創業して間もなく決算期をまだ迎えていない、直近の決算が赤字で提出をためらう、個人事業主で決算書という形の書類がない——こうした事情から、事業資金の借入をあきらめかけていませんか。決算書を出しづらい状況は、資金繰りが厳しくなりやすい創業期や、仕入れ・納税・つなぎ資金を急いで手当てしたい場面ほど重なりがちです。
決算書の提出なしで申し込める事業者向けのビジネスローンは実在します。金融機関や貸金業者は、決算書の代わりに口座の入出金明細や売上・取引データ、確定申告書などから返済能力を確認します。では、実際にどのサービスに申し込めて、自社の状況で通る可能性が高いのはどれなのでしょうか。
本記事では、決算書不要で申し込めるビジネスローン17サービスを、提供元・審査タイプ別に比較・解説します。金利・融資限度額・融資スピード・申込対象・審査方法を横並びで整理し、創業期・赤字・個人事業主それぞれに合った選び方までまとめました。条件の合う1社を見つけるための判断材料としてご活用ください。
また、貴社の状況に合わせて申し込みやすいサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。創業期・赤字・個人事業主といった条件を選ぶだけで候補が絞り込めますので、ぜひこちらもご活用ください。
目次
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本記事の対象範囲
本記事は、決算書(法人の貸借対照表・損益計算書など)の提出なしで申し込める事業者向けビジネスローンを対象とします。口座の入出金明細・確定申告書などで返済能力を確認でき、創業直後や赤字決算でも申込・相談ができる条件を満たすサービスを比較します。決算書なしで申し込めるルートがあるのは主に個人事業主向けで、法人だと決算書が必要な商品も一部含みます。
決算書を提出できる状態で、条件を絞らずビジネスローン全般から比べたい場合は、こちらの比較記事もあわせてご覧ください。
「決算書不要」のビジネスローンとは?
「決算書不要」という表現は、申込時に決算書を出さなくてよいという意味であって、審査そのものがないわけではありません。まずは言葉の実態と、決算書の代わりに何で返済能力が確認されるのかを整理します。ここを誤解すると、業者選びで思わぬ落とし穴にはまります。
申込時の決算書提出が原則不要という意味
決算書不要のビジネスローンとは、申込の段階で決算書の提出を原則求めないサービスを指します。審査を省くわけでも、書類がまったく要らないわけでもありません。本人確認書類や確定申告書、口座の入出金明細など、決算書以外の書類は必要になるのが通常です。
また、申込時は不要でも、審査の状況や希望額によっては、決算書や確定申告書、追加の資料を後から求められる場合があります。「決算書を一切見られない」と考えるのではなく、「提出のハードルが下がっている」と捉えるのが実態に近いといえます。正規の貸金業者は法律上、契約前に返済能力を調査する義務を負っており、審査を行わずに融資することはありません(詳しくは利用する際の注意点で解説します)。
なぜ通常は決算書が求められるのか
そもそも事業者向けの融資で決算書が求められるのは、事業の実態と返済能力を確認するためです。貸し手は、決算書から売上や利益の推移、資産と負債のバランス、他社からの借入状況を読み取り、貸したお金が期日どおりに返ってくるかを判断します。
決算書は複数期分の財務状況をまとめて示せるため、審査材料として有効です。裏を返せば、決算期を迎えていない創業直後や、赤字が続いている時期には、この書類が用意できなかったり、提出すると不利に働くと感じられたりします。決算書不要のサービスは、この材料を別の情報で補う設計になっています。
決算書の代わりに何で審査するのか
決算書を提出しない場合、貸し手は返済能力を別の情報から確認します。代表的なのが、銀行口座の入出金明細です。日々の売上入金や経費の支払いの流れから、事業が回っているか、資金繰りに無理がないかを読み取ります。ネット銀行系では、口座の取引データを直接参照して審査に用いるサービスもあります。
個人事業主であれば、確定申告書や青色申告決算書、収支内訳書が事業実態を示す書類になります。ECサイトや加盟店向けのサービスでは、決済プラットフォーム上に蓄積された売上・取引のデータを審査に使う方式もあります。いずれも、決算書という一つの書類に頼らず、複数の情報から返済能力を組み立てる点が共通しています。
決算書不要で申し込める提供元・審査タイプ
決算書不要で申し込めるビジネスローンは、提供元と審査のやり方によって大きく3つのタイプに分けられます。それぞれ審査で重視する情報や、創業期・赤字への向き合い方が異なるため、自社がどのタイプに申し込めそうかを見極めることが選定の出発点になります。まずは全体像を一覧で示します。
| 提供元・審査タイプ | 主な審査方法 | 該当する主なサービス |
|---|---|---|
| 銀行・ネット銀行系 | 口座の入出金明細・取引データや連携した会計データをもとに審査 | あんしんワイド、PayPay銀行 ビジネスローン、事業性融資dayta、GMOあおぞらビジネスローン freee会員向け、フィンディ |
| ノンバンク・消費者金融系 | 独自審査。確定申告書・入出金明細・事業内容の確認などで判断し、赤字・創業直後も相談可 | アコム、プロミス、アイフル、AGビジネスサポート、オリックスVIP ローンカードBUSINESS、オリコ CREST for Biz、レイク de ビジネス、ビジネスパートナー、ドコモ・ファイナンス |
| オンライン完結・売上連動型 | 加盟店の売上・取引データをもとに審査し、申込から契約までオンラインで完結 | Amazonレンディング、楽天スーパービジネスローン エクスプレス、GMOイプシロン トランザクションレンディング |
3つのタイプは、決算書の代わりに見る情報と、金利・スピードの傾向で整理できます。

銀行・ネット銀行系
銀行・ネット銀行系は、決算書ではなく口座の入出金明細や取引データをもとに審査するタイプです。日々の入出金の動きから事業の状況を把握するため、決算書の提出なしで申し込める商品が用意されています。会計ソフトと連携し、そのデータをAIが読み取って与信を行うサービスもあります。
金利は3つのタイプの中では相対的に低めに設定される傾向があります。一方で、一定の口座利用実績や業歴を申込条件とする商品もあり、創業直後の法人が対象外になるケースもあります。すでに取引のある口座を持っている事業者にとって、書類の準備が軽く済む選択肢です。
ノンバンク・消費者金融系
