「ブロックチェーンウォレット(暗号資産ウォレット)って最近よく聞くけど、一体何なの?種類もたくさんあるみたいだし、本当に安全に使えるのか不安…」そんな疑問や不安をお持ちではありませんか?
暗号資産(仮想通貨)の取引や管理に不可欠なブロックチェーンウォレット。しかし、その仕組みや正しい選び方、安全な使い方を理解するのは容易ではありません。
この記事では、ブロックチェーンウォレットの基本構造から、あなたに最適なウォレットを見極めるための具体的な比較ポイント、そして大切な資産を確実に守るためのセキュリティ対策に至るまで、金融テクノロジーの専門家が一つひとつ丁寧に、そして分かりやすく徹底解説します。
読み終える頃には、あなたはブロックチェーンウォレットの全体像を明確に把握し、自信を持って暗号資産管理の第一歩を踏み出せるようになっているでしょう。さらに、安全性を飛躍的に高めるためのプロのヒントや、話題のNFT取引、DeFi(分散型金融)に活用できるウォレットについても具体的に紹介しますので、どうぞご期待ください。
目次
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サービス掲載を相談するブロックチェーンウォレット(暗号資産ウォレット)とは?~今さら聞けない基本のキ~
近年、ニュースやインターネットで「ブロックチェーン」や「暗号資産(仮想通貨)」という言葉を耳にする機会が増えました。それに伴い、「ブロックチェーンウォレット」という言葉も聞かれるようになりましたが、具体的にどのようなものか、正確に理解している方はまだ少ないかもしれません。
このセクションでは、ブロックチェーンウォレットの最も基本的な概念について、初心者の方にも分かりやすく解説します。
従来の財布との決定的な違い:ウォレットは「鍵」を保管する場所
ウォレットと聞いて多くの方がまず思い浮かべるのは、日本円や米ドルといった法定通貨を保管する「お財布」かもしれません。しかし、ブロックチェーンウォレットは、その性質が従来の財布とは根本的に異なります。
ブロックチェーンウォレットでは実際のデジタル通貨を保管するのではなく、ユーザーの保有する秘密鍵と公開鍵を保管します。そして、ユーザーはこれらの鍵を使ってブロックチェーン上に保管されている自身の暗号資産にアクセスし、通貨の取引を行います。
より正確に言えば、暗号資産そのものはブロックチェーンという分散型台帳システム上に記録されており、ウォレットはその記録にアクセスし、取引を承認するための「鍵束」や「金庫の鍵」のような役割を果たすデジタルツールなのです。
つまり、ウォレット自体が暗号資産を「中に入れて持ち運ぶ」わけではありません。この点を理解することが、ブロックチェーンウォレットを正しく理解する上での第一歩となります。
なぜウォレットが必要?暗号資産管理の重要性
では、なぜブロックチェーンウォレットが必要なのでしょうか。主な理由は、暗号資産を安全かつ主体的に管理するためです。
暗号資産取引所に口座を開設し、そこで暗号資産を購入・保管することも可能です。これは手軽な方法ですが、取引所に資産を預けている状態は、厳密には自分自身で資産を完全にコントロールしているわけではありません。万が一、取引所がハッキング被害に遭ったり、経営破綻したりするリスクもゼロではありません。
一方、自身でブロックチェーンウォレットを管理する場合(特に秘密鍵を自分で管理するタイプのウォレット)、暗号資産に対する直接的なコントロール権を持つことになります。これにより、第三者のリスクから資産を保護し、より主体的な資産管理が可能になるのです。
また、NFT(非代替性トークン)の購入や保管、DeFi(分散型金融)と呼ばれる新しい金融サービスへの参加など、ブロックチェーン技術を活用した様々なサービスを利用する際には、多くの場合、専用のブロックチェーンウォレットが必要となります。
このように、ブロックチェーンウォレットは、暗号資産を安全に保管するだけでなく、ブロックチェーンの可能性を広げるための重要なツールと言えるでしょう。
ブロックチェーンウォレットの仕組みを分かりやすく解説
ブロックチェーンウォレットが「鍵」を管理するツールであることはご理解いただけたかと思います。では、その「鍵」とは具体的に何で、どのように機能するのでしょうか。
このセクションでは、ブロックチェーンウォレットの基本的な仕組みについて、主要な構成要素とともに解説します。
公開鍵・秘密鍵とは?金庫と鍵に例えて理解しよう
ブロックチェーンウォレットの仕組みを理解する上で最も重要なのが、「公開鍵(こうかいかぎ)」と「秘密鍵(ひみつかぎ)」のペアです。これらは暗号技術に基づいて生成される一対のデータで、それぞれ異なる役割を担います。
暗号資産を送金する場合
公開鍵 (Public Key)
- 銀行の口座番号のようなものと考えると分かりやすいでしょう。暗号資産を受け取る際に、送金相手に伝えるアドレス(ウォレットアドレス)の基になります。
- その名の通り、他人に公開しても問題ありません。誰でもあなたの公開鍵(またはウォレットアドレス)宛に暗号資産を送ることができます。
秘密鍵(Private Key)
- 銀行口座の暗証番号や、金庫を開けるための唯一の鍵に例えられます。この秘密鍵を持っている人だけが、そのウォレット内の暗号資産を動かす(送金する、使う)ことができます。
- 絶対に他人に知られてはいけない、極めて重要な情報です。秘密鍵が漏洩すると、ウォレット内の資産が盗まれてしまう危険性があります。秘密鍵の安全な管理こそが、ウォレットセキュリティの核心と言えます。

この公開鍵と秘密鍵のペアによって、ウォレットの所有者は自分だけが資産を管理でき、他者は所有者の許可なく資産を動かせないという安全性が確保されています。
ウォレットアドレスの役割と仕組み
暗号資産を送受信する際には、「ウォレットアドレス」というものを使用します。これは、特定のウォレットを識別するための一意の文字列(英数字の羅列)です。
ウォレットアドレスは、多くの場合、公開鍵からハッシュ関数という数学的な処理を経て生成されます。ハッシュ関数は、元のデータ(この場合は公開鍵)から一方向的に固定長の文字列(ハッシュ値)を生成する技術で、ハッシュ値から元のデータを復元することは極めて困難です。
このウォレットアドレスを相手に伝えることで、そのアドレス宛に暗号資産を送金してもらうことができます。銀行振込で口座番号を指定するのと同じイメージです。ウォレットアドレスは公開鍵同様、他人に知られてもセキュリティ上の問題はありません。
多くのウォレットでは、QRコードでウォレットアドレスを表示する機能もあり、送金時の入力ミスを防ぐのに役立ちます。
取引(トランザクション)はどのように行われる?
