必要があります。

資金調達者が免税事業者でインボイスを発行できない場合、支援者(課税事業者)は仕入税額控除を受けられない可能性があります。寄付型や金融型の多くは消費税の対象外取引のため、直接的な影響は少ないと考えられます。

まとめ:クラウドファンディングの税金は専門家への相談も視野に

本記事では、クラウドファンディングに関する税金の基本から、種類別の具体的な取り扱い、節税対策、確定申告の手順、さらには法人利用や海外クラウドファンディングの注意点まで、網羅的に解説してきました。

押さえておくべき重要なポイント

  • クラウドファンディングの種類と自身の立場(調達者か支援者か、個人か法人か)によって税金の扱いは大きく異なる。
  • 購入型は売買、寄付型は贈与や一時所得、投資型は投資収益として主に扱われる。
  • 不動産クラウドファンディングは契約形態(匿名組合型か任意組合型か)で所得区分や節税効果が変わる。
  • 経費の適切な計上、青色申告、各種控除(寄付金控除、エンジェル税制など)が節税の鍵。
  • 確定申告が必要なケースを正しく理解し、期限内に適切な手続きを行う。所得税の申告が不要でも住民税の申告が必要な場合もある点に注意。
  • 法人は収益認識基準や消費税(インボイス制度)への対応も重要。
  • 海外利用時は全世界所得課税と外国税額控除を意識する。

クラウドファンディングの税務は、時に複雑で判断に迷うことも少なくありません。この記事が皆様の疑問解消の一助となれば幸いですが、個別の具体的な状況によっては、税理士などの専門家に相談することが最も確実で安心な方法です。

税金の知識を正しく身につけ、適切な対応を行うことで、クラウドファンディングをより安心して活用し、プロジェクトの成功や資産形成に繋げてください。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

大阪大学経済学部卒業。都市銀行退職後に暗号資産関連スタートアップの創業メンバーとして業界調査や相場分析に従事。2018年、マネックスグループ入社。マネックスクリプトバンクでは業界調査レポート「中国におけるブロックチェーン動向(2020)」や「Blockchain Data Book 2020」などを執筆し、現在はweb3ニュースレターや調査レポート「MCB RESEARCH」などを統括。国内メディアへの寄稿も多数。2021年3月より現職。
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