経理担当として、請求書管理の負担を感じていませんか?発行・送付から入金確認、保管まで手作業が多く、本来の業務に集中できないという声は少なくありません。
取引件数の増加に伴い、請求漏れや金額ミスなどのトラブルが発生しやすくなります。加えて、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応が求められる中、紙やExcel中心の管理には限界があります。
本記事では、請求管理の基本や正しい処理・保管方法、さらに業務を効率化するためのシステム活用ポイントを解説します。法令対応と効率化を両立し、煩雑な請求業務から解放されたい方はぜひご覧ください。
目次
請求管理とは? 正しい請求書管理の重要性
請求管理(請求書管理)とは、発行・受領した請求書を適切に事務処理し、ルールに従って保存・維持していくことです。具体的には、取引先への請求書発行から送付、支払期限までの入金管理、受け取った請求書に対する支払処理、そして最終的な書類保管までが含まれます。
請求書管理は法令上の義務
請求書は企業間取引で代金を請求・証明する重要書類です。所得税法・消費税法・法人税法などにより一定期間の保存義務が定められており(法人は原則7年、個人事業主は5年など)、適切に管理・保管しなければなりません。
管理不備が与える影響
請求書の処理や保管がおろそかになると、請求漏れによる売上の未計上や、金額ミスによる入金トラブルが発生しかねません。それは自社の収益を損ない、取引先からの信用も失う重大な結果を招きます。請求書管理は会社の売上に直結する極めて重要な業務なのです。
インボイス制度で増す重要性
2023年開始の適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)では、適格請求書発行事業者が発行する請求書について、受領側だけでなく発行側にも7年間の保存義務が課されました。
つまり自社がインボイス発行事業者となる場合、従来以上に請求書を正しく管理・保存する必要があります。制度対応の有無によって仕入税額控除にも影響するため、経理担当者は最新のルールを踏まえた請求管理を行わねばなりません。
請求管理を正しく行わないと、代金回収の漏れや支払遅延を招き、企業の資金繰りや信用に悪影響を与えかねません。特に中小企業では、経理担当者が他業務を兼任していることも多く、人的リソース不足から請求業務が滞りがちです。だからこそ効率的かつ確実な請求書管理方法を身につけることが重要です。
経理担当者が覚えておくべきインボイス制度に関しては『インボイス制度で業務ミスが増える前に!経理担当がやるべきことを徹底解説』をご覧ください。
次に、基本となる請求書の正しい管理方法について、発行時・受領時それぞれの流れを確認しましょう。
請求書の正しい管理方法(発行・受領の流れ)
発行した請求書の管理手順
自社から取引先へ請求書を発行した場合は、以下の手順で管理します。ポイントは「未入金」と「入金済み」のステータスで分類し、支払状況を一目で把握できるようにすることです。
- 請求書発行・送付
- 取引先への請求書を発行し、控え(写し)を自社で保管します。発行した請求書の控えは一旦「未入金」フォルダ(またはファイル)にまとめて保管しましょう。この時点ではまだ代金回収が完了していないため、未回収リストとして管理します。
- 入金確認
- 請求書の支払期限になったら、入金があったか銀行口座や入金通知で確認します。取引先や請求日が多い場合は、支払期日の早い順または請求日順に控えを並べておくと確認漏れを防げます。万一期限を過ぎても未入金なら、取引先へ支払い督促(リマインド)を行います。
- 入金済み処理
- 入金が確認できた請求書の控えには「入金済み」スタンプや備考を付記し、未入金フォルダから取り出します。そして「入金済み」専用のフォルダに移し替えて保管します。入金日も控えにメモしておくと、後日確認が容易です。少数の取引先しかない場合は月ごとにまとめて保管し、多数の取引先がある場合は取引先別にファイルを分けると良いでしょう。
このように発行した請求書は支払い状況に応じて管理方法を変えることが重要です。未入金の請求書のみを集約しておけば、どの取引先の支払がまだか一目瞭然ですし、入金済みの請求書だけ別にまとめれば、売上計上済みの取引を過去に遡って確認する際にも便利です。