では、実際にブロックチェーンウォレットを使って暗号資産を送金する場合、どのような処理が行われるのでしょうか。大まかな流れは以下の通りです。
- 取引の作成: 送金者がウォレットソフトウェアを使い、送金先のアドレス、送金額などを指定して取引情報(トランザクション)を作成します。
- デジタル署名: 作成された取引情報に対し、送金者は自身の「秘密鍵」を使ってデジタル署名を行います。この署名は、「この取引は確かにウォレットの所有者本人によって承認されたものである」という証明になります。
- 取引のブロードキャスト: 署名された取引情報は、ブロックチェーンのネットワークに送信(ブロードキャスト)されます。
- 取引の検証と承認: ネットワーク上の参加者(マイナーやバリデーターと呼ばれる)が、その取引の正当性(署名が正しいか、送金者に十分な残高があるかなど)を検証します。
- ブロックへの記録: 検証・承認された取引は、他の多数の取引とともに「ブロック」という単位にまとめられます。
- ブロックチェーンへの追加: 新しいブロックが、既存のブロックチェーンの最後尾に鎖(チェーン)のように繋げられ、記録が恒久的なものとなります。これにより、取引の改ざんは極めて困難になります。
この一連のプロセスを経て、暗号資産の送金が完了します。ウォレットは、この中の「取引の作成」と「デジタル署名」という重要なステップを担うツールなのです。ビットコインのウォレットは、過去の取引履歴を管理し、ブロックチェーンに記録されている取引情報を閲覧するための手段でもあると言えます。
【種類別】ブロックチェーンウォレットの特徴と比較:あなたに合うのはどれ?
ブロックチェーンウォレットには、その仕組みや管理方法によって様々な種類が存在します。大きく分けると、インターネットに接続された状態で利用する「ホットウォレット」と、インターネットから隔離された状態で利用する「コールドウォレット」の2種類があります。
それぞれの特徴を理解し、ご自身の利用目的やセキュリティに対する考え方に合わせて最適なウォレットを選ぶことが重要です。このセクションでは、主要なウォレットの種類と、それぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
ホットウォレット:手軽さと利便性重視のあなたへ
ホットウォレットは、常にインターネットに接続されているウォレットの総称です。オンラインウォレットとも呼ばれます。最大のメリットは、いつでもどこでも暗号資産にアクセスでき、迅速な取引が可能であるという利便性の高さです。多くのホットウォレットは無料で利用開始できるものが多く、ユーザーフレンドリーなインターフェースを備えているため、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
ただし、インターネットに常時接続されているため、コールドウォレットと比較すると、ハッキングやフィッシング詐欺などのオンライン上の脅威に晒されるリスクが相対的に高くなります。そのため、多額の暗号資産を長期的に保管するのにはあまり向いていません。日常的な少額の取引や、DeFi・NFTサービスへの接続口として利用するのが一般的です。
Webウォレット(ブラウザウォレット)とは?特徴・メリット・デメリット
特徴
Webブラウザの拡張機能として、または特定のウェブサイト上で提供されるウォレットです。Google ChromeやFirefoxなどのブラウザに追加して利用するタイプが代表的で、MetaMask(メタマスク)などが有名です。
メリット
- 導入が容易:ブラウザ拡張機能を追加するだけで、すぐに利用開始できます。
- アクセス性:インターネット環境とブラウザがあれば、どのPCからでも(設定によっては)アクセス可能です。
- DeFi/dApps連携:多くの分散型アプリケーション(dApps)やDeFiプラットフォームとの連携がスムーズに行えます。
デメリット
- セキュリティリスク:ブラウザ自体やPCがマルウェアに感染した場合、秘密鍵が盗まれるリスクがあります。フィッシングサイトに誤って接続し、情報を抜き取られる危険性にも注意が必要です。
- サービス提供者への依存:一部のウェブウォレットは、サービス提供者のサーバー上で秘密鍵の一部または全部を管理する場合があり、その場合は提供者のセキュリティ体制に依存することになります(ただし、MetaMaskのような自己管理型のWebウォレットではユーザー自身が秘密鍵を管理します)。
モバイルウォレットとは?特徴・メリット・デメリット

特徴
スマートフォンアプリとして提供されるウォレットです。iOSやAndroid向けのアプリをダウンロードして利用します。Trust Walletなどが代表例です。
メリット
- 携帯性・利便性:スマートフォンを持ち歩いていれば、いつでもどこでも残高確認や送受信が可能です。実店舗での暗号資産決済などにも利用しやすいです。
- QRコード対応:カメラ機能を使ってウォレットアドレスを簡単に読み取れるため、送金時の入力ミスを防げます。
デメリット
- 端末紛失・故障リスク:スマートフォンが故障・紛失すると、ウォレットにアクセスできなくなる可能性があります(リカバリーフレーズによる復元は可能)。