ノンバンク・消費者金融系は、貸金業者が自社の基準で審査を行うタイプです。決算書の代わりに確定申告書や口座の入出金明細、事業内容の確認書類などで返済能力を判断し、赤字決算や創業直後でも申込・相談ができる商品が多いのが特徴です。個人事業主専用のカードローンでは、そもそも法人の決算書が構造的に不要となります。
ここでいうノンバンクは、貸金業法にもとづき登録を受けた正規の貸金業者を指します。貸金業を営むには国または都道府県の登録が必要と定められており、登録業者は法律の枠組みの中で審査・融資を行います。銀行系に比べて金利は高めになりやすい一方、審査のスピードが速く、最短即日での融資に対応する商品もあります。
出典・参考資料(1件)
オンライン完結・売上連動型
オンライン完結・売上連動型は、ECモールや決済サービスの加盟店向けに提供されるタイプです。決算書ではなく、プラットフォーム上に蓄積された販売実績や取引データをもとに審査し、申込から融資までをオンラインで完結させます。日々の売上が可視化されているため、決算書を用意しなくても返済能力を示しやすい仕組みです。
利用できるのは、対象となるモールや決済サービスの加盟店に限られます。招待制で条件が個別に提示される商品もあり、誰でも申し込めるわけではありません。ネット通販や実店舗の決済で一定の売上実績がある事業者にとって、書類負担が最も軽いタイプといえます。
ここまで3つのタイプを見てきましたが、自社がどのタイプに申し込みやすいか、判断が難しいこともあります。そのような場合でも、貴社の状況に合わせて候補を最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
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【比較表】決算書不要で申し込めるビジネスローンを比較
ここからは、自社の状況に合わせて客観的に比較・検討できるよう、決算書不要で申し込める17サービスを横並びで整理します。提供元・審査タイプ、決算書の代わりとなる審査方法、実質年率、融資限度額、融資スピード、申込対象(法人/個人事業主)を一覧で確認できます。金利や限度額の水準だけでなく、自社の書類でどの審査方法に対応できるかという観点で見比べてください。
申込のしやすさには前提の違いがあります。口座の保有・一定期間の取引・モール出店・招待などが前提になる商品と、そうした前提なく新規で申し込める商品があります。比較表の「申込対象」欄で、自社がすぐ申し込めるかを確認してください。
| サービス名 | あんしんワイド(GMOあおぞらネット銀行) | PayPay銀行 ビジネスローン | 事業性融資dayta(住信SBIネット銀行) | GMOあおぞらビジネスローン(freee会員向け) | フィンディ(福岡銀行) | アコム ビジネスサポートカードローン | プロミス 自営者カードローン | アイフル 事業サポートプラン | AGビジネスサポート 事業者向けビジネスローン | オリックスVIPローンカードBUSINESS | オリコ CREST for Biz | レイク de ビジネス | ビジネスパートナー スモールビジネスローン | BUSINESS LOAN(ドコモ・ファイナンス) | Amazonレンディング | 楽天スーパービジネスローン エクスプレス | GMOイプシロン トランザクションレンディング |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供元・審査タイプ | GMOあおぞらネット銀行 入出金データ与信 | PayPay銀行 ネット銀行(極度貸付型) | 住信SBIネット銀行 取引データ与信 | GMOあおぞらネット銀行 会計データ連携(freee) | 福岡銀行 AI・入出金データ審査 | アコム 消費者金融(独自審査) | SMBCコンシューマーファイナンス 消費者金融(独自審査) | アイフル 消費者金融(独自審査) | AGビジネスサポート(アイフルG) 事業者専門ノンバンク | オリックス・クレジット ノンバンク(独自審査) | オリエントコーポレーション 信販(独自審査) | 新生フィナンシャル 消費者金融(独自審査) | ビジネスパートナー 独立系ノンバンク | ドコモ・ファイナンス ノンバンク(独自審査) | Amazon(提携金融機関) 売上データ与信(招待制) | 楽天カード 売上・決済データ与信 | GMOイプシロン 決済・売上データ与信 |
| 決算書不要の根拠・審査方法 | 決算書・事業計画書が不要 口座の入出金データで審査 | 個人事業主向けは決算書が不要 (法人向けは決算2期終了が要件) | 決算書不要 法人口座の取引データで与信 | 決算書不要 freee会計の入出金明細(7カ月以上)で審査 | 初回申込時は決算書・確定申告書が不要 口座入出金・会計データをAIが審査 | 個人事業主専用で決算書不要 確定申告書等で事業実態を確認 | 個人事業主専用で決算書不要 本人確認書類・前年分の確定申告書で申込 | 消費者金融の独自審査 確定申告書等で返済能力を確認 | 個人事業主は決算書不要(確定申告書・事業内容確認書) 法人は決算書が必要 | 独自審査 確定申告書等で事業実態を確認 | 個人事業主専用で決算書不要 確定申告書等で審査 | 個人事業主専用で決算書不要 独自審査 | 決算書または確定申告書1期分でも審査対象 | 決算書の提出は必須でない 確定申告書等の収入確認書類で審査 | 決算書・事業計画書が不要 Amazonの販売・売上データで与信 | 対象出店者は決算書類の提出が不要 楽天の売上・決済データで与信 | 決算書不要 加盟店の売上データで与信 |
| 実質年率 | 年0.9%〜14.0% | 年1.8%〜13.8% | 要問い合わせ | 年0.9%〜12.0%(固定) | 年2.0%〜14.0%(目安) | 年12.0%〜17.9% | 要問い合わせ | 無担保 年3.0%〜18.0% 不動産担保 年3.0%〜12.0% | 年3.1%〜18.0% | 要問い合わせ | 年6.0%〜18.0% (入会時優遇 年4.5%〜16.0%) | 年4.5%〜18.0% | 年9.98%〜18.0% | カードローン型 年5.0%〜18.0% 完済型 年4.8%〜17.8% | 招待時に個別提示 | 加盟店種別・審査により変動 | 法人 年3.5%〜12.0% 個人 年6.0%〜13.5% |
| 融資限度額 | 融資枠型(上限は要問い合わせ) | 10万円〜1,000万円 | 最大3,000万円 | 100万円〜1,500万円 | 最大1,000万円(下限は要問い合わせ) | 1万円〜300万円 | 1万円〜300万円 | 無担保 1万円〜500万円 不動産担保 100万円〜1億円 | 50万円〜1,000万円 | 50万円〜500万円 | 10万円〜300万円 | 1万円〜500万円 | 50万円〜500万円 | 10万円〜1,000万円 | 招待時に個別提示 | 加盟店種別・審査により変動 | 法人 30万円〜5,000万円 個人 15万円〜5,000万円 |
