自己資金がほとんどない状態で飲食店の開業を考えると、まず気になるのは「そもそも資金ゼロで開業できるのか」という一点ではないでしょうか。結論から言えば、日本政策金融公庫の創業融資などを使えば自己資金ゼロでも申し込み自体は可能です。ただし現実には、開業した人の多くが数百万円規模の自己資金を用意しています。
大切なのは、「ゼロでも申し込める」という制度の建前と、「審査に通り、開業後に資金が尽きない」という現実の両方を正しく理解することです。そのうえで、公的融資・制度融資・補助金・クラウドファンディングなど、使える資金調達の手段を条件ごとに見比べる必要があります。
本記事では、飲食店を自己資金ゼロに近い状態で開業するための資金調達7つの方法を、調達できる額・自己資金ゼロでも申し込めるか・返済の有無・調達スピード・審査の難易度で1枚の表に整理して比較します。開業費そのものを抑える方法や、審査を通すための勘所まで、順を追って解説します。
目次
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飲食店は開業資金ゼロでも始められる?結論と最低ライン
飲食店は、自己資金がゼロでも開業できる可能性があります。日本政策金融公庫の創業融資には、申し込みの要件として「自己資金が総額の何割以上必要」という定量の自己資金要件が設けられていないため、自己資金ゼロでも申し込むこと自体は可能です。ただし、これは「誰でも簡単に借りられる」という意味ではありません。
現実に開業した人がどれくらいの資金を用意しているかを見ると、日本政策金融公庫の調査では、開業費用の平均は985万円、中央値は580万円でした。資金の集め方としては、自己資金が平均293万円(全体の24.5%)、金融機関からの借り入れが平均780万円(同65.2%)で、この2つで約9割を占めています。そのため、多くの開業者は「自己資金2〜3割+借入で残りをまかなう」形で開業していることになります。
開業費用の平均値は985万円、中央値は580万円であり、長期的にみると少額化の傾向にある。
資金調達先は、「金融機関等からの借り入れ」が平均780万円(平均調達額に占める割合は65.2%)、「自己資金」が平均293万円(同24.5%)であり、両者で全体の89.6%を占める。
出典:2024年度新規開業実態調査|日本政策金融公庫総合研究所
この数字は不動産賃貸業を除く新規開業全体の平均で、飲食店だけに限った金額ではありません。それでも、自己資金がゼロに近い状態から始めるなら、開業後の運転資金までを借入と調達手段の組み合わせでまかなう計画が欠かせない、という実態は読み取れます。
このように、自己資金が完全にゼロでも申し込みはできますが、現実的な下限として、少なくとも開業費用とは別に運転資金の数か月分と当面の生活費は手元に用意しておきたいところです。次章以降で、必要な資金の内訳と、自己資金ゼロでも使える具体的な調達手段を見ていきます。(数値は2026年9月時点で確認した調査結果です。)
飲食店の開業資金はいくら必要?相場と内訳
ここからは、自己資金ゼロで開業を目指すときに把握しておきたい「必要な資金の目安」を、相場と内訳の順に整理します。必要額が見えると、いくらを借入や補助金でまかなうべきかが具体的になります。
開業資金の相場
前章のとおり、日本政策金融公庫の2024年度の調査では、新規開業の開業費用は平均985万円、中央値は580万円でした。金額の分布を見ると、「250万円未満」が20.1%、「250万〜500万円未満」が21.0%と、500万円未満で4割以上を占めます。一方で「500万〜1,000万円未満」も30.7%あり、業態や立地によって幅が大きいことがわかります。
飲食店の場合、必要額は開業の形態で大きく変わります。席数の多い店舗を好立地でスケルトン物件から造作すると、物件取得費と内外装・厨房設備費がふくらみ、総額が1,000万円を超えることもあります。
一方、前のテナントの設備を引き継げる居抜き物件なら数百万円台に、キッチンカーや間借りなど小さく始める形態なら数百万円未満に抑えることも可能です。まずは自分が目指す店の規模と開業形態から必要額のあたりをつけることが、資金計画の出発点になります。
初期投資の内訳(物件・内外装・運転資金・生活費)

飲食店の開業資金は、大きく4つに分けて考えると計画が立てやすくなります。1つ目は物件取得費で、保証金・礼金・仲介手数料・前家賃などを合わせ、家賃の6〜10か月分が目安です。家賃30万円の物件なら、180万〜300万円ほどが必要になります。