- マルウェア・不正アプリリスク:不正なアプリをインストールしてしまったり、OSの脆弱性を突かれたりすると、資産が危険に晒される可能性があります。
- 画面の小ささ:PCに比べて画面が小さいため、複雑な操作や詳細な情報の確認には不向きな場合があります。
デスクトップウォレットとは?特徴・メリット・デメリット

特徴
PCに専用のソフトウェアをインストールして利用するウォレットです。MyEtherWalletやElectrumなどが知られています。
メリット
- 自己管理の強化:秘密鍵はユーザー自身のPC内に保存されるため、Webウォレット(一部を除く)や取引所ウォレットよりも管理の主体性が高まります。
- 機能の豊富さ:モバイルウォレットや一部のWebウォレットに比べ、より高度な機能(特定のコインへの対応、複数アカウント管理など)を備えている場合があります。
デメリット
- PCへの依存:インストールしたPCでしか基本的に利用できません。PCがマルウェアに感染したり、ハードディスクが故障したりすると、資産にアクセスできなくなるリスクがあります(リカバリーフレーズによる復元は可能)。
- 設定の複雑さ:一部のデスクトップウォレットは、初期設定や操作がやや複雑で、初心者にはハードルが高い場合があります。
- 完全型と簡易型:全ての取引履歴(ブロックチェーンデータ)をダウンロードする「完全型」はディスク容量を大量に消費します。一部のデータのみを参照する「簡易型」は軽量ですが、セキュリティ面で若干劣る場合があります。
コールドウォレット:セキュリティ最優先のあなたへ
コールドウォレットは、秘密鍵をインターネットから完全に隔離されたオフライン環境で保管・管理するウォレットの総称です。最大のメリットは、オンライン上のハッキングやマルウェア感染のリスクを極めて低く抑えられる点にあり、セキュリティが非常に高いことです。そのため、多額の暗号資産を長期間安全に保管したい場合に適しています。
一方で、利用時には一手間かかることが多く、ホットウォレットに比べて利便性は劣ります。日常的に頻繁な取引を行うのにはあまり向いていません。
ハードウェアウォレットとは?特徴・メリット・デメリット

特徴
USBメモリのような専用の物理デバイスに秘密鍵を保管するウォレットです。Ledger(レジャー)やTrezor(トレザー)といった製品が有名です。取引の署名もデバイス内部のオフライン環境で行われるため、PCがマルウェアに感染していても秘密鍵が漏洩するリスクを低減できます。
メリット
- 最高レベルのセキュリティ:秘密鍵がオンラインに一切触れないため、ハッキングリスクが極めて低いです。
- 物理的な所有感:デバイスを物理的に所有することで、資産を自分で管理している実感が得られます。
- 複数通貨対応:多くのハードウェアウォレットは、ビットコイン、イーサリアムだけでなく、多数のアルトコインに対応しています。
- 紛失・破損時の復元:デバイス自体を紛失したり破損したりしても、設定時に控えたリカバリーフレーズがあれば、新しいデバイスで資産を復元できます。
デメリット
- コスト:デバイスを購入するための初期費用がかかります(数千円~数万円程度)。
- 利便性の低さ:取引の都度、PCやスマートフォンにデバイスを接続し、PINコード入力や物理ボタン操作などが必要になるため、ホットウォレットに比べて手間がかかります。
- 物理的な管理:デバイス本体やリカバリーフレーズを紛失・盗難されないよう、物理的に安全な場所に保管する必要があります。
- 中古品のリスク:中古のハードウェアウォレットは、マルウェアが仕込まれていたり、前の所有者によって不正な設定がされていたりするリスクがあるため、信頼できる正規販売店からの購入が推奨されます。

ペーパーウォレットとは?特徴・メリット・デメリット
特徴
秘密鍵と公開鍵(またはウォレットアドレス)を紙に印刷して保管する方法です。究極のオフライン管理と言えます。
メリット
- 高いセキュリティ:完全にオフラインなので、オンラインハッキングのリスクは皆無です。
- 低コスト:基本的に紙とプリンターがあれば作成できます(安全な生成方法には注意が必要)。
- 長期保管向き:頻繁に動かす予定のない資産を、長期間安全に保管するのに適しています。
デメリット
- 物理的な脆弱性:紙なので、火災、水濡れ、インクの劣化、紛失、盗難といった物理的なリスクに弱いです。保管場所や方法に細心の注意が必要です。
- 利便性の著しい低さ:資産を動かす際には、秘密鍵をオンラインのウォレットソフトウェアにインポート(入力)する必要があり、非常に手間がかかります。また、その際に秘密鍵がオンラインに晒されるリスクも生じます。
- 作成時のセキュリティ:ペーパーウォレットを生成するPCがマルウェアに感染していないこと、安全な乱数生成器を使用することなど、作成プロセス自体のセキュリティ確保が重要です。
- 一部のみの使用が困難:ペーパーウォレットに保管された資産の一部だけを使いたい場合でも、一度全ての秘密鍵をオンラインのウォレットに移す必要がある場合が多く、残りを再度ペーパーウォレット化する手間が発生します。
【比較表】ホットウォレット vs コールドウォレット:一目でわかる違い
