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ファイル暗号化とは?メリットと安全な暗号化ファイルの作り方を解説【送信方法や「できない時」の対処法も】

ファイル暗号化 とは

「送ったファイルが他人に見られていたら…」そんな不安を感じたことはありませんか?

顧客情報や社外秘の資料をメールやクラウドでやり取りする機会が増える中、情報漏えいのリスクは企業にとって深刻な課題です。

特にテレワークの普及や外部とのファイル共有が当たり前になった今、「誰がどこで見ているかわからない」という状況も起こりえます。

そんなリスクに備える有効な対策の一つが、「ファイル暗号化」です。ファイルに“鍵”をかけることで、万一第三者の手に渡っても中身を読み取れなくなります。

本記事では、

  • ファイル暗号化とは何か
  • 暗号化によって得られるセキュリティ効果
  • Windows機能や無料ツールを使った具体的な暗号化のやり方
    暗号化できないときの対処法
  • 暗号化ファイルを安全に送る方法

など、初めての方でも実践できる内容をわかりやすく解説します。基本から丁寧に学びながら、実際に手を動かして暗号化を試すことができる構成になっているため、セキュリティ対策に不安がある方でも安心して取り組めます。

大切な情報を守る第一歩として、本記事をぜひご活用ください。

ファイル暗号化とは?安全に送る方法をやさしく解説

ファイル暗号化とは、ファイルの内容を特殊なコードに変換し、鍵(パスワードや証明書)を持つ人だけが中身を読めるようにする技術です。簡単にいえば、ファイルに「鍵付きのロック」をかけるイメージです。

暗号化されたファイルは、たとえ第三者が入手しても、鍵がなければ中身は読めません。意味不明なデータの羅列にしか見えないため、情報漏えいのリスクを大幅に減らすことができます。

たとえば、以下のようなケースで役立ちます。

  • 顧客リストや社員情報を保存したExcelファイル
  • 契約書や提案書のPDFを社外に送信する場合
  • 社内の機密資料をクラウドストレージで共有する場合

これらを暗号化しておけば、万が一メール誤送信やUSB紛失が起きたとしても、ファイルの中身が漏れるリスクを大幅に抑えられます。

暗号化と復号の仕組み

暗号化は、単に「パスワードをつける」といったものではありません。実際には、ファイルの内容(平文)を特殊な処理で暗号文に変換し、鍵を使って復元(復号)できるようにする仕組みです。

流れは次の通りです。

  • 暗号化(ロック)
    • 送り手がファイルに鍵をかけて内容を保護します。このとき平文(暗号化前の元データ)は暗号文(鍵がないと読めないデータ)に変換されます。
  • 復号(ロック解除)
    • 受け取り手が対応する鍵を使って暗号文を元の平文に戻します。鍵さえ合致すれば正しく解除でき、中の内容を閲覧・編集できます。

この暗号化と復号にはペアとなる鍵が必要です。鍵には主に2種類の方式がありますが、仕組みの詳細は専門的になるのでここでは割愛します(※共通鍵方式・公開鍵方式といった言葉があり、興味のある方は関連情報をご参照ください)。

大切なのは、暗号化したファイルを安全にやり取りするには、送信者と受信者の間で事前に鍵(パスワード等)を共有しておく必要があるという点です。例えばファイル本体はメールで送り、復号パスワードは別途電話で伝える、といった工夫が必要になります。

また、鍵そのものの管理には細心の注意が必要です。鍵が漏洩したり盗まれたりすれば、暗号化ファイルが第三者に解かれてしまう恐れがあります。「鍵は金庫で厳重管理」が鉄則です。

例えば社内で共有する場合も、鍵(パスワード)は担当者だけで管理し、安易に他人と共有しないようにしましょう。

暗号化ファイルシステム(EFS)とは?