| 融資スピード | 最短2営業日 | 要問い合わせ | 最短即日 | 承認後20営業日以内 (即日型ではない) | 審査回答 最短即日 融資実行 最短2〜3営業日 | 最短即日 | 最短即日 | 要問い合わせ | 最短即日 | 審査最短60分 | カード郵送後に利用開始 (即日利用不可) | 最短即日 | 最短5日(公式表記) | 最短即日(審査最短60分) | 招待時に個別提示 | 最短翌日 (楽天銀行口座指定時) | 最短5営業日 |
| 申込対象 | 法人(同行法人口座保有) 創業期・赤字も可/個人事業主可否は要問い合わせ | 法人・個人事業主(20〜69歳) 法人は実績2年/決算2期終了が要件 | 法人(口座保有・事前通知の対象先) | 法人のみ (個人事業主は対象外) | 法人・個人事業主 設立1期目から可 | 個人事業主専用 業歴1年以上 | 個人事業主専用 確定申告の実績が必要 | 個人事業主・法人 | 法人・個人事業主 給与所得者は対象外 | 法人代表者・個人事業主 業歴1年以上 | 個人事業主専用 (法人代表者は対象外) | 個人事業主専用(20〜70歳) 開業資金は対象外 | 法人・個人事業主(20〜69歳) 確定申告書1期分でも可 | 法人経営者・個人事業主 個人事業主は業歴1年以上 | Amazon出品者(招待制) | 楽天市場出店者等の加盟店 (法人・個人事業主) | GMOイプシロン加盟店 (法人・個人) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※金利・限度額・融資スピードは2026年9月時点の各社公式情報等に基づきます。「要問い合わせ」「招待時に個別提示」とした欄は、各社が公式に数値を公表していない、または利用状況に応じて個別提示される項目です。最新の条件は各社の公式情報でご確認ください。
決算書不要で申し込めるビジネスローンの紹介
ここからは、決算書不要で申し込める17サービスを提供元・審査タイプ別に紹介します。各サービスの提供元・特徴に加え、決算書の代わりとなる審査方法や、創業期・赤字・個人事業主の可否といった申込条件を具体的に見ていきます。自社の書類や状況に照らして、申し込めそうな候補を絞り込む参考にしてください。
銀行・ネット銀行系
ここからは、口座の入出金データや連携した会計データで審査する銀行・ネット銀行系の各サービスを見ていきます。タイプ全体の特徴は前掲の「提供元・審査タイプ」の節をご覧ください。
1. あんしんワイド(GMOあおぞらネット銀行株式会社)

GMOあおぞらネット銀行株式会社が提供する、融資枠型(当座貸越型)のビジネスローンです。決算書や事業計画書の提出を求めず、自行または他の金融機関の口座の入出金データをもとに審査する点が特徴です。
申込には、GMOあおぞらネット銀行の法人口座を持ち、いずれかの金融機関で2カ月以上連続して入出金取引があることが求められます。創業期や赤字決算でも申込可能と案内されており、決算期を迎えていない事業者にも間口があります。
実質年率は年0.9%〜14.0%で、適用金利は法人ごとに審査で決まります。融資は最短2営業日で実行され、枠の範囲内で繰り返し借入・返済ができるため、運転資金を機動的に調整したい法人に向きます。個人事業主の対象可否は公式に明記がないため、申込前に確認してください。
2. PayPay銀行 ビジネスローン(PayPay銀行株式会社)

PayPay銀行株式会社のビジネスローンは、法人向けと個人事業主向けの2つの商品に分かれています。いずれも無担保で、極度額の範囲内で繰り返し借入・返済ができるリボルビング型です。実質年率は年1.8%〜13.8%、極度額は10万円〜1,000万円で、両商品ともスペックは共通です。
法人向けは実績2年以上または決算2期終了が申込条件となる一方、個人事業主向けは決算書という書類自体が不要で、国内在住・20歳以上69歳以下の個人事業主が対象です。創業直後の法人には向きませんが、確定申告の実績がある個人事業主には申し込みやすい設計といえます。
10万円単位の小口から調達でき、Visaデビットによる自動返済にも対応します。融資までの最短日数は公式の商品要項に明示がないため、急ぎの資金需要がある場合は事前に確認しておくと安心です。
3. 事業性融資dayta(住信SBIネット銀行株式会社)

住信SBIネット銀行株式会社が手がけるオンラインレンディングが、事業性融資daytaです。法人口座の取引データを与信に用い、対象となる法人には毎月「借入条件のお知らせ」が通知されます。申込前に借入可能な条件があらかじめ分かる点が、この商品の特徴です。
取引データで与信するため決算書などの書類提出は不要で、完全非対面・オンラインで手続きが完結し、最短即日での借入に対応します。融資限度額は最大3,000万円で、繰上返済・臨時返済の手数料もかかりません。
ただし利用できるのは事前通知を受け取った法人に限られ、資金用途は運転資金のみで設備資金には使えません。実質年率は公式に具体値の記載が確認できないため、通知された条件で確認する必要があります。
4. GMOあおぞらビジネスローン freee会員向け(GMOあおぞらネット銀行株式会社)

会計クラウドのfreeeと連携する点が、GMOあおぞらネット銀行株式会社が提供するこの法人向けビジネスローンの特徴です。freee会計・freee資金調達に7カ月以上連続して同期した入出金明細データをもとに審査するため、決算書中心の伝統的な審査とは異なる与信を受けられます。
実質年率は年0.9%〜12.0%の固定金利で、融資限度額は100万円〜1,500万円です。返済方式は、毎月の元金返済額が一定となる元金均等分割返済です。
申込後は電話でのヒアリングと書類提出があり、承認後20営業日以内に実行手続きが行われるため、即日型の商品ではありません。対象は法人のみで、個人事業主は利用できない点にも注意してください。
5. フィンディ(株式会社福岡銀行)

地方銀行の商品ながら全国の事業者が申し込めるのが、株式会社福岡銀行のフィンディです。福岡銀行に口座がなくても、他行の事業用口座や連携できる会計ソフトがあれば申込でき、法人・個人事業主ともに設立1期目からの申込にも対応します。
AIが銀行口座の入出金データや連携会計ソフト(マネーフォワードなど)のデータから与信を判断するため、初回申込時は決算書・確定申告書の提出が不要で、来店せずオンラインで手続きが完結します。担保・保証人も不要とされています。