ここまで見てきたホットウォレットとコールドウォレットの主な違いを、以下の表にまとめました。ご自身のニーズと照らし合わせながら、どちらのタイプがより適しているか検討する際の参考にしてください。
| 比較項目 | ホットウォレット | コールドウォレット |
|---|---|---|
| インターネット接続 | 常時接続 | 非接続(オフライン) |
| セキュリティ | △(オンラインのため、ハッキングリスク相対的に高い) | ◎(オフラインのため、ハッキングリスク極めて低い) |
| 利便性 | ◎(いつでもどこでもアクセス可能、迅速な取引) | △(利用時に一手間かかる、日常的な頻繁な取引には不向き) |
| 主な形態 | Webウォレット、モバイルウォレット、デスクトップウォレット | ハードウェアウォレット、ペーパーウォレット |
| コスト | 無料のものが多い | ハードウェアウォレットは購入費用が発生 |
| 主な用途 | 少額の保管、日常的な送受信、DeFi・NFT利用の窓口 | 多額・長期の資産保管、セキュリティ最優先の場合 |
| 具体例 | MetaMask, Trust Wallet, Exodus | Ledger Nano S/X, Trezor, 紙に印刷した秘密鍵 |
| メリット | 手軽さ、迅速性、多くのサービスとの連携の容易さ | 高い安全性、物理的な所有感(ハードウェアの場合) |
| デメリット | ハッキングリスク、オンライン環境への依存 | 利便性の低さ、物理的な紛失・破損リスク(対策可能) |
後悔しない!ブロックチェーンウォレット(暗号資産ウォレット)の選び方5つのポイント
ブロックチェーンウォレットには様々な種類があることをご理解いただけたと思いますが、実際に自分に合ったウォレットを選ぶとなると、何を基準にすれば良いか迷ってしまうかもしれません。
ここでは、後悔しないためのウォレット選びの重要なポイントを5つご紹介します。
Point 1:セキュリティの高さを確認する
ウォレット選びで最も優先すべきはセキュリティです。あなたの貴重な暗号資産を守るために、以下の点を考慮しましょう。
- ホットウォレットかコールドウォレットか:一般的に、オフラインで秘密鍵を管理するコールドウォレット(特にハードウェアウォレット)の方がセキュリティは高いです。ただし、利便性とのトレードオフになります。
- 秘密鍵の管理方法:ウォレットが秘密鍵をどのように管理するかを確認します。自分で秘密鍵を完全にコントロールできる「自己管理型(ノンカストディアル)」ウォレットか、サービス提供者が一部または全部を管理する「カストディアル」ウォレットを選択します。自己管理型の方がセキュリティの自由度は高いですが、管理責任も全て自分自身にあります。
- 二段階認証(2FA)の対応:モバイルウォレットやWebウォレットの場合、ログイン時や送金時に二段階認証を設定できるか確認しましょう。セキュリティを一層強化できます。
- 開発元の信頼性:ウォレットを提供している企業や開発チームの実績、評判、セキュリティへの取り組みなどを調査することも重要です。オープンソースであれば、コードが公開されており透明性が高いと言えます。
Point 2:利用目的に合わせる(長期保有か頻繁な取引か)
ウォレットをどのような目的で利用するかによって、最適な選択肢は変わってきます。
- 長期・大量保管:多額の暗号資産を長期間安全に保管したい場合は、セキュリティの高いハードウェアウォレットが第一候補となるでしょう。
- 日常的な少額決済・送受信:日常的に少額の暗号資産を送受信したり、実店舗での決済に利用したりする場合は、利便性の高いモバイルウォレットやWebウォレットが適しています。
- DeFi・NFTの利用:DeFiサービスやNFTマーケットプレイスを利用する際には、それらのプラットフォームと連携しやすいWebウォレット(例:MetaMask)や、特定のブロックチェーンに対応したウォレット(例:SolanaならPhantom)が必要になることが多いです。
- 複数通貨の管理:複数の種類の暗号資産を一つのウォレットで管理したい場合は、対応通貨の多いウォレットを選びましょう。
Point 3:対応する暗号資産を確認する
全てのウォレットが全ての暗号資産に対応しているわけではありません。自分が保有したい、または取引したい暗号資産にそのウォレットが対応しているか、事前に必ず確認しましょう。
- 主要通貨(ビットコイン、イーサリアムなど)への対応は多くのウォレットで見られますが、アルトコインや新しいトークンなどは対応状況が異なります。
- 特に知名度の低い暗号資産を保管したい場合は、ウォレットの公式サイトなどで対応通貨リストをしっかりと確認することが重要です。購入してからウォレットが使えない、という事態を避けるためです。
Point 4:使いやすさとサポート体制
特に初心者の方にとっては、ウォレットの使いやすさ(ユーザーインターフェースの分かりやすさ、操作性)も重要な選択基準です。
- 直感的な操作が可能か:設定方法、送受信の手順などが分かりやすく、マニュアルを熟読しなくてもある程度操作できるものが望ましいです。
- 日本語対応:インターフェースやヘルプドキュメントが日本語に対応していると、安心して利用できます。