「暗号化ファイルシステム(EFS)」と呼ばれるものは、Microsoft Windowsに標準搭載されたファイル暗号化機能の名称です(英語名: Encrypting File System)。

これはWindowsのNTFSというファイルシステム上で、ファイルやフォルダを右クリック→プロパティから「内容を暗号化してデータを保護する」という設定を有効にすると利用できます。

EFSを使うと、選択したファイル/フォルダが自動的に暗号化され、そのPC上では許可されたユーザーだけが通常通り開けます。他のユーザーや他PCからそのファイルにアクセスすると「アクセス拒否」となり中身を見られません。特別なソフトを使わなくてもWindowsだけで暗号化が完結するため便利ですが、注意点もあります。

  • EFSはWindowsのPro以上のエディションで利用可能な機能です(Windows Homeなどでは使用不可)。
  • 暗号化されたファイルを別のPCに持ち出すと通常は開けません。復号するには元のPCから証明書(鍵)をエクスポートして移行する必要があります。
  • ファイル名やフォルダ名自体は暗号化されない(内容のみ)ので、機密情報がファイル名に含まれる場合は注意が必要です。

このように、暗号化ファイルシステム(EFS)は「そのPC内でファイルを保護する」用途に適した機能です。社内の特定PCに保管する機密データを守るには有効ですが、外部とファイルをやり取りする場合は後述するZIP暗号化や専用ソフトの方が適しています。

ファイル暗号化のメリット・なぜ必要か?

ファイルを暗号化することには、情報セキュリティ上多くのメリット(必要性)があります。ここでは主なメリットを4つ紹介します。

4つのメリット
  • 情報漏えいの防止
  • メール誤送信時の被害軽減
  • ウイルス感染・不正アクセス時の悪用防止
  • 取引先や顧客への信頼性向上

それでは、それぞれのポイントについて具体的に見ていきましょう。

情報漏えいを防止できる

ファイル暗号化の最大のメリットは、万が一データが他人の手に渡っても内容の漏えいを防げることです。暗号化されたファイルは、対応する暗号鍵がなければ元に戻せません。例えばノートPCやUSBメモリを盗まれたり紛失した場合でも、内部の重要ファイルが暗号化済みであれば、第三者は中を見ることがほぼ不可能になります。

実際に、社外に持ち出した社員のUSBメモリを紛失した事故でも、データが暗号化されていたおかげで情報漏えいには至らなかった事例があります。万一物理的な管理が破られてもデータ自体にカギがかかっている二重防護となり、被害を食い止められるわけです。情報セキュリティ対策の最後の砦として、ファイル暗号化は非常に効果的です。

メール誤送信時の被害を軽減できる

人為ミスで違う相手にメールを送ってしまう「メール誤送信」は、多くの企業で起こり得るヒューマンエラーです。仮に誤った相手に機密ファイルを送ってしまった場合でも、ファイルが暗号化されパスワードが知られていなければ、受け取った相手はそのファイルを開けません。つまり、「送ってしまった!」後でも情報漏えいを未然に防げる可能性があります。

毎日の業務メールでうっかり宛先を間違えるケースはゼロにできないだけに、暗号化ファイルを添付する運用は強力な安全網となります。「もしもの時も、暗号化しておけば大丈夫」という安心感は大きいでしょう。特に取引先とのやり取りでは、メールが途中で改ざん・盗聴されるリスクもゼロではありませんが、暗号化しておけば通信経路上で盗み見られても解読は困難です。

ウイルス感染・サイバー攻撃時の悪用防止

近年、ランサムウェアなどのウイルス感染やハッキングによる不正アクセスが深刻な脅威となっています。仮に社内PCがサイバー攻撃を受けて内部のファイルが攻撃者にコピーされた場合でも、ファイルが暗号化されていれば攻撃者は内容を簡単には利用できません。重要情報が暗号化されていれば、たとえ盗み出されてもその情報を悪用・公開されるリスクを大幅に下げることができます。

