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取引信用保険とは?支払事由・てん補率・保険料の仕組みとファクタリングとの違いまで解説

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企業間の取引の多くは、商品やサービスを先に提供し、代金を後日受け取る掛け取引(信用取引)で成り立っています。この形態では、取引先が倒産すると売掛金(未回収の代金債権)が回収できなくなり、自社の資金繰りが一気に苦しくなる貸し倒れのリスクを常に抱えることになります。

こうした取引先の倒産による損失に備える手段の一つが、取引信用保険です。ただし公式のパンフレットでは「補償内容や保険料の詳細は各社へお問い合わせください」とされることが多く、実際にどこまで補償され、いくらかかるのかがつかみにくいのが実情です。

本記事では、取引信用保険の仕組みと支払事由、損害のうちいくら戻るか(てん補率)、保険料の考え方、加入条件までを整理します。あわせて、保証型ファクタリングなど他の貸し倒れ対策との違いや、貸し倒れそのものを未然に防ぐ与信管理の仕組み化についても解説します。

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取引信用保険とは?

取引信用保険とは、取引先の倒産などによって売掛債権が回収できなくなったときに、その損害の一定割合を保険金として受け取れる損害保険です。保証会社が肩代わりする「保証」ではなく、保険業法上の損害保険である点が特徴です。

国内で取引信用保険を扱う大手損害保険会社の一つである東京海上日動火災保険は、国内取引信用保険の補償内容を次のように説明しています。

国内に所在するお取引先が商品の販売やサービスの提供にかかわる代金支払債務を履行しないことで、お客様(被保険者)が損害を被った場合に、その損害の一定割合を保険金としてお支払いする

原則として継続的なお取引先を対象とします。

出典:国内取引信用保険|信用・保証の商品|東京海上日動火災保険

ここで押さえておきたいのは、補償の対象が「原則として継続的な取引先」である点です。スポットの単発取引ではなく、掛けで反復的に取引している相手が主な対象になります。損害の全額ではなく「一定割合」が支払われる仕組みである点も、後述するてん補率とあわせて重要なポイントです。

取引信用保険の支払事由(対象となる倒産・支払不能)

ここからは、実際に「何が起きたら保険金が支払われるのか」を見ていきます。支払事由は、取引先の倒産・法的整理や、長期にわたる代金の支払遅延などが中心です。ただし、対象となる事由や、どの時点で支払対象と認めるか(申立の時点か、手続開始の決定か)は、保険会社・約款によって異なります。

たとえば、国内でも取引信用保険を提供するアリアンツ・トレードは、補償の対象となる不払いリスク(債務不履行)を次のように説明しています。

取引信用保険は、不払いリスク(債務不履行)から生じる損害の補償を指し、以下が含まれます。

  • 破産・倒産状態
  • 支払遅延(債務不履行待機期間終了後、事故認定するケース)
出典:取引信用保険とは(主な補償内容)|アリアンツ・トレード

破産・民事再生・会社更生といった法的整理の手続開始、手形交換所の取引停止処分、財産の強制換価手続や仮差押えなどを支払事由として列挙する保険会社もあります。一方で、夜逃げや私的整理をどう扱うかは商品によって分かれます。自社が備えたい取引先の状況が対象に含まれるかは、契約前に約款・重要事項説明書で確認しておくと安心です。

いくら戻るか:てん補率・縮小支払割合と計算例

取引信用保険で最も誤解されやすいのが、「損害の全額が戻るわけではない」という点です。支払われる保険金は、損害額にてん補率(縮小支払割合とも呼ばれ、損害額に対して実際に保険金が支払われる割合)を掛けて計算します。残りの部分は自己負担となります。保険金が決まるまでの計算は、次の2段階で整理できます。

取引信用保険で支払われる保険金の計算手順の図解。STEP1として未回収債権額から回収金を差し引いて損害の額を求め、STEP2として損害の額に縮小支払割合(てん補率)を掛けて支払われる保険金を算出する。残りの部分は自己負担で、損害の全額は戻らず、取引先ごとの支払限度額という上限もある。

実際の計算方法を、公式パンフレットの例で見てみましょう。次は縮小支払割合を90%とする商品の算出例です。

縮小支払割合:90% 与信限度額に縮小支払割合を乗じた金額がお支払いする保険金の限度額となります。

お支払いする保険金の例―その1 損害の額(注) × 縮小支払割合(90%)