発行後の請求書控えは必ず未入金フォルダに入れ、入金確認後は即座に入金済みフォルダへ移すというルールを徹底しましょう。紙の請求書管理ではこうしたファイリングの工夫がミス防止に直結します。
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受領した請求書の管理手順
他社(取引先)から受領した請求書の管理も、基本は発行時と同様に未払いと支払済で分類して行います。経理担当者は支払い処理の完了まで、請求書を追跡管理する必要があります。具体的な手順は次の通りです。
- 請求書受領と内容確認
- 請求書を受け取ったら、まず支払前のものとして「未払い」フォルダに保管します。複数の請求書がある場合は支払期限や請求日で並べておくと管理しやすくなります。同時に、請求書の記載内容(金額や品目など)が事前の納品書・発注書・見積書と相違ないか確認します。万一誤りがあれば正しい請求書を再発行してもらう必要があるため、受領後は検証が済むまでファイル内で区別(未確認 vs 確認済み)しておくと安心です。
- 支払処理と完了確認
- 内容に問題がなければ、社内の支払手続きを経て取引先への支払いを行います。支払いが完了したら、該当の請求書に「支払済み」の印や備考を付記し、未払いフォルダから「支払済」フォルダへ移します。こうすることで現在未払いの請求書と区別でき、二重支払の防止にもなります。支払済み請求書も発行分と同様に月別または取引先別で整理しておくと、後日必要になった際に探しやすくなります。
受領した請求書の管理で特に大切なのは、もらった請求書を放置しないことです。支払いが完了するまで未払いファイルで管理し、処理済みか否か一目で判別できる状態を維持しましょう。「支払漏れ」で取引先に迷惑をかける事態は絶対に避けねばなりません。
また請求書の中には消費税の適格請求書(インボイス)が含まれる場合もあります。その場合、仕入税額控除を確実に受けるため、インボイス該当分の請求書を他と区別して保管しておくとよいでしょう。インボイスかどうかで税務上の扱いが変わるため、受領段階でチェックし、必要に応じてファイルを分けることも一法です。
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請求書の分類
正しく処理した請求書は、法定の保存期間に従って保管しなければなりません。日本の税法では請求書など帳簿書類の保存期間を以下のように定めています。
以上のように区分ごとに年限が異なりますが、いずれも法律で定められた期間内は勝手に破棄できません。保存期間を過ぎた請求書については任意に廃棄可能ですが、税務調査などの可能性も考慮し、可能なら長めに保管する企業もあります。
保管方法と保存期間
保管方法については、紙の請求書であればファイリングによる保管、電子データで受け取った請求書であれば電子保存が必要です。
特に注意すべきは2022年の電子帳簿保存法改正です。これにより、メール添付PDF等で電子的に受け取った請求書は紙に出力しての保存が認められず、そのままデータで保存することが義務付けられています。仮に電子請求書を印刷して紙保存しただけでは法令違反となるので注意してください。
電子保存する際は、後から目的のデータを迅速に検索できるように適切なファイル名や索引を付ける必要があります。具体的にはファイル名に「取引年月日」「取引先名」「取引金額」の3項目を含めると、これらを検索条件として絞り込めるため要件を満たしやすくなります。例えば「20230731_〇〇商事_150000.pdf」のような形式です。
こうしたルールに沿って電子化すれば、紙よりも効率よく大量の請求書を管理・保存できるでしょう。
請求書の保管は「発行控え」と「受領分」を混ぜずに別々にファイリングするのが基本です。さらに各々を未処理/処理済み(未払い/支払済、未入金/入金済み)で区分けすれば、どの請求書がどこまで処理されたか一目で把握できます。
紙媒体では年度や月単位、取引先単位でインデックスを付けて整理し、棚やキャビネットに保管しましょう。電子データで管理する場合もフォルダ分けの工夫は同様です。
例えば「請求書(発行)\2023年度\〇月\…」「請求書(受領)\取引先別\…」といった階層を作っておくと探しやすくなります。