また、ウイルスが社内ネットワークに侵入してファイルを勝手に持ち出そうとしても、暗号化されていれば外部へのデータ流出を防止できます。つまり、暗号化は被害拡大の“ブレーキ”となるのです。

ただし、暗号化の鍵自体がPC内に保管されている場合は攻撃者に鍵も奪われる恐れがあるため、鍵の保護(例えば別管理やデバイス認証との組み合わせ)が重要になります。

取引先や顧客への配慮・信用アピール

暗号化されたファイルで情報をやり取りすることは、取引先や顧客に対して「御社の情報を大切に扱っています」というメッセージにもなります。もし重要な資料を暗号化せず送りつけてしまえば、受け取った側は「この会社はセキュリティ意識が低いのでは?」と不安になるかもしれません。

反対にしっかりと暗号化したうえで送付すれば、「徹底した安全対策をしている信頼できる会社だ」という印象を与えるでしょう。

特に金融・医療・官公庁など厳格な情報管理が求められる業界では、ファイル暗号化の有無が取引条件になることすらあります。ビジネスの円滑化のためにも、暗号化対応は相手への配慮と信用獲得につながる重要なポイントです。

その他メリット:法令遵守や心理的安心感も

上記以外にも、ファイル暗号化には様々な効果があります。例えば日本の個人情報保護法では、個人データの漏えいが発生した場合に報告義務がありますが、暗号化など適切な安全管理措置が講じられていて容易に判読できない状態なら報告対象外になるケースがあります。つまり、暗号化しておけば万一の事故でも法的リスクを減らせる可能性があります。

また、「重要データはすべて暗号化されている」という状態そのものが、従業員の心理的な安心感につながり、いわゆる“セキュリティストレス”の軽減にも役立ちます。常に情報漏えいの不安に怯えるより、対策を講じていることで安心して業務に集中できる効果も見逃せません。

暗号化ファイルの作り方【3つの主要な方法】

ファイルを暗号化する方法はいくつか存在しますが、ここでは代表的な3つの方法を紹介します。あなたの環境や目的に応じて使いやすい方法を選んでみてください。

主なファイル暗号化の方法(3種)
  • 圧縮ファイルにパスワードを設定する方法
  • Windowsの暗号化機能(EFS)を利用する方法
  • 専用のファイル暗号化ソフトを使う方法

それぞれの特徴や手順を順に解説したあと、比較表を通じて長所・短所を整理し、利用シーンごとのおすすめを紹介します。

方法1:圧縮ファイルにパスワードを設定する

もっとも手軽に始められるのが、ZIPファイルにパスワードをかける方法です。特別なソフトがなくても実践できるため、個人利用や小規模なファイル送付に広く使われています。

手順(Windows環境の場合)

  1. 暗号化したいファイルやフォルダを右クリックし、「送る」→「圧縮(zip)フォルダー」を選びます。
  2. 作成されたZIPファイルにパスワードをかけるには、圧縮ソフト(例:7-ZipやWinZip)を使用します。
    • 7-Zipの例:ZIPファイルを右クリック →「7-Zip」→「圧縮…」を選択し、パスワードを入力(暗号化方式はAES-256が推奨)。
    • WinZipの例:アーカイブ作成時にパスワード入力欄で設定。
  3. 完了したZIPファイルを開こうとするとパスワードの入力が求められます。

この方法は、暗号化ソフトを新たに購入せずとも可能で、比較的すぐ導入できるのが利点です。社外へのメール送付時などによく使われる方法で、「パスワードは別メールでお知らせします」といった対応は皆さんも目にしたことがあるかもしれません。

パスワード付きZIPは簡便ですが、企業内では近年セキュリティポリシー上使用を禁止する流れもあります。理由は、パスワードをメールで送る「PPAP」と揶揄される運用(メールで送ったファイルを、後から「パスワードはこれです」とまたメールする手法)が形骸化しており、安全とは言えなくなってきたためです。

