決算を締めたら、法人税や消費税の納付額が想定より大きく、納期限までに手元の資金が足りそうにない。そんなとき「税金を払うために融資を受けられるのか」という不安が頭をよぎります。
結論から言うと、法人税や法人事業税のように会社が自ら負担する税で、一時的な資金不足であれば、融資で納税資金を確保できる余地があります。一方で、消費税や源泉所得税、すでに滞納している税金は融資のハードルが上がりやすく、借入先によっても可否が分かれます。
本記事では、税目ごとの借りやすさと借入先の違いを軸に、銀行・信用金庫/日本政策金融公庫/ノンバンクのビジネスローン・不動産担保ローン/ファクタリングの特徴、すでに滞納しているときの対応、そして融資以外の選択肢である税務署の猶予・分納まで、実務的な視点で整理します。
納期限が迫る状況でも、自社に合った資金調達の手段を落ち着いて選べるよう、判断の材料としてご活用ください。
目次
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法人は納税資金を融資で借りられるか【結論】
法人が納税資金を融資で確保できるかどうかは、主に3つの条件で変わります。どの税目か、すでに滞納しているか、納期限までどれくらい日数が残っているかの3点です。
法人税・法人住民税・法人事業税のように、会社が自ら負担する税の一時的な不足であれば、融資で納税資金をまかなえる可能性があります。反対に、消費税や源泉所得税のように預かった税を納めるものは、金融機関から慎重に見られやすくなります。さらに、すでに滞納している状態では、返済能力への評価が厳しくなり、融資の難易度は一段と上がります。
納期限までに時間があるほど選べる手段は広がり、期限が迫るほどスピードで通る借入先やファクタリングに選択肢が絞られていきます。まずは自社の税目と残り日数を確認したうえで、次の章で税目別の借りやすさを見ていきましょう。また、国税庁も、納期限までに納付できない場合は早めに税務署へ相談するよう案内しています。
税目別の借りやすさ一覧(法人税・消費税・源泉所得税など)
ここからは、法人が納める主な税目ごとに、融資の受けやすさを整理します。自社が納める税がどこに当てはまるかを、まず一覧で確認してください。
| 法人税 | 法人住民税 | 法人事業税 | 消費税 | 源泉所得税 | 延滞税・加算税 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 融資の受けやすさ | ○ | ○ | ○ | △ | △ | × |
| 理由 | 会社の所得に課される、会社自身が負担する税。一時的な資金不足なら融資の相談余地がある | 法人税額などに応じて課される会社負担の税。法人税と同様に扱われやすい | 事業活動に対して課される会社負担の税。一時的な不足なら相談余地がある | 消費者から預かった税を納める間接税。会社が負担する税ではないため、銀行の納税資金融資では慎重に見られやすい | 従業員などから預かって納める預り金的な税。会社自身の負担ではないため対象になりにくい | 納付の遅れや申告漏れに伴う付帯税。融資の対象になりにくい |
※上記は税目の性質に基づく一般的な傾向です。実際の可否は借入先や自社の状況によって異なります。
融資対象になりやすい税目(法人税・法人住民税・法人事業税)
法人税は、会社の利益(所得)そのものに対して課される、会社自身が負担する税です。財務省は法人税について次のように説明しています。
法人税は、法人の企業活動により得られる所得に対して課される税です。法人の所得金額は、益金の額から損金の額を引いた金額となっています。
出典:法人課税に関する基本的な資料|財務省
法人住民税や法人事業税も、事業活動や法人税額に応じて会社が負担する税です。これらは黒字決算に伴って発生することが多く、金融機関から見れば「事業が回っている証拠」とも受け取れます。そのため、一時的に手元資金が足りないだけであれば、融資で納税資金をまかなう相談がしやすい税目といえます。
消費税・源泉所得税が難しい理由
消費税が納税資金の融資で慎重に見られやすいのは、消費税が「間接税」だからです。国税庁は消費税の仕組みを次のように説明しています。
消費税は、事業者に負担を求めるものではありません。税金分は事業者が販売する商品やサービスの価格に含まれて、次々と転嫁され、最終的に商品を消費しまたはサービスの提供を受ける消費者が負担することとなります。
出典:No.6101 消費税の基本的なしくみ|国税庁
このように消費税は、事業者が消費者から預かって国に納める税です。本来は預かった時点で納税分を確保しておくべき性質のため、その資金が不足している状態は、金融機関にとって資金管理の面で慎重に判断される要因になります。