2つ目は内外装工事費と厨房設備費です。居抜き物件を使えば前のテナントの設備を引き継いで数百万円規模に抑えられますが、スケルトン物件(内装・設備が無い状態の物件)をゼロから造作する場合は坪単価が高く、総額で数百万〜1,000万円を超えることもあります。
3つ目は運転資金です。開業直後は売上が安定しないため、家賃・人件費・仕入れ・水道光熱費といった毎月の固定費の3〜6か月分を、手元に残しておくのが目安になります。4つ目が、事業が軌道に乗るまでの自分自身の生活費で、こちらも数か月分を見込みます。
運転資金と生活費を軽く見積もると、開業できても数か月で資金が尽きる、という失敗につながりやすいため、余裕を持って計上しましょう。これらの目安は業態や立地によって大きく変わるため、自分の計画に合わせて具体的な金額に置き換えて確認しましょう。
自己資金ゼロで使える資金調達7つの方法を比較
ここからは、自己資金ゼロに近い状態でも使える資金調達の方法を7つ取り上げ、条件を横並びで比較します。まず全体像を表で確認し、そのあとで各手段の中身を解説します。手段によって「借りたお金(返済あり)」「もらえるお金(返済不要)」「手元資産の現金化」と性質が異なる点に注目してください。

| 資金調達方法 | 日本政策金融公庫の創業融資 | 自治体の制度融資(信用保証協会) | 補助金・助成金 | クラウドファンディング | 親族・知人からの借入 | 手持ち資産の売却 | ビジネスローン・カードローン |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 調達できる額の目安 | 〜7,200万円 | 自治体により異なる | 制度による(例:上限50万円・特例で最大250万円) | プロジェクトによる | 相手との関係による | 売却する資産による | 数十万〜1,000万円規模 |
| 自己資金ゼロでも申込 | 可(定量の自己資金要件なし。審査は事業計画を重視) | 自治体・信用保証協会の審査による | 開業資金には不向き(後払い・自己負担が先行) | 可(自己資金は問われない) | 可 | 資産を自己資金化する手段 | 商品による(開業直後は選択肢が限られる) |
| 返済・交付 | 返済あり(担保・保証人は相談のうえ決定) | 返済あり(別途、信用保証料が必要) | 交付(返済不要) | 購入型は返済不要(リターンの提供が必要) | 返済あり(取り決めによる) | 返済不要 | 返済あり(金利は公的融資より高めの傾向) |
| 調達スピード | 申込〜融資まで数週間程度 | 公庫より時間がかかる傾向 | 遅い(公募・交付決定・精算払い) | 募集期間が必要 | 速い | 速い | 速い(最短即日〜数日) |
| 審査の難易度 | 中(創業計画の説得力が必要) | 中 | 公募審査あり | 支援を集められるかが実質的なハードル | 審査なし(借用書の作成を推奨) | 審査なし | 商品による |
※各手段の一般的な傾向をまとめたものです。限度額・金利・要件は制度改正や各社の商品改定で変わるため、利用時に各公式情報をご確認ください(2026年9月時点)。
日本政策金融公庫の創業融資
自己資金が乏しい状態での開業で、最初に検討したいのが日本政策金融公庫の創業融資です。現在の制度名は「新規開業・スタートアップ支援資金」で、新たに事業を始める人や事業開始からおおむね7年以内の人が対象です。融資限度額は7,200万円で、返済期間は設備資金が20年以内、運転資金が原則10年以内、担保・保証人は希望を聞きながら相談で決める仕組みです。
ご利用いただける方 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
出典:創業支援(新規開業・スタートアップ支援資金)|日本政策金融公庫
融資限度額 7,200万円
ご返済期間 設備資金 20年以内<うち据置期間5年以内>/運転資金 (原則) 10年以内<うち据置期間5年以内>
かつて「新創業融資制度」には自己資金要件がありましたが、現在の新規開業・スタートアップ支援資金では、申し込みの要件として自己資金の割合は定められていません。ただし、自己資金がまったく審査に関係しないわけではありません。公庫は、自己資金は重要な要素の一つとしつつ、それ以上に創業計画がしっかりしているかを重視すると説明しています。
