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情報セキュリティとは?3要素・7要素と企業が取り組むべき対策をわかりやすく解説

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「情報セキュリティ」という言葉は日常的に使われますが、いざ「自社の情報セキュリティは大丈夫か」を整理しようとすると、何をどこまで守ればよいのか、どこから手を付ければよいのかは分かりにくいものです。取引先や親会社から体制の確認を求められ、基礎から把握し直したいという担当者も少なくありません。

情報セキュリティは、専門の部署を持たない企業でも、要点を押さえれば体系立てて理解できます。本記事では、情報セキュリティの定義と構成要素(機密性・完全性・可用性の3要素と、規格が示す7要素)、企業がいま直面する脅威、そして管理的・物理的・技術的の3つに整理される対策の全体像と着手順までを解説します。

あわせて、ISMSやSECURITY ACTIONといった体制づくりの枠組みや、自社だけでは対応しきれない部分を補う社内セキュリティソリューションの選択肢も紹介します。自社に足りない対策を見極め、次の一歩につなげる材料としてご活用ください。

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情報セキュリティとは?サイバーセキュリティとの違い

情報セキュリティとは、企業や組織が持つ情報を、正当な権限を持つ人が必要なときに正しく使える状態に保ちつつ、権限のない第三者に漏らしたり改ざんされたりしないよう守ることを指します。国際規格ISO/IEC 27000に対応する日本産業規格(JIS)は、情報セキュリティを次のように定義しています。

情報の機密性,完全性及び可用性を維持すること。
注記 さらに,真正性,責任追跡性,否認防止,信頼性などの特性を維持することを含めることもある。

出典:JIS Q 27000:2019 3.28|日本規格協会

この定義にある機密性・完全性・可用性が、情報セキュリティの土台となる考え方です。加えて、真正性などの特性も状況に応じて維持することがあります。それぞれの中身は次章で詳しく見ていきます。

情報セキュリティと近い言葉に「サイバーセキュリティ」があります。両者は大きく重なりますが、対象とする範囲に違いがあります。

情報セキュリティが紙の書類を含む情報全般の保護を対象とするのに対し、サイバーセキュリティ基本法が定める「サイバーセキュリティ」は、電子的に扱う情報の保護に力点を置いています。具体的には、電子データや情報システム・情報通信ネットワークの安全性・信頼性を確保するための措置を指します。

出典・参考資料(1件)

情報セキュリティの要素(CIA3要素と7要素)

情報セキュリティが何を守るのかは、いくつかの「要素」に分けて考えると理解しやすくなります。ここでは、基本となる3要素と、それに加わる要素を順に見ていきます。

機密性・完全性・可用性(CIA3要素)

情報セキュリティの土台となるのが、機密性(Confidentiality)・完全性(Integrity)・可用性(Availability)の3つで、頭文字をとってCIAと呼ばれます。JIS Q 27000:2019は、それぞれを次のように定義しています。

  • 機密性:認可されていない個人,エンティティ又はプロセスに対して,情報を使用させず,また,開示しない特性。
  • 完全性:正確さ及び完全さの特性。
  • 可用性:認可されたエンティティが要求したときに,アクセス及び使用が可能である特性。
出典:JIS Q 27000:2019(3.10・3.36・3.7)|日本規格協会

機密性は見られてはいけない相手に見せないこと、完全性は勝手に書き換えられないこと、可用性は使いたいときに使えることを守る考え方です。3つのどれが欠けても情報は安全に使えなくなるため、どれか一つだけを重視するのではなく、バランスよく保つことが求められます。

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3要素機密性(Confidentiality)完全性(Integrity)可用性(Availability)
守るもの見てよい人だけが情報を使える状態を保つ情報が正確で、改ざんされていない状態を保つ必要なときに情報やシステムを使える状態を保つ
満たされないと情報漏えい・不正アクセスによる情報の流出データの改ざん・書き換え・誤情報の混入システム停止・サービス不能で業務が止まる
主な対策例アクセス権の管理・暗号化・パスワード運用改ざん検知・電子署名・変更履歴の管理バックアップ・システムの冗長化・電源対策