お支払いする保険金 :(5,200千円-200千円)×90%=4,500千円

出典:『輸出取引信用保険制度』のご案内(2022年7月1日以降始期契約用)|日本商工会議所・三井住友海上火災保険

この例では、未回収債権額5,200千円から回収金(相殺や商品の引き上げ・売却などで取引先から回収できた額)200千円を差し引いた損害の額5,000千円に、縮小支払割合90%を掛け、支払われる保険金は4,500千円となります。残りの500千円は自己負担にあたり、この商品には別枠の免責金額(自己負担額)はありません。

支払われる保険金には、取引先ごとに設定した与信限度額(取引先ごとの保険金の基礎となる枠)に縮小支払割合を乗じた金額という上限もあります。

上記の90%はこの商品の値であり、てん補率は保険会社や商品によって異なります。国内の引受各社は、てん補の割合を「損害の一定割合」(東京海上日動)「損害の一定部分」(明治安田損害保険)と説明するにとどめ、具体的な率までは公式に開示していません。実際のてん補率は、見積もりや重要事項説明書で確認しましょう。

保険料はいくらか:保険料率と個別算出の考え方

続いて、自社が負担する保険料についてです。年間保険料は「支払限度額(または債権額)×保険料率」で計算します。ただし、この保険料率は各社が一律に公表している定価ではありません

保険料率は、引受保険会社が取引先の信用状況・業種・取引先の構成などをもとに個別に算出します。したがって、実際の負担額は見積もりを取って初めて分かります。次のパンフレットの記述も、料率が引受保険会社の個別算出である点を示しています。

保険料率は、取引所在国のカントリーグレードに基づき引受保険会社が算出します。

下限保険料:30万円

出典:『輸出取引信用保険制度』のご案内(2022年7月1日以降始期契約用)|日本商工会議所・三井住友海上火災保険

保険料率が定価ではなく引受保険会社の個別算出である点は、国内・輸出を問わず共通です。上の例は輸出向けの商品のため料率の基準に取引先の所在国のカントリーグレードを用いていますが、国内取引が対象の商品では取引先の信用状況などが基準になります。下限保険料が設定されることがある点も共通です。

国内取引信用保険の料率を数値で公式に開示している引受保険会社は見当たりません。保険料の水準を知るには、対象にしたい取引先を記した告知書を提出して複数社に見積もりを依頼し、下限保険料の有無とあわせて比較するのが確実です。料率は取引額や取引先の信用状況によって変わるため、自社の実際の取引で見積もりを取ることが、相場を知るもっとも確実な方法になります。

取引信用保険の加入の流れと加入条件

ここでは、加入の全体像を「どう入るか(流れ)」と「どの取引先を対象にできるか(条件・制約)」に分けて確認します。加入条件には、読者が最も勘違いしやすいポイントが含まれます。

加入の流れ

加入の基本的な流れは、取引先の情報を記した告知書の提出から始まります。これをもとに引受保険会社が取引先を審査し、見積もりが提示され、内容に合意すれば契約成立となります。

審査にかかる期間は商品によって幅があります。三井住友海上火災保険の団体制度では見積もりに必要な書類を受領してから2週間以内、アリアンツ・トレードでは国内取引先なら1週間以内、海外取引先でも10営業日以内を目安としています。おおむね1〜2週間程度を見込んでおくとよいでしょう。

出典・参考資料(2件)

加入条件と加入できないケース(取引先を1社だけ選べるか)

「特定の不安な取引先1社だけに掛けたい」という要望はよく聞かれますが、これは原則として難しいのが実情です。多くの取引信用保険は、対象となる取引先をまとめて引き受ける包括付保(対象の取引先を包括的に引き受ける方式)を基本とするためです。

債権者のもつ同種の複数の契約をまとめて保険付保するものであり、1契約ごとの保険付保はできません。

出典:保険用語集「信用保険」|損害保険ジャパン

実際の引き受け方は商品によって異なります。たとえば明治安田損害保険では、対象となる取引先が多い場合に包括的に引き受ける「認定限度額方式」と、売上高上位20社など一定の範囲に絞り込む「買主特定方式」を用意しています。いずれの方式でも、全取引先やまとまった範囲を単位とする点は共通で、不安な1社だけを後から選ぶ使い方は想定されていません。

出典・参考資料(1件)