源泉所得税も同じく、会社が自ら負担する税ではありません。国税庁は源泉徴収について次のように説明しています。
差し引いた所得税および復興特別所得税は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国に納めなければなりません。
出典:No.2502 源泉徴収義務者とは|国税庁
源泉所得税は、従業員などの所得税を会社が給与から差し引いて預かり、翌月10日までに納めるお金です。会社の利益とは切り離して管理すべき預り金にあたるため、消費税と同様、そのための融資は受けにくい傾向があります。
消費税や源泉所得税で資金が足りない場合は、銀行の納税資金融資にこだわらず、担保や売掛債権を裏づけにする手段に切り替えるのが現実的です。担保にできる不動産があれば不動産担保ローン、回収前の売掛金があればファクタリングであれば、税目にかかわらず調達できる可能性があります。どうしても間に合わないときは、後述する税務署の猶予・分納も選択肢になります。手段ごとの違いは次の借入先比較で確認してください。
延滞税・加算税が対象外になりやすい理由
延滞税や加算税は、納付の遅れや申告漏れに対して課される付帯税です。これらは本来の税額(本税)に上乗せされるペナルティの性質を持つため、融資でまかなう対象にはなりにくいものです。国税庁は、延滞税について次のように説明しています。
延滞税は本税だけを対象として課されるものであり、加算税などに対しては課されません。
出典:No.9205 延滞税について|国税庁
付帯税が発生している状態は、資金繰りに余裕がないサインとも受け取られます。延滞税などが積み上がる前に、本税の納付手段を早めに検討することが大切です。
納税資金の借入先を横並びで比較
納税資金を確保する手段は、融資だけではありません。銀行・信用金庫や日本政策金融公庫のプロパー融資に加え、ノンバンクのビジネスローン・不動産担保ローン、売掛債権を現金化するファクタリング、保有資産を活かすリースバックがあります。さらに、借入をせず納付を待ってもらう税務署の猶予・分納も選択肢です。
大きくは、金利の低さなら銀行・公庫、スピードならノンバンクという違いがあります。以下の表で、対象・スピード・金利や手数料の目安・向いている状況を横並びで比較します。
| 銀行・信用金庫(プロパー融資) | 日本政策金融公庫 | ビジネスローン(ノンバンク・無担保) | 不動産担保ローン(ノンバンク) | ファクタリング | リースバック(事業用資産) | 税務署の猶予・分納 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 主な特徴 | 低金利だが審査は厳格。決算内容や納税状況を重視 | 公的金融機関。設備資金・運転資金など事業資金が対象 | 無担保でスピード重視。少額〜中規模に対応 | 不動産を担保に大型・比較的低めの金利で借りられる | 売掛債権を売却して現金化する(借入ではない) | 保有資産を売却して資金化し、賃借で使い続ける | 借入ではなく、納付を待ってもらう公的な制度 |
| 対象になりやすい税目 | 会社が負担する税(法人税・住民税・事業税)が中心 | 事業資金の一部として(納税単独目的は想定されにくい) | 税目を問わず可(資金使途は事業資金全般) | 税目を問わず可(消費税・源泉も担保次第で相談余地) | 税目を問わず可(借入ではなく売掛債権の売却) | 税目を問わず可(資産の売却による資金化) | 本税全般(延滞税・加算税は対象外) |
| 調達スピードの目安 | 数週間程度 | 数週間程度 | 最短即日〜数営業日 | 最短数営業日 | 最短即日〜数営業日 | 数週間程度 | 申請・審査を要する(早めの相談が必要) |
| 金利・手数料の目安 | 年1〜3%程度 | 年1〜3%程度(制度・条件による) | 年3〜18%程度 | 年3〜10%程度 | 手数料 数%〜(2社間は高くなりやすい) | 売却額・賃料の条件による | 延滞税は軽減される場合がある |
| 滞納中の利用 | 原則難しい | 難しい | 事業者による(無担保のため慎重に見られやすい) | 担保評価があれば相談余地がある場合も | 売掛先の信用が中心のため利用余地がある場合も | 資産の売却のため利用余地がある場合も | 納付が困難なときのための制度 |
| 向いている状況 | 納期限まで余裕があり、低金利で借りたい | 事業資金と一体で、長期・低利に調達したい | 少額〜中規模を早く調達したい | 納税額が大きく、担保にできる不動産がある | 売掛金があり、負債を増やさず早く資金化したい | 資産を現金化しつつ、引き続き使いたい | 借入より、公的な猶予で乗り切りたい |