※対策例は一般的な例です。実際に必要な対策は、扱う情報の重要度や利用環境によって異なります。

3要素に加わる4つの要素(真正性・責任追跡性・否認防止・信頼性)=情報セキュリティの7要素

CIAの3要素に加え、JIS Q 27000:2019は、状況に応じて維持することがある特性として真正性・責任追跡性・否認防止・信頼性の4つを挙げています。3要素とあわせて「情報セキュリティの7要素」と呼ばれることもあります(7要素という数え方は実務上の通称で、規格上の用語ではありません)。このうち真正性・否認防止・信頼性は、規格で次のように定義されています。

  • 真正性:エンティティは,それが主張するとおりのものであるという特性。
  • 否認防止:主張された事象又は処置の発生,及びそれらを引き起こしたエンティティを証明する能力。
  • 信頼性:意図する行動と結果とが一貫しているという特性。
出典:JIS Q 27000:2019(3.6・3.48・3.55)|日本規格協会

このほか、誰がいつ何を行ったかを後から追跡できる「責任追跡性」も、情報セキュリティを支える特性として挙げられます(責任追跡性は上記の規格では特性名として示され、独立した定義文は置かれていません)。

実務では、真正性は本人確認やなりすまし対策、否認防止はログや電子署名による記録、信頼性はシステムを安定して稼働させる仕組み、といった形でこれらの特性が対策に結びつきます。中小企業がこれらをすべて一度に満たす必要はありませんが、扱う情報の重要度に応じて3要素の先にこうした観点があることを押さえておくと、対策の抜けに気づきやすくなります。

企業がいま直面する情報セキュリティの脅威(IPA 10大脅威)

「自社が狙われることはあるのか」は、対策を考えるうえで最初に確かめたい点です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は毎年、社会的に影響が大きかった脅威をまとめた「情報セキュリティ10大脅威」を公表しています。2026年版(組織向け)で選ばれた脅威と順位は、次のとおりです。

順位脅威(組織向け)
1位ランサム攻撃による被害
2位サプライチェーンや委託先を狙った攻撃
3位AIの利用をめぐるサイバーリスク
4位システムの脆弱性を悪用した攻撃
5位機密情報を狙った標的型攻撃
6位地政学的リスクに起因するサイバー攻撃(情報戦を含む)
7位内部不正による情報漏えい等
8位リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃
9位DDoS攻撃(分散型サービス妨害攻撃)
10位ビジネスメール詐欺
出典・参考資料(1件)

上位には、データを暗号化して復旧と引き換えに金銭を要求するランサムウェア攻撃や、取引先・委託先を経由して侵入するサプライチェーン攻撃が並びます。ランサムウェアに感染すると業務データが暗号化され、復旧できなければ事業が止まることもあります。

2026年版では「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて選ばれました。社員が生成AIに機密情報を入力して外部に漏れるリスクや、AIによって巧妙化する攻撃メールなど、AIの普及に伴う新たなリスクが表面化しています。

注目したいのは、7位の「内部不正による情報漏えい等」のように、外部からの攻撃だけが脅威ではない点です。退職者や在職中の従業員による情報の持ち出しも、組織にとって現実的なリスクに含まれます。また、これらは大企業だけの問題ではありません。中小企業は、サプライチェーンの一部として取引先への侵入経路に使われることがあり、規模の大小にかかわらず対策が必要です。

情報セキュリティ対策の全体像と着手順(管理的・物理的・技術的)

脅威を踏まえたうえで、具体的に何をすればよいのでしょうか。情報セキュリティ対策は、大きく「管理的対策」「物理的対策」「技術的対策」の3つに分けて考えると、抜け漏れを防ぎやすくなります。

情報セキュリティ対策を3つの側面に分類した図。管理的対策は組織のルールや運用体制を整えるもので、方針の策定、情報資産の把握と分類、アクセス権の管理、従業員教育・訓練が含まれる。物理的対策は建物・部屋・機器を物理的に守るもので、施錠や入退室管理、書類の施錠保管と廃棄、盗難防止、のぞき見防止が含まれる。技術的対策はシステムやネットワークを技術で守るもので、ウイルス対策、ファイアウォール、不正侵入検知、暗号化、多要素認証、バックアップが含まれる。技術的対策は入口・内部・出口の複数の層に対策を重ねる多層防御の考え方に基づく。