- サポート体制:問題が発生した際に、開発元からのサポート(FAQ、問い合わせ窓口など)を受けられるかどうかも確認しておくと良いでしょう。コミュニティが活発なウォレットであれば、ユーザー同士で情報交換できる場合もあります。
Point 5:コスト(初期費用・手数料)
ウォレットの利用には、コストがかかる場合とかからない場合があります。
- 初期費用:ハードウェアウォレットはデバイスの購入費用が必要です。ソフトウェアベースのホットウォレット(Web、モバイル、デスクトップ)は無料で利用できるものが多いです。
- 取引手数料(ガス代など):ウォレット自体が手数料を取ることは少ないですが、ブロックチェーン上で取引を行う際には、ネットワーク手数料(ビットコインならマイナー手数料、イーサリアムならガス代)が発生します。これはウォレットの種類ではなく、利用するブロックチェーンの仕組みによるものです。一部のウォレットでは、手数料を自分で調整できる機能があります。
これらのポイントを総合的に比較検討し、ご自身の知識レベル、利用目的、リスク許容度などを考慮して、最適なウォレットを選びましょう。一つのウォレットに固執せず、目的に応じて複数のウォレットを使い分けるのも賢い方法です(例:長期保管用はハードウェアウォレット、日常利用はモバイルウォレットなど)。
【実践編】ブロックチェーンウォレット(暗号資産ウォレット)の使い方入門
自分に合ったウォレットを選んだら、次はいよいよ実際に使ってみましょう。ここでは、ブロックチェーンウォレットの基本的な使い方について、一般的な流れを解説します。具体的な操作方法はウォレットの種類や製品によって異なりますので、詳細は各ウォレットの公式サイトやヘルプドキュメントを参照してください。
ウォレット作成(アカウント開設)の一般的な流れ
多くのソフトウェアウォレット(Web、モバイル、デスクトップ)では、以下の様な流れでウォレットを作成します。
1.ソフトウェアの入手
- Webウォレット:ブラウザの公式ストアから拡張機能をインストールします(例:MetaMaskをChromeに追加)。
- モバイルウォレット:App StoreやGoogle Playストアから公式アプリをダウンロードします。
- デスクトップウォレット:公式サイトからソフトウェアをダウンロードし、PCにインストールします。
- 注意点:必ず公式サイトや公式ストアから入手し、偽のソフトウェアやフィッシングサイトに注意してください。
2.新規ウォレットの作成
ソフトウェアを起動し、「新規ウォレットを作成」や「Create a new wallet」といったオプションを選択します。
3.パスワードの設定
ウォレットへのアクセスや取引時の承認に使用するパスワードを設定します。推測されにくい、強力なパスワードを設定しましょう。このパスワードは、あくまでその特定のデバイスやソフトウェアでウォレットを操作するためのものであり、秘密鍵そのものではありません。
4.リカバリーフレーズ(シードフレーズ)の表示と保管
- 最も重要なステップです。通常、12語または24語の英単語からなる「リカバリーフレーズ(シードフレーズ、ニーモニックフレーズとも呼ばれます)」が表示されます。
- このリカバリーフレーズは、ウォレットを復元するためのマスターキーです。 これがあれば、デバイスを紛失したり、ソフトウェアをアンインストールしたりしても、別のデバイスや環境でウォレット(資産)を復元できます。
- リカバリーフレーズは、絶対に他人に知られないよう、紙に正確に書き写し、オフラインの安全な場所に複数保管してください。 スクリーンショットやPC内へのデジタル保存は、ハッキングリスクがあるため推奨されません。
5.リカバリーフレーズの確認
正しく書き写したかを確認するため、いくつかの単語を入力するよう求められる場合があります。
6.ウォレット作成完了
これでウォレットが作成され、利用可能な状態になります。ハードウェアウォレットの場合は、デバイスの初期設定時にリカバリーフレーズが生成・表示されるので、厳重に保管します。
暗号資産の受け取り方(入金)
自分のウォレットで暗号資産を受け取る(誰かから送ってもらう、または取引所から自分のウォレットに送る)には、以下の手順で行います。
1.ウォレットアドレスの確認・コピー
- 自分のウォレットソフトウェアを開き、「受信」「Receive」「入金」などのメニューを選択します。
- 受け取りたい暗号資産の種類(例:ビットコイン、イーサリアム)を選択すると、その通貨用のウォレットアドレスが表示されます。
- 表示されたウォレットアドレス(長い英数字の文字列)を正確にコピーします。多くのウォレットでは、コピーボタンやQRコード表示機能があります。
2.送金元へのアドレス通知
コピーしたウォレットアドレスを、送金してくれる相手に伝えます。取引所から自分のウォレットに送る場合は、取引所の出金画面で、このアドレスを「送金先アドレス」として貼り付けます。
3.着金の確認
送金処理がブロックチェーン上で承認されると、あなたのウォレットに残高が反映されます。反映までには、ネットワークの混雑状況などにより数分〜数時間かかる場合があります。着金したかどうかは、ウォレットの取引履歴で確認できます。