それでも、「相手先がパスワードZIPで送ってほしいと言っている」等のケースでは依然使われています。扱う情報の重要度や社内ルールに従って採用してください。

方法2:Windowsの暗号化機能(EFS)を活用する

前述したWindows搭載のEFS(暗号化ファイルシステム)を使う方法です。この機能を使えば、ZIP圧縮せずともファイルやフォルダそのものを暗号化できます。社内PC上で機密ファイルを保存する際に有効です。

手順(Windows 10/11 Proの場合)

  1. 暗号化したいファイルまたはフォルダを右クリック→「プロパティ」を選択
  2. 「全般」タブ →「詳細設定…」→「内容を暗号化してデータを保護する」にチェック →「OK」
  3. 初回時には証明書(復号鍵)のバックアップを促されることがあるので、指示に従って保存
  4. エクスプローラー上で対象ファイルが緑色表示になれば暗号化完了

EFSのメリット

  • ZIP化不要。元ファイルをそのまま暗号化でき、利便性が高い
  • 保存・編集時も暗号状態が維持される
  • ドメイン環境では管理者による鍵回復が可能

EFSのデメリット・注意点

  • Windows Homeエディションでは使えない
  • NTFSファイルシステム上のみ使用可能(FAT32のUSBメモリ等では不可)
  • 外部送付には不向き。送信先では復号できない
  • 鍵のバックアップが必須。破損・故障時に復元不可になるリスクあり
  • 「圧縮」と「暗号化」は同時利用できない

以上のように、EFSは社内PC上で機密ファイルを保護するのに適した方法です。特にノートPCに入っている重要データを暗号化しておけば、盗難・紛失時にも安心です。一方で「ファイルを暗号化して外部に渡す」用途には合わないため、その場合は次の専用ソフトの利用を検討しましょう。

方法3:専用のファイル暗号化ソフトを使う

暗号化をより強固かつ柔軟に行いたい場合は、専用ソフトの導入が効果的です。法人向けの高機能製品から、個人でも使える無料ツールまで選択肢は豊富です。

有名なファイル暗号化ソフトの例をいくつか挙げます。

  • FinalCode(ファイナルコード)
    • ファイルに鍵をかけるだけでなく、誰がいつ開いたかの追跡や遠隔でファイルを削除する機能まで備えた企業向けソリューション。受け渡し後でも権限コントロールが可能。
  • InfoCage ファイル暗号(NEC)
    • 暗号化とアクセス制御を企業内で統合的に行える。Windowsエクスプローラーに統合され使いやすい。
  • DataClasys(データクレシス)
    • IRM(Information Rights Management)機能を備え、暗号化ファイルの全文検索など高度な機能も持つ法人向け製品。社内のさまざまな機密データを包括的に保護。
  • アタッシェケース
    • 日本製の無料暗号化ソフト。シンプルな操作でファイルやフォルダを丸ごと暗号化し、自己復号形式(実行ファイル化)で渡すことも可能。軽量で昔から定評がある。
  • 7-Zip / WinZip
    • 前述の圧縮ソフトだが、AES方式で強力に暗号化ZIPを作れるため専用ソフト代わりに利用可能。
  • AES Crypt
    • オープンソースの無料ツール。右クリックメニューからAES-256でファイルを暗号化/復号できる。ファイル単位で手軽。
  • Encrypted Folder(Password Folder等類似ソフト)
    • フォルダにパスワードロックをかけるタイプのツール。ドラッグ&ドロップで暗号化でき、初心者にもわかりやすい。

(※上記ソフト名は一例です。MCB FinTechカタログ等で「暗号化ソフト」を検索すると他にも多数の選択肢があります)