管理的対策

組織としてのルールや運用体制を整える対策です。情報セキュリティの方針(ポリシー)の策定、守るべき情報資産の棚卸しと重要度の分類、アクセス権限の管理、従業員教育や標的型メール訓練などが含まれます。技術で守る前提として、「誰が・どの情報に・どこまでアクセスできるか」を組織のルールとして決めておくことが土台になります。

物理的対策

建物・部屋・機器といった物理的な環境を守る対策です。サーバー室の施錠や入退室管理、重要書類の施錠保管やシュレッダーによる廃棄、PCの盗難防止用ワイヤーや、離席時・公共の場での画面ののぞき見防止などが該当します。データそのものだけでなく、情報が保存された機器や書類を物理的に守る視点も欠かせません。

技術的対策(多層防御の考え方)

システムやネットワークを技術的に守る対策です。ウイルス対策ソフトやファイアウォール、不正侵入の検知、データや通信の暗号化、多要素認証、定期的なバックアップなどが含まれます。ここで基本になるのが「多層防御」の考え方です。一つの防御をすり抜けられても次の層で食い止められるよう、入口・内部・出口といった複数の層で対策を重ねることで、被害の発生と拡大を抑えます。

まず何から着手するか

限られた予算・人員では、すべての対策を同時に進めるのは現実的ではありません。IPAは、中小企業が対策に取り組むための指針をガイドラインとしてまとめており、その位置づけを次のように説明しています。

情報セキュリティ対策に取り組む際の、(1)経営者が認識し実施すべき指針、(2)社内において対策を実践する際の手順や手法をまとめたもの

出典:中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

着手順の目安としては、まず「情報セキュリティの方針を決める(何を守り、どう扱うかの基本ルールを文書化する)」「守るべき情報資産を把握する(顧客名簿・契約書・業務データ・PCなどをリスト化し、重要度で区分する)」といった土台を固めることが出発点になります。

そのうえでアクセス権の管理・従業員教育・ウイルス対策やバックアップといった基本的な対策を整え、その後にインシデント対応の手順や事業継続計画(BCP)へと広げていく流れが取り組みやすいでしょう。

情報セキュリティ対策の着手順を4段階の縦フローで示した図。STEP1(土台づくり)は情報セキュリティの方針を決め、何を守りどう扱うかの基本ルールを文書化する。STEP2(土台づくり)は守るべき情報資産を把握し、顧客名簿・契約書・業務データ・PCなどをリスト化して重要度で区分する。STEP3(基本対策)はアクセス権の管理・従業員教育・ウイルス対策・バックアップといった基本的な対策を整える。STEP4(対応・継続の備え)はインシデント対応の手順や事業継続計画BCPを整え、有事の備えへ広げる。

IPAは、中小企業がまず取り組むべき基本を「情報セキュリティ6か条」として示しています。「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版で、従来の5項目にバックアップが加わったものです。予算や人員が限られる場合の最初の一歩として、次の6項目から着手すると分かりやすいでしょう。

  • OS・ソフトウェアを最新の状態に保つ(脆弱性を悪用した攻撃への備え)
  • ウイルス対策ソフトを導入する
  • パスワードを強化する(不正ログイン・なりすましの防止)
  • 共有設定を見直す(意図しない情報の公開を防ぐ)
  • 脅威や攻撃の手口を知る
  • バックアップを取る(ランサムウェアで業務データが暗号化されても復旧できるようにする)
出典・参考資料(1件)

こうした対策は、脅威と結びつけて考えると優先順位を付けやすくなります。たとえばバックアップはランサムウェア攻撃への、多要素認証は標的型攻撃やなりすましへの、アクセス権の管理や退職者アカウントの削除は内部不正への備えになります。自社が特に警戒すべき脅威から、効く対策を優先して整えていくとよいでしょう。

体制として何を目指すか(ISMS/ISO27001・SECURITY ACTION)