また、どの取引先でも補償の対象にできるわけではありません。ある商品の重要事項では、補償の対象にできない取引先・債権として次のものを挙げています。

商品の引渡しまたは役務の提供を行った時点において債務不履行状態に該当している債務者に対する債権

次のいずれかに該当する者に対する債権 ・被保険者の関連会社 ・個人または個人事業主 ・公的債務者

出典:『輸出取引信用保険制度』のご案内(2022年7月1日以降始期契約用)|日本商工会議所・三井住友海上火災保険

この例では、すでに支払不能の状態にある取引先や、自社の関連会社、個人・個人事業主に対する債権は対象外とされています。信用不安が表面化した相手だけを後から掛けることや、相手が個人事業主のケースは、原則として補償の対象になりにくいということです。ここで挙げた条件は一つの商品の例であり、対象外の範囲は保険会社・約款によって異なります。

取引信用保険を扱う主な引受会社

取引信用保険は、東京海上日動火災保険・三井住友海上火災保険・損害保険ジャパン・明治安田損害保険といった国内の損害保険会社や、アリアンツ・トレードなどが扱っています。海外取引が中心の場合は、AIG損害保険のように輸出信用を主に扱う会社もあります。商品ごとに支払事由やてん補率、対象にできる取引先の範囲が異なるため、告知書を提出して複数社から見積もりを取り、条件を比べて選ぶとよいでしょう。

取引信用保険のメリット・デメリット

ここまでの内容を踏まえ、取引信用保険のメリットとデメリットを、それぞれ同じ具体性で整理します。導入を判断するうえでは、両面を対で理解しておくことが欠かせません。

メリット

最大のメリットは、取引先の倒産による貸し倒れ損失を一定割合まで補填でき、連鎖倒産や資金繰りの急激な悪化を避けやすくなることです。損失の上限が読めるため、大口取引や新規取引にも踏み込みやすくなり、取引拡大を判断する材料にもなります。

加えて、加入時と契約期間中に保険会社が取引先を審査するため、自社の与信管理を補強できる効果もあります。全国中小企業団体中央会は、この点を制度の特長として次のように説明しています。

この制度に加入いただくことで、保険会社による取引先の審査を活用でき、企業自身の与信管理とダブルチェックが可能となります。

出典:取引信用保険制度について|全国中小企業団体中央会

デメリット

一方で、継続的に保険料の負担が発生します。取引先の倒産が起きなければ保険金は支払われないため、費用対効果は取引先の信用状況や取引額によって変わります。

また、前述のとおり損害の全額は戻らず、支払われるのは縮小支払割合を掛けた金額にとどまります。対象となる取引先を1社だけ選ぶことは原則できず、すでに信用不安のある取引先や個人事業主は補償されにくい点も、実務上の制約として押さえておく必要があります。加入には審査があり、取引先の状況によっては引き受けが限定されることもあります。

他の貸し倒れ対策との違い

貸し倒れへの備えは、取引信用保険だけではありません。目的やコストの考え方が異なる手段が複数あり、自社の狙いに合ったものを選ぶことが大切です。ここでは、取引信用保険・保証型ファクタリング(売掛保証)・買取ファクタリング・貸倒引当金という代表的な手段を、目的や対象の観点で整理します。

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比較の観点取引信用保険保証型ファクタリング(売掛保証)買取ファクタリング貸倒引当金
主な目的取引先の倒産による損失を保険金で補償(事後)保証会社が保証枠内で損失を補填(事後)売掛債権を早期に現金化(資金調達)将来の貸し倒れに備え会計上の費用を計上(自社処理)
主な対象継続的な取引先(原則まとめて引き受け)選んだ取引先・売掛債権現金化したい特定の売掛債権自社が持つ売掛債権全般
取引先の選び方原則1社だけの指定は不可(包括付保)気になる取引先を選んで設定できる現金化したい債権を選ぶ自社基準で見積もって計上
コスト構造支払限度額×保険料率(各社が個別算出)保証枠に応じた保証料売掛金額に応じた買取手数料社外への支出なし(会計上の費用計上)
資金化(資金調達)なしなしありなし

取引信用保険と保証型ファクタリング(売掛保証)は、取引先が支払えなくなった後の損失を補う事後の備えです。買取ファクタリングは資金調達、貸倒引当金は会計上の備えと、それぞれ目的が異なります。取り違えると狙った効果が得られないため、自社が求めているのが「損失の補償」「資金調達」「会計処理」のどれなのかを最初に整理しておくとよいでしょう。