融資限度額は最大1,000万円、実質年率は年2.0%〜14.0%程度が目安で、審査回答は最短即日、融資実行は最短2〜3営業日とされます。ただし審査や融資実行の過程で決算書などの追加書類を求められる場合があるため、詳しい条件は申込前に確認しておくと安心です。
ノンバンク・消費者金融系
ここからは、独自審査で赤字決算や創業直後も相談しやすいノンバンク・消費者金融系の各サービスを見ていきます。個人事業主専用のカードローンも含め、申込条件を順に確認します。
6. アコム ビジネスサポートカードローン(アコム株式会社)

アコム株式会社が扱う、個人事業主専用のカードローン型ビジネスローンです。通常のカードローンとは別商品で、事業資金にも生計費にも利用できます。申込対象は業歴1年以上の個人事業主に限られ、法人は利用できません。
決算書という書類を持たない個人事業主に向けた商品のため、審査では確定申告書などで事業の実態を確認します。事業性融資の例外として総量規制(個人の借入を年収の3分の1までに制限する貸金業法の規制)の対象外となり、年収の3分の1を超える借入も可能です。
実質年率は12.0%〜17.9%、利用限度額は1万円〜300万円で、最短即日の融資に対応します。コンビニや銀行のATMで借入・返済ができ、短期・一時的な資金需要に向く水準です。
7. プロミス 自営者カードローン(SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(三井住友フィナンシャルグループ)が運営する、プロミスの個人事業主専用カードローンです。ローンカード型のため、限度額の範囲内なら何度でも借り入れできます。
申込に必要なのは本人確認書類と前年分の確定申告書などで、法人の決算書は求められません。運転資金やつなぎ資金、納税資金といった事業性資金のほか、生計費にも充てられます。ただし事業開始後に一度は確定申告を終えている必要があり、開業したばかりの資金には向きません。
利用限度額は1万円〜300万円で、Web完結で申し込めます。総量規制の例外として、年収の3分の1を超える借入も可能です。実質年率など詳しい貸付条件は、公式の商品概要で確認してください。
8. アイフル 事業サポートプラン(アイフル株式会社)

アイフル株式会社が直接提供する事業者向け融資で、個人事業主向けの個人プランと法人プランが用意されています。無担保ローンと不動産担保ローンの2形態から選べる点が特徴です。
資金使途は運転資金や設備投資資金などの事業資金で、個人事業主・法人のどちらも申し込めます。個人プランは保証人が原則不要で、法人プランは代表者の連帯保証が原則必要です。
無担保ローンの実質年率は3.0%〜18.0%・契約限度額は1万円〜500万円、不動産担保ローンは3.0%〜12.0%・100万円〜1億円です。無担保ローンは最長10年(120回)の長期返済に対応します。また、同じアイフルグループのAGビジネスサポートとは別法人・別商品です。
9. AGビジネスサポート 事業者向けビジネスローン(AGビジネスサポート株式会社)

AGビジネスサポート株式会社は、アイフルグループで事業者向け融資を専門に扱う貸金業者です。旧社名のビジネクスト、アイフルビジネスファイナンスから商号を変えた会社で、無担保の事業者向けビジネスローンを中心に提供しています。
個人事業主が申し込む場合の必要書類は、本人確認書類・確定申告書・事業内容確認書で、決算書は求められません。一方、法人が申し込む際は決算書の提出が必要になるため、この商品で決算書なしに申し込めるのは主に個人事業主です。給与所得者は対象外となります。
実質年率は3.1%〜18.0%、融資限度額は50万円〜1,000万円で、無担保のまま最大1,000万円までの枠を設定できます。最短即日の融資に対応し、返済は元利均等で最長5年(60回以内)です。
10. オリックスVIPローンカードBUSINESS(オリックス・クレジット株式会社)
オリックス・クレジット株式会社が2024年12月に取扱を始めた、法人代表者・個人事業主向けのカードローン型ビジネスローンです。オリックスグループのノンバンクが手がける商品で、限度額の範囲内で繰り返し借り入れできます。
申込対象は業歴1年以上の個人事業主と、法人格を有する事業の代表者です。資金使途は事業資金・個人利用のいずれも可能で、Web申込で完結します。全国のコンビニや都市銀行、郵便局のATMで借入・返済ができます。
借入限度額は50万円〜500万円で、最短60分で審査結果がわかります。実質年率などの詳しい貸付条件は、公式の商品概要で確認してください。
11. オリコ CREST for Biz(株式会社オリエントコーポレーション)

信販大手の株式会社オリエントコーポレーション(オリコ)が提供する、個人事業主専用のカードローン型ビジネスローンです。個人として事業所得を申告している方が対象で、法人代表者は利用できません。
法人の決算書を前提としない個人事業主向けの設計で、資金使途は事業に関する借入れに限られます(生計費には使えません)。提携CD・ATMを使い、限度額の範囲内なら繰り返し借り入れできます。
実質年率は6.0%〜18.0%、限度額は10万円〜300万円です。入会と同時に借り入れると所定の条件で優遇され、上限金利が最大2.0%引き下げられ、下限は年4.5%まで下がります(優遇時は年4.5%〜16.0%)。ただし申込用紙の郵送とカード発行を経て利用開始となるため、即日の借入はできません。
12. レイク de ビジネス(新生フィナンシャル株式会社)
消費者金融レイクを運営する新生フィナンシャル株式会社(SBI新生銀行グループ)が扱う、個人事業主向けのカードローン型ビジネスローンです。極度方式のため、限度額の範囲内なら繰り返し借り入れできます。
対象は満20歳〜満70歳の個人事業主で、法人は利用できません。Web完結や自動契約機に対応し、公式では最短15秒で審査結果が表示され、審査・融資とも最短即日をうたっています。
貸付利率は年4.5%〜18.0%、契約極度額は1万円〜500万円で、返済は最短当日から最長10年(1〜120回)まで幅があります。ただし資金使途は既存事業向けで、開業資金は対象外です。
13. ビジネスパートナー スモールビジネスローン(株式会社ビジネスパートナー)

株式会社ビジネスパートナーは、1999年設立の独立系ノンバンクで、法人・個人事業主向けのカードローン型ビジネスローンを扱っています。セブン銀行ATMで借入・返済ができ、来店不要の郵送手続きで完結します。
審査では決算書または確定申告書が1期分でも対象となり、創業して間もない事業者も相談できます。決算を複数期そろえられない段階でも申し込みやすい設計です。保証人は原則不要ですが、法人の場合は代表者の連帯保証が必要です。