自己資金は重要な要素のひとつですが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要になります。
出典:創業支援 START よくあるご質問|日本政策金融公庫
自治体の制度融資(信用保証協会)
制度融資は、都道府県や市区町村といった自治体・信用保証協会・金融機関の三者が連携して行う融資です。信用保証協会は、信用保証協会法にもとづき、中小企業・小規模事業者の資金調達を円滑にするために設けられた公的機関です。事業者の公的な保証人となることで、実績の乏しい創業者でも金融機関から融資を受けやすくします。
利用の際は、利息とは別に信用保証料がかかります。融資の限度額や保証料率、対象となる要件は自治体ごとに異なるため、開業予定地の自治体や信用保証協会の窓口で、創業者向けの制度融資があるかを確認するのが確実です。公庫の創業融資と併用して、必要額を分けて調達するケースもあります。
出典・参考資料(1件)
補助金・助成金
補助金・助成金は返済が不要な点が魅力ですが、開業資金そのものをまかなう手段としては注意が必要です。飲食店の開業で使える代表例は、中小企業庁の小規模事業者持続化補助金です。これは経営計画にもとづく販路開拓などを支援する制度で、補助上限は50万円(特例を活用した場合は最大250万円)、補助率は3分の2です。
地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とし、持続的な経営に向けた経営計画に基づく販路開拓等の取組を支援します
出典:小規模事業者持続化補助金(通常枠)公募要領|中小企業庁
注意したいのは、対象が「販路開拓」であり、物件取得や内外装といった開業費用そのものには使いにくい点です。さらに、補助金は原則として後払い(精算払い)で、先に自己負担で支出してから後日交付されます。そのため、立て替えるための資金は自分で用意する必要があるため、開業初期の資金ゼロを直接埋める手段にはなりにくいと理解しておきましょう。
クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネット上で事業の趣旨に共感した人から資金を募る方法です。飲食店では、完成した店の食事券やオリジナル商品をリターンとして提供する「購入型」がよく使われます。購入型は融資と違って返済義務がなく、自己資金の有無も問われないため、資金ゼロからでも挑戦できます。
一方で、目標額を集めるにはプロジェクトの魅力を伝える発信力と準備が必要で、募集期間もかかります。開業前から店のファンや見込み客をつくれる利点はありますが、確実に予定額が集まる保証はないため、他の調達手段と組み合わせて考えるのが現実的です。
親族・知人からの借入
親族や知人からの借入は、審査がなく、金利や返済条件を柔軟に決めやすい調達方法です。信頼関係があれば短期間で用意できることもあり、自己資金が乏しい時期の助けになります。公庫の創業融資では、こうした借入も、返済義務のない贈与であれば自己資金として扱えるケースがあります。
ただし、口約束で済ませると、後々の返済トラブルで人間関係を損なうおそれがあります。借入である場合は、金額・返済方法・期日を明記した借用書を作成し、資金の受け渡しも記録に残しておきましょう。お金のやりとりを明確にしておくことが、良好な関係を保つうえでも欠かせません。
手持ち資産の売却(資産の現金化)
使っていない不動産・車・有価証券などの資産があれば、売却して開業資金に充てる方法もあります。借入ではないため返済の必要がなく、審査も不要で、比較的早く現金化できるのが利点です。売却で得た資金は自分のお金として使えるため、そのぶん借入額を減らせます。
注意点は、生活や事業に本当に必要な資産まで手放さないことです。売却のタイミングによっては相場より安くなることもあるため、いくらで現金化できるかを事前に確認し、手元に残すべき資産と切り分けて判断しましょう。
ビジネスローン・カードローン
事業者向けのビジネスローンやカードローンは、ノンバンクなどが提供する融資で、最短即日〜数日というスピードが特長です。公庫や制度融資の審査に時間がかかる場合や、開業後に急な運転資金が必要になった場合の、つなぎ資金の選択肢になります。無担保・無保証で申し込める商品も多く、手続きも比較的簡単です。