対策を個別に進めるだけでなく、組織全体の仕組みとして継続的に運用する枠組みもあります。取引先や親会社に自社の体制を示す必要がある場合の目安にもなります。

代表的なのが、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)です。ISMSは、情報セキュリティを一度きりの対策で終わらせず、方針の策定・運用・点検・改善を繰り返して継続的に維持・改善する仕組みで、国際規格ISO/IEC 27001(国内規格はJIS Q 27001)に基づきます。この規格への適合を第三者機関が審査する「ISMS適合性評価制度」もあり、制度は次のように説明されています。

国際的に整合性のとれた情報セキュリティマネジメントシステムに対する第三者適合性評価制度

出典:ISMS適合性評価制度の概要|情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)

一方、まず取り組みを始めるところからスタートしたい中小企業向けには、IPAの「SECURITY ACTION」があります。これは第三者による認証ではなく、自己宣言の制度です。

「SECURITY ACTION」は中小企業自らが、情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度です。

出典:SECURITY ACTION セキュリティ対策自己宣言|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

SECURITY ACTIONには2段階があり、前述の情報セキュリティ6か条に取り組む「一つ星」と、自社診断を行ったうえで情報セキュリティ基本方針を定めて外部に公開する「二つ星」から、取り組みの宣言レベルを選べます。第三者の審査を受けるISMS認証と違い、費用や審査の負担なく始められるのが特徴です。

まずSECURITY ACTIONで基本的な対策に取り組み、必要に応じてISMS認証を目指すといった段階的な進め方も選べます。認証や宣言そのものが目的ではなく、自社に必要な水準を見極める手がかりとして位置づけるとよいでしょう。

自社に足りない対策を補うには(社内セキュリティソリューションの活用)

ここまで見てきた対策のうち、技術的対策や内部不正の防止は、専門のツール・サービスを活用することで効率的に進められます。自社の人員だけでは対応が難しい領域を、外部のソリューションで補う選択肢を紹介します。

ここで取り上げるのは、技術的対策や内部不正防止のうち専門性の高い領域(ネットワークの監視、端末からの情報漏えい対策、なりすまし・内部不正の防止)を補うサービスです。方針づくりや従業員教育、アクセス権の管理といった土台の対策は、前章で触れた基本に沿って自社で整えることが前提になります。そのうえで、自社の人手では難しい領域から補っていくとよいでしょう。

以下は、ここで紹介する社内セキュリティソリューションの比較表です。

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比較項目Network BlackboxShadow DesktopDZ Pass
守る領域(対策の側面)ネットワークの通信を監視し脅威を検知端末に残るデータの情報漏えいを防止本人認証によるなりすまし・内部不正を防止
主な役割全パケットを保存・分析し、外部からの侵入・内部の不審通信・データ持ち出しを検知し事後調査する(NDR)PC内のデータをクラウドへ自動退避し、端末側にデータを残さない(データレスクライアント)スマートフォンと顔認証による継続的な本人確認で、パスワードレスのサインインと離席・のぞき見対策を行う(継続認証)
主な機能フルパケットキャプチャ
脅威ハンティング
フォレンジック調査
データレス化
リモートワイプ/利用停止
ログの一括管理
離席検知
なりすまし検知
のぞき見検知
監査ログ
導入形態アプライアンス(ミラーリングで導入)既存PCにインストール(クラウド退避型)Windows PCにインストール(スマホ併用)
対応環境社内ネットワーク全体(IT/OT=制御技術)Windows 11(x64)日本語版Windows 10(64bit)20H2以上
初期費用要問い合わせ不要(公式訴求。詳細は要問い合わせ)要問い合わせ
月額費用要問い合わせ要問い合わせ(5ライセンス〜)要問い合わせ
無料トライアル公表なし(デモ予約あり)最大30日間公表なし
詳細情報公式資料を見るオンライン相談を予約オンライン相談を予約

※料金・仕様・対応環境は2026年9月時点の各社公式情報にもとづきます。最新の内容は各社の公式資料でご確認ください。

Network Blackbox(株式会社クワッドマイナージャパン)