注意点:送金先アドレスを1文字でも間違えると、暗号資産は意図しない場所に送られてしまい、取り戻すことはほぼ不可能です。コピー&ペーストやQRコードを活用し、必ず正確にアドレスを伝える・入力するように細心の注意を払いましょう。
暗号資産の送り方(出金)と注意点
自分のウォレットから誰かに暗号資産を送る(または取引所に入金する)場合は、以下の手順で行います。
1.ウォレットソフトウェアの操作
ウォレットソフトウェアを開き、「送信」「Send」「出金」などのメニューを選択します。
2.送金情報の入力
- 送金先アドレス:相手のウォレットアドレスを正確に入力または貼り付けます。
- 送金する暗号資産の種類と金額:送りたい通貨(例:ETH)と数量を指定します。
3.取引手数料(ガス代など)の設定
- ブロックチェーン上で取引を処理してもらうために、ネットワーク手数料(ガス代など)を設定します。手数料が高いほど取引は早く処理される傾向にありますが、コストもかかります。
- 多くのウォレットでは、推奨手数料が自動で表示されたり、自分で「低速」「標準」「高速」などを選択できたりします。
4.取引内容の確認と承認
- 送金先アドレス、金額、手数料などを最終確認します。ここでもアドレス間違いがないか、細心の注意を払ってください。
- 問題がなければ、ウォレットのパスワード入力やハードウェアウォレットの物理ボタン操作などで取引を承認します。この際に秘密鍵によるデジタル署名が行われます。
5.送金完了の確認
取引がブロックチェーン上で承認されると、送金が完了します。ウォレットの取引履歴でステータスを確認できます。
注意点
- アドレス間違いは致命的:受け取り時と同様、送金先アドレスを間違えると資産は失われます。必ず複数回確認しましょう。少額でテスト送金するのも有効な手段です。
- フィッシング詐欺:偽のウェブサイトやメールに誘導され、不正なアドレスに送金してしまうケースがあります。送金先の正当性を常に疑い、公式サイトなどを確認する癖をつけましょう。
- 手数料の理解:ネットワーク手数料は常に変動します。手数料が低すぎると取引の承認が大幅に遅れることがあるため、適切な設定を心がけましょう。
【具体例】MetaMask(メタマスク)の基本的な使い方
MetaMaskは、イーサリアム系のトークン(ERC-20トークンなど)やNFTの管理、DeFiサービスへの接続に広く利用されている代表的なWebウォレット(ブラウザ拡張機能型およびモバイルアプリ型)です。
ここでは、ブラウザ拡張機能版の基本的な使い方を簡単に紹介します。
インストールとウォレット作成
- MetaMask公式サイトから、お使いのブラウザ(Chrome、Firefoxなど)用の拡張機能をインストールします。
- 拡張機能の指示に従い、「ウォレットを作成」を選択し、パスワードを設定します。
- 表示される12語の「秘密のリカバリーフレーズ」を紙に正確に書き写し、安全な場所に保管します。このフレーズは絶対に他人に教えたり、デジタルで保存したりしないでください。
- フレーズの確認作業を行えば、ウォレット作成は完了です。
暗号資産(例:ETH)の受け取り
- MetaMaskを開き、アカウント名の下に表示されているウォレットアドレス(例: 0x…から始まる文字列)をクリックするとコピーできます。
- このアドレス宛に、取引所などからETHを送金します。
暗号資産(例:ETH)の送金
- MetaMaskを開き、「送信」ボタンをクリックします。
- 送金先のアドレス、送金するETHの数量を入力します。
- ガス代(手数料)を確認・調整し、「次へ」→「確認」と進むと送金が実行されます。
ネットワークの切り替え
MetaMaskはイーサリアムメインネットだけでなく、BNB Chain、Polygon、Avalancheといった他の多くのEVM互換ブロックチェーンネットワークにも対応しています。画面上部のネットワーク名が表示されている部分をクリックすると、ネットワークを切り替えたり、カスタムネットワークを追加したりできます。
dApps(分散型アプリケーション)への接続
多くのDeFiプロトコルやNFTマーケットプレイス(例:OpenSea)のサイトには、「ウォレットを接続」といったボタンがあります。これをクリックし、MetaMaskを選択すると、MetaMaskが起動し接続の承認を求められます。承認すると、そのdAppsとあなたのウォレットが連携し、サービスを利用できるようになります。
MetaMaskには、トークンのスワップ(交換)機能や、ステーキング機能(一部ネットワーク)なども組み込まれています。より詳しい使い方については、MetaMaskの公式サイトや多くの解説記事・動画がありますので、そちらも参考にしてください。
最重要!ブロックチェーンウォレット(暗号資産ウォレット)のセキュリティ対策と注意点
ブロックチェーンウォレットを利用する上で、最も重要なのはセキュリティ対策です。秘密鍵を自分で管理するということは、資産を守る責任も全て自分自身にあるということを意味します。
ここでは、あなたの貴重な暗号資産を様々な脅威から守るための具体的な対策と注意点を解説します。
