「事業も人も増えてきたけど、正直、どの製品が一番儲かっているのか、部門ごとのコストは本当にこれでいいのか、どんぶり勘定でよく分からない…」
「経営セミナーで『管理会計が重要』とは聞いたけど、税理士任せの決算書(財務会計)と何が違うんだ?自社に取り入れるには、まず何から手を付ければいいんだろう…」
成長期にある中小企業の経営者様なら、一度はこんな悩みに直面したことがあるのではないでしょうか。これまで会計は税理士に任せきりで、送られてくる決算書の数字を眺めるだけだったかもしれません。しかし、事業が拡大し、従業員が10名、20名と増えてくる中で、肌感覚だけでは見えない課題に気づき始めているはずです。
この記事では、管理会計の基本的な役割から、普段見ている財務会計との決定的な違い、そして自社に管理会計を導入しデータに基づいた強い経営体制を築くための具体的なステップまで、専門用語を避け、分かりやすく解説します。
目次
管理会計とは?社長の意思決定を強力にサポートする「社内専用の羅針盤」
管理会計とは、社長であるあなたが、会社の進むべき道を見極め、的確な経営判断を下すために活用する「社内専用の会計情報」のことです 。株主や銀行に示す決算書(財務会計)とは全くの別物で、外部に公開する必要はありません。
この会計情報は、会社が「今、本当に儲かっているのか?」「どこに問題があるのか?」を明らかにし、これから「どうすればもっと良くなるのか?」という未来への道筋を示してくれます。
法律で決められたルールはなく、あなたの会社の状況や「こんな情報が見たい!」という目的に合わせて、自由に設計できるのが大きな特徴です。税理士に任せているカチッとした財務会計とは違い、この「自由度」こそが、管理会計を経営の武器にするための鍵なのです。
管理会計を導入すれば、勘や経験だけに頼らず、具体的な「数字」に基づいて経営判断を行えるようになります。これにより、会社の「儲けの仕組み」や「隠れた課題」が明確になり、より的確かつ迅速な打ち手を打てるようになります。
事業が成長し、従業員が増え、取引が複雑になるほど、「どんぶり勘定」では立ち行かなくなります。管理会計は、売上や利益の内訳、コスト構造を「見える化」し、経営の舵取りを格段に精度高くします。特に成長期の中小企業にとって、限られた経営資源を最大限に活かし、持続的な成長軌道に乗るために、管理会計の視点は不可欠と言えるでしょう。
【社長なら絶対押さえたい!】管理会計・財務会計・制度会計・税務会計の決定的違い
「管理会計も財務会計も、どっちも会計だろ?何がそんなに違うんだ?」そう思われるかもしれません。どちらも会社の数字を扱いますが、目的と使い方は全く異なります。
まず、「制度会計」という大きな枠組みがあり、これは法律や制度に基づく会計の総称です。この中に主に「財務会計」と「税務会計」が含まれます 。この関係性を頭に入れるとスッキリ整理できます。

目的と見る人:誰のために、何を示す?
- 管理会計:社長や社内責任者が経営判断や戦略立案に使う。見る人は社長、役員、部門長など社内限定 。
- 財務会計(制度会計の一部):株主、銀行、取引先など社外の人に財産状況や経営成績を報告する。見る人は株主、銀行、取引先、税務署など社外の利害関係者。
- 税務会計(制度会計の一部):税法に基づき税額を計算し申告・納税する。見る人は主に税務署。
ルールと時間軸:法律の縛りは?過去を見る?未来を見る?
- 管理会計:法律の縛りはなし。会社ごとに自由にルール設定可能。主に「これからどうするか」という未来を見る。
- 財務会計(制度会計の一部):会社法や会計基準など法律・ルールに厳格に従う。主に「過去どうだったか」という過去を見る。
- 税務会計(制度会計の一部):税法に厳格に従う。主に過去の実績に基づき計算。
報告内容と頻度:どんな情報を、いつ見る?