損失の補償を目的とする取引信用保険と保証型ファクタリング(売掛保証)は、対象とする取引先の選び方の点で違いがあります。売掛保証サービスを提供するリコーリース株式会社の阿久津氏は、取引信用保険やファクタリングとの違いを次のように説明しています。

阿久津氏
リコーリース株式会社 BPO本部 BPO営業部 マーケティング課 課長
阿久津氏
独自インタビューより

たとえば取引信用保険の場合、保険対象先を選ぶことができず、全取引先を包括的にかけなければならないという制約があります。ファクタリングですと、1社2社の大きな売掛金を現金化するという使い方が中心です。

一方、当社の場合は、気になる取引先だけを複数社ピックアップして保証をかけることができます。保証の設定額もお客様ご自身で決めていただけますし、繁忙期には厚く、閑散期には薄くといった調整も可能です。

このように、気になる取引先だけを選んで保証をかけられる点が、取引信用保険(原則まとめて引き受け)にはない売掛保証サービスの特徴です。保証範囲や料金、対象にできる取引先は各社で異なるため、具体的に比べて選びたい場合は以下の記事が参考になります。

売掛債権を早期に現金化して資金を確保したい場合は、これらとは目的が異なる買取ファクタリングという手段があります。リスクへの備えと資金調達は目的が別なので、取り違えないようにしましょう。

国内取引信用保険と輸出取引信用保険の違い

取引信用保険には、国内取引を対象とするものと、輸出取引を対象とするものがあります。検索結果には両者が混在しやすいため、違いを押さえておきましょう。

国内取引信用保険が主に対象とするのは、取引先の倒産や支払不能といった取引先の信用に起因するリスク(信用危険)です。一方、輸出取引信用保険では、これに加えて相手国の事情によるリスクも対象になります。石垣サービス(日本商工会議所の会員向け制度)は、輸出版の補償範囲を次のように説明しています。

海外取引先の破産等の法的整理事由の発生または取引先国の為替取引制限、戦争、天災など(カントリーリスク、非常危険)の発生などにより、取引に基づく売掛金などの営業上の債権が回収できない場合に被る損害の一定部分について保険金をお支払いします。

出典:輸出取引信用保険制度|石垣サービス(日本商工会議所)

輸出版では、為替取引の制限・戦争・天災など、取引の当事者に責任のない不可抗力的な事由(非常危険、カントリーリスク)も補償の対象に含まれます。海外取引には、こうした国に起因するリスクが加わる点が国内取引との大きな違いです。

輸出向けの備えには、民間の損害保険会社が提供する輸出取引信用保険のほか、貿易保険法に基づく公的制度として株式会社日本貿易保険(NEXI)の貿易保険もあります。海外取引がある場合は、国内向けとは別枠でこれらの制度を確認するとよいでしょう。

出典・参考資料(2件)

取引信用保険は、あくまで取引先が支払えなくなった後の損失を補う備えです。損失そのものを減らすには、取引を始める前や継続中に取引先の信用を見極める与信管理が欠かせません。

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貸し倒れを事前に防ぐ:与信管理の仕組み化

与信管理とは、取引を始める前や継続中に取引先の信用力を評価し、継続的に監視する取り組みです。倒産につながる兆候を早めにつかめれば、取引条件の見直しや取引の抑制によって、損失を未然に防ぎやすくなります。取引信用保険と与信管理は、次のように事後補償と事前予防として互いを補完する関係にあります。

取引信用保険と与信管理の補完関係を示す図解。左に事前予防として与信管理(取引前・取引中に取引先の信用を評価・監視し貸し倒れそのものを減らす)、中央に取引先の倒産・支払不能という貸し倒れの発生、右に事後補償として取引信用保険(回収不能になった損害の一定割合を保険金で補償する)を配置し、両者が互いを補完する関係にあることを示す。

この与信管理を効率化するのが与信管理システムです。取引先の信用情報の収集・スコアリング・継続的なモニタリングを自動化し、担当者の判断を支援します。ここでは、代表的なサービスを2つ紹介します。機能や料金は製品によって幅があるため、複数を見比べて自社に合うものを探すとよいでしょう。

ここで取り上げる2つ以外にも、与信管理システムには対応できる調査範囲や料金体系の異なる製品が数多くあります。各社の機能・料金・タイプ別の選び方をまとめて見比べて検討したい場合は、以下の比較記事もあわせてご覧ください。

1. アラームボックス パワーサーチ(アラームボックス株式会社)

