インタビュイー:
リコーリース株式会社 BPO本部 BPO営業部 マーケティング課 課長 阿久津 氏
Mamotteはどのようなサービスですか?開発の背景も教えてください
Mamotteは、企業間取引における売掛金の回収を保証するサービスです。企業間取引では掛け払い、いわゆる信用販売が基本となりますが、売り手企業は売掛金という債権を抱えることになります。万が一、取引先の倒産などで貸し倒れが発生した場合に、本来回収できるはずだった売掛金を、当社が保証金としてお支払いするサービスです。
開発の背景としては、当社はもともとリース会社として、自社の資産を活用した金融事業を主軸に展開してきました。しかし、ROAの改善や将来的な企業価値の向上を考えた時に、「ノンアセットビジネス」としてこの債権保証サービスを立ち上げました。リース事業で長年培ってきた与信のノウハウをそのまま活かせる領域でしたので、自然な流れでの展開でした。
競合他社と比較した際のMamotteの強みは何ですか?
大きく3つあります。
1つ目は、本業であるリース事業で培った与信ノウハウです。債権保証においても同じ与信という目線が必要になりますので、長年の経験がそのまま活きています。
2つ目は、当社は東証プライム市場にも上場しておりますので、保証会社としての信頼性という面で、お客様にも安心してお任せいただけると考えています。
3つ目は、保証プランの設計力です。大きな債権をまるごと保証するオーダーメイド型のプランと、複数の取引先の債権をカバーできるパッケージプランの両方を一気通貫で提供できます。それぞれ独自に展開している保証会社はありますが、この両方を合わせて提供できるのは当社の強みです。
どのような企業からの相談が多いですか?
取引先の多くが中小企業ですので、代表者の方が直接窓口になるケースがかなり多いです。ある程度の規模の企業になると、経理・財務部門や審査部門など、与信管理を担当している部署が窓口になることもあります。
最終的な意思決定については、案件の半数以上で代表者の方が決定権を握っています。売掛金の保全は経営に直結するテーマですし、保険のような性質を持ったサービスでもありますので、一部門だけで決定するというよりは、会社全体の方針として意思決定されるケースが多いです。
相談の理由としては、大きく3つのパターンがあります。1つ目は、倒産件数が右肩上がりで増えている中での「倒産への懸念」という守りの側面です。2つ目は、保証を活用することで今まで取引できなかった先にも販路を拡大できるという「攻めの営業」です。そして3つ目は、社内で行っていた与信管理業務を外部に委託する「アウトソース」としての使い方です。
取引信用保険やファクタリングと比較して、選ばれる決め手は何ですか?
保証設計の柔軟性が一番大きいと思います。
たとえば取引信用保険の場合、保険対象先を選ぶことができず、全取引先を包括的にかけなければならないという制約があります。ファクタリングですと、1社2社の大きな売掛金を現金化するという使い方が中心です。
一方、当社の場合は、気になる取引先だけを複数社ピックアップして保証をかけることができます。保証の設定額もお客様ご自身で決めていただけますし、繁忙期には厚く、閑散期には薄くといった調整も可能です。こうした保証設計のお手伝いを営業担当が行いますので、お客様のご希望に応じた最適なプランニングをご提案できるところが、選んでいただけるポイントになっています。
導入企業からの反響について教えてください
導入事例については、この商品の特性として「取引先に知られずに保証をかけられる」というポイントがありますので、保証を利用していること自体を公にしたくないというお客様が多く、あえて導入事例は作っておりません。
ただ、特に反響が大きいケースとしては、他社の保証会社では枠がつかなかった取引先に対して、当社では保証枠をつけることができたというケースがあります。他社の保証会社をご利用中のお客様が、1年ごとの保証期間の更新タイミングで従来通りの保証を維持できなくなった際に、当社に切り替えていただくケースもかなり多く、これが事業の成長を支える大きな柱となっています。
どのような企業に向いていますか?成功パターンはありますか?
特に向いているのは、卸売業や製造業など、創業から長く続いている中小企業です。こうした企業では、代表者の方が一代で築き上げてこられたケースも多く、長年にわたって代表者ご自身の経験と勘で与信管理を行ってきた、ということも珍しくありません。
事業承継のタイミングで次世代に経営を引き継ぐ際に、代表者独自の与信の目利きやノウハウまでは引き継ぐことができません。そこで、与信管理は外部の専門機関に委託して、新しい経営者は経営そのものに専念していこうという形で導入いただくケースは非常に多いです。属人的な与信管理から組織的な与信管理への移行という意味で、本サービスは有効な選択肢になると考えています。
サポート体制について教えてください
お問い合わせの初期段階から、保証設計のプランニング、契約手続き、そして1年間の保証期間を通して、専任の担当者がずっと伴走しています。何かあればすぐにご相談いただける体制です。
保証期間中も担当者が市場の動向を見ていますので、更新のタイミングで新たに保証対象先を追加するご提案や、逆に安全な業界であれば保証を少し薄くするといった、継続的なプランニングの見直しを行っています。
料金体系はどのようになっていますか?
オーダーメイドのMamotte+については、保証をかけたい取引先の数や売掛金の金額に応じて個別にプランニングする形ですので、決まった料金はありませんが、年間数十万円のご予算から、1,000万円単位の保証をご利用いただいているお客様まで幅広く対応しております。
一方、パッケージのMamotteは定額プランで、月額19,800円からご利用いただけます。1社あたり200万円までの保証限度額を設定でき、Web上で与信審査の申込みから保証委託までワンストップで対応できるようになっています。上位プランとして保証対象の会社数や1社あたりの限度額を増やせるプランもご用意していますので、取引状況に応じてお選びいただけます。最近はこのパッケージプランの契約が増えてきています。
今後の展望を教えてください
まず、保証会社としての引き受け能力の強化です。保証の引き受け額の上限を引き上げるとともに、より細かな与信分析を行うことで、これまでカバーできなかった保証対象先にも対応できるようにしていきたいと考えています。
営業面では、アライアンスの強化を進めています。既存の保証会社の多くは地方銀行などの金融機関を代理店として営業していますが、当社ではそれに加えて、たとえばリース事業で取引のある機械や設備の販売ベンダーなど「モノを売る企業」にも代理店になっていただき、金融サービスとしてMamotteを広めていきたいと考えています。
そしてもう一つ、与信管理の重要性についての啓蒙にも力を入れていきたいと思っています。自社で与信管理をしているつもりでも、信用機関の情報を見ているだけで十分な管理ができていない企業は少なくありません。将来の経営を支える重要な機能として、専門家に任せるという選択肢をもっと広く知っていただきたいです。特に事業承継を控えた中小企業にとって、与信管理の専門化は喫緊の課題だと考えています。
まとめ・編集部コメント
Mamotteは、リコーリース株式会社が提供する法人向けの売掛金保証サービスです。リース事業で長年培った与信ノウハウと、東証プライム上場企業としての財務基盤を強みに、立ち上げられました。
最大の特徴は、保証設計の柔軟性です。取引信用保険のような包括加入の制約がなく、気になる取引先だけを選んで保証をかけたり、繁閑に応じて保証額を調整したりと、お客様の状況に合わせたオーダーメイドのプランニングが可能です。月額19,800円から利用できるパッケージプランも用意されており、Web上で与信審査から申込みまで完結できる手軽さも備えています。専任担当者による提案と継続的な伴走体制も、安心材料として評価に値します。
卸売業や製造業を中心とした中小企業で、事業承継を機に属人的な与信管理から組織的な専門管理への移行を検討されている企業にとって、有力な選択肢となるサービスです。まずは気軽に相談してみることをおすすめします。