Network Blackbox公式サイト

Network Blackboxは、株式会社クワッドマイナージャパンが提供する、ネットワークを流れる全パケットを保存・分析するNDR(Network Detection and Response)製品です。ネットワークの通信をミラーリングで取り込む方式で導入し、外部からの侵入や内部の不審な通信、データの持ち出しなど、ネットワーク上に痕跡が残る脅威の検知と、事後の調査(フォレンジック)を担います。

既知の脅威をパターンで見つけるシグネチャ検知と、通常と異なる振る舞いから未知の脅威を捉える振る舞い検知の両方を備えます。エンドポイントを守るEDRやログを集約するSIEMとは連携する設計で、置き換えではなく補完し合う位置づけです。

端末単体の不正操作やクラウドサービスへの不正ログインなど、ネットワークの通信に現れない事象は対象外となるため、他の対策と組み合わせて使います(料金は要お問い合わせ、2026年9月時点)。

Shadow Desktop(アップデータ株式会社)

Shadow Desktop公式サイト

アップデータ株式会社が提供するShadow Desktopは、PC内のデータをクラウドへ自動的に退避し、ローカルの端末にはデータを残さない「データレスクライアント」と呼ばれる情報漏えい対策の製品です。ファイルは従来どおりPC上に表示され、ダブルクリックで開けますが、実体はクラウドに保管され、シャットダウン時に端末側のキャッシュが削除される仕組みになっています。

PCの紛失・盗難時には、管理者が管理画面から該当端末の利用を停止し、クラウドとの接続を遮断できます。端末そのものに機密情報を残さないため、テレワークや社外へ持ち出すPCからの情報漏えいリスクを抑えたい企業に向いています。管理コンソールでユーザーや端末、ログを一括管理できる点も、運用の負担を抑える助けになります。

端末にデータを残さない情報漏えい対策は、データの保存先や方式によって仕組みや使い勝手が変わります。ほかの製品も含めて比較し、自社に合う方式を見極めたい場合は、以下の記事で方式別の違いや選び方を解説しています。

DZ Pass(株式会社AnchorZ)

DZ Pass公式サイト

株式会社AnchorZのDZ Passは、スマートフォンを鍵として使い、パスワードを入力せずにWindows PCへサインインできるパスワードレス認証の製品です。顔認証と行動的な特徴を組み合わせ、ログイン後も継続的に本人確認を行う「バックグラウンド認証」により、離席中のなりすましやのぞき見といった、内部での不正利用の防止を狙います。

動作モードは3つあり、セキュリティの要件や運用体制に応じて選べます。顔認証とスマートフォンを併用するスタンダードモード、顔認証のみで運用するライトモード、既存のログイン方法に監視機能を追加するWindows標準モードです。パスワードの使い回しや漏えいに起因するリスクを抑えつつ、ログインの手間も軽くしたい企業に適した構成です。

在宅勤務では、業務PCの画面に表示された情報が第三者に撮影されるといった、社外での情報漏えいも課題になります。こうした場面で継続認証がどう働くかについて、株式会社AnchorZの徳山氏は具体的な例を挙げています。

徳山氏
株式会社AnchorZ 代表取締役CEO
徳山氏
独自インタビューより

当社の常時認証では、ご本人がパソコンに向かってスマートフォンのカメラを構えた瞬間にロックすることができます。すぐに画面ロックがかかるので画面を撮影されることはありませんし、同時に「在宅勤務中のAさんがスマートフォンでパソコンの画面を撮ろうとしたので、画面をロックしました」という通知が、システム管理者へ即座に届くようにすることができます。こうして、在宅勤務時の不正行為を水際で未然に防ぐことができます。

まとめ

情報セキュリティは、機密性・完全性・可用性の3要素を土台に、真正性などを加えた考え方で情報を守る取り組みです。ランサムウェアやサプライチェーン攻撃、内部不正といった脅威は中小企業も対象であり、管理的・物理的・技術的の3つの対策を、方針づくりや情報資産の把握といった土台から段階的に整えていくことが第一歩になります。

ISMSやSECURITY ACTIONといった枠組みを目安にしつつ、自社だけでは対応しきれない部分は専門のソリューションで補えます。まずは各サービスの資料を取り寄せ、自社に足りない対策から検討を始めてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 情報セキュリティとは何ですか?