※上記は各手段の一般的な傾向です。金利・手数料やスピード、滞納中の可否は、事業者や自社の状況によって異なります。
銀行・信用金庫や日本政策金融公庫は金利が低い一方で、審査に時間がかかり、納税状況を重視します。納期限まで日数が残っているなら第一の候補になりますが、期限が迫っている場合や決算内容に不安がある場合は、スピードで通りやすいノンバンクのビジネスローン・不動産担保ローンや、売掛債権を現金化するファクタリングが現実的な選択肢になります。
このうち、借入を増やさずに納税資金を用意したい場合の選択肢がファクタリングです。手数料や入金スピード、買取可能額は会社によって差が大きいため、自社の売掛金に合う先を見比べて選びたい方は、次の比較記事が参考になります。
ファクタリングおすすめ26選を比較|手数料・入金スピード・買取可能額で選ぶ
「取引先への請求は済んでいるのに、入金は翌々月末。仕入れや外注費、人件費の支払いだけが先に来て、手元資金が薄くなる」——売掛取引が中心の事業では、珍しくない場面です。銀行融資は審査に時間がかかり、急な資金需要には間に合わないこともあります。…
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すでに滞納している場合はどうなるか(差押えリスクと使える手段)
すでに税金を滞納している場合、金融機関は返済能力や信用力を厳しく見るため、融資の難易度は大きく上がります。加えて、滞納を放置すると、督促を経て財産の差押えに進む点にも注意が必要です。
国税を納期限までに納めないと、まず督促が行われます。国税通則法第37条は、納期限までに完納しない場合、税務署長が「督促状によりその納付を督促しなければならない」と定めており、この督促状は「国税の納期限から五十日以内に発するものとする」とされています。
そして、督促を受けても納付しないと、差押えの対象になります。国税徴収法第47条は、差押えの要件を次のように定めています。
滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないとき。
出典:国税徴収法 第47条(差押の要件)|e-Gov法令検索
このように、督促状が発せられてから10日を経過しても完納しないと、法律上は財産を差し押さえなければならない流れになります。滞納は時間が経つほど選択肢を狭めるため、放置は避けるべきです。

滞納している状態でも、資産の状況によっては使える手段が残ります。担保にできる不動産があれば不動産担保ローン、回収前の売掛金があればファクタリングのように、担保価値や売掛先の信用をもとに調達できる可能性があります。これは、審査で会社の返済能力そのものより担保・債権の価値を見る手段だからです。
逆に、担保にできる資産も回収前の売掛金もない場合は、融資での調達はまず難しくなります。銀行・公庫はもちろん、無担保のビジネスローンも通りにくくなるためです。その場合は、次章以降で解説する税務署への猶予・分納の相談が現実的な選択肢になります。
まずは現在の滞納額と納期限、担保にできる資産の有無を整理したうえで、融資と猶予の相談を早めに並行することが大切です。
出典・参考資料(1件)
日本政策金融公庫と民間融資の使い分け
資金調達の相談先として日本政策金融公庫を思い浮かべる方は多いですが、公庫の融資は資金使途が定められています。公庫の事業資金は、設備投資に充てる設備資金や、日々の営業活動に使う運転資金が中心で、公式サイトでは対象を事業資金に絞り、短期の運転資金は扱わないことを次のように明記しています。
短期の運転資金は取り扱っていません。
出典:事業資金 中小企業の方【中小企業事業】|日本政策金融公庫
このように公庫の融資メニューは設備資金や長期の運転資金といった事業資金を対象に設計されているため、納税資金だけを目的とした融資は基本的に想定されていないと考えられます。納税資金を確保したい場合は、事業資金の一部として資金繰り全体で相談するか、公庫での対応が難しいときには民間のノンバンクへ切り替える判断が必要になります。
民間のビジネスローンや不動産担保ローンは、公庫や銀行に比べて金利は高めになりやすい一方で、審査から実行までが速く、赤字決算や銀行で断られたケースでも相談できる余地があります。まず公庫・銀行に相談し、期限に間に合わない・断られた場合は民間で確保するという順序で考えると、金利負担を抑えつつ期限に間に合わせやすくなります。
納税資金の融資を申し込むときの実務(審査のポイント・必要書類・スピード)
納税資金の融資を申し込むときは、審査で見られるポイントを押さえ、必要書類をそろえておくと話が早く進みます。