- 管理会計:経営判断に役立つなら何でもOK(例:製品別利益、部門別コスト)。頻度は必要に応じて随時(毎日、毎月など)。
- 財務会計(制度会計の一部):決算書(貸借対照表、損益計算書など)。頻度は基本年1回(上場企業は四半期毎も)。
- 税務会計(制度会計の一部):税務申告書。頻度は通常、年度ごとが多い。
3つの会計比較表
| 特徴 | 管理会計 (Management Accounting) | 財務会計 (Financial Accounting) (制度会計の一部) | 税務会計 (Tax Accounting) (制度会計の一部) |
|---|---|---|---|
| 目的 | 社長の経営判断、未来の戦略立案 | 社外への財産・成績報告 | 税金の計算・申告 |
| 見る人 | 社長、社内の人間 | 株主、銀行、取引先など社外の人 | 税務署 |
| ルール | なし (会社独自で自由に設定) | あり (法律・会計基準) | あり (税法) |
| 時間軸 | 未来志向 (これからどうするか) | 過去志向 (過去どうだったか) | 過去志向 (過去の実績) |
| 報告形式 | 自由 (社長が見たい形) | 定型 (決算書) | 定型 (税務申告書) |
| 報告頻度 | 随時 (毎日、毎月など柔軟に) | 定期 (年1回など) | 定期 (年1回など) |
| 法的義務 | なし (任意) | あり | あり |
この表の通り、財務会計や税務会計は法律で義務付けられますが、管理会計は「任意」です。
管理会計で何ができる?中小企業経営者が知るべき5つの活用ポイント
「管理会計が経営判断に役立つのは分かった。でも、具体的にうちの会社でどう使えるの?」そんな疑問にお答えします。ここでは中小企業経営者であるあなたに知ってほしい、管理会計の代表的な活用ポイントを5つ紹介します。
1. 予算管理(予実管理):会社の目標達成に向けたナビゲーション
予算管理(予実管理)とは、会社の売上や利益の目標(予算)を立て、実績と比較・分析し、目標達成へ軌道修正する活動です 。会社のカーナビのようなものです。
- 何ができる?
- 目標の明確化
- 「今期は売上〇億円、利益△千万円を目指す!」といった具体的な目標を全社で共有できます 。
- 進捗の見える化
- 「目標に対して、今どれくらい達成できているのか?」「計画通りに進んでいるのか?」が一目で分かります。
- 問題点の早期発見
- 「なぜ予算と実績にズレが出たのか?」その原因(バリアンス)を分析することで、早めに対策を打てます 。
- 経営の効率化
- 限りある人・モノ・カネといった経営資源を、どこに重点的に投入すべきか判断しやすくなります 。
- 目標の明確化
社長としては、まず会社全体の大きな目標予算を立て、それを各部門に落とし込んでいくことになります 。そして、定期的に実績と照らし合わせ、「なぜ達成できたのか」「なぜ未達だったのか」を深掘りし、次の打ち手を考えることが重要です。
2. 原価管理:「儲けの源泉」コストを徹底的に把握し、利益体質へ
原価管理とは、製品やサービスにかかるコスト(原価)を正確に計算・分析し、無駄を省き、適正な価格設定や確実な利益確保につなげる活動です。
- 何ができる?
- 本当のコストの把握
- 「この製品を作るのに、材料費はいくら?人件費は?見えない経費は?」といった、製品ごとの正確なコストが見えるようになります。
- 無駄の発見と削減
- 「どの工程に無駄があるのか?」「もっと安く仕入れられる材料はないか?」といったコスト削減のポイントが明確になります。
- 適正な価格設定
- 正確な原価が分かれば、自信を持って価格交渉ができたり、利益を確保できるギリギリの価格設定が可能になったりします。
- 利益構造の改善
- どの製品が儲かっていて、どの製品が足を引っ張っているのかが一目瞭然になり、製品ラインナップの見直しや、より利益の出る製品への注力が可能になります。
- 本当のコストの把握
特に製造業の社長にとっては、この原価管理が生命線とも言えます。IT企業であっても、プロジェクトごとや顧客ごとの原価を把握することは、収益性向上のために非常に重要です。
3. 経営分析:「会社の健康診断」で強みと弱みを丸裸に
経営分析とは、決算書等の会計データや社内情報を基に、会社の「収益性」「安全性」「生産性」「成長性」等を多角的に分析し、経営課題の発見や意思決定に役立てることです。
- 何ができる?