その分、金利は公的融資より高めに設定されるのが一般的で、開業直後は業歴や実績の面で審査に通りにくい商品もあります。まずは金利の低い公的融資を軸に据え、スピードやつなぎ資金が必要な場面で補助的に使うのが、無理のない組み合わせです。具体的な事業者向けビジネスローンは、記事後半で条件を比較します。
自己資金ゼロで融資審査を通すための勘所
自己資金がゼロに近いと、「審査に落ちるのでは」と不安になりがちです。ここでは、公的融資の審査で見られる点と、通過の確率を上げるための準備を整理します。
前提として、日本政策金融公庫は自己資金の多さよりも創業計画の内容を重視すると明言しており、自己資金の割合は平均で2割程度と説明しています。自己資金が少ないこと自体が、直ちに不合格を意味するわけではありません。
出典・参考資料(1件)
そのうえで、審査の核になるのが創業計画書です。なぜこの店を開くのか、どのような客層に何を提供するのか、月々いくら売り上げ、いくら返済できるのかを、根拠のある数字で示すことが求められます。特に、売上の見込みは「席数×客単価×回転数×営業日数」のように計算過程を明らかにし、希望的観測ではなく現実的な数値で組み立てることが大切です。
あわせて、これまでの飲食業での勤務経験や、開業に向けて自分で準備してきたこと(見習い・資格取得・少額でも貯めてきた事実)は、返済能力と本気度を裏づける材料になります。自己資金が少ない場合ほど、計画の精度と経験の説明でその不足を補う姿勢が重要です。
開業費そのものを抑える方法
資金ゼロからの開業では、「いくら借りるか」と同じくらい「必要額をどう下げるか」が効いてきます。開業スタイルを工夫すれば、初期投資を抑えられます。代表的な方法を見ていきましょう。
居抜き物件の活用では、前のテナントの厨房設備や内装をそのまま使えるため、スケルトンから作るより内外装・設備の費用を抑えられます。キッチンカー(フードトラック)は、店舗物件の保証金や高額な内装工事が不要で、車両を軸に小さく始められます。間借り(シェアレストラン)は、既存店の空き時間を借りて営業する形態で、物件取得費をかけずに実店舗での営業経験を積めます。
さらに、デリバリー・テイクアウト専門店なら客席が不要なため、小さな厨房スペースだけで開業でき、家賃と内装費を抑えられます。内装の一部を自分で仕上げるDIYも、工事費の削減につながります。まずはこうした低コストな形態で始めて利益を積み、そのうえで店舗を構える段階的な進め方は、資金ゼロ開業の現実的な選択肢です。
資金ゼロ開業のリスクと失敗を避けるポイント
自己資金ゼロでの開業には、知っておくべきリスクがあります。事前に把握しておけば、対策を打てます。ここでは主なリスクと、その回避策を確認します。
最も大きいのは運転資金がショートするリスクです。自己資金が少ないと、開業でほぼ資金を使い切り、売上が安定する前に手元資金が尽きてしまいがちです。開業費用とは別に、数か月分の運転資金と生活費を必ず確保しておくことが、事業を続けるための生命線になります。
次に、借入への依存が返済負担を重くするリスクです。自己資金が少ないほど借入額は大きくなり、毎月の返済が経営を圧迫します。返済計画は、楽観的な売上ではなく、厳しめの見込みでも返せる水準で組みます。加えて、親族・知人からの借入は人間関係のトラブルにつながるリスクがあるため、条件を書面に残しておくことが欠かせません。無理のない計画で借りすぎないことが、資金ゼロ開業を成功に近づけます。
スピード・つなぎ資金なら事業者向けビジネスローンという選択肢
資金調達の軸は、金利の低い公的融資に置くのが基本です。ただ、公的融資は審査に数週間かかることがあり、開業直前の支払いや、開業後の急な運転資金には間に合わないこともあります。そうした場面で、つなぎ資金として役立つのが事業者向けのビジネスローンです。最短即日〜数日で調達できる一方、金利は公的融資より高めなので、必要な分だけ短期で使うのが賢い付き合い方です。
公庫や自治体の制度融資は、各機関の窓口に直接申し込む必要があります。ここで紹介するのは、開業初期の個人事業主でも申し込みやすい、つなぎ資金向けの事業者向けビジネスローンです。まずは条件を並べて比較し、そのあと各サービスの特徴を見ていきましょう。
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| サービス名 | ビジネスパートナー スモールビジネスローン | AGビジネスサポート 事業者向けビジネスローン | アイフル 事業サポートプラン |