審査で重視されやすいのは、一時的な資金不足かどうか、納税後に返済できる原資があるか、これまでの納税状況に問題がないかの3点です。慢性的な資金不足ではなく、入金と納税のタイミングのずれによる一時的な不足であることを、試算表や資金繰り表で具体的に示せると、金融機関の納得を得やすくなります。
必要書類は借入先によって異なりますが、法人の場合は決算書や試算表、代表者の本人確認書類が基本です。納税額を明確にするための申告書や納付書の控えを求められることもあります。返済期間は、納税資金という性質上、6か月以内などの短期に設定される前提で考えておくと、審査での交渉がスムーズです。
スピードは借入先で大きく変わります。ノンバンクの無担保ビジネスローンは最短即日、不動産担保ローンでも仮審査が最短即日・本審査が最短3営業日程度のものがあり、納期限が数日後に迫っていても間に合う可能性があります。逆に銀行・公庫は数週間かかることが多いため、残り日数から逆算して申込先を選ぶことが重要です。
借りない・借りられないときの選択肢:税務署の猶予・分納
融資での調達が難しい場合や、借入を増やしたくない場合には、税務署に納付を待ってもらう「猶予制度」という選択肢があります。国税庁は次のように案内しています。
国税を一時に納付することが困難な理由がある場合には、税務署に申請することにより、財産の換価(売却)や差押えなどの猶予が認められる場合があります
出典:No.9206 国税を期限内に納付できないとき|国税庁
猶予を受けた国税は、原則として猶予期間中の各月に分割して納付します。猶予には大きく「納税の猶予」と「換価の猶予」の2種類があり、それぞれ要件が異なります。
納税の猶予(要件・期間・申請先)
納税の猶予は、災害・盗難・病気のほか、事業の休廃止や事業に著しい損失を受けたことなどにより、国税を一時に納付できない場合に、申請に基づいて認められる制度です。国税通則法第46条は、こうした事実に基づき納税者が一時に納付できないと認められるとき、「一年以内の期間を限り、その納税を猶予することができる」と定めています。申請先は所轄の税務署の徴収担当です。
換価の猶予(要件・期間・申請先)
換価の猶予は、国税を一時に納付することで事業の継続や生活の維持が困難になるおそれがあり、かつ納税に誠実な意思があると認められる場合に、財産の差押えや売却を猶予する制度です。国税徴収法第151条の2は、申請による換価の猶予について、納期限から6か月以内の申請に基づき、1年以内の期間で認められると定めています。納税の猶予と同じく、申請先は所轄の税務署です。
融資と猶予はどちらが得か
融資と猶予は、コストの考え方が異なります。融資では借入先に応じた金利がかかるのに対し、猶予では延滞税がかかりますが、猶予を受けると延滞税が軽減される点が特徴です。
延滞税の割合は、2026年(令和8年)の場合、納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、2か月を経過した日以後は年9.1%です。さらに、換価の猶予を受けると、納期限の翌日から2か月を経過した後の期間に対応する延滞税のうち2分の1が免除されます(国税通則法第63条)。
事業への影響が一時的で、短期間で立て直せる見込みがあるなら、金利のかかる融資よりも、延滞税が軽減される猶予のほうが負担を抑えられる場合があります。
一方で、猶予は申請と審査を要し、認められるまでに時間がかかります。取引先への支払いなど納税以外の資金も同時に必要な場合や、すぐに現金が要る場合は、スピードで通る融資のほうが適しています。自社の状況に応じて、猶予と融資を組み合わせて考えるとよいでしょう。
出典・参考資料(3件)
納税資金をスピードで調達できる民間サービス
ここからは、納期限が迫るなかでスピードを重視して調達したい法人に向けて、実際に相談できる民間の資金調達サービスを紹介します。まずは金利・限度額・スピードを一覧で比較し、そのうえで各サービスの特徴を見ていきましょう。
| サービス名 | セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン | AGビジネスサポート 事業者向けビジネスローン | デジタルアセット担保ローン |
|---|---|---|---|
| 実質年率 | 15.0%以内 (変動3.4〜5.2%/固定4.5〜9.9%) | 3.1%〜18.0% | 4.0%〜8.0% |
| 融資限度額 | 500万円〜5億円 | 50万円〜1,000万円 | 500万円〜5億円 (事業者向け) |
| 融資スピード | 仮審査 最短即日 本審査 最短3営業日 | 最短即日 | 最短3営業日 (基本契約の締結後) |