秘密鍵・リカバリーフレーズの鉄壁管理方法
秘密鍵およびそれを復元するためのリカバリーフレーズ(シードフレーズ)は、ウォレットのセキュリティの根幹です。これらが漏洩したり紛失したりすると、資産を全て失う可能性があります。
オフラインでの保管を徹底
- リカバリーフレーズは、必ず紙などの物理的な媒体に手書きで正確に記録し、インターネットから隔離された安全な場所に保管してください。
- デジタルデータ(PCのファイル、クラウドストレージ、メールなど)として保存するのは絶対に避けましょう。ハッキングやマルウェア感染により盗まれるリスクが非常に高いです。スクリーンショットも危険です。
複数箇所への分散保管
記録した紙を1箇所だけに保管するのではなく、耐火金庫や貸金庫など、物理的に安全な場所に複数分散して保管することを検討しましょう。これにより、火災や盗難といった不測の事態にも備えられます。
誰にも教えない
家族であっても、リカバリーフレーズや秘密鍵を安易に教えるべきではありません。サポートを装った詐欺師が聞き出そうとすることもあります。ウォレットの公式サポートが、あなたにリカバリーフレーズを尋ねることは絶対にありません。
物理的な保護
紙は経年劣化や水濡れ、火災に弱いため、ラミネート加工を施したり、金属製のプレートに刻印したり(クリプトスチールなど)といった、より耐久性の高い方法で保管することも有効です。
定期的な確認
保管状況を定期的に確認し、劣化や紛失がないかをチェックしましょう。
フィッシング詐欺・不正なサイトからウォレットを守る
フィッシング詐欺は、暗号資産を狙う攻撃の中でも特に一般的な手口です。詐欺に遭わないための対策としては、主に以下のような方法があります。
公式サイトのブックマーク利用
ウォレットの公式サイトやよく利用する取引所、DeFiサービスなどは、必ずブックマークからアクセスするようにし、検索エンジンやメール内のリンクから安易にアクセスしないようにしましょう。URLを注意深く確認し、スペルミスなどがないかチェックする癖をつけます。
不審なメールやDMに注意
ウォレットの運営や取引所を騙り、パスワードや秘密鍵の入力を求めるメール、あるいは「高利回りの投資」などを謳うDMは、ほぼ全て詐欺です。リンクを開いたり、添付ファイルを実行したりしないようにしましょう。
ソフトウェアの入手元を厳格に確認
ウォレットアプリやブラウザ拡張機能は、必ず公式サイトや公式アプリストアからダウンロードしてください。非公式サイトからのダウンロードは、マルウェアが仕込まれている危険性があります。
トランザクション署名時の確認
DeFiサービスなどを利用する際、ウォレットにトランザクションの署名を求められます。その内容(何に対して署名しているのか、送金額、送金先アドレスなど)をよく確認する習慣をつけましょう。理解できない内容の署名は安易に行わないでください。
ブラウザ拡張機能の権限管理
Webウォレットのブラウザ拡張機能には、アクセスできるウェブサイトの権限を設定できる場合があります。信頼できるサイトのみに権限を与えるようにしましょう。
公共Wi-Fi利用時のリスクと対策
カフェや空港などの公共Wi-Fiは便利ですが、セキュリティ上のリスクが伴います。公共Wi-Fiを利用する際には、以下の点に注意しましょう。
重要な操作は避ける
公共Wi-Fi環境下では、ウォレットへのログイン、秘密鍵の入力、暗号資産の送受信といった重要な操作は極力避けるべきです。
VPNの利用
どうしても公共Wi-Fiを利用する必要がある場合は、VPN(Virtual Private Network)サービスを利用して通信を暗号化することを検討しましょう。これにより、通信内容の盗聴リスクを低減できます。
HTTPS接続の確認
ウェブサイトにアクセスする際は、URLが「https://」で始まっているか(暗号化通信されているか)を確認しましょう。
定期的なアップデートと情報収集のすすめ
セキュリティ対策は一度行えば終わりではありません。常に最新の状態を保つことが重要です。
ソフトウェアのアップデート
利用しているウォレットソフトウェア、OS、ブラウザ、セキュリティ対策ソフトなどは、常に最新バージョンにアップデートしましょう。脆弱性が修正されている場合があります。
最新の脅威情報の収集
暗号資産関連のニュースサイトやセキュリティ情報を発信するコミュニティなどを参考に、新しい詐欺の手口やセキュリティの脅威について常に情報をアップデートするよう心がけましょう。
セキュリティ意識の維持
「自分は大丈夫」と過信せず、常に慎重な行動を心がけることが、最も基本的ながら効果的なセキュリティ対策です。
これらの対策を講じることで、ブロックチェーンウォレットをより安全に利用することができます。手間を惜しまず、できる限りの対策を行うことが、あなたの大切な資産を守ることに繋がるのです。
【応用編】広がるブロックチェーンウォレット(暗号資産ウォレット)の活用シーン
ブロックチェーンウォレットは、単に暗号資産を保管・送受信するだけのツールではありません。近年急速に発展しているNFT(非代替性トークン)やDeFi(分散型金融)、ブロックチェーンゲーム(GameFi)といった新しい分野において、ウォレットはそれらのサービスにアクセスし、参加するための「鍵」や「ID」のような役割を果たしています。