- 会社の健康状態の把握
- 「うちの会社は、同業他社と比べて儲かっているのか?」「借金の返済能力は十分か?」といった、会社の総合的な健康状態を客観的に評価できます 。
- 損益分岐点の明確化
- 「あといくら売上があれば黒字になるのか?」「固定費はどれくらいか?」といった、利益が出るかどうかの境目(損益分岐点、CVP分析)が分かります 。これは価格設定やコスト削減目標を設定する上で非常に重要です。
- 部門別・製品別分析
- 「どの部門が一番利益に貢献しているのか?」「どの製品が赤字なのか?」といった、より細かい単位(セグメント別)での収益性を分析できます。
- 強みと弱みの発見
- 分析を通じて、自社の強み(例:高い利益率の製品群)や弱み(例:特定の部門のコスト高)を客観的に把握し、経営戦略に活かせます。
- 会社の健康状態の把握
税理士から受け取る決算書も、この経営分析の重要な材料になります。
4. 業績評価:頑張りを正しく評価し、社員のやる気を引き出す
業績評価とは、設定目標(予算等)に対し、各部門や製品、個人がどれだけ貢献したかを測り、評価することです。
- 何ができる?
- 公平な評価基準の確立
- 客観的な数値に基づいて評価することで、社員の納得感を高め、モチベーション向上につなげられます。
- 目標達成への意識向上
- 各部門や社員が「自分たちの頑張りがどう評価されるのか」を理解することで、目標達成への意識が高まります。
- 課題の明確化と改善促進
- 業績が振るわなかった部門や製品については、その原因を分析し、具体的な改善策を講じることができます。
- 適切な資源配分
- 成果を上げている部門や製品には、より多くの経営資源を投入するといった、メリハリのある判断が可能になります。
- 公平な評価基準の確立
社長としては、単に結果だけを見るのではなく、そのプロセスや貢献度を多角的に評価する仕組みを作ることが重要です。
5. 資金繰り管理:会社のお金の流れを止めない!黒字倒産を防ぐ
資金繰り管理とは、日々の現金の収入と支出を正確に把握し、将来の資金不足や余剰を予測し、資金ショート(黒字倒産等)を防ぎ、お金の流れをスムーズに保つ活動です。
- 何ができる?
- 資金ショートのリスク回避
- 「来月、支払いに必要なお金は足りるか?」「いつ頃、資金が厳しくなりそうか?」を事前に予測し、対策を打てます。
- 黒字倒産の防止
- 帳簿上は利益が出ていても、売掛金の回収が遅れたり、仕入代金の支払いが先行したりすると、手元資金が不足して倒産…という最悪の事態を防げます 。
- 計画的な資金調達
- 大きな投資や支払いが必要な場合に、いつ、いくら資金調達が必要になるかを事前に計画できます。
- 余剰資金の有効活用
- 手元資金に余裕がある場合には、新たな投資や借入金の早期返済など、より有利な資金運用を検討できます。
- 資金ショートのリスク回避
社長にとって、利益を出すことと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが、この資金繰り管理です。どんなに有望な事業でも、お金の流れが止まってしまえば元も子もありません。
中小企業が管理会計を導入するメリット:どんぶり勘定から脱却し、強い会社を作る!