アラームボックス パワーサーチの公式サイト

会社名を入力するだけで新規取引先の与信調査・反社チェック・企業調査ができるクラウドサービスが、アラームボックス株式会社の「パワーサーチ」です。同社は2025年7月に弥生グループへ加わり、会計データと組み合わせた与信モデルの高度化を掲げています。

約500万社分のデータをもとに、AIが公知情報・公的機関情報・提携調査会社のデータを解析し、調査レポートを自動で作成します。レポートには専任の調査担当者による見解やアドバイスが付き、取引先の支払能力を★5段階の信用レベルに格付けする機能も備えています。継続監視のモニタリングと組み合わせれば、新規取引時の与信判断から継続的な監視までを一貫して扱えます。

料金は初期費用が無料で、月額3,000円からのポイント制です(2026年6月時点)。付与されたポイントを使って調査レポートや反社チェックを利用する仕組みで、反社チェックは1件500円から調査範囲に応じて選べます。まずは低コストで与信調査を試したい企業に向いています。

2. Riskdog(Baseconnect株式会社)

Riskdogの公式サイト

「取引先リスクを All in One で」を掲げるRiskdogは、Baseconnect株式会社が2025年1月に提供を開始したAI与信リスク管理サービスです。同社が法人データベース事業で蓄積した企業データ基盤を土台に、与信管理・コンプライアンスチェック(反社チェック)・法人確認を1つのプラットフォームに統合しています。

企業名または法人番号を入力すると、AIが取引先だけでなく役員・親会社・子会社に紐づくリスク情報まで自動で収集・解析します。与信管理では、企業属性などの基礎スコアとアラート情報による動的スコアの2軸でクレジットスコアを算出し、倒産確率と連携させて警戒・注意・確認の区分で示します。決算書がない企業でも定性データから倒産確率を推定できると説明しています。

料金は公式サイトでは公開されておらず、最低契約期間が12ヶ月とされています。具体的な金額は資料請求やデモの申し込みで確認する形です。運営会社のBaseconnect株式会社はISMS(ISO/IEC 27001)認証を取得しています。

以下は、ご紹介した2つの与信管理システムの比較表です。

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サービス名アラームボックス パワーサーチRiskdog
提供会社アラームボックス株式会社
(弥生グループ)
Baseconnect株式会社
主な機能与信調査・反社チェック
企業調査・モニタリング
与信管理・反社チェック
法人確認
初期費用無料要問い合わせ
月額費用3,000円〜
(ライトプラン・ポイント制)
要問い合わせ
従量料金反社チェック1件500円〜
(ワンコイン)
要問い合わせ
最低契約期間記載なし12ヶ月
無料トライアル30日間公表なし
特徴会社名入力でAIが調査レポートを自動作成
専任担当者の見解・アドバイス付き
与信・反社・法人確認を1つに統合
役員・親会社・子会社まで自動追跡
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見る

※料金・仕様は2026年6月時点の各社公式情報にもとづきます。最新の内容は各社の公式情報をご確認ください。

まとめ

取引信用保険は、取引先の倒産などで売掛債権が回収できなくなったときに、損害の一定割合を補償する損害保険です。支払われるのは損害の全額ではなく縮小支払割合を掛けた金額であり、保険料率は各社が個別に算出するため、実際の水準は見積もりで確認するのが確実です。

また、対象となる取引先は原則としてまとめて引き受ける包括付保が基本で、特定の1社だけを選んで掛けることや、個人事業主・信用不安先を対象にすることは難しいという制約もあります。加入を検討する場合は、支払事由や対象外の条件を約款で確認し、複数社に見積もりを依頼して比較しましょう。

そして、貸し倒れそのものを減らしたい場合は、取引先の信用を事前に見極める与信管理の仕組み化が有効です。MCB FinTechカタログでは、与信管理システムの資料を無料で一括請求できます。ぜひ各社の資料を取り寄せて、自社に合った備えを検討してください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 取引信用保険とは何ですか?