実質年率は9.98%〜18.0%、融資限度額は50万円〜500万円です。事務手数料や繰上返済手数料はかからず、公式ページでは最短5日での融資が可能とされています。
14. BUSINESS LOAN(株式会社ドコモ・ファイナンス)

BUSINESS LOANは、NTTドコモグループの株式会社ドコモ・ファイナンスが提供する、法人経営者・個人事業主向けのビジネスローンです。担保・保証人は不要で、カードローン型と完済型の2つの契約タイプから選べます。
必要書類は本人確認書類と、確定申告書・課税証明書・源泉徴収票などの収入確認書類で、決算書の提出を必須とする案内は見当たりません。個人事業主はこれに確定申告書と事業内容の申告が加わります。ただし個人事業主は業歴1年以上が要件とされ、開業から1年未満の場合は対象外です。
実質年率はカードローン型が5.0%〜18.0%、完済型が4.8%〜17.8%で、いずれも借入額100万円以上は上限14.9%です。利用限度額は10万円〜1,000万円、審査は最短60分で最短即日の融資に対応します。
オンライン完結・売上連動型
ここからは、加盟店の売上・取引データで審査するオンライン完結・売上連動型の各サービスを見ていきます。利用は対象モール・決済サービスの加盟店に限られる点は各社共通です。
15. Amazonレンディング(Amazon Capital Services Japan合同会社)
Amazon.co.jpのマーケットプレイスに出品する事業者を対象とした、招待制の短期事業資金プログラムです。決算書や事業計画書ではなく、Amazon上の販売実績・売上動向・顧客評価といったデータをもとに与信を行います。
申し込めるのは、Amazon側が販売実績から対象者を選定して案内した出品者に限られます。誰でも任意に申し込める仕組みではなく、在庫仕入れや事業拡大の資金にあてる用途が想定されています。返済はAmazonアカウントの売上から毎月自動で引き落とされます。
金利や融資限度額、融資までの日数は、招待を受けた出品者ごとに個別提示される形です。公開されている数値は過去の報道が中心で現行の水準とは異なる場合があるため、条件は案内された内容で確認してください。
16. 楽天スーパービジネスローン エクスプレス(楽天カード株式会社)
楽天カード株式会社が、楽天市場の出店事業者や楽天ペイ・楽天カードの加盟店に向けて提供するビジネスローンです。商品仕入れや運転資金に利用でき、楽天グループに蓄積された売上・決済データを使って与信を行います。
楽天市場の出店者向けの「エクスプレス」では、店舗管理ページ(RMS)上の決済画面から申し込め、対象となる出店者は決算書類の提出が不要です。楽天銀行口座を指定していれば、Web申込から最短翌日での入金に対応します。
返済は決済代行システムを通じて売上から自動で差し引かれる方式です。金利や融資限度額は加盟店の種別や審査状況によって変わるため、申込前に対象種別ごとの最新条件を確認しておきましょう。
17. GMOイプシロン トランザクションレンディング(GMOイプシロン株式会社)

決済代行サービスを手がけるGMOイプシロン株式会社が、自社の加盟店向けに用意する売上データ連動型の融資サービスです。加盟店の日次の売上実績をもとに融資上限を設定し、返済は月々の売上から自動で相殺します。
法人・個人いずれの加盟店も対象で、担保・保証人は不要です。融資限度額は法人で30万〜5,000万円、個人で15万〜5,000万円、金利(実質年率)は法人で年3.5〜12.0%、個人で年6.0〜13.5%と、加盟店区分ごとに条件が設定されています。
申込から貸出までは最短5営業日で、事前に借入条件を試せるシミュレーション機能も備えます。決算書ではなく決済・売上のデータで審査するため、加盟店としての取引実績があれば資金調達の候補になります。
決算書を出せない理由別の選び方
「決算書を出せない」といっても、その理由によって通りやすいタイプや、代わりに用意すべき書類は変わります。ここでは、創業期・赤字決算・個人事業主という3つの事情に分けて、自社にどのタイプが合いやすいかを整理します。

創業期でまだ決算期を迎えていない場合はどう選ぶか
創業直後で決算を一度も迎えていない場合、そもそも提出できる決算書がありません。この段階では、口座の入出金明細や事業計画で審査するタイプが候補になります。銀行口座に売上入金の実績が積み上がっているなら、口座の取引データで審査する銀行・ネット銀行系が申し込みやすいでしょう。
ただし、銀行系の一部には業歴2年(決算2期終了)などを条件とする商品があり、創業直後の法人は対象外になることがあります。その場合は、創業間もない事業者の相談を受け付けるノンバンク系や、設立初年度から申し込める銀行系商品に目を向けてください。売上実績がまだ乏しい段階では、民間ローンだけにこだわらず、後述の公的な創業融資も並行して検討することをおすすめします。
候補になるのは、設立初年度から申し込める銀行・ネット銀行系や、決算書・確定申告書が1期分でも審査対象になる商品です。分岐点は「業歴・決算期数の要件があるか」で、この条件をどこまで緩めているかがタイプごとに異なります。自社の業歴や口座実績に合う社は、上部の診断ツールと比較表の「申込対象」欄で確認してください。
赤字決算で通常審査に不安がある場合はどう選ぶか
直近の決算が赤字だと、決算書を提出する通常の融資では通りにくいと感じるかもしれません。この場合に向くのは、独自の基準で審査するノンバンク・消費者金融系です。赤字であっても、その理由や直近の資金繰りの改善状況を踏まえて相談に応じる商品が多く、決算書ではなく入出金明細や確定申告書で返済能力を見てもらえます。
赤字は必ずしも即座に否決を意味しません。創業投資による一時的な赤字なのか、事業構造そのものの問題なのかで見られ方は変わります。口座の入金実績が安定しているなら、その事実を示せる審査方法のサービスを選ぶと、赤字という一点だけで判断されにくくなります。銀行系で難しかった場合でも、独自審査のノンバンク系で結果が変わることもあります。
向いているのは、確定申告書や事業内容の確認で返済能力を見る独自審査のノンバンク・消費者金融系で、最短即日に対応する商品もあります。分岐点は「赤字の理由と直近の資金繰りを踏まえて相談に応じてくれるか」で、決算書の数字だけで判断しない審査方法かどうかを見極めるのが要点です。該当する社は診断ツールと比較表の「審査方法」欄で確認してください。
個人事業主で決算書という書類がない場合はどう選ぶか