保管期間を過ぎ廃棄する際にも、分類が行き届いていれば古いものだけ選んで処分しやすくなる利点があります。
請求書管理における課題と非効率の原因
紙・Excelベースの管理が抱える問題
多くの中小企業では、請求書の発行・受領管理に紙書類やExcel台帳を用いているのが実情です。しかし、これら従来手法にはいくつかの限界と問題点があります。
ファイリングの手間と人的ミス
紙の請求書は受発行のたびに印刷・押印・封入・郵送・ファイリングと多くの作業工程が発生します。月末には全請求書をまとめてファイルする必要があり、その都度かなりの時間と手間を要します。人力に頼るためヒューマンエラー(ファイルの取り違え、入力ミス、計算ミスなど)も起きやすく、特に件数が増えるとミスの発見が困難になります
リアルタイム性の欠如
Excelで請求台帳をつけていても、複数担当者で同時に更新しづらく、情報が分散しがちです。一人の担当者のローカルPC内で管理していると他の人が状況を把握できず、属人的な運用になります。その結果、担当者が不在の際に入金確認や督促対応が滞るリスクがあります。
検索・集計の非効率
過去の請求書を探すにも紙ファイルをめくって探す必要があり、検索性が低いです。Excelでも、膨大な行の中から特定取引先や金額をフィルタする手間がかかります。締決算時に年間の請求データを集計する場合も、手作業で伝票を集めたりExcel関数を組んだりと工数がかかります
郵送コスト・保管コスト
紙の発行では1通ごとに切手代・封筒代が発生し、印刷には紙代・トナー代もかかります。1社あたりは些細でも、取引先が数百社規模になると年間で相当なコスト負担です。また紙ファイルを保管するキャビネットや倉庫スペースの確保にもコストがかかります。狭いオフィスでは保管場所の確保自体が難しいケースもあります。
以上のように、紙やExcelベースの請求管理には多大な手間とリスクが内在しています。特に「忙しくてファイル整理が後回し」「担当者しか状況を把握しておらず引き継ぎが難しい」といった声はよく聞かれます。実務に追われ確認漏れが生じれば、未回収や二重請求など取り返しのつかないミスにもつながりかねません。業務量の拡大に対しスケーラビリティが低いのも手作業の弱点で、会社が成長するほど問題が顕在化します。
インボイス制度・電子化対応で増える負担
2023年のインボイス制度導入や2022年の電子帳簿保存法改正は、経理部門に新たな対応を迫りました。これら制度面から生じる請求管理上の課題も整理しておきます。
インボイス制度への対応
適格請求書発行事業者として登録した企業は、発行する請求書に所定の項目(適格請求書番号や税率ごとの消費税額等)を記載する必要があります。フォーマット変更やシステム改修が必要になるケースもあり、小規模事業者にとって負担です。
また受領側としては、インボイスでない請求書は仕入税額控除ができなくなるため、受け取った請求書が適格請求書か否かを判別・仕分けする業務が増えました。これらを人手で管理するのは煩雑で、見落としが生じるリスクがあります。
電子帳簿保存法への対応
改正により電子取引データの電子保存義務が施行され(猶予期間を経て2024年より原則適用)、経理現場では対応が不可欠です。例えばメールで受け取るPDF請求書は紙に印刷して保管する従来手法が通用せず、システム上での管理体制を整えなければなりません。
また、スキャナ保存要件の緩和により紙のスキャン保存も利用しやすくなりましたが、適用には一定の要件(タイムスタンプ付与や解像度要件、検索機能確保など)を満たす必要があり、自前で運用するにはハードルがあります。ファイル名への項目埋込など煩雑な規定も多く、担当者の知識負担が重いです。
ITリテラシー格差
請求書の電子化を進めたくても、取引先によって対応状況が様々であることも課題です。大企業はすでに電子請求書プラットフォームを導入している一方、紙の郵送を希望する取引先も依然少なくありません。自社が電子発行に切り替えても相手が受け取れなければ意味がなく、取引先ごとに運用を変える必要が生じるケースもあります。
このような外部要因も含め、経理担当者は紙と電子のハイブリッド管理を強いられ、管理負荷が増しています。社内でも年配社員にITツールの利用を徹底させる難しさなど、移行期ならではの悩みがあります。