専用ソフトを使うメリット

  • UIがわかりやすく、ドラッグ&ドロップで暗号化できるものが多い
  • AES-256など強固な暗号に対応。ウォーターマークや複製禁止機能も
  • アクセス権限や開封ログの管理、遠隔ファイル無効化が可能
  • 画像・動画・CADなどあらゆる形式に対応
  • 自己復号ファイルとして送ることで、相手にソフト不要で開封可能

専用ソフトを使うデメリット・注意点

  • 導入コストや初期設定が必要な場合がある
  • 相手方もソフトの導入が必要になる場合がある(IDやビューア登録など)
  • 海外製ソフトは日本語UIに不備があることも。導入前に操作性やサポート体制を確認

主要な暗号化方法の比較

方法手軽さセキュリティ外部共有のしやすさ利用シーン
ZIP+
パスワード

手順簡単

AESなら〇

誰にでも渡せるが伝達注意
メール添付、一時的な共有
Windows EFS
Windows標準

OSレベルで
強固
×
他PCでは基本開けない
PCデータの保護、社内共有
専用ソフト
利用
〇〜◎
製品次第

高度な暗号
+管理機能

閲覧者制限や追跡が可能
機密データの社外共有、組織導入

上記表のように、パスワード付きZIPは手軽ですが高度な管理はできません。EFSは社内限定なら便利。専用ソフトは非常に強力ですが導入コストが発生します。自社のニーズに合った方法を選ぶことが大切です。

もし「自社に最適な暗号化ソフトを導入したいが、どれが良いか分からない」という場合は、MCB FinTechカタログなどの資料請求サイトを活用してみましょう。複数の暗号化ソリューション(情報漏えい防止ソフト)のカタログを無料で一括請求でき、各製品の機能や価格、導入事例を比較検討するのに役立ちます。

画像などのファイルを暗号化して安全に送る方法

ファイルを暗号化しただけでは不十分です。安全に相手に届けてこそ意味があります。ここでは、暗号化ファイルを社外の相手に送付する際のポイントを説明します。

パスワードは別の手段で送る(別送原則)

暗号化ファイルのパスワードを伝達する際は、ファイル本体とは別経路で送るのが大原則です。同じメール内で「添付ファイルのパスワードは1234です」なんて書いてしまえば、第三者がメールを見ればすぐ開けてしまいます。

具体的には、ファイルはメールで送付し、パスワードはSMSやチャット、電話など別の通信手段で相手に知らせます。あるいはメールを2通送り、1通目でファイル送付、2通目でパスワード送付と時間差・分割するだけでも多少は効果があります。ただし2通同じ受信箱に届けば結局リスクは残るので、可能なら異なる媒体を使いましょう。

送付時の文面例: 「機密資料を暗号化して送付いたします。パスワードは貴社ご担当の○○様の携帯番号宛にSMSでお送りしましたので、ご確認ください。」このように書けば、受け取る側も「あ、パスワードは別で来るのだな」とわかりますし、万一メールが誤配されても中身を開けられる心配はありません。

ファイル転送サービスやクラウドストレージの活用

メール添付に固執せず、セキュアなファイル転送サービスを利用するのも手です。例えば、相手だけがダウンロードできるパスワード付きのダウンロードURLを発行するサービスがあります(宅ファイル便のビジネス版やBoxなどのクラウドストレージ機能)。

これらを使えば、相手には「こちらのリンクからダウンロードしてください(パスワード別送)」と案内する形になり、メールより安全で大容量のファイルにも対応できます。

クラウドストレージ(OneDrive, Google Drive, Dropbox等)でも共有リンクにパスワード設定や有効期限設定が可能なものがあります。こうした機能を使うことで、誤送信時もリンク無効化で対処できたりと、より管理しやすくなります。

受け取り側への配慮とフォロー

送るだけで安心せず、相手がちゃんと受け取れて復号できたかも確認しましょう。「パスワードが間違っていて開けない」「ソフトがなくて見られない」など相手側で問題が起きることもあります。事前に「パスワード付きファイルをお送りしますのでよろしくお願いします」「何かありましたらご連絡ください」と一言伝えておくのも親切です。