A. 取引信用保険とは、取引先の倒産などで売掛債権が回収できなくなったときに、その損害の一定割合を保険金として補償する損害保険です。保証会社が支払いを肩代わりする「保証」ではなく、保険業法上の損害保険にあたり、原則として継続的に取引している相手が補償の対象になります。

Q. 取引信用保険はどのような場合に保険金が支払われますか?

A. 取引信用保険の保険金は、取引先の破産・民事再生・会社更生などの法的整理や、手形交換所の取引停止処分、長期の代金支払遅延といった「倒産状態」に該当したときに支払われます。ただし、夜逃げや私的整理を含めるか、どの時点で支払対象と認めるか(申立か手続開始決定か)は保険会社・約款で異なるため、備えたい取引先の状況が対象に入るかを契約前に重要事項説明書で確認しましょう。

Q. 取引信用保険では損害の全額が戻りますか?

A. 取引信用保険で戻るのは損害の全額ではなく、損害額に「縮小支払割合(てん補率)」を掛けた金額にとどまります。残りの部分は自己負担となり、さらに取引先ごとに設定した支払限度額という上限もあります。てん補率は保険会社・商品によって異なり、引受各社は率を公式に開示していないため、実際の割合は見積もりや重要事項説明書で確認する必要があります。

Q. 取引信用保険は特定の取引先1社だけに掛けられますか?

A. 取引信用保険は、信用不安のある特定の1社だけを選んで掛けることは原則できません。多くの商品が、継続的に取引している相手をまとめて引き受ける「包括付保」を基本とするためです。「全取引先」や「上位数社」といった単位で対象を設定する形が一般的で、備えたい1社だけを後から個別に掛ける使い方は想定されていないのが通常です。

Q. 相手が個人事業主でも取引信用保険の対象になりますか?

A. 取引信用保険は、取引先が個人・個人事業主の場合は補償の対象外としている商品が多く見られます。同様に、自社の関連会社や、すでに支払不能の状態にある取引先に対する債権も対象外とされるのが一般的です。対象外の範囲は保険会社・約款によって異なるため、法人以外の取引先を多く抱える場合は、加入前に対象範囲を確認しましょう。

Q. 取引信用保険の保険料はどのくらいかかりますか?

A. 取引信用保険の保険料は、「支払限度額(または債権額)×保険料率」で計算されますが、料率は各社が取引先の信用状況・業種・取引構成をもとに個別に算出するため、一律の相場はありません。下限保険料が設定されることもあり、実際の負担額は、告知書を提出して複数社に見積もりを依頼し、比較して確かめるのが確実です。

Q. 取引信用保険の保険料は経費(損金)にできますか?

A. 事業のために支払う取引信用保険の保険料は、一般に法人では損金、個人事業主では必要経費に算入できるとされています。ただし、税務上の取り扱いは契約内容や会計処理によって異なる場合があるため、詳細は顧問税理士や所轄の税務署に確認することをおすすめします。

出典・参考資料(1件)

Q. 小規模な取引や中小企業でも取引信用保険に加入できますか?

A. 取引信用保険は、企業規模による明確な加入制限は設けられていないのが一般的ですが、下限保険料が設定されている商品では、取引額が小さいと保険料の割高感が出ることがあります。取引額や取引先数に対して保険料が見合うかは、見積もりで費用対効果を確認したうえで判断するとよいでしょう。取引先を見極めて貸し倒れ自体を減らしたい場合は、後述の与信管理という選択肢もあります。

Q. 取引信用保険と保証型ファクタリングはどちらを選べばよいですか?

A. どちらも取引先が支払えなくなった後の損失に備える事後補償ですが、取引先をまとめて引き受けて全体のリスクを平準化したいなら取引信用保険、特定の売掛債権・取引先を選んで保証を掛けたいなら保証型ファクタリングが向いています。売掛金を早期に現金化したい資金調達が目的なら、目的の異なる買取ファクタリングが該当します。「リスクヘッジ」か「資金調達」かを取り違えないことが大切です。

Q. 海外の取引先の売掛金も取引信用保険で備えられますか?

A. 海外取引先の売掛金には、国内向けではなく「輸出取引信用保険」で備えます。輸出版では、取引先の倒産などの信用リスクに加え、相手国の為替取引制限・戦争・天災といったカントリーリスク(非常危険)も補償対象に含む点が国内向けとの違いです。民間損保のほか、貿易保険法に基づく公的制度として日本貿易保険(NEXI)の貿易保険もあるため、海外取引がある場合は別枠で確認しましょう。

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Q. 取引信用保険に入れば与信管理は不要になりますか?

A. 取引信用保険に入っても、取引先の信用を見極める与信管理が不要になるわけではありません。保険は「回収不能になった後」の損失を補う事後の備えであり、貸し倒れそのものを減らすには、取引を始める前や継続中に取引先の信用を評価・監視する与信管理が欠かせません。保険と与信管理は、事後補償と事前予防として互いを補完する関係にあります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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