以上のように、新制度・新ルールへの対応は人手による従来管理の限界を浮き彫りにしました。もはや請求書管理のデジタル化・システム化は避けて通れない状況と言えます。
こうした課題を踏まえ、次章では請求管理業務を効率化するための具体的な方法を探ってみましょう。
請求管理業務の効率化策
請求書管理を抜本的に効率化するにはITツールの活用が有効です。中でも請求管理システム(請求書管理システム)と呼ばれるソフトは、請求業務に特化して設計されており、多くの企業で導入が進んでいます。
請求管理システムとは、請求書にまつわる一連の作業をソフトウェア上で自動化・効率化するための仕組みです。具体的には以下のような機能を備えています。
請求書の発行
システム上で請求書データを入力すると、所定のフォーマットで請求書を作成できます。多くの場合、テンプレートが用意されており、社名・ロゴや振込先なども登録済みの情報から自動で反映されます。
請求書の送付
発行した請求書は紙に印刷して郵送するほか、PDFに変換してメール添付で送信することも可能です。システムからワンクリックで複数の取引先に一括送信する機能を持つものもあり、郵送の手間を大幅に削減できます。
取引先情報・案件の管理
取引先マスタを登録しておけば、請求書発行時に宛先入力の手間が省けます。案件やプロジェクト単位で請求書を紐付けて管理でき、誰にいつどんな請求を出したか履歴を簡単に追跡可能です。
ステータス管理(入金状況の追跡)
各請求書について、「送付済み」「閲覧済み(メール開封済み)」「入金待ち」「入金確認済み」などステータスがシステム上で更新・共有されます。取引先がメールの請求書を受け取って開封したかどうか確認できるサービスもあり、請求書の到達確認や未入金の洗い出しが容易になります。
検索・参照機能
過去の請求書データはシステム内に蓄積され、取引先名や日付、金額などで検索すれば目的の請求書を瞬時に表示できます。紙の束をめくる必要はなく、決算期の集計や問い合わせ対応で威力を発揮します。
他システムとの連携
会計ソフトや販売管理システムと連携し、請求データから自動で仕訳伝票を起票したり、入金消込や売掛金管理を一元化することも可能です。銀行の入出金明細を取り込んで請求との突合(マッチング)を自動化したり、未入金に対する督促メールを自動送信する機能を持つ製品もあります。これにより経理担当者のチェック作業を省力化できます。
以上のように、請求管理システムを導入すれば請求書発行から送付、入金確認、帳簿付けまでのプロセスを一元管理できます。紙やExcelで分断されていた情報がクラウド上に集約されるため、請求業務の進捗が誰の目にも明確になり、属人的な“見落とし”が発生しにくくなります。
請求管理システム導入のメリット
請求管理システムを導入すると、これまで見てきたような様々な機能によって業務効率化と品質向上が期待できます。ここでは主なメリットを整理します。
ミス・漏れの防止による信頼性向上
システム化により手入力・手計算が減り、ヒューマンエラーが削減されます。例えば金額の自動計算機能により端数処理ミスがなくなり、同時に複数人でデータ確認できるためダブルチェックが効きます。
請求漏れについても、未送付や未入金の案件をシステムがアラートで知らせてくれるため、請求し忘れ・回収漏れが起こりにくくなります。結果として取引先とのトラブル発生を防ぎ、信頼関係を損なうリスクを低減します。
業務プロセス全体の効率化
前述の通り、請求書の作成・発送・入金確認など多くの工程がボタン操作一つで完了します。特に紙ベースで行っていた印刷・封入・郵送手配などは、大幅な工数削減が可能です。システム上で請求書が確実に相手に届いたか分かるため、送付後のフォロー(電話やメールでの着確認)も不要になります。
また、受領側も電子データで請求書をもらえれば、自社の会計ソフトに自動連携して経理処理を省力化できるなど、発行側・受領側双方にメリットがあります。このように全体最適が図れる点が大きな強みです。
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属人化の解消と情報共有