ここでは、ウォレットの応用的な活用シーンをいくつかご紹介します。
NFT取引とウォレット
NFTとは、デジタルアート、ゲーム内アイテム、会員権など、唯一無二の価値を持つデジタル資産のことです。これらのNFTを売買したり、保管したりするためには、対応するブロックチェーンウォレットが不可欠です。
NFTマーケットプレイスとの連携
OpenSea、Rarible、Magic Edenといった主要なNFTマーケットプレイスでは、MetaMaskなどのウォレットを接続することで、NFTの購入、出品、管理が可能になります。
NFTの保管
購入したNFTは、ウォレットのアドレスに紐づけられてブロックチェーン上に記録され、ウォレットを通じて所有権を証明・管理します。ハードウェアウォレットの中には、NFTの安全なオフライン保管に対応しているものもあります。
対応ブロックチェーンの確認
NFTはイーサリアムブロックチェーン上で発行されることが多いですが、Solana、Polygon、BNB Chainなど他のブロックチェーン基盤のNFTも増えています。
利用したいNFTがどのブロックチェーン上で発行されているかを確認し、対応するウォレット(およびネットワーク設定)を用意する必要があります。例えば、Solana基盤のNFTにはPhantomウォレットがよく使われます 。
DeFi(分散型金融)とウォレット
DeFiとは、銀行や証券会社といった中央集権的な仲介者を介さずに、ブロックチェーン上で提供される様々な金融サービス(貸付、借入、分散型取引所(DEX)、イールドファーミングなど)の総称です。DeFiサービスを利用する際にも、ウォレットが中心的な役割を担います。
スマートコントラクトとの対話
DeFiプロトコルは、スマートコントラクトと呼ばれるプログラムによって自動的に実行されます。ユーザーはウォレットを通じてこれらのスマートコントラクトと対話し、資金を預け入れたり、取引を行ったりします。
自己管理の徹底
DeFiでは、ユーザー自身がウォレットの秘密鍵を管理し、自己責任で資産を運用するのが基本です。そのため、ウォレットのセキュリティ管理が極めて重要になります。
ガス代(手数料)の理解
イーサリアムベースのDeFiサービスを利用する場合、取引ごとにガス代(ネットワーク手数料)が発生します。ネットワークの混雑状況によってガス代は大きく変動するため、手数料の仕組みを理解し、適切なタイミングで取引を行うことが求められます。
リスクの認識
DeFiは高いリターンが期待できる一方で、スマートコントラクトのバグ、ハッキング、価格変動リスクなど、様々なリスクも伴います。利用するプロトコルの信頼性やリスクを十分に調査し、理解した上で参加することが重要です。
ブロックチェーンゲーム(GameFi)とウォレット
GameFi(ゲームファイ)とは、ゲーム(Game)と金融(Finance)を組み合わせた造語で、プレイすることで暗号資産やNFTを獲得できる「Play-to-Earn(P2E)」モデルのブロックチェーンゲームを指します。GameFiをプレイする際にも、ウォレットがゲームアカウントや獲得したアイテム・通貨の管理に利用されます。
ゲーム内資産の所有
獲得したゲーム内アイテム(キャラクター、武器、土地など)がNFTとして発行され、ウォレットで所有・管理できます。これにより、従来のゲームでは難しかったアイテムの自由な売買や、他のゲームへの持ち出し(一部)などが可能になる場合があります。
ゲーム内通貨の管理
ゲーム内で使用されるトークン(暗号資産)をウォレットで管理し、ゲームの進行やアイテム購入、他のプレイヤーとの取引などに利用します。
対応ウォレットとネットワーク
GameFiも特定のブロックチェーン基盤(イーサリアム、BNB Chain、Solana、Polygonなど)で開発されているため、対応するウォレットとネットワーク設定が必要です。
これらの応用的な活用シーンでは、ウォレットは単なる「財布」を超え、デジタルな世界における「身分証明書」や「権利証」のような役割も担い始めています。技術の進化とともに、ウォレットの活用範囲は今後ますます広がっていくことでしょう。
まとめ
ここまで、ブロックチェーンウォレットの仕組みや種類、選び方や使い方などについてご紹介してきました。
暗号資産の取引をするなら、必ず何かしらのブロックチェーンウォレットを使用する必要があります。そして前述したように、ウォレットにはさまざまな種類があり、それぞれ保管方法が異なります。そのため、これから暗号資産の取引を始める方は、まず各ウォレットの特徴を調べて、自分の希望する用途に合ったウォレットを選ぶようにしましょう。
また、1つのウォレットだけで保管していると、もしそのウォレットの秘密鍵を紛失したり、不正アクセスにより盗難に遭った場合などに、全資産を失う恐れがあるので注意が必要です。そのような最悪の事態を避けるためにも、できるだけ2つ以上のウォレットで分散管理することをおすすめします。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋 真倫






















