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GoogleがAIエージェント向けの決済プロトコル「AP2」を発表、ステーブルコイン決済にも対応

2025年9月16日、GoogleはAIエージェントが自律的に支払いを行うためのオープンソースプロトコル「Agent Payments Protocol (AP2)」を発表しました。このプロトコルは、従来のカード決済に加え、ステーブルコインにも対応するもので、CoinbaseやAmerican Express、Mastercard、Salesforce, Paypalなど60社以上の主要企業と協力して開発されました。

今回は、この発表が持つ意味と、AIと金融が融合する今後の動向について解説します。


※本記事の内容は、マネックスクリプトバンクが週次で配信しているニュースレター「MCB FinTechカタログ通信」の抜粋です。毎週月曜17時に配信しており、無料でご購読いただくと、FinTech・Web3の注目トピックスを解説するニュースレターに加え、注目の特集記事、ビットコイン最新動向や相場予想などもお読みいただけます。

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なぜ今、AIのための決済プロトコルが必要なのか

この発表の背景には、AIエージェントの進化があります。AIエージェントとは、ユーザーに代わり「フライトを予約する」「在庫が切れたら部品を自動発注する」といった具体的かつ連続的なタスクを、AIモデルを用いて自律的に実行するソフトウェアのことです。2025年3月にOpenAIが、高性能なAIエージェントを個別に構築するためのツールキット(SDK)である「OpenAI Agents SDK」を提供して以降、さまざまなAIエージェントが開発され、サービスとしてリリースされるようになっています。

また、Googleも2025年4月にAIエージェント間の対話ルールである「A2A (Agent-to-Agent) プロトコル」を発表するなど、AIエージェントに関する標準策定への関与を深めています。

しかし、こうしたAIエージェントには、決済を行うことができないといった大きな課題がありました。現在の決済システムは、人間が「購入」ボタンをクリックすることを前提としているため、AIが取引の主体となる場合には大きく3つの課題が存在します。1つ目は「承認(Authorization)」で、ユーザーがAIに特定の取引を許可したことをどのように証明するのかといった課題です。2つ目は「真正性(Authenticity)」で、AIの要求がユーザーの意図を正確に反映している、ということをどのように確認するのかという点です。そして3つ目が「説明責任(Accountability)」、すなわち不正な取引や誤った取引が起きた場合にどの主体が責任を負うのか、という課題です。

今回発表されたAP2は、これらの課題を解決するために作られた、AIエージェントが決済を行う際のルール(プロトコル)です。

AP2の仕組み

AP2の仕組みの核となるのが、「Mandates」と総称される、検証可能な資格情報(VC:Verifiable Credentials)です。

Mandateには、「Cart Mandate」「Intent Mandate」「Payment Mandate」という3つの種類が存在し、取引の状況に応じて以下のような異なる役割を担います。

まず、ユーザーが購入の最終決定をその場で行うような「Human Present Transaction」で使われるのが「Cart Mandate」です。これは、ユーザーの承認に基づきMerchant(加盟店)が生成するデジタル契約書で、最終的な商品リストや金額、配送先などが正確に記載されています。ユーザーが自身のデバイスでこれに署名することで、「この内容で購入を確定します」という最終的な合意が形成されます。

一方で、ユーザーがその場にいない「Human Not Present Transaction」、たとえば「価格が100ドルを下回ったら自動で購入して」といった指示を出す場合には、「Intent Mandate」が用いられます。これは、ユーザーの「意図」をAIエージェントに委任するためのもので、購入条件や上限金額、エージェントが理解した指示内容などが記録されます。これにより、エージェントは与えられた裁量の範囲内で自律的に行動する権限を得ます。

これら2つのMandateがユーザーと加盟店の間の合意を形成するのに対し、3つ目の「Payment Mandate」は、決済システム全体に向けられたものです。これは、クレジットカード会社などの決済ネットワークやイシュアー(カード発行会社)に対し、「この取引にはAIエージェントが介在しています」という情報を伝える役割を担います。取引が「Human Present」か「Human Not Present」かといったシグナルが含まれており、決済事業者はこれを利用して不正検知の精度を高めるなど、リスク管理に役立てることができます。

このように、取引の状況に応じて詳細な監査証跡が残るフレームワークが整備されています。AP2はCoinbaseが提供する「x402」というステーブルコイン決済プロトコルとも連携可能であると発表されており、従来のクレジットカード決済だけでなく、ステーブルコイン決済にも対応していることが明らかになっています。

考察:決済の役割の変化と今後の展望

AP2はまだ初期段階にあり、今後のアップデートが計画されていることが 公式ドキュメントにて明らかにされています。現在公開されているバージョン0.1は、主にクレジットカード/デビットカードのような”pull”型決済と、ユーザーがその場で承認する「Human Present Transaction」に対応しています。

公式ドキュメントで示されているロードマップによれば、今後のバージョン1.xでは、リアルタイムの銀行振込やデジタルウォレットといった”push”型決済への完全対応や、サブスクリプション(定期支払い)への対応が追加される予定です。

さらに長期的には、複数のオンラインストアを横断して商品を一度に購入するような複雑な取引や、買い手と売り手のAIエージェントがリアルタイムで価格交渉を行うといった、より高度な自律型コマースの実現が視野に入れられています。

今回の発表が持つ重要な点は、決済の効率化に留まりません。決済の役割が「人間の消費活動の結果」としてだけでなく、「AI間の業務プロセスを構成する一要素」へと変化していく可能性を示しています。

今後は決済データに、「誰がどこで何を買ったか」という従来の情報だけでなく、「どのAIがどういったタスク/プロンプトを達成するために、別のどのAIの機能を利用したか」といった、より詳細な文脈情報と結びつくことになるかもしれません。

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