システム導入により請求データがクラウド上で共有されるようになると、担当者以外の社員でも案件の状況を把握できます。担当者が急休しても他メンバーでフォローが可能になり、業務が滞留しません。過去データも全員がアクセスできるため、「前任者しか分からない」という属人的な状態を解消できます。特に経理部門の少人数体制では、請求業務のチーム内可視化はリスク管理上とても重要です。
コスト削減
システムによるペーパーレス化で、紙・印刷・郵送関連のコストが削減できます。一通あたりは小さな額でも、塵も積もればであり、取引先数が多ければ年間で数十万円〜数百万円の節約になり得ます。
実際、Sansanの調査では、請求書送付の電子化によるメリットについて、対象者の半数以上が「郵送料や印刷費、封筒代などのコストが減った」と回答しています(*)。また定型業務をソフトが肩代わりすることで、長期的には人件費の圧縮も可能です。このように目に見える経費減も大きなメリットです。
スピーディな経営判断
請求・入金情報がリアルタイムで集約されることで、売上計上状況や未収金額などを常に正確に把握できます。月次の締め処理も迅速化し、経営層へのレポーティングが早まります。タイムリーな業績把握は経営判断の精度を高め、ひいてはキャッシュフロー管理や資金調達の適切なタイミングにも寄与します。請求業務の効率化は経営管理全般の迅速化につながるのです。
法令遵守と内部統制の強化
多くの請求管理システムはインボイス制度や電子帳簿保存法といった最新の法規制に対応済みであり、安心して運用できます。例えば電子データ保存でもタイムスタンプ付与や検索性確保など法律要件が自動的に満たされるよう設計されています。
監査対応機能(証跡の記録や承認フローの管理)を備えた製品もあり、内部統制の観点でも有用です。手作業だと見逃しがちな部分も、システム上でログ管理・権限設定できるため、不正防止・業務統制にも役立ちます。
このようにメリットは多岐にわたります。要約すれば、「速く・確実に・安く・安心して」請求業務を回せるようになるということです。定型的で煩雑な請求業務から解放されれば、経理担当者は本来注力すべき分析業務や戦略業務に時間を割けるようになります。
企業成長を支える経理DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、請求管理システム導入は大いに検討する価値があるでしょう。
請求管理システムの選び方・使い方
システム選定のポイント
請求管理システムには様々な種類・製品があります。自社に最適なものを選ぶ際は、以下のポイントに注意しましょう。
コスト
システムの料金体系は、ユーザー数や利用機能によって異なります。例えば基本プランで○名まで、○件まで請求書発行可能、といった制限がある場合も。導入前に「何人でどの機能を使いたいか」を明確にし、それを満たすプランの費用を比較しましょう。
機能が豊富な高額プランより、必要最低限の機能で安価なプランの方がコスパが良いケースもあります。また郵送代行サービスなどはオプション料金となることが多いので、必要ならその費用も含めて検討します。
セキュリティ
請求情報は社外秘の重要データです。クラウド型システムでは情報漏洩リスクへの対策が不可欠となります。具体的には、通信の暗号化はもちろん、社外からの不正アクセスを防ぐための二要素認証やIP制限、データセンターの堅牢性、24時間監視体制、定期バックアップの有無などをチェックしましょう。
ほとんどのサービスで標準的なセキュリティ対策は講じられていますが、念のため信頼できるサービスか確認することが大切です。
機能
自社の業務範囲を踏まえ、必要な機能が備わっているかを確認します。基本的な請求書発行・送付機能だけで十分な場合もあれば、納品書・見積書作成や支払明細書発行もまとめて管理したい場合もあるでしょう。
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また、請求後の入金管理や消込、督促、さらには売上レポート作成や決算書出力まで求める場合は、それら高度な機能に対応したシステムが必要です。
さらに、他の基幹システム(会計ソフトや販売管理ソフト)との連携可否も実務上重要です。現場の声を聞き、「この機能があれば〇〇の手間が省ける」という観点で必須機能を洗い出すと選定しやすくなります。