管理会計の導入は、あなたの会社経営に計り知れないメリットをもたらします。特に「どんぶり勘定」だったり、税理士任せの決算書を眺めるだけだったりした経営者には、経営の景色が一変するほどのインパクトがあるでしょう。
1. 経営判断の精度とスピードが格段に向上する
管理会計により、「勘」や「経験」だけでなく、「客観的なデータ」という強力な武器で判断できます。
- 例:
- 「A製品とB製品、どちらにもっと力を入れるべきか?」
- →製品別の正確な利益率が分かれば、迷わず判断できます。
- 「この新規事業、本当に採算が取れるのか?」
- →投資額、予想されるコスト、見込み収益を管理会計でシミュレーションすれば、リスクを事前に評価できます 。
- 「競合が値下げしてきた。うちはどうする?」
- →自社のコスト構造と損益分岐点を把握していれば、どこまで価格を下げられるか、あるいは別の対抗策を打つべきか、迅速に判断できます 。
- 「A製品とB製品、どちらにもっと力を入れるべきか?」
2. 「儲けのカラクリ」と「隠れた問題点」が見える化される
税理士が作成する決算書(財務会計)は、会社全体の過去の成績表ですが、それだけでは「なぜその成績になったのか?」という詳細までは分かりません。管理会計は、その「なぜ?」を解き明かします。
- 例:
- 「会社全体では黒字だけど、実はC部門が大幅な赤字を垂れ流していた…」
- 「売上は伸びているのに、なぜか利益が増えない…調べてみたら、特定の製品の材料費が急騰していた」
- 「いつも忙しいXチーム、実は利益貢献度が非常に低かった…」
このように、部門別、製品別、顧客別など、より細かい単位で収益性やコストを分析することで、これまで見えなかった「儲けの源泉」や「改善すべき問題点」が具体的に明らかになります。
3. 社員の目標意識とモチベーションが向上する
管理会計で会社全体の目標や各部門の役割、個々の業務がどう利益貢献するかが明確になり、社員が主体的に行動できるようになります。
- 例:
- 営業部門
- 「今月の売上目標達成まであと〇〇万円!そのためには、あと△件の契約が必要だ!」
- 製造部門
- 「製品1個あたりのコストをあと×円削減できれば、会社全体の利益がこれだけ増える!」
- バックオフィス部門
- 「経費を□%削減することで、これだけの利益改善に貢献できる!」
- 営業部門
4. 金融機関や投資家からの信頼度がアップする(副次的効果)
管理会計は本来社内向けのものですが、しっかりと管理会計を導入し、データに基づいた経営を行っているという事実は、金融機関や投資家からの評価を高めることにも繋がります。
- 理由:
- 経営者が自社の状況を正確に把握し、計画的に事業運営を行っている証拠となるため。
- 将来の成長性やリスク対応能力に対する信頼感が増すため。
- 融資審査や投資判断の際に、より説得力のある事業計画や収益予測を提示できるため。
これは直接的な目的ではありませんが、結果として資金調達がスムーズになったり、より有利な条件を引き出せたりする可能性も期待できるでしょう。
中小企業が管理会計を導入するための具体的な5ステップ
「管理会計の重要性は分かった。でも、うちみたいな中小企業で、何からどうやって始めたらいいんだ?」多くの経営者様が抱えるこの疑問にお答えします。
大企業のような立派なシステムや専門部署がなくても、管理会計は始められます。大切なのは、自社の状況に合わせて、できるところから少しずつ着実に進めることです。
ステップ1:まずは社長自身が「数字と向き合う」覚悟を決める
管理会計導入の第一歩は、社長であるあなたが「これからは数字に基づいて経営判断をするぞ!」と本気で決意することです。税理士任せにせず、自社の経営状態を客観的な数値で把握し、それを未来の経営に活かしていくという強い意志が不可欠です。
- 具体的に何をする?