|---|---|---|---|
| 実質年率 | 9.98%〜18.0% | 3.1%〜18.0% | 無担保 3.0%〜18.0% 不動産担保 3.0%〜12.0% |
| 融資限度額 | 50万円〜500万円 | 50万円〜1,000万円 | 無担保 1万円〜500万円 不動産担保 100万円〜1億円 |
| 融資スピード | 最短5日 (公式表記) | 最短即日 | 要問い合わせ |
| 担保 | 不要 | 不要 | 無担保・不動産担保 から選択 |
| 対象 | 法人・個人事業主 | 法人・個人事業主 | 法人・個人事業主 |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※上記は2026年6月時点の各社公式情報に基づく概要です。実質年率・融資限度額・融資スピードは審査結果や申込条件により異なります。最新かつ詳細な条件は各社公式情報をご確認ください。
ここで取り上げたのは、開業初期でも申し込みやすい3サービスです。金利や即日融資の可否、審査の柔軟性まで含めて事業者向けビジネスローンをより広く見比べたい場合は、以下の記事で法人・個人事業主別の選び方とあわせて解説しています。つなぎ資金の借入先を本格的に検討する際の参考にしてください。
ビジネスパートナー スモールビジネスローン(株式会社ビジネスパートナー)

株式会社ビジネスパートナーが提供する、法人・個人事業主向けのカードローン型ビジネスローンです。決算書または確定申告書が1期分でも審査対象となり、創業間もない事業者も相談できる点が、開業初期の資金調達で心強い特長です。
実質年率は9.98%〜18.0%、融資限度額は50万円〜500万円で、担保は不要です。来店せずに郵送手続きで完結し、契約後はセブン銀行ATMで借入・返済ができます。事務手数料や繰上返済手数料がかからないため、少額を短期で使いたいつなぎ資金の用途に向いています(2026年6月時点の公式情報)。
AGビジネスサポート 事業者向けビジネスローン(AGビジネスサポート株式会社)

アイフルグループで事業者向け融資を専門に扱うAGビジネスサポート株式会社の無担保ビジネスローンです。法人と個人事業主のどちらも対象で、給与所得者を除く事業者が申し込めます。最短即日融資に対応しており、スピードを求める場面で選択肢になります。
無担保でまとまった枠を組めるのが強みで、実質年率3.1%〜18.0%、融資限度額は50万円〜1,000万円です。返済は元利均等返済(毎回の返済額が一定になる方式)で最長5年、元金一括返済なら最長1年から選べ、開業後の資金繰りに合わせて組み立てられます(2026年6月時点の公式情報)。
アイフル 事業サポートプラン(アイフル株式会社)

アイフル株式会社が個人事業主・法人向けに提供する事業者向け融資です。無担保ローンと不動産担保ローンの2つがあり、資金使途は運転資金や設備投資資金などの事業資金です。個人プランは保証人が原則不要で、個人事業主が申し込みやすい設計になっています。
無担保ローンの実質年率は3.0%〜18.0%、契約限度額は1万円〜500万円で、返済期間は最長10年(120回)まで設定できます。返済期間を長めにとれるため、開業直後で月々の返済負担を抑えたい場合に検討しやすい選択肢です(2026年6月時点の公式情報)。
まとめ
飲食店は、自己資金ゼロでも開業できる可能性があります。日本政策金融公庫の創業融資には定量の自己資金要件がなく、自己資金ゼロでも申し込めるためです。ただし現実には、開業した人の多くが2〜3割の自己資金と借入を組み合わせており、資金ゼロから始めるなら、開業後の運転資金までを見据えた計画が欠かせません。
資金調達は、金利の低い公庫の創業融資や自治体の制度融資を軸に据え、補助金・クラウドファンディング・親族からの借入・資産の売却を必要に応じて組み合わせるのが基本です。あわせて、居抜きやキッチンカーなどで開業費そのものを抑えれば、必要な借入額を下げられます。
自己資金がゼロに近いなら、まずは公庫の創業融資に事業計画で挑み、足りない分を自治体の制度融資で補い、スピードやつなぎ資金が要る場面で事業者向けビジネスローンを使う、という順番が現実的です。自社の状況に合う手段を、条件を並べて選んでください。
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飲食店の資金ゼロ開業に関するよくある質問(FAQ)