サポート体制
導入後に困ったとき、迅速にサポートしてもらえるかもポイントです。問い合わせ対応のサポートデスクが平日営業時間内にあるか、マニュアルやFAQが充実しているか、オンボーディング支援(初期設定代行や操作トレーニング)があるかなどを確認しましょう。
特に初めてシステムを導入する企業では、初期段階のサポートが充実しているほどスムーズに立ち上がります。
スケーラビリティ
事業拡大に伴い請求件数やユーザー数が増えても対応できるかも見ておきます。将来的に取引先が倍増しても使えるか、大量データでも動作が重くならないか、上位プランへの変更が柔軟にできるかなどです。長く使い続ける前提で、アップデートの頻度や新機能追加の予定なども情報収集すると良いでしょう。
これらのポイントを総合して、自社の条件にマッチする請求管理システムを選定してください。MCB FinTechカタログでは主要サービスの説明資料をまとめて一括請求できますので、比較検討の際に活用すると効率的です。
請求書管理システムの使い方(運用のコツ)
システムを導入しても、正しく運用しなければ十分な効果は得られません。ここでは請求管理システム運用のコツや、社内外への浸透のポイントを解説します。
現行フローの見直し
導入前に、現在の請求処理フローを洗い出し図解しておきましょう。どの部署でどのように請求書を作成し、誰が承認し、誰が送付・入金確認しているかを可視化します。
その上でシステム導入後の新フローを設計し、二重管理や抜け漏れがないようにします。例えば承認プロセスをシステム上で完結させる場合、上司の電子承認をどう行うか決めておく、といった具合です。
段階的な移行
最初から全取引をシステム管理に切り替えるのが難しければ、段階的に移行しましょう。まずは自社発行の請求書だけシステム化し、慣れてきたら受領請求書の処理も取り込む、といったステップを踏むのも一案です。
紙と電子が混在する過渡期は、例えば「2025年以降の請求書はすべて電子保存、それ以前は紙ファイル保存」といった形でルールを決め、徐々にペーパーレス化率を高めていきます。
操作トレーニング
導入時には必ず担当者向けに操作研修を実施しましょう。ベンダーからトレーナーを呼ぶか、詳しい社員が講師となり主要機能の使い方を共有します。マニュアルを整備し社内の共用フォルダに置いておくことも有用です。新人が異動してきてもマニュアルを読めば使える状態にしておけば、システム定着がスムーズになります。
取引先への案内
自社側がシステムで請求書を発行する場合、取引先には「今後PDFで請求書をお送りします」のように事前案内をしましょう。突然メール送付に変えると見落とされる恐れもあるため、移行初月は電話等でフォローすると親切です。
反対に取引先から電子請求書を受け取る場合も、「当社は電子帳簿保存法に従いPDFで請求書を受領しますので、ご協力お願いします」と依頼することで紙の郵送を減らせる可能性があります。要は相手側の事情にも配慮しつつ、自社の電子化ポリシーを周知していくことが大切です。
定期的な棚卸し
システム運用が軌道に乗った後も、定期的に設定や運用フローを見直しましょう。請求先や件数が増えたらユーザーやプランの見直し、新機能追加があれば活用検討、といった具合に継続改善していくことで、常に最適な使い方ができます。導入して終わりではなく、運用しながらより良い方法を追求する姿勢が重要です。
請求管理システムの使い方自体は決して難しくありません。基本的には画面の案内に従ってデータを入力・登録し、ボタン操作で請求書を発行・送付するといったシンプルな流れです。
多くのサービスは直感的なUIを備えており、メールやExcelに慣れている方なら数日触れば十分習得できるでしょう。むしろ一度システム化の利便性を実感すれば、「もう以前の手作業には戻れない」と感じるはずです。
大切なのは、「システムに仕事のやり方を合わせる」意識です。旧来の紙やExcel前提の手順に固執せず、システムを最大限活かせるよう業務フローを再構築することで、真の効率化が達成できます。
▷請求書管理システム導入前に読んでおきたい
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FAQ(よくある質問)
Q1. 請求書は保管しておく必要がありますか?