- 財務諸表の基本を理解する
- 税理士から受け取る決算書(損益計算書、貸借対照表)の主要な項目が何を示しているのか、大まかで良いので理解しましょう。売上、原価、販管費、利益、資産、負債、純資産といった基本的な言葉の意味を押さえるだけでも違います。
- 自社の「儲けの構造」を考える
- 「うちは何で儲かっているんだろう?」「一番コストがかかっているのはどこだろう?」といった問いを常に持つようにしましょう。
- 財務諸表の基本を理解する
ステップ2:現状把握と「何を見たいか」の明確化
次に、あなたの会社で「どんな情報が見えるようになったら嬉しいか」「どんな課題を解決したいか」を具体的にします。
- 自問自答してみましょう
- 「どの製品・サービスが一番利益に貢献しているか知りたい」
- 「部門ごとのコストが適正かどうか判断したい」
- 「無駄な経費を削減したいが、どこにメスを入れればいいか分からない」
- 「新規顧客と既存顧客、どちらにもっと注力すべきかデータで判断したい」
- 「今の価格設定で本当に儲かっているのか不安だ」
これらの「見たい情報」「解決したい課題」が、管理会計導入の目的となり、どんな情報を集め、どう分析するかの指針になります。
ステップ3:シンプルな形から「見える化」をスタート~Excelテンプレートも活用~
最初から完璧な管理会計システムを導入しようとする必要はありません。まずはExcelなどの身近なツールを使って、簡単なところから「見える化」を始めてみましょう。
- 例えばこんなことから
- 製品別・サービス別の売上と変動費の集計
- 各製品・サービスがどれだけ売れて、それを作る(提供する)のに直接かかった費用(変動費)はいくらかを集計し、限界利益(売上 – 変動費)を算出してみる 。
- 簡単な部門別経費の集計
- 各部門で発生している経費をざっくりと集計してみる。
- 月次の予算実績比較
- 簡単な売上予算と経費予算を立て、実績と比較してみる 。
- 製品別・サービス別の売上と変動費の集計
中小企業向けのExcelテンプレートなども活用できます。大切なのは、まず「やってみる」ことです。
ステップ4:会計ソフトや管理会計システムの導入を検討
手作業での集計や分析に限界を感じてきたり、もっと高度な分析をしたくなったりしたら、会計ソフトや管理会計システムの導入を検討しましょう 。
クラウド会計ソフトの活用
最近のクラウド会計ソフト(例:freee、マネーフォワード クラウド会計、弥生会計 オンラインなど)には、基本的な経営分析機能や部門別会計機能が搭載されているものもあります。まずは今お使いの会計ソフトの機能を確認してみるのも良いでしょう。
これらのソフトは、日々の取引入力から財務諸表作成までを効率化し、管理会計に必要なデータの収集を容易にします。
中小企業向け管理会計システム/ERPの選択肢
より本格的な管理会計を行いたい場合は、専用の管理会計システムやERP(統合基幹業務システム)の導入も視野に入ります。これらは予算策定、予実管理、原価計算、セグメント別損益管理などを効率的に行い、リアルタイムな経営判断を支援します。
選択肢としては、SCSKの「PROACTIVE」、オロの「ZAC」や「Reforma PSA」、SAPの「SAP Business One」などが挙げられます。導入形態には、初期費用を抑えやすく柔軟性の高い「クラウド型」と、自社サーバーで管理する「オンプレミス型」がありますので、自社の規模、予算、セキュリティポリシーに合わせて選びましょう。
ステップ5:専門家のサポート活用も視野に~税理士・中小企業診断士への相談~
自社だけでの導入や運用が難しいと感じたら、無理せず専門家の力を借りることも有効な手段です。
どんな専門家に相談できる?
- 税理士
- 顧問税理士が管理会計に詳しければ、相談に乗ってくれる可能性があります。特に、経営アドバイスにも力を入れている税理士であれば心強いでしょう。ただし、税務会計が専門で管理会計には詳しくない税理士もいるので、見極めが必要です。
- 中小企業診断士
- 経営全般の専門家であり、管理会計の導入支援を行っている中小企業診断士もいます。企業の状況に合わせた実践的なアドバイスが期待できます。
- 管理会計コンサルタント
- 管理会計の導入・運用を専門とするコンサルタントに依頼する方法もあります。費用はかかりますが、専門的なノウハウでスムーズな導入を支援してくれます。
ステップ6:継続的な改善と定着化
管理会計は一度導入したら終わりではありません。会社の成長や経営環境の変化に合わせて、常に見直し、改善していくことが重要です。
- ポイント
- 定期的なレビュー
- 作成した管理会計資料が本当に経営判断に役立っているか、定期的に見直しましょう。
- 社員へのフィードバックと教育
- 管理会計の情報を社内で共有し、社員がその意味を理解し、日々の業務に活かせるように働きかけましょう 。
- 成功体験の共有
- 管理会計を導入して成果が出た事例を社内で共有し、成功体験を積み重ねることが定着への近道です。
- 定期的なレビュー
焦らず、自社のペースで、少しずつ管理会計を育てていくという意識が大切です。
FAQ:中小企業経営者のための管理会計Q&A
Q1.うちのような小さな会社(従業員10~30名)でも、管理会計は本当に必要ですか?