また、共有が終わった後は、暗号化ファイルとパスワードの管理にも気を配りましょう。例えば「送付から○日経ったらダウンロードリンクを削除する」「一度使ったパスワードは再利用しない」「送付後は自分の手元から不要になった暗号化ファイルを削除する」など、事後の情報整理も大切です。

ファイルを暗号化できない時は?【よくあるトラブル対処法】

暗号化を試みたものの「うまくできない!」というケースもあります。ここでは、ファイル暗号化でありがちなトラブルとその対処法を紹介します。

Windowsで「内容を暗号化してデータを保護する」オプションが出ない

問題点:

ファイルのプロパティを開いても暗号化のチェックボックスが表示されなかったり、クリックできない。

原因

  • Windows 10/11 Homeエディションでは、EFS(Encrypting File System)が使えない
  • 保存先のドライブがNTFS形式でない(例:FAT32形式のUSBメモリ)

対処法:

  • USBメモリを使用する場合は、一度PC上にコピーしてから暗号化するか、USBメモリをNTFS形式に再フォーマットします(※フォーマット時は中身が消えるので注意)。
  • EFSを使用したい場合は、PCをProエディション以上にアップグレードする必要があります。
  • Homeエディションのまま使うなら、ZIP暗号化や無料暗号化ツールなど、別の方法に切り替えましょう。

ファイルが圧縮設定されていて暗号化できない

問題点:

プロパティで暗号化にチェックを入れようとしたらグレーアウトしてできない、もしくはチェックしたら「属性の競合」メッセージが出る。

原因:

  • NTFSでは「圧縮」と「暗号化」を同時に使用できないため、圧縮されているファイルは暗号化ができない

対処:

  • 基本的には暗号化を優先しましょう。
  • プロパティの「詳細設定」で圧縮のチェックを外し、暗号化にチェックを入れ直します。
  • ファイル数が多いと時間がかかる場合もあるため、余裕のあるタイミングでの実施がおすすめです。

暗号化を実行しようとするとエラーが出る

問題点:

暗号化ソフトでファイルを暗号化しようとしたらエラー表示でできない、Windowsで暗号化設定しようとしても失敗する。

原因:

  • ファイルが開いたままになっている
  • アクセス権限が不足している(他のユーザーが所有者)
  • ディスク容量不足、またはファイルサイズが大きすぎる
  • 暗号化ソフトの不具合

対処:

  • 対象ファイルを閉じたうえで再試行します。
  • 所有権やアクセス権限に問題がある場合は、[ファイルのプロパティ] → [セキュリティ] から確認・変更します。
  • 空き容量を確保し、ファイルサイズやファイル名に特殊文字が含まれていないかも確認しましょう(記号によっては一部ソフトでエラーが出ることがあります)。
  • ソフトウェアのバージョンが古い場合はアップデートを。それでも解決しない場合は、別の暗号化ツールに切り替えるのも有効です。

暗号化はできたが相手が復号できない

問題点:

こちらで暗号化したファイルを送ったが、受け取った相手が開けない/読めないと言っている。

原因:

  • パスワードや鍵の共有ミス
  • 受信者が対応ソフトを持っていない、または使い方がわからない
  • EFSで暗号化されたファイルを社外に渡した(相手では復号できない)

対処:

  • パスワードの伝達方法を再確認しましょう。大文字・小文字や全角・半角の違いも注意ポイントです。
  • 受信者が使用すべきソフトをインストール済みか確認し、必要に応じてダウンロード先を案内します(例:7-Zipなど)。
  • 自己解凍形式(.exe)のファイルに変換して送るのも一つの方法です。
  • そもそも送付前に「暗号化ファイルをお送りしますが問題ありませんか?」と一言伝えておくと、相手の準備もスムーズです。