個人事業主は、法人のような決算書を作成しません。そのため、決算書を必須とするサービスは構造的に利用できませんが、代わりに確定申告書・青色申告決算書・収支内訳書が事業実態を示す書類になります。これらを審査材料とする個人事業主向けの商品を選べば、決算書がないこと自体は不利になりません。
個人事業主専用のカードローンは、そもそも法人の決算書を求めない設計です。多くは本人確認書類と前年分の確定申告書で申し込めます。ただし、確定申告の実績を条件とする商品では、開業したばかりで申告をまだ一度もしていない場合は対象外になることがあります。この点は各サービスの申込対象を必ず確認してください。
代表的な候補は、本人確認書類と前年分の確定申告書で申し込める個人事業主専用のカードローンです。分岐点は「確定申告の実績を条件とするか」で、開業直後で一度も申告していない場合は対象外になる商品もあります。自社が申告を終えているかを踏まえ、診断ツールと比較表の「申込対象」欄で合う社を確認してください。
また、個人が事業資金として借りる場合、年収の3分の1を超える借入を制限する総量規制の扱いが気になるかもしれません。総量規制は個人顧客を対象とする規制で、法人は対象外です。
個人事業主が事業のために借りる場合は、事業の実態と返済能力の確認を条件に、年収の3分の1を超えて借りられる「例外貸付け」として扱われます。無条件に対象外となるわけではなく、確定申告書などで事業実態を確認できることが前提となる点に注意してください。
出典・参考資料(3件)
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決算書不要でも申込に必要になりやすい書類
決算書不要のビジネスローンでも、まったく書類が要らないわけではありません。申込の前に、次のような書類が求められることが多いと押さえておくと、審査を進める段階での手戻りを防げます。
- 本人確認書類:運転免許証・マイナンバーカードなど。法人の場合は代表者の本人確認書類が必要です
- 確定申告書:個人事業主では前年分の確定申告書が事業実態と収入を示す中心的な書類になります
- 青色申告決算書・収支内訳書:確定申告書に付随して、事業の収支をより詳しく示すために求められることがあります
- 口座の入出金明細・通帳:決算書の代わりに資金の流れを確認するため、直近数か月分を求められる場合があります
- 登記事項証明書・事業内容の確認書類:法人の場合や、事業の実態確認のために求められることがあります
必要書類はサービスや申込者の属性(法人か個人事業主か)によって異なります。決算書が不要なぶん、確定申告書や入出金明細が返済能力を示す主役になると考え、これらを手元に整えてから申し込むと審査がスムーズに進みます。
決算書不要のビジネスローンを利用する際の注意点
決算書不要のビジネスローンは申込のハードルが下がる一方で、代償や気をつけるべき点もあります。後で資金繰りを悪化させたり、悪質な業者を選んでしまったりしないために、利用前に次の5点を確認してください。
金利は高め・限度額は低めになりやすい
決算書を提出しないぶん、貸し手は限られた情報で返済能力を判断します。その分のリスクを織り込むため、決算書を提出する銀行融資と比べると、金利は高め・限度額は低めになりやすい傾向があります。融資限度額も数百万円程度にとどまりやすく、大口の資金には向かないことが多いです。
金利や限度額の水準はサービスによって幅があります。少額かつ短期の借入なのか、ある程度まとまった資金が必要なのかによって、選ぶべき商品は変わります。総返済額を必ず試算し、事業のキャッシュフローで無理なく返せる範囲かを確認したうえで申し込むことが大切です。
担保・保証人を求められる場合がある
決算書不要のビジネスローンには無担保・無保証で申し込める商品が多い一方で、希望額や審査の状況によっては、担保や保証人を求められる場合があります。法人向けの商品では、代表者本人の連帯保証を原則とするものが一般的です。
担保や保証の条件は、返済が滞ったときの負担に直結します。連帯保証の範囲や、担保として何が求められるのかを契約前に確認し、想定外のリスクを負わないようにしてください。
審査状況により決算書・確定申告書の追加提出を求められる場合がある
申込時は決算書が不要でも、審査の過程で決算書や確定申告書、追加の資料を求められることがあります。希望額が大きい場合や、提出済みの情報だけでは返済能力を判断しきれない場合に起こりやすいものです。
「決算書不要」を額面どおりに受け取り、資料を一切用意せずに臨むと、追加提出を求められた段階で手続きが止まってしまいます。手元に決算書や確定申告書があるなら、求められたときにすぐ出せるよう準備しておくと、審査を早く進められます。
信用情報や税金・社会保険料の滞納が審査に影響することがある
決算書が不要でも、正規の貸金業者は契約前に信用情報機関へ照会し、他社からの借入状況や過去の返済履歴を含めて返済能力を調査します(貸金業法第13条)。そのため、過去の長期延滞など信用情報の状況によっては、決算書不要のビジネスローンでも審査で不利にはたらくことがあります。
また、税金や社会保険料の滞納がある場合も、審査で不利になりやすいとされます。ただし、事情や納付の見通しを相談できる商品もあるため、滞納があるからと申込を一律にあきらめる必要はありません。まずは各サービスの窓口で相談してみるとよいでしょう。
「審査なし」をうたう業者には注意する
「審査なし」「誰でも融資」といった表現を強調する業者には注意が必要です。貸金業を営むには登録が必要で、登録を受けた正規の貸金業者は、貸付けの契約前に顧客の返済能力を調査することが法律で義務づけられています。そのため、「審査なし」で貸すと明言する業者は、無登録の違法業者(いわゆるヤミ金融)である可能性があります。正規の業者であれば必ず何らかの審査を行うためです。
貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合には、顧客等の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査しなければならない。
出典:貸金業法 第十三条第一項(返済能力の調査)|e-Gov法令検索
申し込もうとしている業者が正規の登録を受けているかは、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で確認できます。金融庁は、借入を行おうとする業者が登録業者かどうかをこのサービスで確認するか、財務局・都道府県へ最新情報を確認するよう案内しています。検索しても出てこない業者は、無登録の違法業者である可能性があるため、契約前に必ず確認しましょう。
出典・参考資料(1件)
決算書なしで使える他の資金調達手段