A1.はい、むしろ従業員規模がそれくらいの成長期にある会社にこそ、管理会計は非常に有効です。社長一人の目が行き届きにくくなり始める規模であり、どんぶり勘定では見えない問題点や成長のボトルネックが潜んでいる可能性があります。シンプルな形からでも管理会計を導入することで、データに基づいた的確な意思決定ができ、持続的な成長をサポートします。
Q2.会計の知識がほとんどないのですが、管理会計を導入できますか?
A2.はい、大丈夫です。管理会計は法律で定められた難しいルールがあるわけではなく、自社の経営に役立つ情報を見るためのものです。最初は、売上や大まかな経費を製品別や部門別に分けてみるなど、簡単なところから始められます。必要に応じて、会計ソフトのサポート機能を利用したり、税理士や中小企業診断士といった専門家に相談したりすることも可能です。
Q3.管理会計を導入するのに、何から手をつければ良いか具体的に教えてください。
A3. まずは、社長自身が「自社の数字をしっかり把握して経営に活かすぞ!」と決意することです。次に、「どの製品が一番儲かっているか知りたい」「部門ごとのコストを把握したい」など、具体的に「何を見たいか」を明確にします。そして、Excelなどで簡単なデータ集計から始めてみましょう。例えば、製品ごとの売上と仕入れ値を集計して利益を比較するだけでも、新たな発見があるはずです。
Q4.管理会計の導入は、税理士に全部お任せできますか?
A4.税理士は税務会計の専門家であり、財務諸表の作成や税務申告が主な業務です。管理会計は社内向けの経営判断のためのものであり、会社の事業内容や戦略を深く理解する必要があるため、社長自身や社内の担当者が主体的に関わることが重要です。ただし、管理会計に詳しい税理士であれば、導入のサポートやアドバイスをしてくれる場合もあります。まずは顧問税理士に相談してみるのが良いでしょう。もし管理会計の知見があまりないようであれば、中小企業診断士や管理会計コンサルタントといった他の専門家の活用も検討しましょう。
Q5.管理会計システムを導入した方が良いのでしょうか?Excelでもできますか?
A5.最初はExcelで十分始められますし、多くの中小企業がExcelを活用しています。しかし、扱うデータ量が増えたり、より複雑な分析が必要になったり、リアルタイムで情報を共有したくなったりした場合には、管理会計システムやERPの導入が有効です。クラウド型の会計ソフトの中にも、管理会計に役立つ機能を持つものがあります。自社の状況や予算に合わせて、段階的に検討していくのが良いでしょう。
まとめ:管理会計は社長の最強の武器!データに基づいた経営で会社を成長させよう
この記事では、中小企業の経営者であるあなたが「どんぶり勘定」から脱却し、データに基づいた強い経営を実現するために不可欠な「管理会計」について、その基本から財務会計との違い、具体的な活用法、そして導入ステップまでを解説してきました。
重要ポイント:
- 管理会計は社長のための「社内専用の羅針盤」
- 外部報告用の財務会計とは異なり、経営判断や未来の戦略立案に特化した、会社独自のルールで運用できる会計です。
- 財務会計との決定的な違い
- 目的(社内向け vs 社外向け)、ルール(自由 vs 法律・基準)、時間軸(未来志向 vs 過去志向)が全く異なります。
- 管理会計でできること
- 予算管理、原価管理、経営分析、業績評価、資金繰り管理などを通じて、会社の「儲けのカラクリ」や「隠れた問題点」を明らかにします。
- 中小企業こそ管理会計を
- 経営判断の精度向上、問題点の早期発見、社員のモチベーションアップなど、多くのメリットがあります。
- 導入はスモールスタートでOK
- まずは社長自身が数字と向き合い、Excelなど簡単なツールから「見える化」を始め、必要に応じて会計ソフトや専門家のサポートを活用しましょう。
管理会計は、決して大企業だけのものではありません。むしろ、限られた経営資源を最大限に活かさなければならない中小企業にとってこそ、強力な武器となり得ます。
最初は難しく感じるかもしれませんが、この記事で紹介したステップを参考に、まずは一歩を踏み出してみてください。数字という客観的な根拠に基づいた意思決定は、あなたの会社をより強く、より成長できる体質へと変えていくはずです。
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松嶋真倫
監修者は記事の内容について監修しています。