| 担保 | 不動産 | 不要(無担保) | 暗号資産(BTC・ETH) |
| 対象 | 法人・個人事業主 | 法人・個人事業主 | 法人・個人事業者・個人 |
| 特徴 | 不動産を担保に大型調達。 赤字決算でも相談可 | 無担保で最短即日。 中小規模を早く確保 | 暗号資産を売らずに調達。 納税資金にも対応 |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式資料を見る |
1. セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン(株式会社セゾンファンデックス)

東証プライム上場のクレディセゾンが100%出資する株式会社セゾンファンデックスが提供する、事業者向けの不動産担保ローンです。法人や代表者、その親族が所有する不動産を担保に、500万円から5億円までの大型融資に対応します。
融資利率は変動金利3.4%〜5.2%、固定金利4.5%〜9.9%(実質年率15.0%以内)で、仮審査は最短即日、本審査は最短3営業日と、納期限が迫るケースでもスピード面で選択肢に入ります。赤字決算など銀行融資が難しい場合でも相談できると公式に案内しており、納税資金と運転資金をまとめて確保したい法人に向いています。担保にできる不動産があり、まとまった納税額をカバーしたい場合に検討したいサービスです。
2. AGビジネスサポート 事業者向けビジネスローン(AGビジネスサポート株式会社)

アイフルグループのAGビジネスサポート株式会社が手がける、無担保の事業者向けビジネスローンです。担保・保証人が原則不要で、最短即日の融資に対応している点が、期限が迫った納税資金の調達に適しています。
実質年率は3.1%〜18.0%、融資限度額は50万円から1,000万円で、法人・個人事業主のどちらも利用できます。必要書類は法人であれば代表者の本人確認書類と決算書が基本で、無担保のため不動産を持たない法人でも申し込めます。納税額が中小規模で、担保を用意せずに早く資金を確保したい場合の有力な選択肢です。
3. デジタルアセット担保ローン(Fintertech株式会社)※暗号資産を保有する法人向け

保有する暗号資産(ビットコイン・イーサリアム)を担保に、売却せずに資金を調達できるローンです。提供元は、大和証券グループとクレディセゾンの合弁会社であるFintertech株式会社。利用できる法人は暗号資産を保有している場合に限られますが、該当する法人にとっては、暗号資産を手放さず日本円または米ドルで資金を借りられる選択肢になります。
暗号資産を売却して納税資金にあてると、売却益に対する課税が新たに発生しますが、担保として差し入れれば売却せずに資金を確保できる点が特徴です。実質年率は4.0%〜8.0%、事業者向けの融資限度額は500万円から5億円で、資金使途には納税資金も挙げられています。基本契約の締結から最短3営業日で借入金を受け取れます。暗号資産を保有していて、それを手放さずに納税資金をまかないたい法人に適したサービスです。
ここで紹介した3社以外にも、法人が使えるビジネスローンは数多くあります。金利や即日融資の可否、審査の柔軟性から自社に合う一社を比較検討したい方は、次の記事で選び方とあわせて詳しく解説しています。
まとめ
法人の納税資金は、法人税・法人住民税・法人事業税のように会社が自ら負担する税で、一時的な資金不足であれば、融資で確保できる余地があります。一方、消費税や源泉所得税は預かった税を納める性質のため慎重に見られやすく、すでに滞納している場合は差押えのリスクもあり、融資の難易度が上がります。
借入先は、金利の低い銀行・信用金庫や日本政策金融公庫と、スピードで通りやすいノンバンクのビジネスローン・不動産担保ローン、売掛債権を現金化するファクタリングなどで性質が分かれます。納期限までの日数と自社の状況から逆算して選ぶことが大切です。融資が難しい場合や借入を増やしたくない場合は、税務署の納税の猶予・換価の猶予も検討できます。まずは自社に合う調達手段を、各社の資料で具体的に比較してみましょう。
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よくある質問(FAQ)
Q. 納税資金の融資とは何ですか?
A. 納税資金の融資とは、法人税や消費税などの税金を納めるために、金融機関やノンバンクから資金を借り入れることです。決算後に確定した納税額が手元資金を上回り、納期限までの支払いが難しいときに、一時的な資金不足を補う目的で利用されます。借入先には、銀行・信用金庫、日本政策金融公庫、ノンバンクのビジネスローンや不動産担保ローンなどがあります。