決算書なしで資金を調達する手段は、民間のビジネスローンだけではありません。ここでは、公的な創業融資・自治体の制度融資・ファクタリングという3つの選択肢を取り上げます。それぞれ仕組みや向くケースが異なるため、ビジネスローンと比べたうえで最適な手段を選んでください。
日本政策金融公庫の創業融資
創業期の資金調達では、日本政策金融公庫の創業融資が有力な選択肢になります。従来の「新規開業資金」は、2025年3月からスタートアップも利用しやすいことを分かりやすくするため、「新規開業・スタートアップ支援資金」に名称が変わりました。新たに事業を始める方や、事業開始後おおむね7年以内の方が対象です。
公庫は事業計画をもとに審査するため、決算・税務申告をまだ迎えていない創業段階でも申し込めます。必要書類の案内でも、創業前などで税務申告が済んでいない場合は決算書等の提出が不要とされています。民間ローンより金利が低い一方、申込から実行までに時間がかかるため、急ぎでない創業資金に向いています。
税務申告が1期しか完了していない方は1期分をご準備ください。創業前の方などで税務申告未了の場合はご提出の必要はありません。
出典:創業支援(創業融資のご案内)|日本政策金融公庫
自治体の制度融資
自治体の制度融資は、都道府県や市区町村が信用保証協会・金融機関と連携して提供する仕組みです。行政が関与するため、創業期や信用力の乏しい事業者でも利用しやすく、金利や保証料の一部を自治体が補助する制度もあります。
一方で、多くの制度が信用保証協会の保証を利用する前提となっており、行政・保証協会・金融機関の三者が関わるぶん、実際の入金までに時間がかかる点は押さえておく必要があります。制度の内容は自治体ごとに異なるため、事業所のある自治体の窓口で最新の条件を確認してください。
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ファクタリング(売掛債権の資金化)
ファクタリングは、取引先への売掛債権をファクタリング会社に売却し、入金予定日より早く資金化する手段です。借入ではないため決算書の提出を前提とせず、負債を増やさずに資金を確保できます。売掛先の信用力が重視されるため、自社が赤字や創業期でも利用できる場合があります。
ビジネスローンが「お金を借りて後で返す」手段であるのに対し、ファクタリングは「将来受け取る売掛金を前倒しで受け取る」手段です。手元に売掛債権があり、入金までのつなぎ資金が必要ならファクタリング、自由に使える事業資金をまとまった期間確保したいならビジネスローン、というように使い分けると判断しやすくなります。
売掛債権を早めに資金化する選択肢が向いていそうなら、実際のファクタリング会社を手数料・入金スピード・買取可能額で見比べておくと判断しやすくなります。主要各社の比較は以下の記事で解説しています。
まとめ
本記事では、決算書不要で申し込めるビジネスローン17サービスを、提供元・審査タイプ別に比較し、決算書を出せない理由別の選び方や注意点を整理しました。
「決算書不要」は審査なしという意味ではなく、口座の入出金明細・売上や取引のデータ・確定申告書などで返済能力が確認される仕組みです。
創業期なら口座実績や事業計画で審査するタイプ、赤字決算なら独自審査のノンバンク系、個人事業主なら確定申告書で申し込める商品というように、自社の事情に合った審査方法のサービスを選ぶことが、条件の合う1社にたどり着く近道になります。金利や限度額の代償と、「審査なし」をうたう違法業者への注意も踏まえて、慎重に比較検討を進めてください。
MCB FinTechカタログでは、決算書不要で申し込めるビジネスローンを含む各サービスの資料を無料で請求できます。ぜひ各社の資料を見比べて、自社に合った資金調達の判断材料としてご活用ください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 決算書不要のビジネスローンとは何ですか?
A. 申込時に決算書(貸借対照表・損益計算書などの財務諸表)の提出を原則求めないビジネスローンです。審査そのものを省くわけではなく、決算書の代わりに口座の入出金明細・売上や取引のデータ・確定申告書などから返済能力を確認します。決算期を迎えていない創業直後や、直近が赤字決算で決算書を出しづらい事業者でも申し込みやすい設計です。詳しくは「決算書不要」のビジネスローンとは?で解説しています。
Q. 決算書不要でも審査はありますか?
A. 審査はあります。「決算書不要」は申込時に決算書の提出が原則いらないという意味で、貸し手は口座の入出金明細・売上・信用情報などから返済能力を確認します。登録を受けた正規の貸金業者は、貸付けの契約前に顧客の返済能力を調査することが貸金業法第13条で義務づけられており、審査を行わずに融資することはありません。
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Q. 決算書の代わりに何で審査するのですか?
A. 口座の入出金明細・売上や取引のデータ・確定申告書などを決算書の代わりの審査材料にします。銀行・ネット銀行系は口座の入出金や連携した会計データ、EC・加盟店向けのオンライン型はプラットフォーム上の売上データ、個人事業主向けの商品は確定申告書というように、提供元・審査タイプで用いる情報が異なります。詳しくは「決算書不要」のビジネスローンとは?をご覧ください。
Q. 個人事業主でも決算書不要のビジネスローンを利用できますか?
A. 利用できます。個人事業主は法人のような決算書を作成しないため、確定申告書・青色申告決算書・収支内訳書が事業実態を示す書類になり、これらを審査材料とする個人事業主向けの商品を選べば決算書がないこと自体は不利になりません。具体的な候補は比較表と診断ツールで確認できます。詳しくは理由別の選び方で解説しています。
Q. 創業して間もなく決算期を迎えていなくても申し込めますか?
A. 口座の入出金明細や事業計画で審査するタイプなら申し込める可能性があります。設立初年度から申し込める銀行・ネット銀行系や、確定申告書が1期分でも相談できる商品が候補です。業歴2年(決算2期終了)などを条件とする商品は対象外になるため、事業計画で審査する日本政策金融公庫の創業融資もあわせて検討してください。該当する社は比較表と診断ツールで確認できます。
Q. 赤字決算でも決算書不要のビジネスローンに申し込めますか?
A. 独自の基準で審査するノンバンク・消費者金融系なら申し込める場合があります。赤字であっても、その理由や直近の資金繰りの改善状況を踏まえて相談に応じる商品が多く、決算書ではなく入出金明細や確定申告書で返済能力を見てもらえます。銀行系で難しかった場合でも独自審査のノンバンク系で結果が変わることがあります。詳しくは理由別の選び方をご覧ください。