A. はい、法律で定められた期間は保管義務があります。法人なら原則7年間、個人事業主なら5年間の請求書保存が必要です(個人でも消費税課税事業者の場合は7年間)。
この期間は請求書の日付から数えるのではなく、法人は事業年度の確定申告期限翌日から、個人は確定申告期限翌日から起算します。期間満了前に勝手に破棄することは許されません。したがって法定期間中は紙・データを問わずきちんと保存し、税務調査に備える必要があります。
Q2. 請求書管理を効率化する方法はありますか?
A. ペーパーレス化とシステム活用が鍵です。
まずは請求書のやり取りをできる限り電子化しましょう。紙の郵送ではなくPDFメール送付にするだけでも、印刷・郵送の手間やコストが削減できます。受領側も紙で受け取ったものはスキャンして電子データ化し、フォルダ管理すれば検索性が向上します。ただし電子保存する際は電子帳簿保存法の要件(検索可能性など)を満たす必要がある点に注意が必要です。
次に、請求管理システムの導入を検討しましょう。システムを使えば請求書発行から送付、入金チェックまで一元管理でき、手作業を大幅に減らせます。特に月数百件規模の請求がある場合、システム導入で処理時間を9割削減できた例もあります。小規模でも、将来の取引増に備えて早めに電子化・システム化しておくと安心です。
Q3. 請求管理システムにはどんな種類がありますか?
A. 大きくオンプレミス型(自社サーバー構築)とクラウド型(オンラインサービス利用)に分かれます。
中小企業には初期費用が低く手軽なクラウド型が人気です。製品例として、請求書発行に特化したもの、入金消込や督促機能まで備えたもの、会計ソフトと一体化したERP系、請求代行サービス(発行〜回収までアウトソーシング)などがあります。自社の規模・業種・課題に合った種類のシステムを選ぶことが大切です。
Q4. システム導入の費用対効果はどのくらいありますか?
A. 導入コストにもよりますが、費用対効果は非常に高いケースが多いです。
例えば月額数万円のクラウドサービスを導入し、経理担当者の工数を大幅に削減できれば、人件費換算で充分元が取れます。また金銭換算できないメリット、例えばミス防止による信用維持や、従業員の残業削減による働き方改善なども見逃せません。
総合的に見れば、請求管理システムは投資に値するソリューションと言えるでしょう。ただし過剰な高機能システムを入れて宝の持ち腐れにならないよう、自社に必要十分な規模のサービスを選び、無理なく運用することが前提です。
Q5. 請求書以外の書類(見積書・納品書など)も一緒に管理できますか?
A. 多くの請求管理システムは見積書・納品書・発注書・領収書など関連書類の管理機能を備えています。特に見積→受注→請求→入金までの一連の販売管理機能が統合されたサービスもあり、請求書以外の帳票も同じ画面で作成・送付・保存できます。
例えば発行した見積書からワンクリックで請求書に変換したり、納品書と請求書を紐付けて管理できるなど便利な機能があります。ただし製品によって対応範囲が異なるため、見積書管理もしたい場合は対応ソフトを選ぶ必要があります。
なお電子帳簿保存法上は見積書や契約書も保存義務のある書類なので、請求書と合わせてシステムでデータ管理しておくとコンプライアンス面でも安心です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修者は記事の内容について監修しています。