企業によっては「パスワード付きZIPファイル受け取り禁止」のルールがある場合もあるため、必要に応じてクラウドストレージ経由など、別の送付方法に切り替えましょう。

ファイル暗号化ソフト導入のチェックポイント(企業向け)

最後に、企業や組織で本格的にファイル暗号化ソフトを導入する際の選定ポイントについて触れておきます。単なるパスワードZIPではなく、組織全体で使うソリューションを検討する際は以下の点を比較しましょう。

① 自社の課題を明確にする

なぜ暗号化が必要なのか、どんなシーンを想定しているかを整理します。例えば「社員の持ち出すUSB対策がしたい」「メール誤送信対策として社外宛は自動暗号化したい」「社外協力会社ともファイル共有するがコピー漏えいを防ぎたい」など。

それによって必要な機能が変わります。課題がファイル持ち出しならUSB暗号化製品を、メール経路ならメール暗号化ソフトを、幅広く包括的にというならIRM統合型を選ぶ、といった判断になります。

② 使いやすさ・操作性:

社員全員が日常的に使う可能性があるため、直感的でわかりやすい操作は重要です。エクスプローラーに統合され右クリックで暗号化できるもの、Officeアドインで保存時自動暗号化されるものなど、現場の負担が少ないものを選びましょう。

試用版やデモを利用して実際のUIを確認し、「これなら現場で受け入れられそうだ」という製品を選定してください。また、社内SE担当者にとっても管理コンソールの使い勝手やレポート機能の分かりやすさはポイントです。

③ 機能とセキュリティ強度

製品ごとに特徴的な機能があります。比較検討では対応ファイル形式(Office、PDF、画像、動画などどこまで暗号化できるか)、暗号アルゴリズムの強度(一般的にAES 256bitならOKですが、独自方式もあるので評価を)、権限管理機能(ユーザーごと・グループごとに閲覧許可設定、閲覧期限や印刷禁止設定など)、ログ管理・追跡(誰がいつ開けたか、ログの保存やアラート機能)、遠隔削除や更新(送ったファイルを後から無効化する、内容を差し替える等)などをチェックします。

自社のセキュリティポリシーに照らし、必要十分な機能を持つものを選びましょう。

④ コストとサポート体制

導入には費用が伴います。ライセンス価格はもちろん、初期設定にかかる費用、ユーザートレーニングの手間も考慮します。クラウドサービス型であれば月額課金かもしれません。複数製品の見積もりを取り、コストパフォーマンスを比較しましょう。

また、万一のトラブル時にベンダーのサポートが迅速か、日本語対応しているか、アップデートは頻繁かなどサポート体制・将来性も大切なポイントです。情報漏えい対策ソフトは長く使うインフラになるので、信頼できる提供元の製品を選ぶと安心です。

これらのチェックポイントを踏まえ、気になる製品があればMCB FinTechカタログで資料を取り寄せて詳しい機能比較を行いましょう。各製品のパンフレットには上記ポイントが網羅されていますし、導入事例から使用感も掴めます。複数の資料を見比べることで、より自社にフィットする暗号化ソリューションを見極めることができるはずです。

ファイル暗号化に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 一度暗号化したZIPファイルのパスワードは後から変更できますか?

A.はい、可能です。ただし、既存の暗号化ZIPファイルのパスワードを直接書き換えることはできないため、一度解凍し、改めて新しいパスワードで再圧縮する必要があります。

一部の暗号化ソフトでは既存ファイルの再暗号化に対応している場合もありますが、一般的なZIPファイルでは再作成が基本です。手間を減らすためにも、最初に強固かつ忘れにくいパスワードを慎重に設定することをおすすめします。

Q2. 暗号化したファイルのパスワードを忘れた場合、もう復号はできないのでしょうか?