Q. 法人は納税資金を銀行で融資してもらえますか?
A. 法人が納税資金を銀行で借りられるかは、税目・納税状況・納期限までの日数によって判断が変わります。法人税や法人事業税のように会社が自ら負担する税で、一時的な資金不足であれば相談の余地がありますが、消費税や源泉所得税、すでに滞納している税金は慎重に見られやすくなります。銀行は審査に数週間かかることが多いため、納期限まで日数が残っているうちに相談することが大切です。
Q. 消費税の納税資金は借りられますか?
A. 消費税の納税資金は、銀行の納税資金融資では難しいケースが多い一方で、不動産担保ローンなど別の枠組みであれば相談できる余地があります。消費税は消費者から預かった税を納める間接税で、会社が負担する税ではないため、その資金が不足している状態は資金管理の面で慎重に判断されやすいためです。担保にできる不動産があるかなど、どの手段で相談するかがポイントになります。
Q. 借入を増やさずに納税資金を調達する方法はありますか?
A. 借入を増やさずに納税資金を用意する方法として、売掛債権を現金化するファクタリング、保有資産を売却して使い続けるリースバック、税務署に納付を待ってもらう猶予・分納があります。ファクタリングは負債を増やさずに早く資金化できますが、手数料が銀行融資より高くなりやすい点に注意が必要です。自社の資産や売掛金の状況、コストを比べたうえで選びましょう。
Q. すでに税金を滞納している場合でも納税資金を借りられますか?
A. 税金を滞納していると、銀行や日本政策金融公庫の融資は難易度が大きく上がりますが、資産の状況によっては使える手段が残る場合があります。担保にできる不動産があれば不動産担保ローン、回収前の売掛金があればファクタリングのように、担保価値や売掛先の信用をもとに相談できるケースです。ただし滞納を放置すると督促を経て差押えに進むため、まずは滞納額と納期限を整理し、税務署への相談も並行して進めてください。
Q. 納期限までに納税資金が間に合わない場合はどうすればよいですか?
A. 納期限までに間に合わない場合は、放置せず、スピードで通るノンバンク融資の検討と、税務署への猶予・分納の相談を早めに並行することが大切です。国税の猶予制度では、一時に納付することが困難と認められると原則1年以内の期間で納付が猶予され、各月に分割して納めるのが基本です。猶予は申請と審査に時間がかかるため、納期限が来る前に所轄の税務署へ相談してください。
出典・参考資料(1件)
Q. 日本政策金融公庫で納税資金の融資を受けられますか?
A. 日本政策金融公庫では、納税資金だけを目的とした融資は基本的に想定されていないと考えられます。公庫の事業資金は、設備投資に充てる設備資金や日々の営業活動に使う運転資金といった事業向けの資金が中心のためです。納税資金を確保したい場合は、事業資金の一部として資金繰り全体で相談するか、公庫での対応が難しいときは民間のノンバンクへ切り替える判断が必要になります。
出典・参考資料(1件)
Q. 納税資金と運転資金は一緒に借りられますか?
A. 納税資金と運転資金は、借入先によっては一緒にまとめて相談できる場合があります。とくにノンバンクの不動産担保ローンなどでは、納税資金と運転資金をまとめて相談できることがあります。納税分だけでなく当面の運転資金も同時に必要なときは、まとめて調達できるかを含めて相談すると、資金繰り全体を立て直しやすくなります。
Q. 納税資金の融資はどのくらいのスピードで借りられますか?
A. 借入先で大きく変わり、ノンバンクなら最短即日〜数営業日、銀行や日本政策金融公庫は数週間が目安です。納期限までの残り日数から逆算し、間に合う申込先を選ぶことが重要です。手段ごとの詳しい違いは本文の借入先比較表と申込みの実務の章で解説しています。
Q. 納税を遅らせると延滞税はどのくらいかかりますか?
A. 延滞税の割合は、2026年(令和8年)の場合、納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、2か月を経過した日以後は年9.1%です。また、税務署の換価の猶予を受けると、納期限の翌日から2か月を経過した後の期間に対応する延滞税のうち2分の1が免除されます。延滞税は本税に上乗せされるため、延滞税が積み上がる前に、早めに本税の納付手段を検討することが負担の軽減につながります。
出典・参考資料(1件)
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。