情報セキュリティとは、企業や組織が持つ情報の機密性・完全性・可用性を維持することを指します(国際規格ISO/IEC 27000に対応するJIS Q 27000の定義)。

正当な権限を持つ人が必要なときに情報を正しく使える状態を保ちつつ、権限のない第三者への漏えいや改ざんを防ぐ取り組みで、状況に応じて真正性・責任追跡性・否認防止・信頼性といった特性も加えて維持します。守る対象は電子データに限らず、紙の書類を含む情報全般です。

Q. 情報セキュリティとサイバーセキュリティは何が違いますか?

情報セキュリティとサイバーセキュリティの違いは、守る対象の範囲にあります。情報セキュリティが紙の書類を含む情報全般を対象とするのに対し、サイバーセキュリティは電子的に扱う情報の保護に力点を置いた概念です。情報システムや情報通信ネットワークの安全性・信頼性の確保までを含みます(サイバーセキュリティ基本法第2条)。

両者は大きく重なりますが、サイバーセキュリティは情報セキュリティのうち電子・ネットワーク領域を指すと整理すると分かりやすいでしょう。

出典・参考資料(1件)

Q. 情報セキュリティの7要素とは何ですか?

情報セキュリティの7要素とは、基本の3要素(機密性・完全性・可用性)に、真正性・責任追跡性・否認防止・信頼性の4つを加えた考え方です。後者の4つはJIS Q 27000が、状況に応じて維持することがある特性として挙げるもので、「7要素」という数え方自体は規格上の用語ではなく実務上の通称です。

中小企業がこれらをすべて一度に満たす必要はありませんが、扱う情報の重要度に応じて3要素の先にこうした観点があると押さえておくと、対策の抜けに気づきやすくなります。

Q. 中小企業は情報セキュリティ対策を何から始めればよいですか?

中小企業の情報セキュリティ対策は、まず「方針を決める」「守るべき情報資産を把握する」という土台から着手するのが基本です。そのうえでアクセス権の管理・従業員教育・ウイルス対策やバックアップといった基本的な対策を整え、その後にインシデント対応の手順や事業継続計画(BCP)へと広げていくと取り組みやすくなります。

IPAは中小企業向けに対策ガイドラインを公開しており、まず取り組むべき基本もまとめられているため、着手順の参考になります。

出典・参考資料(1件)

Q. 情報セキュリティ基本方針とは何ですか?どう作ればよいですか?

情報セキュリティ基本方針とは、組織が情報セキュリティにどう取り組むかの姿勢を定め、社内外に示す文書です。機密性・完全性・可用性の維持を目的に、対象範囲・責任体制・遵守すべき事項などを、分かりやすく柔軟に運用できる形で定めます。ゼロから作る必要はなく、IPAの中小企業向けガイドラインが方針のひな形(サンプル)を提供しているため、自社の実態に合わせて調整すると作成しやすいでしょう。

Q. ISMS認証とSECURITY ACTIONは何が違いますか?

ISMS認証とSECURITY ACTIONの違いは、第三者審査を伴う認証か、自己宣言かという点です。ISMS(ISO/IEC 27001)は情報セキュリティ管理の仕組みを第三者機関が審査して適合を認証する制度であるのに対し、SECURITY ACTIONはIPAが対策状況を認定するものではなく、中小企業が自ら対策への取り組みを宣言する制度です。

まずSECURITY ACTIONで基本的な対策に取り組み、必要に応じてISMS認証を目指すといった段階的な進め方も選べます。

Q. 情報セキュリティに関する資格でおすすめは何ですか?

情報セキュリティの資格は、目的に応じて国家資格の「情報処理安全確保支援士」や、国家試験の「情報セキュリティマネジメント試験」から選ぶと分かりやすいでしょう。前者は実践的な専門人材向け、後者は情報を扱う部門の担当者が管理の基礎を身につけるのに向いています。国際的にはCISSP・CISA・CISMなどが知られます。自社で担う役割(実務者か管理者か)に合わせて選ぶとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
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