A.原則として復号は非常に困難です。暗号化の本質は「正しい鍵がなければ解けない」点にあり、それがセキュリティの根幹です。総当たりによる解析も現実的には難しく、実質的に開けなくなると考えてよいでしょう。

そのため、パスワードは必ず記録しておくことが重要です。個人利用ならパスワード管理ツールの活用や紙に控えて金庫に保管するなどの工夫を。企業向けのソフトでは、管理者がマスターキーを保持して復号できる仕組みがある場合もあります。

Q3. 「暗号化しても無意味」だと聞いたことがありますが本当ですか?

A.一部は事実ですが、正しく使えば非常に有効です。問題は「暗号化そのもの」ではなく、「運用方法」です。

たとえば「暗号化ファイルとパスワードを同じメールで送る」といった運用では、第三者に両方渡しているのと変わりません。また、いわゆる「PPAP(パスワード付きZIPをメール送付+別メールでパスワード送信)」も、メールサーバ上に両方の情報が揃ってしまうため、安全とは言えません。

重要なのは、暗号化に加えて安全なパスワード伝達方法や管理ルールを徹底することです。正しく運用すれば、暗号化は今でも非常に効果的なセキュリティ対策です。

Q4. 画像ファイルや動画ファイルも暗号化できますか?

A.はい、暗号化はファイルの種類を問いません。画像(JPEG、PNGなど)や動画、音声ファイルも、他のファイルと同様に暗号化可能です。

方法としては、対象ファイルをZIPにまとめてパスワードを設定するか、暗号化ソフトで直接保護をかけるだけです。ただし、非圧縮のメディアファイルは暗号化後にファイルサイズが大きくなることもあるため、送信前に容量の確認をしておくと安心です。

なお、画像ファイル自体にパスワードを埋め込むことはできないため、必ず暗号化処理を経ることが必要です。

Q5. Macでもファイルを暗号化できますか?

A.はい、Macにも標準で暗号化機能が備わっています。たとえば「ディスクユーティリティ」で暗号化付きのディスクイメージ(.dmg)を作成すれば、任意のフォルダやファイルをまとめて暗号化できます。256bit AESなどの強力な方式にも対応しています。
また、Mac向けのZIP暗号化ツール(例:Keka)を使えば、Windowsと同様の形式でパスワード付きZIPを作ることも可能です。macOS標準のFileVaultはディスク全体を暗号化する機能であり、個別ファイルに関してはディスクイメージやツールの活用が有効です。

Q6. 社内のすべてのファイルを暗号化すべきでしょうか?それとも重要なファイルだけでいいですか?

A.すべてを暗号化するのが理想ですが、現実的には重要度に応じた使い分けが現実的です。多くの企業では、情報の機密度を区分し、たとえば「極秘・社外秘は暗号化必須、それ以外は任意」などのルールを設けています。

たとえば、社外に出ない社内報や一般的な営業資料までは暗号化不要なケースもあります。一方で、顧客情報や経営資料、契約書などは確実に暗号化すべきです。

暗号化の対象と範囲は、業務効率や運用負荷とのバランスをとりながら、社内でルール化することが大切です。

まとめ

ファイル暗号化は、ファイルの中身を第三者に読めない状態に保護する強力なセキュリティ対策です。情報漏えいの防止、誤送信時の被害軽減、サイバー攻撃対策、取引先からの信頼確保など、多くのメリットがあることを見てきました。一方で、暗号化を活用する際はパスワード管理の徹底や運用ルール整備など注意点もあります。しかし総じて、現代の企業活動においてファイル暗号化は欠かせない要素と言えるでしょう。

暗号化ファイルの作り方についても、手軽にできるZIPパスワードから、Windows標準機能、そして高度な専用ソフトの利用まで幅広く紹介しました。まずはできるところからでも、守るべき情報にはしっかり鍵をかける運用を始めてみてください。「うちの会社の情報は自分たちで守る」という意識と仕組みが、大きな信頼と安心につながります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修者は記事の内容について監修しています。

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