Q. 開業資金でいう自己資金とは何ですか?
A. 自己資金とは、事業のために自分で用意した、返済義務のないお金のことです。飲食店の開業では、コツコツ貯めてきた預貯金が代表例で、親族などから受けた返済不要の贈与を含められる場合もあります。
一方で、他人から一時的に借りて口座に入れただけの「見せ金」は自己資金とは認められません。日本政策金融公庫は、自己資金を審査で重要な要素の一つとしつつ、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかを重視すると説明しています。
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Q. 飲食店は自己資金が1円もなくても融資を受けられますか?
A. 飲食店の開業融資は、制度上は自己資金がゼロでも申し込めますが、実際に審査を通すのは簡単ではありません。日本政策金融公庫の創業融資には定量の自己資金要件がない一方、自己資金の少なさを補うだけの創業計画の精度や、飲食業での経験が問われるためです。
開業直後の運転資金の準備は実質的に欠かせないため、少額でも自己資金を用意し、事業計画書で返済能力を具体的に示すことが望ましいでしょう。
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Q. 親族や知人から借りたお金は、開業の自己資金に含まれますか?
A. 親族や知人からの資金は、返済義務のない贈与であれば自己資金として扱える場合がありますが、返済を前提とした借入は自己資金には含まれません。借入分は、他の借入と同じ扱いになります。
贈与として自己資金に含めたい場合は、返済不要であることを書面や資金の記録で明確にしておくと、審査での説明がスムーズです。借入の場合は、金額・返済方法・期日を記した借用書を作成し、後々の返済トラブルを避けましょう。
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Q. 飲食店の開業では、運転資金を最低どれくらい用意すべきですか?
A. 運転資金に法律上の最低額はありませんが、開業費用とは別に、家賃・人件費・仕入れ・水道光熱費などの数か月分と、当面の生活費を手元に残しておくのが安全です。開業直後は売上が安定しないため、この期間を耐えられる資金があると、資金繰りに追われず経営に集中できます。
自己資金が少ない場合ほど、開業費用だけでなく運転資金までを借入や調達手段でまかなう計画を立てておくことが、開業後に資金が尽きる失敗を避ける鍵になります。
Q. 補助金や助成金だけで飲食店の開業資金をまかなえますか?
A. 補助金や助成金だけで開業資金をまかなうのは現実的ではありません。多くの補助金は原則として後払い(精算払い)で、先に自己負担で支出する必要があり、対象も販路開拓など開業費そのものには使いにくいためです。
たとえば小規模事業者持続化補助金は、補助上限50万円(特例を活用した場合は最大250万円)・補助率3分の2ですが、立て替えるための資金は自分で用意しなければなりません。開業資金は融資を軸に据え、補助金は開業後の販路開拓などに補助的に活用するのが現実的です。
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Q. 飲食店の開業融資の審査に落ちたら、どうすればよいですか?
A. 融資審査に落ちても、創業計画書を練り直して再申請する、自治体の制度融資を併用する、開業費そのものを抑えて必要額を下げる、といった次善策があります。一度の不採用で開業を諦める必要はありません。
まずは落ちた理由(売上根拠の弱さ・自己資金の不足・経験の説明不足など)を振り返り、計画を具体化します。開業直前の支払いや開業後の急な運転資金にどうしても間に合わない場合は、最短即日〜数日で調達できる事業者向けビジネスローンを、金利の高さを踏まえて短期のつなぎ資金として使う方法もあります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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