Q. 決算書不要のビジネスローンは即日融資に対応していますか?
A. 一部は最短即日の融資に対応しています。独自審査のノンバンク・消費者金融系や、口座の取引データで与信する一部のネット銀行系は、最短即日〜数営業日での融資が可能です。
一方で、会計データの連携期間を条件とする商品や、申込用紙の郵送・カード発行を経る信販系の商品では、実行までに数営業日〜数週間かかることもあります。急ぎの資金需要がある場合は、各サービスの融資スピードを申込前に確認してください。
Q. 決算書不要のビジネスローンは金利が高いのですか?
A. 決算書を提出する銀行融資と比べて高めに設定されやすい傾向があります。決算書を提出しないぶん貸し手は限られた情報で返済能力を判断するため、そのリスクを金利に織り込むためです。
目安として、銀行・ネット銀行系は年1〜14%程度、独自審査のノンバンク・消費者金融系は上限が年18%前後になりやすい水準です。総返済額を必ず試算し、事業のキャッシュフローで無理なく返せる範囲かを確認したうえで申し込むことが大切です。
Q. 決算書不要のビジネスローンの融資限度額はどのくらいですか?
A. 数百万円から1,000万円程度に収まる商品が中心で、決算書を提出する融資と比べて低めに設定されやすい傾向があります。個人事業主向けのカードローン型では300万円〜500万円程度が上限の商品が多く、大口の資金には向かないことが少なくありません。
一方、加盟店の売上データで審査するオンライン完結・売上連動型のように、数千万円規模の枠が設定される商品もあります。必要な金額と限度額の水準を照らし合わせて選んでください。
Q. 決算書不要でも申込に必要になる書類は何ですか?
A. 本人確認書類・確定申告書・口座の入出金明細などは必要になるのが通常です。個人事業主では前年分の確定申告書が事業実態と収入を示す中心的な書類となり、法人では登記事項証明書や事業内容の確認書類が加わることもあります。決算書が不要なぶん、確定申告書や入出金明細を手元に整えてから申し込むと審査がスムーズです。必要書類の一覧は申込に必要になりやすい書類で解説しています。
Q. 決算書不要のビジネスローンは総量規制の対象になりますか?
A. 法人向けの借入は総量規制の対象外で、個人事業主が事業資金として借りる場合は条件付きの「例外貸付け」として扱われます。総量規制は個人顧客を対象に年収の3分の1を超える借入を制限する規制で、法人はそもそも対象外です。
個人事業主が事業のために借りる場合は、年収の3分の1を超えて借りられる例外に当たります。適用の条件は、事業実態の確認(実地調査や直近の確定申告書など)と、事業計画・収支計画・資金計画に照らした返済能力の確認です。無条件に対象外となるわけではなく、事業の実態を確認できることが前提となる点に注意してください。
出典・参考資料(3件)
Q. 税金を滞納していても申し込めますか?
A. 滞納中でも申込自体は可能な場合がありますが、税金や社会保険料の滞納は審査で不利になりやすいとされます。正規の貸金業者は信用情報も照会して返済能力を調べるため、過去の延滞など信用情報の状況も影響します。
ただし、事情や納付の見通しを相談できる商品もあるため、滞納があるからと一律にあきらめる必要はありません。まずは各サービスの窓口で相談し、分割納付の手続き中であればその状況も伝えるとよいでしょう。
Q. 複数社に同時に申し込んでも大丈夫ですか?
A. 短期間に何社も同時に申し込むのは避けたほうが無難です。申込の事実は信用情報に記録され、短期間に集中すると「資金繰りに困っている」と受け取られ、かえって審査で不利になることがあります。
まずは自社の状況に合う1〜2社に絞って申し込み、結果を見てから次を検討するのがおすすめです。比較段階では、実際に申し込む前に各社の申込対象や審査方法を見比べておくと、通る見込みの高い候補に絞り込めます。
Q. 設立1期目でも申し込めるサービスはありますか?
A. あります。法人・個人事業主とも設立初年度から申し込める銀行・ネット銀行系や、決算書・確定申告書が1期分でも審査対象になる商品が該当します。具体的な社は比較表と診断ツールで確認できます。
決算・税務申告をまだ迎えていない創業段階なら、事業計画をもとに審査する日本政策金融公庫の創業融資も有力な選択肢です。公庫は税務申告未了の創業者でも申し込めるため、民間ローンとあわせて検討することが望まれます。
Q. 審査に落ちたら次にどうすればよいですか?
A. 銀行系で通らなくても、独自審査のノンバンク・消費者金融系で結果が変わることがあります。ただし短期間に何社も続けて申し込むのは逆効果になりやすいため、間隔を空け、審査で重視される確定申告書・入出金明細などを整えてから申し込み直すとよいでしょう。
借入以外の手段に目を向けるのも一つの方法です。売掛債権があるならファクタリング、創業資金なら日本政策金融公庫の創業融資や自治体の制度融資など、状況に応じて別の調達手段を検討できます。
Q. 「審査なし」「誰でも借りられる」とうたう業者は安全ですか?
A. 「審査なし」「誰でも借りられる」とうたう業者は安全とはいえず、無登録の違法業者(いわゆるヤミ金融)である可能性があります。貸金業を営むには国または都道府県の登録が必要で、登録を受けた正規の貸金業者は契約前に返済能力を調査することが法律で義務づけられているため、審査を行わずに融資することはありません。
申し込もうとしている業者が登録を受けているかは、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で確認でき、検索しても出てこない業者は無登録の違法業者である可能性があるため、契約前に必ず確認しましょう。
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Q. 決算書不要のビジネスローンとファクタリングはどちらを選ぶべきですか?
A. 手元に売掛債権があり入金までのつなぎ資金が必要ならファクタリング、自由に使える事業資金をまとまった期間確保したいならビジネスローンが向きます。ファクタリングは取引先への売掛債権を売却して入金予定日より早く資金化する手段で、借入ではないため決算書の提出を前提とせず、負債を増やさずに資金を確保できます。
売掛先の信用力が重視されるため、自社が赤字や創業期でも利用できる場合があります。一方、決算書不要のビジネスローンは「お金を借りて後で返す」手段で、売掛債権がなくても事業資金を調達できます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















